JP3550797B2 - 2極の整流子電動機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電気掃除機や電動工具などに使われている2極の整流子電動機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は従来の界磁組立体の正面図である図7において、9は界磁鉄心であり複数枚の電気鉄板が積層されている。界磁鉄心9には巻枠10を絶縁物として界磁巻線11が巻線されている。
【0003】
図8は従来の巻線方法の正面図である。12は界磁鉄心9に巻線をほどこす際に界磁巻線11を供給するノズルである。2本のノズル12,12からは2本の界磁巻線11,11が供給されており、2本のノズル12,12が界磁鉄心9の内側を図8の紙面貫通方向に上側へ移動し、180度回転し、紙面貫通方向下側へ移動し、逆方向に180度回転してコイルの1ターンを達成し、このターンを繰り返すとともに、巻線を施す時に巻線11をスロット14へ導くための各ガイド13により上記各ノズル12から供給された界磁巻線11を各スロット14に導きながら2極同時に巻線作業を行う。ただし、図7,図8において同一部分については同一符号を付してある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電気掃除機用整流子電動機のように毎分約30000〜40000回転程度の高回転数になると、界磁鉄損に比べ電機子鉄損の占める割合が大きくなる。そこで、電機子鉄損を低減させるため、電機子の材質としては、材質グレードの高い電気鉄板(例えばケイ素の量を多くした鉄板)を用いている。しかしながら、通常、打ち抜きの際のクズ28を少なくするため、図5に示すように、電機子鉄心26と界磁鉄心27は同一材質の電気鉄板37より同時に打ち抜くようにしているため、界磁鉄損は比較的少ないにも関わらず界磁鉄心27には必要のない材質グレードの高い電気鉄板、すなわち、例えばケイ素の量を多くした鉄板を用いている。材料費低減のため界磁鉄心27の電気鉄板39のみ材質グレードを下げるため、図6の(A)に示すように、別の材質の電気鉄板39より界磁鉄心27を打ち抜くようにしても、その際のクズ38が多くなる一方、図6の(B)に示すように、電機子鉄心26を電気鉄板40より打ち抜くときのクズ38も多くなるという課題があった。
【0005】
本発明は、毎分約30000〜40000回転程度の高回転数になると、界磁鉄損に比べ電機子鉄損の占める割合が大きくなることに基づきなされたものであり、毎分約30000〜40000回転程度の高回転数の2極の整流子電動機において、電動機効率の低下を少なくしながら界磁鉄心と電動機鉄心とを別々の最適の電気鉄板より打ち抜くようにしても、それぞれの電気鉄板より効率よく界磁鉄心と電機子鉄心とを打ち抜くことができ、 界磁鉄心のクズの量が増加することがないようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明は以下のように構成している。
【0007】
請求項1にかかる本発明の2極の整流子電動機は、巻線用のスロットを形成した一対の極部とを備える界磁鉄心と、前記極部に巻かれた巻線を有する界磁組立体と、略毎分30000〜40000回転の回転速度で回転する電機子を具備するものであって、前記電機子を構成する電機子鉄心の電気鉄板の材質を前記界磁鉄心の材質よりケイ素量を多くし低鉄損とするとともに、界磁鉄心はヨーク部で分割され、その両端に形成された接合部により接合するように構成している。
【0008】
請求項2にかかる本発明の2極の整流子電動機は、請求項1において、極部の先端と略同じ長さとなる位置で分割、接合されるように構成している。
【0009】
【作用】
上記請求項1にかかる本発明の2極の整流子電動機によれば、鉄心を打ち抜いた際のクズを増やすことなく界磁鉄心と電機子鉄心とを最適の電気鉄板より別々に打ち抜くことができる。なお、鉄損の小さい界磁鉄心の電気鉄板の材質グレードを下げることも可能で、電動機効率の低下を少なくしながら材料費を低減することができる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施例にかかる界磁組立体の正面図である。図1において、1は複数枚の電気鉄板を積層した分割鉄心のヨーク部であり、2は複数枚の電気鉄板を積層した分割鉄心の極部である。各ヨーク部1の各端部には鍵型の接合部1aを有し、各極部2の各端部には上記ヨーク部1の接合部1aに対応した鍵型の接合部2aを有しており、各ヨーク部1の各接合部1aに各極部2の各接合部2aを圧入固定して接合部組付部3を構成している。4は巻枠5を絶縁体として極部2に巻線されている界磁巻線である。
【0012】
よって、本実施例の界磁組立体は、上記ヨーク部1を一対備え、上記極部2を一対備えるとともに、組立前に各極部2の巻枠5の回りに巻線4を巻き付けたのち、各ヨーク部1の接合部1aと各極部2の接合部2aとを圧入固定してなる接合部組付部3により、各ヨーク部1と各極部2とを連結して構成している。本実施例では、接合部組付部3を各極部2及び各ヨーク部1の中心に対してそれぞれ左右非対称とすることでヨーク部1と極部2との裏表のいずれか一方でのみしか積層できないようにし、ヨーク部1と極部2との圧入時の寸法ばらつきを少なくしている。
【0013】
しかしながら、本実施例とは別の実施例において、界磁鉄心の打ち抜き時に、鉄心の積厚を測定し、層別に組み立てるといった方法を採る場合には、ヨーク部の表裏に関係無く組み立てを行った場合でもバラツキを少なくすることができるため、上記接合部組付部3の形状を左右非対称とすることもなく、種々の形状とすることが可能となる。
【0014】
図2は本発明の一実施例にかかる界磁巻線方法を説明するための説明図である。図2において、6は界磁巻線を供給するためのフライヤーであり、界磁組立体の組立前で極部2の両端にヨーク部1が無い状態で、フライヤー6が極部2の巻枠5の回りを回転し、巻線を施す時に巻線4をスロット8へ導くためのガイド7により界磁巻線4が極部2のスロット8の内部に導かれながら巻枠5の回りに巻線される。ただし、図1,図2において同一部分については同一符号を付してある。上記ガイド7は、通常、鉄より構成され、巻線に傷がつかないように表面を研磨している。
【0015】
以上のように本実施例では、2極の整流子電動機の界磁鉄心を、鍵型の接合部1aを各端部に有するヨーク部1を一対備え、該ヨーク部1との接合が可能な鍵型の接合部2aを各端部に有し、巻線4を収納するためのスロット8を形成する極部2を一対備えて、一対のヨーク部1,1と一対の極部2,2とに4分割した構成としている。このような構成において、上記したように、各極部2に鉄心の外周よりフライヤー6にて巻線をほどこした後、一対のヨーク部1,1と一対の極部2,2とを接合部1a,…,1a,2a,…,2aで圧入固定して界磁組立体を組み立てるようにしている。
【0016】
ここで、従来は、界磁鉄心は分割されていなかったため、板材より四角枠状の界磁鉄心をそのまま打ち抜くことになり、図6の(A)に斜線で示す部分38がクズとなり、多量のクズが発生していた。従って、クズの量を減少させるための1つの方法として、図5に示すように、同一材質の電気鉄板37より界磁鉄心27と電機子鉄心26とを打ち抜くようにし、かつ、そのとき界磁鉄心27の内側で電気子鉄心26を打ち抜くことにより、クズ28の量を減少させるようにしていた。これに対して、本実施例では、図4の(A)及び(B)に示すように、界磁鉄心を4分割した部品より構成するため、界磁鉄心のヨーク部1と極部2とを電気鉄板より打ち抜くとき、界磁鉄心用電気鉄板において4分割した部品を種々組み合わせてクズの量が最小限になるように配置して打ち抜くことによって、電気鉄板より界磁鉄心を打ち抜いたときのクズ30の量を大きく減少させることができる。これに伴い、電機子鉄心の打ち抜き用素材32を電機子鉄心用電気鉄板において自由に配置して打ち抜き時のクズ31を減少させることができる。さらに、界磁鉄心を4分割体として自由に配置させることによりクズの量の減少を図ることができるので、図4に示すように、界磁鉄心と電機子鉄心との材質を異ならせて、それぞれの電気鉄板より効率よく界磁鉄心と電機子鉄心とを打ち抜くことができ、鉄損の小さい界磁鉄心の電気鉄板を電機子鉄心の電気鉄板より安くグレードの低い材質のものにすることができ、電動機の効率の低下を少なくしながら、材料費を低減させることができる。
【0017】
また、このように4つに分割された界磁鉄心の極部2に巻線作業を行うとき、ヨーク部1が極部2の両端に無い状態、即ち、界磁組立体の組立前の状態で行うことができ、巻線作業時にヨーク部1が巻線作業の邪魔にならず、フライヤー6の回転だけで極部2に対する巻線作業が行えるため、巻線作業を高速度化することができて工数低減を図ることができるとともに、安価な巻線設備による自動巻線が可能となる。本実施例では、線径にもよるが、例えば、従来では毎分約400回転であるのに対して毎分約1500〜2000回転まで高速度化させることができる。ここで、極部2の各端部の接合部2aの先端が極部2の先端2bより大きく突出したり、又は、極部2の接合部2aにヨーク部1が結合されてヨーク部1の先端が極部2の先端2bより大きく突出していると、巻線作業時にフライヤー6の回転の妨げとなり、高速巻線作業が困難になる。従って、極部2の各接合部2aにはヨーク部1を接合させず、かつ、該接合部2aが極部2の先端2bより大きく突出しないようにするのが好ましいが、スロット8のスペースをある程度確保するためには極部2の接合部2aにはある程度の長さが必要となる。そこで、本実施例では、図1に示すように、極部2の接合部2aの長さは、極部2の先端2bと大略同じ長さとなるようにしている。また、ヨーク部1,1が極部2の両端に無い状態で巻線を巻くことにより巻線作業の高速化を図るため、界磁組立体は、2つの極部2,2と2つのヨーク部1,1との4分割にすることが必要となる。
【0018】
また、従来は、極部2への巻線作業時に極部2の両端にヨーク部1が存在するため、巻線の径の太さに制限(例えばボビン巻きの場合には線径0.65mmが限界)があったが、本実施例では、極部2への巻線作業時に極部2の両端にヨーク部1が無いため、巻線の径を従来よりも太くすることができる。例えば、本実施例では、例えば線径1.2mmまで大きくすることができる。
【0019】
上記極部2の接合部2aとヨーク部1の接合部1aの形状は、図1に示されたものに限定されるものではなく、例えば、図3に示すようなものでもよい。この図3では、界磁鉄心は、2つの極部22,22、2つのヨーク部21,21、巻枠25,25とを備えている。上記極部22の接合部22aは極部22の端部の中央部より突出した形状であり、上記ヨーク部21の接合部21aは、上記突出した接合部22aを圧入固定するアリ溝形状より構成されている。なお、図3には、界磁鉄心の中央に電動機鉄心26を配置した状態を示しており、28は巻き線用のスロットである。この図3において、上記ヨーク部21の接合部21aはヨーク部21の端部の中央部より突出した形状であり、上記極部22の接合部22aは、上記突出した接合部21aを圧入固定するアリ溝形状より構成するようにしてもよい。また、両接合部21a,22aは、これ以外の任意の形状に構成してもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、界磁鉄心の分割されたそれぞれの部品をクズの量が少なくなるように自由に組み合わせて配置したのち打ち抜くことができて、クズの量を大きく減少させることができるため、界磁鉄心と電機子鉄心とを別の材質の電気鉄板より打ち抜くようにしても、さほどクズの量は増加することがなく、かつ、電動機効率の低下を少なくしながら各鉄心を最適の電気鉄板より打ち抜くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における界磁組立体の正面図
【図2】図1の本発明の上記実施例における界磁組立体に適用される界磁巻線方法を説明するための極部の正面図
【図3】図1の本発明の上記実施例とは異なる実施例の界磁組立体の正面図
【図4】(A)は図1の界磁組立体の界磁鉄心を界磁鉄心用電気鉄板より打ち抜くときの4分割された界磁鉄心の配置例を示す図
(B)は上記界磁組立体の電機子鉄心を電機子鉄心用電気鉄板より打ち抜くときの電機子鉄心の配置例を示す図
【図5】界磁鉄心と電機子鉄心を1枚の電気鉄板より打ち抜くときの界磁鉄心と電機子鉄心の配置例を示す図
【図6】(A)は界磁鉄心を界磁鉄心用電気鉄板より打ち抜くときの界磁鉄心の配置例を示す図
(B)は電機子鉄心を電機子鉄心用電気鉄板より打ち抜くときの電機子鉄心の配置例を示す図
【図7】従来例における界磁組立体の正面図
【図8】図7の従来例における界磁巻線方法を説明するための界磁組立体の正面図
【符号の説明】
1,21 分割鉄心のヨーク部
1a,21a 接合部
2,22 分割鉄心の極部
2a,22a 接合部
2b 先端
3 接合部組付部
4 巻線
5,25 巻枠
6 フライヤー
7 ガイド
8,28 スロット
30,31,28,38 クズ

Claims (2)

  1. 線用のスロットを形成した一対の極部とを備える界磁鉄心と、前記極部に巻かれた巻線を有する界磁組立体と、略毎分30000〜40000回転の回転速度で回転する電機子を具備する2極の整流子電動機において、前記電機子を構成する電機子鉄心の電気鉄板の材質を前記界磁鉄心の材質よりケイ素量を多くし低鉄損とするとともに、界磁鉄心はヨーク部で分割され、その両端に形成された接合部により接合されていることを特徴とする2極の整流子電動機。
  2. 極部の先端と略同じ長さとなる位置で分割、接合されていることを特徴とする請求項1に記載の2極の整流子電動機。
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