JP3550961B2 - 自動車用乗員保護装置 - Google Patents

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    • B60R21/02Occupant safety arrangements or fittings, e.g. crash pads
    • B60R21/16Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags
    • B60R21/23Inflatable members
    • B60R21/231Inflatable members characterised by their shape, construction or spatial configuration
    • B60R21/232Curtain-type airbags deploying mainly in a vertical direction from their top edge

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  • Air Bags (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピラー部及びルーフサイドレール部に沿って折り畳み状態で格納され、車体側部への所定の高荷重作用時にガスが供給されることにより、前端固定点乃至後端固定点間においてカーテン状に膨出されるバッグを備えた自動車用乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車体側部への所定の高荷重作用時における乗員の頭部の保護性能を向上させるべく、折り畳み状態で格納されているバッグを膨出させて乗員の頭部と車体側部との間に介在させる自動車用乗員保護装置の開発が盛んに行われている。この種の自動車用乗員保護装置の開示例として「ドイツ特許公開公報DE4307175A1号」、「ドイツ特許公報DE4134995C1号」等があり、以下に前者の開示例について簡単に説明する。
【0003】
図7及び図8に概略的に示されるように、自動車用乗員保護装置としてのエアバッグ装置150では、フロントピラー部152、ルーフサイドレール部154、及びセンタピラー部156に亘ってバッグ158が折り畳み状態で格納されている。また、フロントピラー部152及びセンタピラー部156には車体側部への所定の高荷重作用時にバッグ158内へガスを噴出するインフレータ160、162がそれぞれ配設されている。
【0004】
上述したバッグ158は、最上段に配置されかつ逆U字形状に膨張する第1膨張部164と、この第1膨張部164によって包囲される部分に略車両上下方向に連接して配置される第2膨張部166、第3膨張部168、第4膨張部170と、によって構成されている。これらの第2膨張部166乃至第4膨張部170は、略車両前後方向を長手方向とする円筒状に膨張するようになっている。なお、最下段に配置された第4膨張部170は、サイドドア172のベルトライン174から略車両上方側へ所定距離A(図7参照)だけ離間した位置に配置されている。
【0005】
上記構成によれば、車体側部への所定の高荷重作用時になると、インフレータ160、162からそれぞれガスが噴出されて格納状態にあるバッグ158内へ供給される。このため、第1膨張部164にあっては逆U字形状に膨張し、又第2膨張部166乃至第4膨張部170にあっては略車両前後方向を長手方向として膨張される。その結果、膨張したバッグ158が、乗員の頭部とサイドドア172との間に介在される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成によっても、乗員の頭部に対する保護性能は確保されるものと思われるが、乗員の頭部に対する保護性能の更なる向上が求められている。そこで、上記公報に開示された構成を検討すると、乗員の頭部の車室外方向への移動に対する抗力の観点から、改良の余地があることが窺える。
【0007】
すなわち、車体側部に所定の高荷重が作用すると、乗員の頭部は車室外方向へ慣性移動し、第2膨張部166乃至第4膨張部170の所定範囲に当接することになる。
【0008】
ここで、略車両前後方向を長手方向として膨張する第2膨張部166乃至第4膨張部170を備えたバッグ158を用いる場合、乗員の頭部の車室外方向への移動に対する抗力を高めるには、バッグ158の特に下縁側(即ち、第4膨張部170)に作用するテンションラインT”を下げることが有効である。しかしながら、上記公報に開示された構成においては、バッグ158の特に下縁側のテンションラインT”を下げる工夫が未だ不充分といえる。よって、この点において、改良の余地がある。
【0009】
本発明は上記事実を考慮し、乗員の頭部の車室外方向への移動に対する抗力を高めることにより、車体側部への所定の高荷重作用時における乗員の頭部の保護性能を向上させることができる自動車用乗員保護装置を得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、ピラー部及びルーフサイドレール部に沿って折り畳み状態で格納され、車体側部への所定の高荷重作用時にガスが供給されることにより、前端固定点乃至後端固定点間においてカーテン状に膨出されるバッグを備えた自動車用乗員保護装置であって、略車両前後方向を長手方向として筒状に膨張されかつ側面視での膨張形状が略車両下方側へ向かって湾曲する凸湾曲形状とされた主筒状膨張部を、バッグの下縁側に設定すると共に、バッグにおける主筒状膨張部の上方側に、各々略車両前後方向を長手方向として筒状に膨張されかつ略車両上下方向に互いに平行に連接され更に側面視での膨張形状が主筒状膨張部と同様に略車両下方側へ向かって湾曲する凸湾曲形状とされた複数の副筒状膨張部を設けた、ことを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の本発明に係る自動車用乗員保護装置は、請求項1に記載の発明において、前記主筒状膨張部へのガスの供給を前記副筒状膨張部へのガスの供給よりも先行させた、ことを特徴としている。
【0012】
請求項3記載の本発明に係る自動車用乗員保護装置は、請求項2に記載の発明において、前記複数の副筒状膨張部における略車両前後方向に沿う所定の中間部に、略車両上下方向に隣合う副筒状膨張部同士を相互に連通させる連通部を設けた、ことを特徴としている。
【0014】
請求項1記載の本発明によれば、車体側部に所定の高荷重が作用すると、ピラー部及びルーフサイドレール部に沿って折り畳み状態で格納されていたバッグ内へガスが供給される。これにより、バッグは、前端固定点乃至後端固定点間において車体側部の車室内側にカーテン状に膨出される。その結果、乗員の頭部と車体側部との間に膨張したバッグが介在され、当該膨張したバッグによって乗員の頭部が保護される。
【0015】
ここで、本発明では、バッグの下縁側に側面視での膨張形状が略車両下方側へ向かって湾曲する凸湾曲形状とされた主筒状膨張部を設定したので、バッグはその前端固定点及び後端固定点間で突っ張ると共に主筒状膨張部の長手方向中間部が略車両下方側へ引っ張られる。このため、バッグの実質的なテンションラインが主筒状膨張部の凸湾曲形状に沿った位置に形成され、テンションラインの位置が略車両下方側へ下がる。また、主筒状膨張部の長手方向中間部の下縁側に略車両下方側への引張力が作用し続けることから、テンションラインが強固なものとなる。これらのことから、本発明によれば、乗員の頭部の車室外方向への移動に対する抗力が高められる。
【0016】
さらに、本発明によれば、バッグにおける主筒状膨張部の上方側に、各々略車両前後方向を長手方向として筒状に膨張されかつ略車両上下方向に互いに平行に連接され更に側面視での膨張形状が主筒状膨張部と同様に略車両下方側へ向かって湾曲する凸湾曲形状とされた複数の副筒状膨張部を設けたので、乗員の頭部の保護エリアが拡大される。
【0017】
請求項2記載の本発明によれば、主筒状膨張部へのガスの供給を副筒状膨張部へのガスの供給よりも先行させたので、最初に主筒状膨張部が膨張していき、続いて副筒状膨張部が膨張していくという膨張形態をとる。換言すれば、主筒状膨張部が先行して凸湾曲形状に膨張していくため、バッグは簾(すだれ)式に瞬時に膨張動作を完了する。従って、バッグの膨張完了時間が短縮される。
【0018】
請求項3記載の本発明によれば、複数の副筒状膨張部における略車両前後方向に沿う所定の中間部に、略車両上下方向に隣合う副筒状膨張部同士を相互に連通させる連通部を設けたので、当該連通部を介してガスが相互に副筒状膨張部内へ流入される。このため、本発明によれば、請求項2記載の発明よりも更にバッグの膨張完了時間が短縮される。
【0020】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図4を用いて、請求項1乃至請求項3の一実施形態に係る本発明の第1実施形態について説明する。
【0021】
図2には自動車用乗員保護装置としてのエアバッグ装置10の格納状態が側面視で示されており、又図1には当該エアバッグ装置10の作動状態が側面視にて示されている。
【0022】
これらの図に示されるように、本実施形態に係るエアバッグ装置10は、前席に着座している乗員の頭部の保護のみならず、後席に着座している乗員の頭部の保護をも図るべく、フロントピラー部(Aピラー部)12からルーフサイドレール部14を経由してリヤピラー部(Cピラー部)16に至る範囲に亘って配設されている。
【0023】
このエアバッグ装置10は、車体側部への所定の高荷重作用状態を検出するためのセンサ18と、作動することによりガスを噴出する円柱形状のインフレータ20と、所定の折り畳み方で長尺状に折り畳まれたバッグ22と、このバッグ22を収納する長尺状のケース24(図3参照)と、を主要構成要素として構成されている。以下、これらの要素についてこの順に簡単にした後に、本実施形態の要部について説明する。
【0024】
センサ18は、センタピラー部26の下端部付近に配設されており、車体側部に所定の高荷重が作用した場合にこれを検出して図示しないセンタコントロールユニットに出力するようになっている。なお、センサ18としては、加速度センサ等が適用可能である。
【0025】
インフレータ20はフロントピラー部12とインストルメントパネル28との接続部付近に配設されており、図示しないセンタコントロールユニットと接続されている。従って、センサ18によって車体側部への所定の高荷重作用状態が検出されると、センタコントロールユニットからインフレータ20に作動電流が通電されインフレータ20が作動するようになっている。なお、インフレータ20としては、内部に封入されたガス発生剤が燃焼することによりガスを発生するガス発生剤封入タイプや、内部に設けられた隔壁を破断させることにより高圧ガスを噴出する高圧ガス封入タイプ等が適用可能である。
【0026】
図1に示されるように、バッグ22は側面視で略扇形状を成しており、フロントピラー部12に沿って配置される前縁部22A、ルーフサイドレール部14に沿って配置される上縁部22B、リヤピラー部16に沿って配置される後縁部22C、及びバッグ22の最下縁を構成する下縁部22Dがいずれも縫製又は接着により固着されることにより袋状に構成されている。なお、バッグ22の前縁部22A、上縁部22B、及び後縁部22Cには舌片状のバッグ固定片30(図3参照)が所定の間隔で一体形成されている。また、バッグ22の前縁下端部22Eと前述したインフレータ20とはチューブ32によって連結されており、これによりインフレータ20から噴出されたガスがバッグ22内へ供給されるようになっている。
【0027】
図3に示されるように、ケース24は、長尺状に折り畳まれたバッグ22を収納すべく矩形断面形状の長尺部材として構成されている。また、ケース24は樹脂材料から成り、車室内側の角部には所定のバッグ膨張圧で破断する破断部34が形成されている。さらに、このケース24にも前述したバッグ固定片30と同一箇所に各々一対のケース固定片36が形成されており、これらのケース固定片36間にバッグ固定片30が挟持された状態で取付ボルト38及びウエルドナット40によって後述するピラーインナパネル48に固定されている。なお、上記ケース24は、必ずしも必須の部材ではなく、折り畳み状態のバッグ22がその弾性復元力で解けないような構成(例えば、バッグ22を部分的にラッピングする等)を付加すれば、省略可能である。
【0028】
以上がエアバッグ装置10の主要構成要素の概略構成であるが、各部(フロントピラー部12、ルーフサイドレール部14、リヤピラー部16)におけるエアバッグ装置10の格納構造を示す意味で、代表してフロントピラー部12におけるエアバッグ装置10の格納構造について以下に補足しておく。なお、ルーフサイドレール部14及びリヤピラー部16における格納構造も、フロントピラー部12における格納構造と基本的には同様である。
【0029】
フロントピラー部12は、車体側を構成するフロントピラー42と、フロントピラー42の車室内側に配置され内装材を構成するピラーガーニッシュ44と、によって構成されている。フロントピラー42は、車室外側に配置されるピラーアウタパネル46と、車室内側に配置されて前述したウエルドナット40が溶着されたピラーインナパネル48と、両者に挟持されるピラーリインフォース50と、によって閉断面構造に構成されている。なお、フロントピラー42の後端フランジ部には、オープニングウエザストリップ52が弾性的に嵌着されている。
【0030】
一方、ピラーガーニッシュ44は、所定硬度の樹脂材によって構成されかつ凸湾曲形状に形成された基材54と、この基材54の表面(車室内側の面)を覆う表皮56と、によって構成されている。さらに、ピラーガーニッシュ44の基材54における前部側は厚肉化されており(以下、この部分を「ベース部54A」と称す)、又基材54における後部側は薄肉化されている(以下、この部分を「バッグ収納部54B」と称す)。従って、ベース部54Aの剛性は高く設定されているのに対し、バッグ収納部54Bの剛性はベース部54Aよりも低く設定されている。そして、ベース部54Aとバッグ収納部54Bとの接続部が、バッグ収納部54Bが展開する際のヒンジ部58とされている。なお、バッグ収納部54Bの端末部は、前述したオープニングウエザストリップ52に弾性的に係止されている。
【0031】
上述したピラーインナパネル48とピラーガーニッシュ44との間には所定の空間部60が形成されており、この空間部60の後部側に前述した如くエアバッグ装置10が格納されている。付言すると、空間部60の前部側には、エアバッグ装置10が作動しないまでも、車体側部に所定未満の荷重が作用して乗員の頭部がピラーガーニッシュ44に当接した場合の保護性能を確保すべく、図示しない樹脂製のエネルギー吸収部材が配設されている。なお、このエネルギー吸収部材は、折り畳み状態のバッグ22自体もエネルギー吸収部材としての機能を果たすことから、必ずしも必須の部材ではなく省略可能である。
【0032】
次に、本実施形態の要部について説明する。
図1に示されるように、上述したバッグ22には、略車両前後方向を長手方向としかつ略車両上下方向に所定の間隔で配置された複数段の第1非膨張部62乃至第4非膨張部68が形成されている。これらの第1非膨張部62乃至第4非膨張部68は、バッグ22の側面視での下縁形状(略車両下方側へ向かって所定の曲率半径で湾曲する凸湾曲形状)に沿って同様の凸湾曲形状に形成されている。なお、これらの第1非膨張部62乃至第4非膨張部68は縫製により構成されている(図4参照)が、接着剤を利用することによって構成してもよい。
【0033】
これにより、本実施形態では、バッグ22の下縁側に、略車両前後方向を長手方向として円筒状に膨張されかつ略車両下方側へ向かって湾曲する凸湾曲形状の主筒状膨張部70が形成されている。さらに、主筒状膨張部70の上方側には、主筒状膨張部70と同様に凸湾曲形状とされた第1副筒状膨張部72乃至第4副筒状膨張部78が平行に形成されている。なお、これらの第1副筒状膨張部72乃至第4副筒状膨張部78は、略車両上下方向に互いに連接している。
【0034】
また、上述した第1副筒状膨張部72乃至第4副筒状膨張部78を隔成する第1非膨張部62乃至第4非膨張部68における略車両前後方向に沿う所定位置には、隣合う副筒状膨張部同士を相互に連通させる複数の連通部80が形成されている。
【0035】
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
車体側部に所定の高荷重が作用すると、この高荷重作用状態がセンサ18によって検出されて図示しないセンタコントロールユニットに出力される。このため、センタコントロールユニットからインフレータ20に作動電流が通電され、インフレータ20が作動する。従って、インフレータ20からガスが噴出され、当該ガスがチューブ32を介して折り畳み状態のバッグ22の前縁下端部22Eからバッグ22内へ供給される。これにより、バッグ22は、前端固定点(図1のP点)乃至後端固定点(図1のQ点)間において、車体側部の車室内側にカーテン状に膨出される。その結果、前席及び後席にそれぞれ着座している乗員の頭部と車体側部との間に膨張したバッグ22が介在され、当該膨張したバッグ22によって乗員の頭部が保護される。
【0036】
なお、本実施形態のバッグ22の膨張過程について補足すると、前述した如く、インフレータ20からのガスは前縁下端部22Eからバッグ22内へ流入されるため、当該前縁下端部22Eに最も近い位置にある主筒状膨張部70が最初に膨張していき、続いて第1副筒状膨張部72乃至第4副筒状膨張部78が順次膨張していくという膨張形態をとる。また、第1非膨張部62乃至第4非膨張部68における略車両前後方向に沿う所定位置には、隣合う副筒状膨張部同士を相互に連通させる複数の連通部80が形成されていることから、主筒状膨張部70内へ供給されたガスは複数の連通部80を介して第1副筒状膨張部72、第2副筒状膨張部74、第3副筒状膨張部76、第4副筒状膨張部78の順に分流して供給されていく。このようにして、図1に示される如く、バッグ22が略扇形状に膨出される。
【0037】
ここで、本実施形態では、バッグ22の下縁側に側面視での膨張形状が略車両下方側へ向かって湾曲する凸湾曲形状とされた主筒状膨張部70を設定したので、バッグ22はその前端固定点(図1のP点)及び後端固定点(図1のQ点)間で突っ張りながら膨張されると共に主筒状膨張部70の長手方向中間部の下縁側が略車両下方側(図1の矢印R方向)へ引っ張られる。このため、本来なら前端固定点であるP点と後端固定点であるQ点とを結ぶ位置にテンションラインT’が形成されるのであるが、本実施形態の場合には主筒状膨張部70の中心線上に実質的なテンションラインTが凸湾曲形状に形成される。このため、テンションラインの位置が略車両下方側へ下がる。また、主筒状膨張部70の長手方向中間部の下縁側に略車両下方側への引張力が作用し続けることから、テンションラインTは強固なものとなる。これらのことから、本実施形態によれば、乗員の頭部の車室外方向への移動に対する抗力を高めることができる。その結果、本実施形態によれば、車体側部への所定の高荷重作用時における乗員の頭部の保護性能を向上させることができる。
【0038】
また、本実施形態によれば、バッグ22における主筒状膨張部70の上方側に、各々略車両前後方向を長手方向として筒状に膨張されかつ略車両上下方向に互いに平行に連接された第1副筒状膨張部72乃至第4副筒状膨張部78を設けたので、乗員の頭部の保護エリアを拡大することができる。
【0039】
さらに、本実施形態では、前述した如く、主筒状膨張部70へのガスの供給を第1副筒状膨張部72乃至第4副筒状膨張部78へのガスの供給よりも先行させたので、最初に主筒状膨張部70が膨張していき、続いて第1副筒状膨張部72乃至第4副筒状膨張部78が順次膨張していくという膨張形態をとる。換言すれば、主筒状膨張部70が先行して凸湾曲形状に膨張していくため、バッグ22は簾(すだれ)式に瞬時に膨張動作を完了する。従って、本実施形態によれば、バッグ22の膨張完了時間を短縮させることができる。
【0040】
加えて、本実施形態によれば、第1副筒状膨張部72乃至第4副筒状膨張部78を隔成する第1非膨張部62乃至第4非膨張部68における略車両前後方向に沿う所定位置に、略車両上下方向に隣合う副筒状膨張部同士を相互に連通させる複数の連通部80を設けたので、当該連通部80を介してガスが相互に副筒状膨張部内へ流入される。従って、この観点からも、バッグ22の膨張完了時間を短縮させることができる。
【0041】
なお、上述した乗員の頭部の保護エリアが拡大される点、並びに、バッグ22の膨張完了時間が短縮される点は、いずれも、車体側部への所定の高荷重作用時における乗員の頭部の保護性能の向上に寄与するものである。
〔第2実施形態〕
次に、図5を用いて、請求項1乃至請求項3記載の本発明の一実施形態に係る第2実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一の構成部分については、同一の番号を付してその説明を省略する。
【0042】
前述した第1実施形態で説明したエアバッグ装置10は前後席両用のものであったが、本実施形態では前席専用のエアバッグ装置90である点に特徴がある。従って、バッグ92の後端固定点Q’は、ルーフサイドレール部14とリヤピラー部16との境目付近に設定されている。なお、バッグ92の構造は、前述した第1実施形態と同様である。
【0043】
上記構成によれば、前席専用のエアバッグ装置90であることから、見かけ上のテンションラインS’が形成される位置及び実質的なテンションラインSが形成される位置のみが前述した第1実施形態と異なるが、作用並びに効果については前述した第1実施形態と同様のものが得られる。
〔第3実施形態〕
次に、図6を用いて、第3実施形態について説明する。なお、この第3実施形態は、開示例とする。また、前述した実施形態と同一の構成部分については、同一の番号を付してその説明を省略する。
【0044】
図6に示されるように、本実施形態に係るエアバッグ装置100では、バッグ101に側面視で略逆T字形に形成された複数の非膨張部102が略車両前後方向に沿って所定の間隔で形成されている。これにより、バッグ101の下縁側には、略車両前後方向を長手方向として円筒状に膨張されかつ略車両下方側へ向かって湾曲する凸湾曲形状の主筒状膨張部104が形成されている。さらに、この主筒状膨張部104の上方側には、略車両上下方向を長手方向として円筒状に膨張されかつ略車両前後方向に互いに平行に連接された複数の副筒状膨張部106が形成されている。これらの副筒状膨張部106は、隣合う非膨張部102及びバッグ101の上縁部101Aによって隔成されており、下端部のみが主筒状膨張部104と連通されている。なお、各非膨張部102は略逆T字形に形成されていることから、各副筒状膨張部106と主筒状膨張部104との連通部108の連通面積は比較的小さくなっている。
【0045】
上記構成によれば、車体側部への所定の高荷重作用時になると、インフレータ20から噴出されたガスは、まず主筒状膨張部104内へ供給され、続いて連通部108を介して複数の副筒状膨張部106内へ供給される。このため、最初に主筒状膨張部104が凸湾曲形状に膨張し、続いて複数の副筒状膨張部106が略車両上下方向に沿って膨張することになる。
【0046】
このことから、複数の副筒状膨張部106が、バッグ101の下縁側にて凸湾曲形状に膨張した主筒状膨張部104を支える支柱として機能する。つまり、複数の副筒状膨張部106内へガスが供給された後は、副筒状膨張部106内のガス圧が主筒状膨張部104を押し下げる方向へ作用する。従って、本実施形態によれば、車体側部への所定の高荷重作用時における乗員の頭部の車室外方向への移動に対する抗力をより一層高めることができる。その結果、 乗員の頭部の保護性能をより一層向上させることができる。
【0047】
なお、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、連通部108を設けたが、請求項1及び請求項2に記載の発明との関係においては、連通部108を設けなくてもよい。
【0048】
また、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、インフレータ20をフロントピラー部12とインストルメントパネル28との接続部付近に配設したが、これに限らず、リヤピラー部16に配設してもよい。この場合、リヤピラー部16側はフロントピラー部12側よりもスペースがあることから、インフレータ20の配置方向の自由度も高い。よって、バッグ22の主筒状膨張部70が最も効果的かつ優先的に膨張されるようにインフレータ20のガス噴出方向を調整した上でインフレータ20を配置することができるというメリットがある。さらに、インフレータ20をフロントピラー部12側とリヤピラー部16側の双方に配設するようにしてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の本発明に係る自動車用乗員保護装置は、略車両前後方向を長手方向として筒状に膨張されると共に側面視での膨張形状が略車両下方側へ向かって湾曲する凸湾曲形状とされた主筒状膨張部を、バッグの下縁側に設定したので、乗員の頭部の車室外方向への移動に対する抗力を高めることができ、その結果、車体側部への所定の高荷重作用時における乗員の頭部の保護性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
さらに、請求項1に記載の本発明に係る自動車用乗員保護装置は、バッグにおける主筒状膨張部の上方側に、各々略車両前後方向を長手方向として筒状に膨張されかつ略車両上下方向に互いに平行に連接され更に側面視での膨張形状が主筒状膨張部と同様に略車両下方側へ向かって湾曲する凸湾曲形状とされた複数の副筒状膨張部を設けたので、乗員の頭部の保護エリアの拡大を図ることができ、その結果、より一層乗員の頭部の保護性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0050】
請求項2に記載の本発明に係る自動車用乗員保護装置は、請求項1に記載の発明において、主筒状膨張部へのガスの供給を副筒状膨張部へのガスの供給よりも先行させたので、バッグの膨張完了時間の短縮を図ることができ、その結果、請求項1に記載の発明よりも、乗員の頭部の保護性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0051】
請求項3記載の本発明に係る自動車用乗員保護装置は、請求項2に記載の発明において、複数の副筒状膨張部における略車両前後方向に沿う所定の中間部に、略車両上下方向に隣合う副筒状膨張部同士を相互に連通させる連通部を設けたので、バッグの膨張完了時間の更なる短縮化を図ることができ、その結果、請求項2に記載の発明よりも、乗員の頭部の保護性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るエアバッグ装置の作動状態を示す車室内側から見た側面図である。
【図2】図1に示されるエアバッグ装置の格納状態を示す車室内側から見た側面図である。
【図3】エアバッグ装置におけるフロントピラー部での格納構造を拡大して示す拡大断面図である。
【図4】図1に示される作動状態におけるバッグの縦断面構造を示す図1の4−4線に沿う縦断面図である。
【図5】第2実施形態に係るエアバッグ装置の作動状態を示す車室内側から見た側面図である。
【図6】第3実施形態に係るエアバッグ装置の作動状態を示す車室内側から見た側面図である。
【図7】従来例に係るエアバッグ装置の作動状態を示す車室内側から見た側面図である。
【図8】図7に示されるエアバッグ装置の縦断面図構造を示す図7の8−8線に沿う縦断面図である。
【符号の説明】
10 エアバッグ装置(自動車用乗員保護装置)
12 フロントピラー部(ピラー部)
14 ルーフサイドレール部
16 リヤピラー部(ピラー部)
22 バッグ
70 主筒状膨張部
72 第1副筒状膨張部
74 第1副筒状膨張部
76 第1副筒状膨張部
78 第1副筒状膨張部
80 連通部
90 エアバッグ装置(自動車用乗員保護装置)
92 バッグ

Claims (3)

  1. ピラー部及びルーフサイドレール部に沿って折り畳み状態で格納され、車体側部への所定の高荷重作用時にガスが供給されることにより、前端固定点乃至後端固定点間においてカーテン状に膨出されるバッグを備えた自動車用乗員保護装置であって、
    略車両前後方向を長手方向として筒状に膨張されかつ側面視での膨張形状が略車両下方側へ向かって湾曲する凸湾曲形状とされた主筒状膨張部を、バッグの下縁側に設定すると共に、
    バッグにおける主筒状膨張部の上方側に、各々略車両前後方向を長手方向として筒状に膨張されかつ略車両上下方向に互いに平行に連接され更に側面視での膨張形状が主筒状膨張部と同様に略車両下方側へ向かって湾曲する凸湾曲形状とされた複数の副筒状膨張部を設けた、
    ことを特徴とする自動車用乗員保護装置。
  2. 前記主筒状膨張部へのガスの供給を前記副筒状膨張部へのガスの供給よりも先行させた、
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用乗員保護装置。
  3. 前記複数の副筒状膨張部における略車両前後方向に沿う所定の中間部に、略車両上下方向に隣合う副筒状膨張部同士を相互に連通させる連通部を設けた、
    ことを特徴とする請求項2に記載の自動車用乗員保護装置。
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