JP3552997B2 - 排泄検知装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品の外側表面(すなわち、排泄物に接しない側)から、排泄による一対の電極間のインピーダンス変化を検知することにより排泄の有無を検知する排泄検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
おむつ内の排泄の有無を検知するセンサ技術としては、例えば、特開平9−22025号公報に記載されたおむつ濡れ報知装置と濡れ検知センサが知られている(公知技術1)。この公知技術1は、樹脂製フィルム表面に形成した一対の電極間に交流信号を印加し、該電極間における静電容量の変化に基づく電流変化を検知器で検知し、該検知器の出力信号によってブザーやバイプレーター等の警報装置を動作させて警報を発するものである。
【0003】
また、静電容量を検出する静電容量型センサとして、例えば「紙おむつの吸収性ポリマの水分を検出する 静電容量おもしろセンサの実験」(トランジスタ技術2000年4月号、第326頁〜第328頁)に記載されたものが知られている(公知技術2)。この公知技術2は、おむつ内の排泄の有無によるおむつ内の静電容量の変化を検波回路における電圧変化として検出しアラームを動作させるものである。
【0004】
一方、介護施設では、寝たきりの尿失禁患者(以下、患者と略称する。)が入院しており、現状では、例えば50人の患者のおむつを1日に6〜8回の割合で予め定められた時刻に交換するというように介護者は患者のおむつを定期的に交換している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、患者のおむつを予め定められた時刻に交換しようとした際に、おむつに排尿されておらず、おむつを交換する必要がない場合もある。また、尿失禁後、適切におむつが交換されないと、患者にとっても不快、不衛生である。また、介護される患者も必要以上に交換チェックを受けるため、精神的にも負担になっていた。
【0006】
また、公知技術1にあっては、おむつ内の静電容量の変化に基づいて排泄の有無を検知している。さらに、公知技術2の静電容量型センサにあっては、おむつ内の静電容量の変化に基づいて排泄の有無を検知している。
【0007】
また、公知技術1,公知技術2ともに、発振器から比較的長いリード線を介して検知センサの一対の電極間に交流信号を印加しているため、検知センサと発振器との間のリード線による線間容量の変化が大きくなり、この線間容量の変化の影響でおむつ濡れ報知装置が誤動作を発生する場合もあった。また、公知技術1にあっては、検出回路に発振器と検波回路を設けているため、おむつ濡れ報知装置が大型化するとともに、コスト高になっていた。
【0008】
また、現在市販されている導通式のセンサにあっては、不織布、フィルム等の上に電極が構成されているセンサ部が汚れるので、使い捨てになり、コストがかかるとともに、ゴミも発生する。さらに、おむつを広げ、内部に取り付けなくてはならないので、取り扱いが面倒であり、介護者の負担になっていた。また、内部に取り付けるので、肌に直接触れ、違和感がある場合がある。
【0009】
本発明は、排泄の有無の検知精度を向上することができ、しかも小型化することができる排泄検知装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
従来主として用いられた検波回路方式では、発振器と検波回路の間の静電容量が大きくなった場合、1/(ωC)とインピーダンスが低くなり、発振出力が検出される仕組みである。しかし、抵抗成分も大きくなるため、発振器と検波回路間のインピーダンス({R+(1/(ωC))1/2で計算される。)は、静電容量成分の増加によるインピーダンスの変化を抵抗成分の増加が打ち消してしまうため、変化量が小さくなり検知精度が悪くなった。特にセンサ部の静電容量が小さくなると(小型になると)顕著になる。
【0011】
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、排泄物を吸収する吸収性物品内の排泄の有無を検知する排泄検知装置であって、吸収性物品の排泄物に接しない外側表面に取り付けられ、固い基板の一方の面に僅かに離して並べて形成された一対の電極を設け、一対の電極間のインピーダンス変化を検知するセンサ手段と、基板の他方の面に具備され、センサ手段で検知された一対の電極間のインピーダンス変化に応じて周波数が変化する周波数変換手段とを有し、周波数変換手段で変換された周波数範囲が10KHz〜10MHzであり、センサ手段の電極間の静電容量が5PF〜40PFであることを特徴とする。
【0012】
なお、電極間に生ずるインピーダンスは、抵抗成分R、静電容量Cを直列に接続した等価回路とした場合、Z=(R−(1/ωC)1/2で計算される(ω=角周波数)。しかし、本文中で述べるインピーダンスは、抵抗成分R、静電容量成分Cを指すものとする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排泄検知装置の実施の形態を図面を参照して説明する。図1に示す第1の実施形態の排泄検知装置は、尿用に設けられた第1排泄検知センサ1a、便用に設けられた第2排泄検知センサ1b、送信装置30、受信装置50を備え、吸収性物品内の排泄の有無を検知してその結果を知らせる。
【0014】
第1排泄検知センサ1a及び第2排泄検知センサ1bの各センサは、僅か離して並べて形成された一対の電極間のインピーダンス変化を検知するセンサ部2と、一対の電極間のインピーダンス変化に応じて周波数が変化する周波数変換回路10とを有して構成される。なお、各センサ1a,1b及び周波数変換回路10の詳細は後述する。
【0015】
送信装置30は、サンプリング時間発振手段31、第1データサンプリング手段32、第2データサンプリング手段33、第1周波数変化検知手段34、第2周波数変化検知手段35、排泄判定手段36、尿量算出手段37、テストボタン入力判断手段38、送信情報判定手段39、記憶手段40、送信機41を有して構成される。第1周波数変化検知手段34、第2周波数変化検知手段35、排泄判定手段36、尿量算出手段37、及び送信情報判定手段39は、例えばマイクロコンピュータで構成されている。
【0016】
サンプリング時間発振手段31は、サンプリング時間毎にクロック信号を発振し、クロック信号を第1及び第2データサンプリング手段32,33に出力する。第1サンプリング手段32は、サンプリング時間発振手段31からクロック信号を入力し、クロック信号の周期に応じてサンプリング時間毎に第1排泄検知センサ1aからの周波数データをサンプリングし、サンプリング周波数データを出力する。第2サンプリング手段33は、サンプリング時間発振手段31からクロック信号を入力し、クロック信号の周期に応じてサンプリング時間毎に第2排泄検知センサ1bからの周波数データをサンプリングし、サンプリング周波数データを出力する。
【0017】
第1周波数変化検知手段34は、第1データサンプリング手段32から出力されてくる各サンプリング周波数データを予め定められた周波数である検知レベルと比較し、サンプリング周波数データが検知レベル以下になった場合には、おむつ22内に排泄があったことを示す第1排泄検知信号を排泄判定手段36及び尿量算出手段37に出力する。
【0018】
第2周波数変化検知手段35は、第2データサンプリング手段33から出力されてくる各サンプリング周波数データを検知レベルと比較し、サンプリング周波数データが検知レベル以下になった場合には、おむつ22内に排泄があったことを示す第2排泄検知信号を排泄判定手段36に出力する。
【0019】
排泄判定手段36は、第1周波数変化検知手段34からの第1排泄検知信号又は(及び)第2周波数変化検知手段35からの第2排泄検知信号に基づいて排尿か排便かを判定し、排尿か排便かを区別するための排泄区別情報を送信情報判定手段39に出力する。
【0020】
尿量算出手段37は、本発明の排泄量算出手段に対応し、第1周波数変化検知手段34から第1排泄検知信号を入力した時から所定時間経過した時におけるサンプリング周波数データに基づいて人21が排尿した尿量を算出し、算出された尿量を送信情報判定手段39に出力する。送信情報判定手段39は、排泄区別情報及び尿量情報等の送信情報を記憶手段40に出力する。記憶手段40は、排泄区別情報及び尿量情報等を記憶し、送信機41に出力し、すぐに無線で送信機50に送信する。
【0021】
受信装置50は、受信機51、受信検知手段52、警報手段53、受信情報判定手段54、表示手段55、記憶手段56、時間発振手段57、受信時間検出手段58を有して構成される。また、受信検知手段52、受信情報判定手段54、受信時間検出手段58も、例えばマイクロコンピュータで構成されている。
【0022】
受信機51は、送信機41からの情報を受信し、受信検知手段52は、受信機51で受信した情報を検知する。警報手段53は、警報ブザーあるいはバイプレータあるいはランプ等からなり、受信検知手段52で検知した排泄区別情報に基づき警報を発生する。
【0023】
受信情報判定手段54は、受信検知手段52で検知した受信情報が排泄区別情報や尿量情報かどうかを判定し、受信情報が排泄区別情報や尿量情報であれば、排泄区別情報及び尿量情報を表示手段55に表示させるとともに、記憶手段56に記憶させる。表示手段55は、液晶表示器や7セグメント表示器等である。
【0024】
時間発振手段57は、時計等であり、時間情報を受信時間検出手段58に出力する。受信時間検出手段58は、本発明の排泄時間検知手段に対応し、受信検知手段52が受信情報を検知した時における時間発振手段57からの時間情報を、受信時間(すなわち排泄時間に対応)として検知し、その受信時間を表示手段55に表示させるとともに、記憶手段56に記憶させる。
【0025】
テストボタンは、装置が正常に動作しているか、無線が届く範囲内であるかどうか確認するためと被介護者に異常がった場合に介護者呼び出し用である。そのため、送信情報判定手段39は、テストボタン入力判断手段38から入力信号を入力した場合、送信機41に出力し、すぐに無線で受信装置50に送信し、受信機側に設けられた警報手段53(ブザー、振動等)を動作させる。
【0026】
次に第1及び第2排泄検知センサの詳細について説明する。図2(a)は排泄検知センサの上面図、図2(b)は排泄検知センサのA−A間の断面図である。図3はおむつへの排泄検知センサの取り付けを示す図である。
【0027】
図2に示す排泄検知センサ1(1a、1bに対応)は、老人や乳幼児の尿又は便等の排泄物を吸収するおむつ、尿取りパッド等の吸収性物品の外側表面に取り付けられ、一対の電極3,4間のインピーダンス変化を検知するセンサ部2(センサ手段に対応)と、周波数変換回路10(周波数変換手段)を有し、吸収性物品内の排泄の有無を検知する。尿取りパッドは、外側おむつの内側(排泄箇所)に挿入し、2枚重ねとして使用するものであり、尿取りパッドを交換することでコストメリットがあり、環境負荷が少なくなる。
【0028】
なお、実施の形態では、排尿及び排便を検知するために、図2に示す構成の排泄検知センサ1を2個用いて、図3に示すように、人21のおむつ22の外側表面で且つ排尿ポイントに対応した位置に排泄検知センサ1aを取り付け、排便ポイントに対応した位置に排泄検知センサ1bを取り付けるようになっている。
【0029】
図2に示すセンサ部2において、固い(曲がらない)基板7の一方の面(表面)には、一対の電極3,4を電極間隔5だけ離して並べて形成されている。基板7は、ガラエポキシ樹脂、紙フェノール樹脂等からなり、一対の電極3,4は、銅、アルミニウム、亜鉛、カーボン、銀、金、真鍮等からなる。
【0030】
一対の電極3,4の各電極は、櫛状に形成されており、一対の電極のうち、外側に配置される一方の電極3は、電極パターン6aに接続されている。内側に配置される他方の電極4は、電極パターン6bに接続されている。電極パターン6a,6bは、図4に示す周波数変換回路10に接続され、電極パターン6aは、接地され、電極パターン6bは、正電位が印加されるようになっている。
【0031】
また、一対の電極3,4上には電極間を電気的に絶縁し且つ電極を保護するためのレジスト層8が形成されている。このレジスト層8の代わりに、電極を保護する電極保護用フィルムを用いても良い。このレジスト層8上には、おむつ等の吸収性物品の外側表面に取付可能な取付部材である結合バンド等の接着物9が形成されている。なお、接着物9の代わりに、粘着テープ等の粘着物を用いても良い。また、取付部材は、レジスト層を兼用することもでき、取付部材として、マジックテープを使用しても良い。また、取付部材を用いない場合には、排泄検知センサをオスメスホックや粘着剤のついたカバーでおむつの表面へ取り付けても良い。
【0032】
一方、基板7の他方の面(裏面)には、前記周波数変換回路10が配置されている。この周波数変換回路10は、一対の電極3,4間のインピーダンス変化に応じて周波数が変化するもので、排泄検知センサ1を含み、インバータ11と、このインバータ11の入力端と排泄検知センサ1とに接続された抵抗R1と、インバータ11の出力端と排泄検知センサ1とに接続された帰還抵抗Rとを有し、インバータ11の出力端から、インピーダンスに応じた周波数を出力するRC発振回路から構成されている。
【0033】
ここで、排泄検知センサ1は、抵抗R2にコンデンサCが直列に接続された素子と等価であると考えることができる。このため、この周波数変換回路10は、センサ部の抵抗成分R及び容量成分Cの変化により、式(1)で示される周波数fを発振する。
【0034】
f=1/((R1+R2)*C) ・・・(1)
図5は排泄検知センサによるインピーダンス変化を測定する測定回路図である。この測定回路において、調整台13は、排泄検知センサ1の高さを調整するもので、アクリル等からなる。
【0035】
排泄検知センサ1の一対の電極3,4には略直角に折り曲げられたリード線14a,14bの一端が半田付けされ、このリード線14a,14bの他端は、略平行に配置された測定用ケーブル15a,15bにクリップされている。この測定用ケーブル15a,15bは、外乱ノイズを低減するためのアルミ箔16の下を通って測定用ケーブル17aとしてまとめられてプローブ19に接続されている。
【0036】
このプローブ19は、測定用ケーブル15a,15b間のインピーダンスを測定するためのインピーダンスアナライザー18の端子に取り付けられている。アルミ箔16は、ノイズ防止のため、ケーブル17bを介してインピーダンスアナライザー18のアースに接続されている。
【0037】
インピーダンスアナライザー18は、例えば5Hz〜13MHzの信号を発生する。以上の測定条件により、インピーダンスアナライザー18が500KHz,1Vの交流信号を一対の電極3,4間に印加することで、一対の電極3,4間のインピーダンスを正確に測定することができる。
【0038】
図6は測定回路としてインピーダンスアナライザーに4192A LF YOKOGAWA HEWLETT PACKARD製を、プローブに16048CTEST LEAD HEWLETT PACKARD製を用いて排泄検知センサによるインピーダンス変化を測定したいくつかの実施例を示す図である。これらの例では、大気中について測定した。測定周波数は500KHzである。
【0039】
図7はおむつに水を含有させる前後における周波数変換回路での周波数変化を示す図である。周波数変換回路で発振した周波数は、図示しない周波数カウンタで測定した。
【0040】
装着感の実験方法としては、男女各々5人ずつに、花王製 リリーフ テープ止めタイプを実際に身につけてもらい、図3に示している位置に実施例1〜6に示したセンサを装着する。ベットに仰向けに寝る、体を横にして寝る、ベット上で上半身を起こす、立ち上がる、ゆっくり歩行する等の動作をしてもらい、違和感があるかどうかを調べた。全員違和感なしは‘○’で示し、1人以上違和感ありは‘△’で示す。
【0041】
また、装着時検知精度の実験方法としては、花王製 リリーフ テープ止めタイプを実際に身につけ、図3に示している位置に実施例1〜6に示したセンサを装着する。ベットに仰向けに寝る、体を横にして寝る、ベット上で上半身を起こす、立ち上がる、ゆっくり歩行する等の動作を行い、誤動作の確認を行った(通常状態)。また、腹部側から、ゴムチューブを排泄部位まで、挿入し、注射器を使用し、水50ccをおむつ内に注入し、ベッドに仰向けの状態で検知可能かどうか確認した(排泄状態)。上記の試験を20回繰り返し、検知精度について確認した。
【0042】
誤作動無し(通常状態)、検知率100%(排泄状態)の場合は‘○’で示し、5回未満誤作動あり(通常状態)、検知率80%以上(排泄状態)の場合は‘△’で示し、5回以上誤作動あり(通常状態)、検知率80%未満(排泄状態)の場合は‘×’で示す。
【0043】
実施例1乃至実施例6の各々の例からも、基板上におむつを置いた場合と水100gを含有したおむつを置いた場合とでは、発振周波数が変化していることがわかる。このため、この周波数の変化に基づいて排泄の有無を検知することができる。実施例1,2は、インピーダンス変化による周波数変化が大きく、検知精度が良い。
【0044】
また、実施例3では、基板の幅が30mmと大きく、装着時に違和感がある(図7で‘△’で示す。)。実施例5では、周波数が低くしかも周波数変化率が小さいため(図7で‘△’で示す。)、周波数が不適である。実施例6では、周波数が高くしかも周波数変化率が小さいため(図7で‘△’で示す。)、周波数が不適である。実施例4では、抵抗が大きく、容量が小さいため、インピーダンス変化量が小さくなった。その結果、周波数変化率が小さくなり、検知精度が落ちた(図7で‘△’で示す。)。
【0045】
以上説明したことから、一対の電極間に、電圧1V、500KHzの交流信号を加え、静電容量と抵抗成分が直列に接続してある等価回路として、測定した場合に、静電容量を5pF〜40pFとするのが好ましく、抵抗を100Ω〜2500Ωとするのが好ましい。また、周波数が10KHz〜10MHzとするのが好ましい。
【0046】
なお、比較例1の基板は、実施例1のものと同様とし、比較例1の回路構成は、検波回路方式によるもので、発振器からリード線を介して電極間に交流信号を印加している。このため、動作によるリード線への接触のため、線間容量が変化し、誤動作を発生し、検知精度が悪くなった。
【0047】
次にこのように構成された第1の実施の形態の排泄検知装置の動作を、図8の送信装置の処理を示すフローチャート、及び図9の受信装置の処理を示すフローチャートを参照して説明する。図10は尿用の排泄検知センサで得られた周波数データに基づく排泄判定処理を説明するタイミングチャートである。図11は便用の排泄検知センサで得られた周波数データに基づく排泄判定処理を説明するタイミングチャートである。
【0048】
まず、送信装置側の処理を説明する。図2に示すように、人21のおむつ22の外側表面で排尿ポイントに対応する位置に第1排泄検知センサ1aを取り付け、排便ポイントに対応する位置に第2排泄検知センサ1bを取り付ける。
【0049】
そして、第1排泄検知センサ1a及び第2排泄検知センサ1bの各センサは、一対の電極3,4間のインピーダンスを検知する。ここで、おむつ22内に、人21の排尿又は排便による排泄があると、排泄があった位置に対応する排泄検知センサでは、排泄物により一対の電極3,4間のインピーダンス(静電容量及び抵抗)が変化する。さらに、各センサに設けられた周波数変換回路10は、センサ部2で検知したインピーダンスに応じた周波数を発振し周波数fを送信装置30に出力する。
【0050】
次に、送信装置30では、タイマー待ち状態となり(ステップS11)、第1サンプリング手段32は、サンプリング時間発振手段31から入力したクロック信号の周期に応じてサンプリング時間(例えば10秒)毎に第1排泄検知センサ1aからの周波数データをサンプリングし、サンプリング周波数データを出力する(ステップS13)。第2サンプリング手段33も同様に、サンプリング時間毎に第2排泄検知センサ1bからの周波数データをサンプリングし、サンプリング周波数データを出力する。
【0051】
次に、第1周波数変化検知手段34は、第1データサンプリング手段32から出力されてくる各サンプリング周波数データを検知レベルと比較することにより、周波数変化があったかどうかを判定する(ステップS15)。
【0052】
そして、時刻t及び時刻tにおいて、サンプリング周波数データが検知レベル以下になり、第1排泄検知センサ1aにおいて周波数変化があったと判断し(ステップS17のYES)、おむつ22内に排泄があったことを示す第1排泄検知信号を排泄判定手段36及び尿量算出手段37に出力する。
【0053】
なお、排泄があった場合には、一対の電極3,4間の静電容量及び抵抗が大きくなるため、周波数変換回路10で発振する周波数fが低くなる。図10及び図11に示す例では、図4に示した回路構成のRの定数を調整し、おむつ内に排泄がない場合に周波数変化回路10で発振する周波数が300KHzになるように調整している。また、排泄があった場合の周波数範囲を150kHz〜300KHzとしている。また、図10では、検知レベルから150kHzまでの周波数範囲を、低レベルである‘S’レベル、中レベルである‘M’レベル、高レベルである‘L’レベルと3ランクに分けている。
【0054】
また、第2周波数変化検知手段35は、第2データサンプリング手段33から出力されてくる各サンプリング周波数データを検知レベルと比較し、時刻t11及び時刻t12において、サンプリング周波数データが検知レベル以下になり、第2排泄検知センサ1bにおいて周波数変化があったと判断し(ステップS17のNO)、おむつ22内に排泄があったことを示す第2排泄検知信号を排泄判定手段36に出力する。
【0055】
次に、排泄判定手段36は、第1周波数変化検知手段34からの第1排泄検知信号及び第2周波数変化検知手段35からの第2排泄検知信号に基づいて排尿か排便かを判定し、排尿か排便かを区別するための排泄区別情報(尿情報及び便情報)を送信情報判定手段39に出力する。
【0056】
また、尿量算出手段37は、第1周波数変化検知手段34から第1排泄検知信号を入力した時から例えば1分経過した時刻tにおけるサンプリング周波数データfを検知し、このサンプリング周波数データfが属する周波数範囲‘S’レベルを求める。すなわち、求められた‘S’レベルは、人21が排尿した尿量として算出される(ステップS19)。この尿量を送信情報判定手段39に出力する。
【0057】
そして、第1排泄検知センサ1aの周波数変化に基づいて、排泄区別情報である尿情報と尿量情報とを送信情報として記憶手段40に記憶する(ステップS21)。また、第2排泄検知センサ1bの周波数変化に基づいて、排泄区別情報である便情報を送信情報として記憶手段40に記憶する(ステップS23)。
【0058】
さらに、テストボタン入力判断手段38から入力信号を入力した場合に、送信情報判定手段39は、送信機41に出力し、排泄区別情報及び尿量情報等の送信情報をすぐに無線で受信装置50に送信する(ステップS25)。
【0059】
次に、受信装置側の処理を説明する。まず、タイマー待ち状態となり(ステップS51)、受信機51が送信機41からの情報を受信すると(ステップS53のYES)、受信検知手段52は、受信機51で受信した情報を検知する。そして、受信時間検出手段58は、受信検知手段52が受信情報を検知した時における時間発振手段57からの時間情報を受信時間として検知し、その受信時間を記憶手段56に記憶させる(ステップS55)。
【0060】
さらに、受信情報判定手段54は、受信検知手段52で検知した受信情報が排泄区別情報や尿量情報またはテストボタン入力情報かどうかを判定する(ステップS57)。
【0061】
受信情報が排泄区別情報や尿量情報であれば、受信時間(排泄時間)と受信情報(排泄区別情報及び尿量情報)とを表示手段55に表示させる(ステップS59)。また、表示された情報、すなわち、受信時間と受信情報とを記憶手段56に記憶させる(ステップS61)。また、警報手段53は、受信検知手段52で検知した排泄区別情報に基づき警報を発生する(ステップS63)。
【0062】
一方、受信情報がテストボタン入力情報であれば、直ちにステップS63の処理に進み、警報を発生する。
【0063】
このように第1の実施形態の排泄検知装置によれば、僅か離して並べて形成された一対の電極間のインピーダンス変化をセンサ部2で検知し、周波数変換回路10は、センサ部2で検知された一対の電極間の静電容量及び抵抗等のインピーダンス変化に応じて周波数を変化させるので、周波数の変化に基づいておむつ22内の排泄の有無を検知することができる。これによって、排泄の有無の検知精度を向上することができる。また、検出回路に従来のような発振器を設けないから、排泄検知装置を小型化することができる。
【0064】
また、従来では、発振器からの交流信号をリード線を介してセンサの一対の電極に印加していたため、リード線によるインピーダンス変化により誤動作が発生したが、第1の実施の形態の排泄検知装置では、基板7の裏面で且つセンサ部2の近傍に周波数変換回路10を設け、周波数変換回路10をセンサ部2に直結接続したので、リード線の影響がなくなり、誤動作が少なくなる。このため、排泄の有無の検知精度をさらに向上することができる。
【0065】
また、一対の電極間の静電容量を5pF〜40pFとし、抵抗を100Ω〜2500Ωとし、周波数が10KHz〜10MHzとすることで、排泄の有無の検知精度をさらに向上することができる。
【0066】
また、警報手段53は、排泄区別情報に基づき警報を発生するので、おむつ22内の排泄の有無を知らせることができる。
【0067】
また、受信装置側に排泄の有無を知らせるブザーまたはバイブレーション機能の他に、排泄時間、排泄区別情報に基づく排泄物の区別、尿量を表示することができる。また、尿量を表示する場合には、少量S、中量M、多量Lの3ランクで表示されるので、どの程度の尿量があったかが容易にわかる。さらに、過去のデータを蓄積できるメモリ機能(記憶手段56)を有することで、病院等で患者の排泄を集中管理することができるばかりでなく、特に一般家庭での健康管理やリハビリ管理を簡単に行うことができる。
【0068】
なお、センサ部2として(a)から(c)までの特有の効果がある。(a)センサ部2に固い基板7を用いたので、人が動いても基板7がよれたりしないから、電極間隔が変わらず、インピーダンス変化に影響を与えない。このため、インピーダンス変化に基づいておむつ22内の排泄の有無をより正確に検知できるから、おむつ22内の排泄の有無の検知精度を向上することができる。(b)一対の電極3,4の各電極を櫛状に形成したので、より多くの電極間隔数(ギャップ数)を得ることができるから、静電容量の値がより大きくなり、しかも抵抗値がより小さくなる。このため、インピーダンス変化が大きくなり、排泄の有無の検知精度をさらに向上することができる。(c)外側の電極3が内側の電極4(正電位電極)を包囲し、且つ電極3が接地されているので、外乱ノイズを低減することができ、これによって、排泄の有無の検知精度をさらに向上することができる。
【0069】
次に第2の実施の形態の排泄検知装置を図12を参照して説明する。第2の実施の形態の排泄検知装置は、第1排泄検知センサ1a、第2排泄検知センサ1b、排泄検知装置本体60を有して構成される。
【0070】
排泄検知装置本体60は、サンプリング時間発振手段31、第1データサンプリング手段32、第2データサンプリング手段33、第1周波数変化検知手段34、第2周波数変化検知手段35、排泄判定手段36、尿量算出手段37を有している。
【0071】
また、排泄検知装置本体60は、排泄判定手段36からの排泄区別情報と尿量算出手段37からの尿量情報と排泄時間検出手段58aからの排泄時間情報とを記憶する記憶手段40a、排泄判定手段36からの排泄区別情報に基づいて警報を発生する警報手段53、排泄区別情報と尿量情報と排泄時間情報とを表示する表示手段55、時間発振手段57、受信時間検出手段58と同一構成の排泄時間検出手段58aを有している。
【0072】
また、警報手段53にバイブレーション機能を設けることで、排泄があった場合、患者自身に知らせることで尿意、便意回復につながる。また、ブザーを設けることで、付近にいる被介護者をすぐに呼び出すことも可能となる。
【0073】
さらに、定期的に、介護者が巡回にくる病院、施設等では、表示部(表示手段55)をみることで、患者の排泄状況が分かり、患者の健康チェックが簡単にできるとともに、介護の負担が軽減される。
【0074】
なお、第2の実施の形態の排泄検知装置において、第1の実施の形態の排泄検知装置と同一部分は、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0075】
このように構成された第2の実施の形態の排泄検知装置によれば、第1の実施の形態の排泄検知装置の効果と同様な効果が得られるとともに、テストボタン入力判断手段38、送信情報判定手段39、送信機41、受信機51、受信検知手段52、受信情報判定手段54等を設けなくても済むから、構成が簡単であり、装置を小型化且つ軽量化することができる。
【0076】
なお、本発明は、前述した第1及び第2の実施の形態の排泄検知装置に限定されるものではない。第1及び第2の実施の形態では、第1排泄検知センサ1a,1bのセンサ部2の一対の電極の各電極を櫛状としたが、各電極は鋸歯状あるいは波状等に形成されていても良い。
【0077】
また、第1及び第2の実施の形態では、尿量算出手段37により尿量を算出したが、例えば、第2排泄検知センサ1bからの周波数データに基づいて排便量を算出しても良い。
【0078】
また、第1及び第2の実施の形態では、排泄検知センサを排尿及び排便に対応して2個設けたが、これに限定されることなく、3個以上の排泄検知センサをおむつの外側表面に取り付けても良い。このようにすれば、3個以上の排泄検知センサの内のいずれかの排泄検知センサが排泄の有無を検知できるから、排泄の有無の検知精度をさらに向上することができる。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、吸収性物品の排泄物に接しない外側表面に取り付けられ、固い基板の一方の面に僅かに離して並べて形成された一対の電極間のインピーダンス変化をセンサ手段で検知し、基板の他方の面に具備された周波数変換手段は、センサ手段で検知された一対の電極間のインピーダンス変化に応じて周波数を変化させるので、周波数の変化に基づいて吸収性物品内の排泄の有無を検知することができる。また、周波数変換手段で変換された周波数範囲が10KHz〜10MHzであり、センサ手段の電極間の静電容量が5PF〜40PFであることで、排泄の有無の検知精度を向上することができる。さらに、回路部品が少なくなり、装置が小型化でき、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の排泄検知装置を示す構成図である。
【図2】排泄検知装置に設けられた排泄検知センサの構成図である。
【図3】おむつへの排泄検知センサの取り付けを示す図である。
【図4】実施の形態の排泄検知センサに設けられた周波数変換回路を示す図である。
【図5】排泄検知センサによるインピーダンス変化を測定する測定回路図である。
【図6】測定回路を用いて排泄検知センサによるインピーダンス変化を測定したいくつかの実施例を示す図である。
【図7】おむつに水を含有させる前後における周波数変換回路での周波数変化を示す図である。
【図8】排泄検知装置に設けられた送信装置の処理を示すフローチャートである。
【図9】排泄検知装置に設けられた受信装置の処理を示すフローチャートである。
【図10】尿用の排泄検知センサで得られた周波数データに基づく排泄判定処理を説明するタイミングチャートである。
【図11】便用の排泄検知センサで得られた周波数データに基づく排泄判定処理を説明するタイミングチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態の排泄検知装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1,1a,1b…排泄検知センサ、2…センサ部、3,4…一対の電極、5…電極間隔、6a,6b…電極パターン、7…基板、8…レジスト、9…接着物、10…周波数変換回路、11…インバータ、13…調整台、14a,14b…リード線、15a,15b,17a,17b…測定用ケーブル、16…アルミ箔、18…インピーダンスアナライザー、19…プローブ、21…人、22…おむつ、30…送信装置、31…サンプリング時間発振手段、32…第1データサンプリング手段、33…第2データサンプリング手段、34…第1周波数変化検知手段、35…第2周波数変化検知手段、36…排泄判定手段、37…尿量算出手段、38…テストボタン入力判断手段、39…送信情報判定手段、40,56…記憶手段、41…送信機、50…受信装置、51…受信機、52…受信検知手段、53…警報手段、54…受信情報判定手段、55…表示手段、57…時間発振手段、58…受信時間検出手段、60…排泄検知装置本体。

Claims (7)

  1. 排泄物を吸収する吸収性物品内の排泄の有無を検知する排泄検知装置であって、
    前記吸収性物品の排泄物に接しない外側表面に取り付けられ、固い基板の一方の面に僅かに離して並べて形成された一対の電極を設け、前記一対の電極間のインピーダンス変化を検知するセンサ手段と、
    前記基板の他方の面に具備され、前記センサ手段で検知された前記一対の電極間のインピーダンス変化に応じて周波数が変化する周波数変換手段と、
    を有し、
    前記周波数変換手段で変換された周波数範囲が10KHz〜10MHzであり、前記センサ手段の電極間の静電容量が5PF〜40PFであることを特徴とする排泄検知装置。
  2. 前記センサ手段の電極間の抵抗が100Ω〜2500Ωであることを特徴とする請求項1記載の排泄検知装置。
  3. 前記周波数変換手段で変換された周波数の変化量に基づいて前記吸収性物品内の排泄の有無を検知する周波数変化検知手段と、
    この周波数変化検知手段の検知出力を送信する送信機と、
    この送信機からの前記検知出力を受信する受信機と、
    この受信機で受信した前記検知出力に基づいて警報を発生する警報手段と、
    を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の排泄検知装置。
  4. 前記周波数変化検知手段により前記吸収性物品内に排泄があったことが検知された場合に前記周波数変換手段で変換された周波数の変化量に基づいて前記吸収性物品内に排泄された排泄量を算出して該排泄量を前記送信機に送信させる排泄量算出手段と、
    前記受信機で受信された前記排泄量を表示する表示手段と、
    を有することを特徴とする請求項記載の排泄検知装置。
  5. 前記センサ手段は、排尿及び排便に対応した位置に設けられた複数のセンサ部を有し、前記周波数変換手段は、前記複数のセンサ部に対応した複数の周波数変換回路を有し、前記周波数変化検知手段は、前記複数の周波数変換回路に対応した複数の周波数変化検知部を有し、
    さらに、前記複数の周波数変化検知部からの検知出力に基づいて排尿か排便かを判定して排泄区別情報を前記送信機に送信させる排泄判定手段と、
    前記受信機で受信された前記排泄区別情報を表示する表示手段と、
    を有することを特徴とする請求項又は請求項記載の排泄検知装置。
  6. 前記受信機が前記検知出力を受信した時間を排泄時間として検知する排泄時間検知手段を有することを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか1項記載の排泄検知装置。
  7. 前記周波数変換手段で変換された周波数の変化量に基づいて前記吸収性物品内の排泄の有無を検知する周波数変化検知手段と、
    この周波数変化検知手段により前記吸収性物品内に排泄があったことが検知された場合に警報を発生する警報手段と、
    を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の排泄検知装置。
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