JP3550073B2 - 電磁クラッチの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁クラッチの制御装置に関するものであり、特に、車両用電磁クラッチの締結・解放制御に適用して好適な制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
締結・解放を制御可能な電磁クラッチは、エンジンや電動モータ等の原動機と自動変速機や無段変速機等の変速機との間に代表される伝動系に挿入して当該伝動系を断接するのに用いることができる。
【0003】
例えば、エンジン走行と該エンジン以外の動力源の電動モータによる走行との適切な切り換え走行を可能にし、或いはまたエンジン駆動力不足時にこれをモータの駆動力で補いうるようにするなどの特徴を有するハイブリッドシステム搭載のハイブリッド車の車両用電磁クラッチとしてその伝動系に適用することができ、電磁力(電流値)によるクラッチの締結・解放、更には締結容量制御などを行うことができる。
【0004】
ハイブリッド車の場合、エンジン(内燃機関走行)とモータ(電動モータ走行)との使い分け、或いは該エンジンおよびモータの併用(内燃機関+モータ走行)といった組合せ(例えば、後記図2参照)は、エンジンとモータによるハイブリッドシステムではない場合の従前の車両システム(エンジン動力だけによるもの、或いはモータ動力だけによるもの)に比し、燃費や排ガス特性、運転効率などといったの様々な面で効果的に、しかも多様な運転・走行状況にきめ細かく、適応可能なモードを実現し得る等の、従前のものにはみられない優れた有利性をもたらす。
この場合、車両用電磁クラッチに対する制御については、そのようなメリットをできるだけ活かせるようにと、そして最適化を図ろうと、コンピュータ制御のもと、制御されることとなるのが常套である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
こうした電磁クラッチの制御において、そのクラッチ締結・解放の制御を、電磁クラッチ制御用のコントローラの制御下だけで実行させると、本発明者の考察に基づけば、誤ったクラッチ締結を回避するのに十分には応え切れないような場合、特に誤作動を未然に防いで信頼性の確保を図る上ではなお十分ではない場合等も考えられることから、そのような点からは、改良、改善を加えることのできる余地がある。
【0006】
例えば、図7は、後記する本発明実施例でも参照される比較例の図で、ここに、電磁クラッチ(電磁パウダクラッチ)は、該電磁クラッチのコイル通電用のトランジスタによって通電(クラッチ締結(ON))、非電通(クラッチ解放(OFF))が制御されるものとすることができる。
該トランジスタを制御対象とするON/OFF切換えは、電磁クラッチ制御用のマイクロコンピュータ使用のクラッチコントローラ出力をもって実行され、もっぱら、コントローラ内部(クラッチCPU)の演算結果に基づくクラッチコントローラ制御(制御指令)にのみに依存して電磁クラッチの締結・解放がなされることとなる。
【0007】
しかして、ここに、例えば、電磁クラッチコントローラの誤作動は、直接、電磁クラッチの締結・解放に影響をもたらすこととなって、該コントローラの誤作動による締結指令(コイル通電用トランジスタをONさせる信号)があると、これは、クラッチの誤締結を生じさせることとなる。
もとより、そうした本来のものと異なる誤作動の可能性は、例えば駐停車(Pレンジ、Nレンジ)等で回避すべき必要性があることはいうまでもないところ、特に、ハイブリッド車で適用する車両用電磁クラッチの場合、前進走行時(Dレンジ)、クラッチの締結/解放が適切に行われずに、本来、クラッチ締結をなすべき時期でないのにクラッチが誤締結すると、そのハイブリッドシステムによる実効性は減殺され、結果、既述しようなハイブリッドシステムの特徴、有利性、メリットを十分に引出し発揮させることができなくなる原因ともなる。
【0008】
また、ハイブリッド車における電磁クラッチコントローラでは、搭載したハイブリッドシステムの統括制御用のハイブリッドシステムコントローラとの間で情報伝達(例えば、CAN通信)を行うよう、コントローラ間に車載ネットワークを構築する構成とすることができる。
【0009】
こうした場合において、かかる情報伝達手段(通信手段)による情報伝達が適切に行われずに、当該コントローラ間の情報伝達(データ通信)の正常性が損なわれるか乃至は妨げられるような遮断(情報伝達(通信)の不調、情報伝達(通信)途絶等を含み、伝達情報(通信データ)の一部(または全部)の伝送不能、欠落、或いは誤伝送等の正常でない状態を含む)が生ずると、結果、これも、上記のような要因となりうる。
ゆえに、本来ならクラッチ締結をなすべき時期でないのにクラッチを誤って締結させ、或いはまた、本来ならクラッチを解放すべき時期なのにクラッチが解放されなかったりして、結果、クラッチの締結・解放が適切に行われないと、同様に、ハイブリッドシステムによる実効性は減殺され、そのシステムの特徴、有利性、メリットを十分に引出し発揮させることができないか、或いは発揮させにくくする。
【0010】
望ましいのは、締結・解放を制御可能な電磁クラッチの当該制御をする場合において、上述のような不利等を改善し得、電磁クラッチの誤締結を回避し得て、信頼性の向上を図ることができることであり、望ましいのはまた、ハイブリッド車での車両用電磁クラッチの当該制御をするのに適用して好適で、そのクラッチの締結/解放を適切に行い得て、ハイブリッドシステムによる実効性等を確保しつつ、上記のことを実現することができることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、したがって、締結・解放を制御可能な電磁クラッチの当該制御をする装置であって、
電磁クラッチのコイルの通電・非通電を切換え可能な制御素子の切換え制御に関し、第1のコントローラ本体の出力信号と、第2のコントローラの出力信号の両者が締結指令になったとき該制御素子が該コイルへの通電を可能とする状態に切換わるように、制御回路を構成してなる
ことを特徴とする電磁クラッチの制御装置を提供しようというものである(請求項1)。
【0012】
本発明また、前記第1のコントローラと第2のコントローラとの間に情報伝達系路を有すると共に、前記第2のコントローラと前記制御素子とを接続する制御信号線を前記第1のコントローラに接続し、該第1のコントローラは該情報伝達系路が通じている第1の状態のときは該情報伝達経路を通じて得た情報に応じて前記制御素子に信号を出力し、遮断されている第2の状態のときは前記制御信号線に前記第1のコントローラから出力されるON/OFF信号に応じて前記制御素子に信号を出力して、該電磁クラッチの締結・開放を行うように、構成してなる
ことを特徴とする電磁クラッチの制御装置を提供しようというものである(請求項2)。
【0013】
本発明好適例によれば、請求項1による第1の態様に従う場合において、
前記クラッチ、および制御素子のそれぞれが、
ハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車に適用した車両用電磁クラッチ、および該電磁クラッチのコイル通電用のトランジスタであり、かつ、
前記第1のコントローラ、および第2のコントローラのそれぞれが、
該電磁クラッチ制御用のクラッチコントローラ、および該ハイブリッドシステムの統括制御用のハイブリッドシステムコントローラであって、
前記制御回路は、
該電磁クラッチのコイル通電用のトランジスタを含む電磁クラッチコイル駆動回路に、該クラッチコントローラ本体の出力信号と、該ハイブリッドシステムコントローラから該制御回路に接続される制御信号線の出力信号の両者がクラッチ締結の締結指令になったときのみ当該トランジスタがONとなるように構成した電子回路である、ことを特徴とする電磁クラッチの制御装置が提供される(請求項3)。
【0014】
また、請求項2による第2の態様に従う場合において、
前記クラッチが、ハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車に適用した車両用電磁クラッチであり、
前記第1のコントローラ、および第2のコントローラのそれぞれが、
該電磁クラッチ制御用のクラッチコントローラ、および該ハイブリッドシステムの統括制御用のハイブリッドシステムコントローラであり、かつ、
前記制御信号線が、該ハイブリッドシステムコントローラからの制御信号線であって、
該クラッチコントローラは前記第1の状態のときは前記情報伝達系路を通じて得た情報に応じて前記制御素子に信号を出力し、前記第2の状態のときは当該制御信号線に前記ハイブリッドシステムコントローラから出力されるON/OFF信号に応じて前記制御素子に信号を出力して、該電磁クラッチの締結・解放を行う、
ことを特徴とする電磁クラッチの制御装置が提供される(請求項4)。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、締結・解放を制御可能な電磁クラッチの当該制御をする場合、電磁クラッチの誤締結を回避し得て、信頼性の向上を図ることのできる電磁クラッチの制御を達成することができる。
【0016】
請求項1の電磁クラッチの制御装置では、これを、電磁クラッチのコイルの通電・非通電を切換え可能な制御素子の切換え制御に関し、第1のコントローラ本体の出力信号と、第2のコントローラの出力信号の両者が締結指令になったとき該制御素子が該コイルへの通電を可能とする状態に切換わるように、制御回路を構成することで、実現することを可能ならしめる。
【0017】
請求項2の電磁クラッチの制御装置では、請求項1に従う第1の態様による電磁クラッチの制御装置とは異なる手段ながらも、
前記第1のコントローラと第2のコントローラとの間に情報伝達系路を有すると共に、前記第2のコントローラと前記制御素子とを接続する制御信号線を前記第1のコントローラに接続し、該第1のコントローラは該情報伝達系路が通じている第1の状態のときは該情報伝達経路を通じて得た情報に応じて前記制御素子に信号を出力し、遮断されている第2の状態のときは前記制御信号線に前記第1のコントローラから出力されるON/OFF信号に応じて前記制御素子に信号を出力して、該電磁クラッチの締結・開放を行うように、構成することで、同様にして、上記のことを実現することを可能ならしめる。
なおここにおいていう「遮断」は、情報伝達(データ通信)の正常性が損なわれるか乃至は妨げられるような状態を指し、情報伝達(通信)の不調、情報伝達(通信)途絶等を含み、伝達情報(通信データ)の一部(または全部)の伝送不能、欠落或いは誤伝送(エラー)等の正常でない状態を含むことができる。
【0018】
また、本発明の好適例によると、請求項3記載のごとくに、前記クラッチ、および制御素子のそれぞれは、これらを、ハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車に適用した車両用電磁クラッチ、および該電磁クラッチのコイル通電用のトランジスタとし、また、前記第1のコントローラ、および第2のコントローラのそれぞれは、これらを、該電磁クラッチ制御用のクラッチコントローラ、および該ハイブリッドシステムの統括制御用のハイブリッドシステムコントローラとすると共に、前記制御回路は、これを、該電磁クラッチのコイル通電用のトランジスタを含む電磁クラッチコイル駆動回路に、該クラッチコントローラ本体の出力信号と、該ハイブリッドシステムコントローラから該制御回路に接続される制御信号線の出力信号の両者がクラッチ締結の締結指令になったときのみ当該トランジスタがONとなるように構成した電子回路によるものとして、本発明は好適に実施でき、同様にして、上記のことを実現することを可能ならしめる。
この場合は、更に、クラッチコントローラ内部の演算結果にかかわらず、該システムコントローラの締結禁止時にはクラッチが締結(誤締結)しなくなるため、冗長系となり信頼性が向上する。
ここに、ハイブリッド車に適用するにあたり、上記比較例のごとくクラッチコントローラ出力にもっぱら依存して電磁クラッチの締結・解放をなすものに比し、ハイブリッド車での車両用電磁クラッチの締結・解放の制御をするのに適用して好適なものを提供でき、よって、たとえハイブリッド車でのDレンジによる前進走行時においてクラッチコントローラの誤作動があっても、それによる誤締結を未然に回避し得、該クラッチの制御を適切に行い得て、ハイブリッドシステムによる実効性、特徴、有利性等の確保することを可能ならしめる。
【0019】
また、請求項4記載のごとくに、前記クラッチは、これを、ハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車に適用した車両用電磁クラッチとし、前記第1のコントローラ、および第2のコントローラのそれぞれは、これらを、該電磁クラッチ制御用のクラッチコントローラ、および該ハイブリッドシステムの統括制御用のハイブリッドシステムコントローラとし、前記制御信号線は、これを、該ハイブリッドシステムコントローラからの制御信号線とすると共に、該クラッチコントローラが、前記第1の状態のときは前記情報伝達系路を通じて得た情報に応じて前記制御素子に信号を出力し、前記第2の状態のときは当該制御信号線に前記ハイブリッドシステムコントローラから出力されるON/OFF信号に応じて前記制御素子に信号を出力して、該電磁クラッチの締結・解放を行うよう構成して、本発明は同様にハイブリッド車に好適に適用実施できる。
したがって、かかる手段によってもまた、同じようにして、上記のことを実現することが可能で、比較例のごとくクラッチコントローラ出力にもっぱら依存して電磁クラッチの締結・解放をなすものに比し、ハイブリッド車での車両用電磁クラッチの締結・解放の制御をするのに適用して好適なものを提供でき、たとえ、もし比較例によったとしたならDレンジ前進走行時においてクラッチ誤締結の要因となったであろう、システムコントローラ−クラッチコントローラ間の情報伝達の不調、途絶等が仮にあったとしても、確実に、該システムコントローラからの制御信号線のON/OFFに応じたクラッチの締結・解放を確保でき、もって、誤締結も未然に回避し得、該クラッチの制御を適切に行い得て、ハイブリッドシステムによる実効性、特徴、有利性等の確保することを可能ならしめる。
【0020】
ここに、情報伝達系路については、これを、クラッチコントローラとシステムコントローラ相互間を、例えばCAN等の通信線で制御情報を通信可能に結ぶ通信手段とし、当該クラッチコントローラは、前記第1の状態のときは当該ハイブリッドシステムコントローラから当該通信手段で得られる情報に基づき前記電磁クラッチのON/OFFを決定すると共に、前記第2の状態の場合は前記制御信号線からのクラッチ締結許可信号/禁止信号に基づいて前記電磁クラッチのON/OFFを決定するよう構成して、好適に実施でき、同様にして、上記のことを実現することを可能とする。
【0021】
また、本発明に従う第1の態様と、第2の態様とは、異なる解決手段ではあるものの、望むときは、両者の組合せ、併用の態様で実施することを妨げず、その場合は、より効果的に電磁クラッチの制御装置を実現することを可能とするのに加えて、その制御信号線を共用する態様で実施することが可能となる。
もっとも、かかる第1の態様と、第2の態様とは、それぞれ、単独で実施することを妨げるものではない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施の形態になる電磁クラッチの制御装置を具えたハイブリッド車の駆動系およびその制御システムを示し、1はエンジン、2は無段変速機、3は左右駆動輪である。
エンジン1は通常の内燃機関とし、無段変速機2はプライマリプーリ4、セカンダリプーリ5およびこれらプーリ間に掛け渡したVベルト6を主たる構成要素とする通常のVベルト式無段変速機とする。
【0023】
プライマリプーリ4およびセカンダリプーリ5はそれぞれ、一方のプーリ溝幅を増減制御するとき他方のプーリ溝幅を逆に減増制御し得るようにし、これによりプライマリプーリ4およびセカンダリプーリ5に対するVベルト6の巻き掛け円弧径が連続的に変化されて変速機2を無段変速可能とする。
無段変速機2のセカンダリプーリ5は、図示せざるディファレンシャルギヤ装置などを介して左右駆動輪3に駆動結合し、プライマリプーリ4はトルクコンバータに代わる電磁クラッチ7を介してエンジン1のクランクシャフト1aに駆動結合可能にすると共に、エンジン1に対して並列的な関係にある車両駆動用兼回生ブレーキ用モータ8に駆動結合する。
なお当該車両駆動用兼回生ブレーキ用モータ8は、一般的な無段変速機2において前後進切り換え機構が設置されていたスペース内に前後進切り換え機構に代えて配置することで一般的な無段変速機2をそのまま流用可能とする。
【0024】
エンジン1は点火時期や燃料供給量などをエンジン制御ユニット11により総合的に制御され、無段変速機2は変速比やライン圧を変速機制御ユニット12により総合的に制御され、電磁クラッチ7は供給電流i(締結、解放、締結容量)をクラッチ制御ユニット13により総合的に制御される。
エンジン1は更に、エンジン始動用兼発電用モータ9を具え、このモータ9により始動されると共に、エンジン運転中はこれからの動力によりモータ9が駆動されて発電を行い、バッテリ14への充電を行うものとする。
なおバッテリ14への充電は、モータ8が回生ブレーキとして作用する間において、これからのエネルギー分をも充電されるものとする。
【0025】
ここで車両駆動用兼回生ブレーキ用モータ8およびエンジン始動用兼発電用モータ9は、モータ制御ユニット15によりインバータ16を介して駆動制御し、これからの制御指令に応じバッテリ14からの電力で駆動されるものとする。
なおバッテリ14はバッテリ制御ユニット17により制御するものとする。
【0026】
エンジン制御ユニット11、変速機制御ユニット12、クラッチ制御ユニット13、モータ制御ユニット15、およびバッテリ制御ユニット17は、ハイブリッド制御ユニット18により統合制御する。
例えばハイブリッド制御ユニット18はエンジン制御ユニット11に、エンジン1から出力させるべきトルクを指令し、これに呼応してエンジン制御ユニット11は指令を達成すべくエンジン1を制御し、
ハイブリッド制御ユニット18は変速機制御ユニット12に目標変速比を指令し、これに呼応して変速機制御ユニット12は指令を達成すべくプーリ4,5の溝幅を制御し、
ハイブリッド制御ユニット18はクラッチ制御ユニット13に電磁クラッチ7の締結・解放を、更には目標締結容量を指令し、これに呼応してクラッチ制御ユニット13は指令が達成されるよう電磁クラッチ7への通電量iを制御し、
ハイブリッド制御ユニット18はモータ制御ユニット15に、モータ8,9が出力すべきトルクを指令し、これに呼応してモータ制御ユニット15は指令を達成すべくインバータ12を制御する。
【0027】
なお本ハイブリッドシステムにおいては、例えば、上記制御ユニット11,12,13,15は統合制御用のハイブリッド制御ユニット18と既知のCAN(control area network)等の通信手段で結ばれるものとし、ここでは、情報伝達系路としてのCAN通信線20を有して制御ユニットのコントローラ間が所定の通信フォーマット、プロトコルに従うCANデータによるデータ通信を可能とされて、これにより上記のごとくにハイブリッド制御ユニット18での指令のもと制御が遂行されるものとする。
【0028】
ここで実際の走行に際しての制御を概略説明するに、停車中(Pレンジ、Nレンジ)はハイブリッド制御ユニット18がエンジン1を停止させるようエンジン制御ユニット11に指令し、また電磁クラッチ7を解放するようクラッチ制御ユニット13に指令し(通信線による解放指令)、モータ8,9を停止するようモータ制御ユニット15に指令する。
なおこの間ハイブリッド制御ユニット18は、図示せざる無段変速機2内の電動オイルポンプを駆動してこれからの作動油で無段変速機2を伝動可能状態にしている。
【0029】
ここに、上記停車中か否かについては、運転者によるレンジ選択操作に伴うレンジ信号(Pレンジ,Nレンジ,Dレンジ,Rレンジ信号)に基づいて判定することができ、例えば変速機制御ユニット12側からの通信線20を通じた受信通信データを利用すことができる(この点は、以下のレンジ選択に係わる場合に関しても同様であってよい)。
また、電磁クラッチ7の解放ついては、基本的には、クラッチ制御ユニット13側がCAN通信線20より解放指令を得た場合において、該指令に応じクラッチコントローラ内(CPU)の演算処理によって電磁クラッチ7のコイルを非通電とすべき出力(演算結果)を得て、これを実行することができる。
【0030】
かかる停車状態から運転者が前進走行レンジ(Dレンジ)を選択し、アクセルペダルの踏み込みにより発進操作を行うと、ハイブリッド制御ユニット18は先ずモータ8を発進用のトルクで正転駆動するようモータ制御ユニット15に指令する。
これによりモータ8のトルクが無段変速機2を経て左右駆動輪3に伝達され、車両を発進させることができる。
【0031】
ここに、かかる発進走行はモータ走行とすることから、ハイブリッド制御ユニット18は、この間クラッチ制御ユニット13に電磁クラッチ7を解放するよう指令をしている。したがって、これに基づきクラッチ制御ユニット13側では電磁クラッチ7を解放状態としており、したがってまた、発進後も、ここではいまだ電磁クラッチ7の締結はさせない。
【0032】
発進後に車速が上昇してモータ8のトルクでは駆動力不足になる時、ハイブリッド制御ユニット18はモータ9によりエンジン1を始動するようモータ制御ユニット15に指令し、その後、電磁クラッチ7を締結可能な条件がそろったところで、クラッチ制御ユニット13に電磁クラッチ7を締結するよう指令し(通信線による締結指令)、締結が完了した時にモータ8の駆動停止をモータ制御ユニット15に指令して、モータ走行からエンジン走行に切り換える。
電磁クラッチ7の締結ついても、基本的には、クラッチ制御ユニット13側がCAN通信線20より締結指令を得た場合に、該指令に応じクラッチコントローラ内(CPU)の演算処理によって電磁クラッチ7のコイルへの通電をすべきとの出力(演算結果)を得て、これを実行することができる。
【0033】
エンジン1からの動力のみでは駆動力不足になると、ハイブリッド制御ユニット18はモータ8を再度駆動するようモータ制御ユニット15に指令し、駆動力不足をモータ8の駆動力で補うこととする。
なおエンジンおよびモータの両者の駆動力を用いる走行に当たっては、ハイブリッド制御ユニット18は、CAN通信線20を通じて、該走行中は電磁クラッチ7を締結するようクラッチ制御ユニット13に指令することができ、したがって、これに基づき電磁クラッチ7は締結状態にあり、電磁クラッチ7は解放させない。
【0034】
停車状態から運転者が後退走行レンジ(Rレンジ)を選択し、アクセルペダルの踏み込みにより発進操作を行うと、ハイブリッド制御ユニット18はモータ8を後退走行用のトルクで逆転させるようモータ制御ユニット15に指令し、モータ逆回転を左右駆動輪3に無段変速機2を経て伝達することで後退走行を可能にする。
なお後退走行に当たってはエンジン1からの動力を一切使用しないため、この間ハイブリッド制御ユニット18はエンジン1を停止させ続けるようCAN通信線20を通じてエンジン制御ユニット11に指令すると共に、CAN通信線20を通じてクラッチ制御ユニット13に電磁クラッチ7を解放し続けるよう指令する。
【0035】
図2は、車速VSPに応じて変化するがモータ8の最大駆動力特性をaにより例示し、エンジン1の最大駆動力特性をbにより例示し、相互に並列的な関係にあるエンジン1およびモータ8の最大駆動力特性の合計をcにより例示し、0%勾配の平坦路における路面負荷を参考までにdにより例示した。
図2において、aよりも下側における領域がモータ走行可能域、bよりも下側における領域がエンジン走行可能域、cよりも下側における領域がモータ駆動力およびエンジン動力の合計により走行可能な領域である。
【0036】
モータ8の最大駆動力特性aと、0%勾配の平坦路における路面負荷dとの比較から明らかなごとく、平坦路においては車速VSPが図中A程度までの低車速ならモータ8のみでの走行が可能であり、それ以上の高車速ではエンジン1による走行が必要である。
そして路面勾配が急になるなどにより、要求駆動力がエンジン1の最大駆動力特性bよりも上側における値になると、エンジン1からの動力だけでなくモータ8からの動力も必要である。
【0037】
ハイブリッド制御ユニット18は、上記のような特性をもとにモータ走行にすべきか、エンジン走行にすべきか、或いは両者の駆動力を用いた走行にすべきかを判定すると共に、目標とするモータ駆動力およびエンジン駆動力を決定して対応する制御ユニットに指令するものとする。
但し、これらの決定に際してモータ駆動力の決定はバッテリ14の充電状態を判断して、バッテリ14への負担が問題にならないように決定すること勿論である。
【0038】
上記構成のように、本ハイブリッド車の駆動系およびその制御システムにあっては、基本的には、電磁クラッチ7の制御に関し、図2に例示したごとくの特性をもとにした判定等にも応じて、ハイブリッド制御ユニット18から制御指令がCAN通信線20を通じクラッチ制御ユニット13に与えられると、該制御ユニット13側では該指令に対応する出力をもって電磁クラッチ7のコイルに対する通電・非通電を切換えてクラッチ締結・解放を実行することができる。
例えば、前述のとおり、停車中は電磁クラッチ解放(クラッチOFF)となし、更には、発進走行(Dレンジ)では電磁クラッチ解放(クラッチOFF)、Dレンジによる前進走行であってエンジン走行にすべきときでは電磁クラッチ締結(クラッチON)、Dレンジによる前進走行であってエンジン+モータ走行にすべきときでは電磁クラッチ締結(クラッチON)となし、更にはまた後退走行では電磁クラッチ解放(クラッチOFF)となす等のように、既述のごとくのハイブリッドシステムの有利性を活かした制御を行わせることができる。
加えて、本実施例システムでは、これにとどまらず、かかる電磁クラッチ7の締結・解放を制御するに際し、電磁クラッチ7の誤締結を回避し得て、信頼性の向上を図るべく、更にはハイブリッド車での電磁クラッチ7の締結・解放を適切に行い得て、ハイブリッドシステムによる実効性等をも確保するべく、以下のごとき手段をも更に上記構成に付加する。
【0039】
すなわち、電磁クラッチ7のコイル通電用の例えばトランジスタに対し、クラッチ制御ユニット13のコントローラ本体の出力に加えて、ハイブリッド制御ユニット18のハイブリッドシステムコントローラから(CAN通信線20とは、別に)制御信号線を入力し、両者がクラッチ締結指令になったとき該コイル通電用トランジスタがONするように制御回路(電子回路)を構成する態様をも加味することは有利なものとなる。
【0040】
好ましくはまた、これに代えて、またはこれと共に、クラッチ制御ユニット13のクラッチコントローラは、該コントローラとハイブリッド制御ユニット18のハイブリッドシステムコントローラの間のCAN通信線20が通じているときはそれを通じて電磁クラッチ7の締結・解放の制御をし、遮断されているときは上記の制御信号線のON/OFFに応じて電磁クラッチ7の締結・解放を行うよう、制御を実行するものとする。
【0041】
これがため、本発明に従う基本例においては、図1にも併せて示すごとくにハイブリッド制御ユニット18からクラッチ制御ユニット13に対し別途、制御信号線30を引き出す一方、図3に併せて示すごとくに、クラッチ制御ユニット13内のマイクロコンピュータ使用のコントローラ本体として演算処理を司るクラッチCPU13−1のポート13−11と、電磁クラッチ7のコイル通電用の制御素子(図示例では、トランジスタ13−21,13−22)との間に、図示のごとくのトランジスタ13−21,13−22のON/OFF切換え制御用の回路13−30を設けると共に、ハイブリッド制御ユニット18のハイブリッドシステムコントローラ18aから導出した上記制御信号線30を当該回路13−30部分に至らしめて、これと接続するようになす。
【0042】
ここに、制御信号線30は、CAN通信のためのCAN通信線20とは別のクラッチ締結許可/禁止用の専用接続線(ハイブリッド制御ユニット−クラッチ制御ユニット間専用接続ワイヤ)であって、前記で述べてきたような選択レンジや運転、走行状態等に応じた締結・解放指令をCAN通信線20を通してCAN通信によりクラッチ制御ユニット13側に送信する際に、該指令内容に合わせて、しかし当該CAN通信線20によるCAN通信でのクラッチ制御指令とは、別個独立したものとして、かかる専用制御信号線30のルートで直接にクラッチ締結許可/禁止の制御信号を与えることができ、ここに、図示例の場合は、該制御信号の内容を、例えば次のように定めるものとする。
【0043】
【表1】
【0044】
上記制御信号線30による信号は、クラッチCPU13−1の出力信号が与えられる上記回路13−30に対して、当該出力に加えて、入力される構成とすることができ、ここでは、例えばNANDやNOT等の論理素子13−31,13−32,13−33により該回路13−30を構成した場合の論理素子13−31の一の入力として与えられる。
論理素子13−31のもう一方の入力はクラッチCPU13−1のポート13−11(A)から加えられ、論理素子13−31の出力がトランジスタ13−22に入力されるよう構成されている。また、ここでは、論理素子13−31の出力は更に、論理素子13−32を介し、クラッチCPU13−1のもう一方のポート13−11の出力が入力される論理素子13−33に導かれて、入力として与えられ、その論理素子13−33の出力がトランジスタ13−21に入力される。
斯く付加した上記構成の回路13−30部分は、電磁クラッチコイル通電用トランジスタ13−21,13−22の切換え制御のための制御回路として機能し、或いはまた、該トランジスタ部分を含んで、被駆動対象である電磁クラッチコイル部分に対する、クラッチ制御ユニット13の電磁クラッチ出力 I/F(インタフェース)回路ともなる。
【0045】
ここに、図7は、図3と対比して示す比較例であり、この比較例の場合は、図3において構成したような制御信号線、論理素子による回路部分を有しないが、CAN通信を通じてクラッチ締結指令を受信したとき、該指令に応じ、クラッチCPU13−1の演算処理により、トランジスタ13−21に対し“L”信号を、トランジスタ13−22に対し“H”信号を与えられるよう出力すると、トランジスタがONしコイルへの通電がなされて、指令通りに電磁クラッチ7の締結が実行でき、こうした動作については図3の場合も同様であって、トランジスタ13−21側は“L”でつながり、トランジスタ13−22側は“H”でつながる。
【0046】
しかして、先にも触れたように、ハイブリッド車に適用するにあたり、ハイブリッドシステムによる実効性等をも確保するとの視点に立脚した考察からは、P・N・Rレンジだけではなく、Dレンジによる前進走行においても、車両システム上電磁クラッチコントローラの誤作動による誤締結を回避することが要求され、電気的な2重系を構成する必要があるとの認識のもと、本構成例では、図3図示のごとくに、上記制御信号線30、回路13−30を設ける構成とするものである。
【0047】
上記構成によれば、電磁クラッチ7のコイル通電用のトランジスタ13−21,13−22に、クラッチCPU13−1(クラッチコントローラ本体)の出力信号に加えて、ハイブリッドシステムコントローラ18aからの制御信号線30による信号を入力して、両者がクラッチ締結指令になったときのみトランジスタ13−21,13−22がONするようになすことができる。
よって、クラッチコントローラ内部の演算結果にかかわらず、ハイブリッドシステムコントローラ18aの締結禁止時にはクラッチが締結(誤締結)しなくなるため、冗長系となり信頼性が向上する。
なお、図示例では、通電用トランジスタは、バッテリ側とボディアース側とにそれぞれ個々に配したものを示してあるが、例えば、トランジスタ13−22のみをON/OFF切換えで通電・非通電を制御する場合にも本構成例は適用可能で、制御信号線30が“H”(締結禁止:強制解放)なら、たとえクラッチCPU13−1のポート13−11(A)出力に、本来クラッチ締結させるべきときでないのに、誤って“H”出力(クラッチコントローラ本体側締結指令:しかし、実体は誤った締結指令)が生ずる誤作動時でも(図7の比較例では、そのクラッチコントローラ本体側締結指令どおり、このときトランジスタ13−22はONしてしまうが)、上記論理素子13−31の出力は“L”となり、結果、トランジスタ13−22はONとはならず、電磁クラッチ7のコイルには電流は流れずに確実に電磁クラッチ7は締結(誤締結)はしない。
【0048】
かくして、本構成例に従えば、Dレンジ前進走行時においても、コイル通電用のトランジスタをONする信号を、クラッチコントローラの制御信号とハイブリッドシステムコントローラの許可信号(制御信号線30によるクラッチ締結許可信号)の2系統からなる冗長系として構成し、誤作動による締結を防止することができる。
したがって、かかる構成をも付加した本システムは、締結・解放を制御可能な電磁クラッチ7の制御をする場合において、明細書冒頭で述べたごとくの不利等を良好に改善し得える解決策となり、電磁クラッチ7の誤締結を回避し得て、信頼性の向上を図ることができると共に、図7の比較例のごとくクラッチコントローラ出力にもっぱら依存して電磁クラッチの締結・解放をなすものに比し、ハイブリッド車での車両用電磁クラッチ7の締結・解放の制御をするのに適用して好適で、たとえハイブリッド車でのDレンジによる前進走行時においてクラッチコントローラの誤作動があっても、それによる誤締結を未然に回避し得、電磁クラッチ7の制御を適切に行い得て、ハイブリッドシステムによる実効性、特徴、有利性等の確保することが可能である。
【0049】
次に.例をもって示すものは、上記解決策が、制御信号線30を直接に回路13−30に入力し該制御信号線30の締結禁止(強制解放)時にはクラッチが締結しなくなるようにすることで誤締結防止を達成するものであったのに対し、それとは異なる手段ながらも、同様の狙いを実現しようというものであり、以下、これについて要部を説明する。
【0050】
本例においては、図1に示したごとくの制御信号線30を用いるものであるが、併せて図3中にも、破線30′部分(CAN通信ができない時)で表すごとくに、制御信号線30,30′を通ずる信号をクラッチCPU13−1のポート13−15を介して与えることで、該情報(クラッチ締結許可/禁止)を、クラッチコントローラが実行する制御プログラム、より具体的には、図4にその一例をフローチャートで示すごとくに組んだ、電磁クラッチコイル通電制御プログラムにおける、クラッチ締結許可情報/禁止(強制解放)情報として適用するものである。
【0051】
クラッチ制御ユニット13とハイブリッド制御ユニット18とは、CAN通信線20で相互に制御情報を通信しながらそれぞれの必要な制御をすることができることについては、既にみたとおりとおりであり、
また、ハイブリッド制御ユニット18は、これも前記図2の例示説明で触れたごとく、例えば、車速VSPのほか、その他加減速度、運転者のアクセルぺダル操作、車両駆動用バッテリ14の充電状態などから、あらかじめ決められた関係に基づいてエンジン1(内燃機関)による車両駆動の必要性(エンジン走行、エンジン+モータ走行)を決定し、電磁クラッチ7の締結要否を決定(判定)することができる(なお図1に入力情報と例示した車速情報等は、CAN通信線20を通じて対応する該当制御ユニットからCANデータとして受信するものであってもよい(また、別途、車速VSPセンサ信号を導入してもよい))。
【0052】
一方、本発構成例に従うクラッチ制御ユニット13は、電磁クラッチ7の締結・解放制御に関し、図7に示す通電制御ルーチンを実行しており、本プログラム例では、先ず、ステップ51において、ハイブリッドシステムコントローラ18a(ハイブリッド制御ユニット18)と通信可能か否かを常にチェックする。これにより、クラッチコントローラとハイブリッドシステムコントローラ18aの間のCAN通信線20(情報伝達路)が通じていてこれを通じてクラッチコントローラが電磁クラッチ7の締結・解放を制御できる状態(第1の状態)にあるのか、それとも遮断の状態(第2の状態)にあるのか、が監視されることとなる。ここに遮断は、前述した意味内容を指す。
【0053】
ステップ51で通信可能と判定する場合、CAN通信線20で得られる情報をもとにして電磁クラッチ7の締結/解放(ON/OFF)を決定するべく、本プログラムはステップ52以下のループを選択する。
【0054】
この場合は、ステップ52において、ハイブリッドシステムコントローラ18aから締結要求を受信か否かをチェックし、ステップ52で締結要求を受信したと判定するときは、更に、本プログラム例では、エンジン回転数が所定値以上か否かを(ステップ53)、レンジ信号がP,N,R以外か否かを(ステップ54)、それぞれチェックし、
そして、ステップ53,54のいずれもの条件が成立すると判定するとき、ステップ55を選択し、CAN通信線20を通した締結指令のとおりにクラッチONさせるべく電磁クラッチ7のコイルに通電(クラッチ締結)するように処理を実行し、
他方、ステップ52で締結要求を受信しないと判定するときはクラッチ解放となすよう、またはステップ53,54のいずれかの条件が不成立と判定するときもクラッチ解放となすよう、ステップ57を選択し、クラッチOFFさせるべく電磁クラッチ7のコイルに通電しない(クラッチ非締結:解放)よう処理を実行して、次のジョブに移行する。
なお上記ステップ53,54で使用するエンジン回転数、レンジ信号については、CAN通信によるものであってよく、または別途、例えばエンジン回転数センサ信号をクラッチ制御ユニット13に導入してもよい。
【0055】
一方、上記ステップ51のチェックにおいて、通信途絶、通信の不調等でCAN通信線20による通信が可能でないと判定するときは、制御信号線30(30′)の許可信号/強制解放信号に基づいて電磁クラッチ7の締結/解放(ON/OFF)を決定するべく、本プログラムはステップ56側のループを選択するものとする。
【0056】
この場合は、ステップ56において、制御信号線30(30′)入力が強制解放信号でない、つまり「締結許可」になっているか否かをチェックし、本プログラム例では、かかる判定結果に対応して、
ステップ56で「締結許可」になっていると判定するとき、前記ステップ55の処理を選択し、このとき制御信号線30(30′)から得られる信号のとおりにクラッチONさせるべく電磁クラッチ7のコイルに通電(クラッチ締結)するように処理を実行する一方、
ステップ56で「締結許可」になっていないと(すなわち、締結が禁止され強制解放と)判定するとき、前記ステップ57の処理を選択し、このとき制御信号線30(30′)から得られる信号のとおりにクラッチOFFさせるべく電磁クラッチ7のコイルに通電しない(クラッチ非締結:解放)よう処理を実行することとなる。
ここに、ステップ51→ステップ56→ステップ57のループで制御が遂行されるときは、強制的にクラッチ解放が可能な結果、例えば、たとえCAN通信で一部のデータが欠落するなど非正常な状態でデータの受信が仮にあったとしても、そうしたCAN通信情報は無視され、よってその内容いかんによらず、制御信号線30(30′)の信号に強制的に従わせることが可能で、それが強制解放(締結禁止)になっていれば、電磁クラッチ7のコイルには電流は流れずに電磁クラッチ7は締結はしない。
【0057】
かくして、クラッチ制御ユニット13は、該制御ユニット13とハイブリッド制御ユニット18との間のCAN通信が通じている第1の状態のときはCAN通信を通じて電磁クラッチ7の締結・解放を制御できると共に、遮断されている第2の状態のときは制御信号線30(30′)のON/OFFに応じて電磁クラッチ7の締結・解放を行うよう電磁クラッチ7の制御を実行することができ、クラッチコントローラは、上記第1の状態のときはハイブリッドシステムコントローラ18aからCAN通信で得た情報をもとに電磁クラッチ7のON/OFFを決定すると共に、通信途絶等の上記第2の状態の場合は制御信号線30(30′)のクラッチ締結許可信号/禁止(強制解放)信号に基づいて電磁クラッチ7のON/OFFを決定することができる。
【0058】
よって、本例によっても、上記例と同様、電磁クラッチ7の誤締結を回避し得て、信頼性の向上を図ることができ、図7の比較例のごとくクラッチコントローラ出力にもっぱら依存して電磁クラッチの締結・解放をなすものに比し、ハイブリッド車での車両用電磁クラッチ7の締結・解放の制御をするのに適用して好適なものを提供できる。たとえ、もし比較例によったとしたならDレンジ前進走行時においてクラッチ誤締結の要因となったであろう、CAN通信不調、通信途絶等が仮にあったとしても、確実に、ハイブリッド制御ユニット18からの専用接続線としての制御信号線30(30′)のON/OFFに応じた電磁クラッチ7の締結・解放を確保でき、もって、誤締結も未然に回避し得、電磁クラッチ7の制御を適切に行い得て、ハイブリッドシステムによる実効性、特徴、有利性等の確保することが可能となる。
本発明は、このようにして実施することもできる。
【0059】
次に、図5,図6をも参照して述べる例は、ハイブリッド車での車両電磁クラッチの制御の最適化を達成するよう、更になる改良、拡張を図ったものであって、下記するような機能をも更に具備させた例である。
以下、本構成例の要部について説明する。
【0060】
図5に示すものにおいて、クラッチ制御ユニット13(クラッチ制御CU)、ならびに図示されたその関連要素の電磁クラッチ7(電磁パウダクラッチ)、バッテリ14、ハイブリッド制御ユニット18(ハイブリッドシステムコントローラ:以下HCMとも記す)等についての構成例(電磁クラッチ出力 I/F回路)は、図示のごとくに、クラッチ制御ユニット13およびハイブリッド制御ユニット18がコントロールリレーを介してバッテリ14と接続され、ハイブリッド制御ユニット18からの制御信号線L1の端部は、クラッチ強制解放(締結禁止:電流カット)/締結許可(通電許可)信号用の当該ユニット18,13間の専用接続線(ワイヤ)として、クラッチ制御ユニット13の図示の端子に接続される。
【0061】
クラッチ制御ユニット13は、図3の構成例の場合と同様、マイクロコンピュータ使用の電磁クラッチコントローラ本体として演算処理を司るCPU13−1を含むと共に、図5図示のような電磁クラッチコイル駆動回路を含む電子回路部分によって構成されるものとすることができる。
ここでは、トランジスタTr1,Tr2,Tr3,Tr4,Tr5,Tr6、抵抗R1,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R11,R12、コンデンサC1,C2、ダイオードD1,D2、平滑回路101、誤差増幅回路102、差動増幅回路111、電流モニタ用I/F回路112、定電圧回路121、定電圧モニタ用I/F回路122、電圧モニタ用I/F回路131,132、クラッチ強制解放I/F回路141、NAND回路151,152,161、NOT回路171,172,173,174,181,182等の構成要素を有して、これら構成要素を図示のごとくに接続して構成することができる。
【0062】
クラッチ制御ユニット13の端子に接続された制御信号線L1による信号は、ここでは、クラッチ強制解放I/F回路141を介して、CPU13−1のポート13−11(マイコンポートA)からの信号と共に、NAND回路151への一方入力および他方入力として、それぞれNAND回路151の入力端に供給される。
また、図示例では、図3の構成例の場合に準じて、かかる制御信号線L1による信号は、図5中符号L2で示す制御信号線(内部制御信号線)を介し、CPU13−1のポート13−15を通して、CPU13−1への入力情報としても与えられ、該CPU13−1での処理に適用される構成とすることができる。ここに、制御信号線L1は、クラッチ強制解放(締結禁止:電流カット)/締結許可(通電許可)信号をNAND回路151に入力する場合と、これをCPU13−1への入力情報として与える場合との、両者の機能に共用されることとなる。
【0063】
更にまた、本例では、制御信号線L1による信号は、CPU13−1のポート13−17(マイコンポートB)からの信号と共に、NAND回路161への一方入力および他方入力としてそれぞれの入力端に供給される。該ポート13−17(B)および上記NAND回路161を含んで、後述の逆励磁制御系が構成される。
【0064】
本例に従う電磁クラッチコイル駆動回路では、通常励磁、弱励磁および逆励磁のそれぞれの制御の用に供することのできる、制御素子としてのトランジスタが用いられ、これにより、一層きめ細かな制御を実現する。
【0065】
トランジスタTr1は、チョッパ制御用のトランジスタであり、電磁クラッチ7のコイルへの通電時の電流iの量(通電量)を制御(電流制御:例えば最大数アンペア)するときは、かかるチョッパ制御用トランジスタに対する制御によってこれを行うことができる。この場合は、電磁クラッチ7の締結容量制御に有利に利用できる。
トランジスタTr1に対する制御系は、ここでは、図中の平滑回路101、誤差増幅回路102、差動増幅回路111等を含んで構成することができ、また、この場合において、電流モニタは電流モニタ用I/F回路112を通してCPU13−1が監視することができる。
一方、トランジスタTr2は、ON/OFF用トランジスタであって、ON/OFFのみの制御に用いることができる。
【0066】
これらトランジスタTr1,Tr2は、基本的には、CPU13−1からの出力信号によって制御され、通常励磁(通電許可)において使用することができる。この場合において、電磁クラッチコイルの通電時(クラッチ締結)、電流iは、図中、電磁クラッチ7の上端側から下端側に向かう方向で流れる。
電磁クラッチ7の誤締結防止のための2重冗長系として、図示のように、上記NAND回路151以降におけるNOT回路171,172、NAND回路151、NOT回路173が組み込まれ、本例では、これらが、図3の回路13−30部分に置き換えられる。
【0067】
トランジスタTr3,Tr4は弱励磁用トランジスタであり、NOT回路174のほか、定電圧回路121を含んで弱励磁制御系が構成され、定電圧回路121については定電圧モニタ用I/F回路122を通してモニタが行われる。
なお電磁クラッチ7の各端に関しては、電圧モニタ用I/F回路131,132を通してモニタが行われる。
【0068】
トランジスタTr5,Tr6は、逆励磁用トランジスタであり、逆励磁において使用することができる。もっとも、この場合、電流方向は通常励磁とは逆方向(図中、電磁クラッチ7の下端側から上端側に向かう方向)で、電流iは残留磁気を打ち消すため、通常励磁よりはるかに少なくいものであってよい。かかる逆励磁制御系として、図示のように、制御信号線L1による信号が一方入力として加えられる上記NAND回路161以降におけるNOT回路181,182が組み込むことができる。
【0069】
なお図5図中、付記した「L」、「H」は、制御信号線L1が“L”レベルで通電許可(クラッチ締結)が与えられることを、“H”レベルで電流カット(クラッチ解放:強制解放)が与えられることを、意味する。
以下の表に、上記のことを含めて、本例での信号レベルの関係等の一例を示す。
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
上記構成において、クラッチ制御ユニット13(CLECU)とハイブリッド制御ユニット18(HCM)とは、図5では、図示を省略してあるが、既述したCAN通信線20で相互に制御情報を通信しながらそれぞれの制御をしている。
HCM18は、車速VSP、加減速度、運転者のアクセルぺダル操作、車両駆動用バッテリ14の充電状態などから、あらかじめ決められた関係に基づいてエンジン1(内燃機関)による車両駆動の必要性を決定し、電磁クラッチ7の締結要否を決定して、CANデータとしてCAN通信線20を通じて送信することができることについては既に述べたが、本例では、更に、その場合に、以下のような内容をもって、電磁クラッチ7の制御をなさしめる。
【0073】
すなわち、ここでは、電磁クラッチ7を締結する方法(締結制御)として、エンジン1(内燃機関)と変速機2の入力軸(トランスミッション入力軸)の回転速度を同期させてから電磁クラッチ7を繋ぐ即締結方式(入出力回転速度が一致した時に電磁クラッチ7を一気に締結させる制御)と、エンジン1(内燃機関)の回転速度を高く保って電磁クラッチ7を滑らせながら繋ぐ半クラッチ締結方式(入出力回転速度差が存在する段階から滑り結合させながら徐々に締結する制御)の2つ方式をもち、これら方式につき、最適化を図るべく、要求駆動力に応じてHCM18が決定する。
更に、半クラッチ締結方式での電磁クラッチ7の締結特性は、車両停止状態からの発進の場合(半クラッチして締結(発進用):低車速ENモード)と、走行中の再加速の場合とで、更にきめ細かく切り分け、かかる低車速ENモードとする否かについても、これをHCM18が決定する。
【0074】
なお、電磁クラッチ7の解放に際しては、通常はクラッチ締結力を徐々に落とすスムーズ解放を行って解放ショックを低減するようになし(スムーズ解放)、更には急ブレーキなどの緊急時には即座に電磁クラッチ7を完全解放する(完全解放)。
【0075】
ここに、CLECU13に係るCAN通信(送受信)によるCANデータのうちで、HCM18側から送信されてCLECU13で受信するものにつき、上記締結解放動作との関係で示すと、かかる締結解放動作とそれらCANデータの対応は、下表のようになる。
【0076】
【表4】
【0077】
したがって、HCM18側からはCLECU13に対して、電磁クラッチ7の制御に関し、CAN通信線20を通して、上記クラッチON/OFF指令フラグ(図6(a)参照)のほか、上記のCL締結モードフラグや低車速EN要求フラグも通信されることとなる。CLECU13側では、こうしたフラグ情報(本例では3種のフラグデータ)をもとにしたCPU13−1での演算処理の結果、これら各種指令に合致するようようにと、上記表右欄のごとくの内容の作動を実行することとなる。
加えて本例では、例えば図6(b)にその基本的タイミングを例示するごとくに、HCM18は、CAN通信線20で送信するクラッチON/OFF指令の・・・「OFF」,「ON」,「OFF」・・・(図6(a))に合わせて、制御信号線L1上に、強制解放信号を、・・・「解放」,「締結許可」,「解放」・・・のごとくの内容をもつものとして送出する。
【0078】
一方、既にみたように、クラッチ誤締結を回避するべく、CLECU13側ではまた、HCM18側から専用接続線として引き出される上記制御信号線L1に関連させて、電磁クラッチ7の締結を2重冗長系で作動させるため、CLECU13の電磁クラッチコイル駆動回路に対しては、図5図示のように直接HCM18からの該制御信号線が接続されており、当該制御信号は、上記CPU13−1での演算結果によるものとは、別個独立したものとして既述のNAND回路151等へ入力されるよう構成されている。結果、この信号(図6(b)参照)が強制解放になっていると、CLECU13の作動(上記フラグ情報に基づくCPU13−1での演算結果)にかかわらず、電磁クラッチ7のコイルには電流が流れずクラッチは締結しない。
【0079】
このことは、前述した各例と同様の作用効果をもって、クラッチ誤締結を防止し信頼性を向上させることができることを意味すると共に、ここでは、更に、上記に例示した3種のフラグのごとく数種のフラグ情報にもとにした演算処理により、上記表右欄の「CLECUの作動」のような種々の制御内容を有するCLECU13の作動を決定し遂行するに際し、たとえ演算エラー等の誤作動があっても、例えばその締結制御に関し、即締結、半クラッチして締結(加速用)、半クラッチして締結(発進用)の場合での、誤った締結が、高度の信頼性で回避できることを意味し、したがってまた、これらのきめ細かで多様な機能をも、その分、十分に活かせ、発揮させることができることを意味する。
【0080】
また、クラッチON/OFFフラグと強制解放信号の時間関係の例を示したのが図6であるが、電磁クラッチ解放時に強制解放信号の変化が遅れるのは、この間に、電磁クラッチコイルの逆励磁を行うためである。かくして、既述した逆励磁制御系による電磁クラッチコイルの逆励磁を行うことができることから、本例では、これにより、残留磁気を消し、残留磁気の影響を排除しうる有利性も併せ有するものとすることができる。
【0081】
なお、2重冗長系が作動していることを保証するため、本例においては、クラッチコントローラ本体(CPU13−1)はクラッチON/OFF指令(図6(a))と強制解放信号(図6(b))の整合性をチェックしており、一定時間以上両者が不一致の場合は、ワーニングランプ(図示せず)を点燈するなどして、運転者に通知するものとする。
この場合においては、かかる制御を実行するための制御プログラムを、クラッチコントローラのメモリ(図示せず)にあらかじめ組み込み格納しておくと共に、上記チェックのため使用する情報は、制御制御線L2よりCPU13−1に与えられる信号情報を利用することができる。
【0082】
また、上記のように、両信号の切り替わりタイミングは基本的に類似しているためCNA通信が不調の場合は、代替手段として、強制解放信号の切り替わりで電磁クラッチ7の締結解放を切り替えるようになすことができる(制御モードは半クラッチ締結に固定し、発進・加速の切替えは、例えばCLECU13に入力される車速VSPセンサ信号で行う)。
この場合も、制御制御線L2よりCPU13−1に与えられる信号情報を利用することができ、既述の図4に示した通電制御プログラムによる場合の手法に準じて、実施することができる。
【0083】
なお本発明は、以上の実施の態様に限定されるものではない。
例えば、図4によるプログラム例において、ステップ51で『通信可能』と判断されなかった場合において、ステップ56で『締結許可になっている』と判定されたとき、ステップ56から直接にステップ55のコイルへの通電処理に進む構成としたが、かかる態様に限らず、ステップ56で締結許可になっているとの判定結果が得られたとき、処理をステップ56からステップ53へ移行させるようにして、該ステップ53によるエンジン回転数のチェック(チェックは、クラッチ制御ユニットに入力されるエンジン回転数センサ信号で行うようにすることができる)をも経るような内容で制御を実行させるようにする第1の変形態様か、或いは、処理をステップ56からステップ54へ移行させるようにして、該ステップ54によるレンジ信号のチェック(チェックは、クラッチ制御ユニットに入力されるレンジ信号で行うようにすることができる)をも経るような内容で制御を実行させるようにする第2の変形態様かの、いずれかの態様による通電制御プログラムとしてもよい。
【0084】
また、例えば、図5による例では、逆励磁制御を加味した構成を示したが、本発明は、かかる逆励磁制御系(Tr5,Tr6,161,181,182)の付加の有無によらず実施できることは、いうまでもない。
【0085】
更にはまた、そうした逆励磁制御系を付加しない態様での実施の場合においても、誤作動による締結防止の手段に係る構成部分については、図5に示した構成要素によるものに限定されるものでないこと勿論であって、
例えば、図3による回路例(基本例)のごとくに、図5との対比において、一層安価で簡易な構成、すなわち、図3に例示したような、基本的には、少なくとも一の専用接続線(制御信号線)をハイブリッド制御ユニット(18)側からクラッチ制御ユニット(13)側に引き入れると共に、例えば数個の論理素子を用いる構成をもって、本発明は実施することができるということもまた、いうまでもない。
【0086】
また、以上に記載された内容は、以下のような発明と捉えることもできる。
【0087】
(付記項1)
〔1〕電磁クラッチのコイル通電用のトランジスタに、コントローラ本体の出力信号に加え、ハイブリッドシステムコントローラからの制御信号線を入力し、両者がクラッチ締結指令になったときのみトランジスタがONするように電子回路を構成したことを特徴とするクラッチコントローラ。
【0088】
〔2〕クラッチコントローラとハイブリッドシステムコントローラの間に情報伝達系路があり、クラッチコントローラは系路が通じているときはそれを通じてクラッチの締結・解放を制御し、遮断されているときは〔1〕の制御信号線のON/OFFに応じてクラッチの締結・解放を行うことを特徴とするクラッチコントローラ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になる電磁クラッチの制御装置を具えたハイブリッド車の駆動系およびその制御システムを示す略線図である。
【図2】同ハイブリッド車の駆動系を成すモータおよびエンジンの最大駆動力特性を例示する線図である。
【図3】本発明に従って電磁クラッチの誤締結防止に適用できる、基本構成の説明に供する図である。
【図4】同じく、他の例の説明に供する電磁クラッチ通電制御プログラムのフローチャートの一例を示す図ある。
【図5】同じく、更に他の例の説明に供する回路構成図である。
【図6】同じく、説明図であって、電磁クラッチON/OFFフラグと強制解放信号の時間関係の一例を示すタイミングチャートである。
【図7】図3と対比して示す、比較例の説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 無段変速機
3 駆動車輪
4 プライマリプーリ
5 セカンダリプーリ
6 Vベルト
7 電磁クラッチ
8 車両駆動用兼回生ブレーキ用モータ
9 エンジン始動用兼発電用モータ
11 エンジン制御ユニット
12 変速機制御ユニット
13 クラッチ制御ユニット
13−1 CPU(クラッチCPU)
13−11,13−15,13−17 ポート
13−21,13−22 トランジスタ
13−31,13−32,13−33 論理素子
14 バッテリ
15 モータ制御ユニット
16 インバータ
17 バッテリ制御ユニット
18 ハイブリッド制御ユニット
20 通信線
30,30′ 制御信号線
101 平滑回路
102 誤差増幅回路
111 差動増幅回路
112 電流モニタ用I/F回路
121 定電圧回路
122 定電圧モニタ用I/F回路
131,132 電圧モニタ用I/F回路
141 クラッチ強制解放I/F回路
151,152,161 NAND回路
171,172,173,174,181,182 NOT回路
Tr1 チョッパ制御用トランジスタ
Tr2 ON/OFF用トランジスタ
Tr3,Tr4 弱励磁用トランジスタ
Tr5,Tr6 逆励磁用トランジスタ
R1,R3〜R12 抵抗
C1,C2 コンデンサ
D1,D2 ダイオード
L1,L2 制御信号線
Claims (4)
- 締結・解放を制御可能な電磁クラッチの当該制御をする装置であって、
電磁クラッチのコイルの通電・非通電を切換え可能な制御素子の切換え制御に関し、第1のコントローラ本体の出力信号と、第2のコントローラの出力信号の両者が締結指令になったとき該制御素子が該コイルへの通電を可能とする状態に切換わるように、制御回路を構成してなることを特徴とする電磁クラッチの制御装置。 - 前記第1のコントローラと第2のコントローラとの間に情報伝達系路を有すると共に、前記第2のコントローラと前記制御素子とを接続する制御信号線を前記第1のコントローラに接続し、該第1のコントローラは該情報伝達系路が通じている第1の状態のときは該情報伝達経路を通じて得た情報に応じて前記制御素子に信号を出力し、遮断されている第2の状態のときは前記制御信号線に前記第1のコントローラから出力されるON/OFF信号に応じて前記制御素子に信号を出力して、該電磁クラッチの締結・開放を行うように、構成してなることを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチの制御装置。
- 前記クラッチ、および制御素子のそれぞれが、
ハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車に適用した車両用電磁クラッチ、および該電磁クラッチのコイル通電用のトランジスタであり、かつ、
前記第1のコントローラ、および第2のコントローラのそれぞれが、
該電磁クラッチ制御用のクラッチコントローラ、および該ハイブリッドシステムの統括制御用のハイブリッドシステムコントローラであって、
前記制御回路は、
該電磁クラッチのコイル通電用のトランジスタを含む電磁クラッチコイル駆動回路に、該クラッチコントローラ本体の出力信号と、該ハイブリッドシステムコントローラから該制御回路に接続される制御信号線の出力信号の両者がクラッチ締結の締結指令になったときのみ当該トランジスタがONとなるように構成した電子回路である、ことを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチの制御装置。 - 前記クラッチが、ハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車に適用した車両用電磁クラッチであり、
前記第1のコントローラ、および第2のコントローラのそれぞれが、
該電磁クラッチ制御用のクラッチコントローラ、および該ハイブリッドシステムの統括制御用のハイブリッドシステムコントローラであり、かつ、
前記制御信号線が、該ハイブリッドシステムコントローラからの制御信号線であって、
該クラッチコントローラは前記第1の状態のときは前記情報伝達系路を通じて得た情報に応じて前記制御素子に信号を出力し、前記第2の状態のときは当該制御信号線に前記ハイブリッドシステムコントローラから出力されるON/OFF信号に応じて前記制御素子に信号を出力して、該電磁クラッチの締結・解放を行う、ことを特徴とする請求項2に記載の電磁クラッチの制御装置。
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