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Abstract
【課題】着脱が容易な連結具を提供する。【解決手段】被着体に取り付けられるベース面21Aを有するベース部21と、このベース部21に設けられたフック部36と、このフック部36またはベース部21に取り付けられたスライド部材40とを備える。フック部36は、開口38を有し、スライド部材40は、ベース部21のベース面21Aに沿ってスライド動作可能で、かつ、弾性部材50によってフック部36に向かって付勢されているとともに、スライド動作によってフック部36の開口38を開閉する。【選択図】図6
Description
本考案は、リング部を有する雌部材などを着脱可能に連結するための連結具に関する。例えば、前開きコートの前身頃などを留めるために用いられるバックルにおいて、雌部材を着脱可能に連結するための連結具に関する。
例えば、前開きコートの前身頃などを留めるために、いわゆる、ファイアーマンバックルと称されるバックルが用いられている。
従来、この種のバックルは、一方の前身頃に取り付けられるリング部を有する雌部材と、他方の前身頃に取り付けられ雌部材のリング部を引っ掛けて連結するフック部を有する雄部材とから構成されている。
従来、この種のバックルは、一方の前身頃に取り付けられるリング部を有する雌部材と、他方の前身頃に取り付けられ雌部材のリング部を引っ掛けて連結するフック部を有する雄部材とから構成されている。
雌部材は、例えば、D字形状のリング部と、このリング部の直線辺から延長され前身頃に取り付けられる被着部とから構成されている。
雄部材は、例えば、特許文献1に示されるように、一部に開口を有するフック部を備えた雄部材本体と、一端が雄部材本体に揺動可能に支持され他端がフック部の先端に接触して開口を閉じるとともに、フック部の内側へ離間可能な開閉片と、この開閉片の他端がフック部の先端に接触するように開閉片を回動付勢するスプリングとから構成されている。
雄部材は、例えば、特許文献1に示されるように、一部に開口を有するフック部を備えた雄部材本体と、一端が雄部材本体に揺動可能に支持され他端がフック部の先端に接触して開口を閉じるとともに、フック部の内側へ離間可能な開閉片と、この開閉片の他端がフック部の先端に接触するように開閉片を回動付勢するスプリングとから構成されている。
特許文献1に示される構造の雄部材の場合、雄部材から雌部材を外す際、指の先(爪)で雄部材の開閉片の他端をフック部の内側へ押して、開閉片の他端をフック部の先端から離間させ、その隙間から雌部材のリング部をフック部から外す必要がある。
ところが、フック部の開口が狭く、その狭い隙間に指の先(爪)を差し込んで、スプリングの付勢力に抗して開閉片を押し込まなければならないため、雄部材の開閉片の他端を押し込みづらく、操作性が悪いだけでなく、指の先(爪)が傷つきやすい。
ところが、フック部の開口が狭く、その狭い隙間に指の先(爪)を差し込んで、スプリングの付勢力に抗して開閉片を押し込まなければならないため、雄部材の開閉片の他端を押し込みづらく、操作性が悪いだけでなく、指の先(爪)が傷つきやすい。
本考案の目的は、このような従来の課題を解決し、着脱が容易な連結具を提供することにある。
本考案の連結具は、被着体に取り付けられるベース面を有するベース部と、このベース部に設けられたフック部と、このフック部または前記ベース部に取り付けられたスライド部材とを備え、前記フック部は、開口を有し、前記スライド部材は、前記ベース部のベース面に沿ってスライド動作可能で、かつ、弾性部材によって前記フック部に向かって付勢されているとともに、前記スライド動作によって前記フック部の開口を開閉する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、スライド部材をベース部のベース面に沿ってスライド動作させると、フック部の開口が開かれるから、フック部に対して連結される被連結具、例えば、リング部を有する雌部材をフック部内に挿入したのち、スライド部材から指を離す。すると、スライド部材は弾性部材の付勢力によってフック部に向かってスライド動作されるため、フック部の開口が閉じられる。これにより、被連結具が連結具に連結される。また、被連結具をフック部から外すには、スライド部材をベース部のベース面に沿ってスライド動作させ、フック部の開口を開く。この状態において、フック部から被連結具を外す。
従って、本考案では、スライド部材をスライド動作させれば、被連結具の着脱ができるため、従来の構造に比べ、着脱を容易かつ安全に行うことができる。
従って、本考案では、スライド部材をスライド動作させれば、被連結具の着脱ができるため、従来の構造に比べ、着脱を容易かつ安全に行うことができる。
本考案の連結具は、ベース部材に対してフック部材が取り付けられ、前記ベース部材には前記ベース部が形成され、前記フック部材には前記ベース部のベース面とは反対側に前記開口を有する前記フック部が形成され、前記スライド部材には、前記フック部材を前記スライド動作方向のガイドとする一対のフランジおよびこのフランジの間であって前記スライド動作方向へ延びるガイド突起が設けられ、前記フック部材には、弾性部材収納空間、この弾性部材収納空間に連通し前記スライド動作方向に沿って開口する弾性部材収納用開口およびガイド突起収納用開口が形成され、前記弾性部材は、前記弾性部材収納用開口の前記スライド動作方向寸法よりも短く、かつ、前記ガイド突起収納用開口の前記スライド動作方向寸法よりも長い寸法に形成され、前記弾性部材収納空間内に収納された状態で前記ガイド突起に係合される、ことが好ましい。
このような構成によれば、ベース部材に対してフック部材を取り付け、このフック部材に対してスライド部材をスライド動作可能に取り付けることにより構成できる。
この際、フック部材には、弾性部材収納空間、この弾性部材収納空間に連通しスライド動作方向に沿って開口する弾性部材収納用開口およびガイド突起収納用開口が形成されているとともに、弾性部材は、弾性部材収納用開口のスライド動作方向寸法よりも短く形成されているから、弾性部材を弾性部材収納用開口から弾性部材収納空間内に容易に収納させることができる。
また、弾性部材は、弾性部材収納空間内に収納された状態において、ガイド突起に係合されているとともに、ガイド突起収納用開口のスライド動作方向寸法よりも長い寸法に形成されているから、弾性部材がガイド突起収納用開口から飛び出るのを防止できる。
この際、フック部材には、弾性部材収納空間、この弾性部材収納空間に連通しスライド動作方向に沿って開口する弾性部材収納用開口およびガイド突起収納用開口が形成されているとともに、弾性部材は、弾性部材収納用開口のスライド動作方向寸法よりも短く形成されているから、弾性部材を弾性部材収納用開口から弾性部材収納空間内に容易に収納させることができる。
また、弾性部材は、弾性部材収納空間内に収納された状態において、ガイド突起に係合されているとともに、ガイド突起収納用開口のスライド動作方向寸法よりも長い寸法に形成されているから、弾性部材がガイド突起収納用開口から飛び出るのを防止できる。
本考案の連結具において、前記ガイド突起は、起立部と、この起立部から前記スライド動作方向に突出する弾性部材支持突起と、前記起立部に対して前記弾性部材支持突起とは反対側から前記スライド動作方向へ突出した当接部とを有し、前記スライド部材が前記弾性部材によって前記フック部に向かって付勢された状態において、前記ガイド突起収納用開口は、前記当接部の先端よりも前記スライド動作方向でかつ前記弾性部材支持突起方向へずれて形成されている、ことが好ましい。
このような構成によれば、ガイド突起は、起立部からスライド動作方向に突出する弾性部材支持突起と、起立部に対して弾性部材支持突起とは反対側からスライド動作方向へ突出した当接部とを有し、スライド部材が弾性部材によってフック部に向かって付勢された状態において、ガイド突起収納用開口は、当接部の先端よりもスライド動作方向でかつ弾性部材支持突起方向へずれて形成されているから、つまり、この状態において、スライド部材をベース部から離れる方向へ引き抜こうとしても、ガイド突起が弾性部材収納空間の壁に阻止されるから、スライド部材が外れるのが防止される。
本考案の連結具において、前記スライド部材は、前記ベース部とは反対側に操作部を有し、前記操作部は、前記スライド部材によって開閉される前記フック部の開口よりも、前記ベース部側に凹んで形成されている、ことが好ましい。
このような構成によれば、スライド部材をスライド動作させる際に指を載せる操作部が、フック部の開口よりも、ベース部側に凹んで形成されているから、ベース部から操作部までの厚み寸法を薄くでき、操作部に指を載せて操作する際の安定性を確保できる。
このような構成によれば、スライド部材をスライド動作させる際に指を載せる操作部が、フック部の開口よりも、ベース部側に凹んで形成されているから、ベース部から操作部までの厚み寸法を薄くでき、操作部に指を載せて操作する際の安定性を確保できる。
本考案の連結具において、前記フック部の開口端および前記フック部の開口を開閉するスライド部材の開閉端は、内側から外側に向かうに従ってフック部先端に向かって傾斜する傾斜面に形成されている、ことが好ましい。
このような構成によれば、フック部の開口端およびこの開口を開閉する前記スライド部材の開閉端は、内側から外側に向かうに従ってフック部先端に向かって傾斜する傾斜面に形成されているから、フック部に係止される被連結具が動いてフック部の開口端やスライド部材の開閉端にぶつかっても、これらが簡単に開放されるのを防止できる。
このような構成によれば、フック部の開口端およびこの開口を開閉する前記スライド部材の開閉端は、内側から外側に向かうに従ってフック部先端に向かって傾斜する傾斜面に形成されているから、フック部に係止される被連結具が動いてフック部の開口端やスライド部材の開閉端にぶつかっても、これらが簡単に開放されるのを防止できる。
以下、本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。
<バックルの構造説明>
図1は、本考案の連結具を雄部材として用いたバックルの使用状態を示す図である。本実施形態のバックルは、前開きコートの一方の前身頃1に取り付けられる雌部材Aと、他方の前身頃2に取り付けられ雌部材Aを引っ掛けて連結する連結具としての雄部材Bとから構成されている。
<バックルの構造説明>
図1は、本考案の連結具を雄部材として用いたバックルの使用状態を示す図である。本実施形態のバックルは、前開きコートの一方の前身頃1に取り付けられる雌部材Aと、他方の前身頃2に取り付けられ雌部材Aを引っ掛けて連結する連結具としての雄部材Bとから構成されている。
雌部材Aは、例えば、D字形状のリング部11と、このリング部11の直線辺から直角に延長され被着体としてのコートの一方の前身頃1に取り付けられる被着部12とから構成されている。
雄部材Bは、図2〜図4に示すように、被着体としてのコートの他方の前身頃2にリベットなどの止着具3を介して取り付けられるベース部材20と、このベース部材20に取り付けられたフック部材30と、このフック部材30に対してスライド動作可能に設けられたスライド部材40と、このスライド部材40を付勢する弾性部材50とから構成されている。
雄部材Bは、図2〜図4に示すように、被着体としてのコートの他方の前身頃2にリベットなどの止着具3を介して取り付けられるベース部材20と、このベース部材20に取り付けられたフック部材30と、このフック部材30に対してスライド動作可能に設けられたスライド部材40と、このスライド部材40を付勢する弾性部材50とから構成されている。
ベース部材20は、被着体としてのコートの他方の前身頃2に取り付けられるベース面21Aを有する三角板状のベース部21と、このベース部21の上面中央に突出形成された隆起部24とを備える。ベース部21には、それぞれの角部にリベット挿通孔22が形成されているとともに、隆起部24の長手方向両端側に隆起部24を挟んでボス係合孔23がそれぞれ形成されている。リベット挿通孔22および前身頃2の生地を貫通してリベットなどの止着具3が挿通され、前身頃2の裏面側において止着具3が加締められることにより、ベース部材20が前身頃2に固定される。隆起部24は、断面四角形の直方体形状に形成されている。
フック部材30は、ベース部材20のベース部21に取り付けられるガイド部31と、このガイド部31の長手方向一端に一体的に形成されたフック部36とを備える。
ガイド部31には、内部に弾性部材収納空間32が形成されているとともに、下面に弾性部材収納空間32に連通する弾性部材収納用開口33が、また、上面に弾性部材収納空間32に連通するガイド突起収納用開口34がそれぞれ開口されている。これら弾性部材収納用開口33およびガイド突起収納用開口34は、幅寸法に対してスライド部材40のスライド方向寸法(長さ寸法)が長い長方形に形成されている。具体的には、弾性部材収納用開口33は、幅寸法および長さ寸法が弾性部材収納空間32の幅寸法および長さ寸法と同じで、かつ、ベース部材20の隆起部24が嵌合する大きさに形成されている。また、ガイド突起収納用開口34は、幅寸法および長さ寸法が弾性部材収納空間32の幅寸法および長さ寸法よりも小さい形状に形成され、かつ、弾性部材収納空間32に対してスライド部材40のスライド動作方向前後端よりも内側位置に形成されている。
なお、ガイド部31の下面には、弾性部材収納用開口33を挟む位置にボス部35が突出形成されている。このボス部35がベース部材20のボス係合孔23に挿入され加締められることにより、フック部材30がベース部材20に一体的に組み付けられる。
ガイド部31には、内部に弾性部材収納空間32が形成されているとともに、下面に弾性部材収納空間32に連通する弾性部材収納用開口33が、また、上面に弾性部材収納空間32に連通するガイド突起収納用開口34がそれぞれ開口されている。これら弾性部材収納用開口33およびガイド突起収納用開口34は、幅寸法に対してスライド部材40のスライド方向寸法(長さ寸法)が長い長方形に形成されている。具体的には、弾性部材収納用開口33は、幅寸法および長さ寸法が弾性部材収納空間32の幅寸法および長さ寸法と同じで、かつ、ベース部材20の隆起部24が嵌合する大きさに形成されている。また、ガイド突起収納用開口34は、幅寸法および長さ寸法が弾性部材収納空間32の幅寸法および長さ寸法よりも小さい形状に形成され、かつ、弾性部材収納空間32に対してスライド部材40のスライド動作方向前後端よりも内側位置に形成されている。
なお、ガイド部31の下面には、弾性部材収納用開口33を挟む位置にボス部35が突出形成されている。このボス部35がベース部材20のボス係合孔23に挿入され加締められることにより、フック部材30がベース部材20に一体的に組み付けられる。
フック部36は、ガイド部31の長手方向一端からスライド動作前方へ延長された延長部37と、この延長部37の先端から上方へ鉤形(三角形状)に折曲されたのちスライド動作方向後方へ延長され先端に開口38を有する鉤部39とを有している。従って、フック部36は、ベース部21のベース面21Aとは反対側に開口38を有している。鉤部39の先端折曲部は直角または鋭角となるように折曲され、そのため、フック部36の鉤部39は正面から見て略「く」の字形状に形成されている。
スライド部材40は、フック部材30のガイド部31をガイドとしてベース部21のベース面21Aに沿ってスライド動作可能に設けられたスライド部材本体41と、このスライド部材本体41の長手方向一端から延長されフック部36の開口38を開閉する開閉片部47と、スライド部材本体41の上面、つまり、ベース部21とは反対側に形成された操作部48とを備え、弾性部材50によってフック部36に向かって付勢されている。
スライド部材本体41には、幅方向両側にフック部材30のガイド部31を両側から挟む一対のフランジ42が形成されているとともに、このフランジ42の間にスライド動作方向へ延びるガイド突起43が設けられている。ガイド突起43は、スライド部材本体41から下方へ起立した起立部44と、この起立部44からスライド動作方向に突出する弾性部材支持突起45と、起立部44に対して弾性部材支持突起45とは反対側からスライド動作方向へ突出した当接部46とを有している。
ここで、ガイド突起収納用開口34は、弾性部材支持突起45および当接部46の全長寸法よりも僅かに大きい寸法に形成されている。つまり、ガイド突起収納用開口34は、ガイド突起43を弾性部材収納空間32内に挿入できる寸法に形成されているとともに、スライド部材40が弾性部材50によってフック部36に向かって付勢された状態において、当接部46の先端よりもスライド動作方向後方へずれて形成されている。このため、当接部46の上方には弾性部材収納空間32を形成する上壁32Aが残っているため、スライド部材40がフック部材30から外れるのが防止されている。
開閉片部47は、スライド部材本体41の長手方向一端から水平に延長されたのち、先端がフック部36の開口端36Aに当接あるいは僅かの隙間を隔てて対向する形状に形成されている。ここで、フック部36の開口端36Aおよびこの開口38を開閉する開閉片部47の開閉端47Aは、内側から外側に向かうに従ってフック部36先端に向かって傾斜する傾斜面に形成されている。
操作部48は、スライド部材40によって開閉されるフック部36の開口38よりも、ベース部21側に凹んで形成されている。具体的には、スライド部材40の開閉端47Aとフック部36の開口端36Aよりもベース部21側に凹んで形成され、開閉片部47の基端からスライド動作方向後方へ向かうに従ってベース部21に次第に接近したのちベース部21から次第に離れる円弧状の窪みに形成されている。操作部48の上面には、スライド方向に対して交差(直交)する複数本の滑止突条49が一定間隔で形成されている。
弾性部材50は、コイルスプリング51によって構成されている。コイルスプリング51は、弾性部材収納用開口33のスライド動作方向寸法よりも短く、かつ、ガイド突起収納用開口34のスライド動作方向寸法よりも長い寸法に形成され、弾性部材収納空間32内に収納された状態でガイド突起43に係合される。
なお、コイルスプリング51の径(幅寸法)と、弾性部材収納用開口33の幅寸法と、ガイド突起収納用開口34の幅寸法との関係は、
弾性部材収納用開口33の幅寸法>コイルスプリング51の径(幅寸法)>ガイド突起収納用開口34の幅寸法
に設定されている。
なお、コイルスプリング51の径(幅寸法)と、弾性部材収納用開口33の幅寸法と、ガイド突起収納用開口34の幅寸法との関係は、
弾性部材収納用開口33の幅寸法>コイルスプリング51の径(幅寸法)>ガイド突起収納用開口34の幅寸法
に設定されている。
<組立方法の説明>
図4に示す状態において、スライド部材40のガイド突起43をフック部材30のガイド突起収納用開口34から弾性部材収納空間32内に挿入したのち、ガイド突起43の弾性部材支持突起45と弾性部材収納空間32の後壁32Bとの間に弾性部材50を圧縮した状態で係止させる。
この際、弾性部材50の長さ寸法は、弾性部材収納用開口33のスライド動作方向寸法よりも短く形成され、また、弾性部材50の幅寸法は、弾性部材収納用開口33の幅寸法より小さく形成されているから、弾性部材50を弾性部材収納用開口33から弾性部材収納空間32内に容易に収納させることができる。また、弾性部材50は、弾性部材収納空間32内に収納された状態において、ガイド突起43に係合されているとともに、ガイド突起収納用開口34のスライド動作方向寸法よりも長い寸法に形成され、また、幅寸法がガイド突起収納用開口34の幅寸法よりも大きい寸法に形成されているから、弾性部材50がガイド突起収納用開口34から飛び出るのを防止できる。
図4に示す状態において、スライド部材40のガイド突起43をフック部材30のガイド突起収納用開口34から弾性部材収納空間32内に挿入したのち、ガイド突起43の弾性部材支持突起45と弾性部材収納空間32の後壁32Bとの間に弾性部材50を圧縮した状態で係止させる。
この際、弾性部材50の長さ寸法は、弾性部材収納用開口33のスライド動作方向寸法よりも短く形成され、また、弾性部材50の幅寸法は、弾性部材収納用開口33の幅寸法より小さく形成されているから、弾性部材50を弾性部材収納用開口33から弾性部材収納空間32内に容易に収納させることができる。また、弾性部材50は、弾性部材収納空間32内に収納された状態において、ガイド突起43に係合されているとともに、ガイド突起収納用開口34のスライド動作方向寸法よりも長い寸法に形成され、また、幅寸法がガイド突起収納用開口34の幅寸法よりも大きい寸法に形成されているから、弾性部材50がガイド突起収納用開口34から飛び出るのを防止できる。
この状態において、フック部材30の弾性部材収納空間32にベース部材20の隆起部24を嵌合させるとともに、フック部材30のボス部35をベース部材20のボス係合孔23に挿入して加締める。すると、ベース部材20、フック部材30およびスライド部材40が一体化されるとともに、弾性部材50の復元力によりスライド部材40がフック部36へ向かってスライド動作され、フック部36の開口38がスライド部材40の開閉片部47により閉じられる。
この状態、つまり、図5の状態においては、スライド部材40がフック部36へ向かって付勢され、ガイド突起43の当接部46が弾性部材収納空間32の前壁32Cに当接されている。この状態では、当接部46の真上には弾性部材収納空間32の上壁32Aが存在するため、スライド部材40をベース部21から離れる方向へ引き抜こうとしても、ガイド突起43が弾性部材収納空間32の上壁32Aに阻止されるから、スライド部材40が外れるのが防止される。
このようにして雄部材Bを組み立てると、フック部材30のガイド突起収納用開口34は、スライド部材40の下面と一対のフランジ42によって外側から見えないように覆われ、また、弾性部材収納用開口33は、ベース部21によって覆われているから、指なども引っ掛かることがなく、意匠的にも優れている。この雄部材Bをリベットなどの止着具3を利用して被着体、ここでは、他方の前身頃2に取り付ける。
このようにして雄部材Bを組み立てると、フック部材30のガイド突起収納用開口34は、スライド部材40の下面と一対のフランジ42によって外側から見えないように覆われ、また、弾性部材収納用開口33は、ベース部21によって覆われているから、指なども引っ掛かることがなく、意匠的にも優れている。この雄部材Bをリベットなどの止着具3を利用して被着体、ここでは、他方の前身頃2に取り付ける。
<使用方法の説明>
使用にあたっては、図5示す状態から、スライド部材40の操作部48に指をあてて、操作部48をスライド動作させる。つまり、スライド部材40を弾性部材50の付勢力に抗してスライド動作方向後方(図5中右方向)へスライド動作させる。すると、図6に示すように、フック部36の開口端36Aからスライド部材40の開閉片部47が離れるから、フック部36の開口38が開かれる。
このとき、操作部48とフック部36の開口38とが離れているから、指がフック部36に触れることがないため、指の損傷を防げる。また、指を載せる操作部48が、フック部36の開口38よりも、ベース部21側に凹んで形成されているから、ベース部21から操作部48までの厚み寸法を薄くでき、操作部48に指を載せて操作する際の安定性を確保できる。
使用にあたっては、図5示す状態から、スライド部材40の操作部48に指をあてて、操作部48をスライド動作させる。つまり、スライド部材40を弾性部材50の付勢力に抗してスライド動作方向後方(図5中右方向)へスライド動作させる。すると、図6に示すように、フック部36の開口端36Aからスライド部材40の開閉片部47が離れるから、フック部36の開口38が開かれる。
このとき、操作部48とフック部36の開口38とが離れているから、指がフック部36に触れることがないため、指の損傷を防げる。また、指を載せる操作部48が、フック部36の開口38よりも、ベース部21側に凹んで形成されているから、ベース部21から操作部48までの厚み寸法を薄くでき、操作部48に指を載せて操作する際の安定性を確保できる。
この状態において、フック部36の開口38、つまり、フック部36の開口端36Aと開閉片部47の開閉端47Aとの隙間から雌部材Aのリング部11を挿入したのち、操作部48から指を離すと、スライド部材40は弾性部材50の付勢力によってフック部36に向かってスライド動作されるため、フック部36の開口38が塞がれる(図5の状態になる)。これにより、雌部材Aのリング部11が雄部材Bのフック部36に連結される。
このとき、フック部36の開口端36Aおよびこの開口38を開閉するスライド部材40の開閉端47Aは、内側から外側に向かうに従ってフック部36先端に向かって傾斜する傾斜面に形成されているから、フック部36に係止される雌部材Aのリング部11が動いてリング部11がフック部36の開口端36Aやスライド部材40の開閉端47Aにぶつかっても、これらが簡単に開放されるのを防止できる。
このとき、フック部36の開口端36Aおよびこの開口38を開閉するスライド部材40の開閉端47Aは、内側から外側に向かうに従ってフック部36先端に向かって傾斜する傾斜面に形成されているから、フック部36に係止される雌部材Aのリング部11が動いてリング部11がフック部36の開口端36Aやスライド部材40の開閉端47Aにぶつかっても、これらが簡単に開放されるのを防止できる。
また、雌部材Aをフック部36から外すには、スライド部材40をベース部21のベース面21Aに沿ってスライド動作させ、フック部36の開口38を開く。この状態において、フック部36から雌部材Aのリング部11を外す。
従って、本実施形態では、スライド部材40をスライド動作させれば、雌部材Aの着脱ができるため、従来の構造に比べ、着脱操作を容易かつ安全に行うことができる。
従って、本実施形態では、スライド部材40をスライド動作させれば、雌部材Aの着脱ができるため、従来の構造に比べ、着脱操作を容易かつ安全に行うことができる。
<変形例>
なお、本考案は、前述の実施形態に限定されるものではなく、本考案の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本考案に含まれる。
前記実施形態では、ベース部21を有するベース部材20と、フック部36を有するフック部材30とを別部材として構成し、これらを一体的に組み付けて構成したが、これに限られない。例えば、1つの部材に、ベース部21とフック部36とを一体的に構成してもよい。
なお、本考案は、前述の実施形態に限定されるものではなく、本考案の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本考案に含まれる。
前記実施形態では、ベース部21を有するベース部材20と、フック部36を有するフック部材30とを別部材として構成し、これらを一体的に組み付けて構成したが、これに限られない。例えば、1つの部材に、ベース部21とフック部36とを一体的に構成してもよい。
また、前記実施形態では、スライド部材40をフック部材30に対してスライド動作可能に構成したが、これに限らず、ベース部材20に対してスライド部材40をスライド動作可能に構成してもよい。
なお、ベース部材20、フック部材30およびスライド部材40の材質については、特に問わない。例えば、金属のほかに、ある程度の剛性を有する合成樹脂などであってもよい。
本考案は、コートなど衣料品において開閉可能な部分を着脱可能に連結する際に利用できるほか、紐やベルトなどをループ状にした被連結具を着脱可能に連結する連結具としても利用することができる。
2…前身頃(被着体)、20…ベース部材、21…ベース部、30…フック部材、32…弾性部材収納空間、33…弾性部材収納用開口、34…ガイド突起収納用開口、36…フック部、36A…開口端、38…開口、40…スライド部材、42…フランジ、43…ガイド突起、44…起立部、45…弾性部材支持突起、46…当接部、47…開閉片部、48…操作部、50…弾性部材、A…雌部材、B…雄部材。
Claims (5)
- 被着体に取り付けられるベース面21Aを有するベース部21と、このベース部21に設けられたフック部36と、このフック部36または前記ベース部21に取り付けられたスライド部材40とを備え、
前記フック部36は、開口38を有し、
前記スライド部材40は、前記ベース部21のベース面21Aに沿ってスライド動作可能で、かつ、弾性部材50によって前記フック部36に向かって付勢されているとともに、前記スライド動作によって前記フック部36の開口38を開閉する、
ことを特徴とする連結具。 - ベース部材20に対してフック部材30が取り付けられ、前記ベース部材20には前記ベース部21が形成され、前記フック部材30には前記ベース部21のベース面21Aとは反対側に前記開口38を有する前記フック部36が形成され、
前記スライド部材40には、前記フック部材30を前記スライド動作方向のガイドとする一対のフランジ42およびこのフランジ42の間であって前記スライド動作方向へ延びるガイド突起43が設けられ、
前記フック部材30には、弾性部材収納空間32、この弾性部材収納空間32に連通し前記スライド動作方向に沿って開口する弾性部材収納用開口33およびガイド突起収納用開口34が形成され、
前記弾性部材50は、前記弾性部材収納用開口33の前記スライド動作方向寸法よりも短く、かつ、前記ガイド突起収納用開口34の前記スライド動作方向寸法よりも長い寸法に形成され、前記弾性部材収納空間32内に収納された状態で前記ガイド突起43に係合される、
ことを特徴とする請求項1に記載の連結具。 - 前記ガイド突起43は、起立部44と、この起立部44から前記スライド動作方向に突出する弾性部材支持突起45と、前記起立部44に対して前記弾性部材支持突起45とは反対側から前記スライド動作方向へ突出した当接部46とを有し、
前記スライド部材40が前記弾性部材50によって前記フック部36に向かって付勢された状態において、前記ガイド突起収納用開口34は、前記当接部46の先端よりも前記スライド動作方向でかつ前記弾性部材支持突起45方向へずれて形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の連結具。 - 前記スライド部材40は、前記ベース部21とは反対側に操作部48を有し、
前記操作部48は、前記スライド部材40によって開閉される前記フック部36の開口38よりも、前記ベース部21側に凹んで形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の連結具。 - 前記フック部36の開口端36Aおよび前記フック部36の開口38を開閉する前記スライド部材40の開閉端47Aは、内側から外側に向かうに従ってフック部36先端に向かって傾斜する傾斜面に形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の連結具。
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