JP2000339499A - テクスチャマッピング・テクスチャモザイク処理装置 - Google Patents

テクスチャマッピング・テクスチャモザイク処理装置

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JP2000339499A
JP2000339499A JP14859199A JP14859199A JP2000339499A JP 2000339499 A JP2000339499 A JP 2000339499A JP 14859199 A JP14859199 A JP 14859199A JP 14859199 A JP14859199 A JP 14859199A JP 2000339499 A JP2000339499 A JP 2000339499A
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JP14859199A
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Seiren Kaku
清蓮 郭
Mieko Osuga
美恵子 大須賀
Katsunobu Muroi
克信 室井
Yoshikazu Nakajima
義和 中島
Mitsuo Maeda
満雄 前田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数枚のテクスチャ画像を同時にマッピング
することができるテクスチャマッピング・テクスチャモ
ザイク処理装置を提供する。 【解決手段】 テクスチャマッピング・テクスチャモザ
イク処理装置は、テクスチャ画像を入力するテクスチャ
画像入力部40と、キーボードの操作を定義し、その操
作に見合った処理を実行するキーボード操作定義・実行
部50と、マウスの操作を定義し、その操作に見合った
処理を実行するマウス操作定義・実行部60と、3次元
モデルの表面に、複数枚のテクスチャ画像を同時に貼り
付けるテクスチャ・マッピング処理部10と、3次元モ
デルの表面に張り合わされた複数枚のテクスチャ画像
を、ユーザとの間の対話的なやり取りによりつなぎ合わ
せるテクスチャ・モザイク処理部20と、3次元モデル
定義部70で定義された3次元モデルを含む3次元空間
をレンダリングする3次元モデル描画部30とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業CAD(Comp
uter Aided Design)、土木、建築、医療、デザイン、
設計などの幅広い分野で用いられるコンピュータグラフ
ィックスを応用した機器において、テクスチャマッピン
グの手法を使って画像を作成するテクスチャマッピング
・テクスチャモザイク処理装置に関し、特に、複数枚の
テクスチャ画像を同時に3次元モデルの表面にマッピン
グすることができるテクスチャマッピング・テクスチャ
モザイク処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータグラフィックスは、工業C
AD、土木、建築、医療、デザイン、設計などの分野に
幅広く利用されている。コンピュータグラフィックスを
作成する装置では、3次元空間中に存在する平面または
曲面を表示するときに、予め用意された2次元画像(テ
クスチャ画像)を貼り付けて、実際に近い材質感を得る
テクスチャマッピングと呼ばれる手法が一般的に用いら
れている。
【0003】従来のテクスチャマッピングの手法を利用
した3次元シミュレーション装置が、特開平6−231
274号公報に開示されている。この3次元シミュレー
ション装置では、ラベルのデザイン等を表わすテクスチ
ャ画像を酒などのボトルの形状等を表わす3次元モデル
にマッピングさせたときに、テクスチャ画像の各点が投
影面上のどの位置に対応するかを表わす位置データと、
テクスチャ画像の各点の色が投影面上でどのような色で
表わされているかを表わす色変化データとを求めて、対
応テーブルを予め作成しておく。テクスチャ画像の修正
または変更があった場合には、変換テーブルの位置対応
データを参照して変更または修正されたテクスチャ画像
の各点の投影面上の位置を求め、色変化データからテク
スチャ画像の各点がどのような色に変化するかを求め
る。これにより、テクスチャ画像の修正または変更があ
った場合でも、迅速に3次元シミュレーションを行なう
ことができる。
【0004】また、特開平8−161510号公報に開
示されているテクスチャマッピング装置は、テクスチャ
マッピングを行なう際に、画像表示すべき物体を構成す
る3次元画像情報の単位となる多角形領域の代表点を抽
出し、その代表点の座標について透視変換を行ない、そ
の透視変換された代表点間を線形補間する。これによ
り、現実感のある自然なマッピング画像が得られるとい
う透視変換の特徴を生かしつつ、代表点の座標について
のみ透視変換を行なうため、透視変換に必要とされる計
算量を極めて小さくすることができ、リアルタイムで現
実感のある自然なマッピング画像を得ることができる。
【0005】テクスチャマッピングの手法としては、こ
の他に環境マッピングと呼ばれる手法がある。環境マッ
ピングでは、物体の頂点に依存する静的なテクスチャ座
標でテクスチャ画像をアクセスする代わりに、視点の動
きとともに頂点ごとに動的に決まるリフレクションベク
トルでテクスチャ画像をアクセスすることで、グローバ
ルな反射効果をシミュレーションするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の3次元
シミュレーション装置およびテクスチャマッピング装置
では、1枚のテクスチャ画像をテクスチャマッピングす
る場合を想定している。このため、複数枚のテクスチャ
画像を同時にテクスチャマッピングすることができな
い。
【0007】環境マッピングでは、複数枚のテクスチャ
画像を同時に取扱うことが可能であるが、テクスチャ画
像同士が重なり領域を持つことを想定しておらず、複数
枚のテクスチャ画像を3次元空間中でつなぎ合わせるこ
とを考慮していない。また、環境マッピングは、空間の
ある点の周りで作られたものである。このため、その点
から離れるに従って、歪が大きくなり、グローバルな隠
蔽関係も不正確になるという課題を有している。
【0008】通常、マッピングされた画像に歪のないケ
ースとしては、平面にテクスチャ画像をマッピングした
場合や、円錐や円柱などのいくつかの曲面にテクスチャ
画像をマッピングした場合に限られる。その他の形状の
曲面にテクスチャ画像をマッピングした場合には、歪が
いくらか生じる。一般的に、面の曲がり具合が大きいほ
ど、テクスチャマッピングした際のテクスチャ画像の歪
も大きくなる。しかし、コンピュータグラフィックスが
物理学や医学の分野で用いられる場合には、特に見た目
のリアルさが必要とされる。このため、精度良くテクス
チャマッピングを行なう必要がある。
【0009】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたものでその目的は、複数枚のテクスチャ画像を同時
にマッピングすることができるテクスチャマッピング・
テクスチャモザイク処理装置を提供することである。
【0010】本発明の他の目的は、相互に重なり合いを
持った複数枚のテクスチャ画像を同時にマッピングする
ことができるテクスチャマッピング・テクスチャモザイ
ク処理装置を提供することである。
【0011】本発明のさらに他の目的は、複雑な形状の
曲面にテクスチャ画像をマッピングした際にも、精度よ
くテクスチャ・マッピングを行なうことができるテクス
チャマッピング・テクスチャモザイク処理装置を提供す
ることである。
【0012】本発明のさらに他の目的は、ユーザとの対
話的なやり取りにより、テクスチャマッピングの各種パ
ラメータを変更することができ、精度よくテクスチャ・
マッピングを行なうことができるテクスチャマッピング
・テクスチャモザイク処理装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係るテクスチャマッピング・テクスチャモザイク処理装
置は、各種操作を実行する操作実行部と、3次元モデル
の表面に、複数枚のテクスチャ画像を同時に貼り付ける
テクスチャ・マッピング処理部と、操作実行部およびテ
クスチャ・マッピング処理部に接続され、操作実行部か
らの指示に従い、複数枚のテクスチャ画像の各々を、3
次元モデルの表面においてつなぎ合わせるテクスチャ・
モザイク処理部と、テクスチャ・マッピング処理部およ
びテクスチャ・モザイク処理部に接続され、3次元モデ
ルを含む3次元空間に対してレンダリング処理を施す3
次元モデル描画部とを含む。
【0014】テクスチャ・マッピング処理部が複数枚の
テクスチャ画像を3次元モデルの表面に貼り付けた後、
テクスチャ・モザイク処理部において、ユーザとのイン
タラクティブなやり取りによって、複数枚のテクスチャ
画像がつなぎ合わされる。それと並行して、3次元モデ
ル描画部において、レンダリング処理が施される。この
ように、複数枚のテクスチャ画像を同時に扱うことがで
き、ユーザとの対話的なやり取りによって、複数枚のテ
クスチャ画像がつなぎ合わされる。このため、3次元モ
デルの表面に、より正確にテクスチャ画像を貼り付ける
ことができる。これにより、物体の質感が向上し、3次
元画像に含まれる情報量を増やすことができ、現実味の
あるCG(Computer Graphics)画像を作成することが
できる。このような写実性の高いCG画像は、工業用C
AD、土木、建築、医療、デザインおよび設計などの幅
広い分野に応用可能である。
【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の構成に加えて、テクスチャ・マッピング処理部
に複数枚のテクスチャ画像を供給するテクスチャ画像入
力部をさらに含み、テクスチャ・マッピング処理部は、
テクスチャ画像入力部に接続され、複数枚のテクスチャ
画像の各々に対して、テクスチャ・マッピング・モー
ド、テクスチャ座標系、テクスチャ画像のマッピング位
置およびテクスチャ画像のマッピング方向の初期値を設
定するテクスチャ・パラメータ初期設定部と、操作実行
部およびテクスチャ・パラメータ初期設定部に接続さ
れ、操作実行部からの指示に従い、テクスチャ・パラメ
ータ初期設定部で設定された複数枚のテクスチャ画像の
各々に対するテクスチャ・マッピング・モード、テクス
チャ座標系、テクスチャ画像のマッピング位置およびテ
クスチャ画像のマッピング方向を算出しなおすテクスチ
ャ・パラメータ算出部とを含む。
【0016】テクスチャマッピングする際の、各種パラ
メータが、ユーザとの対話的なやり取りによって、変更
される。このため、テクスチャ画像のマッピング位置な
どをより望ましい位置に変更することができ、3次元モ
デルの表面に、より正確にテクスチャ画像を貼り合わせ
ることができる。
【0017】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明の構成に加えて、テクスチャ・モザイク
処理部は、操作実行部およびテクスチャ・マッピング処
理部に接続され、操作実行部からの指示に従い、3次元
モデルの表面に貼り付けられた複数枚のテクスチャ画像
のうちの1つを選択するテクスチャ選択部と、操作実行
部およびテクスチャ・マッピング処理部に接続され、操
作実行部からの指示に従い、テクスチャ画像のマッピン
グ位置およびマッピング方向を変更するテクスチャ移動
部とを含む。
【0018】3次元モデルにマッピングされたテクスチ
ャ画像のうちのいずれかを選択し、マッピング位置およ
びマッピング方向を変更させることができる。このた
め、違和感なく複数枚のテクスチャ画像を並べることが
でき、3次元モデルの表面に、より正確にテクスチャ画
像を貼り合わせることができる。
【0019】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明の構成に加えて、テクスチャ・モザイク
処理部は、操作実行部およびテクスチャ・マッピング処
理部に接続され、操作実行部からの指示に従い、3次元
モデルの表面に貼り付けられた複数枚のテクスチャ画像
のうちの1つを選択するテクスチャ選択部と、操作実行
部およびテクスチャ・マッピング処理部に接続され、操
作実行部からの指示に従い、テクスチャ画像を回転させ
るテクスチャ・アップ方向変更部とを含む。
【0020】3次元モデルにマッピングされたテクスチ
ャ画像のうちのいずれかを選択し、マッピング位置にお
いてテクスチャ画像を回転させることができる。このた
め、3次元モデルの表面に、より正確にテクスチャ画像
を貼り合わせることができる。
【0021】請求項5に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明の構成に加えて、テクスチャ・モザイク
処理部は、操作実行部およびテクスチャ・マッピング処
理部に接続され、操作実行部からの指示に従い、3次元
モデルの表面に貼り付けられた複数枚のテクスチャ画像
のうちの1つを選択するテクスチャ選択部と、操作実行
部およびテクスチャ・マッピング処理部に接続され、操
作実行部からの指示に従い、テクスチャ画像を拡大また
は縮小させるテクスチャ拡大・縮小部とを含む。
【0022】3次元モデルにマッピングされたテクスチ
ャ画像のうちのいずれを選択し、マッピング位置におい
てテクスチャ画像を拡大または縮小させることができ
る。このため、テクスチャ画像がマッピングされる3次
元モデルの曲面の特徴に合わせて、テクスチャ画像を拡
大または縮小させることにより、より正確にテクスチャ
画像を貼り合わせることができる。
【0023】請求項6に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明の構成に加えて、テクスチャ・モザイク
処理部は、操作実行部およびテクスチャ・マッピング処
理部に接続され、操作実行部からの指示に従い、3次元
モデルの表面に貼り付けられた複数枚のテクスチャ画像
のうちの1つを選択するテクスチャ選択部と、操作実行
部およびテクスチャ・マッピング処理部に接続され、操
作実行部からの指示に従い、テクスチャ画像を変形させ
るテクスチャ変形部とを含む。
【0024】3次元モデルにマッピングされたテクスチ
ャ画像のうちのいずれを選択し、マッピング位置におい
てテクスチャ画像を変形させることができる。このた
め、テクスチャ画像がマッピングされる3次元モデルの
曲面の特徴に合わせて、テクスチャ画像を変形させるこ
とにより、テクスチャ・マッピングによる歪みをほとん
ど生じさせないようにすることができる。
【0025】請求項7に記載の発明は、請求項3〜6の
いずれかに記載の発明の構成に加えて、テクスチャ選択
部は、操作実行部およびテクスチャ・マッピング処理部
に接続され、操作実行部からの指示に従い、3次元モデ
ルのポリゴンをピッキングするポリゴン・ピッキング部
と、ポリゴン・ピッキング部およびテクスチャ・マッピ
ング処理部に接続され、ピッキングされたポリゴンの法
線ベクトルと最も交差角が小さい、マッピング方向を有
するテクスチャ画像を選択する最小交差角テクスチャ画
像選択部とを含む。
【0026】請求項8に記載の発明は、請求項3〜6の
いずれかに記載の発明の構成に加えて、テクスチャ選択
部は、操作実行部およびテクスチャ・マッピング処理部
に接続され、操作実行部からの指示を受け、同一位置の
選択が順次行なわれた場合には、選択されている位置に
重畳する複数枚のテクスチャ画像を予め定められた順序
に従い順次選択する重畳テクスチャ選択部を含む。
【0027】重なり合いを持ったテクスチャ画像を選択
する際には、同一位置に表示されたカーソルを順次マウ
スでクリックするなどの操作により、その位置に重なり
を持って表示されているテクスチャ画像を順次選択する
ことができる。このため、テクスチャ画像が重なり合い
を持っていても、ユーザは、簡単な操作で、所望のテク
スチャ画像を選択することができる。
【0028】請求項9に記載の発明は、請求項3〜6の
いずれかに記載の発明の構成に加えて、テクスチャ移動
部は、操作実行部に接続され、設定された2次元カーソ
ル位置座標データの移動をワールド座標系の半球面上の
3次元座標データの移動に変換する座標データ変換部
と、座標データ変換部およびテクスチャ・マッピング処
理部に接続され、3次元座標データの移動に従い、選択
されたテクスチャ画像を移動または回転させるテクスチ
ャ画像移動回転部とを含む。
【0029】
【発明の実施の形態】図1を参照して、本発明の実施の
形態に係るテクスチャマッピング・テクスチャモザイク
処理装置は、2次元画像であるテクスチャ画像を入力す
るテクスチャ画像入力部40と、キーボード(図示せ
ず)に接続され、キーボードの操作を定義し、キーボー
ド操作に見合った処理を実行するキーボード操作定義・
実行部50と、マウス(図示せず)に接続され、マウス
の操作を定義し、マウス操作に見合った処理を実行する
マウス操作定義・実行部60と、テクスチャ画像入力部
40、キーボード操作定義・実行部50、マウス操作定
義・実行部60、テクスチャ・モザイク処理部20(後
述)および3次元モデル描画部30(後述)に接続さ
れ、3次元モデルの表面に、複数枚のテクスチャ画像を
同時に貼り付けるテクスチャ・マッピング処理部10
と、キーボード操作定義・実行部50、マウス操作定義
・実行部60、テクスチャ・マッピング処理部10およ
び3次元モデル描画部30に接続され、3次元モデルの
表面に張り合わされた複数枚のテクスチャ画像を、ユー
ザとの間の対話的なやり取りによりつなぎ合わせるテク
スチャ・モザイク処理部20と、3次元モデルを定義す
る3次元モデル定義部70と、テクスチャ・マッピング
処理部10、テクスチャ・モザイク処理部20、キーボ
ード操作定義・実行部50、マウス操作定義・実行部6
0および3次元モデル定義部70に接続され、3次元モ
デル定義部70で定義された3次元モデルを含む3次元
空間をレンダリングする3次元モデル描画部30とを含
む。
【0030】テクスチャ・マッピング処理部10、テク
スチャ・モザイク処理部20および3次元モデル描画部
30は、それぞれ図示しないディスプレイに接続されて
おり、ディスプレイ上に各部の処理結果であるCGが表
示される。
【0031】3次元モデル定義部70で定義される3次
元モデルは、ポリゴンまたは三角形によって定義された
曲面または平面である。ポリゴンはその頂点によって定
義される。各頂点には、法線ベクトルが設定され、この
法線ベクトルは隣接する複数のポリゴンの法線ベクトル
の平均値として求めることができる。その他に、各ポリ
ゴンには、色パラメータ、ポリゴン名を表わすインデッ
クス・ナンバーおよび各頂点の3次元座標が設定され
る。ポリゴン表面は、光の反射方法、色および不透明度
によって特徴づけられる。ポリゴン表面の色は、赤
(R)、緑(G)、青(B)の3色の値で表現され、そ
れぞれ0.0から1.0の間の値を有する。また、ポリ
ゴン表面の不透明度は、0.0から1.0の間の値を有
する。不透明度1.0はオブジェクトの表面を光が透過
せず、オブジェクトの向こう側が見えないことを表わし
ており、不透明度0.0は、オブジェクトの表面を光が
透過し、オブジェクトの向こう側が完全に見えることを
意味する。
【0032】テクスチャ画像入力部40により入力され
るテクスチャ画像には、実写画像、絵柄、模様などがあ
る。テクスチャ画像入力部40より入力されるテクスチ
ャ画像は、連続した1枚の画像と見ることもできる。し
かし、実際には、テクスチャ画像は、n×mの大きさの
マトリクスとして記述される(n,mは所定の定数)。
このマトリクスは、テクスチャメモリ(図示せず)に記
憶される。マトリクスを構成するデータは通常、テクセ
ルと呼ばれ、4つの要素(R,G,B,α)でそれぞれ
記述される。R,G,Bはテクセルの赤、緑、青の輝度
をそれぞれ表わす輝度データであり、αは、テクスチャ
画像を重ね合わせたときの透過率を表わす。
【0033】テクスチャ画像は、テクスチャファイルと
して、テクスチャメモリに記憶されるが、テクスチャフ
ァイルの名前は、「name.num.format」の3つの要素よ
り構成される。「name」は、テクスチャの名前を表わ
し、「num」は、テクスチャのインデックスナンバーを
表わし、「format」は、テクスチャファイルを表わすフ
ァイル型を表わす。同一の3次元モデルにマッピングさ
れるテクスチャ画像は、同一の名前およびファイル型を
持つが、インデックスナンバーが異なることにより区別
される。
【0034】図2を参照して、テクスチャマッピング・
テクスチャモザイク処理装置では、テクスチャ画像ごと
にワールド座標系に対するテクスチャ座標系が定義され
ている。ワールド座標系において、テクスチャ座標系を
自由に移動、回転することができる。テクスチャのマッ
ピング方向は、3次元モデルの表面ベクトルと逆の方向
である。この方向は、テクスチャ座標系のr軸に対応す
る(ワールド座標系のz軸に対応する)。予め定められ
たテクスチャ画像の正の方向の方向ベクトルをテクスチ
ャ・アップ方向ベクトルと呼ぶ。テクスチャ・アップ方
向ベクトルは、図2中のt軸に相当する(ワールド座標
系のy軸に相当する)。テクスチャ・マッピングのマッ
ピング方向を示す方向ベクトル(テクスチャ・マッピン
グ方向ベクトル)とテクスチャ・アップ方向ベクトルと
の外積計算よりテクスチャ座標系のs軸が定められる。
s軸は、ワールド座標系のx軸に相当する。テクスチャ
画像のマッピング位置は、テクスチャ座標系のr軸と、
3次元モデルの表面との交点によって定められる。
【0035】テクスチャ画像は、テクスチャ・マッピン
グ方向ベクトルに沿って3次元モデルに透視射影され
る。ワールド座標系において、テクスチャ座標系を回転
させることにより、テクスチャ・マッピング位置を変更
させることが可能である。また、テクスチャ座標系の原
点から3次元モデルの表面までの距離を変更すること
で、3次元モデル画像にマッピングされたテクスチャ画
像の大きさを制御することができる。さらに、テクスチ
ャ座標系を回転させることによって、3次元モデル表面
にマッピングされたテクスチャ画像を変形させることも
可能である。このようなテクスチャ座標系の動きは、様
々なテクスチャ・パラメータによって制御される。
【0036】図3を参照して、テクスチャ・マッピング
処理部10は、テクスチャ画像入力部40に接続された
テクスチャ・パラメータ初期設定部11と、テクスチャ
・パラメータ初期設定部11、テクスチャ・モザイク処
理部20、3次元モデル描画部30、キーボード操作定
義・実行部50およびマウス操作定義・実行部60に接
続された、テクスチャ・パラメータ算出部12とを含
む。
【0037】テクスチャ・パラメータ初期設定部11
は、テクスチャ画像入力部40で入力された各テクスチ
ャ画像に対して、テクスチャ・マッピング・モード、テ
クスチャ座標、テクスチャ画像のマッピング位置および
マッピング方向などのテクスチャ・パラメータの初期値
を与える。
【0038】テクスチャマッピングが施されたシーンを
描画する際には、ポリゴンの各頂点にオブジェクト座標
およびテクスチャ座標の双方を供給する必要がある。テ
クスチャ座標は、4つの座標から構成され、通常、
(s,t,r,q)座標と呼ばれる。また、オブジェク
ト座標も4つの座標から構成され、通常(x,y,z,
w)座標と呼ばれる。座標値qおよびwは通常1であ
り、同次座標作成のために用いられる。
【0039】テクスチャ・パラメータ算出部12は、ユ
ーザがキーボード操作定義・実行部50またはマウス操
作定義・実行部60を介して入力した、テクスチャ座
標、マッピング位置およびマッピング方向などに従い、
新たなテクスチャ・パラメータを算出する。3次元モデ
ル描画部30は、常に最新のテクスチャ・パラメータを
参照しながら、レンダリング処理をリアルタイムで行な
う。
【0040】2次元のテクスチャ画像を3次元モデルに
マッピングする際には、ほとんどの場合において、テク
スチャ画像の変形が起こる。しかし、マッピングの方法
を適宜選択することにより、テクスチャ画像の変形を最
小限に抑えることができる。テクスチャ・モザイク処理
部20は、3次元モデルにマッピングされた複数の2次
元画像をつなぎ合わせるための処理を行なう。
【0041】図4を参照して、テクスチャ・モザイク処
理部20は、キーボード操作定義・実行部50、マウス
操作定義・実行部60、テクスチャ・マッピング処理部
10および3次元モデル描画部30に各々接続された、
テクスチャ・アップ方向変更部21、テクスチャ移動部
22、テクスチャ拡大・縮小部23、テクスチャ選択部
24およびテクスチャ変形部25とを含む。テクスチャ
選択部24は、3次元画像に貼り付けられた複数のテク
スチャ画像から1枚のテクスチャ画像を選択する。テク
スチャ移動部22は、テクスチャ画像のマッピング位置
およびマッピング方向を変更する。
【0042】テクスチャ選択部24では、キーボード操
作定義・実行部50またはマウス操作定義・実行部60
からの入力に従い、ユーザが所望する3次元モデルのポ
リゴンがピッキングされる。テクスチャ選択部24は、
ピッキングされたポリゴンのインデックスナンバーから
このポリゴンおよび周囲のポリゴンにマッピングされた
テクスチャ画像を選択する。ここで、ピッキングされた
ポリゴンの法線ベクトルと、各テクスチャ画像のテクス
チャ・マッピング方向ベクトルとの交差角が最も小さい
テクスチャ画像が選択される。
【0043】カメラビューポートの中に与えられたポイ
ントからワールド座標系内の関連するオブジェクト情報
を得ることは、ピッキングと呼ばれる。ワールド座標系
内のオブジェクトはカメラビューポートに投影され、仮
想的なカメラ(図示せず)に近いポリゴンが最後に投影
されることから、カメラビューポートに最も近いポリゴ
ンがピッキングの対象となる。
【0044】ここで、既存グラフィックスライブラリの
セレクション処理を拡張して、ポリゴン・ピッキングが
実現される。カーソル付近に描画されたポリゴンがセレ
クション候補とされる。いくつもの候補が存在する場合
には視点から一番近いポリゴンがセレクションの結果と
される。
【0045】テクスチャ選択の操作を詳しく説明する
と、まず、マウス操作定義・実行部60を介して、カー
ソルを選択すべきテクスチャ上に持っていき、マウスが
クリックされることにより、テクスチャ画像が選択され
る。この時、それまでに選択されていたテクスチャ画像
の選択は解除される。カーソルが示した位置に複数のテ
クスチャ画像が重なり合って表示されている場合には、
最も前面にある、すなわち視点から最も距離の近いテク
スチャ画像が選択される。
【0046】このように重畳して表示されたテクスチャ
画像をユーザがマウスをクリックして選択した場合、1
つのテクスチャ画像のみが選択される。この状態で、カ
ーソルをまったく移動させずに再度マウスをクリックす
ると、現在選択されているテクスチャ画像の選択が解除
され、そのテクスチャ画像の1つ下に位置するテクスチ
ャ画像が新たに選択される。同様の処理を繰返すことに
より、1つずつ下に位置するテクスチャ画像が順次選択
される。1番下のテクスチャ画像が選択された後は、再
度1番上のテクスチャ画像から順に選択が行なわれる。
【0047】テクスチャ画像を参照しながら、カーソル
を用いてテクスチャ画像を選択するという状況を考慮す
れば、上述したピッキングされたポリゴンの法線ベクト
ルと、各テクスチャ画像のテクスチャ・マッピング方向
ベクトルとの交差角を比較する処理を単純化することが
可能である。たとえば、ピッキングされたポリゴンの法
線ベクトルとの交差角が予め定められた角度(たとえば
90°)よりも大きいテクスチャ画像は選択されないよ
うにすることにより、交差角の比較処理を単純化するこ
とができる。上述の予め定められた角度をより小さく設
定することにより、テクスチャ画像の候補が減り、計算
を加速することができる。
【0048】テクスチャ移動部22は、テクスチャ選択
部24において選択されたテクスチャ画像のマッピング
位置およびマッピング方向を対話的に変更する。具体的
には、ユーザがディスプレイ上に表示されたカーソル位
置でマウスをクリックすることによりテクスチャ画像を
選択し、マウスボタンを押しながらカーソルとともにテ
クスチャ画像を移動させる。2次元画面上のカーソルの
位置データを3次元空間の半球面(ワールド座標系で原
点を中心とした球面のうち、z<0の球面)上の点に変
換することによって、ユーザの希望するテクスチャ・マ
ッピング方向が自動的に生成される。さらに、選択した
テクスチャのテクスチャ・マッピング方向ベクトルP0
と、ユーザの希望するテクスチャ・マッピング方向ベク
トルPnとの交差角が計算され、P0とPnとの外積計
算によって求められるベクトルを軸とし、テクスチャ画
像を上述の交差角だけ回転させる。
【0049】テクスチャ・アップ方向変更部21では、
ユーザがキーボードのシフト・キーを押しながら‘r’
キーを押すたびに、選択されているテクスチャ画像が
(π/180)ラジアンだけ逆時計回りに回転する。ま
た、ユーザがキーボードのシフト・キーを押しながら
‘l’キーを押すたびに、選択されているテクスチャ画
像が(π/180)ラジアンだけ逆時計回りに回転す
る。このような回転変換は、テクスチャ・アップ方向マ
トリクス(図示せず)に記述される。
【0050】テクスチャ拡大・縮小部23では、ユーザ
がキーボードのシフト・キーを押しながら、‘e’キー
を押すたびに、テクスチャ画像の大きさが、デフォルト
のテクスチャ画像の大きさの1%にあたる大きさだけ順
次大きくなる。すなわち、デフォルトのテクスチャ・サ
イズ・パラメータをz0とすると、現在選択されている
テクスチャ画像のテクスチャ・サイズ・パラメータz
は、0.01×z0だけ増加する。
【0051】また、テクスチャ拡大・縮小部23では、
ユーザがキーボードのシフト・キーを押しながら、
‘E’キーを押すたびに、テクスチャ画像の大きさが、
デフォルトのテクスチャ画像の大きさの1%にあたる大
きさだけ順次小さくなる。すなわち、デフォルトのテク
スチャ・サイズ・パラメータをz0とすると、現在選択
されているテクスチャ画像のテクスチャ・サイズ・パラ
メータzは、0.01×z0だけ減少する。
【0052】テクスチャ変形部25は、ユーザがキーボ
ードのシフト・キーを押しながら、‘m’、‘n’、
‘j’または‘k’キーを押すと、以下に示す各種の処
理を行なう。すなわち、ユーザがシフト・キーを押しな
がら‘m’キーを押した場合には、図5(A)を参照し
て、テクスチャ画像のs軸上の辺の長さs1が、デフォ
ルトの長さs0の1%だけ短くなるようにテクスチャ画
像が変形する。すなわち、テクスチャ画像のスケーリン
グ・パラメータs1の値が0.01×s0だけ減少す
る。
【0053】ユーザがシフト・キーを押しながら‘n’
キーを押した場合には、図5(B)を参照して、s軸に
対向するテクスチャ画像の辺の長さs2が、デフォルト
の長さs0の1%だけ短くなるようにテクスチャ画像が
変形する。すなわち、テクスチャ画像のスケーリング・
パラメータs2の値が0.01×s0だけ減少する。
【0054】ユーザがシフト・キーを押しながら‘j’
キーを押した場合には、図5(C)を参照して、テクス
チャ画像のt軸上の辺の長さs3が、デフォルトの長さ
s0の1%だけ短くなるようにテクスチャ画像が変形す
る。すなわち、テクスチャ画像のスケーリング・パラメ
ータs3の値が0.01×s0だけ減少する。
【0055】ユーザがシフト・キーを押しながら‘k’
キーを押した場合には、図5(D)を参照して、t軸に
対向するテクスチャ画像の辺の長さs4が、デフォルト
の長さs0の1%だけ短くなるようにテクスチャ画像が
変形する。すなわち、テクスチャ画像のスケーリング・
パラメータs2の値が0.01×s0だけ減少する。
【0056】3次元モデル描画部30では、2種類のジ
オメトリモード(ワイヤフレームおよびソリッド)でポ
リゴンを描画する。ワイヤフレームレンダリングとは、
ジオメトリをポリゴンエッジのワイヤフレームで表現す
るものであり、物体の外観を表現する高速なレンダリン
グ技法である。ソリッドレンダリングとは、隠面除去と
シェーディングとを利用してポリゴンの内部をすべて描
画する技法である。
【0057】図6を参照して、中心が3次元空間中の原
点にある球体をワイヤフレームで表現すると、ポリゴン
の方向は外側から見たときに、面上のすべてのポリゴン
が同じ右回りとなる。3次元モデル描画部30には、球
体の半径に加えて、面密度(球体を構成する三角形の
数)がパラメータとして与えられる。面密度を大きく
し、面を細かな三角形で表現することにより、滑らかな
球体表現が得られる。しかし、レンダリングを高速に行
なうことができない。一方、レンダリングを高速に行な
うには、面密度を小さくし、面を大きな三角形で表現す
ればよい。しかし、この場合には、面の外観が滑らかに
は表現されない。このため、表示速度と画質とはトレー
ドオフの関係にあり、両者の間には、常に妥協点が存在
する。
【0058】図2を参照して、3次元モデルへのテクス
チャ画像のマッピングは、線形マッピングと呼ばれる手
法が用いられる。線形マッピングは、2つのプロセスよ
りなる。すなわち、テクスチャ画像が簡単な3次元モデ
ル(中間モデル)にマッピングされる。中間モデルとし
ては、球面、円柱面または正方形表面などが用いられ
る。その後、テクスチャ画像は、中間モデルから実際の
3次元モデルへマッピングされる。具体的には、3次元
モデルの各点pに対して、点pにおける表面ベクトルと
中間モデルとが交差する点のテクスチャ画像の輝度値を
点pの輝度値とする。点pにおける表面ベクトルとは、
たとえば、3次元モデルの中心点が予めわかっている場
合には、当該中心点を始点とし、点pを終点とするベク
トルをいう。
【0059】図7を参照して、3次元モデル描画部30
は、キーボード操作定義・実行部50およびマウス操作
定義・実行部60に接続され、ライティングに関するパ
ラメータ、3次元モデルの材質に関連するパラメータお
よびレンダリング方式に関するパラメータなどを設定す
るレンダリング環境設定部31と、テクスチャ・マッピ
ング処理部10、テクスチャ・モザイク処理部20、3
次元モデル定義部70およびレンダリング環境設定部3
1に接続され、レンダリング環境設定部31で設定され
たパラメータに基づいて3次元モデルのレンダリング表
示を行なう3次元モデル・レンダリング表示部32とを
含む。
【0060】レンダリング環境設定部31で設定される
ライティングに関するパラメータには、光源のオン・オ
フの状態、光源の明度および光源色の属性などを表わす
パラメータがある。ここで、シーン中に配置される光源
としては2種類の光源がある。一方は、方向性光源であ
る。方向性光源は、同じ方向に向いた光を生成し、属性
として、方向ベクトルのみを持ち、光源の位置に関する
データは持たない。他方は、スポット光源である。スポ
ット光源は、属性として、方向ベクトルおよび光源の位
置に関する情報の双方を持つ。スポット光源から発せら
れる光は、円錐形の広がりを持っており、シーン中の限
られた範囲のみを照らすことが可能である。ユーザは、
上述した2つの光源の一方または双方をキーボード操作
またはマウス操作により自由に選択することができる。
【0061】3次元モデル・レンダリング表示部32で
は、オブジェクト座標定義、カメラの配置および方向を
設定するためのモデルビュー行列によるビュー変換、モ
デルの配置および方向を設定するためのモデリング変
換、射影行列によって実現される射影変換ならびにビュ
ーポートの変換が行なわれる。ビュー変換、モデリング
変換および射影変換は4行4列の行列Mを、3次元モデ
ルの各頂点vの座標と乗算することにより求められる。
すなわち、これらの変換は、以下の式(1)によって表
わされる。
【0062】 V′=Mv …(1) あるパラメータ曲面にテクスチャ画像をマッピングする
際には、上述の線形マッピングが利用される。より具体
的には、 (A) マウス操作によりユーザの希望する視点移動・
回転が、レンダリング環境設定部31においてビュー変
換マトリクスに記述される。
【0063】(B) マウス操作によりユーザの希望す
る3次元モデルの回転が、モデル変換マトリクスに記述
される。
【0064】(C) 各テクスチャ画像に対して、3次
元モデル・レンダリング表示部32が以下の処理を行な
う。
【0065】(C−1) テクスチャ・マッピング方向
ベクトルに、ビュー変換マトリクスとモデル変換マトリ
クスとを乗算し、テクスチャ画像に対して、3次元モデ
ルと同様のビュー変換およびモデル変換を行なう。
【0066】(C−2) テクスチャ移動部22での処
理により、テクスチャ画像がワールド座標系において移
動した場合には、移動時に作成されたテクスチャ回転マ
トリクスとテクスチャ・マッピング方向ベクトルとの間
で乗算が行なわれ、新たなテクスチャ・マッピング方向
ベクトルが計算される。
【0067】(C−3) テクスチャ・アップ方向変更
部21での処理により、テクスチャ画像がテクスチャ座
標系において回転した場合には、回転時に作成されたテ
クスチャ・アップ方向マトリクスとテクスチャ・アップ
方向ベクトルとの間で乗算が行なわれ、新たなテクスチ
ャ・アップ方向ベクトルが計算される。
【0068】(C−4) テクスチャ選択部24におい
て選択されているテクスチャ画像の変更が起こった場合
には、上述のテクスチャ拡大・縮小部23およびテクス
チャ変形部25でそれぞれ設定されたテクスチャ・サイ
ズ・パラメータおよびスケーリング・パラメータに従
い、テクスチャ座標系において、テクスチャの拡大・縮
小・変形処理が行なわれる。
【0069】(D) 既存のグラフィックスライブラリ
のテクスチャ・マッピング・ファンクションとポリゴン
・レンダリング・ファンクションとを利用して、3次元
モデルのレンダリング処理が行なわれる。オブジェクト
の色とテクスチャ画像データとから最終的な、要素
(R,G,B,α)を計算するためには、オブジェクト
の色とテクスチャ画像の色とを混ぜ合わせ、かつ照明処
理とテクスチャ画像の色とを組合わせることにより効果
的に行なわれる。
【0070】図6は、ワイヤフレームで球体モデルを表
現した図である。この球体モデルに9枚の眼球網膜画像
を同時にマッピングした図を図8に示す。テクスチャ・
モザイク処理部20を用いて、9枚のテクスチャ画像を
球体の表面においてつなぎ合わせると、図9のようにな
る。
【0071】このように、本発明のテクスチャマッピン
グ・テクスチャモザイク処理装置では、複数枚のテクス
チャ画像を同時に扱うことができ、ユーザと装置との間
のインタラクティブなやり取りによって、テクスチャ画
像の各種パラメータの変更を行なうことができ、3次元
モデルの表面に、より正確にテクスチャ画像を貼り付け
ることができる。このため、物体の質感が向上し、3次
元画像に含まれる情報量を増やすことができ、現実味の
あるCG画像を作成することができる。このような写実
性の高いCG画像は、工業用CAD、土木、建築、医
療、デザインおよび設計などの幅広い分野に応用可能で
ある。
【0072】上述のテクスチャマッピング・テクスチャ
モザイク処理装置では、テクスチャ画像同士が重なり合
った状態であっても、テクスチャマッピングを行なうこ
とができる。このため、複数枚のテクスチャ画像を3次
元空間内において自由につなぎ合わせることができる。
【0073】また、3次元モデルにマッピングされたテ
クスチャ画像を、ユーザとの対話的な操作によって、回
転、拡大・縮小、変形などすることができる。このた
め、マッピングされたテクスチャの大きさと形とを自由
に制御することができる。これにより、テクスチャ画像
がマッピングされる3次元モデルの曲面の特徴に合わせ
て、変形を行なうことにより、テクスチャ・マッピング
による歪みをほとんど生じさせないようにすることがで
きる。
【0074】また、ワールド座標系において、テクスチ
ャ座標系を回転させることにより、テクスチャ・マッピ
ング位置を変更することが可能である。さらに、テクス
チャ座標系において、テクスチャ画像を回転、反転、移
動およびスケーリングすることにより、テクスチャ画像
の大きさを変えたり、形を変えたりすることも可能であ
る。
【0075】また、本発明のテクスチャ画像選択処理で
は、同一位置に表示されたカーソルを順次マウスでクリ
ックすることにより、その位置に重なりを持って表示さ
れているテクスチャ画像が順次選択される。
【0076】また、本発明では、マウス操作またはキー
ボード操作という簡単な操作により、各種パラメータが
変更される。また、細かなパラメータの変化も制御可能
である。このため、ユーザにとって利用しやすいもので
ある。
【0077】また、本発明では、複数の異なる光源を用
いることにより、テクスチャマッピングの結果によりリ
アルな表情を加え、多様な変化をレンダリング画像に与
えることができる。
【0078】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0079】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によると、ユーザ
との対話的なやり取りによって、複数枚のテクスチャ画
像をつなぎ合わせることができる。このため、3次元モ
デルの表面に、より正確にテクスチャ画像を貼り付ける
ことができる。
【0080】請求項2に記載の発明によると、テクスチ
ャ画像のマッピング位置などをより望ましい位置に変更
することができ、3次元モデルの表面に、より正確にテ
クスチャ画像を貼り合わせることができる。
【0081】請求項3に記載の発明によると、違和感な
く複数枚のテクスチャ画像を並べることができ、3次元
モデルの表面に、より正確にテクスチャ画像を貼り合わ
せることができる。
【0082】請求項4に記載の発明によると、マッピン
グ位置においてテクスチャ画像を回転させることができ
る。このため、3次元モデルの表面に、より正確にテク
スチャ画像を貼り合わせることができる。
【0083】請求項5に記載の発明によると、テクスチ
ャ画像がマッピングされる3次元モデルの曲面の特徴に
合わせて、テクスチャ画像を拡大または縮小させること
により、より正確にテクスチャ画像を貼り合わせること
ができる。
【0084】請求項6に記載の発明によると、テクスチ
ャ画像がマッピングされる3次元モデルの曲面の特徴に
合わせて、テクスチャ画像を変形させることにより、テ
クスチャ・マッピングによる歪みをほとんど生じさせな
いようにすることができる。
【0085】請求項7に記載の発明によると、3次元モ
デルの表面に、より正確にテクスチャ画像を貼り合わせ
ることができる。
【0086】請求項8に記載の発明によると、テクスチ
ャ画像が重なり合いを持っていても、ユーザは、簡単な
操作で、所望のテクスチャ画像を選択することができ
る。
【0087】請求項9に記載の発明によると、3次元モ
デルの表面に、より正確にテクスチャ画像を貼り合わせ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るテクスチャマッピ
ング・テクスチャモザイク処理装置の構成を示す図であ
る。
【図2】 ワールド座標系とテクスチャ座標系とを説明
するための図である。
【図3】 テクスチャ・マッピング処理部10の構成を
示す図である。
【図4】 テクスチャ・モザイク処理部20の構成を示
す図である。
【図5】 テクスチャ変形部25によるテクスチャ画像
の変形を説明するための図である。
【図6】 中心が3次元空間中の原点にある球体をワイ
ヤフレームで表現した図である。
【図7】 3次元モデル描画部30の構成を示す図であ
る。
【図8】 球体モデルに9枚の眼球網膜画像を同時にマ
ッピングした図である。
【図9】 テクスチャ・モザイク処理部20を用いて、
9枚のテクスチャ画像を球体の表面においてつなぎ合わ
せた図である。
【符号の説明】
10 テクスチャ・マッピング処理部、11 テクスチ
ャ・パラメータ初期設定部、12 テクスチャ・パラメ
ータ算出部、20 テクスチャ・モザイク処理部、21
テクスチャ・アップ方向変更部、22 テクスチャ移
動部、23 テクスチャ拡大・縮小部、24 テクスチ
ャ選択部、25 テクスチャ変形部、30 3次元モデ
ル描画部、31 レンダリング環境設定部、32 3次
元モデル・レンダリング表示部、40 テクスチャ画像
入力部、50 キーボード操作定義・実行部、60 マ
ウス操作定義・実行部、70 3次元モデル定義部。
フロントページの続き (72)発明者 室井 克信 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 中島 義和 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 前田 満雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5B050 BA09 CA07 EA19 EA26 EA28 5B080 AA18 FA08 GA22

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各種操作を実行する操作実行部と、 3次元モデルの表面に、複数枚のテクスチャ画像を同時
    に貼り付けるテクスチャ・マッピング処理部と、 前記操作実行部および前記テクスチャ・マッピング処理
    部に接続され、前記操作実行部からの指示に従い、前記
    複数枚のテクスチャ画像の各々を、前記3次元モデルの
    表面においてつなぎ合わせるテクスチャ・モザイク処理
    部と、 前記テクスチャ・マッピング処理部および前記テクスチ
    ャ・モザイク処理部に接続され、前記3次元モデルを含
    む3次元空間に対してレンダリング処理を施す3次元モ
    デル描画部とを含む、テクスチャマッピング・テクスチ
    ャモザイク処理装置。
  2. 【請求項2】 前記テクスチャ・マッピング処理部に前
    記複数枚のテクスチャ画像を供給するテクスチャ画像入
    力部をさらに含み、 前記テクスチャ・マッピング処理部は、 前記テクスチャ画像入力部に接続され、前記複数枚のテ
    クスチャ画像の各々に対して、テクスチャ・マッピング
    ・モード、テクスチャ座標系、前記テクスチャ画像のマ
    ッピング位置および前記テクスチャ画像のマッピング方
    向の初期値を設定するテクスチャ・パラメータ初期設定
    部と、 前記操作実行部および前記テクスチャ・パラメータ初期
    設定部に接続され、前記操作実行部からの指示に従い、
    前記テクスチャ・パラメータ初期設定部で設定された前
    記複数枚のテクスチャ画像の各々に対する前記テクスチ
    ャ・マッピング・モード、前記テクスチャ座標系、前記
    テクスチャ画像のマッピング位置および前記テクスチャ
    画像のマッピング方向を算出しなおすテクスチャ・パラ
    メータ算出部とを含む、請求項1に記載のテクスチャマ
    ッピング・テクスチャモザイク処理装置。
  3. 【請求項3】 前記テクスチャ・モザイク処理部は、 前記操作実行部および前記テクスチャ・マッピング処理
    部に接続され、前記操作実行部からの指示に従い、前記
    3次元モデルの表面に貼り付けられた前記複数枚のテク
    スチャ画像のうちの1つを選択するテクスチャ選択部
    と、 前記操作実行部および前記テクスチャ・マッピング処理
    部に接続され、前記操作実行部からの指示に従い、前記
    テクスチャ画像のマッピング位置およびマッピング方向
    を変更するテクスチャ移動部とを含む、請求項1または
    2に記載のテクスチャマッピング・テクスチャモザイク
    処理装置。
  4. 【請求項4】 前記テクスチャ・モザイク処理部は、 前記操作実行部および前記テクスチャ・マッピング処理
    部に接続され、前記操作実行部からの指示に従い、前記
    3次元モデルの表面に貼り付けられた前記複数枚のテク
    スチャ画像のうちの1つを選択するテクスチャ選択部
    と、 前記操作実行部および前記テクスチャ・マッピング処理
    部に接続され、前記操作実行部からの指示に従い、前記
    テクスチャ画像を回転させるテクスチャ・アップ方向変
    更部とを含む、請求項1または2に記載のテクスチャマ
    ッピング・テクスチャモザイク処理装置。
  5. 【請求項5】 前記テクスチャ・モザイク処理部は、 前記操作実行部および前記テクスチャ・マッピング処理
    部に接続され、前記操作実行部からの指示に従い、前記
    3次元モデルの表面に貼り付けられた前記複数枚のテク
    スチャ画像のうちの1つを選択するテクスチャ選択部
    と、 前記操作実行部および前記テクスチャ・マッピング処理
    部に接続され、前記操作実行部からの指示に従い、前記
    テクスチャ画像を拡大または縮小させるテクスチャ拡大
    ・縮小部とを含む、請求項1または2に記載のテクスチ
    ャマッピング・テクスチャモザイク処理装置。
  6. 【請求項6】 前記テクスチャ・モザイク処理部は、 前記操作実行部および前記テクスチャ・マッピング処理
    部に接続され、前記操作実行部からの指示に従い、前記
    3次元モデルの表面に貼り付けられた前記複数枚のテク
    スチャ画像のうちの1つを選択するテクスチャ選択部
    と、 前記操作実行部および前記テクスチャ・マッピング処理
    部に接続され、前記操作実行部からの指示に従い、前記
    テクスチャ画像を変形させるテクスチャ変形部とを含
    む、請求項1または2に記載のテクスチャマッピング・
    テクスチャモザイク処理装置。
  7. 【請求項7】 前記テクスチャ選択部は、 前記操作実行部および前記テクスチャ・マッピング処理
    部に接続され、前記操作実行部からの指示に従い、前記
    3次元モデルのポリゴンをピッキングするポリゴン・ピ
    ッキング部と、 前記ポリゴン・ピッキング部および前記テクスチャ・マ
    ッピング処理部に接続され、ピッキングされた前記ポリ
    ゴンの法線ベクトルと最も交差角が小さい、マッピング
    方向を有するテクスチャ画像を選択する最小交差角テク
    スチャ画像選択部とを含む、請求項3〜6のいずれかに
    記載のテクスチャマッピング・テクスチャモザイク処理
    装置。
  8. 【請求項8】 前記テクスチャ選択部は、前記操作実行
    部および前記テクスチャ・マッピング処理部に接続さ
    れ、前記操作実行部からの指示を受け、同一位置の選択
    が順次行なわれた場合には、選択されている位置に重畳
    する複数枚のテクスチャ画像を予め定められた順序に従
    い順次選択する重畳テクスチャ選択部を含む、請求項3
    〜6のいずれかに記載のテクスチャマッピング・テクス
    チャモザイク処理装置。
  9. 【請求項9】 前記テクスチャ移動部は、 前記操作実行部に接続され、設定された2次元カーソル
    位置座標データの移動をワールド座標系の半球面上の3
    次元座標データの移動に変換する座標データ変換部と、 前記座標データ変換部および前記テクスチャ・マッピン
    グ処理部に接続され、前記3次元座標データの移動に従
    い、選択されたテクスチャ画像を移動または回転させる
    テクスチャ画像移動回転部とを含む、請求項3〜6のい
    ずれかに記載のテクスチャマッピング・テクスチャモザ
    イク処理装置。
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