JP3550880B2 - モータ及びモータの固定子コイル端末線接続方法 - Google Patents

モータ及びモータの固定子コイル端末線接続方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は家電部品コイル、インダクションモータ固定子、直流モータ電機子コイル等、のコイルの端末線接続、また、導電材料、回路の接続に関する。
【0002】
【従来の技術】
交流モータ固定子コイルの端末線の本数はコイル数の倍の数を持ち、その線材は巻線後の位置が不安定なこともあり、その接続は自動化が困難でほとんどが手作業で配線されている。しかも、その接続方法は、1本1本の線を人がスタイル取りし、はんだ接続によって接続される。この方法は、非常に工数がかかり、また、熟練を要するなどの問題が多くあった。こういった問題を解決するための手段として、特開昭62−277041号公報、特開平3−245760号公報、特開平4−58751号公報、特開平5−308742号公報、特開平6−233483号公報などのように端末線の接続を配線板によって接続する方法が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の配線板接続はいずれも、配線基板のスルーホールに端末線を挿入し、はんだ付けまたはかしめ圧着によって接合される構造である。これらの方法のうち、はんだ付けは、はんだに鉛を含むため、人体に悪影響を与え、かつ、自然環境に対して悪影響を及ぼすといわれ、好ましくない製造方法である。また、はんだは融点が低いため、端末線の絶縁皮膜が耐熱性のもの、たとえばAIW皮膜などになるとはんだ接続だけでは所定の電気伝導度が得られないため、前処理行程として端末線の皮膜剥離行程を要し、製造コストを上げる原因となる。また、かしめ圧着方式はヒートサイクルを与えた時の電気特性面での信頼性が低く、接続部分における導体接続断面積のばらつきなどによって抵抗値のばらつきを発生させるなどの問題点がある。また、絶縁皮膜の機械的強度の強いもの等に対しては圧着によっても絶縁皮膜は伸びて絶縁状態を保ち、接合がなされないものもある。さらに、これらの配線板は、形状が3次元的に構成されるため、形状が複雑で、その製造方法も複雑でコストが高くなるという問題もあった。本発明は、モータ固定子などの端末線の接続を簡単な方法で製造した接続板によって、安価に信頼性高く、安全に行うことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために創作した本発明の基本的原理は、プレス等で打ち抜き、線材を挟み込めかつ、挟み込む部分に鋭角状の突起部を多数備えた折り返し構造の導体材料に、端末線を挟み込み、抵抗溶接によって皮膜破壊時間、皮膜気化時間、導体溶融時間の通電電流、加圧力をそれぞれ皮膜、接合する導電材料の材質に応じて制御しながら接合することによりモータ固定子などの端末線の接続を簡単な方法で製造した接続板によって、安価に信頼性高く、安全に行う。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に沿って説明する。
【0006】
図1は、本発明の実施例における交流モータ固定子巻線コイルの端末線処理配線板を示す。図2は端末線接続部の構造を示す。交流モータ固定子コイルの端末線の本数はコイル数の倍の数を持ち、その線材は巻線後の位置が不安定なこともあり、その接続は自動化が困難でほとんどが手作業で配線されている。しかも、その接続方法は、1本1本の線を人がスタイル取りし、はんだ接続によって接続される。この方法は、非常に工数がかかり、また、熟練を要するなどの問題が多くあった。本発明では、図1に示すように、固定子コイル3から垂直に立ち上がる端末線4を配線板1にまとめて接続することで配線の合理化をはかる構造とした。その接続部の形状は、図2に示すように帯状の導体金属板の中心部めくり返した形状をもち、また、端末線4と接触する部分は多数の鋭角部を持つ平目ロ
ーレット加工形状を有する。これによって、線材接合時に鋭角部が線材皮膜を破りやすくなるため、溶接されやすくなる。図3に接合方法を示す。図4には接合条件を示す。配線板1と端末線4の接続は抵抗溶接法によって行う。抵抗溶接は電極5を加圧しながら電極間に電流を流し、電流によって発生する熱によって導体を溶融して接合する方法である。
【0007】
本実施例では、配線板1の間に挟んだ端末線4に図示するよう電極をあて、電極間に変圧器からの電流を流して導体間を接合する。そのときの電流値、および加圧力の関係は図4に示すように、まず、t1時間のあいだ急激に加圧力、電流を与える。この急激な加圧力、電流により、配線板1の酸化膜、端末線4の絶縁皮膜の破壊を起こさせる。つぎに、t2時間のあいだ加圧力、電流を与え電極間の温度を皮膜気化温度以上に温度を設定し、端末線4の絶縁皮膜を溶融、気化させて皮膜を除去する。つぎに、t3時間のあいだには、さらに電流、加圧力を与え、電極間の温度を導体材料の溶融温度以上になるよう温度設定し、導体同士の接合を即す。t3時間の通電が終了後、加圧力を遅らせて下げ、温度が低下して再固化するまで加圧する。
【0008】
つぎに、配線板1の製造方法を図5、図6に示す。配線板1はフープ状材料11から順送プレス金型で製造する。フープ状材料1は材料送り機構16によって逐次送り出される一定の送りがなされた後、順送金型の上型12と下型13は油圧または空気圧シリンダ14によってガイド15にしたがってプレス動作を行う。▲1▼の箇所はフープ材1にローレット加工を施し、▲2▼で打ち抜きを行い、▲3▼〜▲5▼の箇所で打ち抜いた部分を起こし、めくり返しを行って、フープ材から配線板1の形状に加工を行う。加工を行った後、配線板1に必要な長さ単位に切断し、図6に示すように環状に整形し、配線板1の形状を得る。
【0009】
図7に48スロット4極の交流モータ固定子のコイル配置、図8に結線図をしめす。固定子コイル3はコア2に48個あるスロットに、実線で示すU相大小コイル3u、一点鎖線で示すV相大小コイル3v、点線で示すW相大小コイル3wのコイルが4組づつそれぞれ30度ずれて配置されている。また、その結線は図8にしめすように、U相、V相、W相のコイルの片側が結線されるスター形結線となる。したがって、固定子コイル全体の結線は図7に示すように、まずすべてのコイルの片端(黒丸箇所)を中性線としてまとめ、U相のコイルの片端(白丸箇所)、V相コイルの片端(三角印箇所)、W相コイルの片端(×印箇所)をそれぞれまとめて結線する形をとる。また、デルタ結線方式は(b)図に示すように中性線が無くU、V,W相のみの結線となる。
【0010】
固定子コイル端末線を一括して結線する配線板1の構造を図9、図10に示す。その構造は、中性線の接続用配線板1c、U相接続用配線板1u、V相接続用配線板1v、W相接続用配線板1wが重なって配置される4重構造で、それぞれの配線板の間には絶縁物9によって絶縁される構造をもつ。また、図10に示すように、それぞれの接続部分は抵抗溶接用電極が入るような穴を設け、それぞれの接続部の配線板のみが露出する構造とする。
【0011】
これによって、それぞれの箇所において抵抗溶接が可能で、一括しての結線が実現する。
【0012】
【発明の効果】
本発明によれば、モータ固定子などの端末線の接続を順送プレス打ち抜きなどの簡単な方法で製造した接続板によって、電気伝導度を充分満足し、機械的強度についても信頼性高く接続可能となる。また、従来、非常に複雑に入り組んでいた端末線接続をすっきりまとめることにより、固定子の小形化がはかれ、さらに、工数も非常に低減でき、低コスト化が可能となる。さらに、はんだの未使用化により、分解性が向上し、自然環境に対して悪影響のない製品構造となる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のモータ固定子巻線コイルの端末線処理配線板を示す
【図2】端末線接続部の構造を示す
【図3】抵抗溶接接続を示す
【図4】溶接の接続条件を示す図である
【図5】配線板製造方法を示す
【図6】配線板環状整形を示す
【図7】固定子コイル配置図を示す
【図8】固定子コイル結線図を示す
【図9】固定子コイル配線板構造を示す
【図10】固定子コイル配線板を示す詳細図である
【符号の説明】
1…配線板、2…固定子コア、3…固定子コイル、4…端末線
5…抵抗溶接電極、6…変圧器、9…絶縁材料、11…フープ状導電材料、
12…順送プレス上型、13…順送プレス下型、14…シリンダ、
15…ガイド、16…フープ送り機構

Claims (2)

  1. 表面に絶縁被膜を有する固定子コイルの端末線と、前記端末線を接続し、前記固定子コイルのU相コイルを接続するU相接続用配線板、前記固定子コイルのV相コイルを接続するV相接続用配線板及び前記固定子コイルのW相コイルを接続するW相接続用配線板が、それぞれの配線板の間に絶縁物を介して重なって配置される接続配線板を備え、前記接続配線板は前記端末線と接触する箇所に突起を有することを特徴とするモータ。
  2. 請求項1において、前記接続配線板と前記端末線は溶接接続されることを特徴とするモータ。
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