JP2012116271A - ハイブリッド電気自動車の停車発電制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】PレンジまたはNレンジでの車両停車中においてバッテリのSOCが充電判定値SOC0以上のときには(S10がNo)、インナクラッチC1及びアウタクラッチC2を切断状態に保持して油圧ポンプ駆動のためのエンジン負荷を軽減する一方(S12)、SOCが充電判定値SOC0未満のときには(S10がYes)、電動機3側のアウタクラッチC2のみを接続状態に切り換え(S16)、停車発電制御により電動機3をジェネレータ作動させてバッテリ5を充電する(S18)。
【選択図】図2
Description
このようなハイブリッド電気自動車の一例として、エンジンから変速機に伝達される駆動力を断接するクラッチの出力軸と変速機の入力軸との間に電動機の回転軸を連結したハイブリッド電気自動車が提案されている(例えば、特許文献1参照)。当該ハイブリッド電気自動車においては、アクセル開度などから求めた運転者の要求トルク、車両の走行状態、エンジン及び電動機の運転状態、或いはバッテリの残存容量(SOC:State Of Charge)などに基づき走行モード(エンジン単独走行、電動機単独走行、エンジン・電動機併用走行)を選択して実行する。
一方、車両減速時には電動機に負のトルクを発生させることによりジェネレータとして作動させて回生電力をバッテリに充電し、また、例えば電動機単独走行の継続によりバッテリのSOCが低下したときにも、エンジン単独走行やエンジン・電動機併用走行への切換と共に電動機をジェネレータ作動させてバッテリを充電する。
断接状態の切換にアクチュエータを用いた乾式クラッチでは、接続状態の保持にも切断状態の保持にも何ら機構的な制限がない。このため、車両停車時にクラッチを接続状態に保持するように制御しており、上記停車発電制御を行うときには車両停車に伴って既にクラッチが接続されていることから、そのまま発電機のトルクを負側に切り換えるだけでエンジンの駆動力により停車発電制御を開始することができる。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、車両停車中にバッテリのSOC低下に応じて停車発電制御を適切に実行でき、もって確実にバッテリのSOCを回復することができるハイブリッド電気自動車の停車発電制御装置を提供することにある。
湿式クラッチは油圧の作用により接続方向に切り換えられるが、車両停車中には切断状態に保持することから油圧を作用させる必要がなく、油圧ポンプを駆動するエンジン負荷の増大による燃費悪化を防止でき、一方、バッテリの残存容量が低下したときには湿式クラッチを接続状態に切り換えることから、エンジン駆動により電動機をジェネレータ作動させてバッテリを充電する停車発電制御を適切に実行でき、もって確実にバッテリの残存容量を回復することができる。
このように停車発電制御に必要な第2クラッチのみを接続し、第1クラッチ側は切断状態を継続しているため、油圧ポンプ駆動のためのエンジン負荷の増加、ひいてはそれに伴う燃料消費を最小限に抑制することができる。
図1は本実施形態のハイブリッド電気自動車の停車発電制御装置を示す全体構成図である。車両には走行用動力源としてディーゼルエンジン(以下、エンジンという)1が搭載されている。エンジン1は、加圧ポンプによりコモンレールに蓄圧した高圧燃料を各気筒の燃料噴射弁に供給し、各燃料噴射弁の開弁に伴って筒内に噴射する所謂コモンレール式機関として構成されている。
言うまでもないが、変速機2の変速段は上記に限ることなく任意に変更可能である。
周知のようにデュアルクラッチ式変速機は、奇数変速段と偶数変速段とを相互に独立した動力伝達系として設け、何れか一方で動力伝達しているときに他方を次に予測される次変速段に予め切り換えておくことで、動力伝達を中断することなく次変速段への切換を完了するシステムである。
即ち、力行制御では、バッテリ5に蓄えられた直流電力がインバータ4により交流電力に変換されて電動機3に供給され、電動機3がモータとして作動して駆動力を偶数歯車機構G2に入力する。また、車両減速時の回生制御では、駆動輪14側からの逆駆動により電動機3がジェネレータとして作動して回生制動力を発生すると共に、発電した交流電力がインバータ4により直流電力に変換されてバッテリ5に充電される。
一方、電磁弁7が閉弁すると、作動油の供給中止により油圧室6内の油圧が低下し、クラッチC1,C2は図示しないプレッシャスプリングにより接続状態から切断状態に切り換えられる。
ECU21の入力側には、エンジン1の回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ22、クラッチC1の出力側の回転速度Nc1を検出するクラッチ回転速度センサ23、クラッチC2の出力側の回転速度Nc2(=電動機3の回転速度)を検出するクラッチ回転速度センサ24、歯車機構G1,G2の変速段を検出するギヤ位置センサ25、アクセルペダル26の開度θaccを検出するアクセルセンサ27、及び変速機2の出力軸2bに設けられて車速Vを検出する車速センサ28、運転席に設けられたセレクトレバー29の操作位置を検出するレバー位置センサ30などのセンサ類が接続されている。
また、バッテリ5のSOCが所定値未満でそれほど余裕がないとき(中SOC状態)、或いは要求トルクが所定値以上のときなどには、走行モードとしてエンジン・電動機併用走行を選択する。このエンジン・電動機併用走行ではエンジン単独走行と同様に、クラッチC1とクラッチC2との何れか一方を接続してエンジン1の駆動力を駆動輪14側に伝達すると共に、同時に電動機3をモータとして作動させる。
また、例えばバッテリ5のSOCが所定値以上で余裕が大であり(高SOC状態)、且つ運転者の要求トルクが所定値未満のときには、走行モードとして電動機単独走行を選択する。この電動機単独走行ではクラッチC1及びクラッチC2を共に切断し、電動機3をモータとして作動させる。これにより、電動機3の駆動力が偶数歯車機構G2の何れかの変速段を介して駆動輪14側に伝達される。なお、このとき本実施形態ではエンジン1をアイドル運転に保持しているが、これに限ることはなくエンジン1を一時的に停止させてもよい。
そして、このようなバッテリ5の充電は、変速機2のセレクトレバー29を非走行レンジであるPレンジやNレンジに切り換えた車両の停車中においても、停車発電制御としてSOCに応じて適宜実行されており、この停車発電制御ではエンジン1の駆動力により電動機3を回転駆動する必要がある。
このため、[発明が解決しようとする課題]でも述べたように、停車発電制御を実行する必要が生じても、そのままでは当該制御を実行できずバッテリ5のSOCを回復できないという問題があった。
そこで、本実施形態では、車両停車中であっても停車発電制御を要するときには通常時と異なるクラッチ制御を実行しており、以下、当該対策のためにECU21が実行する処理を詳述する。
まず、ステップS2で車速センサ28により検出された車速Vに基づき車両が停車したか否かを判定し、No(否定)のときには一旦ルーチンを終了する。また、ステップS2の判定がYes(肯定)のときにはステップS4に移行し、レバー位置センサ30により検出されたセレクトレバー29の操作位置を判定する。セレクトレバー29が走行レンジであるD(ドライブ)レンジのときには、ステップS6に移行してPレンジまたはNレンジからDレンジに切り換えた後のECU21による初回の制御周期であるか否かを判定する。例えば信号待ちなどでブレーキ操作により停車した場合には、停車当初よりセレクトレバー29はDレンジのままであるため、ステップS6でNoの判定を下してステップS8に移行する。
なお、このときには必ずしも発進変速段への切換を行う必要はなく、例えば偶数歯車機構G2をニュートラルに保持し、アクセル操作が行われた時点で偶数歯車機構G2を発進変速段に切り換えるようにしてもよい。
また、充電判定値SOC0は停車発電制御によるバッテリ充電を必要としない下限近傍のSOCが設定されており、ステップS10の判定がNoのときにはステップS12に移行する。
従って、この場合もクラッチC1,C2の切断により、車両停車中の油圧ポンプ駆動のためのエンジン負荷が軽減される。続くステップS14では電動機3による発電を中止する。この処理は以下に述べる停車発電制御の中止を想定したものであり、停車発電制御を開始していないときには、そのままルーチンを終了する。
これらのステップS16,18の処理が停車発電制御に相当するものである。なお、このとき、電動機3の発電効率を向上させるために適宜エンジン1をアイドルアップさせてもよい。
そして、PレンジまたはNレンジによる車両停車中でバッテリ5のSOCが不足して充電を要するときには、電動機3側のクラッチC2を接続することから、エンジン駆動により電動機3をジェネレータ作動させて停車発電制御を適切に実行でき、もって確実にバッテリ5を充電してSOCを回復することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では前進6段のデュアルクラッチ式変速機2を備えたハイブリッド電気自動車に適用したが、変速機2の形式はこれに限るものではない。例えば、奇数歯車機構G1や偶数歯車機構G2を構成する変速段や、各変速段の配列、並びに各変速段における切換機構などを任意に変更してもよい。
2 変速機
3 電動機
5 バッテリ
21 ECU(バッテリ残存容量検出手段、停車発電制御手段)
G1 奇数歯車機構(第1変速機構)
G2 偶数歯車機構(第2変速機構)
C1 クラッチ(第1クラッチ)
C2 クラッチ(第2クラッチ)
Claims (2)
- エンジンと電動機とを湿式クラッチを介して接続し、該湿式クラッチの切断時にバッテリからの電力供給で上記電動機により発生された駆動力を変速機の変速機構を介して駆動輪側に伝達して車両を走行させ、上記湿式クラッチの接続時には上記エンジンの駆動力または該エンジンの駆動力及び上記電動機の駆動力を上記変速機の変速機構を介して駆動輪側に伝達して上記車両を走行させる一方、上記変速機を非走行レンジに切り換えた車両停車中には上記湿式クラッチを切断状態に保持するハイブリッド電気自動車の制御装置において、
上記バッテリの残存容量を検出するバッテリ残存容量検出手段と、
上記非走行レンジでの車両停車中において、上記バッテリ残存容量検出手段により検出された上記バッテリの残存容量が予め設定された充電判定値未満であると判定したとき、上記湿式クラッチを接続状態に切り換えると共に、上記エンジンの駆動力により上記電動機をジェネレータとして作動させて上記バッテリを充電する停車発電制御手段と
を備えたことを特徴とするハイブリッド電気自動車の停車発電制御装置。 - 上記湿式クラッチとして上記エンジンに第1クラッチ及び第2クラッチを並列的に接続すると共に、上記変速機構として上記第1クラッチに第1変速機構を接続すると共に上記第2クラッチに第2変速機構を接続して上記変速機をデュアルクラッチ式変速機として構成し、該第2クラッチと第2変速機構との間に上記電動機を介装する一方、上記非走行レンジでの車両停車中には上記第1クラッチ及び第2クラッチを切断状態に保持するようにし、
上記停車発電制御手段は、上記非走行レンジでの車両停車中に上記バッテリの残存容量が充電判定値未満であると判定したとき、上記第2クラッチのみを接続状態に切り換えて上記電動機をジェネレータ作動させることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド電気自動車の停車発電制御装置。
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