JP3552571B2 - カラオケ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラオケ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ユーザによって入力された曲番号に対応する楽曲データ中の情報に従って音源が楽音信号を生成し、この楽音信号にマイクから入力された音声信号をミキシングして出力するとともに、上記楽曲データ中の情報に従って、当該楽曲の歌詞をディスプレイ装置上に表示するカラオケ装置が普及している。
【0003】
このような従来のカラオケ装置においては、所定の記憶装置に文字を表すビットマップデータが記憶されており、歌詞表示はこのビットマップデータを用いて行われるものが一般的であった。ここで、このビットマップデータを用いた場合には、歌詞を表示する際のCPUの計算付加が小さいため、比較的安価なCPUによって処理する場合であっても処理速度が低下しないといった利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このビットマップデータは、歌詞表示に用いられる各文字がビットマップ(ドットパターン)で記述されているため、予め用意された大きさのビットマップデータ(32ビットまたは48ビット)によって歌詞表示を行うことしかできなかった。このため、歌詞表示が単調で面白味に欠けるものとなるといった問題が生じていたのである。
【0005】
本発明は、このような背景の下になされたものであり、変化に富んだ歌詞表示を行うことができるカラオケ装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載のカラオケ装置は、楽曲データ記憶手段と、画像データ記憶手段と、制御手段と、操作手段と、表示処理手段とを具備するカラオケ装置であって、前記楽曲データ記憶手段は、歌詞情報と楽曲に関する楽曲情報とを含む楽曲データを記憶し、前記画像データ記憶手段は、前記歌詞情報に対応する画像データと前記楽曲情報に対応する画像データとを記憶し、前記制御手段は、選択された楽曲データを前記楽曲データ記憶手段から読み出して処理し、前記操作手段は、前記楽曲情報の表示/非表示の選択を受け付け、前記表示処理手段は、前記操作手段が楽曲情報の非表示の選択を受け付けた場合に第1処理を行なう一方、前記操作手段が楽曲情報の表示の選択を受け付けた場合に第2処理を行ない、前記第1処理は、前記制御手段が読み出した楽曲データの歌詞情報に対応する画像データを表示装置に表示させる処理であり、前記第2処理は、前記制御手段が読み出した楽曲データの歌詞情報に対応する画像データを前記第1処理よりも縮小して前記表示装置に表示させるとともに、この縮小により生じたスペースに、当該楽曲データの楽曲情報に対応する画像データを表示させる処理であることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
【0014】
A:第1の実施形態
以下、本発明の第1の実施形態であるカラオケ装置について説明する。本実施形態であるカラオケ装置は、通常の大きさの文字によって歌詞表示を行うとともに、ユーザからの指示に応じて、コード名表示機能をオンとすることができる。ここで、このコード名表示機能とは、歌詞を表示する文字の大きさを、通常の歌詞表示における文字の大きさよりも小さくし、文字が小さくなった分だけ広くなった歌詞の各行間のスペースに、演奏される楽曲のコード名(和音名)を順次表示する機能である。以下、本実施形態であるカラオケ装置の構成を説明する。
【0015】
A−1:第1の実施形態の構成
図1は本発明の第1の実施形態であるカラオケ装置の全体の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態であるカラオケ装置は、CPU1、ROM2、RAM3、操作部4、ハードディスク装置(HDD)5、音源6、マイク7、ミキサ8、表示処理部9およびディスプレイ装置(CRT)10により構成されている。
【0016】
CPU1は、このカラオケ装置の制御中枢であり、バス100を介して接続されたROM2、RAM3、操作部4、ハードディスク装置5、音源6および表示処理部9との間で各種情報の授受を行い、このカラオケ装置全体の制御を行う。
【0017】
ROM2には、イニシャルプログラム、アウトラインデータファイルおよびコード名データファイルが記憶されている。ここで、イニシャルプログラムは、カラオケ装置を起動するために必要なプログラムである。カラオケ装置の電源が投入されると、このイニシャルプログラムに従ってハードディスク装置5に記憶されたシステムプログラムおよびアプリケーションプログラムがRAM3にロードされる。また、コード名データファイルは、歌詞表示に伴ってディスプレイ装置上に表示されるコード名を示すビットマップデータにより構成される。
【0018】
また、アウトラインデータファイルは、歌詞表示に用いられる各文字の輪郭形状(アウトライン)を表す複数のアウトラインデータにより構成されている。各アウトラインデータは、歌詞表示に用いられる文字の文字コードにそれぞれ対応しており、1文字単位でランダムにROM2から読み出すことが可能となっている。また、各アウトラインデータは、所定の基準サイズの文字のアウトラインに対応した内容となっている。
【0019】
図2(a)は、上記アウトラインデータの内容の具体例を示す図である。図2(a)に示すように、アウトラインデータは、処理内容を指示するフラグと、そのフラグに対応する処理が終了した時点でのポインタの位置を指定する座標値とにより構成されている。ここで、図2(a)中に示したフラグ「S」は、各文字を構成する輪郭(アウトライン)を描く際の開始点にポインタを移動させる処理を指示している。そして、このフラグ「S」に対応した座標値(図2(a)に示す例においては座標(5,5))が、アウトラインを描く際の開始点となる。また、フラグ「L」は、直前の座標から該フラグに対応した座標までの線分を描く処理を指示している。すなわち、例えば、図2(a)中の2行目に示したフラグ「L」、X座標値「5」、Y座標値「10」は、その直前(1行目)にポインタが位置する座標(5,5)から座標(5,10)までの線分を描くことを指示している。また、フラグ「E」は、文字のアウトラインを構成する1つの閉ループの終了を示すフラグである。
【0020】
図2(b)は、上述した図2(a)に示したアウトラインデータによって描かれる文字「上」のアウトラインを示す図である。図2(b)に例示するように、このアウトラインは、座標(5,5)を描画開始点として、再度その点に戻るまでの12本の線分により構成されており、各構成線はその基点と終点の座標値により定義されるベクトルを形成している。このようにして、「上」の文字の基準となる寸法におけるアウトラインが形成されるのである。このアウトラインデータによれば、アウトラインの各構成線を形成するベクトルの長さまたは方向を変更することにより、表示される文字の寸法を拡大・縮小したり、あるいは文字を回転させる等の処理が可能となる。
【0021】
再び図1において、RAM3は、上述したイニシャルプログラムに従ってハードディスク装置5からロードされたシステムプログラムやアプリケーションプログラムを記憶する記憶エリアの他、カラオケ演奏を制御する楽曲データを記憶する記憶エリアを有している。
【0022】
操作部4は、曲番号を入力するためのテンキーやカラオケ装置を操作するためのキーおよび摘み等を備えており、カラオケ装置本体の前面等に設けられている。また、上述したコード名表示機能のオン/オフを切換えるためのキーも設けられている。ユーザは、この操作部4を操作することにより、CPU1に対し、曲番号の入力、音量の調節およびキーコントロール等の指示を与えることができる。なお、カラオケ装置の操作は、図示しないリモコンによっても可能である。
【0023】
また、ハードディスク装置5には、カラオケ演奏の制御に用いられる楽曲データが記憶されている。ここで、この楽曲データは、楽曲の演奏を制御する楽音トラックや、歌詞表示を制御するための歌詞トラック等の複数のトラックにより構成されている。これらの各トラックは、複数のイベントデータと、各イベントデータを読み出すタイミングを各イベントデータ間の時間間隔で示すデュレーションデータΔtとにより構成されるシーケンスデータである。
【0024】
ここで、楽曲データ中の楽音トラックは、伴奏音等の楽音信号を生成するための演奏イベントデータと、デュレーションデータΔtとにより構成されるシーケンスデータである。そして、上記演奏イベントデータは、音源が生成すべき楽音信号のノートナンバ、ベロシティ(音の強さ)および符長を指定する各情報により構成されている。
【0025】
また、歌詞トラックは、演奏される楽曲の歌詞およびコード名をディスプレイ装置10上に表示し、上記歌詞表示の色を楽曲演奏の進行に伴って変化させる(ワイプさせる)ための歌詞表示イベントデータと、デュレーションデータΔtとにより構成されるシーケンスデータである。ここで、歌詞表示イベントデータは、図3(a)に示すように、表示文字情報、コード名情報および着色位置情報により構成されている。なお、本実施形態においては、1度にディスプレイ装置の1画面に表示される歌詞ごとに、1組の表示文字情報、コード名情報および着色位置情報が用意される。
【0026】
表示文字情報は、楽曲の演奏に伴ってディスプレイ装置10に表示される文字を指定するための情報である。ここで、この表示文字情報は、図3(b)に示すように、表示される文字に対応した文字コード(1文字分)と、各文字が表示される位置を指定する座標(xn,yn)とにより構成され、必要に応じて改行する位置を示す改行データが含まれることとなる。また、コード名情報は、図3(c)に示すように、上記表示文字情報によって指定される歌詞の文字が表示される際に、該歌詞表示の各行の上部に表示されるコード名(和音名)を指定するための情報であり、表示されるコード名と、そのコード名が表示される位置を指定する座標(sn,tn)とにより構成されている。また、着色位置情報は、図3(d)に示すように、表示色を変更するタイミングを示す時間情報tnと、その変更位置を示す座標(un,vn)とにより構成されている。以上が本実施形態であるカラオケ装置において用いられる楽曲データの詳細な構成である。
【0027】
また、ハードディスク装置5には、この楽曲データの他、上述したシステムプログラムやアプリケーションプログラムが記憶されている。そして、このアプリケーションプログラムにはシーケンスプログラムが含まれている。このシーケンスプログラムは、ユーザによって指定された曲番号に対応した楽曲データをハードディスク装置5からRAM3にロードし、この楽曲データ中の各イベントデータを読み出して所定の処理部に出力する、といったカラオケ演奏の制御を行うための制御プログラムである。すなわち、カラオケ演奏の際、CPU1は、上記シーケンスプログラムを実行することにより、上記楽曲データ中のデュレーションデータΔtによって指定されたタイミングで、各トラック中のイベントデータを並行して読み出し、楽音トラック中の演奏イベントデータは音源6に、歌詞トラック中の歌詞表示イベントデータ(表示文字情報、コード名情報および着色位置情報)は表示処理部9へ、という具合に、各イベントデータの種類に対応した宛先に送信するのである。
【0028】
音源6は、CPU1によって供給される楽音トラック中の演奏イベントデータに従って伴奏音等の楽音信号を生成し、ミキサ8に出力する。ミキサ8は、この楽音信号と、マイク7から供給されるボーカル音信号とをミキシングして出力する。
【0029】
また、表示処理部9は、CPU1によって供給される歌詞トラック中の歌詞表示イベントデータに従って、演奏される楽曲に対応する歌詞の文字列を生成し、これをLD再生装置(図示略)から供給される背景映像信号に合成してディスプレイ装置に出力する。さらに、本実施形態であるカラオケ装置においては、上述したコード名表示機能がオンに設定されている場合には、生成した文字列を所定の大きさに縮小し、歌詞の文字列が縮小された分だけ広くなった歌詞表示の各行の上部のスペースに、対応するコード名を表示するための制御も行う。ディスプレイ装置10は、表示処理部9によって供給される情報を表示する。
【0030】
ここで、図4を参照して、表示処理部9の詳細な構成を説明する。図4に示すように、表示処理部9は、表示制御部21、ラスタライザ22、表示用RAM23、VRAM24およびビデオ信号生成部25により構成されている。ここで、表示制御部21には、楽曲データ中の表示文字情報、コード名情報および着色位置情報が、CPU1によって供給される。
【0031】
表示制御部21は、CPU1によって供給された表示文字情報に含まれる各文字コードに対応したアウトラインデータを、ROM2から順次読み出し、ラスタライザ22に順次出力する。また、この処理に並行して、表示制御部21は、CPU1によって供給されたコード名情報に含まれるコード名に対応するビットマップデータをROM2から読み出し、このビットマップデータを表示用RAM23に書き込む。また、表示制御部21は、ディスプレイ装置10に表示された歌詞の文字列の色をワイプするための制御も行う。
【0032】
ラスタライザ22は、表示制御部21によって順次供給される1文字分のアウトラインデータによって指定される文字の輪郭を、所定の大きさに縮小して、当該輪郭の内側を塗りつぶすことによって歌詞表示用のビットマップデータを生成し、順次表示用RAM23に書き込む。また、VRAM24は、ディスプレイ装置に表示すべき1画面分の画像データを記憶するための記憶手段である。ビデオ信号生成部25は、VRAM24内に格納された画像データを読み出して、ディスプレイ装置10に供給する手段である。
【0033】
A−2:第1の実施形態の動作
次に本実施形態であるカラオケ装置の動作について説明する。
まず、ユーザが操作部4またはリモコンを操作することによって曲番号を入力すると、CPU1は、当該曲番号に対応する楽曲データをハードディスク装置5から読み出して、RAM3にロードする。以後、CPU1は、RAM3に格納された楽曲データ中の各トラックのシーケンスデータを並行して読み出し、各シーケンスデータ中のイベントデータを各部に出力する。
【0034】
CPU1によって演奏イベントデータを供給された音源6は、当該演奏イベントデータに従って伴奏音等の楽音信号を生成し、ミキサ8に出力する。ミキサ8は、この楽音信号と、マイク7から入力されるボーカル音信号とをミキシングして出力する。このミキサの出力信号は、アンプ(図示略)によって増幅され、スピーカ(図示略)から出力される。
【0035】
また、CPU1によって歌詞表示イベントデータ(表示文字情報、コード名情報および着色位置情報)を供給された表示処理部9は、当該歌詞表示イベントデータに従って、演奏される楽曲に対応する歌詞の文字列を生成し、これを背景映像に合成してディスプレイ装置10に出力する。以下、上述したコード名表示機能がオンとなっている場合の、表示処理部9が行う処理の詳細を説明する。
【0036】
a.表示文字情報の処理
表示処理部9中の表示制御部21は、CPU1によって表示文字情報を供給されると、当該表示文字情報に含まれる文字コードに対応するアウトラインデータをROM2から順次読み出し、読み出した各アウトラインデータに各文字が表示される座標(xn,yn)を付加して、ラスタライザ22に出力する。
【0037】
ラスタライザ22は、アウトラインデータを受け取ると、以下に示す処理を行う。なお、通常は複数のアウトラインデータが表示制御部21から供給されることとなるが、以下に示す処理は、1文字分に相当するアウトラインデータについて行われる処理である。
【0038】
まず、受け取った一文字分のアウトラインデータに含まれる各座標値を参照して、各文字のアウトラインの縦方向の寸法を所定の寸法に縮小する処理を行う。この処理は、例えば、アウトラインの各線分を形成する各ベクトルのY座標成分に対して、予め設定された所定の比率を乗ずることにより行われる。図2(c)は、このようにして縮小された文字のアウトラインを例示する図である。図2(c)に示す例においては、文字の縦方向の寸法が、アウトラインデータにより指定される各文字の縦方向の寸法の半分に縮小された場合を示している。
【0039】
次に、ラスタライザ22は、縮小された文字のアウトラインの内側の領域を、スキャンコンバージョン処理により塗りつぶすことにより、各文字のビットマップデータを作成する。ここで、上記スキャンコンバージョン処理は、以下に示す手順で行われる。まず、ディスプレイ装置10の画素に対応して設けられた座標系に対して上述した縮小されたアウトラインを重ね、そのアウトラインを所定の方向に走査することにより、該アウトラインの内側に存在する画素と、外側に存在する画素とを判別する。そして、アウトラインの内側に存在すると判別された画素をオンとすることで、ビットマップデータを作成する。
【0040】
次に、ラスタライザ22は、このようにして作成したビットマップデータを座標(xn,yn)に配置したデータを、表示用RAM23に書き込む。そして、ラスタライザ22は、以上示した処理を、表示制御部21によって供給される1画面分の歌詞表示に対応した各アウトラインデータについて順次行う。1画面分の歌詞表示に対応したビットマップデータを表示用RAM23に書き込むと、ラスタライザ22はその旨を表示制御部21に通知する。
【0041】
b.コード名情報の処理
上記aの処理に並行して、表示処理部9中の表示制御部21は、CPU1によって供給されたコード名情報に含まれるコード名に対応したビットマップデータをROM2から読み出して、当該ビットマップデータを座標(sn,tn)に配置した情報を、表示用RAM23に順次書き込む。
【0042】
そして、表示制御部21は、1画面分の歌詞表示に対応するビットマップデータの処理が終了した旨の通知を受け、かつ、コード名のビットマップデータの表示用RAM23への書込みを終了すると、表示用RAM23に格納された歌詞のビットマップデータおよびコード名のビットマップデータを読み出し、LD再生装置から供給される背景映像信号に対応したビットマップデータと合成した後にVRAM24に書き込む。ビデオ信号生成部25は、一定の走査周期に同期して、このVRAM24内のビットマップデータを1ラインずつ読み出し、ディスプレイ装置10に供給する。これにより、ディスプレイ装置10には、歌詞およびコード名が背景映像とともに表示されることとなる。
【0043】
c.着色位置情報の処理
上記aおよびbに示した処理が終了すると、表示制御部21は、CPU1によって供給された歌詞表示イベントデータに含まれる着色位置情報に従って、歌詞表示の色を楽曲演奏の進行に伴って変更するための処理を行う。すなわち、着色位置情報に含まれる時間情報tnによって指定されるタイミングで、表示される歌詞のうちの座標(un,vn)までの歌詞の色を変更する。具体的には、この処理は、VRAM24中に格納されたビットマップデータの各ビットに対応した色データを順次変更することにより行われる。なお、この場合、歌詞のみをワイプすることとしてもよいし、歌詞およびコード名の両方をワイプすることとしてもよい。
【0044】
以上示した処理が、演奏される楽曲の全体について行われる。これにより、図5(b)に示すように、歌詞の文字列が、縦方向に縮小されてディスプレイ装置に表示されるとともに、歌詞表示が縮小されることにより生じたスペースに、当該楽曲のコード名が表示されることとなる。
【0045】
なお、コード名表示機能がオフに設定されている場合には、表示制御部21は、CPU1によって供給されるコード名情報については何ら処理を行わない。そして、ラスタライザ22は、表示制御部21からアウトラインデータを供給されると、文字のアウトラインを縮小する処理を行うことなく、直ちに当該アウトラインデータからビットマップデータを作成して表示用RAM23に格納する。そして、1画面分の歌詞表示に対応したビットマップデータを表示用RAM23に書き込んだ旨の通知をラスタライザ22から受けた表示制御部21は、表示用RAM23に格納された歌詞のビットマップデータを読み出し、LD再生装置から供給される背景映像信号に対応したビットマップデータと合成した後にVRAM24に書き込む。以後の動作は、コード名表示機能がオンに設定されている場合と同様である。これにより、コード名表示機能がオフに設定されている場合には、図5(a)に示すように、通常の大きさの文字による歌詞が、背景映像とともに表示されることとなる。以上が本実施形態であるカラオケ装置の動作の詳細である。
【0046】
従来のカラオケ装置においては、圧縮されたビットマップデータを展開することにより歌詞表示を行っていたので、歌詞表示の大きさを変更することができず、歌詞表示の行間に演奏される楽曲のコード名を表示することが困難であった。これに対し、本実施形態であるカラオケ装置によれば、歌詞表示の寸法を縦方向に縮小することができるので、図5(b)に示すように、演奏される楽曲のコード名を、歌詞表示と同時に表示することができる。従って、カラオケ演奏に伴って楽器、例えばギター等の練習をすることも可能となる。
【0047】
また、本実施形態であるカラオケ装置においては、比較的データ量の大きいビットマップデータに代わり、アウトラインデータを用いているため、データ量の縮小を図ることができる。
【0048】
なお、上記第1の実施形態にかかるカラオケ装置においては、コード名を示すビットマップデータを、ROM2に予め格納しておく構成としたが、これに限らず、歌詞表示の文字と同様に、コード名も、アウトラインデータからビットマップデータを作成することにより表示する構成としてもよい。
【0049】
B:第2の実施形態
次に本発明の第2の実施形態であるカラオケ装置について説明する。本実施形態にかかるカラオケ装置は、カラオケ演奏に伴う歌唱において、大きい声で歌唱すべき部分については歌詞を大きい寸法の文字で表示し、逆に小さい声で歌唱すべき部分については歌詞を小さい寸法の文字で表示する機能を有している。以下、本実施形態であるカラオケ装置について詳述する。なお、本実施形態であるカラオケ装置は、上記第1の実施形態であるカラオケ装置と比較して、楽曲データ中の歌詞トラックの構成および表示処理部9の動作のみが異なる。従って、上記第1の実施形態であるカラオケ装置と共通する部分については、その説明を省略する。
【0050】
図6(a)は、本実施形態であるカラオケ装置において用いられる楽曲データを構成する歌詞トラックの構成を示す図である。図6(a)に示すように、本実施形態であるカラオケ装置において用いられる歌詞トラックは、表示文字情報と着色位置情報とにより構成される歌詞表示イベントデータと、デュレーションデータΔtとにより構成されている。ここで、上記表示文字情報は、図6(b)に示すように、表示される文字に対応した文字コードと、各文字が表示される位置を指定する座標(xn,yn)と、音量情報とにより構成されている。ここで、上記音量情報は、上記文字コードによって指定される歌詞の各文字を発声する際の模範的な歌唱音量を示すものであり、基準値を「1」とした場合に、模範的な歌唱音量がどの程度の値となるかを数値で示すものである。すなわち、例えば、音量情報が「2」である場合には、基準値の2倍の音量で歌唱すべきであるといった具合である。また、着色位置情報は、図6(c)に示すように、上記第1の実施形態における着色位置情報(図3(d))と同様の構成となっている。
【0051】
カラオケ演奏時、CPU1は、歌詞トラック中のデュレーションデータΔtによって指定されるタイミングで、歌詞トラック中の歌詞表示イベントデータ(表示文字情報および着色位置情報)を読み出すと、当該歌詞表示イベントデータを表示処理部9中の表示制御部21に出力する。以下、表示処理部9が行う処理を詳述する。なお、着色位置情報についての処理は、上記第1の実施形態であるカラオケ装置における処理と同様なので、説明を省略する。
【0052】
CPU1から出力された表示文字情報を受け取った表示制御部21は、当該表示文字情報に含まれる文字コードに対応するアウトラインデータをROM2から順次読み出し、読み出したアウトラインデータに対応する文字コードの直後に書き込まれた座標および音量情報を、当該アウトラインデータに付加し、ラスタライザ22に出力する。
【0053】
ラスタライザ22は、表示制御部21から順次供給されるアウトラインデータに対して、以下に示す処理を行う。
【0054】
まず、受け取った1文字分のアウトラインデータに付加された音量情報を参照して、各文字のアウトラインの縦方向の寸法を、上記音量情報が示す模範的な歌唱音量に対応した寸法に変更するための処理を行う。すなわち、アウトラインデータに付加された音量情報が基準値「1」よりも大きい場合には、表示される文字の縦方向の寸法を拡大し、逆にアウトラインデータに付加された音量情報が基準値「1」よりも小さい場合には、表示される文字の縦方向の寸法を縮小するといった具合である。この処理は、例えば、アウトラインの各線分を形成する各ベクトルのY座標値に対して、上記音量情報に対応した数値を乗ずることにより行われる。すなわち例えば、音量情報が「2」である場合には、当該音量情報が付加されたアウトラインの縦方向の寸法が2倍となるように調節するといった具合である。
【0055】
次に、ラスタライザ22は、このようにして拡大または縮小された各文字のアウトラインの内側の領域を、上述したスキャンコンバージョン処理によって塗りつぶすことにより、各文字のビットマップデータを作成し、該ビットマップデータ座標(xn,yn)に配置したデータを表示用RAM23に書き込む。そして、1画面分のビットマップデータを書き込んだ場合には、ラスタライザ22は、その旨を表示制御部21に通知する。
【0056】
この通知を受けた表示制御部21は、表示用RAM23に格納された歌詞表示用ビットマップデータを読み出し、LD再生装置から供給される背景映像信号と合成した後にVRAM24に書き込む。この後、ビデオ信号生成部25が、VRAM24内の画像データを1ラインずつ読み出して、ディスプレイ装置10に供給する。これにより、ディスプレイ装置には、図7に示すような画像が表示されることとなる。
【0057】
このように、本実施形態であるカラオケ装置によれば、歌唱中の大きい声で歌うべき部分については歌詞が大きい文字で表示され、小さい声で歌うべき部分については歌詞が小さい文字で表示される。これにより、ユーザは、どの程度の音量で歌うべきかを視覚的に把握できるので、歌唱の上達に寄与することができる。なお、この機能は、上記第1の実施形態と同様に、ユーザからの指示に応じてオフとすることができることとしてもよい。
【0058】
C:変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記各実施形態はあくまでも例示であり、上記各実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
【0059】
<変形例1>
上記第1の実施形態においては、歌詞表示に伴ってコード名を表示する構成としたが、これに限らず、例えば、当該楽曲の歌唱において留意すべき点を表示する構成としてもよい。すなわち、例えば、大きな声で歌うべき部分については、「大きな声で!」等と表示するといった具合である。この変形例は、上記第1の実施形態において、コード名情報の代わりに「大きな声で!」等の文字列の文字コードを歌詞トラック中に含めておくことにより実施することができる。また、同様の構成により、歌詞表示に対応したルビを、縮小された歌詞の各行の上部に表示する構成としてもよい。
【0060】
<変形例2>
上記第2の実施形態においては、模範的な歌唱の音量に対応して、表示される歌詞の文字が拡大または縮小される構成としたが、これに限らず、例えば、演奏される楽曲中の特定の部分、例えばサビの部分の歌詞の文字を拡大するといった構成としてもよい。この変形例は、上記第2の実施形態において、歌詞トラック中に楽曲中のサビの位置であることを示すフラグを設定しておき、表示制御部21は、このフラグをCPU1によって供給されると、ラスタライザ22に対して文字を拡大させるように指示するといった構成とすることによって実施できる。
【0061】
<変形例3>
上記第2の実施形態であるカラオケ装置においては、歌詞トラック中の音量情報を参照することによって文字の拡大・縮小の比率が決定される構成としたが、これに限らず、例えば、楽音トラックを構成する演奏イベントデータに含まれるベロシティ(音の強さ)を指定する情報を参照することにより、文字の拡大・縮小の比率を決定する構成としてもよい。この変形例は、以下に示す構成とすることにより実施することができる。すなわち、楽音トラック中の演奏イベントデータを読み出すと、CPU1は、当該演奏イベントデータに含まれるベロシティを指定する情報を表示制御部21に供給する。表示処理部9内の各部は、このベロシティを指定する情報に対して、上記第2の実施形態における音量情報と同様の処理を行う。本変形例によれば、歌詞トラック中に別個に音量情報を設ける必要がなくなるので、楽曲データのデータ量を縮小することができる。
【0062】
<変形例4>
上記各実施形態においては、歌詞表示の寸法を、縦方向にのみ拡大または縮小する構成としたが、これに限らず、歌詞表示の横方向の寸法も所定の比率で拡大または縮小する構成としてもよい。この変形例は、上記各実施形態において、文字のアウトラインを構成する各ベクトルのY座標成分のみではなく、X座標成分に対しても所定の比率を乗ずることにより実施することができる。
【0063】
また、歌詞表示の文字を縦方向または横方向に拡大または縮小するだけではなく、その他の態様によって歌詞表示を行う構成としてもよい。この変形例は、文字のアウトラインを構成する各ベクトルを回転させたり、移動させることにより実施することができる。本変形例にかかるカラオケ装置によれば、様々な態様によって変化に富んだ歌詞表示を行うことができる。すなわち、例えば、楽曲の歌詞中のセリフの部分を斜体の文字で表示したり、特定の角度に傾けた文字で表示を行ったりすることも可能である。
【0064】
<変形例5>
上記各実施形態においては、表示される文字は、予め設定された比率または歌詞トラック中の音量情報によって指定された比率に拡大または縮小される構成としたが、これに限らず、表示される文字の大きさを、ユーザが任意に設定できる構成としてもよい。すなわち、ユーザが操作部4またはリモコンに対して所定の操作を行うことにより、ラスタライザ22が文字のアウトラインを拡大または縮小する際に用いる所定の比率を変更することができるような構成とするのである。同様に、表示される文字の態様を、ユーザが任意に設定できる構成としてもよい。すなわち、上記変形例4に示した斜体の文字や、特定の角度に傾けた文字等うちから、歌詞表示に用いる文字の態様をユーザが任意に選択できる構成とするのである。本変形例にかかるカラオケ装置によれば、よりユーザの好みに合った態様で歌詞表示を行うことができる。
【0065】
<変形例6>
上記各実施形態においては、アウトラインデータのみを用いて歌詞表示を行う構成としたが、これに限らず、従来のカラオケ装置において用いられていたビットマップデータを記憶装置内に併存させる構成としてもよい。これにより、従来のカラオケ装置において用いられていた楽曲データに対応する楽曲を演奏する場合にはビットマップデータを用いて歌詞表示を行い、上記各実施形態におけるコード名情報や音量情報等が含まれた楽曲データがホストコンピュータから配信された場合、そのような楽曲データに対応する楽曲を演奏する際にはアウトラインデータを用いるといった構成としてもよい。
【0066】
<変形例7>
上記各実施形態においては、歌詞表示に用いられるアウトラインフォントは、ROM2内に格納されている構成としたが、これに限らず、その他の記憶装置、例えばハードディスク装置に格納する構成としてもよい。こうすることにより、例えば、通信回線を介してホストコンピュータからダウンロードされた新しい文字等を、順次ハードディスク装置に書き込むことができ、これにより、アウトラインデータのバージョンアップを容易に行うことができる。
【0067】
<変形例8>
上記各実施形態にかかるカラオケ装置において用いたアウトラインデータは、上述したように、拡大・縮小が可能であるから、以下のようにすることも可能である。すなわち、ラスタライザ22は、ユーザからの指示に応じて、文字のアウトラインを、例えば1cm四方程度の大きさにまで縮小する。そして、このようにして作成されたビットマップデータをプリンタに出力することにより、歌詞表示をプリンタによって印刷することも可能となる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、文字を様々な態様により表示することができるので、歌詞表示の単調さをなくし、変化に富んだ歌詞表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態であるカラオケ装置の全体の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態において用いられるアウトラインデータの内容およびこのアウトラインデータによって描かれる文字のアウトラインを示す図である。
【図3】同実施形態において用いられる楽曲データ中の歌詞トラックの構成を示す図である。
【図4】同実施形態における表示処理部の構成を示すブロック図である。
【図5】同実施形態におけるディスプレイ装置の表示例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態であるカラオケ装置において用いられる楽曲データ中の歌詞トラックの構成を示す図である。
【図7】同実施形態におけるディスプレイ装置の表示例を示す図である。
【符号の説明】
1……CPU(制御手段)、2……ROM(画像データ記憶手段)、3……RAM、4……操作部、5……ハードディスク装置(楽曲データ記憶手段)、6……音源、7……マイク、8……ミキサ、9……表示処理部、10……ディスプレイ装置(表示手段)、21……表示制御部(画像データ読出手段、画像合成手段)、22……ラスタライザ(画像データ変換手段)、23……表示用RAM、24……VRAM、25……ビデオ信号生成部、100,101……バス。
Claims (1)
- 楽曲データ記憶手段と、画像データ記憶手段と、制御手段と、操作手段と、表示処理手段とを具備するカラオケ装置であって、
前記楽曲データ記憶手段は、歌詞情報と楽曲に関する楽曲情報とを含む楽曲データを記憶し、
前記画像データ記憶手段は、前記歌詞情報に対応する画像データと前記楽曲情報に対応する画像データとを記憶し、
前記制御手段は、選択された楽曲データを前記楽曲データ記憶手段から読み出して処理し、
前記操作手段は、前記楽曲情報の表示/非表示の選択を受け付け、
前記表示処理手段は、前記操作手段が楽曲情報の非表示の選択を受け付けた場合に第1処理を行なう一方、前記操作手段が楽曲情報の表示の選択を受け付けた場合に第2処理を行ない、
前記第1処理は、前記制御手段が読み出した楽曲データの歌詞情報に対応する画像データを表示装置に表示させる処理であり、
前記第2処理は、前記制御手段が読み出した楽曲データの歌詞情報に対応する画像データを前記第1処理よりも縮小して前記表示装置に表示させるとともに、この縮小により生じたスペースに、当該楽曲データの楽曲情報に対応する画像データを表示させる処理である
カラオケ装置。
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