JP3552243B2 - リニアボールベアリング - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、測定機器、精密加工機械、一般産業機械等に適用可能なリニアボールベアリングに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、リニアボールベアリング１は、図５に示すように軌道部分を含む外周部分２にベアリング鋼、クロームモリブデン鋼等の焼入れ鋼を採用し、フランジ３等の取付部分を外周部分と一体の焼入れ鋼を用いるか、取付部分に軟鋼を適用して製造することが一般的に行われてきた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる構造のリニアボールベアリング１によると、重量が大きく、しかも、取付部分を含む外周部分２を切削加工を主とする工程により製造しているので、製造コストを抑えることは困難である。
本発明はかかる不都合を改善するためになされたもので、より軽量で、安価なリニアボールベアリングを提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために、本発明は中空状の軸受本体内壁に多数の軸受ボールの無限軌道を有する保持器を、全体に亘って薄肉状の軌道部材を密接介在させて装着する構成とし、前記軸受本体を軽合金による鋳造、または合成樹脂等の成形加工によって形成する一方、前記軌道部材を、焼入鋼、窒化鋼等の硬化金属部材、またはセラミックス等の成形部材によって形成したことを特徴とする。
【０００５】
【作用】
負荷のかかる軸受ボールの接触部である軌道部材には焼入れ鋼、又はセラミックス等の硬質材料を採用しているので、ベアリングとしての必要な強度を損なうことはない。また、軸受本体を軽合金、または合成樹脂等の成形加工部材で形成しているので、全体を軽量化することができ、且つ、切削加工はほとんど不要となり、加工が容易であるので製造コストを抑制することができる。
【０００６】
【実施例】
次に、本発明にかかるリニアボールベアリングの一実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図１にリニアボールベアリング１０を示し、このリニアボールベアリング１０は、円筒形状の軸受本体１１と、軸受本体１１内壁に装着した保持器１２とを有する。この保持器１２は、軸受本体１１内壁に沿って装入されると共に、軸受本体１１両端部において止め輪１３によって固定している。また、かかる保持器１２には鋼球１４を無限循環させるようにした軌道１５が複数形成されている。
前記軸受本体１１と保持器１２との間には、前記軌道１５を覆うようにした薄肉状の軌道部材１６が介在されている（図２参照）。
【０００７】
以上のようなリニアボールベアリング１０において、軸受本体１１は、例えばアルミニウム合金等の軽合金による鋳造、または合成樹脂等の成形加工によって形成されている。一方、軌道部材１６は、例えば、焼入鋼、窒化鋼等の硬化金属部材、またはセラミックス等の成形部材等の薄肉状の硬質材料によって形成されている。
【０００８】
次に、かかる構成のリニアボールベアリング１０について製造工程を説明する。軌道部材１６は、焼入鋼、又はセラミックス等で製造し、予め熱処理を施しておく。
一方、軸受本体１１はアルミニウム合金等による鋳造、ダイキャスト、または合成樹脂等の射出成形によって形成し、前記軌道部材１６をインサートして、保持器１２を装着し、軸受本体１１両端部から止め輪１３を取り付けて保持器１２を固定する。
なお、かかる軸受本体１１は、金型によって、軸受本体１１の各部分の形状および寸法が所定の形状、寸法になるので、切削加工等、追加加工はほとんどなく、外径及び軌道面の研削をすれば、この部品は完成する。
このように、リニアボールベアリング１０は特に手間のかかる軸受本体１１が、金型によって形成され、しかも、切削加工等、追加加工はほとんど不要となるので、製造工程が大幅に簡略化され、しかも、材質に比重の軽い軽合金の鋳物や、合成樹脂等の成形部材を採用したので、軽量化が可能となる。
【０００９】
本発明は、図３、図４に示すリニアボールベアリング２０によっても実施することができる。
この場合、リニアボールベアリング２０は、軸受本体２１と取付部２２は一体構造であり、アルミニウム合金等による鋳造、ダイキャスト、または合成樹脂等の射出成形によって形成することができる。すなわち、軸受本体２１と取付部２２は金型によって、軸受本体１１の各部分の形状および寸法が所定の形状、寸法とすることができ、切削加工等、追加加工はほとんど不要である。
【００１０】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、硬度の必要な軌道部分を硬質材料で、その他取付部分を含む外周部分を軽合金、又は合成樹脂等で製作するので、全体が軽くなり、又、切削加工等、追加加工はほとんど不要となるので、製造工程が大幅に簡略化され、製造原価を抑えることができる。
【００１１】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明にかかるリニアボールベアリングの一実施例を示す一部縦断面説明図である。
【図２】図１に示すリニアボールベアリングのＡ−Ａ線に沿って切断して見た切断矢視図である。
【図３】本発明にかかるリニアボールベアリングの別の実施例を示す一部縦断面説明図である。
【図４】図３に示すリニアボールベアリングのＡ−Ａ線に沿って切断して見た切断矢視図である。
【図５】従来のフランジ付リニアボールベアリングを示す一部縦断面説明図である。
【図６】図５に示すフランジ付リニアボールベアリングのＡ−Ａ線に沿って切断して見た切断矢視図である。
【符号の説明】
１０、２０ リニアボールベアリング
１１、２１ 軸受本体
１２ 保持器
１３ 止め輪
１４ 鋼球
１５ 軌道
１６ 軌道部材
２２ 取付部
【産業上の利用分野】
本発明は、測定機器、精密加工機械、一般産業機械等に適用可能なリニアボールベアリングに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、リニアボールベアリング１は、図５に示すように軌道部分を含む外周部分２にベアリング鋼、クロームモリブデン鋼等の焼入れ鋼を採用し、フランジ３等の取付部分を外周部分と一体の焼入れ鋼を用いるか、取付部分に軟鋼を適用して製造することが一般的に行われてきた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる構造のリニアボールベアリング１によると、重量が大きく、しかも、取付部分を含む外周部分２を切削加工を主とする工程により製造しているので、製造コストを抑えることは困難である。
本発明はかかる不都合を改善するためになされたもので、より軽量で、安価なリニアボールベアリングを提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために、本発明は中空状の軸受本体内壁に多数の軸受ボールの無限軌道を有する保持器を、全体に亘って薄肉状の軌道部材を密接介在させて装着する構成とし、前記軸受本体を軽合金による鋳造、または合成樹脂等の成形加工によって形成する一方、前記軌道部材を、焼入鋼、窒化鋼等の硬化金属部材、またはセラミックス等の成形部材によって形成したことを特徴とする。
【０００５】
【作用】
負荷のかかる軸受ボールの接触部である軌道部材には焼入れ鋼、又はセラミックス等の硬質材料を採用しているので、ベアリングとしての必要な強度を損なうことはない。また、軸受本体を軽合金、または合成樹脂等の成形加工部材で形成しているので、全体を軽量化することができ、且つ、切削加工はほとんど不要となり、加工が容易であるので製造コストを抑制することができる。
【０００６】
【実施例】
次に、本発明にかかるリニアボールベアリングの一実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図１にリニアボールベアリング１０を示し、このリニアボールベアリング１０は、円筒形状の軸受本体１１と、軸受本体１１内壁に装着した保持器１２とを有する。この保持器１２は、軸受本体１１内壁に沿って装入されると共に、軸受本体１１両端部において止め輪１３によって固定している。また、かかる保持器１２には鋼球１４を無限循環させるようにした軌道１５が複数形成されている。
前記軸受本体１１と保持器１２との間には、前記軌道１５を覆うようにした薄肉状の軌道部材１６が介在されている（図２参照）。
【０００７】
以上のようなリニアボールベアリング１０において、軸受本体１１は、例えばアルミニウム合金等の軽合金による鋳造、または合成樹脂等の成形加工によって形成されている。一方、軌道部材１６は、例えば、焼入鋼、窒化鋼等の硬化金属部材、またはセラミックス等の成形部材等の薄肉状の硬質材料によって形成されている。
【０００８】
次に、かかる構成のリニアボールベアリング１０について製造工程を説明する。軌道部材１６は、焼入鋼、又はセラミックス等で製造し、予め熱処理を施しておく。
一方、軸受本体１１はアルミニウム合金等による鋳造、ダイキャスト、または合成樹脂等の射出成形によって形成し、前記軌道部材１６をインサートして、保持器１２を装着し、軸受本体１１両端部から止め輪１３を取り付けて保持器１２を固定する。
なお、かかる軸受本体１１は、金型によって、軸受本体１１の各部分の形状および寸法が所定の形状、寸法になるので、切削加工等、追加加工はほとんどなく、外径及び軌道面の研削をすれば、この部品は完成する。
このように、リニアボールベアリング１０は特に手間のかかる軸受本体１１が、金型によって形成され、しかも、切削加工等、追加加工はほとんど不要となるので、製造工程が大幅に簡略化され、しかも、材質に比重の軽い軽合金の鋳物や、合成樹脂等の成形部材を採用したので、軽量化が可能となる。
【０００９】
本発明は、図３、図４に示すリニアボールベアリング２０によっても実施することができる。
この場合、リニアボールベアリング２０は、軸受本体２１と取付部２２は一体構造であり、アルミニウム合金等による鋳造、ダイキャスト、または合成樹脂等の射出成形によって形成することができる。すなわち、軸受本体２１と取付部２２は金型によって、軸受本体１１の各部分の形状および寸法が所定の形状、寸法とすることができ、切削加工等、追加加工はほとんど不要である。
【００１０】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、硬度の必要な軌道部分を硬質材料で、その他取付部分を含む外周部分を軽合金、又は合成樹脂等で製作するので、全体が軽くなり、又、切削加工等、追加加工はほとんど不要となるので、製造工程が大幅に簡略化され、製造原価を抑えることができる。
【００１１】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明にかかるリニアボールベアリングの一実施例を示す一部縦断面説明図である。
【図２】図１に示すリニアボールベアリングのＡ−Ａ線に沿って切断して見た切断矢視図である。
【図３】本発明にかかるリニアボールベアリングの別の実施例を示す一部縦断面説明図である。
【図４】図３に示すリニアボールベアリングのＡ−Ａ線に沿って切断して見た切断矢視図である。
【図５】従来のフランジ付リニアボールベアリングを示す一部縦断面説明図である。
【図６】図５に示すフランジ付リニアボールベアリングのＡ−Ａ線に沿って切断して見た切断矢視図である。
【符号の説明】
１０、２０ リニアボールベアリング
１１、２１ 軸受本体
１２ 保持器
１３ 止め輪
１４ 鋼球
１５ 軌道
１６ 軌道部材
２２ 取付部
Claims (1)
- 中空状の軸受本体内壁に多数の軸受ボールの無限軌道を有する保持器を、全体に亘って薄肉状の軌道部材を密接介在させて装着する構成とし、前記軸受本体を軽合金による鋳造、または合成樹脂等の成形加工によって形成する一方、前記軌道部材を、焼入鋼、窒化鋼等の硬化金属部材、またはセラミックス等の成形部材によって形成したことを特徴とするリニアボールベアリング。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11326293A JP3552243B2 (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | リニアボールベアリング |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11326293A JP3552243B2 (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | リニアボールベアリング |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH074433A JPH074433A (ja) | 1995-01-10 |
| JP3552243B2 true JP3552243B2 (ja) | 2004-08-11 |
Family
ID=14607706
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11326293A Expired - Lifetime JP3552243B2 (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | リニアボールベアリング |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3552243B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN111347178A (zh) * | 2020-05-13 | 2020-06-30 | 常州奥旋重型轴承有限公司 | 一种用于激光切割设备上带底板的整体式轴承 |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001039924A2 (en) * | 1999-12-01 | 2001-06-07 | M Cubed Technologies, Inc. | Macrocomposite guideway and gib produced therefrom |
| US6960022B2 (en) | 1999-12-01 | 2005-11-01 | Kulicke & Soffa Investments, Inc. | Macrocomposite guideway and gib produced therefrom |
| IT1391946B1 (it) * | 2008-11-18 | 2012-02-02 | Race Spa T | Guida lineare e metodo per produrla. |
| JP6119219B2 (ja) * | 2012-12-05 | 2017-04-26 | 株式会社豊田中央研究所 | フリーピストンエンジン駆動リニア発電機 |
-
1993
- 1993-05-14 JP JP11326293A patent/JP3552243B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN111347178A (zh) * | 2020-05-13 | 2020-06-30 | 常州奥旋重型轴承有限公司 | 一种用于激光切割设备上带底板的整体式轴承 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH074433A (ja) | 1995-01-10 |
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