JP3552409B2 - 調湿建材 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は調湿建材に係り、特に石膏系の調湿建材に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在市販されている石膏ボード、石膏プラスターには調湿機能がないため結露が発生し易い。
【0003】
吸放湿機能をもたせた石膏系建材として、特開昭63−134032号公報にて石膏100重量部に対して吸湿性フィラー3〜40重量部を水とともに混練硬化させてなる吸放湿材が提案されている。この吸湿性フィラーは、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、ケイ酸ソーダ等の潮解性化合物、イソブチレン無水マレイン酸系、ポリアクリル酸塩系、グラフト化デンプン等の不溶性高吸水性樹脂、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、セピオライト、ゼオライト等の多孔質鉱物の単体又は混合体である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭63−134032号公報の吸放湿材においては、吸放湿フィラーが自硬性を有しておらず、吸放湿機能を高めるべく吸放湿フィラーの配合を多くすると吸放湿材の強度が極端に低下する。強度を高めるべく吸放湿フィラーの配合を少なくしたのでは、吸放湿機能が弱い。また、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の潮解性化合物は、建材として好ましくない。吸水性樹脂、水溶性樹脂は価格が高すぎ、建材として用いるには不適当である。
【0005】
本発明は、吸放湿機能に優れ、強度が高く、しかも価格が低廉な調湿建材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の調湿建材は、石膏90〜10重量部とアルミン酸カルシウム10〜90重量部とに水を混合し、硬化させてなるものである。
【0007】
本発明の調湿建材においては、石膏とアルミン酸カルシウム水和物との反応により比表面積の大きな針状のエトリンガイトが生成し、これによって調湿機能が発揮される。
【0008】
このエトリンガイトの針状結晶がからみ合った組織が形成されるため、建材の強度も高いものとなる。
【0009】
本発明においては、石膏20〜80重量部、アルミン酸カルシウム80〜20重量部の配合が好ましく、とくに石膏30〜70重量部、アルミン酸カルシウム30〜70重量部の配合が好ましい。
【0010】
この石膏としては、無水石膏、半水石膏、二水石膏のいずれをも用い得る。
【0011】
アルミン酸カルシウムとしては、CA、C2 A、C3 A、CA2 等の化合物、一般的にはアルミナセメントなどを用い得る。なお、CはCaO、AはAl2 O3 を示す。
【0012】
水の配合量は、石膏とアルミン酸カルシウムとの合計量100重量部に対し40〜100重量部とりわけ50〜70重量部とするのが好ましい。
【0013】
本発明の調湿建材は、顔料、染料等の着色材料を含んでいても良い。着色材料の配合量は建材の強度を損なわない範囲であれば任意である。
【0014】
本発明ではガラス繊維、パルプ、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、炭素繊維等の補強材を含んでいても良い。この補強材の配合は10重量部以下、とりわけ5重量部以下が好ましい。
【0015】
本発明では、硬化速度を調節するために、塩化ナトリウム、硫酸カリウム、クエン酸、デンプンなどを10重量部以下、とりわけ5重量部以下配合しても良い。
【0016】
本発明では、さらにセピオライト、ゼオライト、珪藻土などの吸放湿材料を20重量部以下とくに10重量部以下配合しても良い。
【0017】
本発明の調湿建材の形態は任意であり、押出成形や流し込み成形などの成形法によって形成された板状体であっても良く、基板の上に塗着されたものであっても良い。この基板としては合板や通常の石膏ボードなどが挙げられる。
【0018】
本発明の調湿建材は、その表面に透湿性の紙やクロスなどが貼着されても良く、透湿性の塗料が塗着されても良い。
【0019】
本発明の調湿建材の表面は、平坦であっても良く、凹凸が設けられても良い。この凹凸は細かなものであっても良く、明瞭に視覚される大きな凹凸であっても良い。
【0020】
【実施例】
以下実施例及び比較例について説明する。なお、以下の実施例及び比較例における吸放湿量及び吸放湿速度の測定方法は次の通りである。
【0021】
測定試料を相対湿度80%の恒温恒湿槽内で重量が平衡に達するまで放置し、その後、相対湿度40%にした恒温恒湿槽に移し、適当な時間間隔毎に重量測定を行う。重量が平衡に達したら、再び相対湿度80%の恒温恒湿槽に移し、同様に重量が平衡に達するまで適当な時間間隔毎に重量測定を行う。
【0022】
ここで相対湿度40%から相対湿度80%に移して平衡に達した重量を平衡吸湿量、逆に相対湿度80%から相対湿度40%に移して平衡に達した重量を平衡放湿量とする。吸放湿量は、下記式より求めた。
【0023】
吸放湿量=(平衡吸湿量+平衡放湿量)/2
また、相対湿度40%から相対湿度80%に移した最初の1時間の吸湿量を1時間吸湿量とし、逆に相対湿度80%から相対湿度40%に移した最初の1時間の放湿量を1時間放湿量とする。吸放湿速度は、下記式より求めた。
【0024】
吸放湿速度=(1時間吸湿量+1時間放湿量)/2
なお、吸放湿量及び吸放湿速度は、試料面積(m2 )当たりの吸湿量(g)及び放湿量(g)で表した。
【0025】
また、以下の実施例及び比較例で用いたアルミナセメントは、電気化学工業(株)製デンカアルミナセメント1号である。
【0026】
実施例1
半水石膏50重量部とアルミナセメント50重量部とを混合し、水50重量部を加えて混練した後、成形ロールを用いて厚さ10mmのボード状に成形し、25℃、湿度60RH%の雰囲気中で2Hr養生し、硬化させた。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す。
【0027】
実施例2
二水石膏30重量部、アルミナセメント70重量部、パルプ5重量部及び水50重量部を用いた他は実施例1と同様にして調湿建材を製造した。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す。
【0028】
実施例3
半水石膏70重量部、アルミナセメント30重量部、べんがら(顔料)0.1重量部及び水50重量部を用いた他は実施例1と同様にして調湿建材を製造した。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す。
【0029】
比較例1
半水石膏100重量部及び水70重量部のみを用いた他は実施例1と同様にして調湿建材を製造した。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す。
【0030】
比較例2
半水石膏95重量部、アルミナセメント5重量部及び水70重量部のみを用いた他は実施例1と同様にして調湿建材を製造した。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す。
【0031】
比較例3
半水石膏5重量部、アルミナセメント95重量部及び水55重量部のみを用いた他は実施例1と同様にして調湿建材を製造した。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す。
【0032】
比較例4
半水石膏95重量部、セピオライト5重量部及び水75重量部のみを用いた他は実施例1と同様にして調湿建材を製造した。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す。
【0033】
比較例5
半水石膏75重量部、セピオライト25重量部及び水80重量部のみを用いた他は実施例1と同様にして調湿建材を製造した。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す。
比較例6
半水石膏75重量部、ゼオライト25重量部及び水75重量部のみを用いた他は実施例1と同様にして調湿建材を製造した。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す
【0034】
【表1】
【0035】
図1及び表1より、本発明例の調湿建材は、いずれも吸放湿量及び吸放湿速度が大きく、曲げ強度も高いことが明らかである。なお、アルミナセメントの配合量が50重量部であるときに吸放湿量、吸放湿速度及び曲げ強度が最大になっているが、これはエトリンガイトの生成量がこの配合で最大になるためであると考えられる。
【0036】
これに対し、比較例のものは吸放湿量及び吸放湿速度がいずれも本発明例に比べ低い。比較例5のようにセピオライトを多量に配合すると吸放湿量は増加するが、吸放湿速度はさほど上昇しない。また、セピオライトの配合量が増えると、曲げ強度が著しく低下する。
【0037】
なお、室内で生じる湿度変化としては、日変動や炊事などによる蒸気発生のような短期的な湿度変化ならびに梅雨時のような高湿度状態が続く長周期の湿度変化があり、前者に対応するためには、吸放湿速度が必要であり、後者に対応するためには、吸放湿量が必要である。
【0038】
従って室内で使用する調湿建材としては、これら両方の湿度変化に対応するために吸放湿量、吸放湿速度がともに大きい材料が望ましい。
【0039】
本発明の材料は、比較例と比べて吸放湿量、吸放湿速度がともに大きく上記の要件を満たしている。
【0040】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の調湿建材は吸放湿量及び吸放湿速度が大きく、曲げ強度も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の測定データを示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は調湿建材に係り、特に石膏系の調湿建材に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在市販されている石膏ボード、石膏プラスターには調湿機能がないため結露が発生し易い。
【0003】
吸放湿機能をもたせた石膏系建材として、特開昭63−134032号公報にて石膏100重量部に対して吸湿性フィラー3〜40重量部を水とともに混練硬化させてなる吸放湿材が提案されている。この吸湿性フィラーは、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、ケイ酸ソーダ等の潮解性化合物、イソブチレン無水マレイン酸系、ポリアクリル酸塩系、グラフト化デンプン等の不溶性高吸水性樹脂、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、セピオライト、ゼオライト等の多孔質鉱物の単体又は混合体である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭63−134032号公報の吸放湿材においては、吸放湿フィラーが自硬性を有しておらず、吸放湿機能を高めるべく吸放湿フィラーの配合を多くすると吸放湿材の強度が極端に低下する。強度を高めるべく吸放湿フィラーの配合を少なくしたのでは、吸放湿機能が弱い。また、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の潮解性化合物は、建材として好ましくない。吸水性樹脂、水溶性樹脂は価格が高すぎ、建材として用いるには不適当である。
【0005】
本発明は、吸放湿機能に優れ、強度が高く、しかも価格が低廉な調湿建材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の調湿建材は、石膏90〜10重量部とアルミン酸カルシウム10〜90重量部とに水を混合し、硬化させてなるものである。
【0007】
本発明の調湿建材においては、石膏とアルミン酸カルシウム水和物との反応により比表面積の大きな針状のエトリンガイトが生成し、これによって調湿機能が発揮される。
【0008】
このエトリンガイトの針状結晶がからみ合った組織が形成されるため、建材の強度も高いものとなる。
【0009】
本発明においては、石膏20〜80重量部、アルミン酸カルシウム80〜20重量部の配合が好ましく、とくに石膏30〜70重量部、アルミン酸カルシウム30〜70重量部の配合が好ましい。
【0010】
この石膏としては、無水石膏、半水石膏、二水石膏のいずれをも用い得る。
【0011】
アルミン酸カルシウムとしては、CA、C2 A、C3 A、CA2 等の化合物、一般的にはアルミナセメントなどを用い得る。なお、CはCaO、AはAl2 O3 を示す。
【0012】
水の配合量は、石膏とアルミン酸カルシウムとの合計量100重量部に対し40〜100重量部とりわけ50〜70重量部とするのが好ましい。
【0013】
本発明の調湿建材は、顔料、染料等の着色材料を含んでいても良い。着色材料の配合量は建材の強度を損なわない範囲であれば任意である。
【0014】
本発明ではガラス繊維、パルプ、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、炭素繊維等の補強材を含んでいても良い。この補強材の配合は10重量部以下、とりわけ5重量部以下が好ましい。
【0015】
本発明では、硬化速度を調節するために、塩化ナトリウム、硫酸カリウム、クエン酸、デンプンなどを10重量部以下、とりわけ5重量部以下配合しても良い。
【0016】
本発明では、さらにセピオライト、ゼオライト、珪藻土などの吸放湿材料を20重量部以下とくに10重量部以下配合しても良い。
【0017】
本発明の調湿建材の形態は任意であり、押出成形や流し込み成形などの成形法によって形成された板状体であっても良く、基板の上に塗着されたものであっても良い。この基板としては合板や通常の石膏ボードなどが挙げられる。
【0018】
本発明の調湿建材は、その表面に透湿性の紙やクロスなどが貼着されても良く、透湿性の塗料が塗着されても良い。
【0019】
本発明の調湿建材の表面は、平坦であっても良く、凹凸が設けられても良い。この凹凸は細かなものであっても良く、明瞭に視覚される大きな凹凸であっても良い。
【0020】
【実施例】
以下実施例及び比較例について説明する。なお、以下の実施例及び比較例における吸放湿量及び吸放湿速度の測定方法は次の通りである。
【0021】
測定試料を相対湿度80%の恒温恒湿槽内で重量が平衡に達するまで放置し、その後、相対湿度40%にした恒温恒湿槽に移し、適当な時間間隔毎に重量測定を行う。重量が平衡に達したら、再び相対湿度80%の恒温恒湿槽に移し、同様に重量が平衡に達するまで適当な時間間隔毎に重量測定を行う。
【0022】
ここで相対湿度40%から相対湿度80%に移して平衡に達した重量を平衡吸湿量、逆に相対湿度80%から相対湿度40%に移して平衡に達した重量を平衡放湿量とする。吸放湿量は、下記式より求めた。
【0023】
吸放湿量=(平衡吸湿量+平衡放湿量)/2
また、相対湿度40%から相対湿度80%に移した最初の1時間の吸湿量を1時間吸湿量とし、逆に相対湿度80%から相対湿度40%に移した最初の1時間の放湿量を1時間放湿量とする。吸放湿速度は、下記式より求めた。
【0024】
吸放湿速度=(1時間吸湿量+1時間放湿量)/2
なお、吸放湿量及び吸放湿速度は、試料面積(m2 )当たりの吸湿量(g)及び放湿量(g)で表した。
【0025】
また、以下の実施例及び比較例で用いたアルミナセメントは、電気化学工業(株)製デンカアルミナセメント1号である。
【0026】
実施例1
半水石膏50重量部とアルミナセメント50重量部とを混合し、水50重量部を加えて混練した後、成形ロールを用いて厚さ10mmのボード状に成形し、25℃、湿度60RH%の雰囲気中で2Hr養生し、硬化させた。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す。
【0027】
実施例2
二水石膏30重量部、アルミナセメント70重量部、パルプ5重量部及び水50重量部を用いた他は実施例1と同様にして調湿建材を製造した。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す。
【0028】
実施例3
半水石膏70重量部、アルミナセメント30重量部、べんがら(顔料)0.1重量部及び水50重量部を用いた他は実施例1と同様にして調湿建材を製造した。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す。
【0029】
比較例1
半水石膏100重量部及び水70重量部のみを用いた他は実施例1と同様にして調湿建材を製造した。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す。
【0030】
比較例2
半水石膏95重量部、アルミナセメント5重量部及び水70重量部のみを用いた他は実施例1と同様にして調湿建材を製造した。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す。
【0031】
比較例3
半水石膏5重量部、アルミナセメント95重量部及び水55重量部のみを用いた他は実施例1と同様にして調湿建材を製造した。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す。
【0032】
比較例4
半水石膏95重量部、セピオライト5重量部及び水75重量部のみを用いた他は実施例1と同様にして調湿建材を製造した。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す。
【0033】
比較例5
半水石膏75重量部、セピオライト25重量部及び水80重量部のみを用いた他は実施例1と同様にして調湿建材を製造した。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す。
比較例6
半水石膏75重量部、ゼオライト25重量部及び水75重量部のみを用いた他は実施例1と同様にして調湿建材を製造した。このようにして得られた調湿建材の吸放湿量及び吸放湿速度並びに曲げ強度の測定結果を表1及び図1に示す
【0034】
【表1】
【0035】
図1及び表1より、本発明例の調湿建材は、いずれも吸放湿量及び吸放湿速度が大きく、曲げ強度も高いことが明らかである。なお、アルミナセメントの配合量が50重量部であるときに吸放湿量、吸放湿速度及び曲げ強度が最大になっているが、これはエトリンガイトの生成量がこの配合で最大になるためであると考えられる。
【0036】
これに対し、比較例のものは吸放湿量及び吸放湿速度がいずれも本発明例に比べ低い。比較例5のようにセピオライトを多量に配合すると吸放湿量は増加するが、吸放湿速度はさほど上昇しない。また、セピオライトの配合量が増えると、曲げ強度が著しく低下する。
【0037】
なお、室内で生じる湿度変化としては、日変動や炊事などによる蒸気発生のような短期的な湿度変化ならびに梅雨時のような高湿度状態が続く長周期の湿度変化があり、前者に対応するためには、吸放湿速度が必要であり、後者に対応するためには、吸放湿量が必要である。
【0038】
従って室内で使用する調湿建材としては、これら両方の湿度変化に対応するために吸放湿量、吸放湿速度がともに大きい材料が望ましい。
【0039】
本発明の材料は、比較例と比べて吸放湿量、吸放湿速度がともに大きく上記の要件を満たしている。
【0040】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の調湿建材は吸放湿量及び吸放湿速度が大きく、曲げ強度も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の測定データを示すグラフである。
Claims (3)
- 石膏90〜10重量部とアルミン酸カルシウム10〜90重量部とに水を混合し、硬化させてなる調湿建材。
- 請求項1において、さらに着色材料を含んでなる調湿建材。
- 請求項1又は2において、さらに補強材を含んでなる調湿建材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17797796A JP3552409B2 (ja) | 1996-07-08 | 1996-07-08 | 調湿建材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17797796A JP3552409B2 (ja) | 1996-07-08 | 1996-07-08 | 調湿建材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1018446A JPH1018446A (ja) | 1998-01-20 |
JP3552409B2 true JP3552409B2 (ja) | 2004-08-11 |
Family
ID=16040390
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17797796A Expired - Fee Related JP3552409B2 (ja) | 1996-07-08 | 1996-07-08 | 調湿建材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3552409B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1278759C (zh) * | 1998-04-02 | 2006-10-11 | 东陶机器株式会社 | 调湿功能材料及其制造方法 |
-
1996
- 1996-07-08 JP JP17797796A patent/JP3552409B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1018446A (ja) | 1998-01-20 |
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Date | Code | Title | Description |
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