JP3509328B2 - 発電機能を有する建築用外装パネル - Google Patents

発電機能を有する建築用外装パネル

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JP3509328B2
JP3509328B2 JP24905295A JP24905295A JP3509328B2 JP 3509328 B2 JP3509328 B2 JP 3509328B2 JP 24905295 A JP24905295 A JP 24905295A JP 24905295 A JP24905295 A JP 24905295A JP 3509328 B2 JP3509328 B2 JP 3509328B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家屋の屋根やビルの外
壁として好適な発電機能を有する建築用外装パネルに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題に対する取り組みの
一環として、ビルや一般家屋などの建築物に設置される
太陽光発電システムが種々提案され実用化されている。
通常、前記太陽光発電システムは、ビルの屋上や家屋の
屋根上に設置される複数の太陽電池モジュールと、太陽
電池モジュールに電気的に接続されるインバータとを主
体として構成されている。
【0003】前記太陽電池モジュールは、透光基板上に
太陽電池素子として非晶質シリコン系半導体層や結晶系
のシリコン半導体板を取付けたりして作製した太陽電池
パネルと、この太陽電池パネルを保持する枠体とを備
え、例えば、家屋の屋根上に設置する場合には、家屋の
母屋上に設けられた、垂木、野地板、屋根瓦からなる屋
根の、所望の屋根瓦を取り除き、その部分の野地板に取
付具を立設固定し、取付具の上端に枠体を固定して、屋
根瓦上に一定の間隔をあけて浮かした状態に設置され
る。
【0004】ところで、前記非晶質シリコン系半導体か
らなる太陽電池素子は、基本的に、結晶系のシリコン半
導体からなる太陽電池素子よりも発電効率が低く、しか
も、比較的短期間(2〜3カ月)光を照射することで、
発電出力が初期状態の発電出力の約80%まで低下し、
その後は約80%に維持されるという現象(ステブラー
ロンスキー効果)が見られ、結晶系のシリコン半導体か
らなる太陽電池素子と同等の出力を得るためには、大き
な受光面積が必要となる。それ故、非晶質シリコン系半
導体からなる太陽電池素子は、結晶系のシリコン半導体
からなる太陽電池素子よりも安価で且つ外観も優れてい
るが、その普及が大幅に遅れている。但し、この発電出
力の低下現象(以下、単に光劣化と称す)は、太陽電池
素子を80℃〜90℃以上の高温に加熱することで、防
止できるとともに一旦劣化した場合でも回復することが
知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の太陽光発電シス
テムは、次のような2つの問題点を内包するものであっ
た。 (1) 太陽電池モジュールと屋根瓦との間に隙間が形
成され、太陽電池モジュールに対して下側から突き上げ
る風の力が作用するので、強風時においても、太陽電池
モジュールが吹き飛ばされないようにするためには、太
陽電池モジュールの取付強度を十分に高める必要があ
り、取付構造が複雑化したり大型化するという問題があ
る。この問題を解決するため、太陽電池モジュールの下
方の屋根瓦を除去して、太陽電池モジュールを野地板に
密着させることも考えられるが、太陽電池モジュールと
野地板間への雨水等の侵入に対して十分な防水施工が困
難であり、雨漏りや野地板の腐食という点で懸念があ
る。
【0006】また、太陽電池モジュールを野地板内に埋
め込み施工し、太陽電池モジュールの風による悪影響を
防止しつつ、太陽電池モジュールと野地板間への雨水等
の侵入を防止することも可能ではあるが、施工時の手間
や設計自由度を考えると実用的ではないと言える。しか
も、従来の太陽電池モジュールでは、基本的には、屋根
瓦の上に設置することを想定して設計されており、屋根
の一部を構成する場合には、建築基準法に準じて、太陽
電池モジュールの下側に耐火ボードを敷設するなどの防
火対策を十分に講じる必要があり、施工コストが高くな
る。
【0007】(2) 前記太陽電池モジュールの取付構
造では、前述のように太陽電池パネルと屋根瓦との間に
隙間が形成されているので、太陽光線により太陽電池素
子の温度はかなり高くなるものの、太陽電池パネルの上
下両面からの放熱で、太陽電池素子を80℃〜90℃以
上の高温にすることが困難で、太陽電池素子として非晶
質シリコン系半導体を用いた場合には、光劣化による発
電効率の大幅な低下は避けられない。
【0008】本発明の目的は、耐環境性及び防火性能に
優れ、施工が容易で、非晶質シリコン系半導体からなる
太陽電池素子を用いた場合でも光劣化を防止し得る発電
機能を有する建築用外装パネルを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発電機能
を有する建築用外装パネルは、方形状の枠体と、この枠
体に内装固定した積層体であって、太陽電池パネルの背
面側に断熱材と金属板とを積層状に設け、これら3者を
一体的に結合し、断熱材と金属板とを枠体の開口部の略
全域にわたって設けた積層体とを備え、前記断熱材或い
は太陽電池パネルと枠体間に沿って延びる縦壁部を金属
板の外周部に形成したものである。
【0010】請求項2に係る発電機能を有する建築用外
装パネルは、方形状の枠体と、この枠体に内 装固定した
積層体であって、太陽電池パネルの背面側に断熱材と金
属板とを積層状に設け、これら3者を一体的に結合した
積層体と、この積層体を内装する方形状の枠体と、前記
積層体を下側からサポートすべく枠体内部に横断状に設
けた補強部材とを備えたものである。
【0011】請求項3に係る発電機能を有する建築用外
装パネルは、方形状の枠体と、この枠体に内装固定した
積層体であって、太陽電池パネルの背面側に断熱材と金
属板とを積層状に設け、これら3者を一体的に結合した
積層体とを備え、前記太陽電池パネルの外側において枠
体上に屋根下地パネルからなる調整部を固定したもので
ある。
【0012】ここで、請求項記載のように、請求項3
記載の発電機能を有する建築用外装パネルにおいて、
記積層体を下側からサポートする補強部材を枠体内部に
横断状に設けること、請求項記載のように、請求項2
又は4記載の発電機能を有する建築用外装パネルにおい
て、前記補強部材が、枠体内を閉塞する板状部材である
こと、請求項6記載のように、請求項2〜5のいずれか
1項記載の発電機能を有する建築用外装パネルにおい
て、前記金属板の外周部に断熱材或いは太陽電池パネル
と枠体間に沿って延びる縦壁部を形成すること、請求項
7記載のように、前記金属板の外周部に枠体の上面の略
全域を覆う鍔部を形成すること、請求項8記載のよう
に、太陽電池パネルの背面に密着される断熱材或いは金
属板と太陽電池パネル間に、外縁部が枠体の外側面ま
で延びる防水シートを介装すること、請求項9記載のよ
うに、前記断熱材を第1の断熱材と第2の断熱材の上下
2層構造とし、両断熱材間に外縁部が枠体の外側面まで
延びる防水シートを介装し、防水シートの上側に太陽電
池パネルの出力線を配置して、太陽電池パネルの出力線
導出用の孔を防水シートから省略すること、などが好ま
しい実施例である
【0013】
【作用】請求項1に係る発電機能を有する建築用外装パ
ネルにおいては、太陽電池パネルの背面側に断熱材と金
属板とを積層状に設けこれら3者一体的に結合して
いるので、太陽電池パネルの背面側に断熱材と金属板と
を順番に積層状に設ける場合には、金属板により建築用
外装パネルとしての強度、剛性及び防火性能を十分に確
保しつつ、建築用外装パネルに発電機能を付与すること
が可能となる。特に、近隣への延焼に関しては、金属板
を断熱材よりも内側に配置してあることから、効果的に
防止されることになる。また、太陽電池パネルの背面側
に断熱材を積層状に設けるので、太陽電池パネルの背面
側からの放熱が防止され、太陽電池パネルの温度上昇が
促進される。更に、断熱材により建築物内への熱の侵入
が防止されるとともに、建築物からの排熱が防止され、
太陽光による室内温度の変動が抑制される。
【0014】陽電池パネルの背面側に金属板と断熱材
順番に積層状に設ける場合には、金属板により建築
用外装パネルとしての強度、剛性及び防火性能を十分に
確保しつつ、建築用外装パネルに発電機能を付与するこ
とが可能となる。特に、飛火による火災の発生に関して
は、金属板を断熱材よりも外側に配置してあることか
ら、効果的に防止されることになる。また、太陽電池パ
ネルの背面側に金属板を積層状に設けるので、金属板に
よる伝熱で太陽電池パネルの温度が一様になり、しかも
金属板の背面側に断熱材が配置されるので、金属板の背
面側からの放熱が防止され、太陽電池パネルの温度上昇
が一様に促進される。更に、断熱材により建築物内への
熱の侵入が防止されるとともに、建築物からの排熱が防
止され、太陽光線による室内温度の変動が抑制される。
【0015】また、積層体を方形状の枠体に内装してい
るので、建築用外装パネルの強度、剛性が一層高くな
る。しかも、金属板の外周部に断熱材或いは太陽電池パ
ネルと枠体間に沿って延びる縦壁部を形成しているの
で、捩じりや曲げに対する建築用外装パネルの強度、剛
性が一層高められる。
【0016】請求項2に係る発電機能を有する建築用外
装パネルにおいては、請求項1記載の発明と同様に、方
形状の枠体と、この枠体に内装固定した積層体であっ
て、太陽電池パネルの背面側に断熱材と金属板とを積層
状に設け、これら3者を一体的に結合した積層体を備え
ているので、枠体及び積層体に関して同様の作用が得ら
れる。加えて、積層体を下側からサポートする補強部材
を枠体内部に横断状に設けているので、補強部材により
枠体の強度、剛性が高められることになる。
【0017】請求項3に係る発電機能を有する建築用外
装パネルにおいては、請求項1記載の発明と同様に、方
形状の枠体と、この枠体に内装固定した積層体であっ
て、太陽電池パネルの背面側に断熱材と金属板とを積層
状に設け、これら3者を一体的に結合した積層体を備え
ているので、枠体及び積層体に関して同様の作用が得ら
れる。加えて、前記太陽電池パネルの外側において枠体
上に屋根下地パネルからなる調整部を固定しているの
で、調整部の一部を切除することで建築用外装パネルの
寸法を調整することが可能となり、建築物に対する建築
用外装パネルの取付けが一層容易になるとともに、建築
用外装パネルの施工後には、調整部を太陽電池パネルの
保守点検用の通路として活用することも可能となる。
【0018】 請求項4記載のように、請求項3記載の発
電機能を有する建築用外装パネルにおいて、前記積層体
を下側からサポートする補強部材を枠体内部に横断状に
設けると、補強部材により枠体の強度、剛性が高められ
ることになる。
【0019】請求項5記載のように、請求項2又は4記
載の発電機能を有する建築用外装パネルにおいて、前記
補強部材として、枠体内を閉塞する板状部材を設ける
と、捩じりや曲げに対する枠体の強度、剛性が一層高め
られることになる。
【0020】請求項6記載のように、請求項2〜5のい
ずれか1項記載の発電機能を有する建築用外装パネルに
おいて、前記断熱材と金属板とを枠体の開口部の略全域
にわたって設け、断熱材或いは太陽電池パネルと枠体間
に沿って延びる縦壁部を金属板の外周部に形成すると、
捩じりや曲げに対する建築用外装パネルの強度、剛性が
一層高められる。
【0021】請求項7記載のように、前記金属板の外周
部に枠体の上面の略全域を覆う鍔部を形成すると、金属
製の鍔部により枠体上面の燃焼が阻止され、飛火による
火災の発生が一層効果的に防止される。
【0022】請求項8記載のように、太陽電池パネルの
背面に密着される断熱材或いは金属板と太陽電池パネ
ル間に、外縁部が枠体の外側面まで延びる防水シートを
介装すると、枠体内への雨水等の侵入が効果的に防止さ
れることになる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。先ず、建築用外装パネルの基本構成について説明
する。図1に示すように、建築用外装パネル1は、基本
的には、太陽電池パネル2の背面側に断熱材3と金属板
4とを順番に積層状に設け、これら3者を一体的に結合
した積層体から構成されている。但し、この積層体を、
木製やアルミ合金等の金属製や合成樹脂製の方形状の枠
体に内装して建築用外装パネルを構成してもよい。
【0024】前記太陽電池パネル2は、図2に示すよう
に、基本的には、透光基板10と、透光基板10の下面
に形成した太陽電池素子層11と、太陽電池素子層11
の下側に設けられた充填材12と、充填材12の下側に
設けられたバックシート13とを備えている。前記透光
基板10としては強化ガラスや貼り合わせガラス、また
はその他一般的な透光基板が用いられ、ガラス成分が溶
出しないよう、必要に応じて酸化ケイ素などを被着した
ものを用いても良い。太陽電池素子層11は、透光基板
10上に透明導電膜、p−i−nまたはn−i−pの非
晶質シリコン層、金属電極層を順次堆積した積層体から
なり、その下面側に設けたEVA、PVB、ポリイソブ
チレン系樹脂等の充填材12を介して透光基板10に封
入固定されている。
【0025】前記バックシート13は、アルミニウム箔
をサンドしたテドラー等で構成されている。但し、前記
充填材12又はバックシート13は省略してもよい。こ
こで透明導電膜としては、従来の太陽電池素子と同様に
酸化錫や酸化インジウム錫が用いられ、非晶質シリコン
層としては、アモルファスシリコンカーバイトとアモル
ファスシリコンによるヘテロ接合構造が採用され、必要
に応じて透明導電膜側や金属電極層側のp層やn層を、
微結晶化させることも直列抵抗低減において効果的であ
る。
【0026】また、金属電極層としては、クロム、アル
ミニウム、銀などの一般的な金属材料を、単層や積層構
造として用いる。そして特に素子温度が高温になること
から、非晶質シリコン層との間で金属成分の拡散を防止
するため、非晶質シリコン層と金属電極層との間に、前
述の透明導電膜やシリサイド層などによる金属拡散防止
層を介在させたり、この金属拡散防止層を介在させず
に、金属電極層としてクロムやモリブデンなどのシリサ
イド形成金属を用いたり、これらシリサイド形成金属と
他の金属との積層構造とすることが効果的である。ま
た、入射光の閉じ込め効果の点からは、反射率の点から
銀を用いると特に効果が高い。更に、充填材12として
EVA、PVBなどを用いる場合は、真空ラミネート法
によって封入し、ポリイソブチレン系樹脂の場合は、こ
れを加熱流動化して塗布すれば良い。
【0027】前記断熱材3を構成する素材としては、断
熱性、保温性、蓄熱性に優れた、例えばポリスチレンフ
ォーム、ポリエチレンフォーム、硬質ポリウレタンフォ
ーム、軟質ポリウレタンフォーム、硬質塩化ビニルフォ
ーム、ユリアフォーム、フェノールフォーム、ラバーフ
ォーム、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、パーライト、バーミキュライト、泡ガラスなどの発
泡・多孔質材料や、アスベスト、ロックウール、グラス
ウール、セラミックファイバー、動植物繊維、軟質繊維
材、炭素質繊維、チタン酸カリウム繊維などの繊維材料
や、ケイ酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、けい
そう土、けいそう土質断熱れんが、耐火断熱れんが、キ
ャスタブル耐火断熱材、コルク、炭素粉末などの粒・粉
状材料や、アルミニウム箔などからなる多層箔材料や、
硬質フォームラバー、発泡クロロプレンゴムなどの発泡
ゴム材料や、軽量気泡コンクリートや、発泡アルミニウ
ムなどを用いることが可能である。
【0028】前記金属板4としては、鉄板、ステンレス
鋼板、銅板、アルミニウム合金板、ホウロウ鋼板、亜鉛
鉄板、チタン合金板などの金属板単独、或いは、これら
の金属板に防錆処理を施したもの、或いは、金属板と無
機質断熱板や無機質高充填フォームプラスチック板との
積層板などを採用することが可能である。
【0029】次に、前記建築用外装パネル1の作用につ
いて説明する。この建築用外装パネル1は、ビルの外壁
や屋上、家屋の外壁や屋根などを構成する建築用パネル
として用いられ、建築物の外壁や屋上や屋根自体をこの
建築用外装パネル1で構成したり、既存の外壁や屋上や
屋根に沿ってこの建築用外装パネル1を設置して使用す
ることになる。
【0030】ところで、この建築用外装パネル1では、
太陽電池パネル2の背面側に断熱材3と金属板4とが順
番に積層状に設けられ、これら3者が一体的に結合され
ているので、建築用外装パネル1に発電機能を付与しつ
つ、金属板4により建築用パネルとしての強度、剛性及
び防火性能を十分に確保することが可能となる。特に、
防火性能に関しては、金属板4を断熱材3よりも内側に
配置してあるので、近隣への延焼を効果的に防止するこ
とが可能となる。
【0031】また、太陽電池パネル2の背面側に断熱材
3を積層状に設けてあるので、太陽電池パネル2の背面
側からの放熱が防止され、太陽電池パネル2の温度上昇
が促進される。これにより、太陽光線で太陽電池パネル
2を80℃〜90℃以上に加熱することが可能となり、
太陽電池素子として非晶質シリコン系半導体を用いて
も、光劣化による発電出力の低下を効果的に防止出来
る。
【0032】更に、断熱材3により建築物内への熱の侵
入が防止されるとともに、建築物からの排熱が防止さ
れ、太陽光線による室内温度の変動が抑制されるので、
居住性を向上することが可能となる。
【0033】尚、図3に示すように、金属板4の外周部
に断熱材3の側面に沿って上方へ延びる縦壁部5を形成
してもよい。この場合には、捩じれや曲げに対する建築
用外装パネル1の強度、剛性を一層向上することが可能
となる。
【0034】また、図4に示す建築用外装パネル1Aの
ように、太陽電池パネル2の背面側に金属板4と断熱材
3とを順番に積層状に設け、これら3者を一体的に結合
してもよい。この場合には、前記建築用外装パネル1と
同様に、建築用外装パネル1Aに発電機能を付与しつ
つ、建築用パネルとしての強度、剛性及び防火性能を十
分に確保することが可能となる。特に、防火性能に関し
ては、金属板4を断熱材3よりも外側に配置してあるこ
とから、飛火による火災の発生を効果的に防止出来る。
また、金属板4による伝熱で太陽電池パネル2の温度が
一様になるので、光劣化による発電出力の低下を一層効
果的に防止出来る。
【0035】この建築用外装パネル1Aにおいても、建
築用外装パネル1の強度、剛性を高めるため、図5に実
線で示すように、金属板4の外周部に断熱材3の側面に
沿って下側へ延びる縦壁部5Aを形成したり、2点鎖線
で示すように、金属板4の外周部に太陽電池パネル2の
側面に沿って上側へ延びる縦壁部5Bを形成したりし
て、捩じりや曲げに対する建築用外装パネル1Aの強
度、剛性を高めることが可能である。また、太陽電池パ
ネル2として、光劣化を考慮する必要のない、結晶系の
シリコン半導体からなる太陽電池素子を備えたものを用
いる場合には、建築用外装パネル1Aの断熱材3を省略
することが可能である。また、非晶質シリコン系半導体
からなる太陽電池素子を用いる場合でも、既存の建築物
の断熱材上に金属板の背面を密着させて、太陽電池パネ
ル2の背面側からの放熱を防止し、光劣化を防止するよ
うに構成することも可能である。
【0036】次に、前記建築用外装パネル1を家屋の屋
根に適用した場合の実施例について説明する。尚、軒下
側を前側、棟側を後側と定義して説明する。図6、図7
に示すように、家屋20の上部には左右方向向きの複数
の母屋21が一定間隔あけて複数並設され、母屋21上
には左右に複数連設された屋根パネル23が前後に3列
配置され、屋根22はこれら複数の屋根パネル23で構
成されている。つまり、この家屋20においては、垂
木、野地板、屋根瓦は省略され、複数の屋根パネル23
が垂木、野地板、屋根瓦として機能することになる。
尚、符号24は天窓である。屋根22は、屋根22の左
サイドを構成する屋根パネル23Aと、屋根22の右サ
イドを構成する屋根パネル23Bと、屋根22の屋根パ
ネル23A、23B間を構成する屋根パネル23Cの3
種類の屋根パネル23で構成されている。
【0037】先ず、前記屋根パネル23Cの構成につい
て、図8〜図15を参照しながら説明する。1対のサイ
ドフレーム30と、両サイドフレーム30の前端部及び
後端部を連結する1対の連結フレーム31とからなる略
長方形枠状の木製枠体32が設けられ、木製枠体32は
母屋21に対して図示外の釘やボルトで固定され、横方
向に連設される屋根パネル23Cの木製枠体32同士も
図示外の釘やボルトなどで固定されている。
【0038】木製枠体32の下半部内には左右方向向き
の棒状の補強部材33が所定間隔おきに設けられ、補強
部材33の両端部は左右のサイドフレーム30に固定さ
れ、補強部材33上には弾力性を有するクッション材3
4が設けられている。但し、このクッション材34は省
略してもよい。クッション材34上には金属板4が木製
枠体32の開口部の略全域に亙って設けられ、金属板4
の外周部には木製枠体32の内壁に沿って上方へ延びる
縦壁部5が形成され、縦壁部5の上端部には木製枠体3
2の上面側へ延びる鍔部6が形成されている。
【0039】金属板4の内側には平板状の断熱材3が金
属板4の開口部の略全域に亙って設けられ、断熱材3の
上面は木製枠体32の上面よりもやや高く配置されてい
る。但し、木製枠体32の中段部に略L字状の金具を固
定するなどして、金属板4及び断熱材3を支持してもよ
い。また、前記補強部材33は、木製枠体32内側を閉
塞する板状部材で構成してもよい。更に、前記木製枠体
32及び補強部材33は、角材や合板等で構成すること
が可能である。
【0040】前記木製枠体32及び断熱材3の前端近傍
部及び後端近傍部には段差部32aが形成され、この段
差部32a上には屋根下地パネル35が夫々固定され、
屋根下地パネル35の上端部は段差部32a以外の木製
枠体32の部分と略同高に設定されている。
【0041】前後の屋根下地パネル35間の断熱材3の
上面全域と前後の屋根下地パネル35の上面全域とに亙
って粘着性を有する防水シート36が貼着され、防水シ
ート36の外縁部は木製枠体32の上面及び外側面に沿
って延設されて木製枠体32に貼着され、この防水シー
ト36により木製枠体32内への雨水などの侵入が防止
される。尚、前記防水シート36の素材としては、特殊
ゴム化アスファルトコンパウンドやポリイソブチレンな
どを用いることが可能である。
【0042】前後の屋根下地パネル35間において断熱
材3上には防水シート36を挟んで複数の太陽電池パネ
ル2が僅かな隙間をあけて前後に連設され、隣接する太
陽電池パネル2間の隙間にはシール材37が充填されて
いる。尚、前記防水シート36の両面に粘着部を形成し
て、防水シート36を介して太陽電池パネル2を断熱材
3に貼着してもよい。また、連設される複数の太陽電池
パネル2に亙って太陽電池パネル2の上面を覆う透明な
カバー部材を設けてもよい。
【0043】前記複数の太陽電池パネル2を木製枠体3
2に固定保持するため、屋根パネル23Cは、断熱材3
上に前後に並設された1群の太陽電池パネル2の前縁部
及び後縁部を保持する前部保持手段40及び後部保持手
段41と、太陽電池パネル2の側縁部を保持する左右1
対の側部保持手段42を備えている。
【0044】側部保持手段42について説明すると、図
8、図11、図13に示すように、断熱材3上に並設さ
れた1群の太陽電池パネル2に対応させて左右のサイド
フレーム30上には金属板4の鍔部6と防水シート36
とを挟んで側部受金具45が固定され、太陽電池パネル
2の側縁部は側部受金具45の内半部上に載置されてい
る。側部受金具45の外半部には太陽電池パネル2の側
縁部上へ延びるアーム部46aを有する側部固定金具4
6が着脱可能に取付けられ、アーム部46aと太陽電池
パネル2の側縁部間にはエチレンプロピレンゴム(EP
DM)などからなるシール材47が設けられ、太陽電池
パネル2の側縁部は側部受金具45と側部固定金具46
間に水密状に挟持されてサイドフレーム30に固定され
ている。太陽電池パネル2と木製枠体32上の防水シー
ト36間にはシール材48が設けられ、側部受金具45
の外側部には隣接する屋根パネル23C間への雨水等の
侵入を防止するシール材49が装着されている。
【0045】この側部保持手段42は、工場等において
予めサイドフレーム30に組付けられる。また、後述す
る屋根パネル23A、23Bの一側部にも、屋根パネル
23Cと同じ構成の側部保持手段42が設けられ、建設
現場では、屋根パネル23を母屋21上にセットした状
態で、隣接する側部保持手段42の側部固定金具46の
上面間に亙って連結プレート50をビス等で取付けて、
連結プレート50で隣接する側部固定金具46同士を連
結するとともに、連結プレート50にカバー部材51を
嵌合固定して、隣接する屋根パネル23間への雨水等の
侵入を防止することになる。
【0046】前部保持手段40について説明すると、図
8、図10、図14に示すように、前側の屋根下地パネ
ル35の後縁部上には前部受金具55が固定され、最も
前側の太陽電池パネル2の前縁部は前部受金具55の後
半部上に載置されている。前部受金具55の前半部には
太陽電池パネル2の前縁部上へ延びるアーム部56aを
有する前部固定金具56が着脱可能に取付けられ、アー
ム部56aと太陽電池パネル2の前縁部間にはエチレン
プロピレンゴム(EPDM)などからなるシール材57
が設けられ、最も前側の太陽電池パネル2の前縁部は前
部受金具55と前部固定金具56間に水密状に挟持され
て屋根下地パネル35に固定されている。前部固定金具
56には前方へ延びる延設部56bが形成され、延設部
56bと屋根下地パネル35間に屋根材25が装着され
るように構成されている。
【0047】前記前部受金具55は、工場等において予
め前側の屋根下地パネル35の後縁部上に組付けられ
る。また、後述する屋根パネル23A、23Bの前部に
も、屋根パネル23Cと同じ構成の前部保持手段40が
設けられ、建設現場では、屋根パネル23を母屋21上
にセットした状態で、隣接する2〜3枚の屋根パネル2
3に亙って前部固定金具56を組付けることになる。ま
た、延設部56bと屋根下地パネル35間に装着される
屋根材25においても前部固定金具56と同様に、複数
の屋根パネル23に亙って設けられ、屋根材25と前部
固定金具56により隣接する屋根パネル23の前部間へ
の雨水等の侵入が防止されることになる。
【0048】後部保持手段41について説明すると、図
8、図10、図15に示すように、後側の屋根下地パネ
ル35の前縁部上には後部受金具60が固定され、最も
後側の太陽電池パネル2の後縁部は後部受金具60の前
半部上に載置されている。後部受金具60の後半部には
太陽電池パネル2の後縁部上へ延びるアーム部61aを
有する後部固定金具61が着脱可能に取付けられ、アー
ム部61aと太陽電池パネル2の後縁部間にはエチレン
プロピレンゴム(EPDM)などからなるシール材62
が設けられ、最も後側の太陽電池パネル2の後縁部は後
部受金具60と後部固定金具61間に水密状に挟持され
て屋根下地パネル35に固定されている。
【0049】この後部保持手段41は、工場等において
予め後側の屋根下地パネル35の前縁部上に組付けられ
ている。また、後述する屋根パネル23A、23Bの後
部にも、屋根パネル23Cと同じ構成の後部保持手段4
1が設けられており、建設現場では、屋根パネル23を
母屋21上にセットした状態で、隣接する2〜3枚の屋
根パネル23に亙る後部固定金具61に後部カバー部材
63を組付け、後部カバー部材63の延設部63a上に
屋根材25をセットすることになる。尚、延設部63a
上にセットされる屋根材25においても後部固定金具6
1と同様に、複数の屋根パネル23に亙って設けられ、
屋根材25と後部固定金具61により隣接する屋根パネ
ル23の後部間への雨水等の侵入が防止されることにな
る。
【0050】前記屋根パネル23A、23Bは、対称の
構成で且つ基本的には前記屋根パネル23Cと同様に構
成されているので、右側の屋根パネル23Bについて簡
単に説明する。図16に示すように、木製枠体32を幅
方向に大きくした木製枠体70が設けられ、木製枠体7
0の左右方向の略中央部にサイドフレーム30と平行に
センタフレーム71が設けられ、センターフレーム7
1の前後両端部は連結フレーム31に連結され、サイド
フレーム30間には複数の補強部材33が連結フレーム
31と平行に一定間隔おきに設けられている。
【0051】左右のサイドフレーム30間のセンターフ
レーム71及び補強部材33上には、図8、図17、図
18に示すように、屋根パネル23Cと同様に、クッシ
ョン材34と金属板4と断熱材3とが積層状に設けられ
ている。木製枠体70及び断熱材3の右半部及び上下両
端近傍部の上面には段落ちした段差部70aが形成さ
れ、段差部70aには屋根下地パネル72が設けられ、
屋根下地パネル72は釘や木螺子等を介して木製枠体7
0に固定されている。断熱材3の左半部上と屋根下地パ
ネル72上に亙って防水シート36が貼着され、防水シ
ート36の外周部は木製枠体70の上面及び側面に沿っ
て延びて木製枠体70に貼着され、太陽電池パネル2は
屋根下地パネル72以外の部分において防水シート36
上面に前後に複数連設されている。
【0052】断熱材3上に複数並設される太陽電池パネ
ル2の左側縁と前縁部と後縁部とは、前述の屋根パネル
23Cと同じ構成の側部保持手段42、前部保持手段4
0、後部保持手段41で木製枠体70に夫々固定保持さ
れているが、右側縁は次のような構成の側部保持手段7
5により保持されることになる。
【0053】屋根下地パネル72の左端部上には防水シ
ート36を介して側部受金具76が設けられ、太陽電池
パネル2の右側縁部は側部受金具76の左半部上に載置
されている。側部受金具76の右半部には太陽電池パネ
ル2の右側縁部上へ延びるアーム部77aを有する側部
固定金具77が着脱可能に取付けられ、アーム部77a
と太陽電池パネル2の側縁部間にはエチレンプロピレン
ゴム(EPDM)などからなるシール材78が設けら
れ、太陽電池パネル2の右側縁部は側部受金具76と側
部固定金具77間に水密状に挟持されて屋根下地パネル
72に固定されている。
【0054】この側部保持手段75は、工場等において
予め屋根下地パネル72の左縁部上に組付けられてい
る。また、建設現場では、屋根パネル23を母屋21上
にセットした状態で、側部固定金具77に側部カバー部
材79を組付け、側部カバー部材79の上下の延設部7
9a、79b間に屋根材25を装着することになる。
【0055】尚、図8、図19に示すように、側部受金
具76、側部固定金具77、側部カバー部材79の後端
部は、後部カバー部材63の前端面で閉鎖され、また前
端部にはエンドキャップ80が装着されている。また、
後部カバー部材63の左右両端部にはエンドキャップ8
1が装着され、雨水等の侵入が防止されている。更に、
前部受金具55と前部固定金具56の左右両端部は側部
カバー部材79の内側面で閉鎖され、雨水等の侵入が防
止されている。尚、図15、図18、図19に示すよう
に、延設部63a、79bの上面と屋根下地パネル3
5、72上の防水シート36間には防水テープ82が貼
着され、カバー部材63、79と防水シート36間への
雨水等の侵入が防止されている。
【0056】前記太陽電池パネル2の下面の略中央部に
は端子ボックス14が設けられ、端子ボックス14に接
続された出力線15は、防水シート36と断熱材3と金
属板4とを貫通して下側へ導出されている。前記複数の
太陽電池パネル2によって得られる発電量は、屋根22
全体の発電量の15%以下に設定され、1つの太陽電池
パネル2が故障した場合でも、極端な発電量の低下が防
止されるように構成されている。
【0057】次に、前記発電機能を有する屋根22の作
用、効果について説明する。屋根22全体を屋根パネル
23で構成することになるが、屋根パネル23の木製枠
体32、70が、複数の母屋21に亙って設けられてい
るので、サイドフレーム30が垂木として機能し、しか
も補強部材33と金属板4とで木製枠体32、70の捩
じりや曲げに対する強度、剛性が高められているので、
補強部材33及び金属板4が野地板として機能し、野地
板及び垂木を省略しつつ屋根22の強度を十分に確保す
ることが可能となる。しかも、金属板4の外周部に縦壁
部5及び鍔部6を形成してあるので、捩じりや曲げに対
する強度、剛性が一層高められることになる。
【0058】また、並設された屋根パネル23の外周部
に太陽電池パネル2を設けないで屋根下地パネル35、
72を設けてあるので、建設現場で屋根下地パネル3
5、72の一部を切除するなどして容易に寸法調整出来
るとともに、家屋20の建築後には、この屋根下地パネ
ル35、72上に敷設された屋根材25が移動用の通路
となり、太陽電池パネル2の保守点検作業が容易に行え
る。
【0059】また、太陽電池パネル2の下面に密着させ
て設けた断熱材3により、前述したように、太陽電池パ
ネル2の温度上昇が促進され、太陽電池素子として非晶
質シリコン系半導体を用いた場合でも、光劣化による太
陽電池パネル2の発電出力の低下を効果的に防止出来
る。
【0060】更に、断熱材3により家屋20内への熱の
侵入が防止されるとともに、屋根22からの放熱が防止
され、太陽光線による室内温度の変動が抑制されるの
で、家屋20の居住性を向上することが可能となる。更
にまた、金属板4により防火性能を向上出来る。特に、
金属板4を断熱材3よりも内側に配置してあるので、屋
根22から近隣の家屋へ延焼することを効果的に防止出
来る。
【0061】次に、前記屋根パネル23の構成を部分的
に変更した変形例について説明する。尚、前記実施例と
同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略す
る。(1)図20に示す屋根パネル90のように、金属
板4に代えて、太陽電池パネル2の背面に金属板4Aを
密着させて設け、この金属板4Aの背面側に防水シート
36を挟んで断熱材3を積層状に設けてもよい。また、
この場合には、金属板4Aの外周部に太陽電池パネル2
の側面に沿って延びる縦壁部5Bを設けることも可能で
ある。
【0062】この屋根パネル90では、前記屋根パネル
23と同様の作用、効果が得られるとともに、太陽電池
パネル2の背面に金属板4Aを密着させて設けてあるの
で、防火性能において、特に飛火による火災の発生を効
果的に防止することが可能となる。また、金属板4Aの
伝熱で、太陽電池パネル2の温度が一様になるので、光
劣化による太陽電池パネル2の局部的な発電出力の低下
を防止することが可能となる。
【0063】(2)図21に示す屋根パネル90Aのよ
うに、断熱材3を木製枠体32、70の上面よりも一段
低く配置させ、断熱材3上に金属板4Bを密着させて設
けるとともに、金属板4Bの外周部に木製枠体32、7
0の内側面に沿って上方へ延びる縦壁部5Bと縦壁部5
Bの上端部から木製枠体32、70の上面側へ延びる鍔
部6Aとを形成し、金属板4Bの上面に防水シート36
を貼着して、防水シート36の外周部を木製枠体32、
70の側面に沿って延設して木製枠体32、70に貼着
し、金属板4Bの内側に防水シート36を挟んで太陽電
池パネル2を装着してもよい。尚、符号91は、太陽電
池パネル2の損傷等を防止するためのカバーガラスであ
る。
【0064】(3) 図22に示すように、断熱材3を
第1の断熱材3Aと第2の断熱材3Bの2層構造とし、
第1の断熱材3Aを太陽電池パネル2の下面に接着する
とともに、両断熱材3A、3B間に防水シート36を介
在させた状態で、両断熱材3A、3Bを密着させ、両断
熱材3A、3B間の幅方向の中央部に前後方向へ延びる
通路92を形成し、防水シート36の上側において通路
92内に出力線15を配置させ、木製枠体32の上端部
或いは下端部から出力線15を導出させてもよい。この
場合には、防水シート36に孔を形成しないので、防水
性を一層向上出来る。
【0065】(4) 図23に示すように、断熱材3を
第1の断熱材3Cと第2の断熱材3Dの2層構造とし、
第1の断熱材3Cを太陽電池パネル2の下面に接着する
とともに、両断熱材3C、3D間に防水シート36を介
在させた状態で、両断熱材3C、3Dを密着させ、両断
熱材3C、3D間の境界部93を、その幅方向の略中央
部側が上方へ突出するように略へ字状に形成し、境界部
93の頂部に前後方向に延びる通路94を形成し、防水
シート36の上側において通路94内に出力線15を配
置させ、木製枠体32の上端部或いは下端部から出力線
15を導出させてもよい。この場合には、前記と同様
に、防水性を向上出来るとともに、境界部93に侵入し
た雨水などの通路94への侵入が防止され、出力線15
が雨水に接触することを防止出来る。
【0066】尚、本実施例では、枠体として木製枠体を
用いたが、アルミニウム合金などの金属製の枠体やコン
クリート製の枠体や合成樹脂製の枠体を用いることも可
能である。
【0067】
【発明の効果】請求項1に係る発電機能を有する建築用
外装パネルによれば、太陽電池パネルの背面側に断熱材
と金属板とを積層状に設けることで、建築用外装パネル
としての強度、剛性及び防火性能を十分に確保した、発
電機能を有する建築用外装パネルを提供出来る。また、
太陽電池パネルの温度上昇が促進され、太陽電池パネル
を80℃〜90℃以上に保持することが可能で、太陽電
池素子として安価な非晶質シリコン系半導体を用いて
も、光劣化による発電出力の低下を効果的に防止出来
る。更に、断熱材により建築物内への熱の侵入が防止さ
れるとともに、建築物からの排熱が防止され、太陽光線
による室内温度の変動が抑制される。太陽電池パネルの
背面側に断熱材と金属板とを順番に積層すると、金属板
により近隣への延焼を効果的に防止でき、太陽電池パネ
ルの背面側に金属板と断熱材とを順番に積層すると、飛
火による火災の発生を効果的に防止できるとともに、金
属板により太陽電池パネルの温度上昇が一様に促進され
るので、光劣化による発電出力の低下を全体的に防止で
きる。
【0068】また、積層体を方形状の枠体に内装してい
るので、建築用外装パネルの強度、剛性が一層高くな
る。しかも、金属板の外周部に断熱材或いは太陽電池パ
ネルと枠体間に沿って延びる縦壁部を形成しているの
で、捩じりや曲げに対する建築用外装パネルの強度、剛
性が一層高められる。
【0069】請求項2に係る発電機能を有する建築用外
装パネルによれば、積層体及び枠体に関しては、請求項
1記載の発明と同様の効果が得られる。加えて、補強部
材を備えているので、枠体の強度、剛性が高められ、捩
じりや曲げに対する建築用外装パネルの強度、剛性を一
層向上することが可能となる。
【0070】請求項3に係る発電機能を有する建築用外
装パネルによれば、積層体及び枠体に関しては、請求項
1記載の発明と同様の効果が得られる。加えて、調整部
を備えているので、建築用外装パネルの寸法調整が容易
になるとともに、施工後には、調整部を太陽電池パネル
の保守点検用の通路として活用することが可能となる。
【0071】請求項4記載のように、請求項3記載の発
電機能を有する建築用外装パネルにおいて、前記積層体
を下側からサポートする補強部材を枠体内部に横断状に
設けると、補強部材により枠体の強度、剛性が高められ
ることになる。
【0072】請求項5記載のように、請求項2又は4記
載の発電機能を有する建築用外装パネルにおいて、前記
補強部材として、枠体内を閉塞する板状部材を設ける
と、捩じりや曲げに対する枠体の強度、剛性が一層高め
られることになる。
【0073】請求項6記載のように、請求項2〜5のい
ずれか1項記載の発電機能を有する建築用外装パネルに
おいて、断熱材と金属板とを枠体の開口部の略全域にわ
たって設け、断熱材或いは太陽電池パネルと枠体間に沿
って延びる縦壁部を金属板の外周部に形成すると、捩じ
りや曲げに対する建築用外装パネルの強度、剛性を一層
向上することが可能となる。
【0074】請求項記載のように鍔部を設けると、枠
体上面の燃焼が阻止され、飛火による火災の発生が一層
効果的に防止される
【0075】求項8記載のように防水シートを設ける
と、枠体内への雨水等の侵入を効果的に防止出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 建築用外装パネルの縦断面図
【図2】 太陽電池パネルの縦断面図
【図3】 別構成の建築用外装パネルの縦断面図
【図4】 別構成の建築用外装パネルの縦断面図
【図5】 別構成の建築用外装パネルの要部縦断面図
【図6】 家屋の屋根付近の縦断面図
【図7】 屋根の平面図
【図8】 屋根パネルの要部平面図
【図9】 (a)は木製枠体の平面図、(b)は木製枠
体の側面図
【図10】 図8のX−X線断面図
【図11】 図8のXI−XI線断面図
【図12】 図8のXII-XII 線断面図
【図13】 側部保持手段付近の縦断面図
【図14】 前部保持手段付近の縦断面図
【図15】 後部保持手段付近の縦断面図
【図16】 (a)は屋根の右サイドに配置される木製
枠体の平面図、(b)は同側面図
【図17】 図8のXVII-XVII線断面図
【図18】 屋根の右サイドに配置される屋根パネルの
側部保持手段付近の縦断面図
【図19】 屋根パネルの右後側部付近の要部斜視図
【図20】 別構成の屋根パネルの側部保持手段付近の
縦断面図
【図21】 別構成の屋根パネルの側部保持手段付近の
縦断面図
【図22】 別構成の屋根パネルの縦断面図
【図23】 別構成の屋根パネルの縦断面図
【符号の説明】
1 建築用外装パネル 2 太陽電池
パネル 3 断熱材 4 金属板 5 縦壁部 6 鍔部 10 透光基板 11 太陽電池
素子層 12 充填材 13 バックシ
ート 14 端子ボックス 15 出力線 1A 建築用外装パネル 5A 縦壁部 5B 縦壁部 20 家屋 21 母屋 22 屋根 23 屋根パネ
ル 23A 屋根パネル 23B 屋根パネ
ル 23C 屋根パネル 24 天窓 25 屋根材 30 サイドフレーム 31 連結フレ
ーム 32 木製枠体 32a 段差部 33 補強部材 34 クッショ
ン材 35 屋根下地パネル 36 防水シー
ト 37 シール材 40 前部保持手段 41 後部保持
手段 42 側部保持手段 45 側部受金具 46 側部固定
金具 46a アーム部 47 シール材 48 シール材 49 シール材 50 連結プレート 51 カバー部
材 55 前部受金具 56 前部固定
金具 56a アーム部 56b 延設部 57 シール材 60 後部受金具 61 後部固定
金具 61a アーム部 62 シール材 63 後部カバー部材 63a 延設部 70 木製枠体 70a 段差部 71 センタフレーム 72 屋根下地
パネル 75 側部保持手段 76 側部受金
具 77 側部固定金具 77a アーム部 78 シール材 79 側部カバ
ー部材 79a 延設部 79b 延設部 80 エンドキャップ 81 エンドキ
ャップ 82 防水テープ 90 屋根パネ
ル 4A 金属板 90A 屋根パネル 4B 金属板 91 カバーガラス 3A 第1の断熱材 3B 第2の断
熱材 92 通路 3C 第1の断
熱材 3D 第2の断熱材 93 境界部 94 通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−18797(JP,A) 特開 昭62−107148(JP,A) 特開 平6−346557(JP,A) 特開 平6−244445(JP,A) 実開 平7−6344(JP,U) 実開 昭60−104519(JP,U) 実開 昭63−44928(JP,U) 実開 昭57−40513(JP,U) 実開 昭63−50146(JP,U) 実開 平6−22437(JP,U) 実開 昭62−42620(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04D 1/30 603 E04D 3/40 E04D 13/00 E04D 13/08 E04D 13/18 B32B 5/18 H01L 31/042

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 方形状の枠体と、この枠体に内装固定し
    た積層体であって、太陽電池パネルの背面側に断熱材と
    金属板とを積層状に設け、これら3者を一体的に結合
    し、断熱材と金属板とを枠体の開口部の略全域にわたっ
    て設けた積層体とを備え、前記断熱材或いは太陽電池パ
    ネルと枠体間に沿って延びる縦壁部を金属板の外周部に
    形成した発電機能を有する建築用外装パネル。
  2. 【請求項2】 方形状の枠体と、この枠体に内装固定し
    た積層体であって、太陽電池パネルの背面側に断熱材と
    金属板とを積層状に設け、これら3者を一体的に結合し
    た積層体と、この積層体を内装する方形状の枠体と、前
    記積層体を下側からサポートすべく枠体内部に横断状に
    設けた補強部材とを備えた発電機能を有する建築用外装
    パネル。
  3. 【請求項3】 方形状の枠体と、この枠体に内装固定し
    た積層体であって、太陽電池パネルの背面側に断熱材と
    金属板とを積層状に設け、これら3者を一体的に結合し
    た積層体とを備え、前記太陽電池パネルの外側において
    枠体上に屋根下地パネルからなる調整部を固定した発電
    機能を有する建築用外装パネル。
  4. 【請求項4】 前記積層体を下側からサポートする補強
    部材を枠体内部に横断状に設けた請求項3記載の発電機
    能を有する建築用外装パネル。
  5. 【請求項5】 前記補強部材が、枠体内を閉塞する板状
    部材である請求項2又は4記載の発電機能を有する建築
    用外装パネル。
  6. 【請求項6】 前記断熱材と金属板とを枠体の開口部の
    略全域にわたって設け、断熱材或いは太陽電池パネルと
    枠体間に沿って延びる縦壁部を金属板の外周部に形成し
    た請求項2〜5のいずれか1項記載の発電機能を有する
    建築用外装パネル。
  7. 【請求項7】 前記金属板の外周部に枠体の上面の略全
    域を覆う鍔部を形成した請求項1〜6のいずれか1項
    載の発電機能を有する建築用外装パネル。
  8. 【請求項8】 太陽電池パネルの背面に密着される断熱
    材或いは金属板と、太陽電池パネル間に、外縁部が枠体
    の外側面まで延びる防水シートを介装した請求項〜7
    のいずれか1項に記載の発電機能を有する建築用外装パ
    ネル。
  9. 【請求項9】 前記断熱材を第1の断熱材と第2の断熱
    材の上下2層構造とし、両断熱材間に外縁部が枠体の外
    側面まで延びる防水シートを介装し、防水シートの上側
    に太陽電池パネルの出力線を配置して、太陽電池パネル
    の出力線導出用の孔を防水シートから省略した請求項1
    〜7のいずれか1項記載の発電機能を有する建築用外装
    パネル。
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