JP3552372B2 - 屋根上への太陽電池取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根上への太陽電池取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題に対する取り組みの一環として、一般家庭における太陽光発電システムが種々提案され実用化され始めている。
前記太陽光発電システムとしては、家屋の屋根上に設置された複数の太陽電池と、これら太陽電池に電気的に接続された周辺回路とを組合わせたものが普及しつつある。
【0003】
前記太陽電池は、図8にその要部断面図を示すように、透光板1上に複数の非晶質シリコン太陽電池素子層2を形成したり、この非晶質シリコン太陽電池素子層2に代わって結晶系のシリコン太陽電池素子を透光板1上に配設し、充填材3で封入するとともにバックシート4で裏面を保護した太陽電池パネル5と、この太陽電池パネル5の端部にブチルゴム等の接着材29を介して取り付けられたアルミニウム合金製のフレーム30とを備えたものが一般的であり、家屋の屋根上に太陽電池を設置する場合には、複数枚の太陽電池パネル5を、屋根上に立設固定した複数の取付具を介して、屋根上に一定の間隔をあけて浮かした状態に設置していた。図に示す30Aは、前記取付具に前記フレーム30をボルト固定するために該フレーム30に形成されたボルト挿通用の孔である。
【0004】
一方、非晶質シリコン太陽電池は、基本的に結晶系シリコン太陽電池よりも発電効率が低く、しかも比較的短期間(2〜3カ月)光を照射することで発電出力が初期状態の約80%まで低下し、その後はほぼ一定に維持されるという現象(ステブラーロンスキー効果)が見られ、結晶系シリコン太陽電池と同等の出力を得るためには、大きな受光面積が必要となる。それ故、非晶質シリコン太陽電池は、結晶系シリコン太陽電池よりも安価でかつ外観も優れているが、その普及が大幅に遅れている。但し、この発電出力が低下する現象(以下、単に光劣化と称す)は、太陽電池を80℃〜90℃以上の高温に加熱することで防止できるとともに、一旦劣化した場合でも回復することが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように太陽電池を取付けるためには、予め屋根側に複数の取付具を固定しておかなければならないため、現場での作業能率が低下するものであった。また、太陽電池を前記取付具に取付けるためのフレーム30を太陽電池パネル5の端部に接着剤により取付けることを太陽電池の製造時に合わせて行わなければならないため、太陽電池の製造工数も嵩むものであった。さらに、前記フレーム30が取り付けられた太陽電池は、重量が重くなるだけでなく、嵩張ってしまうため、運搬時や施工時に不利となるものであった。
【0006】
また、前記太陽電池においては、これまで太陽電池素子温度の上昇によって開放電圧が低下し、ひいては出力低下につながるとの判断によって素子温度を積極的に高めるという思想も無く、非晶質シリコン太陽電池を用いた場合には、光劣化によって発電出力が大幅に低下することはどうしても避けられない問題であった。
【0007】
本発明は、非晶質シリコン太陽電池を用いた場合に、光劣化による発電出力の大幅な低下を抑制することができ、しかも防火上も優れ、さらに太陽電池の製造工数の低減を図ることができるとともに、運搬性及び施工性の向上を図ることができる屋根上への太陽電池取り付け構造を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
建築物の屋根の一部又は全部に水上から水下方向に延びる多数の凸部が折曲形成された金属板を敷設し、前記金属板の凸部のうちの特定の隣り合う凸部間に太陽電池パネルを載置して、前記隣り合う凸部間に位置する凹部を閉塞する構成とし、前記載置された太陽電池パネルと前記金属板の凹部との間に形成される空隙部に断熱材を充填することによって、太陽電池パネルと金属屋根表面との間が外気に晒されることを阻止することができるとともに、金属板を防水材の他、防火材としても機能させることができる。又、屋根の凹部を太陽電池パネルの取付部として利用することができるとともに、太陽電池パネルと金属板の凹部との間に形成される空隙部を断熱材にて充填することによって、太陽電池パネルと金属屋根表面との間が外気に晒されることを阻止することができる。
【0009】
建築物の屋根の一部又は全部に水上から水下方向に延びる多数の凸部が折曲形成された金属板を敷設し、前記金属板の凸部のうちの特定の隣り合う凸部間に太陽電池パネルを載置して、前記隣り合う凸部間に位置する凹部を閉塞する構成とし、前記載置された太陽電池パネルと前記金属板の凹部との間に形成される空隙部に断熱材を充填してなり、前記凸部上面に凸部長手方向に延びる断面形状略E字形状の支持部材を複数のボルトにより固定し、この支持部材の左右両端部に形成の溝に、該支持部材の横側部に位置する断面形状略C字形状のチャンネル部材に一体連設された係止部を係止し、前記チャンネル部材の上面に太陽電池パネルを載置するための台座を、該台座下部の一対の係止部と該チャンネル部材の上部開口との係止作用により係止固定し、前記支持部材の上方開口に前記台座上面に載置された太陽電池パネルを台座上面側に押圧するためのカバー部材に備えた一対の係止部を係止して、太陽電池パネルをカバー部材と台座とで挟持固定してもよい。
【0010】
前記金属板が、瓦棒葺や折板等の金属屋根であってもよい。
また、前記金属板上又は金属屋根に、第1の防水シートと前記断熱材と第2の防水シートと前記太陽電池パネルをこの順に積層することによって、屋根の防水材の他、緩衝材としても機能させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図4に、非晶質シリコン太陽電池(以下太陽電池と略す)が示されており、この太陽電池は、基本的には、透光板1と、透光板1の下面、すなわち受光面とは反対側の面に形成した非晶質シリコン太陽電池素子層2と、この太陽電池素子層2の下側に設けられた充填材3と、この充填材3の下側に設けられたバックシート4とを備えた太陽電池パネル5から構成されている。前記太陽電池パネル5を1個設けたもの、あるいは2個以上の太陽電池パネル5を連結したものを太陽電池と称し、太陽電池パネル5の個数に無関係とする。
【0012】
前記透光板1としては強化ガラスや貼り合わせガラス、またはその他一般的な透光板が用いられ、ガラス成分が溶出しないよう、必要に応じて酸化ケイ素などを被着したものを用いても良い。
【0013】
前記太陽電池素子層2は、透光板1上に透明導電膜、p−i−nまたはn−i−pの非晶質シリコン層、金属電極層を順次堆積した積層体からなり、その下面側に設けたEVA、PVB、ポリイソブチレン系樹脂等の充填材3を介して透光板1に対して封入されている。
【0014】
前記バックシート4は、アルミニウム箔をサンドしたテドラー等で構成されている。但し、前記充填材3やバックシート4を省略し、代わりに適当な保護塗膜を形成しておいてもよい。
ここで透明導電膜としては、従来の太陽電池素子と同様に酸化錫や酸化インジウム錫が用いられ、非晶質シリコン層としては、アモルファスシリコンカーバイトとアモルファスシリコンによるヘテロ接合構造等が採用され、必要に応じて透明導電膜側や金属電極層側のp層やn層を、微結晶化させることも直列抵抗低減において効果的である。
【0015】
また金属電極層としては、クロム、アルミニウム、銀などの一般的な金属材料を単層や積層構造として用いる。そして本発明では素子温度を積極的に高温にすることから、非晶質シリコン層との間で金属成分の拡散を防止するため、非晶質シリコン層と金属電極層との間に、前述の透明導電膜やシリサイド層などによる金属拡散防止層を介在させたり、この金属拡散防止層を介在させずに、金属電極層としてクロムやモリブデンなどのシリサイド形成金属を用いたり、これらシリサイド形成金属と他の金属との積層構造とすることが効果的である。また、入射光の閉じ込め効果の点からは、反射率の点から銀を用いると特に効果が高い。
更に、充填材4としてEVA、PVBなどを用いる場合は、真空ラミネート法によって封入し、ポリイソブチレン系樹脂の場合は、これを加熱流動化して塗布すれば良い。
【0016】
以上のように構成された太陽電池を屋根上へ取り付けるための取り付け構造について説明すれば、図1及び図5に示すように、野地板25上に多数の瓦K・・が敷設された瓦屋根の中間部に位置する瓦K・・を取外し、この瓦K・・代わりに、水上から水下に延びる多数の凸部6A・・が折曲形成された金属板6を敷設し、前記金属板6の凸部6A・・のうちの特定の隣合う凸部6A,6A間に太陽電池パネル5を載置して、前記隣合う凸部6A,6A間に位置する凹部6Bを閉塞するようにしている。前記のように不燃材である瓦K・・を取外した後に、金属板6を敷設することによって、防火性能に優れた屋根構造にすることができるのである。詳述すれば、前記凸部6A上面に凸部6A長手方向に延びる断面形状略E字形状の支持部材7を複数のボルト8により固定し、この支持部材7の左右両端部に形成の溝7A,7Aに該支持部材7の横側部に位置する断面形状略C字形状のチャンネル部材9に一体連設された係止部9Aを係止するとともに、前記チャンネル部材9の上面に太陽電池パネル5を載置するための台座10を該台座10下部の一対の係止部10A,10Aとチャンネル部材9の上部開口との係止作用により係止固定してある。そして、前記太陽電池パネル5を前記台座10上面に載置した後、前記支持部材7の上方開口7Bに係止する一対の係止部11A,11Aを備えたカバー部材11を装着することによって、カバー部材11の下面に付設のパッキン12を介して太陽電池パネル5を台座10上面側に押圧して、太陽電池パネル5をカバー部材11と台座10とで挟持固定するのである。尚、図に示す13は、前記太陽電池パネル5下面と前記台座10上面との間に設けられたパッキンである。これらパッキン12,13は、ゴム、合成樹脂等から形成され、場合によってはこれらパッキン12,13を省略してもよい。前記太陽電池パネル5を固定する方法としては、図6に示すように、下方に一対の脚部14A,14Aを備えた固定金具14を凸部6A上面に複数のボルト15により固定して、太陽電池パネル5を固定金具14の下面と凸部6A上面とで挟持固定してもよいし、又図7に示すように、固定部材16の下方に備えた一対の係止部16A,16Aを凸部6A上面に形成の開口6aに係止することによって、太陽電池パネル5を固定部材16の下面と凸部6A上面とで挟持固定してもよく、太陽電池パネル5の固定方法はこれらに限定されるものではない。前記瓦屋根に代えて、茅葺き屋根でもよい。この場合、茅を取外した部分に金属板を敷設することによって、防火機能を付与することができる。又瓦棒葺きや折板等の金属屋根を用いることによって、金属板を敷設することを不要にすることができる。このように、水上から水下方向に延びる凹部を備えた金属屋根、あるいは屋根上又は屋根の一部を改良して凹部を備えさせた屋根のいずれの形の屋根に太陽電池パネル5を取付けてもよい。ここでいう水上とは、棟、つまり屋根の一番高い所を指し、水下とは、軒、つまり屋根の下端の建物の外に張り出た部分を指すことになる。
【0017】
前記太陽電池パネル5と前記金属板6との間に形成される空隙部17に断熱材18が充填されており、この断熱材18が前記太陽電池パネル5の裏面からの放熱を抑制するとともに、屋内と屋外との断熱効果を得ることができるようにしている。
【0018】
前記金属板6と前記断熱材18との間に第1の防水シート19を設けるとともに、前記太陽電池パネル5と前記断熱材18との間に第2の防水シート20を設けてある。前記両防水シート19,20の素材としては、特殊ゴム化アスファルトコンパウンドやポリイソブチレン等からなるとともに、表裏両面が粘着性を有しており、太陽電池パネル5の裏面又は金属板6上面あるいは断熱材18の両面に防水シート19,20を当て付けるだけで粘着作用により固定することができるようにしている。前記第2の防水シート20を設けることによって、太陽電池パネル5の透光板1に落下物等が接当したときの衝撃力の一部を防水シート20の変形により吸収することができる。又、防水シート20が粘着作用を有しているから、たとえ透光板1が落下物等に接当して割れたとしても、防水シート20の粘着作用により透光板1の破片が防水シート20上面に貼り付いているから、透光板1の破片が飛散することを阻止することができる。従って、透光板1を強化ガラスに代えて窓ガラスのような通常のガラスで構成しても何ら問題はないのである。
【0019】
前記隣合う凸部6A,6A間が非常に開いている場合や凸部6A,6A間の一部のみを閉塞したい場合には、図7に示すように、金属板6上に凸部を形成するためのアルミ製の足部材21をボルト固定して、この足部材21上面に太陽電池パネル5を載置した後、前述と同じように固定部材16の係止部16Aを足部材21上面に形成の開口21Aに係止することによって、太陽電池パネル5を足部材21上面と固定部材16下面とで挟持固定するのである。前記足部材13上面と前記凸部6B上面との上下レベルは、同一に設定することは言うまでもない。前記太陽電池パネル5を取付ける場合には、先ず金属板6上面に第1の防水シート19を該防水シート19の粘着力により貼り付けた後、第1の防水シート19上面に断熱材18を該防水シート19の粘着力により貼り付ける。次に、第2の防水シート20を断熱材18の上面に該防水シート20の粘着力により貼り付けるとともに、前記第2の防水シート20の左右端部を前記パッキン13上面に該防水シート20の粘着力により貼り付ける。最後に、第2の防水シート20の上面に太陽電池パネル5を該防水シート20の粘着力により貼り付けるとともに、前記カバー部材11の係止部11A,11Aを支持部材7の開口7Bに係止して、太陽電池パネル5の取付けを終了するのである。そして、このような取付作業を繰り返して図5に示すように、前記太陽電池パネル5の多数個を取付けることによって、太陽電池の取付けが完了するのである。前記防水シート19,20を省略して実施してもよい。また、太陽電池が取付けられていない屋根6部分に、図2に示すように、野地板25の上面に下から順番に前記防水シート19と同一構成の防水シート22、断熱材23、前記防水シート20と同一構成の防水シート24、前記同一構成の野地板25を積層するとともに、屋根の水下、つまり軒に前記防水シート22,24間に形成される隙間内に嵌合する嵌合部26Aを備える端部材26を設けて、太陽電池上面と該太陽電池が取付けられていない屋根6上面とが面一状になるように構成してもよい。前記野地板25と前記太陽電池パネル5との突き合わせ端面同士間に充填材等をコーキングすることによって、その端面同士間での隙間の発生を阻止して、雨水等が前記端面同士間から入り込まないようにしてもよい。尚、前記充填材等をコーキングするものに代えて、野地板25の裏面と太陽電池パネル5の裏面とに渡る長さの防水シートを設けてもよく、端面同士間の処理はこれらに限定されるものではない。
【0020】
前記断熱材18を構成する素材としては、断熱性、圧縮強度、耐熱性に優れた、例えばポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム、軟質ポリウレタンフォーム、硬質塩化ビニルフォーム、ユリアフォーム、フェノールフォーム、ラバーフォーム、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、パーライト、バーミキュライト、泡ガラスなどの発泡・多孔質材料や、アスベスト、ロックウール、グラスウール、セラミックファイバー、軟質繊維材、などの繊維材料や、ケイ酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、けいそう土、けいそう土質断熱れんが、耐火断熱れんが、キャスタブル耐火断熱材、コルク、炭素粉末などの粒・粉状材料や、アルミニウム箔などからなる多層箔材料や、硬質フォームラバー、発泡クロロプレンゴムなどの発泡ゴム材料や、軽量気泡コンクリートや、発泡アルミニウムなどを用いることが可能である。前記防水シート19,20の素材としては、特殊ゴム化アスファルトコンパウンドやポリイソブチレンなどを採用することが可能である。尚、断熱材18の上面には、図1及び図3に示すように、太陽電池パネル5下面から突出する複数の出力線27及びこれら出力線27からの出力を軒又は棟に取り出すために該出力線27に接続された導線28を収納するための溝18Aが形成されている。前記実施例では、断熱材18を前記空隙部17に収納できる大きさのものに予め製造し、その製造された断熱材18を空隙部17に収納するようにしたが、太陽電池パネル5の取付作業中に空隙部17内に液状の断熱材を充填する構成にすれば、前記溝18Aの形成も不要にできるだけでなく、断熱材の運搬性や作業性の向上を図ることができるのである。しかも、充填式の断熱材を用いることによって、この断熱材自体が接着作用を有することになり、防水シート19,20を設けない場合でも金属板6と断熱材との間及び断熱材と太陽電池パネル5との間を接着固定することができるのである。
【0021】
ここで、一つの太陽電池パネル5によって得られる発電量を、屋根6全体の発電量の15%以下程度に設定しておき、1つの太陽電池パネル5が故障した場合でも、極端な発電量の低下が防止されるように構成しておくと便利である。
【0022】
【発明の効果】
太陽電池パネルと金属屋根表面との間に形成される空隙部に充填された断熱材が太陽電池パネルの裏面からの放熱を抑制することで、太陽光の照射下において太陽電池素子温度を高温に保持するように作用するので、従来非晶質シリコン太陽電池において見られた15%〜25%の光劣化を、大幅に抑制することができるとともに、屋内と屋外との断熱性を高めて、室内の温度の安定化をも図ることができる。しかも、連続した金属板を敷設することによって、その部分での防水機能を付与することができるだけでなく、瓦屋根において不燃材である瓦を取外した部分に太陽電池パネルを直接取付ける場合の防火性能の低下を回避して防火性に優れた屋根構造にすることができる。特に茅葺き屋根等においては、防火機能を付与することができる利点がある。
【0023】
又、金属屋根に本来的に形成してある凹部を太陽電池パネルの取付部として有効利用することができるから、従来のように屋根に予め取付具を固定しておく作業を不要にすることができ、既存の金属屋根上に簡便に取付けることができるので、現場での施工性の向上を図ることができる。さらに、従来のような太陽電池を取付具に取付けるためのフレームを該太陽電池に取付けることを不要にすることができるから、太陽電池の製造工数の削減を図ることができるだけでなく、フレーム付の太陽電池を運搬するものに比べて運搬性の向上をも図ることができる。また、断熱材を太陽電池取付現場で充填するタイプにした場合に、この断熱材が太陽電池パネルに接着作用を付与することになり、金属板と断熱材との間及び断熱材と太陽電池パネルとの間を固定するための特別な接着材を不要にすることができるとともに、太陽電池パネルの表面に使用するガラスに窓ガラスで使用する通常のガラスを使用した場合でも、ガラスが割れて飛散してしまうことを断熱材の接着作用により阻止できる利点がある。
【0024】
第2の防水シートが太陽電池パネルに対して緩衝効果を発揮することができるから、太陽電池パネルの表面に使用するガラスがより割れ難くなり、前記ガラスに窓ガラスで使用する通常のガラスを使用することができ、しかも第2の防水シートを粘着性を有するもので構成しておけば、ガラスが割れたとしても、ガラスが飛散してしまうことを第2の防水シートの粘着作用により確実に阻止することができ、太陽電池パネル自体を安価なものにすることができる。また、第1の防水シートにて第2の防水シートから漏れ出した雨水等が屋根上面に到達することを完全に阻止することができるから、その部分の屋根の防水性能を長期間に渡って向上させることができる。さらには、防水シートや断熱材等の可燃性物質を屋根上に用いたとしても、屋根自体が防火性に優れているため、何ら問題はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】太陽電池の取付部を示す要部の斜視図
【図2】屋根の軒部分の太陽電池の取付部を示す要部の断面図
【図3】太陽電池の出力線の配設部を示す要部の断面図
【図4】太陽電池の要部の断面図
【図5】屋根上に太陽電池を取付けた状態を示す家屋の斜視図
【図6】太陽電池の取付構造の別実施例を示す要部の断面図
【図7】太陽電池の取付構造の別実施例を示す要部の断面図
【図8】太陽電池の取付構造の従来例を示す断面図
【符号の説明】
1 透光板
2 太陽電池素子層
3 充填材
4 バックシート
5 太陽電池パネル
6 金属板
6A 凸部
6B 凹部
6a 開口
7 支持部材
7A 溝
7B 開口
8 ボルト
9 チャンネル部材
9A 係止部
10 台座
10A 係止部
11 カバー部材
11A 係止部
12 パッキン
13 パッキン
14 固定金具
14A 脚部
15 ボルト
16 固定部材
16A 係止部
17 空隙部
18 断熱材
18A 溝
19 第1の防水シート
20 第2の防水シート
21 足部材
21A 開口
22 防水シート
23 断熱材
24 防水シート
25 野地板
26 端部材
26A 嵌合部
27 出力線
28 導線
29 接着材
30 フレーム
30A 孔
31 取付具
K 瓦
Claims (3)
- 建築物の屋根の一部又は全部に水上から水下方向に延びる多数の凸部が折曲形成された金属板を敷設し、前記金属板の凸部のうちの特定の隣り合う凸部間に太陽電池パネルを載置して、前記隣り合う凸部間に位置する凹部を閉塞する構成とし、前記載置された太陽電池パネルと前記金属板の凹部との間に形成される空隙部に断熱材を充填してなり、前記凸部上面に凸部長手方向に延びる断面形状略E字形状の支持部材を複数のボルトにより固定し、この支持部材の左右両端部に形成の溝に、該支持部材の横側部に位置する断面形状略C字形状のチャンネル部材に一体連設された係止部を係止し、前記チャンネル部材の上面に太陽電池パネルを載置するための台座を、該台座下部の一対の係止部と該チャンネル部材の上部開口との係止作用により係止固定し、前記支持部材の上方開口に前記台座上面に載置された太陽電池パネルを台座上面側に押圧するためのカバー部材に備えた一対の係止部を係止してなる屋根上への太陽電池取付構造。
- 前記金属板が、瓦棒葺や折板等の金属屋根でなる請求項1記載の屋根上への太陽電池取付構造。
- 前記金属板上又は金属屋根に、第1の防水シートと前記断熱材と第2の防水シートと前記太陽電池パネルがこの順に積層された、請求項1又は2に記載の屋根上への太陽電池取付構造。
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