JP3552776B2 - ダンパ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、回転軸の捩り振動を吸収するダンパであって、特に、ダンパ本体部のエラストマ部材が、ハブに嵌着されるハブプレートの径方向フランジに加硫接着された構造を有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の駆動系の回転軸に回転に伴って生じる捩り振動(回転方向の振動)を有効に吸収するダンパは、基本的には回転軸に取り付けられるハブと、このハブに近接配置された環状の質量体とを、エラストマ部材を介して弾性的に連結した構造を有し、質量体とエラストマ部材からなるダンパ本体部が、ハブを介して入力される回転軸の捩り振動の振動変位の位相と逆の位相で共振することによって、動的吸振効果を発揮するもので、その一種として、従来から、図2に示すようないわゆるダブルマス型のものが知られている。
【0003】
すなわち図2において、参照符号100はハブ、101はハブ100の外径筒部100aの外周面に嵌着されたスリーブ101a及びこのスリーブ101aの一端から内周側へ延在された径方向フランジ101bからなる環状のハブプレート、102はハブ100の外周側に同心配置された環状の質量体、103はハブプレート101のスリーブ101aと質量体102の互いに対向する円筒面間に一体に加硫成形されたエラストマ部材、104はハブ100の外径筒部101aの内周空間に配置された環状の第二の質量体、105はこの第二の質量体104と径方向フランジ101bの互いに対向する端面間に一体に加硫成形された第二のエラストマ部材である。このダブルマス型のダンパは、質量体102及びエラストマ部材103からなるダンパ本体部D1と、第二の質量体104及び第二のエラストマ部材105からなる第二のダンパ本体部D2に互いに異なる捩り方向固有振動数が設定されることによって、回転軸に回転に伴って発生する捩り振動に対して広い回転数域で制振性能を得ようとするものである(例えば実開平1−92546号公報参照)。
【0004】
この種のダンパにおいては、スリーブ101aと質量体102との間及び径方向フランジ101bと第二の質量体104との間に、エラストマ部材103及び第二のエラストマ部材105を加硫接着した図3のようなハブプレート101を、ハブ100の外径筒状部101aの外周面に適当な締め代で圧入嵌合し、これによってハブ100とハブプレート101とを強固に一体化すると共に、スリーブ101aの拡径変形によってエラストマ部材103に予圧縮を与えている。この予圧縮は、スリーブ101aと質量体102の互いに径方向に対向する円筒面間に加硫成形されたエラストマ部材103に成形後の体積収縮によって生じる径方向の残留引っ張り応力を解消し、捩り振動入力による繰り返し変形に対する耐久性を向上させるのに有効に作用する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例においては、次のような問題が指摘される。
すなわち、ハブプレート101を、ハブ100の外径筒状部101aの外周面に圧入嵌合する際には、ハブプレート101は、図3に破線で示すように、スリーブ101aが拡径変形されると同時に、この拡径変形によって径方向フランジ101bを軸方向内側へ傾斜変形させる力が生じるため、第二の質量体104は第二のエラストマ部材105を介して径方向フランジ101bに押圧され、軸方向に変位される。ところが、前記傾斜変形による径方向フランジ101bの軸方向変位量は外周側ほど小さくなるため、この径方向フランジ101bと、軸方向に平行移動される第二の質量体104との間が、外周側ほど大きく離されることになる。したがって、第二のエラストマ部材105には、内径部105aにおいて圧縮応力が作用する一方、外径部105bにおいては引っ張り応力が作用し、この引っ張り応力によって捩り振動入力時の繰り返し変形に対する第二のエラストマ部材105の耐久性が低下してしまう。
【0006】
本発明は、上記のような事情のもとになされたもので、その技術的課題とするところは、ハブプレートの径方向フランジの傾斜変形による第二のエラストマ部材の耐久性の低下を防止したダンパを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の技術的課題を有効に解決するための手段として、本発明のダンパは、ハブの外径筒部の外周面に嵌着されるスリーブ及びこのスリーブの一端部から内周側へ延在された径方向フランジからなるハブプレートと、前記スリーブの外周側に配置された質量体と、前記スリーブと質量体の間に一体に接着されたエラストマ部材と、前記径方向フランジと軸方向に対向配置された第二の質量体と、前記径方向フランジと第二の質量体の間に一体に接着された第二のエラストマ部材とを備え、前記ハブプレートのスリーブと径方向フランジの間に、円周方向に並んで開設された複数の窓部により前記径方向フランジよりも剛性を小さくした易変形部を設けたものである。
【0008】
【作用】
本発明によると、ハブプレートのスリーブをハブの外径筒部の外周面に圧入嵌合することによって前記スリーブが拡径変形される際に、このスリーブと径方向フランジとの間で、複数の窓部により剛性が低下した易変形部が容易に変形される。このため、スリーブの拡径変形に伴って径方向フランジを傾斜させる方向に発生する力が前記易変形部において吸収され、径方向フランジの傾斜変形による第二のエラストマ部材の引っ張り応力を有効に防止する。また、複数の窓部は回転時に空気を流通させ、放熱を促す作用も有する。
【0009】
【実施例】
図1は本発明に係るダンパの一実施例を示すものである。この実施例において、参照符号11は軸心Oを通る平面で切断した断面形状が略L字形をなすハブプレートであり、スリーブ11a及びこのスリーブ11aの一端から内周側へ延在された径方向フランジ11bからなる。
【0010】
スリーブ11aの外周側には環状の質量体(大マス)12が同心配置されており、前記スリーブ11aの内周側には環状の第二の質量体(小マス)14が径方向フランジ11bと軸方向に対向配置されており、スリーブ11aと質量体12の間及び径方向フランジ11bと第二の質量体14の間には、それぞれエラストマ部材13及び第二のエラストマ部材15が一体に加硫成形されることによって、質量体12及びエラストマ部材13からなるダンパ本体部D1と、第二の質量体14及び第二のエラストマ部材15からなり前記ダンパ本体部D1とは捩り方向固有振動数が異なる第二のダンパ本体部D2を構成している。ハブプレート11のスリーブ11aと径方向フランジ11bとの間の屈曲部には、円周方向等間隔で、複数の窓部11cが開設されており、これによって、各窓部11cの間の部分がスリーブ11a及び径方向フランジ11bよりも剛性の低い易変形部16となっている。
【0011】
なお、捩り振動入力時の径方向フランジ部11bと第二の質量体14の円周方向相対変位量は外周側ほど大きいから、第二のエラストマ部材15の肉厚を均一にした場合は、その変形率が外周側ほど大きくなってしまう。このため、前記径方向フランジ11bをテーパ状に形成することによって、第二のエラストマ部材15の軸方向肉圧を外周側へ向けて漸次大きくし、変形率が内周部15aと外周部15bとで均一になるようにしてある。
【0012】
ハブプレート11は、そのスリーブ11aが図中二点鎖線で示すハブ10の外径筒部10aの外周面に適当な締め代で圧入嵌合され、これによってハブ10とハブプレート11とを強固に一体化すると共に、スリーブ11aの拡径変形によってエラストマ部材13に予圧縮を与える。このとき、スリーブ11aの拡径変形に伴って、スリーブ11aと径方向フランジ11bとの間の屈曲部には、テーパ状に形成された径方向フランジ11bを第二の質量体14側へ向けて更に傾斜変形させる力を生じるが、この屈曲部は、円周方向に並んだ複数の窓部11cにより剛性が低下された易変形部16となっているため、スリーブ11aの拡径変形と共に径方向へ延びるように容易に変形され、前記傾斜変形力を吸収する。したがって、第二のエラストマ部材15の内周部15aに作用する圧縮及び外周部15bに作用する引っ張りが有効に抑えられる。
【0013】
また、このダンパは、回転軸からの捩り振動入力に伴ってダンパ本体部D1及び第二のダンパ本体部D2が回転と共に捩り方向に振動変位され、エラストマ部材13及び第二のエラストマ部材15が反復変形される。このため、エラストマ部材13及び第二のエラストマ部材15は発熱するが、ハブプレート11の易変形部16における窓部11cは、このハブプレート11の両側間で空気を流通させ、前記熱の放出を促すので、熱の蓄積によるエラストマ部材13及び第二のエラストマ部材15の材質の劣化を防止する効果をも発揮する。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【発明の効果】
本発明のダンパによると、ハブプレートのスリーブをハブに圧入嵌合することによって生じる前記ハブプレートの径方向フランジに対する傾斜変形力が、前記スリーブと径方向フランジの間に、円周方向に並んで開設された複数の窓部により設けた易変形部の変形によって吸収されるので、前記径方向フランジの傾斜変形による第二のエラストマ部材の外周部の引っ張り応力の発生を有効に抑え、この第二のエラストマ部材の振動吸収動作に対する耐久性低下を防止することができる。また、前記窓部は回転時に空気を流通させ、放熱を促すので、エラストマ部材及び第二のエラストマ部材の発熱による劣化を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダンパの一実施例を示すもので、(A)は軸心Oを通る平面で切断して示す半裁断面図、(B)は(A)における矢印B方向の部分的な矢視図である。
【図2】従来例に係るダンパの一例をその軸心Oを通る平面で切断して示す半裁断面図である。
【図3】上記従来例におけるハブプレートの変形を説明するための図である。
【符号の説明】
10 ハブ
10a 外径筒部
11 ハブプレート
11a スリーブ
11b 径方向フランジ
11c 窓部
12 質量体
13 エラストマ部材
14 第二の質量体
15 第二のエラストマ部材
15a 内周部
15b 外周部
16 易変形部
D1 ダンパ本体部
D2 第二のダンパ本体部
Claims (1)
- ハブ(10)の外径筒部(10a)の外周面に嵌着されるスリーブ(11a)及びこのスリーブ(11a)の一端部から内周側へ延在された径方向フランジ(11b)からなるハブプレート(11)と、前記スリーブ(11a)の外周側に配置された質量体(12)と、
前記スリーブ(11a)と質量体(12)の間に一体に接着されたエラストマ部材(13)と、
前記径方向フランジ(11b)と軸方向に対向配置された第二の質量体(14)と、
前記径方向フランジ(11b)と第二の質量体(14)の間に一体に接着された第二のエラストマ部材(15)とを備え、
前記ハブプレート(11)のスリーブ(11a)と径方向フランジ(11b)の間に、円周方向に並んで開設された複数の窓部(11c)により前記径方向フランジ(11b)よりも剛性を小さくした易変形部(16)を設けたことを特徴とするダンパ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP03021195A JP3552776B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | ダンパ |
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JP03021195A JP3552776B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | ダンパ |
Publications (2)
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JPH08200445A JPH08200445A (ja) | 1996-08-06 |
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Family Applications (1)
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JP03021195A Expired - Fee Related JP3552776B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | ダンパ |
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-
1995
- 1995-01-27 JP JP03021195A patent/JP3552776B2/ja not_active Expired - Fee Related
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