JP3550268B2 - 運行記録計における記録用時刻の修正方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の走行速度及び走行距離等の情報を記録紙に記録する運行記録計に係り、特に、この運行記録計に設けられる時計が表示する、記録紙に対する走行情報の記録箇所に対応する現在時刻を修正するための方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の走行速度や走行距離といった情報を記録する運行記録計としては、従来より、インストルメントパネルに取り付けた本体に対して、時計や速度計等の計器が一体に収容されたケースを開閉する所謂丸型の運行記録計が広く使用されていた。
【0003】
しかし、この丸型の運行記録計は、ケースの表側に速度計や走行距離計等の計器が配置され、ケースの裏側に、前記計器の文字板と平行に記録紙を配設する構成であったため、インストルメントパネル上での占有面積が大きくなり、該インストルメントパネル上に配設される他の計器も、バランスを取るためある程度記録紙に近い大きさにせざるを得ず、インストルメントパネル回りのデザインの自由度がなくなる欠点を有していた。
【0004】
そこで、本出願人は、記録紙を水平にして保持する回転テーブルを備えたトレー部やカートリッジ、即ち、記録紙を回転可能に保持する記録紙保持体を本体に対して出し入れさせ、前記計器を別体とする方式の運行記録計を提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した記録紙を水平に出し入れする方式の運行記録計では、従来の丸形の運行記録計と同様に、現在時刻を表示する時計が、本体の正面等の見易い箇所に設けられることが考えられ、また、この時計の時刻合わせを行うための操作部が、時計の近傍の本体箇所に、やはり、操作性がよくなるように配置を考慮して設けられることになるであろう。
【0006】
しかし、特に、部品の省力化や、記録紙の時間経過に合わせた回転と時計の進み具合との同期を取るために、お互いの動力源、つまり、モータを共用化するとなると、記録紙に対する走行情報の記録中に時計の時刻合わせを行うことで、記録紙に記録される走行情報が実際の走行情報と異なった内容となり、これを悪用して走行情報の改竄が行われるおそれが発生してしまう。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、特に、記録紙をトレー部やカートリッジを用いて水平に出し入れする方式の運行記録計において、記録紙を時間の経過と共に回転させるためのモータを共用して、現在時刻を表示する時計を駆動させる場合に、この時計の時刻合わせを、記録紙に対する運行情報の記録に影響を与えずに行うことができる運行記録計における記録用時刻の修正方法と、この方法を実施する際に用いて好適な運行記録計における記録用時刻の修正装置とを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する請求項1乃至請求項3記載の本発明は運行記録計における記録用時刻の修正方法に関するものであり、また、請求項4乃至請求項8記載の本発明は運行記録計における記録用時刻の修正装置に関するものである。
【0009】
そして、請求項1に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正方法は、
車両に搭載される本体の外側の排出箇所と、該本体の内部の記録箇所との間で保持体を移送させ、前記記録箇所の前記保持体に装填された記録紙の現在時刻に対応する記録紙箇所に、前記車両の走行情報を記録すると共に、該走行情報が記録される前記記録紙箇所を前記現在時刻に応じて移動させるための記録用駆動源により、前記現在時刻を表示する時計を駆動させる運行記録計において、前記時計が表示する前記現在時刻をスイッチの操作に応じて修正するに当たり、前記保持体が前記記録箇所にある状態において、前記スイッチの操作に応じて、前記時計の現在時刻の修正に代えて保持体を前記排出箇所に移送するようにし、前記時計が表示する前記現在時刻の、前記スイッチの操作に応じた修正を、少なくとも、前記記録紙が装填された前記保持体が前記記録箇所にある状態において禁止するようにした、ことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正方法は、前記スイッチの操作に応じた前記保持体の前記記録箇所から前記排出箇所への移送を、該保持体に前記記録紙が装填されている状態に限って行うようにした。
【0011】
さらに、請求項3に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正方法は、前記スイッチの操作に応じた前記保持体の前記記録箇所から前記排出箇所への移送を、前記車両の停止中に限って行い、該車両の走行中における前記スイッチの操作を無効とするようにした。
【0013】
さらに、請求項4に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正装置は、図1の基本構成図に示すように、車両に搭載される本体1の外側の排出箇所と、該本体1の内部の記録箇所との間で保持体Aを移送させ、前記記録箇所の前記保持体Aに装填された記録紙21の現在時刻に対応する記録紙21箇所に、前記車両の走行情報を記録すると共に、該走行情報が記録される前記記録紙21箇所を前記現在時刻に応じて移動させるための記録用駆動源82により、前記現在時刻を表示する時計13aを駆動させる運行記録計において、前記時計13aが表示する前記現在時刻を修正するための装置であって、前記現在時刻の修正を指示する際に操作されるスイッチ10bと、前記排出箇所の前記保持体Aを検出する排出箇所検出手段51と、前記スイッチ10bの操作に応じた前記現在時刻の修正のための前記記録用駆動源82の動作を許容する修正許容手段81Aと、前記記録箇所の前記保持体Aを検出する記録箇所検出手段71と、該保持体Aを前記記録箇所から前記排出箇所に移送する保持体排出手段Bと、を備え、前記保持体排出手段Bが、前記記録箇所検出手段71が前記記録箇所の前記保持体Aを検出している際の前記スイッチ10bの操作に応じて、前記保持体Aを前記記録箇所から前記排出箇所に移送し、前記修正許容手段81Aが、前記排出箇所の前記保持体Aを前記排出箇所検出手段51が検出している際に限って、前記スイッチ10bの操作に応じた前記現在時刻の修正のための前記記録用駆動源82の動作を許容するようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正装置は、前記車両の走行を検出する走行センサ83をさらに備え、前記保持体排出手段Bがさらに、前記走行センサ83が前記車両の走行を検出していない際に、前記保持体Aを前記スイッチ10bの操作に応じて前記記録箇所から前記排出箇所に移送するものとした。
【0015】
さらに、請求項6に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正装置は、前記記録箇所の前記保持体Aに装填された前記記録紙21を検出する記録紙検出手段Cをさらに備え、前記保持体排出手段Bがさらに、前記記録箇所の前記保持体Aに装填された前記記録紙21を記録紙検出手段Cが検出している際に、前記保持体Aを前記スイッチ10bの操作に応じて前記記録箇所から前記排出箇所に移送するものとした。
【0016】
また、請求項7に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正装置は、前記記録箇所の前記保持体Aに装填された前記記録紙21を検出する記録紙検出手段Cをさらに備え、前記修正許容手段81Aがさらに、前記記録箇所の前記保持体Aに装填された前記記録紙21を記録紙検出手段Cが検出していない際に、前記スイッチ10bの操作に応じた前記現在時刻の修正のための前記記録用駆動源82の動作を許容するものとした。
【0017】
さらに、請求項8に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正装置は、前記修正許容手段81Aがさらに、前記車両の走行を検出する走行センサ83が該車両の走行を検出していない際に、前記スイッチ10bの操作に応じた前記現在時刻の修正のための前記記録用駆動源82の動作を許容するものとした。
【0019】
請求項1に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正方法によれば、保持体が記録箇所にある際にスイッチを操作すると、記録紙が装填されているか否かに関わらず、記録紙に対する走行情報の記録を行うことができない排出箇所に保持体が移送されるので、例え保持体に記録紙が装填されていてもスイッチ操作に応じて時計の現在時刻の修正を行っても構わない状態を、確実に発生させることが可能となる。従って、保持体に装填された記録紙に対する車両の走行情報の記録が行われる記録箇所に前記保持体が位置していると、スイッチの操作に応じた時計の現在時刻の修正が禁止されるので、時計の現在時刻の修正のために記録用駆動源が動作して、記録箇所の保持体に装填された記録紙における走行情報の記録箇所が、実際の現在時刻の経過とは無関係に移動し、記録紙に実際の車両の走行状態とは異なる走行情報が記録されてしまうのを防止して、記録紙に記録される走行情報の改竄等を予防することが可能となる。
【0021】
さらに、請求項2に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正方法によれば、保持体が記録箇所にあっても記録紙への走行情報の記録が実際には行われない、記録紙が保持体に装填されていない状態では、スイッチの操作に応じて保持体を排出箇所に移送する無駄な動作を行うことなく、時計の現在時刻をスイッチの操作に応じて直ちに修正することが可能となる。
【0022】
また、請求項3に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正方法によれば、車両の停車中には、保持体が記録箇所にあるか排出箇所にあるかに関係なく、しかも、保持体に記録紙が装填されているか否かに関係なく、スイッチを操作することで、時計の現在時刻が修正されるか、或は、それができる状態が発生し、反対に、車両の走行中には、保持体が記録箇所にある限り、スイッチを操作しても時計の現在時刻は修正されず、保持体が排出箇所にある状態に限って時計の現在時刻が修正されることとなるので、記録紙に記録される走行情報が走行中に途切れて不自然な内容で終わってしまうのを防止することが可能となる。
【0023】
さらに、請求項4に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正装置によれば、保持体Aが排出箇所にあり記録紙21に対する走行情報の記録が行えない状態に限って、記録用駆動源82がスイッチ10bの操作に応じて時計13aの現在時刻を修正するために動作することとなり、よって、記録紙21に対する走行情報の記録中に時計13aの現在時刻を修正するための記録用駆動源82の動作が行われて、記録紙21における走行情報の記録箇所が、実際の現在時刻の経過とは無関係に移動し、記録紙21に実際の車両の走行状態とは異なる走行情報が記録されてしまうのを防止して、記録紙21に記録される走行情報の改竄等を予防することが可能となる。
【0024】
また、保持体Aが記録箇所にありその保持体Aに記録紙21が装填されていれば、記録紙21に対する走行情報の記録が行われる状態においては、スイッチ10bの操作に応じて、記録用駆動源82が時計13aの現在時刻を修正するために動作するのではなく、記録紙21に対する走行情報の記録を行うことができない排出箇所への保持体Aの移送が行われるので、記録紙17に実際の車両の走行状態とは異なる走行情報が記録されてしまうのを単に防止するだけでなく、スイッチ10bの操作に応じて、記録用駆動源82が時計13aの現在時刻を修正するために動作しても差し支えない状況を、他の特別な操作を必要とせずに発生させることが可能となる。
【0025】
さらに、請求項5に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正装置によれば、車両の停車中には、保持体Aが記録箇所にあるか排出箇所にあるかに関係なく、しかも、保持体Aに記録紙21が装填されているか否かに関係なく、スイッチ10bを操作することで、時計13aの現在時刻が修正されるか、或は、それができる状態が発生し、反対に、車両の走行中には、保持体Aが記録箇所にある際に、スイッチ10bを操作しても時計13aの現在時刻は修正されず、保持体Aが排出箇所にある際に時計13aの現在時刻が修正されることとなるので、記録紙21に記録される走行情報が走行中に途切れて不自然な内容で終わってしまうのを防止することが可能となる。
【0026】
また、請求項6に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正装置によれば、記録紙21への走行情報の記録が実際に行われている、記録紙21が保持体Aに装填されている際に、その記録紙21に対する走行情報の記録が実際の走行情報とは異なってしまうことがないように、スイッチ10bの操作に応じて保持体Aを排出箇所に移送するものとし、記録箇所の保持体Aが不必要に排出箇所に移送される無駄な動作をなくすことが可能となる。
【0027】
さらに、請求項7に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正装置によれば、保持体Aが記録箇所にあっても記録紙21への走行情報の記録が実際には行われない、記録紙21が保持体Aに装填されていない状態では、保持体Aが排出箇所になくても、スイッチ10bの操作に応じて時計13aの現在時刻を直ちに修正することが可能となる。
【0028】
また、請求項8に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正装置によれば、車両の停車中には、保持体Aが記録箇所にあるか排出箇所にあるかに関係なく、しかも、保持体Aに記録紙21が装填されているか否かに関係なく、スイッチ10bを操作することで、時計13aの現在時刻が修正されるか、或は、それができる状態が発生し、反対に、車両の走行中には、保持体Aが記録箇所にある限り、スイッチ10bを操作しても時計13aの現在時刻は修正されず、保持体Aが排出箇所にある状態に限って時計13aの現在時刻が修正されることとなるので、記録紙21に記録される走行情報が走行中に途切れて不自然な内容で終わってしまうのを防止することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の運行記録計における記録用時刻の修正方法を記録用時刻の修正装置と共に図面に基づいて説明する。
【0030】
図2は本発明による記録用時刻の修正装置を採用した運行記録計の一実施形態を示す斜視図であり、本実施形態の運行記録計は、図2中に引用符号1で示す略箱型の本体と、この本体1に出し入れされる扁平なカートリッジ17とで構成されている。
【0031】
前記本体1は、図3に分解斜視図で示すように、下ケース2及び上ケース5と、これら下及び上ケース2,5の前部に取着される前面パネル11と、下ケース2に取着される開閉蓋14と、上下のケース5,2の後部に取着される放熱板15と、上下のケース5,2の両側部にそれぞれ取着される取付板16,16とを有している。
【0032】
前記下ケース2は、底板部3と、この底板部3の左右両側縁からそれぞれ立設された側板部4,4とを有しており、後端側が開放されている。
【0033】
前記底板部3の上面前部両端にはボス受け3a,3aがそれぞれ突設されており(図3中では左端のみ示している)、底板部3の後端で左右方向の両端と略中央には、略アーチ形の凹部3bが下面側からそれぞれ形成されていて(図3中では左端と中央のみ示している)、底板部3の上面側に突出する各凹部3bの上面には、略円柱状のねじ受け部材3cがそれぞれ取着されており、前記凹部3bからねじ受け部材3cに亘って、前記放熱板15の取付用の有底穴(図示せず)が底板部3の下面側から形成されている。
【0034】
また、前記底板部3の上面で左右方向に間隔をおいた箇所には、前後方向の略中央から後端寄り箇所にかけて、前後方向に延在する係合溝3d,3dがそれぞれ形成されている。
【0035】
前記各側板部4,4には、前後及び上下の各方向の略全長に亘って略矩形の凹部4aが形成されており、この凹部4aの下縁には、前後方向に間隔をおいて2つの取付溝4b,4bが形成されており、この取付溝4b,4bの両側に延在する凹部4aの段差面4dには、前後方向に間隔をおいて4つの押し出し片4c(図9参照、但し、図9中では1つのみ示している)が突設されている。
【0036】
前記上ケース5は、天板部6と、この天板部6の前端から垂設された連結板部7と、この連結板部7の下端から前方に延設された受板部8と、天板部6の左右両側縁からそれぞれ垂設された側板部9,9とを有しており、下ケース2と同様に後端側が開放されている。
【0037】
前記天板部6は、前記下ケース2の底板部3に略等しい左右幅と、底板部3より短い前後長さで形成されており、天板部6の後端で左右方向の両端には、図4に要部拡大平面図で示すように、下ケース2の底板部3の凹部3bと同様の、略アーチ形の凹部6aが上面側からそれぞれ形成されている。
【0038】
また、図5に要部拡大背面図で示すように、天板部6の下面側に突出する各凹部6aの下面には、略円柱状のねじ受け部材6bがそれぞれ取着されており、前記凹部6aからねじ受け部材6bに亘って、前記放熱板15の取付用の有底穴6cが天板部6の上面側から形成されている。
【0039】
さらに、前記天板部6の上面で両凹部6aの略中間箇所には、図4に示すように、略円柱形で有底状の目隠し孔6dが形成されており、この目隠し孔6dの内周壁で周方向に120゜位相をずらした箇所には、図6に拡大平面図で示すように、係止片6eがそれぞれ突設されている。
【0040】
また、前記目隠し孔6dの底面の略中央箇所には通孔6fが形成されており、図6中引用符号6gは、各係止片6eの成形時の都合により目隠し孔6dの底面の周縁部で各係止片6eに対応する箇所に形成された抜き孔を示す。
そして、前記目隠し孔6dには、図3に示すように、キャップ6hが嵌挿される。
【0041】
前記キャップ6hは、図7に斜視図で示すように、前記目隠し孔6dの内径に対応する外径と、目隠し孔6dの深さに対応する高さとにより、上端が閉塞されて下端が開放された外形略円柱状を呈しており、このキャップ6hの外周面には、キャップ6hを目隠し孔6dに嵌挿した状態で係止片6eが係止される環状溝6jが形成されている。
【0042】
また、図5に示すように、天板部6の後端の下面で目隠し孔6dに対応する箇所には、下向きに開放状の略コ字形を呈する位置決め部6kが形成されている。
【0043】
前記連結板部7は、図8に要部拡大斜視図で示すように、左右方向の略中央に通孔7aを有しており、図8中引用符号7bは、連結板部7の左端側に突設された補強用のリブを示す。
【0044】
前記受板部8は、前記リブ7bよりも右側の連結板部7に対応する左右幅で形成されており、上ケース5を平面視した状態で、天板部6と受板部8とを合わせた前後寸法が、下ケース2の前後寸法と略等しくなるように形成されており、受板部8の上面の前端で左右方向に間隔をおいた箇所には、略円柱状のねじ受け部材8a,8aがそれぞれ取着されており、各ねじ受け部材8aには、受板部8の下面側から、前面パネル11の取付用の有底穴(図示せず)が形成されている。
【0045】
また、受板部8上には、右端寄りの受板部8部分が多少露出する左右長さの矩形状を呈するプリント基板10が取着され、このプリント基板10の右端寄りの連結板部7に近接した上面箇所には、自己復帰形のフラムスイッチ10aが上方に向けて実装され、左端寄りの上面箇所には、同じく自己復帰形のフラムスイッチ10b(スイッチに相当)が前方に向けて実装される。
【0046】
さらに、前記プリント基板10よりも右側の受板部8の下面には、図9に要部拡大正面図で示すように、支持レバー54が、軸53を中心として水平面内で揺動可能に吊り下げ支持される。
前記支持レバー54には、図10に拡大平面図で示すように、軸53と同心円上に位置する円弧状のギア部56がアーム55を介して連結されており、このギア部56の外縁には歯車56aが形成されている。
【0047】
また、前記支持レバー54で軸53とアーム55の先端とを結ぶ線上から外れた箇所には、ピン52の基端が取着されており、このピン52の先端は、受板部8により支持レバー54を支持した状態で、この受板部8の下方に延出する。
【0048】
そして、図9に示すように、受板部8を挿通して受板部8の上面側に突出する前記軸53の周囲には、コイルスプリング58が嵌装されており、このコイルスプリング58は、軸53の上端に嵌着された係止部材57と受板部8とに両端がそれぞれ係止されていて、このコイルスプリング58により前記支持レバー54は、軸53を中心として図10中の反時計回り方向に揺動する向きに付勢される。
【0049】
尚、コイルスプリング58の付勢による支持レバー54の揺動は、上ケース5の前後方向における軸53の後方の突出箇所にピン52が位置するところで、アーム55の側縁が受板部8の下面の段差(図示せず)に当接することにより規制される。
【0050】
前記各側板部9,9には、図3に示すように、下ケース2の各側板部4,4と同様に、前後及び上下の各方向の略全長に亘って略矩形の凹部9aが形成されており、図9に示すように、この凹部9aの上縁には2つの取付溝9b,9b(但し、図9中では1つのみ示している)が、前後方向に間隔をおいて形成されており、この取付溝9b,9bの両側にそれぞれ延在する凹部9aの段差面9dには、前後方向に間隔をおいて4つの押し出し片9c(但し、図9中では1つのみ示している)が突設されている。
【0051】
また、各側板部9,9の前端寄り部分の下端には、図3に示すように、受板部8の左右両端に半分跨るようにして、下ケース2の側板部4,4に対応する上下高さのボス9b,9bがそれぞれ下方に向けて突設されている。
【0052】
前記前面パネル11は、上ケース5の受板部8に略等しい前後寸法と、上ケース5の天板部6に略等しい左右幅とで形成された天板部12と、この天板部12の前端から垂設された前板部13とを有している。
【0053】
前記前板部13は、上下の各ケース5,2の側板部9,4を足し合わせた上下高さで形成されており、前板部13の左端には時計13aが配設されており、この時計13aよりも右側の前板部13部分の上半部には、時刻合わせボタン13c、開閉錠13d、及び、パイロットランプ13xがそれぞれ設けられ、下半部にはカートリッジ挿抜口13yが形成されている。
【0054】
このうち、前記時刻合わせボタン13cは、本体1を組み立てた状態で押圧操作することにより、前記プリント基板10上のフラムスイッチ10bをオンさせて、このフラムスイッチ10bのオン中に、前記時計13aの時刻が進むように構成されている。
【0055】
前記開閉錠13dは、図11に分解斜視図で示すように、前板部13の通孔13eに前方から嵌挿されるシリンダ13fと、前板部13の裏側に配設され通孔13eを挿通したシリンダ13fの後部部分に取着されるケース13jと、このケース13jと前板部13とを連結する作動レバー13rとを備えている。
【0056】
前記シリンダ13fの前端にはキー13Aが挿入される鍵孔13gが形成されており、シリンダ13fの後部部分には、キー13Aを鍵孔13gに挿入した状態でシリンダ13fの外周面から内側に没入し、キー13Aを鍵孔13gから抜くと外周面から外側に突出して、通孔13eが形成された前板部13の裏面箇所に係合するタンブラ13hが設けられている。
【0057】
前記ケース13jは、前記シリンダ13fの後部部分に嵌装できる略円筒状を呈しており、シリンダ13fの後部部分に嵌装した状態でタンブラ13hを外方に露出させる切欠13kを有していて、ケース13jの後部寄りの外周面箇所から接線方向に延設されたアーム13mの先端に、前板部13側に向けて連結ピン13nが突設されている。
尚、図11中引用符号13pは、ケース13jをシリンダ13fに固定する取付ねじを示す。
【0058】
前記作動レバー13rは、前記アーム13mの連結ピン13nが遊挿される長孔13sと、前板部13の裏面に一端が嵌挿された枢軸13vの他端に嵌装されるボス部13tとを有している。
尚、図11中引用符号13wは、両端がケース13jと前板部13とにそれぞれ係止されるコイルスプリングを示す。
【0059】
前記開閉錠13dは、シリンダ13fの鍵孔13gにキー13Aを挿入したままこのキー13Aを回転させることで、鍵孔13gが上下方向に延在する通常位置と、鍵孔13gが右下がりに傾いて延在する開閉位置との間で回転し、コイルスプリング13wによりシリンダ13fが開閉位置から通常位置に向けて図11中時計回り方向に付勢されるように構成されている。
【0060】
前記カートリッジ挿抜口13yは、図3に示すように、上ケース5の受板部8に略等しい左右幅と、下ケース2の側板部4,4に略等しい上下高さとからなる横長の矩形状を呈しており、前記カートリッジ17が水平に通過できるように構成されていて、前板部13の裏面でカートリッジ挿抜口13yの上縁部分には、左右方向に間隔をおいて2つの取付片13z(図3中では左側のみ示している)が突設されている。
【0061】
前記開閉蓋14は、前記カートリッジ挿抜口13yに対応する大きさで横長の矩形状を呈しており、開閉蓋14の下端の左右両側は、下ケース2の底板部3前端のヒンジ3e,3eにより枢支され、図3中引用符号3fは、図12に本体の斜視図で示すように、開閉蓋14を下ケース2の前方に倒れて開いた状態から、図13に同じく本体の斜視図で示すように、起立して閉じた状態に向けて付勢するコイルスプリングを示す。
【0062】
前記放熱板15は、図3に示すように、上下のケース5,2の後端の開放部分を塞ぐ大きさで形成されており、放熱板15の下端の左右両側と略中央箇所とには、下ケース2の各凹部3bに対応する略アーチ状の取付片15aが折曲形成されており、同様の取付片15bが上ケース5の各凹部6aに対応して、放熱板15の上端の左右両側に折曲形成されている。
【0063】
また、放熱板15の上端左右の取付片15bの略中央箇所には、下端寄りに若干位置をずらして、上ケース5の位置決め部6kに対応する取付片15cが折曲形成されている。
尚、図3中引用符号15dはコネクタ孔を示す。
【0064】
さらに、前記放熱板15の裏面には、図14に放熱板15が取り付けられた下ケース2の要部平面図で示すように、取付フレーム74を介してプリント基板72が取着される。
【0065】
前記プリント基板72は、放熱板15よりも一回り小さい横長の矩形を呈していて、前記取付フレーム74により表面が支持されており、プリント基板72の裏面には、先端が二股に分かれて開放され、これらの間で検出光(図示せず)が送受光される門形のフォトインタラプタ71(記録箇所検出手段に相当)が、プリント基板72の長手方向に間隔をおいて二股部分が位置し、且つ、上下のケース5,2に放熱板15を取着した状態で、これら上下のケース5,2の前方に先端が開放される向きで取着される。
【0066】
前記取付フレーム74は、パワートランジスタ73をプリント基板72に実装させるためのもので、この取付フレーム74によりプリント基板72に実装した状態で、パワートランジスタ73はプリント基板72と放熱板15との間に配置される。
【0067】
尚、図14中引用符号75は、プリント基板72の表面に半田付けされた雌コネクタを示し、この雌コネクタ75の先端は、取付フレーム74によりプリント基板72を取り付けた状態で、放熱板15の前記コネクタ孔15dに嵌合される。
【0068】
前記各取付板16は、図3に示すように、上下のケース5,2の側板部9,4の凹部9a,4aを足し合わせた上下高さと、これら凹部9a,4aの前後長さに等しい左右幅とで形成されており、取付板16の上縁には、凹部9aの不図示の取付溝に挿入可能な係合片16a,16aが形成され、下縁には、凹部4aの取付溝4b,4bに挿入可能な係合片16b,16bが形成されている。
また、各取付板16には、本体1を車両のコンソールボックス(図示せず)に取り付けるためのねじ孔16cが複数形成されている。
【0069】
前記カートリッジ17は、図2に示すように、カートリッジ挿抜口13yの間口及び本体1の奥行きに対応する薄い箱状に形成された筐体18を備え、該筐体18の上面側には、図15に平面図で示すように、7日用記録紙21(図16参照)が収容可能な平面視略円形の記録紙収容部18bが形成されている。
【0070】
前記7日用記録紙21(記録紙に相当)は、図16に斜視図で示すように、1日分の情報が記録される7枚の円形の記録紙21aと、該記録紙21aと同一の外径で形成され、これら7枚の円形の記録紙21aを上下に重ねて支持する台紙21e等を備えている(図16では見易さのため相互の間隔を離して記している)。
【0071】
前記記録紙21aには円形の中心孔21bが形成され、また、上下に重なった2枚の記録紙21aへの連続記録を可能とする略楔形の欠部21cが設けられている。
さらに、前記記録紙21aの上面には、時刻指示用の罫線及び目盛(いずれも図示せず)が、前記中心孔21bと同心円状及び該中心孔21bから放射状にそれぞれ印刷等より形成されている。
【0072】
尚、一番下の7日目用の記録紙21aは、欠部21cが省略され、その代わりに、該欠部21cに対応する箇所に、情報が記録されない余白領域21dが設けられている。
【0073】
そして各記録紙21aは、上下の記録紙21aの欠部21cどうし、或は、欠部21cと余白領域21dが重ならず、且つ、記録紙21aの周方向において隣り合うように、欠部21c及び余白領域21dの位置を互いにずらして重ね合わされる。
【0074】
前記台紙21eには前記中心孔21bと同一の内径の中心孔21fが形成され、該中心孔21fには、カートリッジ17側への装着用の、円筒状を呈し前記中心孔21b,21fの内径と略同一の外径に形成された記録紙保持部材21gが、該記録紙保持部材21gの下端に形成され前記中心孔21fよりも大きい外径で環状のフランジ部21hを介して取着されている。
【0075】
尚、前記記録紙保持部材21gの上下高さ、即ち、軸方向の長さは、重ね合わせた7枚の記録紙21aの厚さを少なくとも上回る寸法で形成されている。
【0076】
前記7日用記録紙21は、上述のように重ね合わせた7枚の記録紙21aを、それぞれの中心孔21bを前記記録紙保持部材21gに嵌め込んで台紙21e上に載置し、且つ、一番下の7日目用の記録紙21aの裏面の一部を台紙21eに接着し、さらに、図16中矢印イで示す7日用記録紙21の回転方向における欠部21c及び余白領域21dよりも下流側に位置する各記録紙21aの外縁箇所と、台紙21eの対応する外縁箇所間に短冊状の連接テープ21jを架け渡し、台紙21eに対する各記録紙21aの相対回転を阻止した状態につなぎ止めて構成されている。
【0077】
前記記録紙収容部18bの底面の中央箇所には、図15に示すように、合成樹脂製の回転テーブル19が回転可能に設けられている。
前記回転テーブル19は、略円盤状を呈し、該回転テーブル19の外径は、前記記録紙21aや台紙21eの中心孔21b,21fよりも十分大きい寸法で形成されている。
【0078】
そして、回転テーブル19の中心には、記録紙21aや台紙21eの中心孔21b,21fの内径に対応する外径で、且つ、記録紙保持部材21gよりも大きい高さの取付軸19aが突設されており、この取付軸19aの中心部には、中央に凹部19cを有する位置決めボス19bが立設され、取付軸19aの先端で位置決めボス19bの外側部分には、キャップ19dが着脱可能に嵌着される。
【0079】
また、前記記録紙収容部18bには、7日用記録紙21のうち記録の済んだ記録紙21aをめくり上げるためのカッタ18cが設けられている。
前記カッタ18cは、可撓性を有する金属薄板で形成されており、図17に正面図で示すように、カートリッジ挿抜口13yへの挿入側となる筐体18の前面に取着される基部18dと、この基部18dから折曲されて、図15に示すように、記録紙収容部18bの内側に延出するカッタ本体18eとを有している。
【0080】
前記カッタ本体18eは、基部18d寄りの部分が、7日用記録紙21の厚みよりも若干大きい寸法だけ記録紙収容部18bの底面から離間しており、且つ、先部に至るにつれて記録紙収容部18bの底面に近づいて、カッタ本体18eの先端が底面に接触するように、傾斜して形成されていて、基部18d寄りのカッタ本体18e箇所にはストッパ片18fが突設されている。
【0081】
このように構成された記録紙収容部18bは、カッタ本体18eを撓ませて先端と記録紙収容部18bの底面との間に隙間を作っておいて、前記7日用記録紙21の外縁部分を差し入れつつ回転テーブル19の取付軸19aに記録紙保持部材21gを嵌挿し、取付軸19aにキャップ19dを嵌着することで、このキャップ19dにより記録紙保持部材21gが回転テーブル19側に押圧されて、7日用記録紙21が回転テーブル19に対して固定されるように構成されている。
【0082】
また、前記カッタ18cは、回転テーブル19により図16矢印イで示す回転方向に回転させている間、7日用記録紙21の記録の済んだ記録紙21aの欠部21cをカッタ本体18eの上側に乗り上げさせると共に、その記録紙21aを台紙21eにつなぎ止めるテープ21jをカッタ本体18eが切断して、その記録紙21aを他の記録紙21aや台紙21eから独立させるように構成されている。
【0083】
さらに、カッタ18cは、カッタ本体18eの上側に乗り上げた記録済の記録紙21aの欠部21cの縁部がストッパ片18fに当接することで、その記録紙21aの欠部21cを通してそのすぐ下の記録紙21aに対する記録が続けられるように、記録済の記録紙21aの回転を停止させるように構成されている。
【0084】
前記筐体18の側面には、図18に右側面図で示すように、シャッタ18gが設けられており、筐体18の前面には、図17に示し、且つ、図19に左側面図で示すように、歯車18hが設けられている。
【0085】
前記筐体18のシャッタ18gにより開閉される箇所には、本体1内で回転テーブル19を時間の経過に応じて回転させるための動力が伝達される受動歯車(図示せず)が設けられており、この受動歯車は、筐体18の内部で前記回転テーブル19の不図示の歯車に、歯車列(図示せず)を介して連結されている。
【0086】
また、前記歯車18hは、前記不図示の歯車列に別の歯車列(図示せず)を介して連結されていて、前記不図示の2つの歯車列のうちどちらかに設けられたワンウェイクラッチ等により規制される一方向に前記歯車18hを回転させることで、回転テーブル19に保持された記録紙21の時刻合わせができるように構成されている。
【0087】
筐体18の下面には、図20に底面図で示すように、筐体18の前面から後面に向けて2本の摺接突起18jが形成されており、また、前面寄りの下面箇所には、前記ホルダ31側との係合部18kが形成されている。
【0088】
前記係合部18kは、前面から後面に向かって所定の幅及び長さで形成された略矩形の係止溝部18mと、この係止溝部18mの後面寄り部分に係止溝部18mの幅方向に間隔をおいて突設された2つの係止突起18n,18nと、係止溝部18mの後面寄り端部で前記係止突起18n,18nよりも後面側の部分に形成された逃げ溝18pとを有している。
【0089】
そして、係止溝部18mと逃げ溝18pは筐体18の下面から同一の深さで形成されており、各係止突起18n,18nは、図21に拡大断面図で示すように、筐体18の前面側から後面側に向かうにつれて次第に高さが増す傾斜面18rと、この傾斜面18rの頂部から係止溝部18mに略鉛直に下がる係止面18sとにより、係止溝部18m及び逃げ溝18pの深さと略同一の高さで形成されている。
【0090】
尚、図17及び図20に示すように、筐体18の底面で前面寄りの両側部分には、両側面との角を斜めに落とした傾斜面18t,18tがそれぞれ形成されている。
【0091】
図22は本体1の内部構造を示す分解斜視図であり、本体1の内部には、カートリッジ挿抜口13yから本体1内に挿入されたカートリッジ17が装填されるホルダ31と、このホルダ31をカートリッジ挿抜口13yと本体1内との間で移送する移送機構41とが設けられている。
【0092】
前記ホルダ31は、カートリッジ挿抜口13yから挿入されたカートリッジ17が載置される底板部32と、この底板部32に連結された移動板部33と、底板部32の両側から立設された側板部34,34と、各側板部34,34の先端から折曲されて内側に延出する押え板部35,36とを有している。
【0093】
前記底板部32は、図23に拡大斜視図で示すように、前面側からカートリッジ挿抜口13yに挿入したカートリッジ17の底面に対応する外形で形成されており、本体1の背面側に位置する底板部32の後端には、2つのストッパ片32a,32aが立設されている。
【0094】
また、底板部32の後端で2つのストッパ片32a,32a間の後端部分には、図24に底板部32の要部拡大斜視図で示すように、前端に向けて凹形の切欠32bが形成されており、この切欠32bの前端から前方に間隔をおいた底板部32部分には、略矩形の窓32cが形成されている。
【0095】
さらに、これら切欠32bと窓32cとの両側の底板部32部分には、窓32cの後端と切欠32bの前端とに亘る寸法でガイド孔32d,32dがそれぞれ形成されており、各ガイド孔32d,32dは、切欠32b側に円形部32e,32eを有する略鍵孔状を呈している。
【0096】
また、底板部32の下面で切欠32bの両側箇所には、図22に示すように、バネ板部材37の二股部37a,37aがそれぞれ固着されており、これら二股部37a,37aに連設されたバネ板部材37の係止片部37bが、底板部32の窓32cの後端側部分に配置され、この係止片部37bの山形に折曲した頂点部分が、図24に示すように、各ガイド孔32d,32dの円形部32e,32eとは反対側の前端どうしを結ぶ線上に略位置し、窓32cを通して底板部32の下面側から上面側に突出している。
そして、底板部32の右端寄りの後端部分には、抜け止め孔32fを有する支持片32eが形成されている。
【0097】
前記移動板部33は、図22に示すように、前記底板部32の後端部分の下側に配置される基板33aと、この基板33aの右端から側方に延設されて先端が支持片32eのさらに側方に至る寸法で底板部32の下側に延在する支持板33dとで構成されている。
【0098】
前記基板33aは、内部に窓33bを有する枠状に形成されており、前記底板部32の後端部分の下側に配置した状態で、前記各ガイド孔32d,32dに臨む窓33bの両側の基板33a箇所には、ガイドピン38,38がそれぞれ立設されており、基板33aの後端寄り部分にはフック33cが立設されている。
前記支持板33dの先端寄り部分には、略階段状を呈する係止片33eが延設されており、支持板33dの先端には操作片33gが立設されている。
【0099】
上述した移動板部33は、前記係止片33eを底板部32の抜け止め孔32fに下面側から上面側に通して、係止片33eの先端の突起33fを、図24に示すように、抜け止め孔32fの側縁に引っかけると共に、前記各ガイドピン38,38の頭部38a,38aを、底板部32の各ガイド孔32d,32dの円形部32e,32eに下面側から上面側に通し、切欠32bと窓32cとの間の底板部32部分に形成された係止孔32gと、基板33aのフック33cとの間にコイルスプリング39を架設することで、底板部32に組み付けられる。
【0100】
このように底板部32に組み付けられた移動板部33は、コイルスプリング39から、基板33aのフック33cが底板部32の係止孔32gに近づく向きの復元力を受けて、各ガイド孔32d,32dの円形部32e,32eとは反対側の前端に各ガイドピン38,38が当接する通常箇所に位置し、且つ、前記切欠32bと窓32cとが窓33bの内側に位置するように構成されている。
【0101】
前記各側板部34,34は、図23に示すように、前記底板部32寄りの傾斜面34aと、この傾斜面34aから上方に延出する垂直面34bとにより、前記傾斜面18tが形成されたカートリッジ17部分の外形に対応する輪郭で形成されており、各垂直面34b,34bには、底板部32の前後方向に間隔をおいて3つのガイドピン34c,34d,34eが、ホルダ31の外方に向けてそれぞれ突設されている。
【0102】
そして、各垂直面34b,34bの前端には、開閉蓋14の裏面で不図示のヒンジよりも上方の裏面箇所に接触可能な案内突起34f,34fがそれぞれ突設されており、これら各案内突起34f,34fの先部は、先端に至るにつれて互いの間隔が次第に大きくなるように、略ハ字状に拡げられている。
【0103】
また、底板部32の左側の側板部34の垂直面34bで、前端寄りの2つのガイドピン34c,34dの間の垂直面34b部分には、ホルダ31の内側に延出する係合片34gが形成されている。
【0104】
前記底板部32の左側に位置する前記押え板部35は、側板部34に連設された基板35aと、この基板35aの前端から前方に延設されたガイド板35bとを有しており、前記基板35aは、カートリッジ17の高さに対応する寸法だけ底板部32から離間してこの底板部32と略平行に延在しており、ガイド板35bは、図25に図23のA−A線断面図で示すように、前方に至るにつれて次第に底板部32から離間するように傾斜して、前端が基板35aよりも高い箇所に位置するように構成されている。
【0105】
前記底板部32の右側に位置する前記押え板部36は、側板部34に連設された基板36aと、この基板36aの前端から前方に延設されたガイド板36bと、基板36aの側端から押え板部35側に延設された逃げ板36cと、ガイド板36bの前端と逃げ板36cの先端とを接続する略L字状の外縁板36dと、これらガイド板36b、逃げ板36c、及び、外縁板36dで囲まれた接続板36eとを有している。
【0106】
前記基板36aは、押え板部35の基板35aと同じく、カートリッジ17の高さに対応する寸法だけ底板部32から離間してこの底板部32と略平行に延在しており、ガイド板36bは、押え板部35のガイド板35bと同じく、前方に至るにつれて次第に底板部32から離間するように傾斜して形成されている。
【0107】
また、前記逃げ板36cは、図26に図23のB−B線断面図で示すように、先端に至るにつれて、つまり、押え板部35に近づくにつれて、次第に底板部32から離間するように傾斜するように形成されており、前記外縁板36dは、底板部32と略平行に延在していて、この底板部32からの高さが押え板部35のガイド板35bの前端と同じ高さになるように形成されている。
【0108】
さらに、前記接続板36eには、図23に示すように、ガイド板36bと逃げ板36cとの傾斜方向の違いによる歪みが押え板部36に生じないように、この歪みを吸収するための抜き孔36fが形成されている。
【0109】
上述した構成による本実施形態のホルダ31は、カートリッジ17を前端側から挿入していくと、左右の押え板部35,36の隙間にカートリッジ17のカッタ18cのストッパ片18fが位置し、カートリッジ17を、各係止突起18n,18nの傾斜面18rの頂部がバネ板部材37を撓ませながら係止片部37bを乗り越える際のクリック感が伝わるまで挿入することで、カートリッジ17がホルダ31に完全に装填された状態となるように構成されている。
【0110】
そして、カートリッジ17が完全に装填された状態でホルダ31は、カートリッジ17の各係止突起18n,18nの係止面18sが底板部32の後端側から係止されると共に、各係止突起18n,18nの両側の係止溝部18m部分が、移動板部33の通常箇所における各ガイドピン38,38の頭部38a,38aの周面に、底板部32の前端側から当接し、この当接と、バネ板部材37の各係止突起18n,18nに対する係止とにより、カートリッジ17がホルダ31に対して前後方向に位置決めされるように構成されている。
【0111】
さらに、ホルダ31は、前後方向に位置決めされたカートリッジ17をさらに押し込むことで、頭部38a,38aが係止溝部18mに当接している各ガイドピン38,38が、対応する各ガイド孔32d,32dの円形部32e,32e側に移動されて、このガイドピン38,38が基板33aに立設された移動板部33が、カートリッジ17と共に、コイルスプリング39の復元力に抗してホルダ31の後端側に移動するように構成されている。
【0112】
尚、上述したホルダ31に完全に装填されて前後方向に位置決めされたカートリッジ17の押し込みは、底板部32の後端の2つのストッパ片32a,32aに前面が当接することで規制されて、それ以上先への押し込みが阻止される。
【0113】
この状態で、ホルダ31のバネ板部材37の係止片部37bは、カートリッジ17の底面の逃げ溝18pに位置し、また、移動板部33の各ガイドピン38,38の頭部38a,38aは、各ガイド孔32d,32dの円形部32e,32eよりも前端寄り部分に位置し、これにより、移動板部33の全体が、前記通常箇所から押し込み箇所に移動した状態となり、この押し込み箇所において、コイルスプリング39は無負荷状態から伸張された状態となる。
【0114】
そして、前記ホルダ31は、カートリッジ17の押し込みを解除すると、伸張状態のコイルスプリング39からの復元力が加わって移動板部33が押し込み箇所から通常箇所に復帰し、これに伴いカートリッジ17が、バネ板部材37の係止片部37bに各係止突起18n,18nの係止面18sが係止され、且つ、各ガイドピン38,38の頭部38a,38aが係止溝部18mに当接した、ホルダ31に完全に装填された状態に復帰するように構成されている。
【0115】
また、ホルダ31は、カートリッジ17を挿入すると、完全に装填された状態となるまでの間に、左側の側板部34の係合片34gが係合してシャッタ18gが開き、筐体18内部の不図示の受動歯車が露出するように構成されている。
【0116】
尚、前記シャッタ18gは、カートリッジ17をホルダ31から抜き取るのに伴って、係合片34gとの係合が解除されることで、筐体18内部の不図示のスプリングの付勢力により閉じる。
【0117】
前記移送機構41は、図22に示すように、前記ホルダ31を支持する内フレーム42と、この内フレーム42を支持する外フレーム46とを有している。
【0118】
前記内フレーム42は、図27に拡大斜視図で示すように、底板部43と、底板部43の両側から立設された側板部44,44とを有している。
【0119】
前記底板部43は、前記ホルダ31の底板部32が載置可能な幅で形成されており、底板部43の後端側には、前記通常箇所と押し込み箇所との間を移動する移動板部33との干渉を避けるための凹部43aが形成されている。
【0120】
また、底板部43の凹部43aにおける左側の縁部で底板部43の後端寄り部分には、支片43bを介して、ホルダ31移送用の動力を内フレーム42に伝達するためのラック43cが取着されており、この支片43bの後縁には遮光片43dが後方に向けて突設されている。
【0121】
前記各側板部44,44は、前端寄りの前片44aと、後端寄りの後片44gとで構成されており、前片44aは、底板部43寄りの傾斜面44bと、この傾斜面44bから上方に延出する垂直面44cとにより、ホルダ31の側板部34の外形に対応する輪郭で、且つ、この側板部34よりも大きい高さで形成されている。
【0122】
前記垂直面44cには、前端側に開放され後端側に向かうにつれて次第に傾斜面44bに近づくように傾斜したガイド溝44dが形成されており、また、垂直面44cの後端上部には、階段状の2段の切欠44e,44fが形成されていて、このうち、側板部44の前端寄りの高い方の切欠44eは、前記ガイド溝44dの開放端と略同一の高さで形成されている。
【0123】
前記後片44gは、前記前片44aの垂直面44cの後方に略連続して延在しており、側板部44の前端寄りの後片44g部分には階段状の2段の切欠44h,44jが形成されていて、このうち、前片44a寄りの低い方の切欠44hは、前片44aの切欠44e,44fのうち低い方の切欠44fと略同一の高さとされている。
また、側板部44の後端寄りの後片44g部分にも切欠44kが形成されていて、切欠44hと略同一の高さとされている。
【0124】
さらに、前記後片44gには、前記2段の切欠44h,44jのうち側板部44の後端寄りの高い方の切欠44jの後端において開放され後端側に向かうにつれて次第に底板部43に近づくように傾斜した、前片44aのガイド溝44dと同様のガイド溝44mが形成されている。
【0125】
そして、前記切欠44hが形成された後片44gの前端寄り箇所には、ガイドピン44nが内フレーム42の外方に向けてそれぞれ突設されており、切欠44kが形成された後片44gの後端寄り箇所には、ガイドねじ44pが内フレーム42の外方に向けて螺着される。
【0126】
このように構成された内フレーム42は、各側板部44,44の前片44aと後片44gの各ガイド溝44d,44mとの前後間隔が、ホルダ31の各側板部34の前後両端寄り箇所のガイドピン34c,34eの前後間隔と略一致するように構成されている。
【0127】
前記外フレーム46は、図28に拡大斜視図で示すように、地板部47と、地板部47の両側から垂設された側板部48,48とを有している。
【0128】
前記地板部47は、前記ホルダ31の底板部32の前後寸法よりも十分大きな前後長さと、内フレーム42の底板部43の幅よりも若干大きい左右幅で形成されている。
【0129】
この地板部47の下面には、前記カートリッジ17の記録紙収容部18bに収容した7日用記録紙21に走行情報等を記録するための記録機構(図示せず)や、ステッピングモータ等の記録機構を動作させるための動力源(図示せず)といった部品が取着され、地板部47の上面には、図9に示すように、不図示のスペーサ65aと取付ねじ65bにより、プリント基板65が上方に間隔をおいて取着される。
【0130】
前記プリント基板65には、前記記録機構の動作や移送機構41の動作を制御するマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略記する)81(図43参照)等の、電気系の部品(図示せず)が実装され、これら電気系部品は、プリント基板65を地板部47の上面に取着した状態で、プリント基板65と地板部47との間に配置される。
【0131】
また、前記プリント基板65の下面には、先端が二股に分かれて開放され、これらの間で検出光(図示せず)が送受光される門形のフォトインタラプタ66が取着され、プリント基板65を地板部47の上面に取着した状態で、このフォトインタラプタ66は、その二股部分が外フレーム46の左右方向に間隔をおいて位置し、且つ、その先端が下方に向けて開放された向きとなり、フォトインタラプタ66の先端は、地板部47の前端で右端寄り部分に形成された切欠47fを介して、地板部47の下方に突出する。
【0132】
さらに、前記地板部47の右端で前端寄り部分には、図29に右側面図で示すように、下方に延出する支持片47aが折曲形成されており、この支持片47aには、スイッチ片51aが外フレーム46の後端側を向くように、マイクロスイッチ51(排出箇所検出手段に相当)が取着される。
【0133】
一方、地板部47の左後端には、図22に示すように、側方に延出する延出片47bを介して取付片47cが形成されており、この取付片47cには、移送機構41用のモータ70が取着され、前記延出片47bの下面には、モータ70の動力を内フレーム42のラック43cに伝達する歯車群(図示せず)が取り付けられる。
尚、図22中引用符号47dは、地板部47から折曲形成された取付片を示し、この取付片47dには前記プリント基板72がねじ止めされる。
【0134】
また、前記地板部47の前端部には、図9に示すように、支持板64が吊り下げ支持され、支持板64上で、上面の外縁部に円弧状の遮光板62が立設されたギア61が、軸63を中心として水平面内で回転可能に支持される。
【0135】
前記各側板部48,48は、図28に示すように、その下端寄り部分に、前方に延出する延出部48a,48aをそれぞれ有しており、各延出部48a,48aの前端寄り部分は、前端に至るにつれて互いの間隔が次第に大きくなるように、略ハ字状に拡げられている。
【0136】
また、側板部48の下端寄り部分には、前後に延在する2つの内フレーム用ガイド溝48b,48cが、一直線上に位置するようにそれぞれ形成されており、側板部48の前端寄りで内フレーム用ガイド溝48bよりも上方の側板部48部分にはホルダ用ガイド溝48dが形成されており、このホルダ用ガイド溝48dは、図29に示すように、前後に延在する前後溝部48eと、この前後溝部48eの後端から上方に向かう上下溝部48fとにより略L字状を呈している。
【0137】
さらに、各側板部48,48の前端寄り部分を除く下縁部分には、下ケース2の底板部3の係合溝3d,3dに対応する係合片48g,48gが形成されている。
【0138】
そして、側板部48の前端寄りの内フレーム用ガイド溝48bと、その上方のホルダ用ガイド溝48dのうち前後溝部48eとの各前端は、図28に示すように、略ハ字状に拡げられた前記延出部48aの前端寄り部分に延在しており、ホルダ用ガイド溝48dの前後溝部48eの後端は、内フレーム用ガイド溝48bよりも側板部48の前端寄りに位置している。
【0139】
このように構成されたホルダ31と移送機構41との組み付けは、次のようにして行われる。
【0140】
まず、ホルダ31の各側板部34の後側のガイドピン34eを、内フレーム42の各側板部44の後片44gの階段状の2段の切欠44h,44jのうち、高い方の切欠44jの上縁に載せると同時に、ホルダ31の各側板部34の中央のガイドピン34dを、内フレーム42の各側板部44の前片44aの階段状の2段の切欠44e,44fのうち、高い方の切欠44eの上縁に載せる。
【0141】
次に、切欠44j上でガイドピン34eがガイド溝44mの開口に近づくように、ホルダ31を内フレーム42の後端側に移動させつつ、ホルダ31の前側のガイドピン34cを、内フレーム42の各側板部44の前片44aに形成されたガイド溝44dの開口に近づける。
【0142】
すると、後側のガイドピン34eが切欠44jの上縁に案内されつつガイド溝44mにはめ込まれるのと略同時に、前側のガイドピン34cがガイド溝44dにはめ込まれて、ホルダ31が内フレーム42に組み付けられ、これにより、ガイド溝44mにおけるガイドピン34eの位置が、ガイド溝44dにおけるガイドピン34cの位置と略同一になる。
【0143】
また、ホルダ31を内フレーム42に組み付けた状態では、ホルダ31の各側板部34の真ん中のガイドピン34dが、各ガイド溝44d,44mにおける各ガイドピン34c,34eの位置に拘わらず、前片44aの高い方の切欠44eと、後片44gの高い方の切欠44jとの間に位置し、且つ、前片44aの低い方の切欠44fと、これに略連続する後片44gの低い方の切欠44hとの上方に位置する。
【0144】
続いて、上述したように内フレーム42に組み付けたホルダ31の各側板部34の真ん中のガイドピン34dを、外フレーム46の各側板部48に形成されたホルダ用ガイド溝48dの前後溝部48eにはめ込むと共に、内フレーム42のガイドピン44nを各側板部48の内フレーム用ガイド溝48bにはめ込む。
【0145】
このとき、各側板部48の前端寄り部分が略ハ字状に拡げられているため、ホルダ用ガイド溝48dの前後溝部48eや内フレーム用ガイド溝48bに対する、ホルダ31のガイドピン34dや内フレーム42のガイドピン44nのはめ込みを、この各側板部48の前端寄り部分で行えば、両側板部48の間隔を拡げながらはめ込むといった手間をかける必要はない。
【0146】
そして、ホルダ用ガイド溝48dの前後溝部48eや内フレーム用ガイド溝48bに、ホルダ31のガイドピン34dや内フレーム42のガイドピン44nをはめ込んだならば、側板部48の後端寄りの内フレーム用ガイド溝48cに外側からガイドねじ44pを差し込んで、内フレーム42の切欠44kが形成された後片44gの後端寄り箇所に螺着する。
【0147】
このように、ホルダ31が組み付けられた状態の内フレーム42を外フレーム46に組み付けたならば、支持片47aにマイクロスイッチ51を取着し、地板部47の下面に支持板64を吊り下げて、この支持板64に軸63を介してギア61を回転可能に取り付けると共に、不図示の記録機構の電気系部品やフォトインタラプタ66が実装されたプリント基板65を外フレーム46の地板部47に取着する。
【0148】
これと共に、地板部47の取付片47cにモータ70を取着し、延出片47bに前記不図示の歯車群を取り付けて、この歯車群を介してモータ70の出力軸と内フレーム42のラック43cとの間を結合させる。
【0149】
この状態では、移送機構41のモータ70の逆転により内フレーム42を外フレーム46に対して前方に移動させて、ガイドねじ44pを内フレーム用ガイド溝48cの前端に位置させると、図29に示すように、ガイドピン34d,44nが、対応するホルダ用ガイド溝48dと内フレーム用ガイド溝48bとの延出部48aにかかる前端寄り部分のうち、各ガイド溝48d,48bがこれらガイドピン34d,44nの先端よりも外側に離間しない程度後端寄りのガイド溝48d,48b箇所に位置する。
【0150】
そして、ガイドねじ44pを内フレーム用ガイド溝48cの前端に位置させると、ホルダ31のガイドピン34c,34eが、内フレーム42の対応する各ガイド溝44d,44mの後端箇所に位置し、これにより、ホルダ31が、内フレーム42の底板部43上に底板部32が載置され、内フレーム42の側板部44の前端からホルダ31の側板部34の案内突起34fが前方に突出した装脱箇所(排出箇所に相当)に位置する。
【0151】
尚、上述したホルダ31の装脱箇所においては、移動板部33が通常箇所に位置していると、移動板部33の操作片33gがマイクロスイッチ51のスイッチ片51aに当接して、マイクロスイッチ51がオン状態となり、移動板部33が押し込み箇所に位置していると、操作片33gがスイッチ片51aの後方に離間して、マイクロスイッチ51がオフ状態となる。
【0152】
また、モータ70の正転により内フレーム42を外フレーム46に対して後方に移動させると、ガイドピン44n及びガイドねじ44pが内フレーム用ガイド溝48b,48cに案内されて後方に移動し、これに追従して、ホルダ31のガイドピン34dが外フレーム46のホルダ用ガイド溝48dのうち前後溝部48eに案内されて後方に移動し、ホルダ31が内フレーム42と一緒に外フレーム46に対して後方に移動する。
【0153】
そして、図30に右側面図で示すように、ホルダ31のガイドピン34dが外フレーム46のホルダ用ガイド溝48dのうち前後溝部48eの後端に位置すると、この前後溝部48eの後端の真下、即ち、内フレーム用ガイド溝48b,48cの後端よりも前方箇所に、ガイドピン44n及びガイドねじ44pが位置する。
【0154】
尚、上述したように、装脱箇所のホルダ31が内フレーム42と一緒に外フレーム46に対して後方に移動すると、移動板部33の操作片33gがマイクロスイッチ51のスイッチ片51aから後方に離間して、マイクロスイッチ51がオフ状態となる。
【0155】
続いて、この状態からモータ70のさらなる正転により内フレーム42を外フレーム46に対してさらに後方に移動させると、ガイドピン34dが前後溝部48eの後端によりそれ以上の後方への移動を規制されて、内フレーム42が単独で後方に移動し、内フレーム42に追従したホルダ31の外フレーム46に対する後方移動は起こらない。
【0156】
その代わりに、内フレーム42の外フレーム46に対する後方移動に伴い、ホルダ31のガイドピン34c,34eが、内フレーム42の対応する各ガイド溝44d,44mの後端から前端に向けて相対移動し、これに応じて、ガイドピン34dが、外フレーム46のホルダ用ガイド溝48dのうち上下溝部48fを、下端から上端に向けて移動する。
【0157】
この結果、ホルダ31が、内フレーム42及び外フレーム46に対して上方に移送され、図31に右側面図で示すように、ガイドピン44n及びガイドねじ44pが、内フレーム用ガイド溝48b,48cの後端に達すると、ガイドピン34dが略同時に上下溝部48fの上端に達して、内フレーム42の底板部43の上方に底板部32が離間すると共に、ホルダ31が、左右の押え板部35,36が外フレーム46に取着された前記記録機構の下方に配置される記録箇所に位置する。
【0158】
そして、ホルダ31の前記記録箇所においては、内フレーム42の側板部44の前端が、外フレーム46の延出部48aの前端よりも後方に引っ込み、この側板部44の前端よりも案内突起34fの前端がさらに後方に引っ込んで位置することとなる。
【0159】
尚、図31中引用符号47eは、記録箇所のホルダ31に装填されたカートリッジ17を位置決めするために地板部47の下面から下方に突設された位置決めピンを示し、この位置決めピン47eは、記録箇所のホルダ31に装填されたカートリッジ17における、回転テーブル19の取付軸19aに形成された位置決めボス19bに嵌合するように構成されている。
【0160】
次に、上ケース5の受板部8上にプリント基板10をねじ止めすると共に、このプリント基板10よりも右端寄りの受板部8に、軸53を介して支持レバー54を揺動可能に吊り下げ支持させて、受板部8上に突出した軸53部分にコイルスプリング58を嵌装し、さらに、軸53の上端に係止部材57を嵌着して、コイルスプリング58の両端を係止部材57と受板部8とに係止する。
尚、この状態では、プリント基板65に実装されたフォトインタラプタ66は、ギア61の回転に伴って移動する遮光板62の軌跡上に配置される。
【0161】
そこで、遮光板62がフォトインタラプタ66の二股部分の間に位置するように、支持板64に対するギア61の回転位置を合わせておいて、外フレーム46の地板部47の四隅に下側から取付ねじ(図示せず)を挿通し、上ケース5の天板部6の下面四隅から垂設されたボス(図示せず)に螺着して、ホルダ31及び移送機構41を、外フレーム46の両側板部48,48を前端側に向けて上ケース5に取り付ける。
【0162】
ホルダ31及び移送機構41を上ケース5に取り付けたならば、プリント基板65,10の間を、連結板部7の通孔7aに通したコネクタケーブル67(図8参照)により接続する。
【0163】
尚、ホルダ31及び移送機構41を上ケース5に取り付けた状態では、支持レバー54のギア部56の歯車56aがギア61と噛合すると共に、受板部8の下面の段差に支持レバー54の側縁が当接して突出箇所に位置しているピン52が、装脱箇所のホルダ31の右側に位置する押え板部36のガイド板36bと側板部34との隙間から、底板部32に向けてホルダ31の内部に延出して、右側の側板部34よりも左側の側板部34寄り箇所に位置することとなる。
【0164】
この状態では、ギア61の遮光板62は、ピン52がホルダ31の左右方向における右側の側板部34よりも内側に位置する突出箇所において、フォトインタラプタ66の二股部分の間に位置してフォトインタラプタ66の不図示の検出光を遮り、従って、フォトインタラプタ66はオフ状態となっている。
尚、ここでは当然ホルダ31にカートリッジ17は挿入されておらず、従って、ホルダ31は空となっている。
【0165】
そして、上述した空のホルダ31にカートリッジ17を挿入すると、ホルダ31の両側板部34,34の垂直面34bの内面にカートリッジ17の筐体18の両側面に接して、ホルダ31の前後動に追従できる最低限の保持力がホルダ31からカートリッジ17に作用する状態となるよりも前の、挿入のごく当初の段階で、カートリッジ17によりピン52が外フレーム46の前端側から後端側に押され、コイルスプリング58の付勢力に抗して支持レバー54が揺動して、ピン52がホルダ31の側板部32の外側に押し出される。
【0166】
すると、ピン52の押し出しに伴う支持レバー54の揺動で、ギア部56の歯車56aとギア61が噛合しているギア61が回転し、これにより、図10に示すように、フォトインタラプタ66の二股部分の間に位置していた遮光板62が、図32に拡大平面図で示すように、フォトインタラプタ66の二股部分の間から退避する。
【0167】
これにより、遮光板62が遮っていたフォトインタラプタ66の検出光の光路が確保されて、フォトインタラプタ66がオフ状態からオン状態に変わり、ホルダ31に対してカートリッジ17が、完全か不完全かを問わずとにかく挿入されたことがフォトインタラプタ66により検出される。
【0168】
反対に、ホルダ31に挿入されたカートリッジ17を、上述した保持力がホルダ31からカートリッジ17に作用しなくなるまで引き出すと、コイルスプリング58の付勢力により支持レバー54が、カートリッジ17の挿入時とは反対向きに揺動して、カートリッジ17によりホルダ31の側板部32の外側に押し出されていたピン52が、側板部32の内側に復帰する。
【0169】
すると、ピン52の復帰に伴う支持レバー54の揺動でギア61が回転し、これに伴って、フォトインタラプタ66の検出光の光路外に退避していた遮光板62が、検出光の光路上に復帰してこれを遮り、フォトインタラプタ66がオン状態からオフ状態に変わって、ホルダ31からカートリッジ17が完全に取り出されて空になったことがフォトインタラプタ66により検出される。
【0170】
次に、図3に示すように、開閉錠13dが取り付けられた状態の前面パネル11の前板部13の各取付片13zに下側から取付ねじ81を挿通し、これを、上ケース5の受板部8の対応する各ねじ受け部材8aの不図示の有底穴に、セルフタッピング方式でねじ込みながら螺着して、前面パネル11を上ケース5の前端部に取り付ける。
【0171】
この状態では、図33に説明図で示すように、プリント基板10上に上方に向けて実装されたフラムスイッチ10aの上方に、開閉錠13の作動レバー13rの中間箇所が臨む。
【0172】
そして、シリンダ13fの鍵孔13gに挿入されたキー13Aを回転させて、シリンダ13fをコイルスプリング13wの付勢力に抗して通常位置から開閉位置に回転させることで、作動レバー13rの中間箇所が、図34に説明図で示すように、フラムスイッチ10aに接触しこれを押圧してオンさせる状態に、枢軸13vを中心として揺動する。
【0173】
また、キー13Aによるシリンダ13fの回転を解除すると、コイルスプリング13wの付勢力によりシリンダ13fが回転位置から通常位置に復帰して、作動レバー13rの中間箇所が、図33に示すように、フラムスイッチ10aから離間してその上方に位置した状態となる。
【0174】
さらに、前面パネル11を上ケース5の前端部に取り付けた状態では、プリント基板10上に前方に向けて実装されたフラムスイッチ10bの前方に時刻合わせボタン13cが臨み、この時刻合わせボタン13cを押圧操作するとフラムスイッチ10bに接触しこれを押圧してオンさせ、時刻合わせボタン13cの押圧操作を解除すると、時刻合わせボタン13cがフラムスイッチ10bから前方に離間してこれをオフさせることとなる。
尚、パイロットランプ13xは前板部13の前方に露出する。
【0175】
次に、図3に示すように、下ケース2の底板部3前端のヒンジ3e,3eに開閉蓋14の下端の左右両側をコイルスプリング3fと共に枢着し、この開閉蓋14を下ケース2の前方に倒れて開いた状態としたままで、前面パネル11、ホルダ31、及び、移送機構41を取り付けた上ケース5に前後の向きを合わせて下ケース2を重ねる。
【0176】
この際には、上ケース5の各側板部9の凹部9aの不図示の取付溝に取付板16の係合片16a,16aをそれぞれ前もって挿入しておき、これら取付板16の係合片16b,16bを、下ケース2の凹部4a,4aの取付溝4b,4bに挿入しつつ下ケース2を上ケース5に重ねて、上下のケース5,2の両側にそれぞれ取付板16を取り付ける。
【0177】
このとき、各取付板16は、下ケース2の取付溝4bや上ケース5の不図示の取付溝にそれぞれ挿入された係合片16aが、凹部4a,9a側に位置する取付板16の裏面に当接する上下のケース5,2の押し出し片9c,4cにより、下ケース2の取付溝4bや上ケース5の不図示の取付溝の中で本体1の外方に押し付けられ、従って、取付板16が本体1の内外方向においてガタつくことはない。
【0178】
そして、取付板16を上下のケース5,2の両側にそれぞれ取り付けたならば、上ケース5の前端両側のボス9b,9bの先端を、下ケース2のボス受け3a,3aに挿し込むと共に、外フレーム46の各側板部48,48の係合片48g,48gを、下ケース2の底板部3の上面に形成された係合溝3d,3dに挿し込む。
【0179】
さらに、ボス受け3a,3aとこのボス受け3a,3aが形成された底板部3箇所を貫通する下ケース2の孔(図示せず)に、底板部3の下面側から取付ねじ68,68を挿通して、上ケース5のボス9b,9bの不図示の有底穴に、セルフタッピング方式でねじ込みながら螺着する。
【0180】
これにより、上下のケース5,2が前端側で結合されると共に、下ケース2の前端のヒンジ3e,3eが前面パネル11の前板部13の下端で覆われて外観上隠された状態となり、ここで、開閉蓋14を開いたままの状態から解放すると、コイルスプリング3fの付勢力により開閉蓋14が起立方向に回転し、前面パネル11の前板部13のカートリッジ挿抜口13yの内周縁に形成されたストッパ(図示せず)に係止されて、カートリッジ挿抜口13yを塞ぐ閉塞箇所に開閉蓋14が位置決めされる。
【0181】
また、上述した上下のケース5,2の前端側での結合と共に、プリント基板72やパワートランジスタ73を取り付けフレーム74により放熱板15に取着して、コネクタ孔15dに雌コネクタ75を臨ませておき、上ケース5の後端の位置決め部6kに取付片15cを挿し込みつつ、取付片15cの両側の取付片15bを上ケース5の対応する各凹部6aにはめ込むと共に、取付片15aを下ケース2の各凹部3bにはめ込んで、放熱板15を上下のケース5,2の後端にはめ合わせる。
【0182】
続いて、取付片15a,15bの通孔(図示せず)に外側から取付ねじ69aを挿通して、ねじ受け部材3c,6bの有底穴6cにセルフタッピング方式でねじ込みながら螺着すると共に、上ケース5の目隠し孔6dに挿入した取付ねじ69bを、取付ねじ69aと同じくセルフタッピング方式でねじ込みながら通孔6fに螺着して、図35に要部拡大断面図で示すように、取付ねじ69bの先端を取付片15cの通孔15eに挿通し、キャップ6hを目隠し孔6dに嵌挿してキャップ6hの環状溝6jに係止片6eを係止させて、目隠し孔6dをキャップ6hで塞ぐ。
これにより、上下のケース5,2が後端側でも結合されて一体化され、本体1の組み付けが完了する。
【0183】
組み付けが完了した本体1は、後端側からコンソールボックスの内部に挿入して、コンソールボックスの側壁に形成された取付ねじ用孔と、本体1の両側の取付板16に形成されたねじ孔16cとの位置を合わせ、各取付ねじ用孔にコンソールボックスの裏側から差し込んだ不図示の固定ねじを、本体1の外側から対応する各取付板16のねじ孔16cに螺着することで行う。
【0184】
このとき、各取付板16は、先に説明したように、上下のケース5,2の押し出し片9c,4cの当接により、本体1の内外方向におけるガタつきがないように取り付けられているため、本体1は車両のコンソールボックスにガタつきなく強固に取り付け固定される。
【0185】
この本体1の組み付けが完了した状態では、前記ホルダ31が記録箇所に位置していると、図36に左側面図で示すように、内フレーム42の遮光片43dが放熱板15に取着されたプリント基板72上のフォトインタラプタ71の二股部分の間に位置してフォトインタラプタ71の不図示の検出光を遮り、従って、フォトインタラプタ71はオフ状態となる。
【0186】
一方、図37に左側面図で示すように、前記記録箇所からホルダ31が下動して内フレーム42の底板部43上にホルダ31の底板部32が重なっていたり、図38に左側面図で示すように、ホルダ31が装脱箇所に位置していると、内フレーム42の遮光片43dがフォトインタラプタ71の二股部分の間から前方に退避し、これにより、フォトインタラプタ71の検出光の光路が確保されて、フォトインタラプタ71がオフ状態からオン状態に変わり、ホルダ31が記録箇所から離間したことがフォトインタラプタ71により検出される。
【0187】
反対に、装脱箇所側から移送されたホルダ31が記録箇所に達すると、フォトインタラプタ71の検出光の光路外に退避していた遮光片43dが、検出光の光路上に復帰してこれを遮り、フォトインタラプタ71がオフ状態からオン状態に変わって、ホルダ31が記録箇所に位置していることがフォトインタラプタ71により検出される。
【0188】
また、本体1の組み付けが完了した状態では、モータ70の逆転により記録箇所の空のホルダ31が装脱箇所に向けて移送されると、ホルダ31が記録箇所から一旦下動して内フレーム42と重なった後、内フレーム42と共に前方動する際に、図39に説明図で示すように、まず、各側板部34,34の案内突起34fの先端が、開閉蓋14の裏面でヒンジ3eにより枢支された下端よりも上方の裏面箇所に当接する。
そして、さらなるホルダ31と内フレーム42との前方動により、コイルスプリング3fの付勢力に抗して開閉蓋14が押し開けられる。
【0189】
その後、ホルダ31と内フレーム42とがさらに前方動し、ホルダ31の底板部32の前端が下ケース2の底板部3の前端よりも前方に突出すると、図40に説明図で示すように、案内突起34fの先端が当接している箇所よりも下端寄りの開閉蓋14の裏面箇所に、ホルダ31の底板部32の前端が当接する。
【0190】
そして、ホルダ31と内フレーム42とがさらに前方動すると、開きかけた開閉蓋14の下端寄りの裏面箇所に底板部32の前端が当接すると共に、案内突起34fの先端が開閉蓋14の裏面から離間し、以後は、底板部32の前端によって開閉蓋14が押し開けられ、ホルダ31がある程度装脱箇所に近づくと、開閉蓋14が略完全に開いて底板部32が開閉蓋14の裏面上に乗り上げた状態となる。
その後は、図41に説明図で示すように、ホルダ31が装脱箇所に達するまでの間、底板部32が開閉蓋14の裏面上を下端側から上端側に向けて摺動する。
【0191】
逆に、モータ70の正転により装脱箇所の空のホルダ31が記録箇所に向けて移送されると、内フレーム42と共にホルダ31が後方動するのに追従して、底板部32が開閉蓋14の裏面上を上端側から下端側に向けて摺動し、底板部32の前端が開閉蓋14の下端にある程度近づくまでホルダ31が後方動すると、コイルスプリング3fの付勢力により裏面を底板部32の前端に接触させた状態で開閉蓋14が閉じ始める。
【0192】
そして、底板部32の前端が下ケース2の底板部3の前端よりも後端寄りに位置するまでホルダ31が後方動すると、開閉蓋14の裏面から底板部32の前端が離間すると共に、案内突起34fの先端に開閉蓋14の裏面が当接し、以後は、ホルダ31が後方動するのに追従して、コイルスプリング3fの付勢力により、案内突起34fの先端に裏面を当接させつつ開閉蓋14が閉じて行く。
【0193】
さらなる後方動によりホルダ31が記録箇所の真下の位置に近づくと、開閉蓋14がカートリッジ挿抜口13yを完全に閉じた状態となり、カートリッジ挿抜口13yの内周縁に設けられた不図示のストッパに開閉蓋14が当接して、それ以上の開閉蓋14の閉動作が規制されるため、ホルダ31が記録箇所の真下の位置に達する時点では、案内突起34fの先端が開閉蓋14の裏面から離れた状態となる。
【0194】
これに対し、カートリッジ17が装填されたホルダ31がモータ70の逆転により記録箇所から装脱箇所に向けて移送されると、各側板部34,34の案内突起34fの先端に代わって、図42に説明図で示すように、まず、カートリッジ17の後面の下端が、開閉蓋14の裏面でヒンジ3eにより枢支された下端よりも上方の裏面箇所に当接する。
【0195】
そして、ホルダ31と内フレーム42とがさらに前方動すると、開きかけた開閉蓋14の下端寄りの裏面箇所に底板部32の前端が当接すると共に、カートリッジ17の後面の下端が開閉蓋14の裏面から離間し、以後は、ホルダ31が装脱箇所に達するまで、空のホルダ31の場合と同様にして開閉蓋14が開いて行く。
【0196】
逆に、モータ70の正転により、カートリッジ17が装填されたホルダ31が記録箇所に向けて移送されると、底板部32の前端が開閉蓋14の下端にある程度近づくまでホルダ31が後方動する間は、空のホルダ31の場合と同様にして開閉蓋14が閉じて行き、以後は、ホルダ31が後方動するのに追従して、コイルスプリング3fの付勢力により、カートリッジ17の後面の下端に裏面を当接させつつ開閉蓋14が閉じて行く。
【0197】
さらなる後方動によりホルダ31が記録箇所の真下の位置に近づくと、開閉蓋14がカートリッジ挿抜口13yを完全に閉じて、カートリッジ挿抜口13yの不図示のストッパによりそれ以上の開閉蓋14の閉動作が規制され、ホルダ31が記録箇所の真下の位置に達する時点では、カートリッジ17の後面の下端が開閉蓋14の裏面から離れた状態となる。
【0198】
そして、カートリッジ17が装填されたホルダ31が記録箇所に達すると、外フレーム46の地板部47から下方に突設された位置決めピン47eが、カートリッジ17の取付軸19aに形成された位置決めボス19bに嵌合して、前記不図示の記録機構に対してカートリッジ17上の7日用記録紙21が位置決めされると共に、記録機構の記録針(図示せず)が一番上の記録紙21aに接触する。
【0199】
尚、本体1の組み付けが完了した状態で、上下のケース5,2の内部のうち、移送機構41の左脇で前面パネル11の時計13aの後部には隙間が画成され、この隙間には、カートリッジ17の前記受動歯車に歯車列(図示せず)を介して回転テーブル19の回転用の動力を供給すると共に、この不図示の歯車列から分岐する別の歯車列を介して時計13aに作動用の動力を供給するモータ82(図43参照)や、前記不図示の両歯車列等が、上下のケース5,2を組み付けるのに先立って配置される。
【0200】
そして、前記不図示の歯車列中の作動歯車は、カートリッジ17が装填されたホルダ31を記録箇所に位置させることで、カートリッジ17の開いたシャッタ18gから筐体18の外方に露出している不図示の受動歯車に噛合し、これにより、前記作動歯車を含む上下のケース5,2内の歯車列と、前記受動歯車を含む筐体18内の歯車列とを介して、モータ82の動力が、記録箇所のホルダ31に装填されたカートリッジ17の回転テーブル19に伝わる状態となる。
【0201】
また、前記モータ82(記録用駆動源に相当)は、時間の経過に応じて等速度で正転方向にのみ常時回転し、前記不図示の作動歯車と受動歯車とが噛合した状態で、回転テーブル19は、7日用記録紙21に形成された不図示の時刻指示用の目盛の時間を進ませる方向に回転し、時計13aは時刻の進む方向に動く。
【0202】
次に、前記マイコン81を中心とする本体1の電気的構成について、図43のブロック図を参照して説明する。
【0203】
前記マイコン81は、CPU(Central Processing Unit 、中央処理装置)81aと、RAM(Random Access Memory)81bと、ROM(Read−Only Memory)81cとで構成されている。
【0204】
前記CPU81aには、前記フラムスイッチ10a,10b、パイロットランプ13x、マイクロスイッチ51、フォトインタラプタ66,71、移送機構41動作用のモータ70、回転テーブル19回転用で且つ時計13a作動用のモータ82、記録機構用の前記不図示の動力源、並びに、車両の走行速度に応じた数の走行パルスを出力する走行センサ83等が接続されている。
【0205】
前記RAM81bは、各種データ記憶用のデータエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを有しており、このうちワークエリアには、反転動作回数カウンタエリア等が設けられている。
前記ROM81cには、CPU81aに各種動作を行わせるための制御プログラムが格納されている。
【0206】
次に、前記ROM81cに格納された制御プログラムに従いCPU81aが行う処理を、特に、移送機構41によるホルダ31の移送や、時刻合わせボタン13cの操作による時計13aの時刻合わせといった、7日用記録紙21に対する走行情報の記録を除く他の動作についての処理を、図44乃至図47のフローチャートを参照して説明する。
【0207】
不図示の車両のバッテリからの給電の開始によりマイコン81が起動すると、CPU81aは、まず、図44に示すように、RAM81bのワークエリアの反転動作回数カウンタエリアのカウント値Cをゼロリセットする初期設定を行う(ステップS1)。
【0208】
そして、初期設定が済んだならば、次に、マイクロスイッチ51がオンであるか否かを確認し(ステップS3)、オンでない場合は(ステップS3でN)、後述するステップS53に進み、オンである場合は(ステップS3でY)、フラムスイッチ10bがオンであるか否かを確認する(ステップS5)。
【0209】
フラムスイッチ10bがオンである場合は(ステップS5でY)、後述するステップS71に進み、オンでない場合は(ステップS5でN)、フォトインタラプタ66がオンであるか否かを確認する(ステップS7)。
【0210】
フォトインタラプタ66がオンである場合は(ステップS7でY)、マイクロスイッチ51がオンであるか否かを確認し(ステップS9)、オンである場合は(ステップS9でY)、ステップS5にリターンし、オンでない場合は(ステップS9でN)、後述するステップS13に進む。
【0211】
また、ステップS7においてフォトインタラプタ66がオンでない場合(N)は、フラムスイッチ10aがオンであるか否かを確認し(ステップS11)、オンでない場合は(ステップS11でN)、ステップS7にリターンし、オンである場合は(ステップS11でY)、ステップS13に進む。
【0212】
ステップS9においてマイクロスイッチ51がオンでない場合(N)と、ステップS11においてフラムスイッチ10aがオンである場合(Y)とに進むステップS13では、モータ70を正転させ、次に、フォトインタラプタ71がオンであるか否かを確認する(ステップS15)。
【0213】
フォトインタラプタ71がオンである場合は(ステップS15でY)、後述するステップS23に進み、オンでない場合は(ステップS15でN)、モータ70を停止させた後(ステップS17)、RAM81bの反転動作回数カウンタエリアのカウント値Cがゼロであるか否かを確認する(ステップS19)。
【0214】
反転動作回数カウンタエリアのカウント値Cがゼロである場合は(ステップS19でY)、ステップS3にリターンし、カウント値Cがゼロでない場合は(ステップS19でN)、カウント値Cをゼロリセットした後(ステップS21)、ステップS3にリターンする。
【0215】
一方、ステップS15においてフォトインタラプタ71がオンである場合(Y)に進むステップS23では、図45に示すように、モータ70の給電ライン(図示せず)上の電流の変化を基に、モータ70が過負荷状態であるか否かを確認し、過負荷状態である場合(Y)は、後述するステップS27に進み、過負荷状態でない場合(N)は、ステップS13でモータ70を正転させてからの経過時間t1が所定の所要時間Tを上回っているか否かを確認する(ステップS25)。
【0216】
経過時間t1が所要時間Tを上回っていない場合は(ステップS25でN)、ステップS15にリターンし、上回っている場合は(ステップS25でY)、反転動作回数カウンタエリアのカウント値Cを「1」インクリメントした後(ステップS27)、インクリメント後のカウント値Cが「4」を上回っているか否かを確認する(ステップS29)。
【0217】
インクリメント後のカウント値Cが「4」を上回っている場合は(ステップS29でY)、後述するステップS43に進み、上回っていない場合は(ステップS29でN)、モータ70を逆転させた後(ステップS31)、マイクロスイッチ51がオンであるか否かを確認する(ステップS33)。
【0218】
マイクロスイッチ51がオンである場合は(ステップS33でY)、ステップS17にリターンし、オンでない場合は(ステップS33でN)、モータ70が過負荷状態であるか否かを確認し(ステップS35)、過負荷状態である場合は(ステップS35でY)、後述するステップS39に進み、過負荷状態でない場合は(ステップS35でN)、ステップS31でモータ70を逆転させてからの経過時間t3が前記所要時間Tを上回っているか否かを確認する(ステップS37)。
【0219】
経過時間t3が所要時間Tを上回っていない場合は(ステップS37でN)、ステップS33にリターンし、上回っている場合は(ステップS37でY)、反転動作回数カウンタエリアのカウント値Cを「1」インクリメントした後(ステップS39)、インクリメント後のカウント値Cが「4」を上回っているか否かを確認する(ステップS41)。
【0220】
インクリメント後のカウント値Cが「4」を上回っている場合は(ステップS41でY)、ステップS43に進み、上回っていない場合は(ステップS41でN)、ステップS13にリターンする。
【0221】
ステップS29及びステップS41においてインクリメント後のカウント値Cが「4」を上回っている場合(Y)にそれぞれ進むステップS43では、図46に示すように、モータ70を停止させ、次に、パイロットランプ13xを点灯させた後(ステップS45)、フラムスイッチ10aがオンであるか否かを確認する(ステップS47)。
【0222】
フラムスイッチ10aがオンでない場合は(ステップS47でN)、オンになるまでステップS47をリピートし、オンである場合は(ステップS47でY)、パイロットランプ13xを消灯させ(ステップS49)、反転動作回数カウンタエリアのカウント値Cをゼロリセットした後(ステップS51)、ステップS31にリターンする。
【0223】
また、ステップS3においてマイクロスイッチ51がオンでない場合(N)に進むステップS53では、図47に示すように、フォトインタラプタ71がオンであるか否かを確認し、オンである場合(Y)は、ステップS43にリターンし、オンでない場合(N)は、フラムスイッチ10bがオンであるか否かを確認する(ステップS55)。
【0224】
フラムスイッチ10bがオンでない場合は(ステップS55でN)、フラムスイッチ10aがオンであるか否かを確認し(ステップS57)、オンでない場合は(ステップS57でN)、ステップS55にリターンし、オンである場合は(ステップS57でY)、ステップS31にリターンする。
【0225】
一方、ステップS55においてフラムスイッチ10bがオンである場合(Y)は、フォトインタラプタ66がオンであるか否かを確認し(ステップS59)、オンでない場合は(ステップS59でN)、走行センサ83からの走行パルスが入力されているか否かを確認し(ステップS60)、入力されている場合は(ステップS60でY)、ステップS55にリターンし、入力されていない場合は(ステップS60でN)、ステップS71に進む。
【0226】
また、ステップS59においてフォトインタラプタ66がオンである場合は(Y)、モータ70を逆転させた後(ステップS61)、マイクロスイッチ51がオンであるか否かを確認する(ステップS63)。
【0227】
マイクロスイッチ51がオンである場合は(ステップS63でY)、後述するステップS69に進み、オンでない場合は(ステップS63でN)、モータ70が過負荷状態であるか否かを確認し(ステップS65)、過負荷状態である場合は(ステップS65でY)、ステップS13にリターンし、過負荷状態でない場合は(ステップS35でN)、ステップS61でモータ70を逆転させてからの経過時間t5が前記所要時間Tを上回っているか否かを確認する(ステップS66)。
【0228】
経過時間t5が所要時間Tを上回っていない場合は(ステップS66でN)、ステップS63にリターンし、上回っている場合は(ステップS66でY)、反転動作回数カウンタエリアのカウント値Cを「1」インクリメントした後(ステップS67)、インクリメント後のカウント値Cが「4」を上回っているか否かを確認する(ステップS68)。
【0229】
インクリメント後のカウント値Cが「4」を上回っている場合は(ステップS68でY)、ステップS43にリターンし、上回っていない場合は(ステップS41でN)、ステップS13にリターンする。
【0230】
また、ステップS63においてマイクロスイッチ51がオンである場合(Y)に進むステップS69では、モータ70を停止させ、次に、モータ82を早回しさせた後(ステップS71)、フラムスイッチ10bがオンであるか否かを確認する(ステップS73)。
【0231】
フラムスイッチ10bがオンである場合は(ステップS73でY)、オンでなくなるまでステップS73をリピートし、オンでない場合は(ステップS73でN)、モータ82の早回しを終了させた後(ステップS75)、ステップS3にリターンする。
【0232】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態においては、請求項中の修正許容手段81Aが、図44のフローチャートにおけるステップS3及びステップS5と、図47のフローチャートにおけるステップS53、ステップS55、ステップS59、及び、ステップS60で構成されている。
また、本実施形態においては、請求項中の保持体排出手段Bが、図47中のステップS61と、モータ70とで構成されている。
【0233】
次に、上述のように構成された本実施形態の運行記録計の動作(作用)について説明する。
【0234】
まず、空のホルダ31が記録箇所に位置していて開閉蓋14がカートリッジ挿抜口13yを閉じている状態で、開閉錠13dの鍵孔13gに挿入したキー13Aにより、シリンダ13fを通常位置から開閉位置に回転させると、ホルダ31が記録箇所から装脱箇所に向けて移送され、開閉蓋14が開いた後、ホルダ31が装脱箇所において停止する。
【0235】
そこで、周方向の位置を現在時刻に合わせて回転テーブル19上に7日用記録紙21を取り付けたカートリッジ17を、係止突起18nがバネ板部材37の係止片部37bを乗り越えてこれに係止されるまでホルダ31に挿入して、ホルダ31にカートリッジ17を完全に装填させた後、このカートリッジ17をそれ以上押し込めなくなるまでホルダ31に対してさらに一時的に押し込むと、ホルダ31が装脱箇所から記録箇所に向けて移送され、これに追従して開閉蓋14が閉じる。
【0236】
尚、ホルダ31に対してカートリッジ17を装填するに当たり、記録紙収容部18bを底板部32側に向けて、即ち、上下の向きを逆にしてカートリッジ17をホルダ31に挿入しようとしたり、後面側から、即ち、前後の向きを逆にしてカートリッジ17をホルダ31に挿入しようとすると、筐体18の前端寄りの上端隅部や、筐体18の後端寄りの下端隅部に傾斜面18t,18tがなく、これらの隅部がホルダ31の傾斜面34a,34aと干渉するので、ホルダ31にカートリッジ17を挿入することはできない。
【0237】
また、ホルダ31に対するカートリッジ17の挿入の際には、案内突起34f,34fを含めた各側板部34,34の前部が、前端に至るにつれて互いの間隔が次第に拡がるように略ハ字状に形成されているため、ホルダ31に対するカートリッジ17の左右方向の位置が多少ずれていても、この各側板部34,34の前部に案内されて確実にホルダ31に挿入される。
【0238】
同じく、ホルダ31に対するカートリッジ17の挿入の際には、底板部32の左右の押え板部35,36のガイド板35b,36bが、前方に至るにつれて次第に底板部32から離間するように傾斜して形成されているため、ホルダ31に対するカートリッジ17の上下方向の位置が多少ずれていても、これらガイド板35b,36bに案内されて確実にホルダ31に挿入される。
【0239】
そして、ホルダ31が真下から上動して記録箇所に達すると、回転テーブル19と共にカートリッジ17上の7日用記録紙21が回転し始め、前記不図示の記録機構の記録針により、一番上の記録紙21aから下側の記録紙21aへと順次走行情報の記録が行われる。
【0240】
この7日用記録紙21の各記録紙21aに対する走行情報の記録が行われる間、7日用記録紙21の一番上の記録紙21aのうち、カッタ18cよりも回転テーブル19の回転方向におけるすぐ下流側の記録紙21a部分に臨む、左側の押え板部35の基板35aは、カートリッジ17の高さに対応する寸法だけ底板部32から離間してこの底板部32と略平行に延在するように形成されていることから、前記カッタ18cよりもすぐ下流側の記録紙21a部分のすぐ上に位置する。
【0241】
同様に、7日用記録紙21の各記録紙21aに対する走行情報の記録が行われる間、7日用記録紙21の一番上の記録紙21aのうち、カッタ18cよりも回転テーブル19の回転方向における上流側に多少間隔をおいた、筐体18の右端寄りの記録紙21a部分に臨む、右側の押え板部36の基板36aは、カートリッジ17の高さに対応する寸法だけ底板部32から離間してこの底板部32と略平行に延在するように形成されていることから、前記筐体18の右端寄りの記録紙21a部分のすぐ上に位置する。
【0242】
従って、テープ21jがカッタ本体18eにより切断されて台紙21eから独立した7日用記録紙21の記録済の各記録紙21aに、反り等が生じて、これら記録紙21aが浮き上がろうとした場合に、左右の押え板部35,36の基板35a,36aにより、浮き上がろうとした各記録紙21aが台紙21e側に押え付けられ、これにより、記録紙21aの欠部21cが左右の押え板部35,36の対向する縁部等に引っかかって損傷することが、確実に防止される。
【0243】
そして、車両の運行の終了等により、7日用記録紙21に対する走行情報の記録が終わったならば、開閉錠13dの鍵孔13gに挿入したキー13Aにより、シリンダ13fを通常位置から開閉位置に回転させる。
【0244】
すると、ホルダ31が記録箇所から下動して、前記不図示の記録機構の記録針に接触している記録紙21aが記録針から離間し、その後、開閉蓋14が開くと共に、カートリッジ17の装填されたホルダ31が記録箇所から装脱箇所に移送される。
そこで、装脱箇所において停止したホルダ31からカートリッジ17を完全に引き抜いて取り出す。
【0245】
この装脱箇所のホルダ31からカートリッジ17を引き抜く際、7日用記録紙21の記録紙21aのうち、カッタ18cよりも回転テーブル19の回転方向におけるすぐ上流側の記録紙21a部分が通過に臨む、右側の押え板部36の逃げ板36cは、押え板部35に近づくにつれて、次第に底板部32から離間するように傾斜するように形成されていることから、ホルダ31に装填された状態のカートリッジ17におけるカッタ本体18eと略平行して延在することとなる。
【0246】
また、同じく、装脱箇所のホルダ31からカートリッジ17を引き抜く際、7日用記録紙21の記録紙21aのうち、カッタ18cよりも回転テーブル19の回転方向におけるすぐ上流側の記録紙21a部分が通過する箇所に配置された、右側の押え板部36の外縁板36dは、底板部32からの高さが逃げ板36cのうち最も押え板部35側の逃げ板36c部分と同じ寸法で形成されている。
【0247】
従って、台紙21eにつなぐテープ21jがカッタ本体18eにより切断され、欠部21cの縁部がストッパ片18fに当接して、他の記録済でない記録紙21aとは独立して回転が停止したまま、欠部21cよりも回転テーブル19の回転方向における上流側の記録紙21a部分がカッタ本体18eの上側に乗り上げた記録紙21a部分が、装脱箇所のホルダ31からカートリッジ17を引き抜く際に、押え板部36に接触することがなく、これにより、カートリッジ17の抜き取り等の際に記録済の記録紙21aが右側の押え板部36に引っかかって損傷することが、確実に防止される。
【0248】
そして、装脱箇所のホルダ31からカートリッジ17を完全に引き抜いて取り出したならば、開閉錠13dの鍵孔13gに挿入したキー13Aにより、シリンダ13fを通常位置から開閉位置に回転させる。
すると、開閉蓋14が閉じると共に、空のホルダ31が装脱箇所から記録箇所に移送される。
【0249】
尚、装脱箇所から記録箇所にホルダ31を移送する際、ホルダ31からの保持力が働く位置よりも手前のほんの僅かな量であっても、カートリッジ17がホルダ31に対して挿入されていると、開閉錠13dの鍵孔13gに挿入したキー13Aによりシリンダ13fを通常位置から開閉位置に回転させても、ホルダ31の記録箇所への移送は行われない。
【0250】
従って、カートリッジ17をホルダ31に完全に装填させるだけでなく、それよりもさらにカートリッジ17をホルダ31に押し込む以外に、空以外の状態のホルダ31を装脱箇所から記録箇所に移送させる方法はない。
【0251】
また、本実施形態の運行記録計では、ホルダ31が装脱箇所にある状態で時刻合わせボタン13cを押圧操作すると、ホルダ31にカートリッジ17が挿入されているか否かに関係なく、時刻合わせボタン13cが押圧操作されている間、時計13aの時刻が進められ、空のホルダ31が記録箇所にある状態で時刻合わせボタン13cを押圧操作しても、同様に、時刻合わせボタン13cが押圧操作されている間、時計13aの時刻が進められる。
【0252】
一方、カートリッジ17の装填されたホルダ31が記録箇所にある状態で時刻合わせボタン13cを押圧操作すると、車両が走行している状態ではその押圧操作は無視されて、時計13aの時刻は進められない。
【0253】
これに対し、カートリッジ17の装填されたホルダ31が記録箇所にあり、且つ、車両が停止している状態で、時刻合わせボタン13cを押圧操作すると、ホルダ31が記録箇所から装脱箇所に強制的に移送され、装脱箇所にホルダ31が達すると、その後の時刻合わせボタン13cを押圧操作が有効とされて、その押圧操作が行われている間、時計13aの時刻が進められる。
【0254】
尚、装脱箇所から記録箇所へのホルダ31の移送の際、ホルダ31が途中で引っかかる等して、モータ70を正転させてからの経過時間t1が、ホルダ31が記録箇所に達するよりも前に、所定の所要時間Tを上回るか、或は、モータ70が過負荷状態になると、モータ70が一旦停止される。
【0255】
そして、今度はモータ70が反転、即ち、逆転して、装脱箇所に向けてホルダ31が移送され、モータ70を逆転させてからの経過時間t3が、ホルダ31が装脱箇所に達するよりも前に、前記所要時間Tを上回るか、或は、モータ70が過負荷状態になると、モータ70が一旦停止されて、モータ70が再び反転、即ち、正転する。
【0256】
このようなモータ70の反転動作を合計4回繰り返し、最初の正転を含めて3回目にモータ70を正転させてもなお、モータ70を正転させてからの経過時間t1が、ホルダ31が記録箇所に達するよりも前に、所要時間Tを上回るか、或は、モータ70が過負荷状態になると、モータ70が停止され、パイロットランプ13xが点灯されて、異常であることが報知される。
【0257】
反対に、記録箇所から装脱箇所へのホルダ31の移送の際、ホルダ31が途中で引っかかる等して、モータ70を逆転させてからの経過時間t3が、ホルダ31が装脱箇所に達するよりも前に、所要時間Tを上回るか、或は、モータ70が過負荷状態になると、モータ70が一旦停止される。
【0258】
そして、今度はモータ70が反転、即ち、正転して、記録箇所に向けてホルダ31が移送され、モータ70を正転させてからの経過時間t1が、ホルダ31が記録箇所に達するよりも前に、所要時間Tを上回るか、或は、モータ70が過負荷状態になると、モータ70が一旦停止されて、モータ70が再び反転、即ち、逆転する。
【0259】
このようなモータ70の反転動作を合計4回繰り返し、最初の逆転を含めて3回目にモータ70を逆転させてもなお、モータ70を逆転させてからの経過時間t3が、ホルダ31が装脱箇所に達するよりも前に、所要時間Tを上回るか、或は、モータ70が過負荷状態になると、モータ70が停止され、パイロットランプ13xが点灯されて、異常であることが報知される。
【0260】
尚、この記録箇所から装脱箇所へのホルダ31の移送の際における異常に対応したモータ70の反転動作は、カートリッジ17の装填されたホルダ31が記録箇所にある状態における時刻合わせボタン13cの押圧操作に伴う、記録箇所から装脱箇所へのホルダ31の強制的な移送の際にも行われる。
【0261】
また、上述したように、装脱箇所と記録箇所との間における移送中の異常により、パイロットランプ13xが点灯された状態で、キー13Aによりシリンダ13fを通常位置から開閉位置に回転させると、モータ70が逆転して、ホルダ31が装脱箇所に向けて移送される。
【0262】
そして、ここで再びホルダ31が途中で引っかかる等して、モータ70を逆転させてからの経過時間t3が、ホルダ31が装脱箇所に達するよりも前に、所要時間Tを上回るか、或は、モータ70が過負荷状態になると、モータ70が一旦停止されて、上述したモータ70の反転動作が最大4回行われる。
【0263】
それでもなお、モータ70を逆転させてからの経過時間t3が、ホルダ31が装脱箇所に達するよりも前に、所要時間Tを上回るか、或は、モータ70が過負荷状態になると、モータ70が停止され、パイロットランプ13xが点灯されて、異常であることが再度報知される。
【0264】
以上の説明からも明らかなように、本実施家板の運行記録計では、カートリッジ17と、このカートリッジ17が装填されたホルダ31とで、請求項中の保持体Aが構成されている。
【0265】
このように本実施形態の運行記録計によれば、カートリッジ17が装填されたホルダ31を本体1内の記録箇所に位置させた状態で、本体1のモータ82によりカートリッジ17の回転テーブル19を回転させつつ、回転テーブル19に取り付けた7日用記録紙21の記録紙21aの現在時刻に対応する記録紙21a箇所に、不図示の記録機構により車両の走行情報を記録させる運行記録計において、前記モータ82により駆動される本体1の前面パネル11の時計13aが表示する、走行情報が現在記録されている記録紙21a箇所に対応する現在時刻を、時刻合わせボタン13cの押圧によるフラムスイッチ10bの操作によって修正するに当たり、ホルダ31が装脱箇所にある場合には、カートリッジ17がホルダ31に装填されているか否かに関係なく、フラムスイッチ10bの操作に応じた時計13aの現在時刻の修正を許容する構成とした。
【0266】
同じく、本実施形態の運行記録計によれば、ホルダ31が記録箇所にある場合には、カートリッジ17がホルダ31に装填されているか否かに関係なく、フラムスイッチ10bの操作に応じた時計13aの現在時刻の修正を禁止する構成とした。
【0267】
このため、7日用記録紙21を回転テーブル19に取り付けたカートリッジ17がホルダ31に装填されていて、車両の走行情報の記録が行われている可能性がある、ホルダ31が記録箇所にある状態では、フラムスイッチ10bの操作に応じた時計13aの現在時刻の修正が行われず、この現在時刻を修正するためのモータ82の回転が発生しないので、仮に、7日用記録紙21を回転テーブル19に取り付けたカートリッジ17がホルダ31に装填されていて、記録機構の不図示の記録針がカートリッジ17の記録紙21aに触れていても、回転テーブル19がモータ82により本来の時間の経過に応じた速度よりも早回しで回転されることがない。
【0268】
換言すると、記録機構の不図示の記録針がカートリッジ17の記録紙21aに触れておらず、しかも、モータ82の回転が回転テーブル19に伝達されないので、車両の走行情報の記録が行わる可能性が全くない、ホルダ31が記録箇所にある状態に限って、時計13aの現在時刻の修正が許容されるので、仮に、7日用記録紙21を回転テーブル19に取り付けたカートリッジ17がホルダ31に装填されていても、この現在時刻を修正するためのモータ82の回転が発生した際に、これに伴って、回転テーブル19を介して記録紙21aが、記録針の接触したままの状態で本来の時間の経過に応じた速度よりも早回しで回転されることがない。
【0269】
従って、記録紙21aに実際の車両の走行状態とは異なる走行情報が記録されてしまうのを防止して、記録紙21aに記録される走行情報の改竄等を予防することができる。
【0270】
尚、本実施形態の運行記録計で採用した、カートリッジ17が装填されているホルダ31が記録箇所にある状態で、車両の停止中に時刻合わせボタン13cの押圧によりフラムスイッチ10bを操作するのに応じて、ホルダ31を記録箇所から装脱箇所に移送させるための構成は、省略した上で、単に、時刻合わせボタン13cの押圧によるフラムスイッチ10bの操作を受け付けず無視する構成に代えてもよい。
【0271】
しかし、本実施形態の運行記録計のようにこの構成を採用すれば、記録機構による記録紙21aへの走行情報の記録が行われている可能性のある状態から、例え、7日用記録紙21が装着されたカートリッジ17がホルダ31に装填されていても、7日用記録紙21の記録紙21aに記録機構の記録針が接触できず、且つ、モータ82の回転がカートリッジ17の回転テーブル19に伝わらない、モータ82の早回しによる時計13aの現在時刻の修正を行っても構わない状態を、その他の操作等を必要とせずに、且つ、確実に発生させることができるので、その後のフラムスイッチ10bの操作による時計13aの現在時刻の修正を簡単、且つ、迅速に行うことができ、有利である。
【0272】
また、本実施形態の運行記録計で採用した、カートリッジ17が装填されているホルダ31が記録箇所にある状態で、車両の走行中に時刻合わせボタン13cの押圧によりフラムスイッチ10bを操作すると、そのフラムスイッチ10bの操作が受け付けられずに無視されるようにするための構成は、上述した停止中の構成と同じく、フラムスイッチ10bの操作に応じてホルダ31を記録箇所から装脱箇所に移送させるための構成に代えてもよい。
【0273】
しかし、本実施形態の運行記録計のように、車両の走行中に時刻合わせボタン13cの押圧によるフラムスイッチ10bの操作を無視する構成を採用すれば、記録紙21aに記録される走行情報が走行中に途切れて不自然な内容で終わってしまうのを防止することができるので、有利である。
【0274】
さらに、本実施形態の運行記録計で採用した、カートリッジ17が装填されていない空のホルダ31が記録箇所にある状態で、車両の停止中に時刻合わせボタン13cの押圧によりフラムスイッチ10bを操作すると、ホルダ31を記録箇所に位置させたまま、時刻合わせボタン13cの押圧によるフラムスイッチ10bの操作を受け付けて、時計13aの現在時刻を修正させるための構成は、フラムスイッチ10bの操作に応じてホルダ31を記録箇所から装脱箇所に移送させるための構成に代えてもよい。
【0275】
この場合には、車両の停止中に時刻合わせボタン13cの押圧によりフラムスイッチ10bを操作すると、カートリッジ17がホルダ31に装填されているか否かに関係なく、ホルダ31が記録箇所から装脱箇所に移送されることとなり、これにより、記録紙21aに対する走行情報の記録が行えない状態であることを確認した上で、時計13aの現在時刻の修正を行わせることができるので、有利である。
【0276】
反対に、本実施形態の運行記録計のように、空のホルダ31が記録箇所にある場合には、車両の停止中であれば、フラムスイッチ10bの操作を受け付けて時計13aの現在時刻を修正させる構成を採用すれば、カートリッジ17がホルダ31に装填されていないから実際には記録紙21aへの走行情報の記録が行われるはずのない状態で、必要がないのにホルダ31を装脱箇所に移送してからフラムスイッチ10bの操作を受け付けるという、無駄な動作を行うことなく、時計13aの現在時刻をフラムスイッチ10bの操作に応じて直ちに修正することができるので、有利である。
【0277】
また、本実施形態の運行記録計では、ホルダ31が装脱箇所に位置していれば、車両の走行中であっても、フラムスイッチ10bの操作を受け付けて時計13aの現在時刻を修正できるように構成したが、車両の走行中には、ホルダ31が装脱箇所と記録箇所とのうちどちらに位置していても、また、カートリッジ17がホルダ31に装填されていても装填されていなくても、時刻合わせボタン13cの押圧によるフラムスイッチ10bの操作を無視する構成に代えてもよい。
【0278】
そして、そのように構成すれば、記録紙21aに対する走行情報の記録に改竄等の影響を絶対に及ぼさない状況でのみ、時計13aの現在時刻の修正が行えることとなり、従って、時計13aの現在時刻を修正したい場合に、ホルダ31の位置やカートリッジ17がホルダ31に装填されているか否かを全く考慮せずにフラムスイッチ10bを操作できるようになるので、有利である。
【0279】
さらに、本実施形態の運行記録計では、カートリッジ17が装填されたホルダ31が記録箇所にあると、そのカートリッジ17に7日用記録紙21が装着されている場合を優先して考慮した動作を行う構成としたが、例えば、反射形センサ等により、記録箇所のホルダ31に装填されたカートリッジ17の7日用記録紙21を検出して、カートリッジ17の装填されたホルダ31が記録箇所に位置していても、そのカートリッジ17に7日用記録紙21が装着されていなければ、ホルダ31にカートリッジ17が装填されていない場合と同じ動作を行うように構成してもよい。
【0280】
このように構成する場合には、記録箇所のホルダ31に装填されたカートリッジ17の7日用記録紙21を検出する、上述の反射形センサ等が、請求項中における記録紙検出手段Cに相当することとなる。
【0281】
また、本実施形態では、車両の走行中において、カートリッジ17を装填したホルダ31が記録箇所にある状態での時刻合わせボタン13cの押圧操作による、時計13aの時刻合わせのみを禁止する構成とした。
【0282】
しかし、これに限らず、時刻合わせボタン13cの押圧操作による時計13aの時刻合わせと、キー13Aを用いたシリンダ13fの通常位置から開閉位置への回転によるホルダ31の記録箇所と装脱箇所との間での移動とを、車両の走行中においてはいずれも禁止する構成としてもよい。
【0283】
そして、このように構成すれば、記録紙21aに記録される走行情報が途中で途切れたり、或は、途中から走行情報の記録が始まって、に実際の車両の走行状態とは異なる走行情報が記録紙21aに記録されてしまい、記録紙21aに記録される走行情報が改竄されてしまうことを、より一層確実に予防することができ、しかも、走行中におけるる時刻合わせボタン13cの押圧操作やキー13Aを用いたシリンダ13fの回転操作を一切無効として、安全上好ましくない走行中のこれらの操作を抑止することができるので、有利である。
【0284】
また、本実施形態では、7日用記録紙21に対する走行情報の記録を行う運行記録計を例にとって説明したが、本発明は、1日用記録紙に対する走行情報の記録を行う運行記録計にも同様に適用可能であることは言うまでもない。
【0285】
さらに、本実施形態では、カートリッジ17が装填されるホルダ31をモータ70の動力により自動で移送させる場合を例に取って説明したが、本発明は、カートリッジ17を装填したホルダ31の装脱箇所から記録箇所への移送、及び、記録箇所から装脱箇所へのホルダ31の移送を、手動やスプリング等の力を用いて行う運行記録計についても、同様に適用可能である。
【0286】
また、本実施形態では、7日用記録紙21が装着されるカートリッジ17がホルダ31に装脱可能に装填されるカートリッジ式の運行記録計について説明したが、本発明は、例えば、従来の技術の欄で説明した、本出願人が過去に提案した、回転テーブルを備えた、本体に対して取り外し不可のトレー部を本体に対して出し入れさせる、所謂、トレー式の運行記録計についても適用可能であるのは、勿論のことである。
【0287】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正方法によれば、車両に搭載される本体の外側の排出箇所と、該本体の内部の記録箇所との間で保持体を移送させ、前記記録箇所の前記保持体に装填された記録紙の現在時刻に対応する記録紙箇所に、前記車両の走行情報を記録すると共に、該走行情報が記録される前記記録紙箇所を前記現在時刻に応じて移動させるための記録用駆動源により、前記現在時刻を表示する時計を駆動させる運行記録計において、前記時計が表示する前記現在時刻をスイッチの操作に応じて修正するに当たり、前記保持体が前記記録箇所にある状態において、前記スイッチの操作に応じて、前記時計の現在時刻の修正に代えて保持体を前記排出箇所に移送するようにした。
【0288】
このため、保持体が記録箇所にある際にスイッチを操作すると、記録紙が装填されているか否かに関わらず、記録紙に対する走行情報の記録を行うことができない排出箇所に保持体が移送されるので、例え保持体に記録紙が装填されていてもスイッチ操作に応じて時計の現在時刻の修正を行っても構わない状態を、確実に発生させることができる。従って、保持体に装填された記録紙に対する車両の走行情報の記録が行われる記録箇所に前記保持体が位置していると、スイッチの操作に応じた時計の現在時刻の修正が禁止されるので、時計の現在時刻の修正のために記録用駆動源が動作して、記録箇所の保持体に装填された記録紙における走行情報の記録箇所が、実際の現在時刻の経過とは無関係に移動し、記録紙上に記録される走行情報が実際の車両の走行状態とは異なったものとなってしまうのを防止して、記録紙上に記録される走行情報の改竄等を予防することができる。
【0291】
さらに、請求項2に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正方法によれば、前記スイッチの操作に応じた前記保持体の前記記録箇所から前記排出箇所への移送を、該保持体に前記記録紙が装填されている状態に限って行うようにした。
【0292】
このため、保持体が記録箇所にあっても記録紙への走行情報の記録が実際には行われない、記録紙が保持体に装填されていない状態では、スイッチの操作に応じて保持体を排出箇所に移送する無駄な動作を行うことなく、時計の現在時刻を修正することができる。
【0293】
また、請求項3に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正方法によれば、前記スイッチの操作に応じた前記保持体の前記記録箇所から前記排出箇所への移送を、前記車両の停止中に限って行い、該車両の走行中における前記スイッチの操作を無効とするようにした。
【0294】
このため、車両の停車中には、保持体が記録箇所にあるか排出箇所にあるかに関係なく、しかも、保持体に記録紙が装填されているか否かに関係なく、スイッチを操作することで、時計の現在時刻が修正されるか、或は、それができる状態が発生し、反対に、車両の走行中には、保持体が記録箇所にある限り、スイッチを操作しても時計の現在時刻は修正されず、保持体が排出箇所にある状態に限って時計の現在時刻が修正されることとなるので、記録紙に記録される走行情報が走行中に途切れて不自然な内容で終わってしまうのを防止することができる。
【0295】
さらに、請求項4に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正装置によれば、車両に搭載される本体の外側の排出箇所と、該本体の内部の記録箇所との間で保持体を移送させ、前記記録箇所の前記保持体に装填された記録紙の現在時刻に対応する記録紙箇所に、前記車両の走行情報を記録すると共に、該走行情報が記録される前記記録紙箇所を前記現在時刻に応じて移動させるための記録用駆動源により、前記現在時刻を表示する時計を駆動させる運行記録計において、前記時計が表示する前記現在時刻を修正するための装置であって、前記現在時刻の修正を指示する際に操作されるスイッチと、前記排出箇所の前記保持体を検出する排出箇所検出手段と、前記スイッチの操作に応じた前記現在時刻の修正のための前記記録用駆動源の動作を許容する修正許容手段と、前記記録箇所の前記保持体を検出する記録箇所検出手段と、前記保持体を前記記録箇所から前記排出箇所に移送する保持体排出手段と、を備え、前記保持体排出手段は、前記記録箇所検出手段が前記記録箇所の前記保持体を検出している際の前記スイッチの操作に応じて、前記保持体を前記記録箇所から前記排出箇所に移送し、前記排出箇所の前記保持体を前記排出箇所検出手段が検出している際に限って、前記スイッチの操作に応じた前記現在時刻の修正のための前記記録用駆動源の動作を前記修正許容手段により許容する構成とした。
【0296】
このため、保持体が排出箇所にあり記録紙に対する走行情報の記録が行えない状態に限って、記録用駆動源がスイッチの操作に応じて時計の現在時刻を修正するために動作することとなり、よって、記録紙に対する走行情報の記録中に時計の現在時刻を修正するための記録用駆動源の動作が行われて、記録紙における走行情報の記録箇所が、実際の現在時刻の経過とは無関係に移動し、記録紙に実際の車両の走行状態とは異なる走行情報が記録されてしまうのを防止して、記録紙に記録される走行情報の改竄等を予防することができる。
【0297】
また、保持体が記録箇所にありその保持体に記録紙が装填されていれば、記録紙に対する走行情報の記録が行われる状態においては、スイッチの操作に応じて、記録用駆動源が時計の現在時刻を修正するために動作するのではなく、記録紙に対する走行情報の記録を行うことができない排出箇所への保持体の移送が行われるので、記録紙に実際の車両の走行状態とは異なる走行情報が記録されてしまうのを単に防止するだけでなく、スイッチの操作に応じて、記録用駆動源が時計の現在時刻を修正するために動作しても差し支えない状況を、他の特別な操作を必要とせずに発生させることができる。
【0299】
さらに、請求項5に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正装置によれば、前記車両の走行を検出する走行センサをさらに備え、前記保持体排出手段がさらに、前記走行センサが前記車両の走行を検出していない際に、前記保持体を前記スイッチの操作に応じて前記記録箇所から前記排出箇所に移送する構成とした。
【0300】
このため、車両の停車中には、保持体が記録箇所にあるか排出箇所にあるかに関係なく、しかも、保持体に記録紙が装填されているか否かに関係なく、スイッチを操作することで、時計の現在時刻が修正されるか、或は、それができる状態が発生し、反対に、車両の走行中には、保持体が記録箇所にある際に、スイッチを操作しても時計の現在時刻は修正されず、保持体が排出箇所にある際に時計の現在時刻が修正されることとなるので、記録紙に記録される走行情報が走行中に途切れて不自然な内容で終わってしまうのを防止することができる。
【0301】
また、請求項6に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正装置によれば、前記記録箇所の前記保持体に装填された前記記録紙を検出する記録紙検出手段をさらに備え、前記保持体排出手段がさらに、前記記録箇所の前記保持体に装填された前記記録紙を記録紙検出手段が検出している際に、前記保持体を前記スイッチの操作に応じて前記記録箇所から前記排出箇所に移送する構成とした。
【0302】
このため、保持体が記録箇所にある状態のうち、記録紙への走行情報の記録が実際に行われている、記録紙が保持体に装填されている際に、その記録紙に対する走行情報の記録が実際の走行情報とは異なってしまうことがないように、スイッチの操作に応じて保持体を排出箇所に移送するものとし、記録箇所の保持体が不必要に排出箇所に移送される無駄な動作をなくすことができる。
【0303】
さらに、請求項7に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正装置によれば、前記記録箇所の前記保持体に装填された前記記録紙を検出する記録紙検出手段をさらに備え、前記修正許容手段がさらに、前記記録箇所の前記保持体に装填された前記記録紙を記録紙検出手段が検出していない際に、前記スイッチの操作に応じた前記現在時刻の修正のための前記記録用駆動源の動作を許容する構成とした。
【0304】
このため、保持体が記録箇所にあっても記録紙への走行情報の記録が実際には行われない、記録紙が保持体に装填されていない状態では、保持体が排出箇所になくても、スイッチの操作に応じて時計の現在時刻を直ちに修正することができる。
【0305】
また、請求項8に記載した本発明の運行記録計における記録用時刻の修正装置によれば、前記修正許容手段が、前記車両の走行を検出する走行センサが該車両の走行を検出していない際に限って、前記スイッチの操作に応じた前記現在時刻の修正のための前記記録用駆動源の動作を許容する構成とした。
【0306】
このため、車両の停車中には、保持体が記録箇所にあるか排出箇所にあるかに関係なく、しかも、保持体に記録紙が装填されているか否かに関係なく、スイッチを操作することで、時計の現在時刻が修正されるか、或は、それができる状態が発生し、反対に、車両の走行中には、保持体が記録箇所にある限り、スイッチを操作しても時計の現在時刻は修正されず、保持体が排出箇所にある状態に限って時計の現在時刻が修正されることとなるので、記録紙に記録される走行情報が走行中に途切れて不自然な内容で終わってしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による運行記録計における記録用時刻の修正装置の基本構成図である。
【図2】本発明による記録用時刻の修正装置を採用した運行記録計の一実施形態を示す斜視図である。
【図3】図2に示す運行記録計の分解斜視図である。
【図4】図3に示す上ケースの要部拡大平面図である。
【図5】図3に示す上ケースの要部拡大背面図である。
【図6】図3に示す上ケースの目隠し孔の拡大平面図である。
【図7】図6に示す目隠し孔に嵌挿されるキャップの斜視図である。
【図8】図3に示す上ケースの要部拡大斜視図である。
【図9】図3に示す上ケースの要部拡大正面図である。
【図10】図9に示す支持レバーの拡大平面図である。
【図11】図3に示す前面パネルに設けられる開閉錠の分解斜視図である。
【図12】図3に示す開閉蓋が開いた状態を示す本体の斜視図である。
【図13】図3に示す開閉蓋が閉じた状態を示す本体の斜視図である。
【図14】図3に示す放熱板が取り付けられた下ケースの要部平面図である。
【図15】図2に示すカートリッジの平面図である。
【図16】図2に示すカートリッジに収容される7日用記録紙の斜視図である。
【図17】図2に示すカートリッジの正面図である。
【図18】図2に示すカートリッジの右側面図である。
【図19】図2に示すカートリッジの左側面図である。
【図20】図2に示すカートリッジの底面図である。
【図21】図20に示す係止突起の拡大断面図である。
【図22】図2の本体の内部構造を示す分解斜視図である。
【図23】図22に示すホルダの拡大斜視図である。
【図24】図23に示す底板部の要部拡大斜視図である。
【図25】図23のA−A線断面図である。
【図26】図23のB−B線断面図である。
【図27】図22に示す内フレームの拡大斜視図である。
【図28】図22に示す外フレームの拡大斜視図である。
【図29】図22に示す移送機構の右側面図である。
【図30】図22に示す移送機構の右側面図である。
【図31】図22に示す移送機構の右側面図である。
【図32】図10に示すピンがホルダの側板部の外側に押し出された状態における支持レバーの拡大平面図である。
【図33】図11の開閉錠のシリンダが通常位置にある状態における図9のフラムスイッチと図11の作動レバーとの位置関係を示す説明図である。
【図34】図11の開閉錠のシリンダが開閉位置にある状態における図9のフラムスイッチと図11の作動レバーとの位置関係を示す説明図である。
【図35】放熱板の取付状態を示す上ケースの要部拡大断面図である。
【図36】図22に示す移送機構の左側面図である。
【図37】図22に示す移送機構の左側面図である。
【図38】図22に示す移送機構の左側面図である。
【図39】図22に示すホルダが空の時の移送中の位置と図3に示す前面パネルに対する開閉蓋の開閉状態との関係を示す説明図である。
【図40】図22に示すホルダが空の時の移送中の位置と図3に示す前面パネルに対する開閉蓋の開閉状態との関係を示す説明図である。
【図41】図22に示すホルダが空の時の移送中の位置と図3に示す前面パネルに対する開閉蓋の開閉状態との関係を示す説明図である。
【図42】図22に示すホルダにカートリッジが装填されている時の移送中の位置と図3に示す前面パネルに対する開閉蓋の開閉状態との関係を示す説明図である。
【図43】図2の本体の内部の電気的構成を示すブロック図である。
【図44】図43に示すマイコンのROMに格納された制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すフローチャートである。
【図45】図43に示すマイコンのROMに格納された制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すフローチャートである。
【図46】図43に示すマイコンのROMに格納された制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すフローチャートである。
【図47】図43に示すマイコンのROMに格納された制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 本体
10b スイッチ
21 記録紙
51 排出箇所検出手段
70 モータ
71 記録箇所検出手段
81 マイクロコンピュータ
81a CPU
81b RAM
81c ROM
81A 修正許容手段
A 保持体
B 保持体排出手段
C 記録紙検出手段
Claims (8)
- 車両に搭載される本体の外側の排出箇所と、該本体の内部の記録箇所との間で保持体を移送させ、前記記録箇所の前記保持体に装填された記録紙の現在時刻に対応する記録紙箇所に、前記車両の走行情報を記録すると共に、該走行情報が記録される前記記録紙箇所を前記現在時刻に応じて移動させるための記録用駆動源により、前記現在時刻を表示する時計を駆動させる運行記録計において、前記時計が表示する前記現在時刻をスイッチの操作に応じて修正するに当たり、
前記保持体が前記記録箇所にある状態において、前記スイッチの操作に応じて、前記時計の現在時刻の修正に代えて保持体を前記排出箇所に移送するようにし、
前記時計が表示する前記現在時刻の、前記スイッチの操作に応じた修正を、少なくとも、前記記録紙が装填された前記保持体が前記記録箇所にある状態において禁止するようにした、
ことを特徴とする運行記録計における記録用時刻の修正方法。 - 前記スイッチの操作に応じた前記保持体の前記記録箇所から前記排出箇所への移送を、該保持体に前記記録紙が装填されている状態に限って行うようにした請求項1記載の運行記録計における記録用時刻の修正方法。
- 前記スイッチの操作に応じた前記保持体の前記記録箇所から前記排出箇所への移送を、前記車両の停止中に限って行い、該車両の走行中における前記スイッチの操作を無効とするようにした請求項2記載の運行記録計における記録用時刻の修正方法。
- 車両に搭載される本体の外側の排出箇所と、該本体の内部の記録箇所との間で保持体を移送させ、前記記録箇所の前記保持体に装填された記録紙の現在時刻に対応する記録紙箇所に、前記車両の走行情報を記録すると共に、該走行情報が記録される前記記録紙箇所を前記現在時刻に応じて移動させるための記録用駆動源により、前記現在時刻を表示する時計を駆動させる運行記録計において、前記時計が表示する前記現在時刻を修正するための装置であって、
前記現在時刻の修正を指示する際に操作されるスイッチと、
前記排出箇所の前記保持体を検出する排出箇所検出手段と、
前記スイッチの操作に応じた前記現在時刻の修正のための前記記録用駆動源の動作を許容する修正許容手段と、
前記記録箇所の前記保持体を検出する記録箇所検出手段と、
前記保持体を前記記録箇所から前記排出箇所に移送する保持体排出手段と、を備え、
前記保持体排出手段は、前記記録箇所検出手段が前記記録箇所の前記保持体を検出している際の前記スイッチの操作に応じて、前記保持体を前記記録箇所から前記排出箇所に移送し、
前記排出箇所の前記保持体を前記排出箇所検出手段が検出している際に限って、前記スイッチの操作に応じた前記現在時刻の修正のための前記記録用駆動源の動作を前記修正許容手段により許容するようにした、
ことを特徴とする運行記録計における記録用時刻の修正装置。 - 前記保持体排出手段はさらに、前記車両の走行を検出する走行センサが該車両の走行を検出していない際に、前記保持体を前記スイッチの操作に応じて前記記録箇所から前記排出箇所に移送する請求項4記載の運行記録計における記録用時刻の修正装置。
- 前記記録箇所の前記保持体に装填された前記記録紙を検出する記録紙検出手段をさらに備え、前記保持体排出手段はさらに、前記記録箇所の前記保持体に装填された前記記録紙を記録紙検出手段が検出している際に、前記保持体を前記スイッチの操作に応じて前記記録箇所から前記排出箇所に移送する請求項4又は5記載の運行記録計における記録用時刻の修正装置。
- 前記記録箇所の前記保持体に装填された前記記録紙を検出する記録紙検出手段をさらに備え、前記修正許容手段はさらに、前記記録箇所の前記保持体に装填さ れた前記記録紙を記録紙検出手段が検出していない際に、前記スイッチの操作に応じた前記現在時刻の修正のための前記記録用駆動源の動作を許容する請求項6記載の運行記録計における記録用時刻の修正装置。
- 前記車両の走行を検出する走行センサをさらに備え、前記修正許容手段はさらに、前記走行センサが前記車両の走行を検出していない際に、前記スイッチの操作に応じた前記現在時刻の修正のための前記記録用駆動源の動作を許容する請求項7記載の運行記録計における記録用時刻の修正装置。
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