JP3550030B2 - 発振回路、位相同期回路、位相補間回路、位相調整回路および位相結合回路 - Google Patents

発振回路、位相同期回路、位相補間回路、位相調整回路および位相結合回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、位相同期回路やDLL(ディレイロックループ)回路に用いられる発振回路や遅延回路の性能向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信機器や通信インターフェースの高速化に伴い、位相同期回路やDLL回路の性能向上が必須の課題になっている。このため、位相同期回路やDLL回路に用いられる発振回路や遅延回路についても、より一層の性能向上が望まれている。
【0003】
図17は従来の発振回路としてのリング発振器の構成を示す図である。図17では、3個の遅延回路100a〜100cをリング状に接続してリング発振器100を構成している。この場合、各遅延素子100a〜100cをそれぞれ単純なCMOSインバータによって構成したとすると、リング発振器100の発振中において位相状態が切り替わる時間刻みは、CMOSインバータの遅延時間によって決定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
高速のインターフェース回路では、より細かなタイミング調整が必要になる。そしてより細かなタイミング調整の実現のためには、インターフェース回路に用いられる発振回路の,発振中において位相状態が切り替わる時間刻みを、より細かく設定する必要がある。言い換えると、発振回路の位相状態の分解能をより高める必要がある。このため、図17に示すような従来の発振回路では、発振回路を構成する遅延素子そのものの遅延時間を小さくすることによって、位相状態の分解能を高めていた。
【0005】
ところが、遅延素子の遅延時間の短縮化には自ずと限界がある。図18(a)に示すように、遅延素子の遅延時間には遅延素子の負荷容量および入力容量を充電するための容量充電時間と、遅延素子を構成するトランジスタを信号が通過するための内部通過時間とが含まれる。このうち容量充電時間は、負荷容量の充電時間については遅延素子の駆動電力を高めることによって小さくすることができる。一方、内部通過時間はトランジスタ内部を電子または正孔が通過するために要する時間で決定されるので、遅延素子の駆動電力をいかに高めてもある値よりは小さくはできない。したがって、図18(b)に示すように、駆動電力をいかに高めても、遅延素子の遅延時間の短縮化には自ずと限界がある。
【0006】
すなわち、遅延素子の遅延時間は遅延素子の構造自体によってその下限値が決まってしまうので、発振回路の位相状態の分解能をこの下限値による限界以上に高めることはできない。また、遅延素子の遅延時間を限界近くまで短縮するためにはその駆動電力を高める必要があるが、これは回路の消費電力の面で好ましくない。
【0007】
前記の問題に鑑み、本発明は、発振回路として、位相状態の分解能を、これを構成する遅延素子の遅延時間で決まる限界以上に高めることを可能にすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1の発明が講じた解決手段は、発振回路として、n(nは2以上の整数)個の遅延素子がリング状に接続されてなる第1および第2のリング発振器と、前記第2のリング発振器の第i(iは整数:1≦i≦n)段の遅延素子の出力と前記第1のリング発振器の第i段の遅延素子の出力との間、および前記第2のリング発振器の第i段の遅延素子の出力と前記第1のリング発振器の第(i+1)(ただしi=nのときは1)段の遅延素子の出力との間にそれぞれ設けられ、対応する2個の遅延素子の出力信号の位相関係を安定させる複数の位相結合回路とを備えたものである。
【0009】
請求項1の発明によると、第2のリング発振器の第i段の遅延素子の出力信号は、位相結合回路によって、第1のリング発振器の第i段の遅延素子の出力信号との間の位相関係が安定し、かつ第1のリング発振器の第(i+1)段の遅延素子の出力信号との間の位相関係が安定するように、制御される。このため、各位相結合回路の位相結合強度がほぼ均一であるとすると、第2のリング発振器の第i段の遅延素子の出力信号は、第1のリング発振器の第i段および第(i+1)段の遅延素子の出力信号の中間の位相を有する。これにより、第1および第2のリング発振器は、その位相状態が、第1および第2のリング発振器を構成する遅延素子の遅延時間の1/2だけ時間的にずれた状態で、発振を維持する。この結果、発振中における位相状態の時間刻みは遅延素子の遅延時間のほぼ1/2にまで細かくなる。したがって、発振回路の位相状態の分解能を、第1および第2のリング発振器を構成する遅延素子の遅延時間で決まる限界のほぼ2倍まで高めることが可能になる。
【0010】
そして、請求項2の発明では、前記請求項1の発振回路における位相結合回路は、それぞれ、第1および第2の端子と、ソースが電源に接続された一の導電型の第1および第2のトランジスタとを備え、前記第1の端子に対して前記第1のトランジスタのドレインおよび前記第2のトランジスタのゲートが接続され、かつ、前記第2の端子に対して前記第1のトランジスタのゲートおよび前記第2のトランジスタのドレインが接続されてなり、前記第1の端子は当該位相結合回路に対応する2個の遅延素子の出力の一方に接続されており、かつ、前記第2の端子は他方の遅延素子に接続されているものとする。
【0011】
また、請求項3の発明では、前記請求項1の発振回路は、前記第1のリング発振器の一の遅延素子の出力と、前記第2のリング発振器の,この一の遅延素子の出力信号と位相が直交する信号が出力される遅延素子の出力とを入力とする排他的論理和回路を備えたものとする。
【0012】
さらに、請求項4の発明では、前記請求項3の発振回路において、前記nは3であり、前記排他的論理和回路は、前記第1のリング発振器の第i段の遅延素子の出力と、前記第2のリング発振器の第(i+1)(ただしi=nのときは1)段の遅延素子の出力とを入力とするものとする。
【0013】
また、請求項5の発明では、前記請求項1の発振回路における位相結合回路は、その位相結合強度が可変に構成されているものとする。
【0014】
そして、請求項6の発明では、前記請求項5の発振回路における位相結合回路は、それぞれ、第1および第2の端子と、制御端子と、前記制御端子から電流量を制御可能に構成された電流源と、ソースが前記電流源に接続された一の導電型の第1および第2のトランジスタとを備え、前記第1の端子に対して前記第1のトランジスタのドレインおよび前記第2のトランジスタのゲートが接続され、かつ、前記第2の端子とに対して前記第1のトランジスタのゲートおよび前記第2のトランジスタのドレインが接続されてなり、前記第1の端子は当該位相結合回路に対応する2個の遅延素子の出力の一方に接続されており、かつ、前記第2の端子は他方の遅延素子に接続されているものとする。
【0015】
また、請求項7の発明では、前記請求項5の発振回路における位相結合回路は、それぞれ、第1および第2の端子と、制御端子と、ソースが電源に接続された一の導電型の第1および第2のトランジスタと、前記制御端子にゲートが接続され、かつ、ソースが前記第1のトランジスタのドレインに接続された一の導電型の第3のトランジスタと、前記制御端子にゲートが接続され、かつ、ソースが前記第2のトランジスタのドレインに接続された一の導電型の第4のトランジスタとを備え、前記第1の端子に対して前記第3のトランジスタのドレインおよび前記第2のトランジスタのゲートが接続され、かつ、前記第2の端子に対して前記第1のトランジスタのゲートおよび前記第4のトランジスタのドレインが接続されてなり、前記第1の端子は当該位相結合回路に対応する2個の遅延素子の出力の一方に接続されており、かつ、前記第2の端子は他方の遅延素子に接続されているものとする。
【0016】
また、請求項8の発明では、前記請求項5の発振回路は、第1および第2の位相制御端子、並びに周波数制御端子を備え、前記第2のリング発振器の第i段の遅延素子の出力と前記第1のリング発振器の第i段の遅延素子の出力との間に設けられた位相結合回路からなる第1の位相結合回路群は、その位相結合強度が前記第1の位相制御端子から制御可能に構成されており、前記第2のリング発振器の第i段の遅延素子の出力と前記第1のリング発振器の第(i+1)段の遅延素子の出力との間に設けられた位相結合回路からなる第2の位相結合回路群は、その位相結合強度が前記第2の位相制御端子から制御可能に構成されており、かつ、各遅延素子は、その遅延時間が前記周波数制御端子から制御可能に構成されているものとする。
【0017】
また、請求項9の発明は、位相比較器と、この位相比較器の出力に応じて発振状態を変化させる発振回路とを有する位相同期回路として、前記発振回路は、前記請求項8の発振回路であって、前記第1または第2のリング発振器の一の遅延素子の出力をその出力とするものであり、前記周波数制御端子からその発振周波数が制御され、かつ、前記第1および第2の位相制御端子からその出力位相が制御されるものである。
【0018】
また請求項10の発明が講じた解決手段は、発振回路として、(nは2以上の整数)個の遅延素子がリング状に接続されてなるm(mは2以上の整数)個のリング発振器と、前記第k(kは整数:1≦k≦(m−1))のリング発振器における第i(iは整数:1≦i≦n)段の遅延素子の出力と第(k+1)のリング発振器の第iの遅延素子の出力との間、および前記第mのリング発振器の第iの遅延素子の出力と前記第1のリング発振器の第(i+1)(ただしi=nのときは1)段の遅延素子の出力との間にそれぞれ設けられ、対応する2個の遅延素子の出力信号の位相関係を安定させる複数の位相結合回路とを備えたものである。
【0019】
請求項10の発明によると、第kのリング発振器の第i段の遅延素子の出力信号は、位相結合回路によって、第(k+1)のリング発振器の第i段の遅延素子の出力信号との間の位相関係が安定し、かつ第(k−1)のリング発振器の第i段の遅延素子の出力信号との間の位相関係が安定するように、制御される。このため、各位相結合回路の位相結合強度がほぼ均一であるとすると、第kのリング発振器の第i段の遅延素子の出力信号は、第(k+1)のリング発振器の第i段および第(k−1)のリング発振器の第i段の遅延素子の出力信号の中間の位相を有する。これにより、第kのリング発振器の位相状態は、第(k−1)のリング発振器の位相状態と、各遅延素子の遅延時間の1/mだけ時間的にずれることになる。この結果、発振中における位相状態の時間刻みは、遅延素子の遅延時間のほぼ1/mにまで細かくなる。したがって、発振回路の位相状態の分解能を各遅延素子の遅延時間で決まる限界のほぼm倍まで高めることが可能になる。
【0020】
また請求項11の発明が講じた解決手段は、位相補間回路として、n(nは2以上の整数)個の遅延素子が直列に接続されてなる第1および第2の信号遅延回路と、前記第2の信号遅延回路の第i(iは整数:1≦i≦(n−1))段の遅延素子の出力と前記第1の信号遅延回路の第i段の遅延素子の出力との間、前記第2の信号遅延回路の第i段の遅延素子の出力と前記第1の信号遅延回路の第(i+1)段の遅延素子の出力との間、および前記第2の信号遅延回路の第n段の遅延素子の出力と前記第1の信号遅延回路の第n段の遅延素子の出力との間にそれぞれ設けられ、対応する2個の遅延素子の出力信号の位相関係を安定させる複数の位相結合回路とを備えたものである。
【0021】
請求項11の発明は、請求項1の発明を発振回路以外の回路に適用したものである。すなわち、第2の信号遅延回路の第i段の遅延素子の出力信号は、位相結合回路によって、第1の信号遅延回路の第i段の遅延素子の出力信号との間の位相関係が安定し、かつ第1の信号遅延回路の第(i+1)段の遅延素子の出力信号との間の位相関係が安定するように、制御される。このため、各位相結合回路の位相結合強度がほぼ均一であるとすると、第2の信号遅延回路の第i段の遅延素子の出力信号は、第1の信号遅延回路の第i段および第(i+1)段の遅延素子の出力信号の中間の位相を有する。これにより、第2の信号遅延回路の位相状態は、第1の信号遅延回路の位相状態と、遅延素子の遅延時間のほぼ1/2だけ時間的にずれることになる。この結果、信号伝搬中における位相状態の時間刻みは、遅延素子の遅延時間のほぼ1/2にまで細かくすることができる。
【0022】
また、請求項12の発明が講じた解決手段は、位相調整回路として、信号が伝搬する回路に設けられた第1,第2,第3の遅延素子と、前記第1の遅延素子の出力と前記第2の遅延素子の出力との間に設けられ、この第1および第2の遅延素子の出力信号の位相関係を安定させる第1の位相結合回路と、前記第1の遅延素子の出力と前記第3の遅延素子の出力との間に設けられ、この第1および第3の遅延素子の出力信号の位相関係を安定させる第2の位相結合回路とを備えたものである。
【0023】
請求項12の発明は、請求項1,10の発振回路および請求項11の位相補間回路の構成の一部を位相調整回路としてとらえたものである。すなわち、請求項12の位相調整回路によると、第1の遅延素子の出力信号は、第1の位相結合回路によって、第2の遅延素子の出力信号との位相関係が安定するように制御されるとともに、第2の位相結合回路によって、第3の遅延素子の出力信号との位相関係が安定するように制御される。このため、第1および第2の位相結合回路の位相結合強度がほぼ均一であるとすると、第1の遅延素子の出力信号を、第2および第3の遅延素子の出力信号の中間の位相を有するように制御することができる。また、第1および第2の位相結合回路の位相結合強度を変えることによって、第1の遅延素子の出力信号の位相を、第2および第3の遅延素子の出力信号を基にして任意に調整することができる。
【0024】
そして、請求項13の発明では、前記請求項12の位相調整回路において、前記第1の遅延素子はリング発振器を構成しており、前記第2および第3の遅延素子は他のリング発振器を構成しているものとする。
【0025】
さらに、請求項14の発明では、前記請求項13の位相調整回路における第2および第3の遅延素子は同一のリング発振器を構成しているものとする。
【0026】
また、請求項15の発明では、前記請求項12の位相調整回路において、前記第1の遅延素子は信号遅延回路を構成しており、前記第2および第3の遅延素子は他の信号遅延回路を構成しているものとする。
【0027】
さらに、請求項16の発明では、前記請求項15の位相調整回路における第2および第3の遅延素子は同一の信号遅延回路を構成しているものとする。
【0028】
また請求項17の発明が講じた解決手段は、位相結合回路として、第1および第2の端子と、一の導電型の第1および第2のトランジスタとを備え、前記第1の端子に対して前記第1のトランジスタのドレインおよび前記第2のトランジスタのゲートが接続され、かつ、前記第2の端子に対して前記第1のトランジスタのゲートおよび前記第2のトランジスタのドレインが接続されてなり、前記第1および第2の端子における信号の位相関係を安定させるものである。
【0029】
そして、請求項18の発明では、前記請求項17の位相結合回路は、制御端子と、前記制御端子から電流量を制御可能に構成された電流源とを備え、前記第1および第2のトランジスタのソースは電源の代わりに前記電流源に接続されているものとする。
【0030】
また、請求項19の発明では、前記請求項17の位相結合回路は、制御端子と、前記制御端子にゲートが接続された一の導電型の第3および第4のトランジスタとを備え、前記第1のトランジスタのドレインは前記第1の端子の代わりに前記第3のトランジスタのソースに接続され、かつ、前記第3のトランジスタのドレインが前記第1の端子と接続され、前記第2のトランジスタのドレインは前記第2の端子の代わりに前記第4のトランジスタのソースに接続され、かつ、前記第4のトランジスタのドレインが前記第2の端子と接続されてなるものとする。
【0031】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る発振回路の構成を示す回路図である。図1において、第1のリング発振器11は3個の遅延素子11a〜11cがリング状に接続されてなり、第2のリング発振器12は3個の遅延素子12a〜12cがリング状に接続されてなる。位相結合回路13a〜13fは、それぞれ、対応する2個の遅延素子の出力信号の位相関係を安定させる機能を有し、第1および第2のリング発振器11,12の位相を互いに結合させている。
【0032】
すなわち、第2のリング発振器12の第1段の遅延素子12aの出力は、第1のリング発振器11の第1段の遅延素子11aの出力に位相結合回路13aを介して接続されるとともに、第1のリング発振器11の第2段の遅延素子11bの出力に位相結合回路13bを介して接続されている。同様に、第2のリング発振器12の第2段の遅延素子12bの出力は、第1のリング発振器11の第2段の遅延素子11bの出力に位相結合回路13cを介して接続されるとともに、第1のリング発振器11の第3段の遅延素子11cの出力に位相結合回路13dを介して接続されている。また第2のリング発振器12の第3段の遅延素子12cの出力は、第1のリング発振器11の第3段の遅延素子11cの出力に位相結合回路13eを介して接続されるとともに、第1のリング発振器11の第1段の遅延素子11aの出力に位相結合回路13fを介して接続されている。
【0033】
図1の発振回路の動作について、説明する。
【0034】
図2(a)〜(f)はインバータ3段からなるリング発振器の発振時における位相状態を示す図である。発振器の場合、位相状態としてとり得る状態のうちエネルギーが最も低い状態間を遷移しながら、発振が維持される。図2に示すインバータ3段のリング発振器の場合、インバータの出力は“H”と“L”の2種類であるので、2通りの位相状態がある。ところがそのうち全インバータ出力が“H”の状態と全インバータ出力が“L”の状態とは、他の6状態に比べてエネルギーが高い不安定状態であるので、発振時の位相状態にはなり得ない。したがって、インバータ3段のリング発振器は、図2に示すように、残りの6種類の位相状態が順次遷移しながら発振を維持する。このように6種類の位相状態を持つ場合、一周期360度の位相に対して位相分解能は60度であるという。
【0035】
ところで図1の発振回路において、位相結合回路13a,13bの特性すなわち位相結合強度がほぼ同等であるとすると、図3に示すように、第2のリング発振器12の遅延素子12aの出力信号は第1のリング発振器11の遅延素子11a,11bの出力信号の中間の位相を有する。同様に第2のリング発振器12の遅延素子12bの出力信号は第1のリング発振器11の遅延素子11b,11cの出力信号の中間の位相を有し、遅延素子12cの出力信号は遅延素子11c,11aの出力信号の中間の位相を有する。これにより、第1および第2のリング発振器11,12は、その位相状態が、各遅延素子11a〜11c,12a〜12cの遅延時間のほぼ1/2だけ時間的にずれた状態で発振を維持する。言い換えると、一周期360度の位相に対して12種類の位相状態を持つことになるので位相分解能は30度になる。この結果、発振回路の位相状態の分解能を、第1および第2のリング発振器11,12を構成する遅延素子11a〜11c,12a〜12cの遅延時間で決まる限界のほぼ2倍まで高めることが可能になり、各遅延素子11a〜11c,12a〜12cの遅延時間の1/2の時間が遅延分解能として実現される。
【0036】
このように、遅延素子の出力同士を位相結合回路を用いて接続することによって、リング発振器の位相を簡単に補間することができる。例えば、第1のリング発振器11の遅延素子11a,11bおよび第2のリング発振器12の遅延素子12a、並びに位相結合回路13a,13bによって、本発明に係る位相調整回路が構成されているといえる。
【0037】
もちろんこの場合、位相結合回路の位相結合強度を変えて設定することによって、種々の位相状態を容易につくり出すことができる。例えば位相結合回路13a,13bの位相結合強度の比を2対1にすると、第2のリング発振器12の遅延素子12aの出力信号は第1のリング発振器11の遅延素子11a,11bの出力信号の位相を1対2で補間する位相を有することになる。すなわち、遅延素子12aの出力信号は、遅延素子11aの出力信号から20度位相遅れで、遅延素子11bの出力信号から40度位相進みになる。
【0038】
図4は図1の発振回路における位相結合回路および遅延素子の構成例を示す図である。同図中、(a)は位相結合回路、(b)は差動回路構成の遅延素子である。図4(a)に示すように、位相結合回路は第1のトランジスタとしてのNMOSトランジスタ41aと第2のトランジスタとしてのNMOSトランジスタ41bによって構成された正帰還回路からなる。正帰還回路では、2つの出力位相は必ず逆相になるように制御される。したがって、第1および第2の端子42a,42bにおける信号の位相は互いに逆相になるように結合される。第1の端子42aはこの位相結合回路に対応する2個の遅延素子の出力の一方に接続され、他方の遅延素子は第2の端子42bに接続される。
【0039】
また図4(b)に示すような差動回路構成の遅延素子は、信号を正相でも逆相でも取り出せるのでリング発振器を構成するのに適している。44a,44bは入力端子、45a,45bは出力端子である。出力端子45a,45bはNMOSトランジスタ43a,43bからなる正帰還回路によって結合されている。このため、出力端子45a,45bの出力位相は必ず逆相になる。
【0040】
図5は図1の発振回路を図4の位相結合回路および遅延素子を用いて構成した場合の具体的な構成例を示す図である。図5において、第1のリング発振器11を構成する3個の遅延素子11a,11b,11cおよび第2のリング発振器12を構成する3個の遅延素子12a,12b,12cはそれぞれ図4(b)の構成からなる。また位相結合回路13a〜13fはそれぞれ図4(a)の構成からなる。
【0041】
なお図5では、図1の構成要素に加えて、図4(a)の構成からなる位相結合回路14a〜14fをさらに設けている。すなわち、各遅延素子11a〜11c,12a〜12cの2個の差動出力に対してそれぞれ位相結合回路13a〜13f,14a〜14fを設けている。位相結合回路14a〜14fは、第1のリング発振器11の端子B,C,Dおよび第2のリング発振器12の端子E,F,Gに、その接続関係が位相結合回路13a〜13fによる接続関係と同様になるように設けられている。ただし、第1および第2のリング発振器11,12の位相関係は、各遅延素子11a〜11c,12a〜12cの2個の差動出力のいずれか一方を位相結合回路によって接続すれば維持されるので、位相結合回路14a〜14fはあえて設けなくても本実施形態の効果は得ることができる。
【0042】
本実施形態に係る発振回路の動作は次のようにも説明することができる。図4(a)の位相結合回路は、エネルギーが高い不安定状態すなわち第1および第2の端子42a,42bの電位がともに“H”またはともに“L”である状態と、エネルギーが低い安定状態すなわち第1および第2の端子42a,42bの電位の一方が“H”であり他方が“L”である状態との、2種類の状態をとり得る。発振回路はできるだけエネルギーの低い安定状態で発振を維持しようとするので、2個のリング発振器11,12は、各位相結合回路13a〜13fが安定状態になる位相状態のままで発振を続けるわけである。
【0043】
図6は図5の発振回路のシミュレーション結果を示す図であり、各遅延素子出力の時間変化を示すグラフである。同図中、(a)は第1のリング発振器11のみの遅延素子出力の時間変化、(b)は第1および第2のリング発振器11,12の両方の遅延素子出力の時間変化を示している。図6(b)を図6(a)と比較すると、本実施形態に係る発振回路では、第1および第2のリング発振器11,12の出力位相が互いに補間されているのが分かる。この場合の位相状態は12状態となる。したがって、本実施形態によって遅延素子における遅延時間の1/2の遅延分解能が実現される。
【0044】
図1の発振回路は2個のリング発振器を用いて構成したが、本実施形態は、3個以上のリング発振器を位相結合させた構成に容易に拡張することができる。
【0045】
図7は本実施形態に係る発振回路の他の構成例であり、3個のリング発振器を位相結合させたものを示す図である。図7において、第1のリング発振器21は3個の遅延素子21a〜21cがリング状に接続されてなり、第2のリング発振器22は3個の遅延素子22a〜22cがリング状に接続されてなり、第3のリング発振器23は3個の遅延素子23a〜23cがリング状に接続されてなる。位相結合回路24a〜24c,25a〜25c,26a〜26cは、第1〜第3のリング発振器21,22,23の位相を互いに結合させている。
【0046】
例えば第2のリング発振器22の第1段の遅延素子22aの出力は、第1のリング発振器21の第1段の遅延素子21aの出力に位相結合回路24aを介して接続されるとともに、第3のリング発振器23の第1段の遅延素子23aの出力に位相結合回路25aを介して接続されている。第3のリング発振器23の第1段の遅延素子23aの出力は、第1のリング発振器21の第2段の遅延素子21bの出力(図のD)にも位相結合回路26aを介して接続されている。
【0047】
すなわち、第1のリング発振器21の遅延素子21a,21b間の位相は、位相結合回路24a,25a,26aによって3個に分割されて補間される。同様に、遅延素子21b,21c間の位相も位相結合回路24b,25b,26bによって分割されて補間され、遅延素子21c,21a間の位相も位相結合回路24c,25c,26cによって分割されて補間される。この結果、第1〜第3のリング発振器21,22,23はそれぞれ位相が20度ずつずれた状態で結合されることになり、この位相関係を保ったまま、発振を続ける。したがって、発振回路の位相状態の分解能を、第1〜第3のリング発振器21〜23を構成する遅延素子21a〜21c,22a〜22c,23a〜23cの遅延時間で決まる限界のほぼ3倍まで高めることが可能になり、各遅延素子21a〜21c,22a〜22c,23a〜23cの遅延時間のほぼ1/3の時間が遅延分解能として実現される。
【0048】
同様の構成をm個のリング発振器を用いて実現した場合には、各遅延素子の遅延時間のほぼ1/mの時間が遅延分解能として実現される。
【0049】
なお本実施形態では各リング発振器は3段の遅延素子によって構成されるものとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、発振が維持されればいかなる段数の遅延素子からなるリング発振器を用いても本発明は実現可能である。
【0050】
(第2の実施形態)
第1の実施形態に係る発振回路で用いたリング発振器は信号が巡回する回路であるが、これは遅延素子が無限に接続された信号遅延回路とみなすことができる。言い換えると、膨大な個数の遅延素子が結合された信号遅延回路を信号が伝搬する状態は、広い意味での発振状態であると考えられる。したがって、相当数の遅延素子からなる2個の信号遅延回路を第1の実施形態で示した位相結合回路を用いて位相結合させれば、入力信号の位相が補間された信号をその出力から取り出すことができるはずである。このように構成された回路を、本願明細書では位相補間回路と呼ぶ。
【0051】
図8は本発明の第2の実施形態に係る位相補間回路の構成を示す図である。図8において、30は本実施形態に係る位相補間回路の単位ブロックであり、この単位ブロック30を必要に応じた段数だけ縦続接続することによって、本実施形態に係る位相補間回路が構成される。
【0052】
図9は単位ブロック30の内部構成を示す図である。図9において、31a,31bは端子aから入力された信号を遅延させて端子dに出力する遅延素子、32a,32bは端子cから入力された信号を遅延させて端子fに出力する遅延素子、33a〜33dは位相結合回路である。各単位ブロック30の遅延素子31a,31bによって第1の信号遅延回路が構成されており、各単位ブロック30の遅延素子32a,32bによって第2の信号遅延回路が構成されている。
【0053】
第2の信号遅延回路の第i(iは正の整数)段の遅延素子に相当する遅延素子32aの出力は、第1の信号遅延回路の第i段の遅延素子に相当する遅延素子31aの出力に位相結合回路33aを介して接続されるとともに、第1の信号遅延回路の第(i+1)段の遅延素子31bの出力に位相結合回路33bを介して接続されている。また第2の信号遅延回路の第(i+1)段の遅延素子に相当する遅延素子32bの出力は、遅延素子31bの出力に位相結合回路33cを介して接続されるとともに、この単位ブロック30の後段の単位ブロック30の、第1の信号遅延回路の第(i+2)段の遅延素子に相当する遅延素子31aの出力に位相結合回路33dを介して接続されている。
【0054】
このような構成によって、遅延素子32aの出力は、位相結合回路33a,33bによって、遅延素子31a,31bの出力位相を補間するようにその位相状態が保たれる。同様に遅延素子32bの出力は、位相結合回路33c,33dによって、遅延素子31bおよびこの単位ブロックの後段に接続される単位ブロックの遅延素子31aの出力位相を補間するようにその位相状態が保たれる。この結果、端子dと端子fの出力信号は各遅延素子31a,31bの遅延時間の1/2だけ時間的に位相がずれることになる。したがって、各遅延素子31a,31bの遅延時間の1/2の遅延分解能を実現することができる。
【0055】
このように、遅延素子の出力同士を位相結合回路を用いて接続することによって、信号遅延回路の位相を簡単に補間することができる。例えば、第1の信号遅延回路の遅延素子31a,31bおよび第2の信号遅延回路の遅延素子32a並びに位相結合回路33a,33bによって、本発明に係る位相調整回路が構成されているといえる。
【0056】
図10は図8,9の位相補間回路における遅延素子の構成例であって、シングルエンド回路構成の遅延素子を示す図である。図10において、52aは入力端子、52bは出力端子である。図10に示すように、シングルエンドの信号を扱う場合には、信号が正相でとりだせるようにNMOSインバータ51a,51bを2段接続する必要がある。
【0057】
(第3の実施形態)
第1の実施形態に係る発振回路を基にして、リング発振器の発振周波数よりも周波数の高い高周波信号を容易に生成することができる。
【0058】
リング発振器の発振周波数よりも周波数の高い高周波信号を得る方法としては、図11に示すように、位相が直交する2個の信号をリング発振器81から取り出し、この2個の信号の排他的論理和をとる方法が知られていた。図11の構成では、リング発振器81の発振周波数の2倍の周波数の信号が排他的論理和回路85から出力される。しかしながらこの構成では、リング発振器81から直交位相を取り出すために最低4段の遅延素子81a〜81dによってリング発振器81を構成する必要があった。
【0059】
図12は本発明の第3の実施形態に係る発振回路であって、リング発振器の発振周波数の2倍の周波数の信号を出力可能なものの構成を示す図である。図12の発振回路の基本構成は図1の発振回路と同様であり、図1と共通の構成要素には同一の符号を付している。図1と異なるのは、第1のリング発振器11の遅延素子11aの出力と第2のリング発振器12の遅延素子12bの出力とを入力とする排他的論理和回路15を備えている点である。
【0060】
第1の実施形態で説明したように、第1および第2のリング発振器11,12はその位相が30度ずれた状態で発振を維持する。このため第1および第2のリング発振器11,12から、位相が直交する信号を容易に取り出すことができる。例えば図12に示すように、位相が直交する2個の信号として第1のリング発振器11の第1段の遅延素子11aの出力信号と第2のリング発振器12の第2段の遅延素子12bの出力信号とを選択し、この2個の信号を排他的論理和回路15の入力とする。これにより、排他的論理和回路15から、第1および第2のリング発振器11,12の発振周波数の2倍の周波数の信号が出力される。
【0061】
ここで本実施形態に係る図12の構成と従来の図11の構成とを比較すると、各遅延素子の遅延時間が例えば限界まで短縮されているとすると、当然のことながら、図12に示す3段のリング発振器11,12の方が図11に示す4段のリング発振器81よりもその発振周波数は高くなる。このため、出力信号の周波数もまた図12の構成の方がより高くなる。逆に図11の構成において図12と同等の周波数の信号を生成するためには、各遅延素子の駆動電力をより高めてその遅延時間をより小さくする必要がある。したがって、本実施形態によると、従来よりも高い周波数の信号を生成することができ、また、従来と同等の周波数の信号を消費電力がより低い状態で生成することができる。
【0062】
(第4の実施形態)
第1〜第3の実施形態では、リング発振器や信号遅延回路において、位相結合回路を用いてより分解能の高い細かな位相状態の生成を実現した。この位相結合回路の位相結合強度を外部から制御できれば、リング発振器や信号遅延回路の位相状態を直接制御できるはずである。
【0063】
位相状態を直接制御できる発振器や信号遅延回路は、様々な用途への応用が考えられる。例えば位相同期回路にこのような発振器を用いると、従来では電圧によって発振器の発振周波数を制御し、これにより間接的に発振器の位相状態を制御していたのに対して、発振器の位相状態が直接制御可能になるので、応答性の高い位相同期回路を容易に実現することができる。
【0064】
図13(a),(b)は位相結合強度が可変の位相結合回路の構成を示す図である。図13(a)において、61aは第1のトランジスタとしてのNMOSトランジスタ、61bは第2のトランジスタとしてのNMOSトランジスタ、62は電流源、63a,63bは第1および第2の端子、64は電流源62の電流量を制御するための制御端子である。また図13(b)において、65aは第3のトランジスタとしてのNMOSトランジスタ、65bは第4のトランジスタとしてのNMOSトランジスタ、66aは第1のトランジスタとしてのNMOSトランジスタ、66bは第2のトランジスタとしてのNMOSトランジスタ、67a,67bは第1および第2の端子、68はNMOSトランジスタ65a,65bのゲート電位を制御するための制御端子である。
【0065】
まず図13(a)の回路では、電流源62の電流量を制御端子64から制御することによって、NMOSトランジスタ61a,61bの電流利得を制御し、第1および第2の端子63a,63bにおける信号の位相結合強度を可変にすることができる。また図13(b)の回路では、NMOSトランジスタ65a,65bが、制御端子68からのゲート電位の制御により非飽和領域において抵抗として動作することによって、NMOSトランジスタ66a,66bのドレイン電位を制御し、第1および第2の端子67a,67bにおける信号の位相結合強度を可変にすることができる。すなわち、NMOSトランジスタ65a,65bのMOS抵抗値が大きい方がNMOSトランジスタ66a,66bのドレイン・ソース間電圧が小さくなるため、正帰還の強度が弱くなり、位相結合強度も弱くなる。
【0066】
図14は本発明の第4の実施形態に係る発振回路の構成を示す図である。図14において、71は3個の遅延素子71a,71b,71cがリング状に接続されてなる第1のリング発振器、72は3個の遅延素子72a,72b,72cがリング状に接続されてなる第2のリング発振器、73a〜73fは図13(a)または(b)に示すような位相結合強度が可変の位相結合回路である。位相結合回路73a〜73fの制御端子64または68は第1または第2の位相制御端子74a,74bに接続される。第1の位相結合回路群をなす位相結合回路73a,73c,73eはその位相結合強度が第1の位相制御端子74aに入力される信号によって制御され、第2の位相結合回路群をなす位相結合回路73b,73d,73fはその位相結合強度が第2の位相制御端子74bに入力される信号によって制御される。75aは周波数制御端子であり、各遅延素子71a〜71c,72a〜72cはその遅延時間が周波数制御端子75aから制御可能に構成されている。
【0067】
第1の位相制御端子74aの電圧が相対的に高くなり、第2の位相制御端子74bの電圧が相対的に低くなると、位相結合回路73a,73c,73eの位相結合状態は強くなる一方、位相結合回路73b,73d,73fの位相結合状態は弱くなる。したがって、第1および第2のリング発振器71,72の位相状態は、遅延素子71aと遅延素子72aの出力位相がほぼ同位相になるようになる。一方、第2の位相制御端子74bの電圧が相対的に高くなり、第1の位相制御端子74aの電圧が相対的に低くなると、第1および第2のリング発振器71,72の位相状態は、遅延素子71bと遅延素子72aの出力位相がほぼ同位相になるようになる。
【0068】
このように、位相結合回路73a〜73fの位相結合強度を第1および第2の位相制御端子74a,74bから制御することによって、第1および第2のリング発振器71,72の位相状態を直接制御することが可能になる。
【0069】
図15は図14の発振回路を用いた位相同期回路の構成を示す図である。図15において、70は図14に示す発振回路、76は位相比較器、77aは第1の低域通過フィルタ、77bは第2の低域通過フィルタ、78は分周器、79aは第1の差動増幅回路、79bは第2の差動増幅回路である。発振回路70の第1の位相制御端子74aには第1の差動増幅回路79aの出力が入力され、第2の位相制御端子74bには第2の差動増幅回路79bの出力が入力される。第1および第2の位相制御端子74a,74bに入力される信号は、それぞれ第1または第2の差動増幅回路79a,79bを経由することによって、互いに逆相の信号になる。
【0070】
図15に示す位相同期回路の動作について説明する。
【0071】
位相比較器76の出力は、2種類の経路を経て発振回路70に入力される。1つは従来例と同様に、第1の低域通過フィルタ77aを通って発振回路70の周波数制御端子75aに入力される経路であり、この経路を通過した信号は発振回路70の出力端子75bに出力され、分周器78を経由して位相比較器76にフィードバックされる。この経路は従来例と同様の信号経路であるので、従来の位相比較器と同じ応答特性を示す。
【0072】
図15の位相同期回路において特徴的なのは、第2の低域通過フィルタ77bを経由し、第1または第2の差動増幅回路79a,79bを通って発振回路70の第1および第2の位相制御端子74a,74bに入力される経路である。
【0073】
図16は比較例としての従来の一般的な位相同期回路の構成を示すブロック図である。位相比較器91は入力端子95に入力されたクロック信号と分周器94の出力信号とを位相比較し、その位相差に応じた位相誤差信号を低域通過フィルタ92に出力する。低域通過フィルタ92は位相誤差信号の高域ノイズ成分を除去する。低域通過フィルタ92を通過した位相誤差信号は電圧制御発振器93によって位相成分に変換され、分周器94を介して位相比較器91にフィードバックされる。最終的には位相比較器91の入力となる2個の信号の位相および周波数が一致し、位相同期回路の動作は安定する。
【0074】
従来の位相同期回路では、電圧制御によって電圧制御発振器93の位相を間接的に制御している。すなわち、電圧→発振周波数→発振位相というように変換が行われる。このため、発振周波数から発振位相への変換の際に信号が積分されてしまう。信号が積分されるということは信号が遅延されることを意味する。したがって、従来の位相同期回路は、低域通過フィルタLPF92の積分特性と電圧制御発振器93の積分特性とが直列接続されるために2次の積分特性を示す応答特性を有することになり、結果として高速な応答特性を得ることができなかった。
【0075】
そこで本願発明者は、位相状態を直接制御可能な本実施形態に係る発振回路を用いることによって、1次の積分特性をもつ位相同期回路を実現し、従来に比べて高速応答を可能にした。
【0076】
すなわち図15の構成では、位相同期回路のフィードバックループにおいて、従来例のような電圧→周波数→位相という変換ではなく、電圧→位相という直接的な変換が行われる。すなわち、発振回路70の内部で積分特性が付加されないので、第1および第2の低域通過フィルタ77a,77bのみが積分要素となる1次ループ位相同期回路が構成される。1次ループ位相同期回路は積分要素が1個のみであるので、その応答特性は帯域によらず常に一定である。したがって、高帯域の位相同期回路を構成しても応答特性にリンギングを起こさないため、位相誤差を小さく抑えることが可能になる。このように、本実施形態に係る発振回路を用いることによって、従来よりも位相誤差が小さくかつ応答性のよい位相同期回路を実現できる。
【0077】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、発振回路の発振中における位相状態の時間刻みを、遅延素子の遅延時間よりも細かくすることができる。これにより、発振回路の位相状態の分解能を、各リング発振器を構成する遅延素子の遅延時間で決まる限界を超えて高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る発振回路の構成を示す回路図である。
【図2】(a)〜(f)はインバータ3段からなるリング発振器の発振時における位相状態を示す図である。
【図3】図1の発振回路の位相状態を示す図である。
【図4】(a)は図1の発振回路における位相結合回路の構成例を示す図、(b)は図1の発振回路における遅延素子の構成例を示す図である。
【図5】図1の発振回路の具体的な構成例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る発振回路のシミュレーション結果を示す図であり、(a)は単独のリング発振器の遅延素子出力の時間変化を示すグラフ、(b)は本実施形態に係る発振回路の遅延素子出力の時間変化を示すグラフである。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る発振回路の他の構成例を示すグラフである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る位相補間回路の構成を示す図である。
【図9】図8の位相補間回路における単位ブロックの内部構成を示す図である。
【図10】図8,9の位相補間回路における遅延素子の構成例を示す図である。
【図11】従来の、リング発振器の発振周波数の2倍の周波数の信号を出力可能な発振回路の構成を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る発振回路の構成を示す図である。
【図13】(a),(b)は位相結合強度が可変の位相結合回路の構成を示す図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る発振回路の構成を示す図である。
【図15】図14の発振回路を用いた位相同期回路の構成を示す図である。
【図16】従来の一般的な位相同期回路の構成を示すブロック図である。
【図17】従来の発振回路としてのリング発振器の構成を示す図である。
【図18】(a),(b)は遅延素子の遅延時間と駆動電力との関係を示す図である。
【符号の説明】
11 第1のリング発振器
11a〜11c 遅延素子
12 第2のリング発振器
12a〜12c 遅延素子
13a〜13f 位相結合回路
15 排他的論理和回路
21 第1のリング発振器
21a〜21c 遅延素子
22 第2のリング発振器
22a〜22c 遅延素子
23 第3のリング発振器
23a〜23c 遅延素子
24a〜24c,25a〜25c,26a〜26c 位相結合回路
31a,31b,32a,32b 遅延素子
33a〜33d 位相結合回路
41a NMOSトランジスタ(第1のトランジスタ)
41b NMOSトランジスタ(第2のトランジスタ)
42a 第1の端子
42b 第2の端子
61a NMOSトランジスタ(第1のトランジスタ)
61b NMOSトランジスタ(第2のトランジスタ)
62 電流源
63a 第1の端子
63b 第2の端子
64 制御端子
65a NMOSトランジスタ(第3のトランジスタ)
65b NMOSトランジスタ(第4のトランジスタ)
66a NMOSトランジスタ(第1のトランジスタ)
66b NMOSトランジスタ(第2のトランジスタ)
67a 第1の端子
67b 第2の端子
68 制御端子
70 発振回路
71 第1のリング発振器
71a〜71c 遅延素子
72 第2のリング発振器
72a〜72c 遅延素子
73a〜73f 位相結合回路
74a 第1の位相制御端子
74b 第2の位相制御端子
75a 周波数制御端子
76 位相比較器

Claims (19)

  1. n(nは2以上の整数)個の遅延素子がリング状に接続されてなる第1および第2のリング発振器と、
    前記第2のリング発振器の第i(iは整数:1≦i≦n)段の遅延素子の出力と前記第1のリング発振器の第i段の遅延素子の出力との間、および前記第2のリング発振器の第i段の遅延素子の出力と前記第1のリング発振器の第(i+1)(ただしi=nのときは1)段の遅延素子の出力との間にそれぞれ設けられ、対応する2個の遅延素子の出力信号の位相関係を安定させる複数の位相結合回路と
    を備えた発振回路。
  2. 請求項1記載の発振回路において、
    前記位相結合回路は、それぞれ、
    第1および第2の端子と、
    ソースが電源に接続された一の導電型の第1および第2のトランジスタとを備え、
    前記第1の端子に対して前記第1のトランジスタのドレインおよび前記第2のトランジスタのゲートが接続され、かつ、前記第2の端子に対して前記第1のトランジスタのゲートおよび前記第2のトランジスタのドレインが接続されてなり、
    前記第1の端子は当該位相結合回路に対応する2個の遅延素子の出力の一方に接続されており、かつ、前記第2の端子は他方の遅延素子に接続されている
    ことを特徴とする発振回路。
  3. 請求項1記載の発振回路において、
    前記第1のリング発振器の一の遅延素子の出力と、前記第2のリング発振器の,この一の遅延素子の出力信号と位相が直交する信号が出力される遅延素子の出力とを入力とする排他的論理和回路を備えた
    ことを特徴とする発振回路。
  4. 請求項3記載の発振回路において、
    前記nは3であり、
    前記排他的論理和回路は、前記第1のリング発振器の第i段の遅延素子の出力と、前記第2のリング発振器の第(i+1)(ただしi=nのときは1)段の遅延素子の出力とを入力とする
    ことを特徴とする発振回路。
  5. 請求項1記載の発振回路において、
    前記位相結合回路は、その位相結合強度が可変に構成されている
    ことを特徴とする発振回路。
  6. 請求項5記載の発振回路において、
    前記位相結合回路は、それぞれ、
    第1および第2の端子と、制御端子と、
    前記制御端子から電流量を制御可能に構成された電流源と、
    ソースが前記電流源に接続された一の導電型の第1および第2のトランジスタとを備え、
    前記第1の端子に対して前記第1のトランジスタのドレインおよび前記第2のトランジスタのゲートが接続され、かつ、前記第2の端子に対して前記第1のトランジスタのゲートおよび前記第2のトランジスタのドレインが接続されてなり、
    前記第1の端子は当該位相結合回路に対応する2個の遅延素子の出力の一方に接続されており、かつ、前記第2の端子は他方の遅延素子に接続されている
    ことを特徴とする発振回路。
  7. 請求項5記載の発振回路において、
    前記位相結合回路は、それぞれ、
    第1および第2の端子と、制御端子と、
    ソースが電源に接続された一の導電型の第1および第2のトランジスタと、
    前記制御端子にゲートが接続され、かつ、ソースが前記第1のトランジスタのドレインに接続された一の導電型の第3のトランジスタと、
    前記制御端子にゲートが接続され、かつ、ソースが前記第2のトランジスタのドレインに接続された一の導電型の第4のトランジスタとを備え、
    前記第1の端子に対して前記第3のトランジスタのドレインおよび前記第2のトランジスタのゲートが接続され、かつ、前記第2の端子に対して前記第1のトランジスタのゲートおよび前記第4のトランジスタのドレインが接続されてなり、
    前記第1の端子は当該位相結合回路に対応する2個の遅延素子の出力の一方に接続されており、かつ、前記第2の端子は他方の遅延素子に接続されている
    ことを特徴とする発振回路。
  8. 請求項5記載の発振回路において、
    第1および第2の位相制御端子、並びに周波数制御端子を備え、
    前記第2のリング発振器の第i段の遅延素子の出力と前記第1のリング発振器の第i段の遅延素子の出力との間に設けられた位相結合回路からなる第1の位相結合回路群は、その位相結合強度が前記第1の位相制御端子から制御可能に構成されており、
    前記第2のリング発振器の第i段の遅延素子の出力と前記第1のリング発振器の第(i+1)段の遅延素子の出力との間に設けられた位相結合回路からなる第2の位相結合回路群は、その位相結合強度が前記第2の位相制御端子から制御可能に構成されており、かつ、
    各遅延素子は、その遅延時間が前記周波数制御端子から制御可能に構成されている
    ことを特徴とする発振回路。
  9. 位相比較器と、この位相比較器の出力に応じて発振状態を変化させる発振回路とを有する位相同期回路であって、
    前記発振回路は、
    請求項8記載の発振回路であって、前記第1または第2のリング発振器の一の遅延素子の出力をその出力とするものであり、前記周波数制御端子からその発振周波数が制御され、かつ、前記第1および第2の位相制御端子からその出力位相が制御される
    位相同期回路。
  10. n(nは2以上の整数)個の遅延素子がリング状に接続されてなるm(mは2以上の整数)個のリング発振器と、
    前記第k(kは整数:1≦k≦(m−1))のリング発振器における第i(iは整数:1≦i≦n)段の遅延素子の出力と第(k+1)のリング発振器の第iの遅延素子の出力との間、および前記第mのリング発振器の第iの遅延素子の出力と前記第1のリング発振器の第(i+1)(ただしi=nのときは1)段の遅延素子の出力との間にそれぞれ設けられ、対応する2個の遅延素子の出力信号の位相関係を安定させる複数の位相結合回路とを備えた
    発振回路。
  11. n(nは2以上の整数)個の遅延素子が直列に接続されてなる第1および第2の信号遅延回路と、
    前記第2の信号遅延回路の第i(iは整数:1≦i≦(n−1))段の遅延素子の出力と前記第1の信号遅延回路の第i段の遅延素子の出力との間、前記第2の信号遅延回路の第i段の遅延素子の出力と前記第1の信号遅延回路の第(i+1)段の遅延素子の出力との間、および前記第2の信号遅延回路の第n段の遅延素子の出力と前記第1の信号遅延回路の第n段の遅延素子の出力との間にそれぞれ設けられ、対応する2個の遅延素子の出力信号の位相関係を安定させる複数の位相結合回路とを備えた
    位相補間回路。
  12. 信号が伝搬する回路に設けられた第1,第2,第3の遅延素子と、
    前記第1の遅延素子の出力と前記第2の遅延素子の出力との間に設けられ、この第1および第2の遅延素子の出力信号の位相関係を安定させる第1の位相結合回路と、
    前記第1の遅延素子の出力と前記第3の遅延素子の出力との間に設けられ、この第1および第3の遅延素子の出力信号の位相関係を安定させる第2の位相結合回路とを備えた
    位相調整回路。
  13. 請求項12記載の位相調整回路において、
    前記第1の遅延素子は、リング発振器を構成しており、
    前記第2および第3の遅延素子は、他のリング発振器を構成している
    ことを特徴とする位相調整回路。
  14. 請求項13記載の位相調整回路において、
    前記第2および第3の遅延素子は、同一のリング発振器を構成している
    ことを特徴とする位相調整回路。
  15. 請求項12記載の位相調整回路において、
    前記第1の遅延素子は、信号遅延回路を構成しており、
    前記第2および第3の遅延素子は、他の信号遅延回路を構成している
    ことを特徴とする位相調整回路。
  16. 請求項15記載の位相調整回路において、
    前記第2および第3の遅延素子は、同一の信号遅延回路を構成している
    ことを特徴とする位相調整回路。
  17. 第1および第2の端子と、
    一の導電型の第1および第2のトランジスタとを備え、
    前記第1の端子に対して前記第1のトランジスタのドレインおよび前記第2のトランジスタのゲートが接続され、かつ、前記第2の端子に対して前記第1のトランジスタのゲートおよび前記第2のトランジスタのドレインが接続されてなり、
    前記第1および第2の端子における信号の位相関係を安定させる
    位相結合回路。
  18. 請求項17記載の位相結合回路において、
    制御端子と、
    前記制御端子から電流量を制御可能に構成された電流源とを備え、
    前記第1および第2のトランジスタのソースは、電源の代わりに前記電流源に接続されている
    ことを特徴とする位相結合回路。
  19. 請求項17記載の位相結合回路において、
    制御端子と、
    前記制御端子にゲートが接続された一の導電型の第3および第4のトランジスタとを備え、
    前記第1のトランジスタのドレインは前記第1の端子の代わりに前記第3のトランジスタのソースに接続され、かつ、前記第3のトランジスタのドレインが前記第1の端子と接続され、
    前記第2のトランジスタのドレインは前記第2の端子の代わりに前記第4のトランジスタのソースに接続され、かつ、前記第4のトランジスタのドレインが前記第2の端子と接続されてなる
    ことを特徴とする位相結合回路。
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