JP3553197B2 - 光コネクタ成形用金型及び光コネクタの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光コネクタ成形用金型及び光コネクタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ同士を突き合わせ接続する光コネクタとして、例えばMTコネクタ(Mechanically Transferable)など、光ファイバを直接ハウジング樹脂に形成したファイバ穴に挿通して精密に位置決めするタイプのものがある。このタイプの光コネクタは、ファイバ穴を精密に形成する必要があり、ファイバ穴形成用中子を用いたトランスファー成形によって製造することが一般的である。
【0003】
前記MTコネクタをトランスファー成形によって製造する場合、図4に示すように、形成すべきファイバ穴に相当するファイバ穴形成ピン1とMTコネクタの嵌合ピン用の穴を形成するピン穴形成ピン2とが先端に突設されたファイバ穴形成用中子3と、ファイバ穴形成ピン1やピン穴形成ピン2を精密に位置決めするための位置決め駒4とを用いる。前記位置決め駒4は、ファイバ穴形成ピン1を所定の位置に精密に位置決めするV溝5が形成されたプレート状のV溝板6を複数積層した構成であり、V溝5とこのV溝5の上層のV溝板6の底面7との間に前記ファイバ穴形成ピン1やピン穴形成ピン2を挟持してこれらを同時に位置決めするようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のような位置決め駒4の場合、積層されたV溝板6がスライド方向にズレ易く、これらV溝板6のスライド方向の位置を精密に保持することに手間がかかるといった問題があった。また、前記V溝5をピッチや深さを高精度で形成する必要があるため、形成数が多くなれば形成に手間がかかる上、精度の維持も高度になってくるといった問題もあった。
【0005】
前記問題に鑑みて、例えば図5に示すように、放電加工によって形成された多数の位置決め用穴8を有し、ファイバ穴形成用中子3に設けられた全てのファイバ穴形成ピン1やピン穴形成ピン2に対応することができる一体形の位置決め駒9も提案されている。しかしながら、この位置決め駒9の場合、個々の位置決め用穴8の径や、穴相互の形成位置の加工精度の確保が困難であり、前記問題の根本的な解決に至らない。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、ファイバ穴形成ピンの高精度な位置決めを容易に行なうことが出来る光コネクタ成形用金型及び光コネクタの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、以下の構成を採用した。
すなわち、光ファイバ同士を突き合わせ接続する光コネクタを成形する際に、光ファイバが挿通されるファイバ穴を形成するためのファイバ穴形成ピンを精密位置決めする光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構を具備し、前記光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構は、ファイバ穴形成ピンが挿通可能な複数のスリットが互いに平行として貫設されたブロック状の複数の位置決め駒と、前記位置決め駒の両側部に、互いのスリットを交差させてスリット間を連通する連通部を形成するようにこれら位置決め駒を直列させる位置決め手段とを備えてなることを特徴とする光コネクタ成形用金型を前記課題の解決手段とした。
また、光ファイバ同士を突き合わせ接続する光コネクタを、ファイバ穴形成用中子の外側に装着した金型内への溶融金属の圧入、固化によって成形する際に、光ファイバが挿通されるファイバ穴を形成するためのファイバ穴形成ピンを精密位置決めする光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構を具備し、前記光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構は、ファイバ穴形成ピンが挿通可能な複数のスリットが互いに平行として貫設されたブロック状の複数の位置決め駒と、互いのスリットを交差させてスリット間を連通する連通部を形成するようにこれら位置決め駒を直列させる位置決め手段とを備えてなり、前記位置決め手段が、突き合わせ接続する相手側の光ファイバに対して光コネクタを位置決めする嵌合ピン用の穴を形成するピン穴形成ピンを内装位置決めするための位置決め穴であり、各位置決め駒の位置決め穴に前記ピン穴形成ピンを連通することにより各位置決め駒が相対位置決めされ、複数の位置決め駒のスリットによるファイバ穴形成ピンの位置決め精度が確保されるようになっていることを特徴とする光コネクタ成形用金型を前記課題の解決手段とした。この光コネクタ成形用金型では、前記スリットは前記位置決め駒の中央部に開口されており、前記位置決め穴は前記位置決め駒の両側部に穿設されている構成も採用可能である。
また、本発明に係る光コネクタ成形用金型では、前記位置決め手段が、断面長方形の位置決め穴であり、直列させた複数の位置決め駒の間で位置決め穴同士を交差させて位置決め駒間の相対位置決めを行えるようになっている構成も採用可能である。
【0008】
また、本発明では、光ファイバが挿通されるファイバ穴を形成するためのファイバ穴形成ピンが挿通可能な複数のスリットが互いに平行として貫設されたブロック状の複数の位置決め駒を、該位置決め駒の両側部の位置決め穴を互いに連通させて直接に配列して、各位置決め駒のスリットが格子状に交差するとともに、その交差部分が互いに連通する連通部となるようにした後、各位置決め駒の位置決め穴へのピン穴形成ピンの連通によって複数の位置決め駒を精密に相対位置決めさせることで、各連通部によってファイバ穴形成ピンを精密に位置決めせしめ、次に、金型内に溶融樹脂を圧入した後、前記溶融樹脂を固化させることを特徴とする光コネクタの製造方法を提供する。
【0009】
【作用】
本発明によれば、直列に配列した複数の位置決め駒のスリットの連通部にファイバ穴形成ピンを挿通することにより、ファイバ穴形成ピンを該ファイバ穴形成ピンに垂直な平面における少なくとも2方向に位置決めする。直列に配置される位置決め駒が多ければ、さらに多数方向においてファイバ穴形成ピンが位置決めされ、位置決め精度が向上する。また、スリットを高精度加工しやすい形状とすることができ、高い精度を容易に確保することができる。
【0010】
また、本発明によれば、複数の位置決め駒にピン穴形成ピンを挿通すると同時に複数の位置決め駒を位置決めして、位置決め手段がファイバ穴形成ピンの位置決め可能状態となる。
【0011】
【実施例】
以下本発明の一実施例を、図1および図2を参照して説明する。図中符号10は、本実施例の光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構である。なお、図中、図3および図4と同一の構成部分には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。図1および図2記載の光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構10は、図3記載のファイバ穴形成用中子3を用いてMTコネクタを製造するための光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構であって、ファイバ穴形成用中子3のファイバ穴形成ピン1が挿通可能な複数のスリット11が互いに平行として貫設されたブロック状の二つの位置決め駒12と、互いのスリット11を交差させてスリット11間を連通する連通部13を形成するようにこれら位置決め駒12を直列させる位置決め手段14とを備えている。本実施例において、前記位置決め手段14は、突き合わせ接続する相手側の光ファイバに対して光コネクタを位置決めする嵌合ピン用の穴を形成するピン穴形成ピン2を内装位置決めするための位置決め穴15である。この位置決め手段14は、図3に示すような断面長方形の位置決め穴16であってもよい。この場合、直列させた二つの位置決め駒12の間で位置決め穴同士を交差させて位置決め駒12間の相対位置決めを行うようにしてもよい。なお、位置決め手段14としては、ピン穴形成ピン2以外、例えば位置決め駒12外面を支持して位置決め駒12同士を相対位置決めする手段等であってもよい。この場合、ピン穴形成ピン2を使用しない光コネクタの製造にも適用することができる。
【0012】
前記位置決め駒12は、外面視概略直方体状のブロックであって、前記スリット11が開口する両面が精密な平面に形成されている。この位置決め駒12の一側面の中央部には複数の前記スリット11が並列に開口され、同側面の両側部には前記位置決め穴15が穿設されている。一方の位置決め駒12においては位置決め手段14の間を結ぶ軸線に対して各スリット11がその断面長手方向の軸線を平行として形成され、他方の位置決め駒12においては位置決め手段14の間を結ぶ軸線に対して各スリット11がその断面長手方向の軸線を垂直として形成されている。
【0013】
前記スリット11は、断面が細長長方形の溝状であって、それぞれの開口する位置決め駒12の外面に対して垂直な軸線を以て精密に形成されている。また、同一の位置決め駒12にあるスリット11相互間の平行度およびピッチも高精度になっている。
ここで、重要なことは、スリット11の断面両長辺に位置する内面の平坦度、平行度、離間間隔と、各スリット11間のピッチの精度であり、断面長方形の場合、V溝や穴に比して高精度の加工を容易に行なうことができる。
なお、スリット11の断面は、精密に加工しやすい形状であれば前記細長長方形以外であっても構わない。
【0014】
前記光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構10によってMTコネクタを製造するには、図2に示すように、互いの位置決め穴15を連通させ、スリット11が開口する外面同士を当接させて二つの位置決め駒12を直列に配列する。この際、二つの位置決め駒12のスリット11が格子状に交差するとともに、その交差部分が互いに連通する連通部13となる。
次に、前記ファイバ穴形成用中子3のファイバ穴形成ピン1およびピン穴形成ピン2をそれぞれ連通部13、位置決め穴15に挿通する。この際、二つの位置決め駒12の位置決め穴15にピン穴形成ピン2を連通すると同時に二つの位置決め駒12が精密に相対位置決めされ、各連通部13によるファイバ穴形成ピン1の位置決めが精密になされる。
次に、ファイバ穴形成用中子3の外側に金型を装着して、溶融樹脂を金型内に圧入後、固化させる。
【0015】
したがって、本発明によれば、直列に配列した二つの位置決め駒12間において、高精度に加工された互いのスリット11を重ね合わせて形成した連通部13でファイバ穴形成ピン1を支持して位置決めするので、高い位置決め精度を容易に得ることができる。また、二つの位置決め駒12にピン穴形成ピン2を挿通するだけで位置決め駒12同士に加えてファイバ穴形成ピン1とスリット11も相対位置決めすることができ、位置決めの作業能率が向上するとともに、しかもファイバ穴形成ピン1に対する位置決め駒12の位置決め精度を一層向上することができる。
【0016】
なお、前記ピン穴形成ピン2の位置決めも、各位置決め駒12に形成したスリットの組み合わせによって構成される連通部で行なうようにしてもよい。
前記位置決め駒12には、スリット11の形成ピッチに対する種々の相対位置で複数の位置決め穴15を形成するようにしてもよい。こうすることにより、ファイバ穴形成ピン1とピン穴形成ピン2を、これらの間の種々の相対位置に対応して精密に位置決めすることができ、汎用性が向上する。
本実施例においては、二つの位置決め駒12を用いたが、位置決め駒12の数は3以上であってもよい。この場合、ファイバ穴形成ピン1やピン穴形成ピン2の位置決め精度を一層向上することができる。また、これら位置決め駒12は直列配列時に必ずしも互いに当接させる必要は無い。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ファイバ穴形成ピンが挿通可能な複数のスリットが互いに平行として貫設されたブロック状の複数の位置決め駒と、互いのスリットを交差させてスリット間を連通する連通部を形成するようにこれら位置決め駒を直列させる位置決め手段とを備えてなり、直列に配列した複数の位置決め駒間において、高精度に加工された位置決め駒相互のスリットを重ね合わせて形成した連通部においてファイバ穴形成ピンを支持して位置決めするので、高い位置決め精度を容易に得ることができる。
【0018】
本発明によれば、位置決め駒相互の位置決め手段として、突き合わせ接続する相手側の光ファイバに対して光コネクタを位置決めする嵌合ピン用の穴を形成するピン穴形成ピンを内装位置決めするための位置決め穴を有するので、複数の位置決め駒にピン穴形成ピンを挿通するだけで位置決め駒同士の位置決めとともに、ファイバ穴形成ピンとスリットも相対的に位置決めすることができ、位置決めの作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構の一実施例を示す全体斜視図である。
【図2】同実施例の光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構の作用を示す正面図である。
【図3】同実施例の光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構の作用を示す正面図である。
【図4】従来の位置決め駒の一例を示す斜視図である。
【図5】従来の位置決め駒の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…ファイバ穴形成ピン、2…ピン穴形成ピン、3…ファイバ穴形成用中子(3)、10…光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構、11…スリット、12…位置決め駒、13…連通部、14…位置決め手段、15…位置決め穴。
【産業上の利用分野】
本発明は、光コネクタ成形用金型及び光コネクタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ同士を突き合わせ接続する光コネクタとして、例えばMTコネクタ(Mechanically Transferable)など、光ファイバを直接ハウジング樹脂に形成したファイバ穴に挿通して精密に位置決めするタイプのものがある。このタイプの光コネクタは、ファイバ穴を精密に形成する必要があり、ファイバ穴形成用中子を用いたトランスファー成形によって製造することが一般的である。
【0003】
前記MTコネクタをトランスファー成形によって製造する場合、図4に示すように、形成すべきファイバ穴に相当するファイバ穴形成ピン1とMTコネクタの嵌合ピン用の穴を形成するピン穴形成ピン2とが先端に突設されたファイバ穴形成用中子3と、ファイバ穴形成ピン1やピン穴形成ピン2を精密に位置決めするための位置決め駒4とを用いる。前記位置決め駒4は、ファイバ穴形成ピン1を所定の位置に精密に位置決めするV溝5が形成されたプレート状のV溝板6を複数積層した構成であり、V溝5とこのV溝5の上層のV溝板6の底面7との間に前記ファイバ穴形成ピン1やピン穴形成ピン2を挟持してこれらを同時に位置決めするようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のような位置決め駒4の場合、積層されたV溝板6がスライド方向にズレ易く、これらV溝板6のスライド方向の位置を精密に保持することに手間がかかるといった問題があった。また、前記V溝5をピッチや深さを高精度で形成する必要があるため、形成数が多くなれば形成に手間がかかる上、精度の維持も高度になってくるといった問題もあった。
【0005】
前記問題に鑑みて、例えば図5に示すように、放電加工によって形成された多数の位置決め用穴8を有し、ファイバ穴形成用中子3に設けられた全てのファイバ穴形成ピン1やピン穴形成ピン2に対応することができる一体形の位置決め駒9も提案されている。しかしながら、この位置決め駒9の場合、個々の位置決め用穴8の径や、穴相互の形成位置の加工精度の確保が困難であり、前記問題の根本的な解決に至らない。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、ファイバ穴形成ピンの高精度な位置決めを容易に行なうことが出来る光コネクタ成形用金型及び光コネクタの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、以下の構成を採用した。
すなわち、光ファイバ同士を突き合わせ接続する光コネクタを成形する際に、光ファイバが挿通されるファイバ穴を形成するためのファイバ穴形成ピンを精密位置決めする光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構を具備し、前記光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構は、ファイバ穴形成ピンが挿通可能な複数のスリットが互いに平行として貫設されたブロック状の複数の位置決め駒と、前記位置決め駒の両側部に、互いのスリットを交差させてスリット間を連通する連通部を形成するようにこれら位置決め駒を直列させる位置決め手段とを備えてなることを特徴とする光コネクタ成形用金型を前記課題の解決手段とした。
また、光ファイバ同士を突き合わせ接続する光コネクタを、ファイバ穴形成用中子の外側に装着した金型内への溶融金属の圧入、固化によって成形する際に、光ファイバが挿通されるファイバ穴を形成するためのファイバ穴形成ピンを精密位置決めする光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構を具備し、前記光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構は、ファイバ穴形成ピンが挿通可能な複数のスリットが互いに平行として貫設されたブロック状の複数の位置決め駒と、互いのスリットを交差させてスリット間を連通する連通部を形成するようにこれら位置決め駒を直列させる位置決め手段とを備えてなり、前記位置決め手段が、突き合わせ接続する相手側の光ファイバに対して光コネクタを位置決めする嵌合ピン用の穴を形成するピン穴形成ピンを内装位置決めするための位置決め穴であり、各位置決め駒の位置決め穴に前記ピン穴形成ピンを連通することにより各位置決め駒が相対位置決めされ、複数の位置決め駒のスリットによるファイバ穴形成ピンの位置決め精度が確保されるようになっていることを特徴とする光コネクタ成形用金型を前記課題の解決手段とした。この光コネクタ成形用金型では、前記スリットは前記位置決め駒の中央部に開口されており、前記位置決め穴は前記位置決め駒の両側部に穿設されている構成も採用可能である。
また、本発明に係る光コネクタ成形用金型では、前記位置決め手段が、断面長方形の位置決め穴であり、直列させた複数の位置決め駒の間で位置決め穴同士を交差させて位置決め駒間の相対位置決めを行えるようになっている構成も採用可能である。
【0008】
また、本発明では、光ファイバが挿通されるファイバ穴を形成するためのファイバ穴形成ピンが挿通可能な複数のスリットが互いに平行として貫設されたブロック状の複数の位置決め駒を、該位置決め駒の両側部の位置決め穴を互いに連通させて直接に配列して、各位置決め駒のスリットが格子状に交差するとともに、その交差部分が互いに連通する連通部となるようにした後、各位置決め駒の位置決め穴へのピン穴形成ピンの連通によって複数の位置決め駒を精密に相対位置決めさせることで、各連通部によってファイバ穴形成ピンを精密に位置決めせしめ、次に、金型内に溶融樹脂を圧入した後、前記溶融樹脂を固化させることを特徴とする光コネクタの製造方法を提供する。
【0009】
【作用】
本発明によれば、直列に配列した複数の位置決め駒のスリットの連通部にファイバ穴形成ピンを挿通することにより、ファイバ穴形成ピンを該ファイバ穴形成ピンに垂直な平面における少なくとも2方向に位置決めする。直列に配置される位置決め駒が多ければ、さらに多数方向においてファイバ穴形成ピンが位置決めされ、位置決め精度が向上する。また、スリットを高精度加工しやすい形状とすることができ、高い精度を容易に確保することができる。
【0010】
また、本発明によれば、複数の位置決め駒にピン穴形成ピンを挿通すると同時に複数の位置決め駒を位置決めして、位置決め手段がファイバ穴形成ピンの位置決め可能状態となる。
【0011】
【実施例】
以下本発明の一実施例を、図1および図2を参照して説明する。図中符号10は、本実施例の光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構である。なお、図中、図3および図4と同一の構成部分には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。図1および図2記載の光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構10は、図3記載のファイバ穴形成用中子3を用いてMTコネクタを製造するための光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構であって、ファイバ穴形成用中子3のファイバ穴形成ピン1が挿通可能な複数のスリット11が互いに平行として貫設されたブロック状の二つの位置決め駒12と、互いのスリット11を交差させてスリット11間を連通する連通部13を形成するようにこれら位置決め駒12を直列させる位置決め手段14とを備えている。本実施例において、前記位置決め手段14は、突き合わせ接続する相手側の光ファイバに対して光コネクタを位置決めする嵌合ピン用の穴を形成するピン穴形成ピン2を内装位置決めするための位置決め穴15である。この位置決め手段14は、図3に示すような断面長方形の位置決め穴16であってもよい。この場合、直列させた二つの位置決め駒12の間で位置決め穴同士を交差させて位置決め駒12間の相対位置決めを行うようにしてもよい。なお、位置決め手段14としては、ピン穴形成ピン2以外、例えば位置決め駒12外面を支持して位置決め駒12同士を相対位置決めする手段等であってもよい。この場合、ピン穴形成ピン2を使用しない光コネクタの製造にも適用することができる。
【0012】
前記位置決め駒12は、外面視概略直方体状のブロックであって、前記スリット11が開口する両面が精密な平面に形成されている。この位置決め駒12の一側面の中央部には複数の前記スリット11が並列に開口され、同側面の両側部には前記位置決め穴15が穿設されている。一方の位置決め駒12においては位置決め手段14の間を結ぶ軸線に対して各スリット11がその断面長手方向の軸線を平行として形成され、他方の位置決め駒12においては位置決め手段14の間を結ぶ軸線に対して各スリット11がその断面長手方向の軸線を垂直として形成されている。
【0013】
前記スリット11は、断面が細長長方形の溝状であって、それぞれの開口する位置決め駒12の外面に対して垂直な軸線を以て精密に形成されている。また、同一の位置決め駒12にあるスリット11相互間の平行度およびピッチも高精度になっている。
ここで、重要なことは、スリット11の断面両長辺に位置する内面の平坦度、平行度、離間間隔と、各スリット11間のピッチの精度であり、断面長方形の場合、V溝や穴に比して高精度の加工を容易に行なうことができる。
なお、スリット11の断面は、精密に加工しやすい形状であれば前記細長長方形以外であっても構わない。
【0014】
前記光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構10によってMTコネクタを製造するには、図2に示すように、互いの位置決め穴15を連通させ、スリット11が開口する外面同士を当接させて二つの位置決め駒12を直列に配列する。この際、二つの位置決め駒12のスリット11が格子状に交差するとともに、その交差部分が互いに連通する連通部13となる。
次に、前記ファイバ穴形成用中子3のファイバ穴形成ピン1およびピン穴形成ピン2をそれぞれ連通部13、位置決め穴15に挿通する。この際、二つの位置決め駒12の位置決め穴15にピン穴形成ピン2を連通すると同時に二つの位置決め駒12が精密に相対位置決めされ、各連通部13によるファイバ穴形成ピン1の位置決めが精密になされる。
次に、ファイバ穴形成用中子3の外側に金型を装着して、溶融樹脂を金型内に圧入後、固化させる。
【0015】
したがって、本発明によれば、直列に配列した二つの位置決め駒12間において、高精度に加工された互いのスリット11を重ね合わせて形成した連通部13でファイバ穴形成ピン1を支持して位置決めするので、高い位置決め精度を容易に得ることができる。また、二つの位置決め駒12にピン穴形成ピン2を挿通するだけで位置決め駒12同士に加えてファイバ穴形成ピン1とスリット11も相対位置決めすることができ、位置決めの作業能率が向上するとともに、しかもファイバ穴形成ピン1に対する位置決め駒12の位置決め精度を一層向上することができる。
【0016】
なお、前記ピン穴形成ピン2の位置決めも、各位置決め駒12に形成したスリットの組み合わせによって構成される連通部で行なうようにしてもよい。
前記位置決め駒12には、スリット11の形成ピッチに対する種々の相対位置で複数の位置決め穴15を形成するようにしてもよい。こうすることにより、ファイバ穴形成ピン1とピン穴形成ピン2を、これらの間の種々の相対位置に対応して精密に位置決めすることができ、汎用性が向上する。
本実施例においては、二つの位置決め駒12を用いたが、位置決め駒12の数は3以上であってもよい。この場合、ファイバ穴形成ピン1やピン穴形成ピン2の位置決め精度を一層向上することができる。また、これら位置決め駒12は直列配列時に必ずしも互いに当接させる必要は無い。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ファイバ穴形成ピンが挿通可能な複数のスリットが互いに平行として貫設されたブロック状の複数の位置決め駒と、互いのスリットを交差させてスリット間を連通する連通部を形成するようにこれら位置決め駒を直列させる位置決め手段とを備えてなり、直列に配列した複数の位置決め駒間において、高精度に加工された位置決め駒相互のスリットを重ね合わせて形成した連通部においてファイバ穴形成ピンを支持して位置決めするので、高い位置決め精度を容易に得ることができる。
【0018】
本発明によれば、位置決め駒相互の位置決め手段として、突き合わせ接続する相手側の光ファイバに対して光コネクタを位置決めする嵌合ピン用の穴を形成するピン穴形成ピンを内装位置決めするための位置決め穴を有するので、複数の位置決め駒にピン穴形成ピンを挿通するだけで位置決め駒同士の位置決めとともに、ファイバ穴形成ピンとスリットも相対的に位置決めすることができ、位置決めの作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構の一実施例を示す全体斜視図である。
【図2】同実施例の光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構の作用を示す正面図である。
【図3】同実施例の光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構の作用を示す正面図である。
【図4】従来の位置決め駒の一例を示す斜視図である。
【図5】従来の位置決め駒の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…ファイバ穴形成ピン、2…ピン穴形成ピン、3…ファイバ穴形成用中子(3)、10…光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構、11…スリット、12…位置決め駒、13…連通部、14…位置決め手段、15…位置決め穴。
Claims (5)
- 光ファイバ同士を突き合わせ接続する光コネクタを成形する際に、光ファイバが挿通されるファイバ穴を形成するためのファイバ穴形成ピン(1)を精密位置決めする光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構(10)を具備し、
前記光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構は、ファイバ穴形成ピンが挿通可能な複数のスリットが互いに平行として貫設されたブロック状の複数の位置決め駒(12)と、前記位置決め駒の両側部に、互いのスリットを交差させてスリット間を連通する連通部(13)を形成するようにこれら位置決め駒を直列させる位置決め手段(14)とを備えてなることを特徴とする光コネクタ成形用金型。 - 光ファイバ同士を突き合わせ接続する光コネクタを、ファイバ穴形成用中子(3)の外側に装着した金型内への溶融金属の圧入、固化によって成形する際に、光ファイバが挿通されるファイバ穴を形成するためのファイバ穴形成ピン(1)を精密位置決めする光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構(10)を具備し、
前記光コネクタのファイバ穴形成ピンの支持機構は、
ファイバ穴形成ピンが挿通可能な複数のスリットが互いに平行として貫設されたブロック状の複数の位置決め駒(12)と、互いのスリットを交差させてスリット間を連通する連通部(13)を形成するようにこれら位置決め駒を直列させる位置決め手段(14)とを備えてなり、
前記位置決め手段が、突き合わせ接続する相手側の光ファイバに対して光コネクタを位置決めする嵌合ピン用の穴を形成するピン穴形成ピン(2)を内装位置決めするための位置決め穴(15)であり、
各位置決め駒の位置決め穴に前記ピン穴形成ピンを連通することにより各位置決め駒が相対位置決めされ、複数の位置決め駒のスリットによるファイバ穴形成ピンの位置決め精度が確保されるようになっていることを特徴とする光コネクタ成形用金型。 - 前記スリットは前記位置決め駒の中央部に開口されており、前記位置決め穴は前記位置決め駒の両側部に穿設されていることを特徴とする請求項2記載の光コネクタ成形用金型。
- 前記位置決め手段が、断面長方形の位置決め穴(16)であり、直列させた複数の位置決め駒の間で位置決め穴同士を交差させて位置決め駒間の相対位置決めを行えるようになっていることを特徴とする請求項1又は2記載の光コネクタ成形用金型。
- 光ファイバが挿通されるファイバ穴を形成するためのファイバ穴形成ピン(1)が挿通可能な複数のスリットが互いに平行として貫設されたブロック状の複数の位置決め駒(12)を、該位置決め駒の両側部の位置決め穴(15)を互いに連通させて直接に配列して、各位置決め駒のスリット(11)が格子状に交差するとともに、その交差部分が互いに連通する連通部(13)となるようにした後、各位置決め駒の位置決め穴へのピン穴形成ピンの連通によって複数の位置決め駒を精密に相対位置決めさせることで、各連通部によってファイバ穴形成ピンを精密に位置決めせしめ、次に、金型内に溶融樹脂を圧入した後、前記溶融樹脂を固化させることを特徴とする光コネクタの製造方法。
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JP11497995A JP3553197B2 (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | 光コネクタ成形用金型及び光コネクタの製造方法 |
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