JP3552010B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2成分現像剤を用いる現像装置を有する画像形成装置、特にPPC、PPF、レーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写機やプリンタ等の画像形成装置に用いられる現像装置においては、現像剤として磁性キャリアと磁性あるいは非磁性のトナーを混合した二成分系現像剤を用いる場合があり、この二成分系現像剤を用いる際には、撹拌混合されてキャリアとトナーとが互いに逆極性の摩擦帯電を施された現像剤が現像ローラに向けて供給されるようになっている。
この現像剤は、内部に現像主極用および現像剤搬送用の磁石を設けた現像ローラの表面に磁気ブラシを形成された状態で担持され、感光体上に形成された静電潜像によって静電吸着されて、潜像の可視像処理に用いられる。
磁気ブラシで現像を行う現像装置では、現像ローラを1本だけ設ける場合があるが、この場合には、感光体に対する現像領域が比較的狭いため、十分な現像剤の供給が行なえないことがある。
【0003】
従って、感光体の線速に対して現像ローラの線速を例えば、3倍乃至それ以上に設定して現像剤の供給量の不足を補うことが必要になる。
しかしながら、このような線速比を設定した場合には、感光体上で可視像とされた画像の後端または前端にベタクロス白抜けといわれる欠損部が生じる虞れがあった。
そこで、現像ローラを感光体の移動方向に沿って複数並列して現像領域を長くする構造が提案されているのであるが、複数の現像ローラを設けた場合には、スリーブ表面に担持されている現像剤の一部がスリーブの回転に連動して移動する際に、現像ローラ同士が最も接近している位置の隙間を通り抜けてしまい、隣合う現像ローラでの適正な現像剤の受渡しが行なわれなって所定の搬送経路を移動しなくなる現像剤の連れ回りと称される不具合が生じる場合がある。
【0004】
連れ回りとは、詳細を図6を参照して説明すると、感光体11の移動方向12に沿って上下関係を設定して現像ローラ13、14を配置し、下側の現像ローラ14に対して撹拌混合された現像剤を供給し、この現像ローラ14から上側の現像ローラ13に向け現像剤を搬送する一方、上側の現像ローラ13から下側の現像ローラ14に向け感光体11との対向部である現像領域に沿って現像剤を移行させる構成とした場合、符号15で示すように、上側の現像ローラ13に供給された現像剤の一部が、下側の現像ローラ14に向け受け渡されないままで現像ローラ同士の最も接近している位置の隙間を通り、現像ローラをはさんで現像領域と反対側に持ち来されてしまったり、あるいは、パドルホイール等(図示せず)から放出された現像剤の一部が下側の現像ローラ14に到達した場合、符号16で示すように、下側の現像ローラ14の磁力によって吸着されたままとなり、現像ローラ同士の最も接近している位置の隙間を通って、直接、下側の現像ローラ14における感光体11との対向部に搬送されてしまったりする現象をいう。符号17は正常な現像剤の流れを示している。
【0005】
連れ回りには、符号15で示すように、上側の現像ローラ13に担持されている現像剤の一部が連れ回る上連れ回りと、符号16で示すような、下側の現像ローラ14に担持されている現像剤の一部が連れ回る下連れ回りとがある。
連れ回りが生じると、例えば、上連れ回りの場合には、下側の現像ローラへの現像剤の受渡し量が不足することによって、下側の現像ローラに担持される現像剤の量が低下して画像濃度の低下を引き起こしたり、トナーの飛散が発生したりする虞れがあり、また、下連れ回りの場合には、現像ローラに担持される現像剤の量が過剰になり、感光体に現像剤を接触させた場合に感光体側での回転負荷を変動させて速度ムラを生じ、画像に縞状の濃度ムラを起こしたり、担持量の過剰分が現像装置のハウジングの一部に衝突して突き崩されて落下し、周辺を汚染してしまう虞れがある。
【0006】
そこで、特開平5−34637号公報記載の構成は、感光体の移動方向に沿って配置されている現像ローラ同士の対向位置において、少なくとも一方の現像ローラの内部には、互いに同極を設定された2個の磁石を現像ローラの周方向に沿って配置することにより、これら2個の磁石による反発磁界が、現像剤の両現像ローラ間への進入を防止して連れ回りを回避し、画像濃度ムラや感光体の負荷変動を生じないようにすることとしている。
【0007】
また、特願平7−260702号公報記載の構成は、図7に示すように、感光体18の矢印19で示す移動方向下流側に位置する現像ローラ21の内部に、上流側の現像ローラ20内の磁石P31、P32の極性Sと異極である極性Nを設定された磁石P41を配置し、上流側の現像ローラ20内の磁石P31、P32と下流側の現像ローラ21内の磁石P41との磁束密度差を±10mT以下に設定することにより、上流側の現像ローラ20内の磁極P31、P32から下流側の現像ローラ21内の磁極P41に、これら磁極の極性が異なることを利用して受け渡すことによって、現像剤の上連れ回り、下連れ回りを防止するとともに、高速複写機等においても、現像剤の持つ運動エネルギーの増加による上回りを防止して、上流側の現像ローラ20から下流側の現像ローラ21への現像剤の搬送を行うこととしている。一点鎖線は磁極の中心線を示している(図6参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特願平7−260702号公報記載の構成は、上記特開平5−34637号公報記載の構成における連れ回りの問題を回避するため、感光体18の移動方向19における下流側に位置する現像ローラ21側の内部に、上流側の現像ローラ20内の磁石P31、P32の極性Sと異極である極性Nを設定された磁石P41を配置し、上流側の現像ローラ20内の磁石P31、P32と下流側の現像ローラ21内の磁石P41との磁束密度差を±10mT以下に設定したにも拘らず、図8に示すように、複写機の高速化に伴う現像ローラ20、21の回転速度の高速化による現像剤の運動エネルギーの増加が起こり、上流側現像ローラ20上の現像剤から下流側の現像ローラ21への、下流側の現像ローラ21の磁気吸引力による現像剤の搬送が充分に行われずに上連れ回りが発生したり、図9に示すように、上流側の現像ローラ20の2つの磁極P31、P32の反発磁界で下連れ回りの防止を図ったものの、下流側の現像ローラ21の磁極P41の極性Nは上流側の現像ローラ20の磁極P31、P32の極性Sに対して異極であるため、図示しないパドルホイール等によって搬送されてきた現像剤が、矢印22で示すように一旦は上流側の現像ローラ20に供給されても、矢印23で示すように下流側の現像ローラ21に吸着されてしまい、依然として下連れ回りが発生したり、上流側の現像ローラ20内の磁石P31、P32と下流側の現像ローラ21内の磁石P41との磁束密度差を±10mT以下に設定するためにはそれぞれの現像ローラを精度よく製造し、かつ精度よく位置決めする必要があり、コスト上昇を招いてしまったりする等の様々な問題があった。また、上流側の現像ローラ20上の現像剤がこの現像ローラ内の磁石P31、P32による反発磁極によって飛翔しても、飛翔する位置が一定とならずに画像濃度ムラが発生してしまうという問題もあった。
【0009】
本発明の目的は、上記問題を解決し、簡単な構造によって、コスト上昇を招くことなく、上連れ回りおよび下連れ回りを効果的に防止し、上流側の現像ローラ上の現像剤の飛翔を安定して行うことができる現像装置を備えた画像形成装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、潜像担持体の移動方向に沿って複数並列され、内部に複数の磁極を有する磁気ブラシ現像ローラを備えた現像装置を具備する画像形成装置において、上記潜像担持体の上記移動方向における上流側に配置された上記現像ローラ内の磁極のうち、上記現像ローラ同士が最も接近している位置に対し、現像ローラの回転方向における上流側に位置する第1の磁極および下流側に位置する磁極の極性、および、上記潜像担持体の上記移動方向における下流側に配置された上記現像ローラ内の磁極のうち、上記現像ローラ同士が最も接近している位置に対応する第2の磁極の極性を同極とし、現像剤を、同極の極性とした第1の磁極から第2の磁極に受け渡す現像装置を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、極性を同極とされた上記磁極の磁束密度の大きさを、上記潜像担持体の上記移動方向における上流側に配置された上記現像ローラの上記磁極の磁束密度の大きさが、上記潜像担持体の上記移動方向における下流側に配置された上記現像ローラの上記磁極の磁束密度の大きさよりも小さくなるように設定した現像装置を備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、極性を同極とされた上記磁極のうち、上記潜像担持体の上記移動方向における上流側に配置された上記現像ローラの上記磁極の磁束密度の大きさを20mT以上とした現像装置を備えることを特徴とする。
【0012】
【実施例】
図1に本発明の一実施例としての画像形成装置に備えられた現像装置の断面図を示す。現像装置1は、現像容器1Aとトナー補給部1Bとで構成されている。現像容器1Aは、矢印A0で示す方向に移動可能な潜像担持体としてのドラム状の感光体(以下、感光体ドラムという)2の近傍に配置され、トナー補給部1Bは現像容器1Aに搭載されている。
感光体ドラム2には、周知の帯電手段、画像露光手段(いずれも図示せず)によって静電潜像が形成される。
【0013】
現像容器1Aの内部には、撹拌ローラ3およびパドルホイール4が設けられており、撹拌ローラ3により撹拌混合されて互いに逆極性に摩擦帯電させられた磁性あるいは非磁性のトナーと磁性キャリアとからなる二成分系現像剤がパドルホイール4により、感光体ドラム2に近接配置された複数の現像ローラ5、6へ供給される。トナー補給部1Bは、例えば、感光体ドラム2に供給されるトナーの濃度が低下した場合に、トナー補給ローラ1B1の回転によりトナーTを撹拌ローラ3に向け繰り出すようになっている。
現像ローラ5、6は、感光体ドラム2の移動方向に沿って上流側および下流側に配置されている。上流側に位置するものを第1の現像ローラ5とし、下流側に位置するものを第2の現像ローラ6とする。
【0014】
第1、第2の現像ローラ5、6はそれぞれ、図示しない駆動部により図において反時計方向に回転するスリーブ5A、6Aとこのスリーブ5A、6Aの内部に固定的に配置されているマグネットローラ5B、6Bとを主要部として備えている。スリーブ5A、6Aは、アルミニウムあるいはステンレス鋼等の非磁性体で構成されている。マグネットローラ5B、6Bは、フェライト磁石あるいはゴム磁石さらにはナイロン粉末とフェライト粉末とを混練して成形した磁極を周方向に沿って複数配置した構造である。なお、この磁極の極性や位置関係に関しては、後に詳述する。
現像容器1A内には、第1の現像ローラ5の周面が感光体ドラム2と対向する前に現像ローラ5に担持されている磁気ブラシの層厚を規制するためのドクターブレード7と、端部8Aをドクターブレード7の近傍に位置させ、他の端部8Bを撹拌ローラ3の上位に位置させたセパレータ8とが配置されている。セパレータ8の端部8Bには、回転可能な搬送スクリュー9が配置されている。
【0015】
パドルホイール4の回転によって汲み上げられ、その回転の遠心力によって第1の現像ローラ5の方へ供給された現像剤の一部は、矢印A1で示すように、直接第1の現像ローラ5に供給されてそのスリーブ5Aの表面に担持される。また、放出される現像剤の他の一部は第2の現像ローラ6のスリーブ6Aに突き当たることにより跳ね返り、マグネットローラ5Bの磁力によりスリーブ5Aの表面に担持される。
第1の現像ローラ5への現像剤の供給を第2の現像ローラ6側からも行なうようにするために、スリーブ6Aからの跳ね返り量を多くする目的でパドルホイール4の回転速度を高速化し、遠心力を増大させている。
【0016】
スリーブ5Aに担持された現像剤は、その回転によりドクターブレード7によって層厚を規制された上で、現像ローラ5と感光体ドラム2とが対向する第1の現像領域D1に達して一部が感光体ドラム2上の潜像に移動して現像を行い、その他は更に搬送されて第2の現像ローラ6側で、そのスリーブ6Aの回転およびマグネットローラ6Bからの磁力によって、破線で示すように、第2の現像ローラ6と感光体ドラム2とが対向する第2の現像領域D2に向け搬送されて現像を行い、更に搬送されてマグネットローラ6Bの磁力が作用しなくなる位置で現像容器1Aの底部に落下してパドルホイール4の方に移動し、再度、パドルホイール4により撹拌される。
【0017】
ドクターブレード7によって掻き取られた現像剤は、セパレータ8によってその端部8Bに位置する搬送スクリュー9に向け案内され、搬送スクリュー9により撹拌ローラ3上に降り落されるようになっている。このため、端部8Bには、現像剤を落下させるためのスリットが撹拌ローラ3と対向する位置に形成されている。
現像剤で現像された感光体ドラム2上の可視像は、周知の転写手段(図示せず)により、感光体ドラム2の回転と同期して搬送されてきた記録紙に転写され、記録紙上のトナー像が周知の定着装置(図示せず)で定着される。トナー像定着後の記録紙は排紙トレー(図示せず)上に排出される。一方、転写後の感光体ドラムは周知のクリーニング手段(図示せず)によりクリーニングされる。感光体ドラム2上の可視像は、直接記録紙に転写するのではなく、周知の転写ベルトを介して転写紙に転写しても良い。この場合、現像装置は感光体ドラムに対して複数設置される。
【0018】
本実施例における現像ローラ5、6に設けられているマグネットローラ5B、6Bは、磁極の配列をそれぞれ次のように設定されている。
図1および図2において、現像ローラ内に示された一点鎖線は、磁極の中心線を示すものであり、第1の現像ローラ5の磁極は、符号P01〜P05で示すように周方向に沿って奇数個、第2の現像ローラ6の磁極も、符号P11〜P13で示すように周方向に沿って奇数個配置されている。
これら磁極による現像剤の搬送順序は、P02→P03→P04→P05→P01→P11→P12→P13の順に設定され、この搬送を可能にするために各磁極の極性は、図2に示すように、上記搬送順序に従ってS極から始めて、P02(S極)→P03(N極)→P04(S極)→P05(N極)→P01(S極)→P11(S極)→P12(N極)→P13(S極)というように、磁極P01と磁極P11との間で同極に配置されているのを除いて交互に異極が配置されている。
【0019】
第1の現像ローラ5においては、磁極P01と磁極P02とが同極すなわちS極同士で並んでおり、この同極同士が並ぶ位置は、現像ローラ5、6同士が最も接近している位置に対して、磁極P01が第1の現像ローラ5の回転方向上流側に、磁極P02が第1の現像ローラ5の回転方向下流側にそれぞれ配置されている。
第2の現像ローラ6おいては、第1の現像ローラ5内のP01とP02と同極のS極であるP11が、現像ローラ5、6同士の最も接近している位置に対応して配置されている。
【0020】
従って、第1の現像ローラ5と第2の現像ローラ6とが最も接近している部分のこれら両ローラ5、6間には、全て同極とされた磁極P01、P02およびP11により、反発磁界が形成され、現像剤に対し、いわゆるバリアを形成している。
本実施例は以上のような構成であるから、パドルホイール4から第1の現像ローラに向け供給された現像剤は、第1の現像ローラ5に担持されながら第1の現像領域D1に向け搬送され、第1の現像領域D1を通過した現像剤が磁極P01の位置に達すると、この磁極と同極に設定されている磁極P02との間に発生している反発磁界によって、現像ローラ5、6が最も接近している位置に進入するのを阻まれる。かりに、磁極P11が従来のように磁極P01、P02と異極であれば、上記進入を拒まれた現像剤は、磁極P11に引き寄せられて第2の現像ローラ6に受け渡される。これに対し、本実施例では磁極P11が磁極P01、P02と同極であるので、磁極P11によっても反発磁界が発生しており、行き場のない現像剤は瞬間的には磁極P01で停滞し、第2の現像ローラ6にすぐには受け渡されない。しかし、現像剤は第1の現像ローラ5のスリーブ5Aの回転により連続的に磁極P01に向かって搬送されてくるため、図3に示すように、停滞していた現像剤は押し出されて矢印10で示すように飛翔し、飛翔した現像剤は磁極P01に最も近接している磁極P11に捕捉されスリーブ6Aに担持される。現像剤の移送方向はこのように第2の現像ローラ6に向かう方向に強制的に設定されて第2の現像ローラ6に受け渡される。この作用は図7に示した従来技術における作用と著しく異なっており、この従来技術よりも確実に上連れ回りを防止している。
【0021】
更に、図9に示すように従来技術では、上流側の現像ローラ20内の磁極P31、P32の極性Sと下流側の現像ローラ21内の磁極P41の極性Nとは異極であるため一旦は上流側の現像ローラ20に供給された現像剤が下流側の現像ローラ21側に吸引されることにより下連れ回りが発生していたが、本実施例では第1の現像ローラ5と第2の現像ローラ6とが最も近接している位置には反発磁界が形成されるため、そのような下連れ回りをも回避する。
また、本実施例においては、磁極P01の磁束密度の大きさはP11の磁束密度の大きさよりも小さくなるように、且つ、磁極P01の磁束密度の大きさは20mT以上となるように設定されている。
【0022】
図4に現像ローラが高速回転したときの上連れ回りの有無を、磁極P01、P02の磁束密度に関して整理した実験結果を示す。この図から明らかなように、第1の現像ローラ5内の磁極P01の磁束密度が、第2の現像ローラ内の磁極P11の磁束密度を下回ると、現像剤の増加した運動エネルギーよりも磁極P11の磁気吸引力が勝り、現像剤の上連れ回りは発生しないが、第1の現像ローラ5内の磁極P01の磁束密度が、第2の現像ローラ内の磁極P11の磁束密度を上回ると、上回っている量が多いほど上連れ回りの量も多くなる。
同図は、第1の現像ローラ5内の磁極P01の磁束密度が20mT以下になると、磁極P01、P02の磁束密度の大小関係に拘らず、画像濃度ムラが発生することも示している。これは、図5に示すように、第1の現像ローラ5’内の磁極P’01の磁束密度が20mT以下であるというような磁束密度が極めて低い状態にあっては、磁極P’01の現像剤の磁気吸引力が弱いため、矢印10’で示すように現像剤が飛翔を開始する位置が一定とならず、第2の現像ローラ6’上の現像剤の量に部分的なムラが生ずることによる。
【0023】
しかし、本実施例は、磁極P01の磁束密度の大きさをP11の磁束密度の大きさよりも小さくなるように、且つ、磁極P01の磁束密度の大きさを20mT以上となるように設定しているので、常に図4において良好で示す領域で現像を行うため、複写機を高速に運転した場合にも、現像剤の上回りを防止し、画像濃度ムラの発生を回避することができる。なお、磁束密度とは、現像ローラの表面において、この表面と垂直方向の磁束密度をいう。
本実施例は、感光体ドラムの移動方向に沿って並列された2つ現像ローラが最も接近する位置に対し、感光体ドラムの移動方向における上流側の現像ローラの回転方向における上流側と下流側に磁極を設け、上記2つの現像ローラが最も接近する位置に対応する位置に、感光体ドラムの移動方向における上流側の現像ローラに磁極を設けたが、感光体ドラムの移動方向における上流側の現像ローラ内の磁極と下流側の現像ローラ内の磁極の位置関係を入替えた構成としても良い。現像ローラの数は2本に限られず、3本以上の現像ローラを配置することも可能であるし、磁極の極性をN極からS極に、S極からN極にそれぞれ入替えた構成でも良く、また、磁極はマグローラに着磁されたものでも良い。潜像担持体は感光体ドラムに限らず、無端ベルト状のものでも良い。
【0024】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、潜像担持体の上記移動方向における上流側に配置された上記現像ローラ内の磁極のうち、上記現像ローラ同士が最も接近している位置に対し、現像ローラの回転方向における上流側に位置する第1の磁極および下流側に位置する磁極の極性、および、上記潜像担持体の上記移動方向における下流側に配置された上記現像ローラ内の磁極のうち、上記現像ローラ同士が最も接近している位置に対応する第2の磁極の極性を全て同極とするのみの簡単な構成により現像剤に対する有効なバリアを形成することができ、現像剤を、同極の極性とした第1の磁極から第2の磁極に受け渡すので、これら現像ローラを精度良く製造したり、精度良く設置したりする必要がないので、コストの上昇を回避しつつ、現像剤の上連れ回りおよび下連れ回りのいずれをも防止することができ、画像濃度ムラの発生を回避して高品位な画像を得ることができる。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、極性を同極とされた磁極の磁束密度の大きさを、潜像担持体の移動方向における上流側に配置された現像ローラの磁極の磁束密度の大きさが、潜像担持体の移動方向における下流側に配置された現像ローラの磁極の磁束密度の大きさよりも小さくなるように設定したので、反発磁界を良好な条件下で発生させることにより現像剤の移動慣性力に抗して現像剤を現像ローラ間に進入させないようにすることができ、高速複写など、現像ローラが高速に回転し、現像剤の運動エネルギーが増加した場合においても、磁気吸引力を確保することができるので、現像剤の上連れ回り、下連れ回りをより効果的に防止して画像濃度ムラの発生を効果的に防止し、高品位な画像を得ることができる。
【0026】
請求項3記載の発明によれば、極性を同極とされた上記磁極のうち、上記潜像担持体の上記移動方向における上流側に配置された上記現像ローラの上記磁極の磁束密度の大きさを20mT以上としたことにより、反発磁界をより良好な条件下で発生させることができ、この磁極の磁気吸引力を確保することができ、現像剤が飛翔を開始する位置が一定となり、画像濃度ムラの発生を更に効果的に防止して高品位な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての画像形成装置に用いられる現像装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示した現像装置の要部を説明するための模式的な拡大図である。
【図3】本発明の一実施例としての画像形成装置に備えられた現像装置の現像ローラの作用を示すための図である。
【図4】現像ローラ内の磁極の磁束密度と画像形成の特性を示す相関図である。
【図5】現像ローラ内の磁極の磁束密度の条件を変えた場合の作用を示す側面図である。
【図6】従来の画像形成装置に備えられた現像装置における現像ローラの問題点を示す側面図である。
【図7】従来の画像形成装置に備えられた現像装置における現像ローラの作用を示す側面図である。
【図8】図7に示した現像装置における現像ローラの問題点を示す側面図である。
【図9】図7に示した現像装置における現像ローラの別の問題点を示す側面図である。
【符号の説明】
1 現像装置
2 潜像担持体
5 潜像担持体の移動方向における上流側の現像ローラ
6 潜像担持体の移動方向における下流側の現像ローラ
01〜P05 潜像担持体の移動方向における上流側の現像ローラ内の磁極
11〜P13 潜像担持体の移動方向における下流側の現像ローラ内の磁極

Claims (3)

  1. 潜像担持体の移動方向に沿って複数並列され、内部に複数の磁極を有する磁気ブラシ現像ローラを備えた現像装置を具備する画像形成装置において、
    上記潜像担持体の上記移動方向における上流側に配置された上記現像ローラ内の磁極のうち、上記現像ローラ同士が最も接近している位置に対し、現像ローラの回転方向における上流側に位置する第1の磁極および下流側に位置する磁極の極性、および、上記潜像担持体の上記移動方向における下流側に配置された上記現像ローラ内の磁極のうち、上記現像ローラ同士が最も接近している位置に対応する第2の磁極の極性を同極とし、現像剤を、同極の極性とした第1の磁極から第2の磁極に受け渡す現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、極性を同極とされた上記磁極の磁束密度の大きさを、上記潜像担持体の上記移動方向における上流側に配置された上記現像ローラの上記磁極の磁束密度の大きさが、上記潜像担持体の上記移動方向における下流側に配置された上記現像ローラの上記磁極の磁束密度の大きさよりも小さくなるように設定した現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2記載の画像形成装置において、極性を同極とされた上記磁極のうち、上記潜像担持体の上記移動方向における上流側に配置された上記現像ローラの上記磁極の磁束密度の大きさを20mT以上とした現像装置を備えることを特徴とする現像装置。
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