JP3550779B2 - ロータリートランスコア及びロータリートランス - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばビデオテープレコーダ(VTR)、デジタルオーディオテープレコーダ(DAT)等に用いられるロータリートランス及びロータリートランスコアに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にビデオテープレコーダ(VTR)、デジタルオーディオテープレコーダ(DAT)等においては回転ヘッドの入出力信号を伝送するのにロータリートランスが使用されている。このロータリートランスは図4A,Bに示す如く、例えば円板状の焼結フェライトコアより成るロータリートランスコア41の一面側に円形の溝42a,42bを設け、この円形の溝42a,42bに巻線43a,43bを配した回転子44aと固定子44bとから構成されている。
【0003】
そしてロータリートランスのロータリートランスコア41は必要な磁気特性を得るためにフェライト等の高い透磁率を有する材料を用いて形成されている。このロータリートランスコア41を製造するのに従来はフェライト粉末を金型内で一軸方向に圧縮する圧縮成形法により成形し、この成形品を焼成するようにしたものが一般に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、コイル巻線用の溝42a,42bが設けられた複雑形状のロータリートランスコア41をこの圧縮成形法にて作製した場合、金型内に投入される原材料の充填度に不均一が生じ、その結果、焼成後のロータリートランスコア41に変形や反りが生じたり、また成形ショット毎の原材料の充填度が不均一なため、再現性が低く、個々のロータリートランスコア41において寸法のばらつきが生じる等の不都合があり、製造価格が比較的高くなる不都合があった。
【0005】
そこでフェライト粉末に高分子材料からなるバインダーを混練し、フェライト樹脂を得た後、このフェライト樹脂を射出成形でロータリートランスコア41を形成し、このロータリートランスコア41を使用してロータリートランスを得ることが考えられる。このフェライト樹脂を射出成形で得たロータリートランスコアは寸法精度、面精度等が良く、研磨工程が短縮されると共に均一なものが得られる利益がある。
【0006】
しかしながら、このフェライト樹脂を射出成形で得たロータリートランスコア41を使用したロータリートランスはトランスの結合係数が比較的小さく高周波数領域で使用することができない不都合があった。
【0007】
本発明は斯る点に鑑み、寸法精度、面精度等が良く且つ高周波数領域での使用ができる結合係数が得られるロータリートランスを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明ロータリートランスコアはドーナツ状のフェライトブロックにフェライト樹脂により射出成形で同心円状の溝を形成するに際し、このフェライトブロックの上面、下面、外周面及び内周面の全面にこのフェライト樹脂が被膜されてなり、このフェライトブロック内側端は巻線溝の内側よりも内側に位置すると共に、このフェライトブロック外側端は巻線溝の外側よりも外側に位置する構成とされ、巻線溝部の厚さに対するこのフェライトブロックの厚さの比率が、70%以上90%以下であるものである。
【0009】
【作用】
本発明によればフェライト樹脂により射出成形で同心円状の溝を形成しているので寸法精度、面精度等が良く歩留り良くロータリートランスコアを得ることができると共にフェライトブロックにフェライト樹脂により同心円状の溝を形成しており、このフェライトブロックは透磁率μが大きく、トランスの結合係数を大きくすることができる。
【0010】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明ロータリートランスコア及びロータリートランスの実施例につき説明しよう。
【0011】
本例においては、まず外径が例えば53mm、内径が例えば22mm、厚さが1.5mmのドーナツ状のフェライトブロック1を用意する。
【0012】
このフェライトブロック1の原料組成物として、
Fe2 O3 49.5mol%
ZnO 31.5mol%
CuO 9.5mol%
NiO 9.5mol%
を用いる。
【0013】
この原料組成物を、秤量→混合→脱水→乾燥→仮焼(空気中で800〜1000℃を4時間)→粗粉砕→造粒→成形→焼成→加工して外径が53mm、内径が22mm、厚さが1.5mmのドーナツ状のフェライトブロック1を形成する。
【0014】
このドーナツ状のフェライトブロック1の磁気特性は飽和磁束密度が270mT,保磁力Hcが8A/m,透磁率μ(1KHz)が1500であった。
【0015】
上述フェライトブロック1の原料組成物と同じ、原料組成物を、秤量→混合→脱水→乾燥→仮焼(空気中で、800〜1000℃を4時間)→粗粉砕して作成した粉末を焼成→粉砕してモールド用フェライト粉末を得た。
【0016】
このモールド用フェライト粉末に高分子材料からなるバインダーを混合してフェライト樹脂を作成した。このフェライト樹脂の透磁率μ(1KHz)は30であった。
【0017】
本例においては、このドーナツ状のフェライトブロック1を射出成形機の金型に設定し、この射出成形機で、上述フェライト樹脂2を図1に示す如くこのドーナツ状のフェライトブロック1を覆うように射出成形すると共にこのドーナツ状のフェライトブロック1の一面側に巻線用の同心円状の複数例えば2つの溝3a及び3bを射出成形により形成し、ロータリートランスコア4を得る。
【0018】
この場合、ドーナツ状のフェライトブロック1の内側端は溝3a,3bの内側よりもより内側に位置するようにすると共に、このドーナツ状のフェライトブロック1の外側端は溝3a,3bの外側よりもより外側に位置するようにする。
【0019】
また、この場合ドーナツ状のフェライトブロック1の厚さhは1.5mmであり、ロータリートランスコア4の溝3a,3bの部の厚さを2.0mm、溝3a,3b以外の部分の厚さを2.5mmとした。このフェライトブロック1の厚さhはロータリートランスコア4の溝3a,3b部の厚さの75%であった。
【0020】
この図1に示す如きロータリートランスコア4を作成した後、図3に示す如く所定の巻線5をこの溝3a,3bに配して、回転子6a及び固定子6bを形成し、この回転子6a及び固定子6bとを対向させて形成したロータリートランスの諸特性を評価した。その結果ロータリートランスとして重要な特性である結合係数が実用上問題のない0.91以上の0.92が得られた。因みにこのロータリートランスコアをフェライトブロックで作成したロータリートランスの結合係数は0.94であり、このロータリートランスコアをフェライト樹脂のみで作成したロータリートランスの結合係数は0.89であった。
【0021】
上述の如くフェライト樹脂2で覆うフェライトブロック1の条件で、このトランスの結合係数が変わるので、このフェライトブロック1の径と厚みとを種々変えて上述と同様にロータリートランスを作成して評価した。
【0022】
まず、このフェライトブロック1の径に関しては最内周の溝3bから離れるようにフェライトブロック1の内径が大きくなると、この最内周の溝3bにより形成されるチャンネルの結合係数が0.90を下回り、実用にならないことがわかった。また最外周に関しても最外周の溝3aの径よりも、このフェライトブロック1の外径が小さくなると、この最外周の溝3aにより形成されるチャンネルの結合係数が0.90を下回り実用にならないことがわかった。
【0023】
また、このフェライトブロック1の厚みとロータリートランスコア4の溝3a,3b部との関係とロータリートランスの結合係数との関係は図2に示す如く顕著な関係があり、図2はロータリートランスコア4の溝3a,3b部の厚さが2.0mmのときにおけるフェライトブロック1の厚さとロータリートランスの結合係数の関係を示す。
【0024】
この図2によればフェライトブロック1の厚さが1.4mm(ロータリートランスコア4の溝3a,3b部に対する比率が70%)以上であれば実用上問題のない結合係数が0.91以上となることがわかった。この図2においてフェライトブロック1の厚みが0.3mm以下のものは作成できなかった、またこのフェライトブロック1の厚さを1.8mm以上としたときには、射出成形時にフェライト樹脂2が、きれいにこのフェライトブロック1を覆わないためロータリートランスコア4が作成できなかった。
【0025】
以上述べた如く、本例によればフェライト樹脂4の射出成形でフェライトブロック1を覆うと共に同心円状の溝3a,3bを形成しているので、寸法精度、面精度等が良く均一なロータリートランスコア4を歩留り良く得ることができ、安価に製造することができる利益がある。
【0026】
また本例によれば、フェライトブロック1にフェライト樹脂2により同心円状の溝3a,3bを形成しており、このフェライトブロック1は透磁率μが大きく、トランスの結合係数を大きくでき、高周波数領域での使用ができる利益がある。
【0027】
また本例によれば巻線5を配する溝3a,3bはフェライト樹脂2により形成されているので、このフェライト樹脂2は電気抵抗が大きく、この巻線5とロータリートランスコア4との絶縁が良くなる利益がある。
【0028】
尚、本発明は上述実施例に限ることなく本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成が採り得ることは勿論である。
【0029】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によればフェライト樹脂の射出成形でフェライトブロックを覆うと共に同心円状の複数の溝を形成しているので、寸法精度、面精度等が良く均一なロータリートランスコアを歩留り良く得ることができ、安価に製造することができる利益がある。
【0030】
また本発明によれば、フェライトブロックにフェライト樹脂により同心円状の溝を形成しており、このフェライトブロックは透磁率μが大きくトランスの結合係数を大きくでき、高周波数領域での使用ができる利益がある。
【0031】
また本発明によれば巻線を配する溝はフェライト樹脂により形成されているので、このフェライト樹脂は電気抵抗が大きく、この巻線とロータリートランスコアとの絶縁が良くなる利益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ロータリートランスコアの一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の説明に供する線図である。
【図3】本発明ロータリートランスの例を示す断面図である。
【図4】従来のロータリートランスの例を示し、Aは回転子の平面図、Bはロータリートランスの断面図である。
【符号の説明】
1 フェライトブロック
2 フェライト樹脂
3a,3b 同心円状の溝
4 ロータリートランスコア
5 巻線
6a 回転子
6b 固定子
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばビデオテープレコーダ(VTR)、デジタルオーディオテープレコーダ(DAT)等に用いられるロータリートランス及びロータリートランスコアに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にビデオテープレコーダ(VTR)、デジタルオーディオテープレコーダ(DAT)等においては回転ヘッドの入出力信号を伝送するのにロータリートランスが使用されている。このロータリートランスは図4A,Bに示す如く、例えば円板状の焼結フェライトコアより成るロータリートランスコア41の一面側に円形の溝42a,42bを設け、この円形の溝42a,42bに巻線43a,43bを配した回転子44aと固定子44bとから構成されている。
【0003】
そしてロータリートランスのロータリートランスコア41は必要な磁気特性を得るためにフェライト等の高い透磁率を有する材料を用いて形成されている。このロータリートランスコア41を製造するのに従来はフェライト粉末を金型内で一軸方向に圧縮する圧縮成形法により成形し、この成形品を焼成するようにしたものが一般に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、コイル巻線用の溝42a,42bが設けられた複雑形状のロータリートランスコア41をこの圧縮成形法にて作製した場合、金型内に投入される原材料の充填度に不均一が生じ、その結果、焼成後のロータリートランスコア41に変形や反りが生じたり、また成形ショット毎の原材料の充填度が不均一なため、再現性が低く、個々のロータリートランスコア41において寸法のばらつきが生じる等の不都合があり、製造価格が比較的高くなる不都合があった。
【0005】
そこでフェライト粉末に高分子材料からなるバインダーを混練し、フェライト樹脂を得た後、このフェライト樹脂を射出成形でロータリートランスコア41を形成し、このロータリートランスコア41を使用してロータリートランスを得ることが考えられる。このフェライト樹脂を射出成形で得たロータリートランスコアは寸法精度、面精度等が良く、研磨工程が短縮されると共に均一なものが得られる利益がある。
【0006】
しかしながら、このフェライト樹脂を射出成形で得たロータリートランスコア41を使用したロータリートランスはトランスの結合係数が比較的小さく高周波数領域で使用することができない不都合があった。
【0007】
本発明は斯る点に鑑み、寸法精度、面精度等が良く且つ高周波数領域での使用ができる結合係数が得られるロータリートランスを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明ロータリートランスコアはドーナツ状のフェライトブロックにフェライト樹脂により射出成形で同心円状の溝を形成するに際し、このフェライトブロックの上面、下面、外周面及び内周面の全面にこのフェライト樹脂が被膜されてなり、このフェライトブロック内側端は巻線溝の内側よりも内側に位置すると共に、このフェライトブロック外側端は巻線溝の外側よりも外側に位置する構成とされ、巻線溝部の厚さに対するこのフェライトブロックの厚さの比率が、70%以上90%以下であるものである。
【0009】
【作用】
本発明によればフェライト樹脂により射出成形で同心円状の溝を形成しているので寸法精度、面精度等が良く歩留り良くロータリートランスコアを得ることができると共にフェライトブロックにフェライト樹脂により同心円状の溝を形成しており、このフェライトブロックは透磁率μが大きく、トランスの結合係数を大きくすることができる。
【0010】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明ロータリートランスコア及びロータリートランスの実施例につき説明しよう。
【0011】
本例においては、まず外径が例えば53mm、内径が例えば22mm、厚さが1.5mmのドーナツ状のフェライトブロック1を用意する。
【0012】
このフェライトブロック1の原料組成物として、
Fe2 O3 49.5mol%
ZnO 31.5mol%
CuO 9.5mol%
NiO 9.5mol%
を用いる。
【0013】
この原料組成物を、秤量→混合→脱水→乾燥→仮焼(空気中で800〜1000℃を4時間)→粗粉砕→造粒→成形→焼成→加工して外径が53mm、内径が22mm、厚さが1.5mmのドーナツ状のフェライトブロック1を形成する。
【0014】
このドーナツ状のフェライトブロック1の磁気特性は飽和磁束密度が270mT,保磁力Hcが8A/m,透磁率μ(1KHz)が1500であった。
【0015】
上述フェライトブロック1の原料組成物と同じ、原料組成物を、秤量→混合→脱水→乾燥→仮焼(空気中で、800〜1000℃を4時間)→粗粉砕して作成した粉末を焼成→粉砕してモールド用フェライト粉末を得た。
【0016】
このモールド用フェライト粉末に高分子材料からなるバインダーを混合してフェライト樹脂を作成した。このフェライト樹脂の透磁率μ(1KHz)は30であった。
【0017】
本例においては、このドーナツ状のフェライトブロック1を射出成形機の金型に設定し、この射出成形機で、上述フェライト樹脂2を図1に示す如くこのドーナツ状のフェライトブロック1を覆うように射出成形すると共にこのドーナツ状のフェライトブロック1の一面側に巻線用の同心円状の複数例えば2つの溝3a及び3bを射出成形により形成し、ロータリートランスコア4を得る。
【0018】
この場合、ドーナツ状のフェライトブロック1の内側端は溝3a,3bの内側よりもより内側に位置するようにすると共に、このドーナツ状のフェライトブロック1の外側端は溝3a,3bの外側よりもより外側に位置するようにする。
【0019】
また、この場合ドーナツ状のフェライトブロック1の厚さhは1.5mmであり、ロータリートランスコア4の溝3a,3bの部の厚さを2.0mm、溝3a,3b以外の部分の厚さを2.5mmとした。このフェライトブロック1の厚さhはロータリートランスコア4の溝3a,3b部の厚さの75%であった。
【0020】
この図1に示す如きロータリートランスコア4を作成した後、図3に示す如く所定の巻線5をこの溝3a,3bに配して、回転子6a及び固定子6bを形成し、この回転子6a及び固定子6bとを対向させて形成したロータリートランスの諸特性を評価した。その結果ロータリートランスとして重要な特性である結合係数が実用上問題のない0.91以上の0.92が得られた。因みにこのロータリートランスコアをフェライトブロックで作成したロータリートランスの結合係数は0.94であり、このロータリートランスコアをフェライト樹脂のみで作成したロータリートランスの結合係数は0.89であった。
【0021】
上述の如くフェライト樹脂2で覆うフェライトブロック1の条件で、このトランスの結合係数が変わるので、このフェライトブロック1の径と厚みとを種々変えて上述と同様にロータリートランスを作成して評価した。
【0022】
まず、このフェライトブロック1の径に関しては最内周の溝3bから離れるようにフェライトブロック1の内径が大きくなると、この最内周の溝3bにより形成されるチャンネルの結合係数が0.90を下回り、実用にならないことがわかった。また最外周に関しても最外周の溝3aの径よりも、このフェライトブロック1の外径が小さくなると、この最外周の溝3aにより形成されるチャンネルの結合係数が0.90を下回り実用にならないことがわかった。
【0023】
また、このフェライトブロック1の厚みとロータリートランスコア4の溝3a,3b部との関係とロータリートランスの結合係数との関係は図2に示す如く顕著な関係があり、図2はロータリートランスコア4の溝3a,3b部の厚さが2.0mmのときにおけるフェライトブロック1の厚さとロータリートランスの結合係数の関係を示す。
【0024】
この図2によればフェライトブロック1の厚さが1.4mm(ロータリートランスコア4の溝3a,3b部に対する比率が70%)以上であれば実用上問題のない結合係数が0.91以上となることがわかった。この図2においてフェライトブロック1の厚みが0.3mm以下のものは作成できなかった、またこのフェライトブロック1の厚さを1.8mm以上としたときには、射出成形時にフェライト樹脂2が、きれいにこのフェライトブロック1を覆わないためロータリートランスコア4が作成できなかった。
【0025】
以上述べた如く、本例によればフェライト樹脂4の射出成形でフェライトブロック1を覆うと共に同心円状の溝3a,3bを形成しているので、寸法精度、面精度等が良く均一なロータリートランスコア4を歩留り良く得ることができ、安価に製造することができる利益がある。
【0026】
また本例によれば、フェライトブロック1にフェライト樹脂2により同心円状の溝3a,3bを形成しており、このフェライトブロック1は透磁率μが大きく、トランスの結合係数を大きくでき、高周波数領域での使用ができる利益がある。
【0027】
また本例によれば巻線5を配する溝3a,3bはフェライト樹脂2により形成されているので、このフェライト樹脂2は電気抵抗が大きく、この巻線5とロータリートランスコア4との絶縁が良くなる利益がある。
【0028】
尚、本発明は上述実施例に限ることなく本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成が採り得ることは勿論である。
【0029】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によればフェライト樹脂の射出成形でフェライトブロックを覆うと共に同心円状の複数の溝を形成しているので、寸法精度、面精度等が良く均一なロータリートランスコアを歩留り良く得ることができ、安価に製造することができる利益がある。
【0030】
また本発明によれば、フェライトブロックにフェライト樹脂により同心円状の溝を形成しており、このフェライトブロックは透磁率μが大きくトランスの結合係数を大きくでき、高周波数領域での使用ができる利益がある。
【0031】
また本発明によれば巻線を配する溝はフェライト樹脂により形成されているので、このフェライト樹脂は電気抵抗が大きく、この巻線とロータリートランスコアとの絶縁が良くなる利益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ロータリートランスコアの一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の説明に供する線図である。
【図3】本発明ロータリートランスの例を示す断面図である。
【図4】従来のロータリートランスの例を示し、Aは回転子の平面図、Bはロータリートランスの断面図である。
【符号の説明】
1 フェライトブロック
2 フェライト樹脂
3a,3b 同心円状の溝
4 ロータリートランスコア
5 巻線
6a 回転子
6b 固定子
Claims (4)
- ドーナツ状のフェライトブロックにフェライト樹脂により射出成形で同心円状の巻線溝を形成するに際し、
上記フェライトブロックの上面、下面、外周面及び内周面の全面に上記フェライト樹脂が被膜されてなり、
上記フェライトブロック内側端は巻線溝の内側よりも内側に位置すると共に、該フェライトブロック外側端は巻線溝の外側よりも外側に位置する構成とされ、
巻線溝部の厚さに対する上記フェライトブロックの厚さの比率が、70%以上90%以下であることを特徴とするロータリートランスコア。 - 請求項1記載のロータリートランスコアにおいて、フェライトブロックの厚さが0.3mmを越え、1.8mm未満であることを特徴とするロータリートランスコア。
- ドーナツ状のフェライトブロックにフェライト樹脂により射出成形で同心円状の巻線溝を形成するに際し、
上記フェライトブロックの上面、下面、外周面及び内周面の全面に上記フェライト樹脂が被膜されてなり、
上記フェライトブロック内側端の巻線溝の内側よりも内側に位置すると共に、該フェライトブロック外側端は巻線溝の外側よりも外側に位置する構成のロータリートランスコアを用い、
上記ロータリートランスコアの巻線溝部の厚さに対する上記フェライトブロックの厚さの比率が、70%以上90%以下であり、
上記ロータリートランスコアの巻線溝部に巻線を配したことを特徴とするロータリートランス。 - 請求項3記載のロータリートランスにおいて、上記ロータリートランスの結合係数が、0.91以上0.93未満であることを特徴とするロータリートランス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03718695A JP3550779B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | ロータリートランスコア及びロータリートランス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03718695A JP3550779B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | ロータリートランスコア及びロータリートランス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08236371A JPH08236371A (ja) | 1996-09-13 |
JP3550779B2 true JP3550779B2 (ja) | 2004-08-04 |
Family
ID=12490558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03718695A Expired - Fee Related JP3550779B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | ロータリートランスコア及びロータリートランス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3550779B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6271918B2 (ja) * | 2013-09-06 | 2018-01-31 | ハンファテクウィン株式会社Hanwha Techwin Co.,Ltd. | 表面実装機の部品保持ヘッド |
-
1995
- 1995-02-24 JP JP03718695A patent/JP3550779B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08236371A (ja) | 1996-09-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20040106 |
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