JP3550288B2 - 到来角遅延時間測定器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタル無線通信において到来波の到来角及び遅延時間を測定する到来角遅延時間測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル移動通信においては、急増する需要に応えるため、周波数有効利用を図り周波数チャネルを増やすことが重要な課題となっている。空間的に周波数有効利用を図るためには周波数の繰り返し距離を短くする必要があるが、同一チャネル干渉の電力が増大し伝送特性が大幅に劣化する。従って、同一チャネル干渉対策が重要であり、近年、干渉キャンセラの一種であるアダプティブアレイを導入することが検討されている。
【0003】
アダプティブアレイは、アンテナの指向性を適応的に制御して干渉波を除去するものである。このアダプティブアレイを有効に動作させるためには、実際の移動伝搬路に則したパラメータ設計を行う必要がある。特に到来波の到来角に関する情報が設計上重要であり、実際に到来角を測定する必要がある。
この測定には、(i)MUSIC(Multiple Signal Classification)アルゴリズム等のSubspace−Based法か、(ii)MVDR(Minimum Variance Distortionless Response)アルゴリズム等のビームフォーミング法を推定アルゴリズムに用いることが考えられるが、Subspace−Based法は行列の固有展開を行うので演算量が膨大となり、演算量が比較的少ないビームフォーミング法を適用する方が望ましい。
【0004】
MVDRアルゴリズムを用いた到来角推定を説明するため、このアルゴリズムを用いたアダプティブアレイの動作を図2を用いて説明する(J.Capon,“High−Resolution Frequency−Wavenumber Spectrum Analysis”,Proc.IEEE,57(8),pp.1408−1418,1969 年8月)。
アンテナ11は111 〜11Q のQ(Qは2以上の自然数)本あり、受信波を受信する。まず、アンテナ111 から受信した受信波は、低雑音アンプ12で増幅された後にハイブリッド13で分岐される。その1つの信号は、キャリア信号発生器14が出力するキャリア信号を乗算器15で乗算された後にローパスフィルタ16に通されてA/D変換器17でサンプリング周期Ts ごとにサンプリングされ、ディジタル信号に変換される。このサンプリング周期Ts は特に断らない限り変調のシンボル周期Tに等しいものとする。ハイブリッド13からの他の信号は移相器18で90度位相回転したキャリア信号と乗算器19で乗算され、ローパスフィルタ21に通された後にA/D変換器22でサンプリングされ、ディジタル信号に変換される。この操作は準同期検波であり、A/D変換器17及び22の出力は準同期検波信号の同相成分及び直交成分に相当し、2つを合わせて受信ベースバンド信号x1 (i)とする。以後、ベースバンド信号は全て同相成分を実部で、直交成分は虚部とする複素表示で表わし、iは時刻iTs におけるサンプリング値を示す整数とする。なお、低雑音アンプ12、ハイブリッド13、乗算器15及び19、移相器18、ローパスフィルタ16及び21、A/D変換器17及び22はベースバンド受信信号発生器231 を構成する。他のアンテナから受信した受信波についても同様に、ベースバンド受信信号発生器に入力され受信ベースバンド信号が出力される。ここで、ベースバンド受信信号発生器231 〜23Q とキャリア信号発生器14は受信手段に相当する。
【0005】
ベースバンド受信信号発生器231 〜23Q からの受信ベースバンド信号群x1 (i)〜xQ (i)は、それぞれ入力端子251 〜25Q を通ってそれぞれ複素乗算器261 〜26Q で重み付け係数w* 1 〜w* Q を乗算された後、複素加算器27で合成されて合成信号y(i)として出力端子28から出力される。この過程は受信ベースバンド信号の線形合成であり、重み付け係数を適応的に制御することでアンテナ指向性を制御し、受信ベースバンド信号に含まれる干渉波成分を除去する。合成信号y(i)を次式で定めるQ次元受信ベースバンド信号ベクトルX(i)とQ次元重み付け係数ベクトルWを用いて表すと
y(i)=WH X(i) (1)
WH =[w1 * w2 * …wQ * ] (2)
XH (i)=[x1 * (i)x2 * (i)…xQ * (i)] (3)
となる。ここで *は複素共役であり、 Hは複素共役転置である。重み付け係数推定回路29は受信ベースバンド信号群x1 (i)〜xQ (i)と合成信号y(i)を入力として、MVDRアルゴリズムを用いて重み付け係数を推定し出力する。
【0006】
MVDRアルゴリズムは、希望波の到来角をφとするとφから来る到来波のみを抽出するように動作する。具体的には、到来角φの到来波の平均電力を一定に保ちつつ合成信号の平均電力が最小になるように重み付け係数を推定する。このように重み付け係数を推定すると、他の到来角の到来波は除去され、雑音信号電力が無視できる状況では合成信号の平均電力が到来角φの到来波の平均電力に比例する。
【0007】
次に、到来角φの到来波の平均電力を一定に保つ拘束条件について、図4を用いて説明する。この図において、アンテナの形状は間隔dで線上にアンテナを配置するリニアアレイであり、到来角φの平面波が到来しているものとする。ここで、間隔dはアレイアンテナの指向性を適切に制御するためλ/2(λ:電波の波長)以下にする必要がある。アンテナ112 の到来波は、アンテナ111 の到来波に対して行路差d cosφで2πdcos φ/λの位相遅れがある。同様に第q(1<q<Q)アンテナ11q の到来波は、アンテナ111 の到来波に対して2π(q−1)d cosφ/λの位相遅れがある。この位相遅れと式(1)を考慮すると、到来角φの到来波の平均電力を一定に保つ拘束条件は
WH A(φ)=1(一定) (4)
AH (φ)=[a1 * (φ)a2 * (φ)…aQ * (φ)] (5)
aq (φ)=exp[−j2π(q−1)d cosφ/λ],1<q<Q(6)
となる。ここでA(φ)はステアリングベクトルと呼ばれているベクトルであり、jは虚数単位である。
【0008】
合成信号y(i)の平均電力P(W)は式(1)から
P(W)=WH RW (7)
となる。ここでRはQ次元受信ベースバンド信号ベクトルX(i)の自己相関行列であり、
R=〈X(i)XH (i)〉 (8)
である。なお,〈 〉はアンサンブル平均を表す。式(4)の拘束条件のもと式(7)を最小にするWをWopt とするとWopt は
Wopt =[AH (φ)R−1A(φ)]−1R−1A(φ) (9)
となることが知られている(R.T.Jr.Compton著“Adaptive antennas ”第6章,Prentice Hall 出版1988年)。式(9)を式(7)に代入すると
Pm (φ)=P(Wopt )=[AH (φ)R−1A(φ)]−1 (10)
となる。
【0009】
Pm (φ)=P(Wopt )は、雑音信号電力が無視できる状況では到来角φの到来波の平均電力に比例するので、到来角φに対するPm (φ)をプロットしてそのピークを探せば、実際の到来波の到来角を推定することができ、そのピーク値は到来波の平均電力にほぼ比例する。
このMVDRアルゴリズムを用いた従来の到来角測定器の構成を図3に示す。受信ベースバンド信号群x1 (i)〜xQ (i)は、入力端子251 〜25Q を通って入力する。逆行列演算手段に相当する逆行列演算回路31は受信ベースバンド信号群x1 (i)〜xQ (i)からR−1を求めて出力する。ステアリングベクトル生成手段に相当するステアリングベクトル生成回路32は、入力端子33から到来角候補の値θを入力して式(5)と式(6)に基づきステアリングベクトルA(θ)を求めて出力する。複素共役演算回路34はステアリングベクトルA(θ)を入力としてA(θ)の複素共役転置AH (θ)を出力し、行列乗算回路35はR−1にA(θ)を乗算してベクトルR−1A(θ)を出力する。内積演算回路36はこの乗算結果R−1A(θ)とステアリングベクトルの複素共役転置AH (θ)との内積、AH (θ)R−1A(θ)を求めて出力する。逆数演算回路37はこの内積の逆数{AH (θ)R−1A(θ)}−1を計算して、到来角候補θに対応する到来波の平均電力Pm (θ)として出力端子38から出力する。ここで、複素共役演算回路34、行列乗算回路35、内積演算回路36及び逆数演算回路37は平均電力推定手段に相当する。
【0010】
到来角候補θに対するPm (θ)をプロットした具体例を図5に示す。曲線61はEb /N0 =30dB、曲線62はEb /N0 =15dB、曲線63はEb /N0 =0dB、Eb /N0 は1ビット当りの信号エネルギの雑音スペクトル電力密度比である。ここで、アンテナの数Qは4、アンテナ間隔dはλ/2、変調方式はQPSK変調として、到来角60度と120度の平均電力が等しい2つの波が来るものとした。θが60度と120度でPm (θ)がピークとなり、2つのピーク値はほぼ等しくなっている。平均Eb /N0 をパラメータにしており、雑音電力が相対的に高くなると、即ち平均Eb /N0 が小さくなると、ピークが鈍くなっている様子がわかる。
【0011】
図3の逆行列演算手段31はR−1を求めるが、その方法は、(i)Rを求めてから逆行列を計算する方法と、(ii)R−1を直接求める方法がある。
(i)の方法は、まず式(8)で定義されているRを以下で示すようにアンサンブル平均を時間平均で置き換えて求める。このとき、i=1からNまでのサンプリング値が得られたものとする。
【0012】
R=βN RN (11)
RN =Σi=1 N λN−i X(i)XH (i) (12)
λ=1で βN =N−1
λ<1で βN =[(1−λN )/(1−λ)]−1 (13)
ここでは指数重み付け時間平均を行い、忘却係数λ(0<λ<1)を導入した。βN は規格化定数であり、式(13)に示すように実質的な観測時間の逆数となっている。R−1は式(11)から
R−1=βN −1RN −1 (14)
として求める。
【0013】
(ii)の方法は、式(14)のRN −1を逆行列の補助定理を用いて逐次的に求める方法であり、
【0014】
【数1】
として求める。ただし、初期条件は
R0 −1=δ−1I (16)
とする。ここで、δは非常に小さい正数であり、Iは単位行列である。RN −1を求めたら、式(14)に代入してR−1を求める。この方法の利点は逆行列の操作が不要で演算量が(i)の方法に比べて少ない点にある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
さて、広帯域伝送を行う場合、シンボル周期Tに比べて遅延時間が無視できない到来波が到来して符号間干渉が発生し、符号間干渉による伝送劣化を抑えるため適応等化器を導入する必要がある。適応等化器を設計する上において、遅延時間の情報が必要であり、到来角に加えて実際に遅延時間を測定する必要がある。しかし、図3の従来の到来角測定装置は到来角の差でのみ到来波を分離検出しているため、到来波の遅延時間を測定することができない。
【0016】
以上説明したように、従来の到来角測定装置では、広帯域伝送に適用しようとすると、到来角の差でのみ到来波を分離検出しているため、到来波の遅延時間を測定することができないという欠点があった。
この発明の目的は、到来波の到来角に加えて遅延時間を測定できる到来角遅延時間測定装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明による到来角遅延時間測定器は、(1)複数のアンテナからの受信信号をベースバンド帯に変換する受信手段、(2)受信ベースバンド信号群を離散フーリエ変換する周波数変換手段、(3)受信ベースバンド信号群の周波数成分を既知の送信信号の周波数成分で正規化し、正規化周波数信号群として出力する正規化手段、(4)正規化周波数信号群の自己相関行列の逆行列を求める逆行列演算手段、(5)到来波の到来角候補と遅延時間候補に依存するステアリングベクトルを定めるステアリングベクトル生成手段、(6)逆行列とステアリングベクトルから到来角候補及び遅延時間候補に対応する到来波の平均電力を求める平均電力推定手段から成る。
[作用] この発明における基本的な作用は次のようなものである。(1)受信手段は、複数のアンテナからの受信信号をベースバンド帯に変換し出力する。(2)周波数変換手段は、受信ベースバンド信号群を離散フーリエ変換し、その結果を受信周波数信号群として出力する。(3)正規化手段は、受信周波数信号群を既知の送信信号の周波数成分で正規化し、正規化周波数信号群として出力する。(4)逆行列演算手段は、正規化周波数信号群を入力として、その自己相関行列の逆行列を計算して出力する。(5)ステアリングベクトル生成手段は、到来波の到来角候補と遅延時間候補からステアリングベクトルを定め出力する。(6)平均電力推定手段は、逆行列にステアリングベクトルを乗算して、その結果と前記ステアリングベクトルの複素共役との内積を求め、この内積の逆数を到来角候補及び遅延時間候補に対応する到来波の平均電力として出力する。
【0018】
従来技術とは、(1)受信ベースバンド信号群を離散フーリエ変換し、さらに送信信号の周波数成分で正規化した後、その結果の自己相関行列の逆行列を求める点と、(2)その逆行列と、到来角候補のみならず遅延時間候補に依存するステアリングベクトルとから到来波の平均電力を求める点が異なる。
【0019】
【発明の実施の形態】
この発明の実施例の機能構成を図1に示す。この実施例では送信信号は図6に示すように周期TF の周期信号s(t)であり、この周期信号s(t)は受信側で既知とする。入力端子251 〜25Q から受信ベースバンド信号群x1 (i)〜xQ (i)が入力し、それぞれ周波数変換手段に相当する離散フーリエ変換回路411 〜41Q に入力される。離散フーリエ変換回路411 〜41Q は、それぞれ受信ベースバンド信号群x1 (i)〜xQ (i)を離散フーリエ変換し、その結果を受信周波数信号群として出力する。
【0020】
離散フーリエ変換は、TS =TF /NF (NF は自然数)とし、Ω=2π/TF とするとき、周波数f=kΩにおけるxq (i)(1<q<Q)の周波数成分Xq (k)を
Xq (k) =NF −1 Σ i=0 NF−1xq (i)exp(−j2πki /NF )(17)
として求める。なお、式(17)は、0<i<NF −1の受信ベースバンド信号、即ち第1周期分の受信ベースバンド信号を用いているが、第M(Mは整数)周期の受信ベースバンド信号を用いる場合には、式(17)の和の範囲を(M−1)NF <i<MNF −1とすればよい。
【0021】
受信周波数信号群X1 (k)〜XQ (k)は、それぞれ正規化手段に相当する正規化回路421 〜42Q に入力され、送信信号離散フーリエ変換メモリ43からの既知の送信信号s(t)の周波数成分で正規化された後、正規化周波数信号群として出力される。正規化回路42q (1<q<Q)の出力信号である正規化周波数信号Xq (k)′は、周波数f=kΩにおける送信信号s(t)の周波数成分をS(k)とするとき、
Xq (k)′=Xq (k)/S(k),|k|<KF (18)
となる。ただし、KF Ωは送信信号s(t)の周波数帯域であり以下ではKF の整数部をKとする。なお、入力信号x1 (i)〜xQ (i)は同一方向についてみれば伝搬遅延時間は同一であり、前記正規化により伝送路の伝達関数が得られる。
【0022】
正規化周波数信号群X1 (k)′〜XQ (k)′は、逆行列演算手段に相当する逆行列演算回路44に入力される。逆行列演算回路44は、式(3)で定めたQ次元受信ベースバンド信号ベクトルX(i)の代りに、次式で定めるQ(2K+1)次元正規化周波数信号ベクトルXex(m)の自己相関行列の逆行列Rex −1を求める。
【0023】
Xex H (m) =[X1 H (m) X2 H (m) …XQ H (m) ] (19)
Xq H (m) =[Xq * (−K,m)′Xq * (−K+1,m)′…Xq * (K,m)′],1<q<Q (20)
ここで、Xq (k,m)′は、第m(mは整数)周期の受信ベースバンド信号から求めた正規化周波数信号Xq (k)′である。なお、逆行列演算回路44は逆行列を求める際、式(12)の時間平均においてiの代りに周期番号を表す整数mを用いる。
【0024】
ステアリングベクトル生成手段に相当する時空ステアリングベクトル生成回路45は、入力端子46から遅延時間候補の値τを、入力端子33から到来角候補の値θを入力してステアリングベクトルAex(θ,τ)を求め出力する。このステアリングベクトルは、遅延時間τ、到来角θの到来波の平均電力を一定に保つという拘束条件を規定しなくてはならない。式(19)を考慮すると、このAex(θ,τ)は前述の式(5)のA(θ)を拡張して、
Aex H (θ)=[a1 * (θ)BH (τ)a2 * (φ)BH (τ)…aQ * (φ)BH (τ)] (21)
BH (τ)=[exp(−jKΩτ)exp {−j(K−1)Ωτ}…exp (jKΩτ)] (22)
となる。複素共役演算回路47はステアリングベクトルAex(θ,τ)を入力としてAex(θ,τ)の複素共役転置Aex H (θ,τ)を出力し、行列乗算回路48はRex −1にAex(θ,τ)を乗算してベクトルRex −1Aex(θ,τ)を出力する。内積演算回路49はこの乗算結果Rex −1Aex(θ,τ)とステアリングベクトルの複素共役転置Aex H (θ,τ)との内積、Aex H (θ,τ)Rex −1Aex(θ,τ)を求め出力する。逆数演算回路51はこの内積の逆数{Aex H (θ,τ)Rex −1Aex(θ,τ)}−1を計算して、到来角候補θ及び遅延時間τに対応する到来波の平均電力Pm (θ,τ)として出力端子38から出力する。ここで、複素共役演算回路47、行列乗算回路48、内積演算回路49及び逆数演算回路51は平均電力推定回路52を構成し、平均電力推定手段に相当する。
【0025】
この処理により到来角候補θ及び遅延時間候補τに対応する信号成分が強調され、到来角候補θ及び遅延時間候補τに対してPm (θ,τ)をプロットしてそのピーク値を探せば、到来波の到来角及び遅延時間が推定できる。
このように、受信ベースバンド信号群の離散フーリエ変換し、さらに送信信号の周波数成分で正規化した後、その結果の自己相関行列の逆行列を求め、到来角候補のみならず遅延時間候補に依存するステアリングベクトルを用いているため、到来波の到来角のみならず遅延時間の測定ができる。
【0026】
なお、相関のある到来波が複数存在する場合でも対処できるように、空間及び周波数に関してスムージング(Tie−Jun Shan,Mati Wax,and Thomas Kailath,“On spatial smoothing for Direction−of Arrival Estimation of Coherent Signals”,IEEE Trnas.ASSP ,vol.ASSP−33 ,No.4,pp.806−811,August,1985.)を適用することもできる。
【0027】
また、ここではアンテナは図4に示すようなリニアアレイとして説明したが、円状のサーキュラアレイにも容易に適用できる。さらに、サンプリングオフセットによる劣化を抑えるため、サンプリング周期TS を変調のシンボル周期T未満にすることもできる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、受信ベースバンド信号群を離散フーリエ変換し、さらに送信信号の周波数成分で正規化した後、その結果の自己相関行列の逆行列を求め、到来角候補のみならず遅延時間候補に依存するステアリングベクトルとから到来波の平均電力を求めているので、到来波の到来角に加えて遅延時間を測定できる。
【0029】
同一チャネル干渉が無視できず、高速伝送を行う無線システムに利用すると効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の機能構成を示すブロック図。
【図2】従来のアダプティブアレイの機能構成を示すブロック図。
【図3】従来の到来角測定装置の機能構成図。
【図4】アダプティブアレイのアンテナ配置と到来波の関係図。
【図5】到来角候補と平均電力のプロット例を示す図。
【図6】送信信号の信号構成を示す図。
Claims (1)
- 複数のアンテナからの受信信号をベースバンド帯に変換し受信ベースバンド信号群を出力する受信手段と、
前記受信ベースバンド信号群を離散フーリエ変換し、その結果を受信周波数信号群として出力する周波数変換手段と、
前記受信周波数信号群を既知の送信信号の周波数成分で正規化し、正規化周波数信号群として出力する正規化手段と、
前記正規化周波数信号群を入力として、その自己相関行列の逆行列を計算して出力する逆行列演算手段と、
到来波の到来角候補と遅延時間候補からステアリングベクトルを定め出力するステアリングベクトル生成手段と、
前記逆行列に前記ステアリングベクトルを乗算して、その乗算結果のベクトルと前記ステアリングベクトルの複素共役との内積を求め、この内積の逆数を前記到来角候補及び前記遅延時間候補に対応する到来波の平均電力として出力する平均電力推定手段とから構成されることを特徴とする到来角遅延時間測定器。
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