JP3448974B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール

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  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、断熱材を備える太陽電
池モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題に対する取り組みの
一環として、一般家庭における太陽光発電システムが種
々提案され実用化されている。前記太陽光発電システム
としては、家屋の屋根上に設置された複数の太陽電池モ
ジュールと、太陽電池モジュールに電気的に接続された
インバータとを主体として構成したものが普及してい
る。
【0003】前記太陽電池モジュール100は、図17
にその要部断面図を示すように、透光基板1上に複数の
非晶質シリコン太陽電池素子層61を形成したり、この
非晶質シリコン太陽電池素子層61に代わって結晶系の
シリコン太陽電池素子を透光基板1上に配設し、充填材
63で封止するとともにバックシート65で裏面を保護
した太陽電池パネル3と、この太陽電池パネル3の端部
にブチルゴム等の接着剤102を介して取り付けられた
アルミニウム合金製のフレーム104とを備えたものが
一般的であり、家屋の屋根上に設置する場合には、複数
枚の太陽電池モジュール100が、屋根の野地板上に立
設固定した複数の取付具を介して、屋根瓦上に一定の間
隔をあけて浮かした状態に設置されている。つまり、家
屋の母屋上に設けられた、垂木、野地板、屋根瓦からな
る屋根の所望部位の屋根瓦を取り除き、その部分の野地
板に取付具を設け、この取付具に対してフレーム104
が、ネジ穴106をネジ止めする等の方法により固定さ
れることになる。
【0004】一方、非晶質シリコン太陽電池は、基本的
に結晶系シリコン太陽電池よりも発電効率が低く、しか
も比較的短期間(2〜3カ月)光を照射することで発電
出力が初期状態の約80%まで低下し、その後はほぼ一
定に維持されるという現象(ステブラーロンスキー効
果)が見られ、結晶系シリコン太陽電池と同等の出力を
得るためには、大きな受光面積が必要となる。それ故、
非晶質シリコン太陽電池は、結晶系シリコン太陽電池よ
りも安価で且つ外観も優れているが、その普及が大幅に
遅れている。但し、この発電出力が低下する現象(以
下、単に光劣化と称す)は、太陽電池を80℃〜90℃
以上の高温に加熱することで防止できるとともに、一旦
劣化した場合でも回復することが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の太陽電池モジュール100は、太陽電池パネル3の周
囲にアルミニウム合金製のフレーム104を取り付けた
ものが一般的であり、これを例えば家屋の屋根上に設置
する場合には、屋根の野地板上に立設固定した複数の取
付具を介して、屋根瓦上に一定の間隔をあけて浮かした
状態に設置されているので、太陽電池モジュール100
間の配線が太陽電池モジュール100の裏面側で露出し
た状態となる。従って配線部分が風雨に晒されることに
なるので、長期の使用において配線ケーブルの被覆が風
化し、電気的トラブルが発生してしまうという懸念があ
る。この配線には、太陽電池モジュール100間を接続
する配線と、複数の太陽電池パネル3によってモジュー
ル100を構成する場合の、同一モジュール100内の
各太陽電池パネル3間配線の2種類がある。さらに、安
価で且つ外観も優れていることから、一般家屋用として
コストおよび家屋外観の意匠性の点では、非晶質シリコ
ン太陽電池の使用が好適であるが、前述の光照射による
発電出力の低下により、長期に渡って安定した出力が得
られないという問題点もある。
【0006】また、前記太陽電池モジュール100にお
いては、これまで太陽電池素子温度の上昇によって開放
電圧が低下し、ひいては出力低下につながるとの判断に
よって素子温度を積極的に高めるという思想が無く、非
晶質シリコン太陽電池を用いた場合には、光劣化によっ
て発電出力が大幅に低下することはどうしても避けられ
ない問題であった。
【0007】本発明は、太陽電池モジュールの一般家屋
など建築物への取付けに際し、接続用配線が外部に晒さ
れることなく、さらに非晶質シリコン太陽電池を用いた
場合でも、光劣化を防止し得る太陽電池モジュールとそ
れに用いる太陽電池パネルを実現することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる本発明
の太陽電池モジュールは、透光板の受光面とは反対側の
面側に太陽電池素子を配置するとともに、受光面とは反
対側の面上に出力端子を設けてなる複数の太陽電池パネ
ルと、前記複数の太陽電池パネルを支持するための方形
状の枠体と、前記複数の太陽電池パネルの受光面とは反
対側の面に密着して設けられ、前記枠体の開口部を閉塞
し且つその外縁部を当該枠体の外側面まで延設してなる
防水シートと、前記枠体の内部空間に収容され、前記太
陽電池パネルの受光面とは反対側の面に対し、前記防水
シートを介在させて密着してなる断熱材と、前記各太陽
電池パネルの出力端子に接続され、前記防水シートを貫
通するとともに、前記断熱材における太陽電池パネルと
反対側の面と太陽電池パネルとの間に介装した状態で枠
体外部まで延設してなる出力線とを備えた太陽電池モジ
ュールである。
【0009】ここで請求項2のように、防水シートと、
断熱材における太陽電池パネルと反対側の面との間に、
枠体の相対向する2辺間方向に2本一組の導線を配置
し、出力線と導線とを電気的に接続したり、請求項3の
ように、前記断熱材の中央に一方向に延びる溝を設け、
各太陽電池パネルの出力線を前記溝内に挿通収容しても
よい。
【0010】請求項4にかかる太陽電池モジュールは、
透光板の受光面とは反対側の面側に太陽電池素子を配置
するとともに、受光面とは反対側の面上に出力端子を設
てなる複数の太陽電池パネルと、前記複数の太陽電池
パネルを支持するための方形状の枠体と、前記複数の太
陽電池パネルの受光面とは反対側の面に密着して設けら
れ、前記枠体の開口部を閉塞し且つその外縁部を当該枠
体の外側面まで延設してなる防水シートと、前記枠体の
内部空間に収容され、前記太陽電池パネルの受光面とは
反対側の面に対し、前記防水シートを介在させて密着し
てなる断熱材と、前記各太陽電池パネルの出力端子に接
続され、前記防水シートを貫通するとともに、前記断熱
材の太陽電池パネルと反対側の面まで取り出してなる出
力線とを備えた太陽電池モジュールである。
【0011】ここで請求項5のように、枠体によって囲
まれる空間内の適所に、枠体の相対向する2辺間方向に
2本一組の導線を配置するとともに、一組の導線から2
本の接続用線を分岐し、少なくとも太陽電池パネルから
の出力線を断熱材における太陽電池パネルと反対側の面
の外部まで取り出して、接続用線と出力線を断熱材にお
ける太陽電池パネルと反対側の面の外部で接続したり
請求項6のように、前記枠体の底部に前記断熱材を支持
する複数の横桟を設け、これら横桟に設けた切欠部内を
通じて、当該枠体の相対向する2辺間方向に前記2本一
組の導線を渡設してもよい。
【0012】これら太陽電池モジュールにおいては、請
求項7のように、防水シートに粘着性を有するものを用
いてもよい。
【0013】また、請求項8のように、前記断熱材を、
前記枠体の内部空間に、該断熱材の上面が前記枠体の上
面と略同一平面内に位置するように収容してもよい。
【0014】
【作用】請求項1の太陽電池モジュールにあっては、
記複数の太陽電池パネルの受光面とは反対側の面に密着
して設けられ、前記枠体の開口部を閉塞し且つその外縁
部を当該枠体の外側面まで延設してなる防水シートは、
この太陽電池パネルの裏側方向に構成される太陽電池モ
ジュール空間への水の浸入を防止する。そして上記太陽
電池パネルと、方形状の枠体と、この方形状の枠体に取
り付けた断熱材とを備え、防水シートを、枠体の開口部
を閉塞し且つ外縁部を枠体の外側面まで取り出した状態
で、複数の太陽電池パネルと断熱材とを防水シートを介
在させて密着させるとともに、出力線を断熱材における
太陽電池パネルと反対側の面と太陽電池パネルとの間に
介装した状態で枠体外部まで延設することは、断熱材に
よって太陽電池素子温度を高温に保持する作用が付与さ
れるとともに、太陽電池モジュールの内部空間内に太陽
電池パネルからの出力線を収容することを可能にする。
【0015】また、請求項2のように、防水シートと断
熱材における太陽電池パネルと反対側の面との間に、枠
体の相対向する2辺間方向に2本一組の導線を配置し、
出力線と導線とを電気的に接続することは、太陽電池モ
ジュールの内部空間内で、複数の太陽電池パネルからの
出力線を接続することを可能とする構成である。
【0016】具体的には、請求項3のように、前記断熱
材の中央に一方向に延びる溝を設けることにより、該溝
内に前記枠体の相対向する2辺間方向の2本一組の導線
を配置することができ、各太陽電池パネルの出力線を該
溝内に挿通収容して前記導線に電気的に接続することに
より、該導線を通じて太陽電池パネルの出力を枠体外部
に取り出すことが可能である。
【0017】請求項4の太陽電池モジュールにあって
は、前記複数の太陽電池パネルの受光面とは反対側の面
に密着して設けられ、前記枠体の開口部を閉塞し且つそ
の外縁部を当該枠体の外側面まで延設してなる防水シー
トは、この太陽電池パネルの裏側方向に構成される太陽
電池モジュール空間への水の浸入を防止する。そして上
記太陽電池パネルと、方形状の枠体と、この方形状の枠
体に取り付けた断熱材とを備え、防水シートを、枠体の
開口部を閉塞し且つ外縁部を枠体の外側面まで延設させ
た状態で、複数の太陽電池パネルと断熱材とを防水シー
トを介在させて密着させるとともに、出力線を断熱材の
太陽電池パネルと反対側の面まで取り出す構成により、
断熱材によって太陽電池素子温度を高温に保持する作用
が付与され、また太陽電池モジュールの裏面側から出力
線を取り出すことを可能とする。ま請求項5のよう
に、枠体によって囲まれる空間内の適所に、枠体の相対
向する2辺間方向に2本一組の導線を配置するととも
に、一組の導線から2本の接続用線を分岐し、少なくと
も太陽電池パネルからの出力線を断熱材における太陽電
池パネルと反対側の面の外部まで取り出して、接続用線
と出力線を断熱材における太陽電池パネルと反対側の面
の外部で接続する構成は、太陽電池モジュールの内部空
間内において複数の太陽電池パネル間の接続を行うこ
と、および接続用線と出力線との接続部分を、太陽電池
モジュールの外部にまで取り出すことを可能とし、具体
的には、請求項6のように、前記枠体の底部に前記断熱
材を支持する複数の横桟を設け、これら横桟に設けた切
欠部内を通じて、当該枠体の相対向する2辺間方向に前
記2本一組の導線を渡設し、該導線から2本の接続用線
を分岐し、前記出力線を該接続用線に接続することによ
り出力を外部に取り出すことが可能である。
【0018】そして請求項7の防水シートが有する粘着
性は、太陽電池パネルと断熱材との密着をより確実にす
るとともに、防水シートの外縁部が枠体の外側面まで延
びているので、隣合う太陽電池モジュール間の密着性を
より確実とするように作用する。また、請求項8のよう
に、前記枠体の内部空間に断熱材上面が前記枠体上面と
略同一平面内に位置するように収容してなるものでは、
枠体開口部よりも大きく構成された透光板からなる太陽
電池パネルが、枠体上面に載置された状態で防水シート
を介し断熱材と密着することになる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の詳細を具体的実施例に基づき
説明する。図1〜図5には、本発明の太陽電池モジュー
ルの一実施例を表している。図例のものは、透光板1の
受光面とは反対側の面側に太陽電池素子を配置するとと
もに、受光面とは反対側の面上に出力端子を設けた複数
の太陽電池パネル3と、複数の太陽電池パネル3の受光
面とは反対側の面に密着させて設けた防水シート5と、
出力端子に接続するとともに防水シート5を貫通して設
けた出力線7と、方形状の枠体9と、方形状の枠体9に
対する断熱材の取り付け態様例として枠体9の内部空間
に積層状態で装着した第1および第2の断熱材11、1
5とを備え、防水シート5を、枠体9の開口部を閉塞し
且つ外縁部5aを枠体の外側面13まで延設させた状態
で、複数の太陽電池パネル3と第1の断熱材11とを防
水シート5を介在させて密着させるとともに、出力線7
を第2の断熱材15における太陽電池パネル3とは反対
側の面と太陽電池パネル3との間に介装した状態で、枠
体9の外部まで取り出した太陽電池モジュール17であ
る。このように断熱材を2層構造としている主な目的
は、太陽電池パネル3側には第1の断熱材11として耐
熱性に優れる材料のものを、そして第2の断熱材15と
しては、耐熱性については若干劣るもののより安価な材
料のものを用い、全体として断熱材のコストダウンを図
るところにある。従って、これら2つの断熱材は一枚の
ものを用いてもよい。
【0020】そして出力線7からモジュール17の外部
への出力取り出しについては、一例として図中に示すよ
うに、第1の断熱材11に設けた溝11a内に、木製枠
体9の相対向する2辺間方向の2本一組の導線21を配
置し、出力線7と導線21とを電気的に接続して取り出
している。一方、太陽電池パネル3は、取り付け具23
によって木製枠体9に対して固定されている。
【0021】また、図における太陽電池パネル3と防水
シート5によって構成される太陽電池パネル構造25、
すなわち、透光板の受光面とは反対側の面側に太陽電池
素子を配置するとともに、受光面とは反対側の面上に出
力端子を設けた太陽電池パネル3と、太陽電池パネル3
の受光面とは反対側の面に密着させて設けられ、外縁部
5aが太陽電池パネル3の少なくとも側面3aまで延び
うる大きさとした防水シート5と、出力端子に接続する
とともに防水シート5を貫通して設けた出力線7とを備
えた太陽電池パネル25は、これだけでハンドリング可
能であり、本例のように断熱材11、15との組み合わ
せ以外にも、従来の太陽電池モジュールを構成する太陽
電池パネルとして用いることもできる。ここで防水シー
ト5は、各太陽電池パネル3ごとに分割して設けておい
てもよい。
【0022】本実施例の構造は、太陽電池モジュール1
7として一般家屋の屋根上に設置する場合に適した構造
であり、以下さらに詳細に説明する。図2、図3には、
一般家屋用に適した別の実施例を表している。図2中
(イ)は平面図、(ロ)は(イ)におけるA−A断面
図、(ハ)は(ロ)の要部拡大図をそれぞれ示し、図3
(イ)は図2のB−B断面図、(ロ)は同C−C断面図
をそれぞれ示している。本図の構造例は、底部に横桟2
7を設けた方形状の木製枠体9の内部空間に、第1およ
び第2の断熱材11、15を、木製枠体9の上面に対し
て第1の断熱材11の表面が略一致するよう収容し、木
製枠体9の開口部を閉塞して外縁部5aが木製枠体9の
外側面13まで延びる防水シート5を介在させた状態
で、太陽電池パネル3の受光面とは反対側の面と第1の
断熱材11ととを密着させている。そして第1の断熱材
11は中央部に一方向に延びる溝11aを構成するとと
もに、木製枠体9の開口部に嵌まり込む大きさで構成さ
れる一方、透光板1は木製枠体9の開口部よりも大きく
構成され、透光板1を木製枠体9の上面に載置した状態
で、防水シート5を介して第1の断熱材11と第2の断
熱材15とが密着状態となる。一方モジュール17の端
部近傍では、積層された第1、第2の断熱材11、15
の第1の断熱材11上面が木製枠体9上面よりも低くな
っており、この低くなった部分に上板31が嵌め込まれ
ている。そして防水シート5は、上板31の上面に露出
させた状態で、木製枠体9の外側面13まで延設されて
いる。なお防水シート5は粘着性を有するものであるの
で、上板31に対してある程度の粘着性をもって接着す
る。またこの上板31は、本太陽電池モジュール17を
家屋の屋根上に設置する場合に野地板として機能すると
ともに、上面にはコロニアル等の瓦材、その他の屋根材
が敷設される。
【0023】太陽電池パネル3からの出力は、第1の断
熱材11の中央に設けた一方向にのびる溝11a内に挿
通収容され、出力線7と電気的に接続されるとともに木
製枠体9の相対向する2辺間方向に設けた2本一組の導
線21により、木製枠体9の外部に取り出される。この
出力用導線21からは、複数の太陽電池パネル3を直並
列に接続した全体出力が取り出される。そして太陽電池
モジュール17の端部付近における導線21の引回し態
様については図示するように、第1の断熱材11の端部
近傍において、第1および第2の断熱材11、15を貫
通し、木製枠体9直前部において上板31、防水シート
5、第1の断熱材11、第2の断熱材15のそれぞれを
貫通して上板31面側に取り出される構造となってい
る。またこの部分における導線21は、横桟27に設け
た切欠部47と第2の断熱材15との間に挿通されてい
る。
【0024】本実施例では、太陽電池モジュール17と
して8枚の太陽電池パネル3が用いられ、それぞれの太
陽電池パネル3間には、防水機能を有するコーキング材
37が設けられ、モジュール内部空間への防水性能をよ
り高める為、アルミニウム箔等の遮水機能を有するジョ
イント下地材39が、太陽電池パネル3と防水シート5
との間に介装されている。このジョイント下地材39部
分の詳細構造を図4(イ)、(ロ)に示している。
(イ)の例は、図2に示したものと同一であり、(ロ)
は板状のジョイント下地材39上にジョイント用パッキ
ン39aを設けるとともに、ジョイント下地材39の両
側に補助パッキン39bを設けた例である。これらは構
造を判りやすく表現するため、アルミニウム箔の厚み等
を誇張して描いてある。
【0025】また、本太陽電池モジュール17を屋根上
に設置する場合、屋根材としてのモジュール自身の防水
性能や、太陽電池モジュールの端面同士を近設させた隣
り合う木製枠体9間の防水性能についても、当然ながら
高い水準が要求される。このように、突き合わせ状態で
近設する木製枠体9間の防水保持機構の例が、図5に示
される。図例のものは木製枠体9上に設けられる取り付
け具23を、下地具23aと押さえ具23bの2つに分
割した構造とし、押さえ具23bと太陽電池パネル3を
構成する透光板1の端部上面間にパネル側シール材41
が装填され、一方押さえ具23a背面の突き合わせ部に
は、端部シール材43が装填されている。さらに下地具
23aの厚みに相当する隙間部分には、枠上面シール材
49が装填されている。このような構造にあっては、近
設する2つの木製枠体9、9間の防水は端部シール材4
3によって行われ、太陽電池モジュール17の内部空間
への防水は、パネル側シール材41および下地具23a
の突起部45と、太陽電池パネル3間に介装した防水パ
ッキン45a、枠上面シール材49によって行われる。
そして仮に水が浸入したとしても、直下にある防水シー
ト5によって確実に遮水されることになる。
【0026】前記第1、第2の断熱材11、15を構成
する素材としては、断熱性、圧縮強度、耐熱性に優れ
た、例えばポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォー
ム、硬質ポリウレタンフォーム、軟質ポリウレタンフォ
ーム、硬質塩化ビニルフォーム、ユリアフォーム、フェ
ノールフォーム、ラバーフォーム、ポリプロピレン、ポ
リエチレンテレフタレート、パーライト、バーミキュラ
イト、泡ガラスなどの発泡・多孔質材料や、アスベス
ト、ロックウール、グラスウール、セラミックファイバ
ー、軟質繊維材などの繊維材料や、ケイ酸カルシウム、
塩基性炭酸マグネシウム、けいそう土、けいそう土質断
熱れんが、耐火断熱れんが、キャスタブル耐火断熱材、
コルク、炭素粉末などの粒・粉状材料や、アルミニウム
箔などからなる多層箔材料や、硬質フォームラバー、発
泡クロロプレンゴムなどの発泡ゴム材料や、軽量気泡コ
ンクリートや、発泡アルミニウムなどを用いることが可
能である。そして本発明では、太陽電池素子の温度を高
く保ことが目的の一つであるので、太陽電池モジュール
17の耐熱性の点からは、実施例のように断熱材を2つ
に分割し、第2の断熱材15よりも第1の断熱材11
に、より高い耐熱性のものを用いることが望ましい。ま
た防水シート5の素材としては、特殊ゴム化アスファル
トコンパウンドやポリイソブチレンなどを採用すること
が可能である。
【0027】また以下図6〜図8には、本発明の太陽電
池モジュールの別の実施例を表している。図例のもの
は、透光板1の受光面とは反対側の面側に太陽電池素子
を配置するとともに、受光面とは反対側の面上に出力端
子を設けた複数の太陽電池パネル3と、複数の太陽電池
パネル3の受光面とは反対側の面に密着させて設けた防
水シート5と、出力端子に接続するとともに防水シート
5を貫通して設けた出力線7と、方形状の枠体9と、方
形状の枠体9に対する断熱材の取り付け態様例として枠
体9の内部空間に積層状態で装着した第1および第2の
断熱材11、15とを備え、防水シート5を、枠体9の
開口部を閉塞し且つ外縁部5aを枠体の外側面13まで
延設させた状態で、複数の太陽電池パネル3と第1の断
熱材11とを防水シート5を介在させて密着させるとと
もに、出力線7を第2の断熱材15の太陽電池パネル3
と反対側の面まで取り出した太陽電池モジュール17で
ある。
【0028】そして出力線7からモジュール17の外部
への出力取り出しについては、枠体9によって囲まれる
空間内の適所として、木製枠体9の横桟27に設けた切
欠部47内に木製枠体9の相対向する2辺間方向に2本
一組の導線21を渡すとともに、一組の導線21から2
本の接続用線21aを分岐し、太陽電池パネル3からの
出力線7を第2の断熱材15における太陽電池パネル3
と反対側の面の外部まで取り出して、この第2の断熱材
15における太陽電池パネル3と反対側の面の外部に、
接続用線21aと出力線7の接続点21bを設けてい
る。一方、太陽電池パネル3は、取り付け具23によっ
て木製枠体9に対して固定されている。
【0029】図7、図8には、本発明のうち一般家屋用
への別の実施例を表している。図7中(イ)は平面図、
(ロ)は(イ)におけるA−A断面図、(ハ)は(ロ)
の要部拡大図をそれぞれ示し、図8(イ)は図7のB−
B断面図、(ロ)は同C−C断面図をそれぞれ示してい
る。本図の構造例は、底部に横桟27を設けた方形状の
木製枠体9の内部空間に、第1および第2の断熱材1
1、15を、木製枠体9、第1の断熱材11それぞれの
上面が略同一平面内に位置するように収容し、木製枠体
9の開口部を閉塞して外縁部5aが木製枠体9の外側面
13まで延びる防水シート5を介在させた状態で、太陽
電池パネル3と第1の断熱材11とを密着させている。
ここで第1の断熱材11は木製枠体9の開口部に嵌まり
込む大きさで構成される一方、透光板1は木製枠体9の
開口部よりも大きく構成され、透光板1を木製枠体9の
上面に載置した状態で、防水シート5を介して第1の断
熱材11と第2の断熱材15とが密着状態となる。一方
太陽電池モジュール17の端部近傍では、積層された第
1および第2の断熱材11、15のうち、第1の断熱材
11上面が木製枠体9上面よりも低くなっており、この
低くなった部分に上板31が嵌め込まれている。そして
防水シート5は、上板31の上面に露出させた状態で、
木製枠体9の外側面13まで延設されている。なお防水
シート5は粘着性を有するものであるので、上板31に
対してある程度の粘着性をもって接着する。またこの上
板31は、本太陽電池モジュール17を家屋の屋根上に
設置する場合に野地板として機能するとともに、上面に
はコロニアル等の瓦材、その他の屋根材が敷設される。
【0030】また太陽電池パネル3からの出力線7は、
防水シート5、第1および第2の断熱材11、15それ
ぞれを貫通して第2の断熱材15の外部まで取り出し、
前述のように、横桟27の切欠部47上に渡した導線2
1からの接続用線21aと出力線7の両者の接続点21
bを設けている。
【0031】本実施例でも太陽電池モジュール17とし
ては8枚の太陽電池パネル3が用いられ、それぞれの太
陽電池パネル3間には前記実施例と同様の防水機能を有
するコーキング材が設けられている。この太陽電池パネ
ル3間の構造については図4と同一であるため、説明は
省略する。
【0032】また、本太陽電池モジュール17を屋根上
に設置する場合も、屋根材としてのモジュール自身の防
水性能や、太陽電池モジュール17の端面同士を近設さ
せた隣り合う木製枠体9間の防水性能について当然なが
ら高い水準が要求されるが、図5に示した構造とするこ
とにより、確実に遮水されることになる。なお本実施例
における端面同士の近設形態も、図5と同一であるた
め、ここでは説明を省略する。
【0033】以下、上述した本発明の太陽電池モジュー
ルを、一般家屋の屋根に設置した場合の実施例について
詳細に説明する。図9、図10に示すように、家屋51
の上部には左右方向向きの複数の母屋53が屋根55の
傾斜方向に沿って設けられ、母屋53上には最上段の母
屋53(むな木)と軒先側に位置する最下段の母屋53
とにわたる太陽電池モジュール17が横方向に連設して
複数設けられ、これら複数の太陽電池モジュール17に
より家屋51の屋根55が構成されている(なおここで
は、太陽電池モジュール17の断面構造は模式的に描い
てある)。そして各太陽電池モジュール17は、その出
力用導線21が上方に位置するように設置され、屋根5
5の頂上部、すなわちむな木(最上段の母屋53として
表している)近傍の一か所において、各太陽電池モジュ
ール17間の接続配線が施されることになる。つまりこ
の家屋51においては、垂木、野地板、屋根瓦が省略さ
れ、複数の太陽電池モジュール17が垂木、野地板、屋
根瓦として機能することになる。但し、太陽電池モジュ
ール17を前後に複数に分割して、隣接するもの同士を
結合してもよい。
【0034】ここで、一つの太陽電池モジュール17に
よって得られる発電量を、目安として屋根55全体の発
電量の15%以下程度に設定しておき、1つの太陽電池
モジュール17が故障した場合でも、極端な発電量の低
下が防止されるように構成しておくと便利である。
【0035】前記太陽電池モジュール17のうち、左右
両端のもの17aは、左右対称の構成でかつ基本的には
前記太陽電池モジュール17と同様に構成されているの
で、左側のものについて簡単に説明する。図11に示す
ように、前記木製枠体9の左右方向の略中央部には、木
製枠体9の長辺部材9aに対して平行にセンタフレーム
57が設けられ、センタフレーム57と木製枠体9の長
辺部材9aとの間には太陽電池パネル3(但し、幅を約
1/2にしたもの)と防水シート5と第1、第2の断熱
材11、15とが積層状に設けられ、センタフレーム5
7と左側の長辺部材9a間には防水シート5と屋根下地
パネルとして機能する上板31aと第2の断熱材15
(必要に応じて第1と第2の断熱材11、15との積層
体とする)とが設けられ、上板31aに対応する部分お
よびモジュール17の端部分により、太陽電池パネル3
を設けない調整部59、59aが構成されている。
【0036】次に、前記太陽電池パネル3について説明
する。前記太陽電池パネル3は、図12に示すように、
基本的には、透光板1と、透光板1の下面に形成した非
晶質シリコン太陽電池素子層61と、太陽電池素子61
の下側に設けられた充填材63と、充填材63の下側に
設けられバックシート65とを備えている。前記透光板
1としては強化ガラスや貼り合わせガラス、またはその
他一般的な透光板が用いられ、ガラス成分が溶出しない
よう、必要に応じて酸化ケイ素などを被着したものを用
いても良い。太陽電池素子層61は、透光板1上に透明
導電膜、p−i−nまたはn−i−pの非晶質シリコン
層、金属電極層を順次堆積した積層体からなり、その下
面側に設けたEVA、PVB、ポリイソブチレン系樹脂
等の充填材63を介して透光板1に対して封入されてい
る。
【0037】前記バックシート65は、アルミニウム箔
をサンドしたテドラー等で構成されている。但し、前記
充填材63やバックシート65を省略し、代わりに適当
な保護塗膜を形成しておいてもよい。ここで透明導電膜
としては、従来の太陽電池素子と同様に酸化錫や酸化イ
ンジウム錫が用いられ、非晶質シリコン層としては、ア
モルファスシリコンカーバイトとアモルファスシリコン
によるヘテロ接合構造等が採用され、必要に応じて透明
導電膜側や金属電極層側のp層やn層を、微結晶化させ
ることも直列抵抗低減において効果的である。
【0038】また金属電極層としては、クロム、アルミ
ニウム、銀などの一般的な金属材料を単層や積層構造と
して用いる。そして本発明では素子温度を積極的に高温
にすることから、非晶質シリコン層との間で金属成分の
拡散を防止するため、非晶質シリコン層と金属電極層と
の間に、前述の透明導電膜やシリサイド層などによる金
属拡散防止層を介在させたり、この金属拡散防止層を介
在させずに、金属電極層としてクロムやモリブデンなど
のシリサイド形成金属を用いたり、これらシリサイド形
成金属と他の金属との積層構造とすることが効果的であ
る。また、入射光の閉じ込め効果の点からは、反射率の
点から銀を用いると効果が高い。更に、充填材63とし
てEVA、PVBなどを用いる場合は、真空ラミネート
法によって封入し、ポリイソブチレン系樹脂の場合は、
これを加熱流動化して塗布すれば良い。
【0039】次に、前記太陽電池モジュール17の製造
方法について簡単に説明する。先ず、図13(a)に示
すように、1対の長辺部材9aの前端部間及び後端部間
に短辺部材9bを固定するとともに、横桟27を長辺部
材9aに固定して木製の枠体9を製作する。次に、図1
3(b)に示すように、複数の横桟27の上側に必要に
応じてクッション材67を取付け、木製枠体9によって
囲まれる空間内に上方より平板状の第1および第2の断
熱材11、15を積層して装着し、クッション材67上
に載置する。なおクッション材67を設けない場合は、
第2の断熱材15は横桟27上に直接装着され、また断
熱材は一層構造でもよい。
【0040】次に、図13(c)に示すように、第1の
断熱材11の上面と長辺部材9aの上面と長辺部材9a
の外側面とに亙って、すなわち木製枠体9の開口部を閉
塞する形で防水シート5を貼着する。次に、図14
(d)に示すように、例えば防水シート5に粘着性が無
い場合など必要に応じて、防水テープ69を防水シート
5の第1の断熱材11上から上板31上の部分に亙って
貼着した後、防水シート5上に複数の太陽電池パネル3
をセットするとともに前後の上板31をセットして、上
板31を木製枠体9に固定する。次に、図14(e)に
示すように、下地具23aと押さえ具23bからなる取
り付け具23を木製枠体9に対して直接、または間接的
に固定して太陽電池パネル3を木製枠体9に固定し、図
14(f)に示すような、太陽電池モジュール17を得
ることになる。但し、左右両端の太陽電池モジュール1
7aにおいても、上述した中央部の太陽電池モジュール
17と略同様に製作されるので、その説明を省略する。
また以上に説明した実施例は、枠体9の内部空間に断熱
材を装着したり、断熱材を2層構造としたものであった
が、以下図15に示すように、1枚の断熱材11bをそ
の上面に設ける防水シート5とともに枠体9の開口部を
閉塞する構造で取り付けたり、図16に示すように、1
枚の断熱材11bの太陽電池パネル3側に設けた溝11
a内に一組の導線21を通し、太陽電池パネル3からの
出力線7と導線21からの接続用線21aをともに断熱
材11bを貫通し、断熱材11bの太陽電池パネル3と
反対側の面の外部に設けた接続点21bにおいて接続す
る構造でもよい。ここで図16における断熱材11bの
取り付け構造を図15のようにしたり、あるいは図16
における出力線7と導線21および接続用線21aの構
造を、前述の2層の断熱材11、15を用いた構造のも
のに適用してもよいことは言うまでもないことである。
【0041】こうして、工場内で製作した太陽電池モジ
ュール17、17aは、トラックなどで建設現場に輸送
し、現場において調整部59、59aを部分的にカット
するなどの寸法調整を施した後、母屋53上に順次固定
することになる。
【0042】次に、前記屋根55の作用について説明す
る。本実施例では、屋根55の略全体を太陽電池モジュ
ール17、17aで構成することになるが、太陽電池モ
ジュール17、17aの木製枠体9が、最上段の母屋5
3と最下段の母屋53とに亙って設けられているので、
長辺部材9aが垂木として機能し、しかも横桟27で木
製枠体9の捩じりに対する強度、剛性が高められている
ので、横桟27が野地板の持つ捩じり防止作用として機
能し、野地板及び垂木を省略しつつ屋根55の強度を十
分に確保することが可能となる。
【0043】しかも、太陽電池モジュール17、17a
の前後両端近傍部と、両サイドの太陽電池モジュール1
7aの側部に調整部59、59aをそれぞれ設けてある
ので、建設現場で調整部59、59aの一部を切除する
などして容易に寸法調整できるとともに、家屋51の建
築後には、この調整部59、59aが移動用の通路とな
り、太陽電池パネル17の保守点検作業が容易に行え
る。なお、この調整部59、59aの切断のうち調整部
59については、太陽電池モジュール17からの導線2
1の引き出し部となっていない方を切断すればよい。
【0044】また、太陽電池パネル3の下面に密着させ
て設けた2つの断熱材11、15により、太陽電池パネ
ル3の下面からの放熱が防止され、太陽電池パネル3の
温度上昇が促進されるので、太陽光線で太陽電池パネル
3を80℃〜90℃以上に加熱することが可能となり、
太陽電池素子として非晶質シリコン系半導体を用いて
も、光劣化による発電出力の低下を効果的に防止でき
る。このような本発明の太陽電池モジュール17を一般
家屋の屋根上に取り付け、太陽電池パネル3の温度と光
電変換効率の変化を調べたところ、従来であれば太陽電
池パネル3の温度は夏期おいては最高でも気温より約3
0℃の上昇に止まっていたものが、本発明では40℃〜
50℃の上昇となって80℃〜100℃となった。これ
により従来は約15%〜25%の光劣化であったもの
が、本発明では約9%となり、大きな改善効果が確認さ
れた。
【0045】更に、断熱材により家屋51内への熱の侵
入が防止されるとともに、屋根55からの排熱が防止さ
れ、太陽光の照射による室内温度の変動が抑制されるの
で、家屋51の居住性を向上することが可能となる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の太陽電池
モジュールでは、上記作用の項において説明したところ
により、以下の優れた効果を得ることができる。請求項
1の太陽電池モジュールにあっては、前記複数の太陽電
池パネルの受光面とは反対側の面に密着して設けられ、
前記枠体の開口部を閉塞し且つその外縁部を当該枠体の
外側面まで延設してなる防水シートは、この太陽電池パ
ネルの裏側方向に構成される太陽電池モジュール空間へ
の水の浸入を防止するので、太陽電池モジュールを屋根
材として使用した場合には、屋根裏への水の浸入を確実
に防止し、屋根材としての機能も充分満足させることが
できる。そして上記太陽電池パネルと、方形状の枠体
と、この方形状の枠体に取り付けた断熱材とを備え、防
水シートを、枠体の開口部を閉塞し且つ外縁部を枠体の
外側面まで延設させた状態で、複数の太陽電池パネルと
断熱材とを防水シートを介在させて密着させるととも
に、出力線を断熱材における太陽電池パネルと反対側の
面と太陽電池パネルとの間に介装した状態で枠体外部ま
で取り出すことは、断熱材によって太陽電池素子温度を
高温に保持する作用が付与されるので、従来の非晶質シ
リコン太陽電池において見られた15〜25%の光劣化
を、大幅に抑制することができ、また、枠体の内部空間
内に太陽電池パネルからの出力線を収容することを可能
にするので、配線が外部に露出しないことによって配線
の風化による劣化や腐食を防止することができ、さらに
太陽電池モジュールの出力を一か所から取り出すことが
可能となり、屋根材として使用した場合には、複数の太
陽電池モジュール間の接続を、軒先やむな木部分のいず
れか一か所で施すことができ、信頼性および施工やメン
テナンス性が著しく向上する。従って、種々の用途に対
して、極めて信頼性の高い太陽電池モジュールとなる。
【0047】また請求項2では、枠体の内部空間内での
複数の太陽電池パネル間の配線を可能とするように作用
するので、複数枚の太陽電池パネルによって太陽電池モ
ジュールを構成した場合でも、各太陽電池パネル間の配
線が外部に露出することもなく、信頼性および施工やメ
ンテナンス性が著しく向上するのであり、具体的には請
求項3のように、前記断熱材の中央に一方向に延びる溝
を設けることにより、該溝内に前記枠体の相対向する2
辺間方向の2本一組の導線を配置することができ、各太
陽電池パネルの出力線を該溝内に挿通収容して前記導線
に電気的に接続することにより、該導線を通じて太陽電
池パネルの出力を枠体外部に取り出すことが可能であ
る。
【0048】請求項4においては、上記断熱材を備えた
構成に加えて、出力線を断熱材における太陽電池パネル
と反対側の面まで取り出す構成とするので、断熱材によ
る太陽電池素子温度を高温に保持する作用とともに、太
陽電池モジュールの裏面側から出力線を取り出すことが
可能となり、本発明の太陽電池モジュールを屋根材とし
て使用した場合には、屋根裏から配線作業を行うことが
できるので、施工時の作業性が極めて向上する。ま
求項5のように、枠体によって囲まれる空間内の適所
に、枠体の相対向する2辺間方向に2本一組の導線を配
置するとともに、一組の導線から2本の接続用線を分岐
し、少なくとも太陽電池パネルからの出力線を断熱材に
おける太陽電池パネルと反対側の面の外部まで取り出し
て、接続用線と出力線を断熱材における太陽電池パネル
と反対側の面の外部で接続する構成は、太陽電池モジュ
ールの内部空間内において複数の太陽電池パネル間の接
続を行うこと、および接続用線と出力線との接続部分
を、太陽電池モジュールの外部にまで取り出すことを可
能とするので、各太陽電池パネル間の配線が外部に露出
することもなく、また本発明の太陽電池モジュールを屋
根材として使用した場合には、上記と同様に屋根裏から
容易に配線作業を行うことができるので、施工時やメン
テナンス時の作業性が極めて向上するのであり、具体的
には請求項6のように、前記枠体の底部に前記断熱材を
支持する複数の横桟を設け、これら横桟に設けた切欠部
内を通じて、当該枠体の相対向する2辺間方向に前記2
本一組の導線を渡設し、該導線から2本の接続用線を分
岐し、前記出力線を該接続用線に接続することにより出
力を外部に取り出すことが可能である。
【0049】そして請求項7に係る防水シートが有する
粘着性は、太陽電池パネルと断熱材との密着をより確実
にするとともに、防水シートの外縁部が枠体の外側面ま
で延びているので、隣合う太陽電池モジュール間の密着
性をより確実とするように作用し、本発明の太陽電池モ
ジュールを屋根材として使用する場合においても、家屋
の屋根自身の防水性能の向上に寄与することができる。
また、請求項8のように、前記枠体の内部空間に断熱材
上面が前記枠体上面と略同一平面内に位置するように収
容してなるものでは、枠体開口部よりも大きく構成され
た透光板からなる太陽電池パネルが、枠体上面に載置さ
れた状態で防水シートを介し断熱材と密着することにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池モジュールの基本構造例を表
す分解説明図
【図2】本発明の太陽電池モジュールの構造例を表す説
明図で、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)におけるA−
A断面図、(ハ)は(ロ)の要部説明図
【図3】本発明の太陽電池モジュールの構造例を表す説
明図で、(イ)は図2(イ)におけるB−B断面図、
(ハ)は同C−C断面図
【図4】本発明の太陽電池モジュールの太陽電池パネル
間の構造例説明図
【図5】本発明の太陽電池モジュールの隣接部分の構造
例説明図
【図6】本発明の太陽電池モジュールの基本構造例を表
す分解説明図
【図7】本発明の太陽電池モジュールの構造例を表す説
明図で、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)におけるA−
A断面図、(ハ)は(ロ)の要部説明図
【図8】本発明の太陽電池モジュールの構造例を表す説
明図で、(イ)は図7(イ)におけるB−B断面図、
(ハ)は同C−C断面図
【図9】本発明の太陽電池モジュールを屋根に取り付け
た例を表す家屋の全体説明図
【図10】本発明の太陽電池モジュールを屋根に取り付
けた場合の断面構造例を表す説明図
【図11】屋根端部に設けられる本発明の太陽電池モジ
ュールの構造例を表す説明図
【図12】本発明の太陽電池モジュールに用いる太陽電
池パネルの構造例を表す断面説明図
【図13】本発明の太陽電池モジュールの製造方法例を
表す説明図
【図14】本発明の太陽電池モジュールの製造方法例を
表す説明図
【図15】本発明の太陽電池モジュールの構造例を表す
説明図
【図16】本発明の太陽電池モジュールの構造例を表す
説明図
【図17】従来の太陽電池モジュールの構造を表す説明
【符号の説明】
1 透光板 3 太陽電池パネル 5 防水シート 7 出力線 9 木製枠体 9a 長辺部材 9b 短辺部材 11 第1の断熱材 11a 溝 11b 1枚の断熱材 13 枠体の外側面 15 第2の断熱材 17、100 太陽電池モジュール 21 導線 21a 接続用線 21b 接続点 23 取り付け具 25 太陽電池パネル構造 27 横桟 31 上板 37 コーキング材 39 ジョイント下地材 39a ジョイント用パッキン 39b 補助パッキン 41 パネル側シール材 43 端部シール材 45 突起部 45a 防水パッキン 47 切欠部 49 枠上面シール材 51 家屋 53 母屋 55 屋根 57 センタフレーム 59、59a 調整部 61 非晶質シリコン太陽電池層 63 充填材 65 バックシート 67 クッション材 69 防水テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−34982(JP,A) 特開 平6−181333(JP,A) 特開 平6−77514(JP,A) 実開 昭63−106150(JP,U) 実開 昭63−159850(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/04 - 31/078

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光板の受光面とは反対側の面側に太陽電
    池素子を配置するとともに、受光面とは反対側の面上に
    出力端子を設けてなる複数の太陽電池パネルと、前記複数の太陽電池パネルを支持するための 方形状の枠
    体と、前記複数の太陽電池パネルの受光面とは反対側の面に密
    着して設けられ、前記枠体の開口部を閉塞し且つその外
    縁部を当該枠体の外側面まで延設してなる防水シート
    と、 前記枠体の内部空間に収容され、前記太陽電池パネルの
    受光面とは反対側の面に対し、前記防水シートを介在さ
    せて密着してなる 断熱材と、前記各太陽電池パネルの出力端子に接続され、前記防水
    シートを貫通するとともに、前記断熱材における太陽電
    池パネルと反対側の面と太陽電池パネルとの間に介装し
    た状態で枠体外部まで延設してなる出力線と、を備えた
    太陽電池モジュール。
  2. 【請求項2】防水シートと、断熱材における太陽電池パ
    ネルと反対側の面との間に、枠体の相対向する2辺間方
    向に2本一組の導線を配置し、出力線と導線とを電気的
    に接続した請求項1記載の太陽電池モジュール。
  3. 【請求項3】前記断熱材の中央に一方向に延びる溝を設
    け、各太陽電池パネルの出力線を前記溝内に挿通収容し
    てなる請求項1または2記載の太陽電池モジュール。
  4. 【請求項4】透光板の受光面とは反対側の面側に太陽電
    池素子を配置するとともに、受光面とは反対側の面上に
    出力端子を設けてなる複数の太陽電池パネルと、前記複数の太陽電池パネルを支持するための 方形状の枠
    体と、前記複数の太陽電池パネルの受光面とは反対側の面に密
    着して設けられ、前記枠体の開口部を閉塞し且つその外
    縁部を当該枠体の外側面まで延設してなる防水シート
    と、 前記枠体の内部空間に収容され、前記太陽電池パネルの
    受光面とは反対側の面に対し、前記防水シートを介在さ
    せて密着してなる 断熱材と、前記各太陽電池パネルの出力端子に接続され、前記防水
    シートを貫通するとともに、前記断熱材の太陽電池パネ
    ルと反対側の面まで取り出してなる出力線と、を備えた
    太陽電池モジュール。
  5. 【請求項5】枠体によって囲まれる空間内の適所に、枠
    体の相対向する2辺間方向に2本一組の導線を配置する
    とともに、一組の導線から2本の接続用線を分岐し、少
    なくとも太陽電池パネルからの出力線を断熱材における
    太陽電池パネルと反対側の面の外部まで取り出して、接
    続用線と出力線を断熱材における太陽電池パネルと反対
    側の面の外部で接続した請求項4記載の太陽電池モジュ
    ール。
  6. 【請求項6】前記枠体の底部に前記断熱材を支持する複
    数の横桟を設け、これら横桟に設けた切欠部内を通じ
    て、当該枠体の相対向する2辺間方向に前記2本一組の
    導線を渡設してなる請求項4または5記載の太陽電池モ
    ジュール。
  7. 【請求項7】防水シートが粘着性を有するものである請
    求項1〜6の何れか1項に記載の太陽電池モジュール。
  8. 【請求項8】前記断熱材を、前記枠体の内部空間に、該
    断熱材の上面が前記枠体の上面と略同一平面内に位置す
    るように収容してなる請求項1〜7の何れか1項に記載
    の太陽電池モジュール。
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