JP3549650B2 - 釣り用浮き - Google Patents
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- A01K93/00—Floats for angling, with or without signalling devices
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海、川、湖或いは池等で釣りを行う際に使用する浮きに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の釣り用浮きとして桐等の天然木材を切削加工して、その表面に耐水塗装を施した木製のものが主流をしめていた。また、近年では樹脂製浮きも使用されているが、これら木製及び樹脂製浮きにあっては釣り場の岩等にぶつかって破損又は損傷し易い等の問題があった。
【0003】
最近では更に、金属製の浮きが開発されている。この金属製浮きによれば、岩等にぶつかった際の耐衝撃性に優れ、上述のような木製浮き等で問題となる破損事故等の場合に有効に対応し得るというものである。かかる金属浮きの形成材料としては、ステンレス或いはアルミニウム等の金属材料が用られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来開発されている金属浮きにおいて、例えばステンレス製金属浮きの場合、ステンレスは比重が大きいことから、低重心設計が困難であった。つまり浮きの重心が比較高くならざるを得なかったため、水中での浮きの安定性に欠け、ひいては良好な釣り効果を期待できない場合があった。また、アルミニウムを用いた金属浮きでは、比重が小さいため上述のような重心の問題を解消し得るものの、特に錆びの発生等の耐蝕性に問題を有していた。
【0005】
本発明はかかる実情に鑑み、高い耐衝撃性、安定性及び耐蝕性を兼備した優れた性能を有する釣り用浮きを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の釣り用浮きは、強化プラスチックでなる浮き本体を上カップ及び下カップにより構成して中空構造となし、前記上カップ及び前記下カップの外周又は内周に設けたそれぞれ嵌合部に接着剤を施して相互に嵌合・接着すると共に、前記上カップ及び前記下カップのいずれか一方の内周縁部から突出するように付設した係合用突片と他方の内周縁部に形成した係合用凹溝とを相互に係合させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明によれば、強化プラスチックにより構成される浮きは、軽量であって耐衝撃性及び耐蝕性に優れ、また成形性が良好であるから量産性にも優れている。強化プラスチックは比重が小さいため、この材料で形成された浮きにおいて下部に錘を装着することで重心を容易に低く設定することができ、高い安定性及び安定した飛行姿勢を保証することができる。更に、衝撃性及び耐水性に優れているため、損傷や浸水のない優れた浮きを実現する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3に基づき、本発明による釣り用浮きの好適な実施の形態を説明する。
図1は、この実施形態における釣り用浮き10の構成例を示している。なお、この実施形態においては本発明を所謂中通し浮きに適用するものとし、図示のように浮き10の中心部を釣糸1が挿通するようになっている。
【0011】
図において、浮き10の浮き本体は、合成樹脂製の上カップ11と強化プラスチックにより構成される下カップ12とを接合して成り、この例では中空の概略卵型を呈している。上カップ11は、好適には有色(赤、黄或いは橙色等)の透光もしくは遮光性を有するポリプロピレン、ポリカーボネイト或いはABS等の樹脂材料により形成される。上カップ11の中央部には、その頂部から下カップ12の下端部まで垂下されるかたちで、釣糸1を挿通させるための中通し管13が延設されている。中通し管13は、この例のように上カップ11と一体形成されると共に、釣糸1が挿通する中通し孔13aを有している。
【0012】
この実施形態では、浮き10の少なくとも浮き本体下部、即ち下カップ12は強化プラスチックにより構成される。この強化プラスチックとしては、所謂繊維強化プラスチック(FRP)が好適である。本発明における代表的なものは、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂或いはフェノール樹脂を母材もしくは基材としたものに炭素繊維又はガラス繊維を補強材として加えて成る複合材料により形成される。かかる複合材料を用いて、プレス加工等によって下カップ12を形成することができる。
【0013】
上カップ11及び下カップ12は、それぞれの嵌合部(外周)11a及び嵌合部(内周)12aを相互に嵌合させることにより、ぴったりと接合する。なお、後述するように上カップ11及び下カップ12を接合する際に、これらの嵌合部11a,12aに適宜の接着剤を施して嵌合・接着させる。また、上カップ11の内周縁部の適所(例えば、直径方向の2か所)から突出するように係合用突片14が付設されると共に、下カップ12の内周縁部に沿って係合用凹溝15が形成される。突片14は、図1の一点鎖線により示されるように一定の幅を有し、その先端部が係合用凹溝15に弾発的に係合するように支持されている。
【0014】
下カップ12の下端部には、中通し管13のまわりに挿着された錘16が接着固定される。この錘16は、例えば鉛等の金属製ワッシャを中通し管13に複数積層するかたちで取り付けたものにより構成することができ、重い(厚い)ものを下層から順次重ね合わせたものでよい。また、中通し管13の下端部に段部を設け、この段部にて下カップ12の孔12bと嵌合・接着する。上カップ11の頂部には、例えばセラミック製のリング17が固着している。
【0015】
本発明の釣り用浮き10において、先ずこれを製造する場合、図2のように接着剤(×印)を施した上カップ11及び下カップ12のそれぞれ嵌合部11a及び嵌合部12aを嵌合させる。このとき同時に、上カップ11の係合用突片14が下カップ12の係合用凹溝15に係合する。これら突片14及び凹溝15自体の係合により上カップ11及び下カップ12を高い結合強度で結合・保持することができる。つまり接着剤によって上カップ11及び下カップ12を最終的に接合する際、予め突片14及び凹溝15の係合により結合させておくもので、これにより接着剤の適正且つ完全な接着作用を保証することができる。
【0016】
因みに、従来のこの種の金属浮きにあっては、上下のカップを接着する際、所定の治具を用いて、接着剤が固化するまで上下のカップを保持外部から保持しておく必要があった。そして接着剤が固化するには最低でも24時間程度かかり、このようにかなりの手間と時間を要していた。本発明によれば、上述のように浮き10自体において言わば仮止めのかたちで上カップ11及び下カップ12を結合させておくことにより、手間がかからずに確実に接合させることができる。また本発明においては接着剤として好適にはシリコン系接着剤を用いており、接着剤の固化後、例えば熱影響等のために仮に上カップ11及び下カップ12間で歪み等が生じた場合においても、シリコン系接着剤によってそのような歪み等を吸収することができる。
【0017】
さて、上述したように強化プラスチック材料を用いて構成される本発明の浮き10は、形成材料自体が軽量であり且つ中空構造となっているから浮き10全体を軽くすることがき、浮きとして必要且つ十分な浮力を得ることができる。この場合、錘16の重量セッティングにより所望の浮力バランスを設定することができる。また、強化プラスチック材料によれば、高い強度を確保し耐衝撃性に優れていると共に、高い耐蝕性を保証する。また、特に強化プラスチックで成る下カップ12は、成形性が良好であるから量産性にも優れている。
【0018】
また、本発明の浮き10において、特に下カップ12を構成する強化プラスチックは、金属材料等に比べて比重が小さい。例えば、金属製の浮きとほぼ同一寸法・形状とした場合の浮き10では、下カップ12の下部に相対的により重い錘16を設定することにより、低重心の浮きを容易に実現することができる。
【0019】
ここで、図3のように本発明の浮き10を同一寸法・形状の金属浮き10′と比較する。なお、これら2つの浮き10及び浮き10′のそれぞれ全体重量(もしくは質量)M,M′は同一とする。
浮き10の全体重量M ;M=m1 +m2 +m3
ここに、m1 ,m2 ,m3 は、浮き10における上カップ11、下カップ12及び錘16のそれぞれ重量である。
浮き10′の全体重量M′;M′=m1 ′+m2 ′+m3 ′
ここに、m1 ′,m2 ′,m3 ′は、浮き10′における上カップ11′、下カップ12′及び錘16′のそれぞれ重量である。
【0020】
本発明の浮き10の下カップ12の重量m2 は、金属浮き10′の下カップ12′の重量m2 ′よりも軽い、即ちm2 ′>m2 となる。この場合、2つの浮き10及び浮き10′の全体重量M,M′を同一とするから、本発明の浮き10の錘16の重量m3 を金属浮き10′の錘16′の重量m3 ′よりも重く設定可能であり、即ちm3 >m3 ′とすることができる。従って、本発明の浮き10においては、全体の重心Gがより下端部寄りに設定され、即ち低重心とすることができる。これにより浮き10の高い安定性を確保することができる。
【0021】
また、FRPの下カップ12によれば、成形後にそのままで製品としての表面処理及び彩色(黒等)が施されており、何ら特別な塗装処理等をしないで済む。従って、塗装等のための工数及びその設備等を削減することができ、実質的に低コストの浮きを実現する。
【0022】
浮き10の実使用に際して、釣り中に岩等にぶつかる場合に衝突部分となる浮き10の下部(下カップ12)を強化プラスチックにより構成し、衝突等による衝撃から浮き本体を保護するようにしたため、浮き10が岩等に衝突したときに致命的な損傷を受けてしまうのを防止することができる。従って、従来釣り中に浮きが岩等に衝突して浮きが損傷を受けることによって必要となっていた浮き交換、仕掛けの作り直し等の作業が不要となる。
【0023】
ここで、本発明の別の実施形態において、浮き本体全体が強化プラスチックにより構成される。即ち、前述した実施形態における浮き10の上カップ11をも前記強化プラスチック(好適にはFRP)により構成するものである。上カップ11及び下カップ12とも強化プラスチックの複合材料で形成することにより、耐衝撃性や耐蝕性を更に向上させることができる。
【0024】
また、本発明の更に別の実施形態において、浮き本体全体が強化プラスチック(好適にはFRP)により一体構成される。この場合、浮き本体をプレス成形等の成形法により所望の形状に形成することができ、一体成形による簡単な中空構造により軽量で、優れた耐衝撃性及び耐蝕性を実現することができる。
【0025】
なお、上記実施形態において、上カップ11に係合用突片14を、また下カップ12に係合用凹溝15をそれぞれ設ける例を説明したが、突片14及び凹溝15は上カップ11及び下カップ12間で逆に設けるようにしてもよい。また、2つの突片14を設ける例を説明したが、それ以上設けてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、強化プラスチックの複合材料を用いて浮きを構成することにより、軽量で耐衝撃性及び耐蝕性に優れた浮きを実現することができる。また、浮きの重心を容易に低く設定することができ、高い安定性を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の釣り用浮きの実施形態における構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の釣り用浮きの実施形態における構成例を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の釣り用浮きの実施形態における重心設定例を比較例と共に説明する図である。
【符号の説明】
1 釣糸
10 浮き
11 上カップ
12 下カップ
13 中通し管
13a 中通し孔
14 係合用突片
15 係合用凹溝
16 錘
17 リング
【発明の属する技術分野】
本発明は、海、川、湖或いは池等で釣りを行う際に使用する浮きに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の釣り用浮きとして桐等の天然木材を切削加工して、その表面に耐水塗装を施した木製のものが主流をしめていた。また、近年では樹脂製浮きも使用されているが、これら木製及び樹脂製浮きにあっては釣り場の岩等にぶつかって破損又は損傷し易い等の問題があった。
【0003】
最近では更に、金属製の浮きが開発されている。この金属製浮きによれば、岩等にぶつかった際の耐衝撃性に優れ、上述のような木製浮き等で問題となる破損事故等の場合に有効に対応し得るというものである。かかる金属浮きの形成材料としては、ステンレス或いはアルミニウム等の金属材料が用られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来開発されている金属浮きにおいて、例えばステンレス製金属浮きの場合、ステンレスは比重が大きいことから、低重心設計が困難であった。つまり浮きの重心が比較高くならざるを得なかったため、水中での浮きの安定性に欠け、ひいては良好な釣り効果を期待できない場合があった。また、アルミニウムを用いた金属浮きでは、比重が小さいため上述のような重心の問題を解消し得るものの、特に錆びの発生等の耐蝕性に問題を有していた。
【0005】
本発明はかかる実情に鑑み、高い耐衝撃性、安定性及び耐蝕性を兼備した優れた性能を有する釣り用浮きを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の釣り用浮きは、強化プラスチックでなる浮き本体を上カップ及び下カップにより構成して中空構造となし、前記上カップ及び前記下カップの外周又は内周に設けたそれぞれ嵌合部に接着剤を施して相互に嵌合・接着すると共に、前記上カップ及び前記下カップのいずれか一方の内周縁部から突出するように付設した係合用突片と他方の内周縁部に形成した係合用凹溝とを相互に係合させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明によれば、強化プラスチックにより構成される浮きは、軽量であって耐衝撃性及び耐蝕性に優れ、また成形性が良好であるから量産性にも優れている。強化プラスチックは比重が小さいため、この材料で形成された浮きにおいて下部に錘を装着することで重心を容易に低く設定することができ、高い安定性及び安定した飛行姿勢を保証することができる。更に、衝撃性及び耐水性に優れているため、損傷や浸水のない優れた浮きを実現する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3に基づき、本発明による釣り用浮きの好適な実施の形態を説明する。
図1は、この実施形態における釣り用浮き10の構成例を示している。なお、この実施形態においては本発明を所謂中通し浮きに適用するものとし、図示のように浮き10の中心部を釣糸1が挿通するようになっている。
【0011】
図において、浮き10の浮き本体は、合成樹脂製の上カップ11と強化プラスチックにより構成される下カップ12とを接合して成り、この例では中空の概略卵型を呈している。上カップ11は、好適には有色(赤、黄或いは橙色等)の透光もしくは遮光性を有するポリプロピレン、ポリカーボネイト或いはABS等の樹脂材料により形成される。上カップ11の中央部には、その頂部から下カップ12の下端部まで垂下されるかたちで、釣糸1を挿通させるための中通し管13が延設されている。中通し管13は、この例のように上カップ11と一体形成されると共に、釣糸1が挿通する中通し孔13aを有している。
【0012】
この実施形態では、浮き10の少なくとも浮き本体下部、即ち下カップ12は強化プラスチックにより構成される。この強化プラスチックとしては、所謂繊維強化プラスチック(FRP)が好適である。本発明における代表的なものは、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂或いはフェノール樹脂を母材もしくは基材としたものに炭素繊維又はガラス繊維を補強材として加えて成る複合材料により形成される。かかる複合材料を用いて、プレス加工等によって下カップ12を形成することができる。
【0013】
上カップ11及び下カップ12は、それぞれの嵌合部(外周)11a及び嵌合部(内周)12aを相互に嵌合させることにより、ぴったりと接合する。なお、後述するように上カップ11及び下カップ12を接合する際に、これらの嵌合部11a,12aに適宜の接着剤を施して嵌合・接着させる。また、上カップ11の内周縁部の適所(例えば、直径方向の2か所)から突出するように係合用突片14が付設されると共に、下カップ12の内周縁部に沿って係合用凹溝15が形成される。突片14は、図1の一点鎖線により示されるように一定の幅を有し、その先端部が係合用凹溝15に弾発的に係合するように支持されている。
【0014】
下カップ12の下端部には、中通し管13のまわりに挿着された錘16が接着固定される。この錘16は、例えば鉛等の金属製ワッシャを中通し管13に複数積層するかたちで取り付けたものにより構成することができ、重い(厚い)ものを下層から順次重ね合わせたものでよい。また、中通し管13の下端部に段部を設け、この段部にて下カップ12の孔12bと嵌合・接着する。上カップ11の頂部には、例えばセラミック製のリング17が固着している。
【0015】
本発明の釣り用浮き10において、先ずこれを製造する場合、図2のように接着剤(×印)を施した上カップ11及び下カップ12のそれぞれ嵌合部11a及び嵌合部12aを嵌合させる。このとき同時に、上カップ11の係合用突片14が下カップ12の係合用凹溝15に係合する。これら突片14及び凹溝15自体の係合により上カップ11及び下カップ12を高い結合強度で結合・保持することができる。つまり接着剤によって上カップ11及び下カップ12を最終的に接合する際、予め突片14及び凹溝15の係合により結合させておくもので、これにより接着剤の適正且つ完全な接着作用を保証することができる。
【0016】
因みに、従来のこの種の金属浮きにあっては、上下のカップを接着する際、所定の治具を用いて、接着剤が固化するまで上下のカップを保持外部から保持しておく必要があった。そして接着剤が固化するには最低でも24時間程度かかり、このようにかなりの手間と時間を要していた。本発明によれば、上述のように浮き10自体において言わば仮止めのかたちで上カップ11及び下カップ12を結合させておくことにより、手間がかからずに確実に接合させることができる。また本発明においては接着剤として好適にはシリコン系接着剤を用いており、接着剤の固化後、例えば熱影響等のために仮に上カップ11及び下カップ12間で歪み等が生じた場合においても、シリコン系接着剤によってそのような歪み等を吸収することができる。
【0017】
さて、上述したように強化プラスチック材料を用いて構成される本発明の浮き10は、形成材料自体が軽量であり且つ中空構造となっているから浮き10全体を軽くすることがき、浮きとして必要且つ十分な浮力を得ることができる。この場合、錘16の重量セッティングにより所望の浮力バランスを設定することができる。また、強化プラスチック材料によれば、高い強度を確保し耐衝撃性に優れていると共に、高い耐蝕性を保証する。また、特に強化プラスチックで成る下カップ12は、成形性が良好であるから量産性にも優れている。
【0018】
また、本発明の浮き10において、特に下カップ12を構成する強化プラスチックは、金属材料等に比べて比重が小さい。例えば、金属製の浮きとほぼ同一寸法・形状とした場合の浮き10では、下カップ12の下部に相対的により重い錘16を設定することにより、低重心の浮きを容易に実現することができる。
【0019】
ここで、図3のように本発明の浮き10を同一寸法・形状の金属浮き10′と比較する。なお、これら2つの浮き10及び浮き10′のそれぞれ全体重量(もしくは質量)M,M′は同一とする。
浮き10の全体重量M ;M=m1 +m2 +m3
ここに、m1 ,m2 ,m3 は、浮き10における上カップ11、下カップ12及び錘16のそれぞれ重量である。
浮き10′の全体重量M′;M′=m1 ′+m2 ′+m3 ′
ここに、m1 ′,m2 ′,m3 ′は、浮き10′における上カップ11′、下カップ12′及び錘16′のそれぞれ重量である。
【0020】
本発明の浮き10の下カップ12の重量m2 は、金属浮き10′の下カップ12′の重量m2 ′よりも軽い、即ちm2 ′>m2 となる。この場合、2つの浮き10及び浮き10′の全体重量M,M′を同一とするから、本発明の浮き10の錘16の重量m3 を金属浮き10′の錘16′の重量m3 ′よりも重く設定可能であり、即ちm3 >m3 ′とすることができる。従って、本発明の浮き10においては、全体の重心Gがより下端部寄りに設定され、即ち低重心とすることができる。これにより浮き10の高い安定性を確保することができる。
【0021】
また、FRPの下カップ12によれば、成形後にそのままで製品としての表面処理及び彩色(黒等)が施されており、何ら特別な塗装処理等をしないで済む。従って、塗装等のための工数及びその設備等を削減することができ、実質的に低コストの浮きを実現する。
【0022】
浮き10の実使用に際して、釣り中に岩等にぶつかる場合に衝突部分となる浮き10の下部(下カップ12)を強化プラスチックにより構成し、衝突等による衝撃から浮き本体を保護するようにしたため、浮き10が岩等に衝突したときに致命的な損傷を受けてしまうのを防止することができる。従って、従来釣り中に浮きが岩等に衝突して浮きが損傷を受けることによって必要となっていた浮き交換、仕掛けの作り直し等の作業が不要となる。
【0023】
ここで、本発明の別の実施形態において、浮き本体全体が強化プラスチックにより構成される。即ち、前述した実施形態における浮き10の上カップ11をも前記強化プラスチック(好適にはFRP)により構成するものである。上カップ11及び下カップ12とも強化プラスチックの複合材料で形成することにより、耐衝撃性や耐蝕性を更に向上させることができる。
【0024】
また、本発明の更に別の実施形態において、浮き本体全体が強化プラスチック(好適にはFRP)により一体構成される。この場合、浮き本体をプレス成形等の成形法により所望の形状に形成することができ、一体成形による簡単な中空構造により軽量で、優れた耐衝撃性及び耐蝕性を実現することができる。
【0025】
なお、上記実施形態において、上カップ11に係合用突片14を、また下カップ12に係合用凹溝15をそれぞれ設ける例を説明したが、突片14及び凹溝15は上カップ11及び下カップ12間で逆に設けるようにしてもよい。また、2つの突片14を設ける例を説明したが、それ以上設けてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、強化プラスチックの複合材料を用いて浮きを構成することにより、軽量で耐衝撃性及び耐蝕性に優れた浮きを実現することができる。また、浮きの重心を容易に低く設定することができ、高い安定性を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の釣り用浮きの実施形態における構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の釣り用浮きの実施形態における構成例を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の釣り用浮きの実施形態における重心設定例を比較例と共に説明する図である。
【符号の説明】
1 釣糸
10 浮き
11 上カップ
12 下カップ
13 中通し管
13a 中通し孔
14 係合用突片
15 係合用凹溝
16 錘
17 リング
Claims (1)
- 強化プラスチックでなる浮き本体を上カップ及び下カップにより構成して中空構造となし、前記上カップ及び前記下カップの外周又は内周に設けたそれぞれ嵌合部に接着剤を施して相互に嵌合・接着すると共に、前記上カップ及び前記下カップのいずれか一方の内周縁部から突出するように付設した係合用突片と他方の内周縁部に形成した係合用凹溝とを相互に係合させるようにしたことを特徴とする釣り用浮き。
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1995
- 1995-12-22 JP JP33513795A patent/JP3549650B2/ja not_active Expired - Fee Related
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1996
- 1996-01-08 TW TW086214152U patent/TW355243U/zh unknown
- 1996-11-19 KR KR1019960055279A patent/KR970032386A/ko not_active Application Discontinuation
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