JP3551538B2 - 三次元モデルの作成方法および装置 - Google Patents

三次元モデルの作成方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は三次元モデルの作成方法および装置に関し、更に詳しくは、例えば、形状要素と色要素とからなる三次元物体の表示画面出力用三次元モデルの作成方法および装置に係り、特にリアルタイムアニメーションへの利用に適した三次元モデルの作成に好適な方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータグラフィックスの分野において、形状要素と色要素とから三次元物体のモデルを作成する場合、実在する特定の三次元物体の表現を目的とすることが多い。例えば、三次元の顔モデルの場合、実在する特定の人物、動物あるいは人形の顔の動き、表情を端末画面上に表示出力する目的で三次元モデルを作成することが多い。
【0003】
上述した実物に近い三次元モデルデータを作成するために、従来、例えば三次元デジタイザを用いて実物の形状と色を計測し、得られた計測データに基づいて三次元モデルを作成する方法が知られている。このようにして作成された三次元モデルの主たる用途は、三次元モデルの形状を少しずつ変形して、アニメーションを生成することである。三次元顔モデルの場合、この形状変形によって人物画像の表情を変化させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
三次元モデルによるアニメーションの応用範囲を広げるためには、アニメーションデータを迅速、且つ容易に生成するためのツールが必要となる。しかしながら、三次元デジタイザで実物から得られる形状データは、非常に多くのポリゴン(多角形)からなる多面体を表しており、現在のグラフィック・ワークステーションによって、テクスチャ付きで描画した場合、毎秒1〜2フレームの表示が限度である。このため、三次元ディジタイザの形状データによって得られる表示画面は、物体あるいは人物の動きには滑らかさを欠き、実用的なリアルタイムアニメーションを実現する迄に至っていない。
【0005】
画像処理を容易にし、毎秒の出力フレーム数を増加するためには、形状データに含まれるポリゴンの数を削減すればよい。このようなポリゴン数を削減方法は、例えば、プロシーディングス・オブ・ビジュアライゼーション’93(Proceedings of Visualization ’93;1993年)第189頁から第195頁において論じられている。しかしながら、ポリゴン数を削減しただけでは、個々の形状データについてはその特徴が的確に捉えられているものの、形状を変形して自然な動きをもつ動画像を得ることが難しく、リアルタイムアニメーションの実現に役立つ完全な解決方法を与えていない。
【0006】
本発明の目的は、三次元デジタイザによる計測データを利用して、実用的なアニメーションを実現できる三次元モデルを作成方法および装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、三次元デジタイザによって得られる計測データが含む多面体(ポリゴン)の数に比較して少数の多面体で構成される三次元物体(人物を含む)の基本モデルを用意しておき、この基本モデルにおいて各多面体を形成する頂点の座標および各多面体の色データを、三次元デジタイザによって実物から得た計測データと整合させることを特徴とする。
【0008】
上記基本モデルと実物計測データとの整合は、例えば、基本モデルに含まれる複数の頂点のうち、三次元物体の特徴的な部分に位置する複数の点を予め制御点として定義しておき、これらの制御点と実物計測データから得られる実物像とを表示画面上に重ねて表示し、ユーザに各制御点と実物像上での対応点とを画面上での対話入力によって関係付けさせる。基本モデル上での各制御点と実物像とを同一座標系で表示しておけば、上記対応付けによって、各制御点を計測データが示す実物形状の表面に一致させるための座標修正値(移動量)が求まる。ユーザが対応付けを行う制御点の数は、基本モデルを構成する多面体頂点の一部に過ぎないため、基本モデルの表面を計測データが表す実物表面に完全に整合させるためには、制御点以外の各頂点について、制御点と同様の移動量を与える必要がある。
【0009】
制御点以外の頂点について効率良く移動量を与えるためには、例えば、既に移動量が与えてある制御点によって基本モデルの表面を複数の領域に分割し、各領域内に含まれる多面体の頂点の移動量をその領域を構成する制御点の移動量に基づいて線形補間する。例えば、制御点を3個(あるいは4個)ずつ組み合わせることによって、基本モデルの三次元物体表面を複数の三角形(あるいは四角形)領域に分割し、各領域内に含まれる点(多面体頂点)と該三角形(あるいは四角形)の各頂点との位置関係によって、各点の移動量の値を補間できる。ただし、このようにして補間された移動量は、基本モデル上の各多面体(ポリゴン)の頂点を実物形状の表面に完全に一致させるものではない。従って、基本モデルの各頂点(制御点およびそれ以外の点)の座標を上記移動量に従って変更することにより、基本モデルの多面体頂点を実物の表面に近付けた後、これらの頂点の座標(円柱座標)を表面垂直方向(円柱の半径方向)に微調整(増減)することによって、実物形状の表面と一致させる。
【0010】
なお、基本モデルの各制御点への移動量の付与は、制御点を含む基本モデルと、制御点と重畳させた実物像(計測データ)とを同一の座表系で交互に表示し、基本モデル上で制御点の1つを選択し、この制御点について、実物像上での対応点を指定すればよい。この場合、未処理の制御点と画面上で容易に区別できるようにするために、処理済の制御点については表示色または記号を付加するようにしておくとよい。
【0011】
【作用】
上記構成によれば、比較的少数の多面体からなる基本モデルの各頂点の座標値を、三次元デジタイザによって得られた実物の計測データが示す物体表面(形状データ)に整合させているため、基本モデルが表す三次元物体は、実物に極めて近い外観を備えたものとなる。また、表示に際しては、基本モデルはポリゴン数(データ量)が少ないため、処理が容易であり、各フレームを極めて短時間で出力処理できる。
また、このようにして実測データに整合した基本モデルを対象として、データに修正を加えることによって三次元物体を変形すれば、表示物体が漸次に変化する画像フレームを構成できる。実物に整合させた基本モデルのデータ、およびこれを変形した各フレーム用の基本モデルデータは、上述した理由によって短時間で表示処理できるため、本発明によれば、実物に極めて類似し、且つ、滑らかな動きをするリアルタイムアニメーションに適した三次元モデルを提供できる。
【0012】
【実施例】
図1は、本発による三次元モデル作成装置のシステム構成を示す。
113はプロセッサ(中央処理装置)、111は各種のプログラム(103、105〜107)とデータ(101、102、104)を記憶するための記憶装置、112はユーザによって操作される入力装置、114は三次元モデルを表示するためのディスプレイ装置、115は三次元物体の形状と色を計測するための三次元デジタイザである。
【0013】
三次元デジタイザ115は、三次元デジタイザ制御プログラム107によって制御され、三次元物体の形状と色を計測する。三次元デジタイザ115による計測結果は、上記プログラム107により、計測データ101として記憶装置111に記憶される。基本モデル102は、三次元物体を多面体で表わした三次元形状データであり、リアルタイムアニメーションへの利用に都合がよいように、上記デジタイザの計測データよりも少ないポリゴン数で構成されている。
103は三次元モデル作成プログラムであり、計測データ101と基本モデルデータ102とに基づいて、表示用の三次元モデルデータ104を生成する。上記三次元モデルデータ104は、三次元物体を多面体で表した形状データからなり、そのトポロジーは基本モデルデータ102と同一である。106は、上記三次元モデルデータ104を表示画面114に出力するための三次元モデル表示プログラムである。三次元モデルデータ104の主な利用目的は、後述するように、このデータによって表される三次元物体の形状を変形し、リアルタイムアニメーションを生成することにある。
【0014】
105は、上記三次元物体の形状変形を行うための三次元形状変形プログラムであり、このプログラムは、三次元モデルデータ104と基本モデルデータ102とを入力データとして、入力装置112からのユーザ操作に応答して、三次元モデルデータ104に含まれる三次元物体の形状をリアルタイムで変形する。形状変形の進行状況は、表示プログラム106によって表示画面114上に逐次表示され、リアルタイムアニメーションとなる。
【0015】
上記物体形状の変形処理は、基本モデルデータ102に対して定義された変形方法を、三次元モデルデータ104に含まれる三次元物体の形状に対して、両者のトポロジーが同一であることを手がかりにしてあてはめることによって実行され、三次元モデルデータ104の内容が変わっても、新たな変形方法を定義することなく形状変形処理を実行することができる。上記変形処理には、例えば、特開平4−24876号公報で提案されている三次元物体表面形状の変形方法を適用できる。
【0016】
図2は、本発明による三次元モデルの作成処理の流れを示す。
三次元モデル作成プログラム103は、形状データを表わす多面体の作成処理211と、基本モデルのフィッティング処理212と、色データの修正処理213の3つの処理からなる。計測データ101は、形状データ201と、形状表面に貼るテクスチャの色データ202とから成る。
【0017】
多面体作成処理211は、データ201を形状データを表わす多面体203に変換する。フィッティング処理212では、基本モデル102を三次元デジタイザによって得られた計測データ101に整合(フィット)させるためのものであり、多面体データ203の他に、色データ(202)と基本モデル(102)を入力とし、形状データにフィットした基本モデル(204)を出力する。色データ修正処理213は、ペイントツールによる色の修正によって、色データ(202)を修正された色データ(205)に変換する。
上記三次元モデル作成プログラム103の実行によって、三次元ディジタイザで得られた形状データ201にフィットした基本モデル204と、修正された色データ205とから成る三次元モデル作成結果104が得られる。
【0018】
ここで、三次元デジタイザ(115)によって得られる計測データ101のうち、形状データ201は、物体表面を円柱座標で表わし、角度方向と高さ方向をそれぞれ等間隔、例えば512分割した場合における各位置の半径方向の成分を示す値の列からなる。半径成分の欠落部分の値は、周囲の半径成分値を用いて予め補間されている。色データ202は、これら形状データ201の各半径成分値に対応した色を示す。従って、色データ202は、512画素(高さ方向)×512画素(半径方向)の画像であり、色は24ビットのフルカラーで得られる。計測される物体の高さ方向の範囲が、三次元ディジタイザ装置115の高さ方向の計測可能範囲の約半分、すなわち250ステップ程度になると仮定すると、形状データ201は、物体表面の512×250個の点、すなわち約13万個の点によって構成されることになる。
【0019】
以下、本発明による三次元モデル作成プログラム103の内容について処理毎に詳述する。
「形状データを表わす多面体の作成処理」211:
多面体作成処理211では、三次元ディジタイザで得られた形状データ201、例えば約13万個の点によって構成される形状データ201において、互いに隣接する4点を四角形のポリゴンで単純に結ぶことによって、約13万ポリゴンからなる多面体データ203に変換する。
【0020】
「基本モデルのフィッティング処理」212:
処理211で得られた多面体のポリゴン数「約13万」は、現在のグラフィック・ワークステーションの能力では、テクスチャ付きで描画した場合に、毎秒1〜2フレームの表示が限度であり、滑らかな動きを表現できず、三次元モデルデータ104の最終的な利用目的であるリアルタイムアニメーションに不適当である。そこで、本発明では、高々5000ポリゴン程度の基本モデル102を予め用意しておき、この基本モデルを上記多面体データ203にフィットさせることによって、上記ディジタイザで得られた三次元形状データ201を上記基本モデル102が定義する少数のポリゴンで表現し、表示画面上で実物に近い形状をリアルタイムで滑らかに変化できるようにする。
【0021】
基本モデル102の1例として、図3に、標準的な顔形状の基本モデル401を模式的に示す。基本モデルデータ401は、三次元ディジタイザによって人物の顔を計測した場合に得られる計測データ201と同一の座標系で表せるように、角度方向と高さ方向の比較的少数の位置(点)データからなっており、例えば、領域451に示すように、これらの点を結ぶことによって形成されるポリゴン461は、多面体データ203のポリゴンよりも粗くなっている。本発明では、上記基本モデルの構成点のうちの幾つかを予め「制御点」として定義しておく。黒点411、412、413は、これら制御点の1例を示している。
【0022】
フィッチング処理212では、後述する基本もでると実物の多面体データとの対応付けに先立って、多面体データ203の表面に色データ202をテクスチャとして貼りつけておく。本明細書では、この色データ202を貼りつけた多面体データ203を「計測データを表わす多面体」と呼ぶことにする。
「計測データを表わす多面体」の1例として、図4に、基本モデル401の適用対象となる人物の顔の計測データを表す多面体501を模式的に示す。顔の計測データを表す多面体501は、基本モデル102(401)と同一座標系で表される多数の点からなり、領域551に示すように、きめ細かい多数のポリゴンが形成されている。
【0023】
図5は、基本モデルのフィッティング処理212の1実施例を示すフローチャートである。以下、図3、図4に示した顔モデル401を多面体データ501を例として、図6を参照しながら、上記基本モデルフィッチング処理について詳細に説明する。
【0024】
処理212は以下の手順で行なう。
(1)先ず、基本モデル401を表示画面114に表示した状態で(ステップ301)、図6の651に示すように、例えば、人物の鼻の先端や目の端など、基本モデル401の形状(この例では、顔の人相)を決定する上で重要な位置に定義された制御点(411、412、413、……)を他の点と識別可能な色で表示する(ステップ302)。これら制御点は、以後の操作において画面上に常時表示されており、以下に述べるように、ユーザは、画面上でこれらの制御点を逐次選択しながら、図4の実際の人物画像上の対応点と関連付けるための入力操作(移動操作)を行う。
(2)全ての制御点について移動操作が完了したか否かをチェックし(ステップ303)、もし完了していなければ、図6の652に示すように、ユーザに表示画面上のモデル401において制御点の中の一つを選択させる(ステップ304)。
【0025】
(3)ユーザが1つの制御点(この例では、左目の目尻を示す制御点411)を選択すると、図6の653に示すように、表示画面を「計測データを表わす多面体」(以下、説明を簡単にするために「実物の顔」という)501に切り替える(ステップ305)。この時、表示画面には、実物の顔と重ねて制御点(411、412、413、……)を表示し、前ステップでユーザが選択した制御点411は、他の制御点と区別できるような形状または色表示としておく。
ユーザは、画面上に表示された実物の顔の形状とテクスチャの両方が手がかりとして、基本モデル上で選んだ制御点411と実物の顔501との対応関係を指示するために、カーソル操作によって、選択制御点411を実物の顔の該当位置(左目の目尻を示す位置)に対応付ける(ステップ306)。なお、人物の顔を計測した場合、三次元デジタイザ(115)の性質上、頭頂部付近の形状データには大きな誤差が含まれている。従って、頭頂部付近のの部分の制御点を選択した場合は、多面体501に対して適当な対応付けを行えばよい。
本明細書では、上記対応付け操作を「制御点の移動」と称し、ユーザの制御点移動操作に応答して、例えば移動量を示す矢印511を表示する。これによって、ユーザは、装置が自分の入力操作に応答して動作していることを確認できる。なお、選択制御点と移動量(ベクトル)との関係を記憶しながら、画面上で選択制御点411の表示位置を移動させてしまってもよい。
【0026】
上記制御点の移動操作が終わると、図6の654に示すように、再び基本モデル401を表示した後(ステップ307)、ステップ303に戻り、上述した操作を繰り返す。
【0027】
図6の654に示すように、移動操作を終えた制御点は、印511によって、表示画面上で他の未処理の制御点と区別できるようになっている。従って、ユーザは、次の制御点、例えば、鼻の先を示す制御点412を選択し、図6の655に示すように、表示画面を実物の顔に切り替えて、制御点を対応位置に移動操作612した後、図6の656に示すように、再び基本モデル画面に戻り、更に次に制御点413を選択する。このような操作を繰り返すことによって、図6の657、658に示すように、基本モデル上の制御点が次々と実物の顔と対応付けられ、最終的には、図6に659に示すように、基本モデル401における全ての制御点について、移動量511、612、613、614、…が与えられる。
【0028】
(4)全ての制御点について移動操作が終了すると、これらの制御点で与えた移動量に基づいて、基本モデルにおける制御点以外の各点の移動量を線形内挿処理によって補う(ステップ308)。
例えば、図7は、基本モデル401における3つの制御点411、412、413と、これらの制御点を頂点として形成される三角形の領域601を示す。上記三角形の領域601には、図8に示すように、制御点以外の点(基本モデルにおけるポリゴンの頂点)711、722が包含されている。
【0029】
ステップ308では、既に移動量を与えてある制御点の組によって定義される各三角形領域(例えば、601)において、その領域内に含まれる制御点以外の点(例えば711、712)の移動量(720、722)を、それらを囲む制御点がもつ移動量(511、612、613)に基づいて線形内挿し、その後で、全ての点(制御点:411、412、413、…、および制御点以外の点:711、722、…)について、それぞれの移動量(511、612、613、……、721、722、…)に従って、位置座標の移動を行う。上記処理によって、図3に示した基本モデル401の各ポリゴン(例えば、461)の頂点座標が、実測モデルの多面体501に対応した座標にシフトされたことになる。尚、上記基本モデルの三角形分割には、例えば、ドローネ網を用いればよい。
【0030】
図9は、上述した線形内挿および頂点座標の移動処理によって変形された基本モデルが持つ顔表面の断面形状(破線)と、実測モデル501が持つ顔表面の断面形状(実線)との関係を示したものである。
この時点では、基本モデルは、各制御点(黒点:411、412、413)については、実測モデルの多面体501の表面(実戦)と一致した座標をもつが、移動量を内挿によって与えた上記制御点以外の各頂点(白点:811、812、813、814)については、実測モデルの多面体501の表面とずれた状態となっている。
【0031】
(5)上記座標の不一致を解消するため、本実施例では、移動量による変形処理を受けた基本モデル401の各頂点(411、412、413、811、812、813、814)について、実測モデルの多面体501の表面と一致するように、円柱座標の半径方向の値を微調整(増減)する(ステップ309)。
上記調整処理309によって、図10に断面図で示すように、基本モデル401の全ての頂点(411〜814)が、実測多面体501の表面に包含された状態となり、多面体501とほぼ一致した表面形状901をもつ基本モデル401が得られる。
【0032】
(6)多面体501のテクスチャ座標を、フィッティングが完了した基本モデル901にコピーする(ステップ310)。
以上の処理によって、形状データにフィットした基本モデル204が得られ、基本モデル204は、計測された人物の顔と類似した形状モデルとなる。
【0033】
「色データの修正処理」213:
512画素×512画素の画像で表わされる色データ202は、形状データにフィットした基本モデル204に貼るテクスチャデータとしてそのまま適用できるが、必要に応じて、以下に示すように、ペイントツールで色データ202に修正を加え、修正された色データ205を得る。
【0034】
(a)三次元デジタイザ115の性質上、物体表面の黒色部分での形状を正確に計測できない。例えば、黒髪部分は大きな黒色部分となるため、この部分の形状データ201は、補間が不可能なほど大きく欠落する。従って、黒髪を持つ人物のモデルを作成する場合は、予め頭髪を白く染めた状態でディジタイザにかけ、計測によって得られた色データ202のうち頭髪部分の色を後で黒色に修正するとよい。
(b)計測によって得られた色データ202の中には、形状モデルに対するシェーディングによって起こる陰影が含まれている。この陰影が、三次元表示プログラム106の中で設定される光源の方向と大きく矛盾する場合は、陰影部分を色データ202から消去する。
(c)例えば、顔表面にある細かい皺のように、基本モデル204のポリゴンでは表現できない形状をはっきり見せたい場合は、これらの部分を色データ202の中で強調しておく。
(d)顔の表面に化粧をしたい場合は、色データ202に対して化粧に相当する色修正を加える。
【0035】
以上の手順で得られた三次元モデルの作成結果104は、リアルタイムアニメーションに適したデータ量をもつ基本モデル102と同一のトポロジーを備え、且つ、三次元デジタイザによって得られた実物の計測データ101がもつ形状と色を反映した内容となっている。三次元モデルの作成結果104を元にして、物体の形状データおよび色データに漸次変更を加えることによって、時系列的な画像フレームと対応する複数の三次元画像データを得ることができる。これらの画像データは、何れも少数のポリゴンからなっているため、各フレームを高速に処理して表示画面に迅速に出力することができる。従って、表示画面で三次元物体が滑らかに変化するリアルタイムのアニメーションを提供できる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、デジタイザによる計測データを用いて、実物に極めて近いリアルタイムアニメーションを容易に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための三次元モデル作成システムの構成図。
【図2】本発明による三次元モデル作成のための処理の流れを説明するための図。
【図3】基本モデル401における制御点とポリゴンについての説明図。
【図4】計測データを表わす多面体501とポリゴンについての説明図。
【図5】基本モデルのフィッティング処理212のフローチャート。
【図6】基本モデルのフィッティング処理過程における表示画面の推移を示す図。
【図7】基本モデル401上の制御点の移動についての説明図。
【図8】基本モデル上の制御点以外の点についての移動量の線形内挿処理308を説明するための図。
【図9】線形内挿後の基本モデル401の表面と、計測データが表わす多面体の表面501との関係を示す断面図。
【図10】移動処理309によって頂点座標を調整した後の基本モデル表面901を示す断面図。
【符号の説明】
101…三次元デジタイザによる計測データ、102…基本モデル、
103…三次元モデル作成プログラム、104…三次元モデルの作成結果、
105…三次元形状変形プログラム、106…三次元モデル表示プログラム、
107…三次元デジタイザ制御プログラム、
111…記憶装置、112…入力装置、113…中央処理装置、114…ディスプレイ、115…三次元デジタイザ。

Claims (2)

  1. 三次元物体の形状を比較的少数の多面体で表現した基本モデルのデータと、三次元デジタイザによって得られた物体の計測データとを用意し、上記基本モデルの多面体各頂点の座標値を上記計測データのうちの形状データが表す物体表面の座標値に整合させた後、上記実物計測データがもつ色データを上記基本モデルの各多面体表面に割り付ける画面表示用の三次元モデルの作成方法であって、
    前記基本モデルの各頂点座標の整合のために、
    基本モデルの多面体を構成する複数の頂点のうちの幾つかを予め制御点として定義しておき、これらの制御点を表示画面上に上記基本モデルの形状と重ねて表示するステップと、
    ユーザに、上記表示された制御点のなかから操作対象となる制御点を順次に選択させ、該選択された各制御点を、上記基本モデルに代えて画面上に表示された前記計測データが表す実物形状上の対応点と関係付けさせることによって、上記基本モデル上の各制御点を上記実物形状上の表面と一致させるための移動量を求めるステップと、
    上記各制御点の移動量に基づいて、上記基本モデル上の他の頂点における移動量を線形内挿によって求めるステップと、
    上記基本モデルの各頂点の位置をそれぞれの移動量に従って変更した後、該変更された各頂点の円柱座標半径方向の座標値を上記計測データが示す実物表面位置に適合するように微調整するステップとを有することを特徴とする三次元モデルの作成方法。
  2. 前記移動量を求めるステップにおいて、ユーザが操作対象となる1つの制御点を選択した時点で、表示画面に上記制御点と前記計測データが表す実物形状とを同一の座標系で重ねて表示し、該画面上で前記対応点との関係を指定させた後、上記実物形状に代えて前記基本モデルの形状を表示して、次の操作対象となる制御点を選択させることを特徴とする請求項1に記載の三次元モデル作成方法。
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