JP2001223609A - チップ同期回路 - Google Patents

チップ同期回路

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JP2001223609A
JP2001223609A JP2000032376A JP2000032376A JP2001223609A JP 2001223609 A JP2001223609 A JP 2001223609A JP 2000032376 A JP2000032376 A JP 2000032376A JP 2000032376 A JP2000032376 A JP 2000032376A JP 2001223609 A JP2001223609 A JP 2001223609A
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steering vector
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average power
delay time
inverse matrix
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JP2000032376A
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Kazuhiko Fukawa
和彦 府川
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NTT Docomo Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】同一チャネル干渉電力が無視できないマルチパ
ス伝搬状況下でも良好に動作するチップ同期回路を提供
すること。 【解決手段】受信べースバンド信号が入力される遅延手
段41の出力信号を入力として、その自己相関行列の逆
行列を計算する逆行列演算手段42と、拡散符号メモリ
58に蓄積された既知の拡散符号系列を遅延波の遅延時
間候補分シフトしてステアリングベクトルを生成するベ
クトル生成手段45と、前記逆行列に前記ステアリング
ベクトルを乗算して、その乗算結果と前記ステアリング
ベクトルの複素共役との内積の逆数を求めて前記遅延時
間候補に対応する遅延波の平均電力として出力する平均
電力推定手段43と、前記平均電力を入力し、ピークと
なる前記遅延時間候補を見つけるピーク検出手段44と
から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトラム拡散
通信において遅延波の遅延時間を求めるチップ同期に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタル移動通信においては、
急増する需要に応えるため、システム容量増加が見込め
るスペクトラム拡散通信方式が注目を集めている。特
に、スペクトラム拡散通信方式の一種である直接拡散方
式は有望であり、次世代移動通信方式としシステム導入
が検討されている。
【0003】この直接拡散方式の送信機の構成を図1に
示す。
【0004】まず、入力端子I及びQからそれぞれ、シ
ンボル周期Tのべースバンド変調波の同相成分I及び直
交成分Qが入力する。乗算器1及び1はこれらの信
号に、拡散符号メモリ8が出力する高周波の拡散符号を
乗算し帯域拡散を行う。帯域拡散されたべースバンド変
調波の同相成分は、アナログ乗算器2でキャリア信号
発生器7が出力するRFキャリア信号を乗算され、一
方、直交成分Qは90度位相回転したRFキャリア信号
をアナログ乗算器2で乗算される。アナログ加算器3
はこれらの乗算結果を足し合わせRF変調波を生成する
が、これは直交変調の操作に相当する。
【0005】RF変調波は、送信アンプ4で増幅された
後、送信アンテナ5で送信される。
【0006】直接拡散方式の送信波を受信し復調するた
めには、帯域拡散された信号を元のベースバンド帯域に
変換する逆拡散が必要となる。この逆拡散は受信波に同
期した拡散符号を乗算して低周波成分を抽出するもので
あり、拡散符号の同期、即ちチップ同期が必須となる。
【0007】このチップ同期回路の構成を図2に示す。
【0008】まず、受信アンテナ11から受信した受信
波は、低雑音アンプ12で増幅された後にハイブリッド
13で分岐される。
【0009】一方の信号は、キャリア信号発生器16が
出力するRFキャリア信号をアナログ乗算器14で乗
算された後にローパスフィルタ17へ入力される。そ
して、A/D変換器18でサンプリング周期Tごと
にサンプリングされディジタル信号に変換される。この
サンプリング周期Tは、特に断らない限り拡散符号の
チップ周期Tに等しいものとする。
【0010】他方の信号は、90度位相回転したRFキ
ャリア信号をアナログ乗算器14で乗算され、ローパ
スフィルタ17へ入力された後にA/D変換器18
でサンプリングされ、ディジタル信号に変換される。
【0011】この操作は準同期検波であり、A/D変換
器18及び18の出力は準同期検波信号の同相成分
及び直交成分に相当し、2つを合わせて受信ベースバン
ド信号x(i)とする。以後、べースバンド信号は全て
同相成分を実部で、直交成分は虚部とする複素表示で表
わし、iは時刻iTにおけるサンプリング値を示す整
数とする。
【0012】なお、低雑音アンプ12、ハイブリッド1
3、アナログ乗算器14及び14 、移相器15、キ
ャリア信号発生器16、ローパスフィルタ171及び
17 、A/D変換器18及び18は、べースバン
ド受信信号発生器10を構成し、受信手段に相当する。
相関器19は、受信べースバンド信号と、拡散符号メモ
リ20が出力する拡散符号との相関を求め、その絶対値
2乗をピーク検出回路21へと出力する。
【0013】ピーク検出回路21では、拡散符号の拡散
符号長分(NT、Nは拡散符号の符号長)の時間範囲
において、相関値の絶対値2乗がピークとなるタイミン
グを求め、これを拡散符号のタイミングとして出力端子
へと出力する。相関値の絶対値2乗がピークとなるタイ
ミングを拡散符号のタイミングとする理由については後
述する。
【0014】図3に図1の相関器19の構成例を示す。
この構成はトランスバーサルフィルタと等価である。相
関器19の各複素乗算器32には、遅延された受信べー
スバンド信号と、端子SSoutから入力する拡散符号と
が印加されて乗算される。相関器19の各複素乗算器3
2には、受信べースバンド信号が遅延時間Tの遅延素
子31によって(p−1)T(なお、1≦p≦N)遅
延されて、印加されている。
【0015】複素加算器33は、各複素乗算器32の乗
算結果を足しあわせ相関信号を生成し、絶対2乗演算器
34は相関信号の絶対値2乗を求め出力端子CORout
へ出力する。
【0016】通常、拡散符号は、自己相関の鋭い、即ち
自身との相関が時間差零のとき鋭いピークとなる符号系
列が用いられる。この様な符号系列としてPN系列があ
り、その自己相関を図4に示す。
【0017】従って、拡散符号として自己相関の鋭い符
号を用いると、送信側と受信側のタイミングが一致した
ときに相関がピークとなる。マルチパス伝搬路で、直接
波と、遅延時間τ1とτ2の遅延波が2波到来する場合、
その相関値の絶対値2乗の例を図5に示す。
【0018】時刻t1において直接波の拡散符号と受信
側のタイミングが一致し、この時刻において相関値の絶
対値2乗はピークとなる。なお、この値は直接波の電力
に比例する。時刻t2=t1+τ1及びt3=t1+τ2につ
いても同様で、これらの時刻において遅延時間τ1とτ2
の遅延波の拡散符号と受信側のタイミングが一致し、相
関値の絶対値2乗がピークとなる。
【0019】これらの値もそれぞれの遅延波の電力に比
例する。従って、相関値の絶対値2乗がピークとなるタ
イミングを見つければ、マルチパスに対応する拡散符号
のタイミンクが抽出できる。これらのタイミングを用い
れば、マルチパスの遅延時間の異なるパスに対して逆拡
散を行い、逆拡散後の信号を合成することができる。こ
れがRAKE合成であり、パスダイバーシチ効果により
伝送特性を改善することができる。
【0020】さて、直接拡散方式を用いた移動通信にお
いては、同じ周波数帯を相異なる拡散符号を持つ複数の
ユーザが使用するので、他ユーザの信号は同一チャネル
干渉となる。図2に示した従来のチップ同期回路は、こ
の同一チャネル干渉電力を相関操作により1/Nまでで
きるが、同一チャネル干渉が大きくなり、全干渉波電力
が希望波の電力のN倍程度になると特性が大幅に劣化す
るという欠点があった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑みなされたものであり、同一チャネル干渉電力が無視
できないマルチパス伝搬状況下でも良好に動作するチッ
プ同期回路を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のチップ同期回路
は、(1)アンテナからの受信信号をべースバンド帯に
変換する受信手段、(2)受信べースバンド信号を入力
とするシフトレジスタと等価な遅延手段、(3)シフト
レジスタの出力信号を入力として、その自己相関行列の
逆行列を出力する逆行列演算手段、(4)既知の拡散符
号系列を遅延時間侯補分時間シフトすることでステアリ
ングベクトルを生成するステアリングベクトル生成手
段、(5)逆行列とステアリングベクトルから遅延時間
候補に対応する遅延波の平均電力を出力する平均電力時
間推定手段、(6)平均電力がピークとなる遅延時間侯
補を見つけるピーク検出手段とから成る。
【0023】また、時間軸上の受信信号を周波数軸上に
変換しても同様な動作が可能で、そのときの構成は、
(1)アンテナからの受信信号をべースバンド帯に変換
する受信手段、(2)受信べースバンド信号をフーリエ
変換する周波数変換手段、(3)周波数変換された受信
信号を入力として、その自己相関行列の逆行列を出力す
る逆行列演算手段、(4)既知の拡散符号系列を遅延時
間候補分時間シフトし、周波数変換することでステアリ
ングベクトルを生成するステアリングベクトル生成手
段、(5)逆行列とステアリングベクトルから遅延時間
侯補に対応する遅延波の平均電力を出力する平均電力推
定手段、(6)平均電力がピークとなる遅延時間侯補を
見つけるピーク検出手段とから成る。
【0024】さらに、別の構成も可能で、(1)アンテ
ナからの受信信号をべースバンド帯に変換する受信手
段、(2)受信べースバンド信号をフーリエ変換する周
波数変換手段、(3)周波数変換された受信信号を既知
の拡散符号系列の周波数成分で正規化し、正規化周波数
信号群として出力する正規化手段、(4)正規化周波数
信号群を入力として、その自己相関行列の逆行列を出力
する逆行列演算手段、(5)遅延時間侯補からステアリ
ングベクトルを生成するステアリングベクトル生成手
段、(6)逆行列とステアリングベクトルから遅延時間
侯補に対応する遅延波の平均電力を出力する平均電力推
定手段、(7)平均電力がピークとなる遅延時間候補を
見つけるピーク検出手段とから成る。
【0025】上記の3種の構成とも、平均電力推定手段
において、同一チャネル干渉及び希望波の他遅延波成分
を抑圧するように遅延波の平均電力を推定するので、同
一チャネル干渉電力が大きいマルチパス伝搬状況下でも
精度良くチップ同期を行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面と共に説明する。本発明における基本的な作用は
次のようなものである。 (1)受信手段はアンテナからの受信信号をべースバン
ド帯に変換し出力する。 (2)遅延手段は、シフトレジスタを用いて受信べース
バンド信号の時系列を出力する。 (3)逆行列演算手段は受信べースバンド信号の時系列
を入力として、その自己相関行列の逆行列を求める。 (4)ステアリングベクトル生成手段は既知の拡散符号
系列を遅延時間侯補分時間シフトすることでステアリン
グベクトルを生成する。 (5)平均電力推定手段は、同一チャネル干渉及び希望
波の他遅延波成分を抑圧するように、逆行列とステアリ
ングベクトルから遅延時間侯補に対応する遅延波の平均
電力を推定し出力する。 (6)ピーク検出手段は平均電力がピークとなる遅延時
間侯補を見つける。
【0027】なお、従来技術とは、同一チャネル干渉及
び希望波の他遅延波成分を抑圧するように遅延時間侯補
に対応する遅延波の平均電力を推定し出力する点が異な
っている。
【0028】以下に、実施例について説明する。 (第1の実施例)本発明の第1の実施例の構成を図6に
示す端子Binから受信べースバンド信号x(i)がシフト
レジスタに入力される。このシフトレジスタは、遅延手
段41に相当し、遅延時間がチップ周期Tに等しい遅
延素子の縦続構成である。遅延素子数は最大遅延時間が
2T−T、(T:変調のシンボル周期)となるように
設定され、受信べースバンド信号の時間幅2Tの時系列
を遅延受信べースバンド信号群として逆行列演算回路4
2に入力する。逆行列演算回路42は逆行列演算手段に
相当し、遅延受信べースバンド信号群の自己相関行列の
逆行列を求める。この方法について以下説明する。
【0029】まず、遅延受信べースバンド信号群を、次
式で定める2N次元受信信号ベクトルX(i)として表現
する。 X(i)=[x(iN+N−1)x(iN+N−2)…x(iN−N)](1) ここでは、複素共役であり、は複素共役転置であ
る。遅延受信べースバンド信号群の自己相関行列Rは2
N×2N行列であり、
【0030】
【数1】 と定める。なお、<>は、アンサンブル平均である。
【0031】逆行列演算回路42はR−1を求めるが、
その方法は、(i)Rを求めてから逆行列を計算する方
法と、(ii)R−1を直接求める方法とがある。
【0032】(i)の方法は、まず式(2)で定義され
ているRを以下で示すようにアンサンブル平均を時間平
均で置き換えて求める。このとき、i=1からMまでの
受信信号ベクトルX(i)が得られたものとする。
【0033】
【数2】 ここでは、指数重み付け時間平均を行い、忘却係数λ
(0<λ≦1)を導入した。βは規格化定数であり、
式(5)に示すように実質的な観測時間の逆数となって
いる。R−1は式(3)から R−1=β −1 −1 (6) として求める。
【0034】(ii)の方法は、式(4)のR −1を逆
行列の補助定理を用いて逐次的に求める方法であり、
【0035】
【数3】 として求める。ただし、初期条件は R −1=δ−1I (8) とする。ここで、δは非常に小さい正数であり、Iは単
位行列である。R を求めたら、式(6)に代入し
てR−1求める。この方法のメリットは逆行列の操作が
不要で演算量が(i)の方法に比べて少ない点にある。
【0036】図6のステアリングベクトル生成回路57
は、入力端子からマルチパスの遅延波、その遅延時間候
補の値τを入力し、さらに拡散符号メモリ20が出力す
る拡散符号を入力して、ステアリングベクトルA(τ)
を求め出力する。ここで、ステアリングベクトル生成回
路57と拡散符号メモリ20はステアリングベクトル生
成手段45に相当する。このステアリングベクトルは、
受信信号ベクトルX(i)に含まれる遅延波の拡散符号を
表すものであり、例えば、拡散符号{c(i)}を要素に
持つN次元拡散符号ベクトルCを C=[c(N−1)c(N−2)…c(0)] (9) とすると、遅延時間候補がLT(Lは整数、0≦L≦
N)のステアリングベクトルA(LT)は
【0037】
【数4】 となる。
【0038】複素共役演算回路56はステアリングベク
トルA(τ)を入力としてA(τ)の複素共役転置A
(τ)を出力し、行列乗算回路53はR−1にA(τ)
を乗算してベクトルR−1A(τ)を出力する。内積演
算回路54はこの乗算結果R −1A(τ)とステアリン
グベクトルの複素共役転置A(τ)との内積、A
(τ)R−1A(τ)を求め出力する。逆数演算回路
55はこの内積の逆数{A (τ)R−1A(τ)}
−1を計算して、遅延時間侯補τに対応する遅延波の平
均電力P(τ)として出力端子から出力する。ここ
で、行列乗算回路53、複素共役演算回路56、内積演
算回路54及び逆数演算回路55は平均電力推定手段4
3に相当する。上記の平均電力P(τ)演算の原理に
ついて以下で説明する。まず、遅延受信べースバンド信
号群、即ち2N次元受信信号ベクトルX(i)を線形合成
して、X(i)に含まれる同一チャネル干渉及び希望波の
他遅延波成分を抑圧することを考える。そのときの合成
信号をy(i)とし、y(i)を次式で定める2N次元重み付
け係数ベクトルWを用いて表すと y(i)=WX(i) (11) W=[w …w2N ] (12) となる。このWはDCMP(Directionall
y Constrained Minimizatio
n of Power)アルゴリズム(J.Capo
n、”High−Resolution Freque
ncy−Wavenumber Spectrum A
nalysis”、Proc.1EEE、57(8)、
PP.1408−1418.1969年8月)を用いて
求める。DCMPアルゴリズムは、遅延時間τの遅延波
の平均電力を一定に保ちつつ合成信号y(i)の平均電力
を最小にするように重み付け係数を推定する。
【0039】このように重み付け係数を推定すると、他
ユーザの信号である同一チャネル干渉のみならず、遅延
時間の異なる希望波の遅延波も抑圧され、雑音信号電力
が無視できる状況では合成信号y(i)の平均電力が遅延
時間τの遅延波の平均電力に比例する。遅延時間τの遅
延波の平均電力を一定に保つ拘束条件は、ステアリング
ベクトルA(τ)の性質を考慮すると WA(τ)=1(const) (13) となる。一方、合成信号y(i)の平均電力P(W)は式
(11)から、 P(W)=WRW (14) となる。式(13)の拘束条件のもと式(14)を最小
にするWをWOPTとするとWOPTは WOPT=[A(τ)R−1A(τ)]−1−1A(τ) (15 ) となることが知られている(R.T.Jr.Compt
on著”Adaptive antennas”第6
章、Prentice Hall出版1988年)。式
(15)を式(14)に代入すると P(τ)=P(WOPT)=[A(τ)R−1A(τ)]−1 (16 ) となる。P(τ)=P(WOPT)は、雑音信号電力
が無視できる状況では遅延時間τの遅延波の平均電力に
比例するので、遅延時間候補に対するP(τ)をプロ
ットしてそのピークを探せば、実際の遅延波の遅延時間
を推定することができ、そのピーク値は遅延波の平均電
力にほぼ比例する。図6のピーク検出回路44は、ピー
ク検出手段に相当し、遅延波の平均電力P(τ)を入
力とし、そのピークを見つけて拡散符号の同期を行う。
【0040】このように、平均電力推定手段43におい
て、同一チャネル干渉及び希望波の他遅延波成分を抑圧
するように遅延波の平均電力を推定するので、同一チャ
ネル干渉電力が大きいマルチパス伝搬状況下でも精度良
くチップ同期を行うことができる。
【0041】相関器を用いた従来技術と本実施例につい
て、計算機シミュレーションで求めたチップ同期精度を
図7に示す。シミュレーション条件は、N=16、即ち
16倍拡散で、ユーザ数は15、伝搬路条件は同期系の
フラット・レイリーフェージングとし、最大ドップラー
周波数をシンボル周期で規格化した値は10−2とし
た。同図(a)に平均チップタイミングを、同図(b)
にチップタイミングの標準偏差を示した。
【0042】なお、真のチップタイミングは0とした。
両図から明らかなように、平均E/Nが高くなると
本実施例は従来技術に較べて大幅に同期精度を改善でき
る。 (第2の実施例)本発明の第2の実施例の構成を図8に
示す。端子Binから受信べースバンド信号x(i)が入
力し、周波数変換手段に相当する離散フーリエ変換回路
A61に入力される。離散フーリエ変換回路A61は、
受信べースバンド信号x(i)を離散フーリエ変換し、そ
の結果を受信周波数信号群として出力する。離散フーリ
エ変換は、時間長Tを2T、T=T/N(NF
は自然数)とし、Ω=2π/Tとするとき、周波数f
=kΩにおけるx(i)の周波数成分ξ(k)を
【0043】
【数5】 として求める。なお、式(17)は、0≦i≦N−1
の受信べースバンド信号、即ちX(1)に含まれる受信
ベースバンド信号を用いているが、X(M)(なお、X
(M)は、式(1)におけるiをMとしたものであ
る。)に含まれる受信べースバンド信号を用いる場合に
は、式(17)の和の範囲を(M−1)N/2≦i≦
(M−1)N/2+N−1とすればよい。
【0044】受信周波数信号群{ξ(k)}は、逆行列
演算手段に相当する逆行列演算回路62に入力される。
逆行列演算回路62は、式(1)で定めた2N次元受信
べースバンド信号ベクトルX(i)の代りに、次式で定め
る(2K+1)次元周波数信号ベクトルX(m)の自
己相関行列、その逆行列R −1を求める。
【0045】 X (m)=[ξ(−K) ξ(−K+1)…ξ(K)] (18) ここで、mは、X(m)(なお、X(m)は、式(1)に
おけるiをMとしたものである。)に対応する周波数成
分ξ(k)を用いることを示す自然数で、KはKΩが拡
散符号の周波数帯域以下になるように定めた自然数であ
る。
【0046】ステアリングベクトル生成回路57は第1
の実施例と同様、入力端子からマルチパスの遅延波、そ
の遅延時間候補の値τを入力し、さらに拡散符号メモリ
20が出力する拡散符号を入力して、ステアリングベク
トルA(τ)を求め出力する。離散フーリエ変換回路B
70は、ステアリングベクトルλ(τ)を離散フーリエ
変換し、式(18)と同じ周波数成分が要素となるよう
に(2K+1)次元ステアリングベクトルA(τ)を
生成する。ここで、ステアリングベクトル生成回路5
7、拡散符号メモリ20及び離散フーリエ変換回路B7
0はステアリングベクトル生成手段65に相当する。
【0047】複素共役演算回路69はステアリングベク
トルA(τ)を入力としてA(τ)の複素共役転置
(τ)を出力し、行列乗算回路66はR −l
(τ)を乗算してベクトルR −l(τ)を出
力する。内積演算回路67は、この乗算結果R −l
(τ)とステアリングベクトルの複素共役転置A
(τ)との内積、A (τ)R −l(τ)を求
め出力する。逆数演算回路55は、この内積の逆数{A
(τ)R −l(τ)}−lを計算して、遅延
時間侯補τに対応する遅延波の平均電力Pm(τ)とし
て出力端子から出力する。ここで、行列乗算回路66、
複素共役演算回路69、内積演算回路67及び逆数演算
回路55は平均電力推定手段63に相当する。
【0048】上記の平均電力P(τ)の原理は、第1
の実施例と同じであり、単に時間領域の受信べースバン
ド信号を周波数領域に変換し、変換された周波数領域の
信号を用いているにすぎない。図8のピーク検出回路4
4はピーク検出手段に相当し、遅延波の平均電力P
(τ)を入力とし、そのピークを見つけて拡散符号の
同期を行う。
【0049】なお、本実施例は、自然数Kを調整するこ
とでベクトル及び行列の次元を減らすことができ、第1
の実施例に較べて演算量を削減することができる。(第
3の実施例)第3実施例と等価な構成を図9に示す。
【0050】図8の第2の実施例と異なる点は、(i)
受信周波数信号群が既知の拡散符号の周波数成分で正規
化され、この正規化周波数信号群の自己相関行列の逆行
列を計算していることと、(ii)ステアリングベクト
ルが遅延波の遅延時間候補のみから生成されることだけ
である。
【0051】まず、(i)の点について説明する。図9
の離散フーリエ変換回路B70は拡散メモリ20が出力
する拡散符号を離散フーリエ変換する。正規化回路90
は受信周波数信号群をこの拡散符号の周波数成分で正規
化し、正規化周波数信号群として出力する。正規化回路
の出力信号である正規化周波数信号ξ(k)’は、周波数
f=kΩにおける拡散符号の周波数成分をS(k)とす
るとき、 ξ(k)’=ξ(k)/S(k)、|k|≦K (19) となる。
【0052】なお、Kは、式(18)のKと同じであ
る。
【0053】ここで、拡散符号メモリ20、離散フーリ
エ変換回路B70及び正規化回路90は正規化手段80
に相当する。正規化周波数信号群ξ(k)’は、逆行列演
算手段に相当する逆行列演算回路82に入力される。逆
行列演算回路82は、式(18)でξ(k)の代りにξ
(k)’を用いたX(m)の自己相関行列、その逆行列
を求める。
【0054】次に、(ii)の点について説明する。ス
テアリングベクトル生成手段に相当するステアリングベ
クトル生成回路85は、入力端子から遅延時間候補の値
τを入力してステアリングベクトルA(τ)’を求め
出力する。このステアリングベクトルは、遅延時間τの
遅延波の平均電力を一定に保つという拘束条件を規定し
なくてはならない。式(19)を考慮すると、このA
(τ)’は
【0055】
【数6】 となる。
【0056】なお、相関のある希望波の遅延波が複数存
在する場合でも対処できるように、周波数軸に関してス
ムージング(Tie−Jun Shan、 Mati
Wax、and Thomas Kailath、 ”
0n Spatial Smoothing for
Direction−of Arrival Esti
mation of Coherent Signal
s”IEEE Trans.ASSP 、vol.AS
SP−33、No.4、pp.806−811、Aug
ust、1985.)を適用することもできる。また、
サンプリングオフセットによる劣化を抑えるため、サン
プリング周期Tをチップ周期T未満にすることもで
きる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、同一チャネル干渉
及び希望波の他遅延波成分を抑圧するように遅延波の平
均電力を推定するので、同一チャネル干渉電力が大きい
マルチパス伝搬状況下でも精度良くチップ同期を行うこ
とができる。
【0058】同一チャネル干渉が無視できない直接拡散
によるスペクトラム拡散無線通信システムに利用すると
効果的である。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の直接拡散によるスペクトラム拡散方式の
送信機構成である。
【図2】従来の直接拡散によるスペクトラム拡散方式の
受信機構成である。
【図3】相関器の構成例を説明するための図である。
【図4】PN系列の自己相関を説明するための図であ
る。
【図5】マルチパス伝搬路における相関出力を説明する
ための図である。
【図6】第1の実施例の構成例を説明するための図であ
る。
【図7】第1の実施例の計算機シミュレーション結果で
ある。
【図8】第2の実施例の構成例を説明するための図であ
る。
【図9】第3の実施例の構成例を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
41 遅延手段(シフトレジスタ) 42、62、82 逆行列演算回路 43、63 平均電力推定回路 44 ピーク検出回路 45、65 ステアリングベクトル生成手段 51 遅延回路 53、66 行列乗算回路 54、67 内積演算回路 55 逆数演算回路 56、69 複数共役演算回路 57、85 ステアリングベクトル生成回路 20 拡散符号メモリ 61、70 離散フーリエ変換回路 90 正規化回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナからの受信信号をべースバンド
    帯に変換し受信べースバンド信号を出力する受信手段
    と、 前記受信べースバンド信号を遅延させ遅延受信べースバ
    ンド信号群を出力する遅延手段と、 前記遅延受信べースバンド信号群を入力として、その自
    己相関行列の逆行列を計算して出力する逆行列演算手段
    と、 既知の拡散符号系列を遅延波の遅延時間候補分シフトす
    ることでステアリングベクトルを生成するステアリング
    ベクトル生成手段と、 前記逆行列に前記ステアリングベクトルを乗算して、そ
    の乗算結果のベクトルと前記ステアリングベクトルの複
    素共役との内積を求め、この内積の逆数を前記遅延時間
    候補に対応する遅延波の平均電力として出力する平均電
    力推定手段と、 前記平均電力を入力し、ピークとなる前記遅延時間候補
    を見つけるピーク検出手段とから構成されることを特徴
    とするチップ同期回路。
  2. 【請求項2】 アンテナからの受信信号をべースバンド
    帯に変換し受信べースバンド信号を出力する受信手段
    と、 前記受信べースバンド信号をフーリエ変換し、その結果
    を受信周波数信号群として出力する周波数変換手段と、 前記受信周波数信号群を入力として、その自己相関行列
    の逆行列を計算して出力する逆行列演算手段と、 既知の拡散符号系列を遅延波の遅延時間侯補分シフト
    し、これをフーリエ変換することでステアリングベクト
    ルを生成するステアリングベクトル生成手段と、 前記逆行列に前記ステアリングベクトルを乗算して、そ
    の乗算結果のベクトルと前記ステアリングベクトルの複
    素共役との内積を求め、この内積の逆数を前記遅延時間
    侯補に対応する遅延波の平均電力として出力する平均電
    力推定手段と、 遅延波の前記平均電力を入力し、ピークとなる前記遅延
    時間侯補を見つけるピーク検出手段とから構成されるこ
    とを特徴とするチップ同期回路。
  3. 【請求項3】 アンテナからの受信信号をべースバンド
    帯に変換し受信べースバンド信号を出力する受信手段
    と、 前記受信べースバンド信号群をフーリエ変換し、その結
    果を受信周波数信号群として出力する周波数変換手段
    と、 前記受信周波数信号群を既知の拡散符号系列の周波数成
    分で正規化し、正規化周波数信号群として出力する正規
    化手段と、 前記正規化周波数信号群を入力として、その自己相関行
    列の逆行列を計算して出力する逆行列演算手段と、 遅延波の遅延時間侯補からステアリングベクトルを生成
    するステアリングベクトル生成手段と、 前記逆行列に前記ステアリングベクトルを乗算して、そ
    の乗算結果のベクトルと前記ステアリングベクトルの複
    素共役との内積を求め、この内積の逆数を前記遅延時間
    候補に対応する遅延波の平均電力として出力する平均電
    力推定手段と、 遅延波の前記平均電力を入力し、ピークとなる前記遅延
    時間侯補を見つけるピーク検出手段とから構成されるこ
    とを特徴とするチップ同期回路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008527912A (ja) * 2005-01-14 2008-07-24 トムソン ライセンシング Cdma用のramベーススクランブル符号生成装置

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