JP3549314B2 - 電子カメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子カメラに関し、特に画像の撮影及び再生表示機能に加えて、撮影した画像を他の同種の電子カメラに送信したり、他の同種の電子カメラで撮影し、送信した画像を表示する機能を有する電子カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日では、撮像手段と画像記憶手段に加えて、それを内蔵のカラー液晶表示板上に再生表示する表示手段を有した電子スチルカメラ(DSC;Disital Still Camera)に関する技術が種々提案されている(先行例1)。
【0003】
また、DSCにデータ通信手段を具備し、電話回線に接続可能で、パーソナルコンピュータのネットワーク通信を利用して撮影した画像データを遠隔地のパーソナルコンピュータ画面上に表示可能とした仕様のDSCに関する技術も提案されている(先行例2)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記先行例1には機器間の通信機能はなく、小型の液晶画面上では明瞭に見える画角が限られている為、図2(a)に示されるように、一度に多くの人が一台のDSC1に表示された画像を見て楽しむことはできない。
【0005】
また、上記先行例2は、パーソナルコンピュータの利用を前提としており、ポータブルな機器の仕様としては大掛かりすぎ携帯には適していなかった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、小型で携帯し易く、通信機能を有し、撮影画像と通信により得られた表示画像とを区別することができ、且つ通信先の選択及び当該送信先での記憶禁止を制御することができる電子カメラを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様による電子カメラは、画像モニタ手段を有する複数の電子カメラ間で、画像情報を含む信号を双方向に転送可能な電子カメラにおいて、自身で撮像した画像信号を送信すると共に、相手方から送信された画像信号を受信する送受信手段と、上記送受信手段により相手方から送信された画像信号を記憶する記憶手段と、特定の相手方のみに画像信号を送信するための暗号を生成する暗号発生手段と、少なくとも、撮像信号を帯域圧縮し、上記暗号発生手段により生成された信号を付加して、上記送受信手段に信号出力する制御手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の態様による電子カメラは、上記第1の態様の電子カメラにおいて、自身が送信した画像信号を相手方が記憶することを禁止するプロテクト信号を発生する手段を備え、上記制御手段は、帯域圧縮と暗号付加との他に、上記プロテクト信号を付加して、上記送受信手段に信号出力することを特徴とする。
【0008】
本発明の第3の態様による電子カメラは、上記第1の態様の電子カメラにおいて、上記双方向の信号転送は、ワイヤレス通信方式により達成されることを特徴とする。
【0009】
本発明の第4の態様による電子カメラは、画像信号を出力する撮像手段と、撮像した画像を記憶する記憶手段と、画像を表示する表示手段とを有する電子カメラにおいて、自身で撮像した画像信号を送信すると共に、相手方から送信された画像信号を受信する送受信手段と、上記画像信号送信時及び受信時の暗号を設定する暗号設定手段と、上記暗号設定手段により設定された受信時の暗号と、上記送受信手段により受信された暗号とを比較する比較手段と、上記比較手段の出力に応じて上記画像信号を上記表示手段に表示するか否かを決定する表示制御手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
【実施の形態】
以下に詳述する本発明の電子カメラは、小型で携帯し易く、しかも複数の人が同じ画像を楽しむ事ができるよう機器間の通信を可能としている。
即ち、図2(b)に示されるように、各電子カメラ1a,1b,1c上で同じ画像を楽しめるように構成されている。かかる通信を行う場合、撮影画像と通信により得られた表示画像とを区別できなくなったり、見せたくない人の機器にも画像が送られてしまったり、当該画像の通信先で撮影者の知らないうちに記憶されてしまったりするといった種々の問題を生じるが、本発明においては後述するようにして当該問題を解決している。
【0012】
図1は第1の実施の形態に係る電子カメラの構成を示す図である。
同図において、符号1a,1bは各々別体の電子カメラを示しており、これら電子カメラ1a,1bは同様の構成となっている。本発明は、電子カメラ間の通信を行うものである為、説明の便宜上、2つの電子カメラ1a,1bを図示している。上記撮像制御部2は、撮像部及びシーケンスコントローラを有しており、当該撮像制御部2には、撮像結果を記憶する為のメモリ部3、撮像結果をモニタする為の表示部6、モード設定や撮影動作に入るタイミングを入力する為のレリーズスイッチ7、送信スイッチ8、送受信切換スイッチ9の他、電子カメラ1a,1b間で画像データの通信を行う為の通信部4が接続されている。
【0013】
使用者は、上記送受信切換スイッチ9を操作することによって、該送受信のモード切換えることができる。また、自分で撮影した画像と、通信により得られた画像とを区別できるように、表示部6の表示形式を表示切換部5によって切換可能としている。更に、各電子カメラ1a,1bは、暗号設定部10を有しており、電子カメラ1a,1bの暗号設定内容が同じときに限り画像の通信や表示が可能となるように構成されている。
【0014】
ここで、図2(a)乃至(c)には、上記構成における表示切換部5によって切換えられた表示部6の画面の様子を示し説明する。図2(a)は自分で撮影した画面を表示した様子を示しており、図2(b)は受信した画像を表示した様子を示している。この図2(b)では、オリジナルの画像ではないことを示す為の枠表示6aが表示されている。この他、受信画面には、画面上に「受信」という文字を表示することもできる。図2(c)については後述する。
【0015】
次に図3には第1の実施の形態に係る電子カメラの外観図を示し説明する。
図3(a)は前面図であり、電子カメラ本体1の所定位置には撮影レンズ11とレリーズスイッチ7が配設されている。図3(b)は背面図であり、表示部6の液晶画面と、送受信切換スイッチ9等の各種スイッチが配置されている。
【0016】
この送受信切換スイッチ9を「受信モード」側に設定しておくと、他の電子カメラからの画像信号を受信する回路が作動し、表示部6の液晶画面に受信画像が表示される。また、当該送受信切換スイッチ9を「撮影モード」側にしておくとレリーズスイッチ7の操作により撮影レンズ11を介して取り込まれた画像が表示部6の液晶画面に表示されると共に、送信スイッチ8の操作により他の表示部6に当該カメラで撮影した画像を送信することができる。この他、電子カメラには、暗号設定スイッチ10が配設されており、当該暗号設定スイッチ10の設定が送信側カメラと受信側カメラとで一致しているときにのみ、送受信した画像が見られるようにすることで、プライバシーを保護している。
【0017】
次に図4は第1の実施の形態に係る電子カメラの詳細な構成を示す図である。同図において、各構成要素の動作は、ワンチップマイコン等からなるシステムコントローラ(以下、CPUとする)30によって制御される。ここでは、単純化の為に、先に図1や図3(b)では個別に示した各スイッチを、スイッチ部29として図示してある。CPU30は、このスイッチ部29の入力状態を検出して、該入力状態に応じたシーケンス制御を行う。
【0018】
即ち、使用者によってスイッチ部29におけるレリーズスイッチが操作されると、CPU30はレンズ11と撮像回路21により取り込まれた画像をメモリ部28に記憶する。上記撮像回路21はCCD等の撮像素子を有しており、撮影レンズ11を介して結像された被写体像を電気的な画像信号に変換する。A/Dコンバータ22は該信号をデジタル信号に変換し、フレームメモリ23は一時的に該デジタル信号を記憶する。そして、CPU30は、該デジタル信号に係るデータをブロック単位で読み出して、圧縮/伸長回路27を介してJPEG(JOINT PHOTOGRAPHIC EXPERT GROUP) 方式等の所定のフォーマットに従ってデータ圧縮した後に、上記メモリ部28に記憶させる。
【0019】
一方、記憶データの再生時には、CPU30は所定のメモリ領域を選択し、メモリ部28から所定のデータを読み出し、これを圧縮/伸長回路27に入力して、伸長処理を行わせてフレームメモリ23に記憶させる。その画像データは、フレームメモリ23から再度読み出されて、D/Aコンバータ24でアナログ信号に変換され、ビデオエンコーダ25にてビデオ信号に変換されて、液晶等からなる表示部6に画像の表示が行われる。
【0020】
また、スイッチ部29の設定によって、この画像信号を送信する場合には、所定の通信プロトコル(通信手順)に従って送信機31の持つ発光ダイオード等の発光素子を点滅させてデータの送信を行う。また、画像信号を受信するときはフォトダイオード等の光電変換素子を有する受信器32によって電気信号に変換された信号を所定の通信プロトコルに従って画像信号として判別する。
【0021】
上記暗号設定部10の設定によって、このプロトコルを変更させてもよいが、図5のフローチャートに示されるシーケンスでは、単純に同期信号のタイミングを合わせることにより、暗号設定が一致したときのみ受信データの画像表示がなされるようにしている。即ち、CPU30は、スイッチ部29における設定が撮影モード、送信モードのいずれに設定されているかを判別し(ステップS1)、撮影モードに設定されている場合にはステップS20以降の処理に移行し、スイッチ部29におけるレリーズスイッチの入力を持ち(ステップS20)、当該レリーズスイッチが押下されると撮影シーケンスを行い(ステップS21)、表示部6に撮影結果を再生表示する(ステップS22)。
【0022】
一方、上記ステップS1にて、撮影モードに設定されていない場合には、CPU30は続いてスイッチ部29における送信スイッチがONされているか否かを判定し(ステップS2)、当該送信スイッチがONされている時には表示のサブルーチンに入る(ステップS10)。このサブルーチンは、送信したい画像を選択するものであり、自分が撮影したものからスイッチ部29を操作することにより送信したい画像を選択する。こうして選択が終了すると、スイッチ部29により予め設定してある暗号信号が送信される(ステップS11)。尚、CPU30は、この暗号信号を受信モードにある他のカメラが受信すると、暗号が一致したときのみ同期信号を発信する。
【0023】
続いて、送信側の電子カメラは、この同期信号が受信器32に入力される間で待機する(ステップS12)。つまり,送信側の電子カメラは、タイマカウントを行い、所定時間、同期信号の入力がない場合には(ステップS14)、警告を行った後(ステップS15)、上記ステップS1に戻り画像信号の送信を行わない。従って、暗号の一致するカメラが近くにない時には、先にステップS10にて選択された画像は、他のカメラで見ることはできない。逆に、同期信号受信を検知すると(ステップS12)、画像信号を送信する(ステップS13)。
【0024】
上記ステップS2にて、受信モードの設定が判定されると、前述のように送信側の電子カメラからの暗号信号の受信を待ち、当該信号の受信時のみ同期信号を発信する(ステップS3)。この同期信号に従って画像を形成する信号が送られて来るので、所定の通信プロトコルに基づいてこれをCPU30が記憶する(ステップS5)。続いて、この画像データを圧縮/伸長回路27により伸長して、D/Aコンバータ24によりD/A変換して液晶等による表示部6に表示した所定の枠表示の中に再生表示し(ステップS6)、動作を終了する。
【0025】
尚、送信される画像信号は、写真の焼き増しと同様の考え方で自分で撮影した時と同じデジタルデータであることが好ましいが、受信したデータはCPU30からメモリ部28への記憶は行わないようにしてオリジナルの画像がむやみに複製されないように対策する仕様も考えられる。この場合、送信するデジタルデータの形式を変えるようにすると効果的である。具体的には、図2(c)に示される枠6aの部分は送信段階でカットしてもよく、枠内に画面全部が入るように縮小した画像のデータを送信するようにしてもよい。
【0026】
以上説明したように、第1の実施の形態では、他の機器に撮影した画像を転送することが出来るので、小さな画面の電子カメラでありながら、複数の人と一緒に別々の機器で同時に同じ画像を鑑賞することができる。このため、電子カメラ本体を小さくすることができ、携帯性に優れた電子カメラを提供することができる。しかも、オリジナルとコピー画面は異なる表示形態をとるので、むやみな複製や混乱を防止することができるといった利点もある。
【0027】
次に、送信段階においてその画像を相手が記憶してもよいか否かを設定可能として、よりプライバシーや撮影者の権利を重んじたことを特徴とする第2の実施の形態を示し説明する。尚、電子カメラの構成については上記第1の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0028】
以下、図6のフローチャートを参照して、第2の実施の形態に係る電子カメラの動作を説明する。先ず、CPU30は、撮影モードが設定されているか否かを判定し(ステップS30)、撮影モードに設定されている時には、続いてレリーズスイッチが押下されたか否かを判定する(ステップS50)。ここで、レリーズがなされると撮影(ステップS51)、表示を行う(ステップS52)。これは、第1の実施の形態(図5)と同様である。
【0029】
上記ステップS50にて、撮影モードが設定されていない時には、スイッチ部29の設定によって送信モードか受信モードのいずれが選択されているかを判別し、送信モードである時にはステップS32に分岐し、相手が受信した画像を記録してもよいか否かを選択するスイッチの設定結果に従って、ステップS33かステップS35に分岐する。
【0030】
そして、写真の焼き増しと同じ感覚で画像信号を相手が保存しても良いような場合は、その画像が記録可であることを示す許可信号を送信した後(ステップS33)、第1の実施の形態(図5)と同様に同期信号を発生させた後(ステップS36)、画像信号を送信する(ステップS37)。
【0031】
これに対して、その時だけ相手に見てもらいたく、保存されると困る場合は、ステップS35にて図2(c)に示されるように画像に対して枠6aや警告文字6bを画像合成して、記録可信号は出力せず、同期信号発生、画像信号送信を行う(ステップS36,S37)。
【0032】
上記ステップS31にて受信モードに設定されている場合には、同期信号の受信を待ち(ステップS40)、当該信号を受信すると所定のプロトコルに従って画像信号を受信し(ステップS41)、記録可信号が含まれているかどうか判別し(ステップS42)、記録可信号が含まれている時にはCPU30は、それをメモリ部28に記憶させ(ステップS43)、液晶等による表示部6に画像を表示させる(ステップS44)。
【0033】
一方、記憶可信号を受信しなかった場合はステップS42をステップS45に分岐して、CPU30は所定時間だけ送られてきた画像信号を表示して、その信号のメモリ28への記憶は行わずに、所定時間が過ぎるとそれを消してしまうようにする。
【0034】
以上説明した動作により、第2の実施の形態では、小型軽量で携帯性に優れた本体ゆえに小さな表示用画面を持ちながら、自分でとった写真を他の機器で見ることができ、尚且つ、むやみなコピーを禁止することができるので、気軽に多くの人に撮影したものを見せられ、皆で同画面を楽しめる電子カメラを提供することができる。
【0035】
次に、第3の実施の形態について説明する。電子カメラで得られた画像を個人の記憶補助として楽しむだけでなく、撮影者以外の人も巻き込んで楽しめるものにするためには、種々の方法が考えられるが、この第3の実施の形態では、画像以外の情報である音声を付加してより多くの人に解り易く記録を提示する一形式として、4駒漫画形式を提案している。
【0036】
図7は第3の実施の形態に係る電子カメラの構成を示す図である。
主な構成は図4と同じであるが、音声もデジタル記録できるように、マイク40にアンプ等からなる音声入力回路41が接続され、A/D変換器42によってデジタル信号に変換された音声信号が、CPU30を経てメモリ28に入力される。音声入力の時間は、画面を順次切換える時の時間を兼ねており、そのときの時間を録音中に画面表示できるようにタイマ部47が配設されている。
【0037】
録音時間より画面表示期間が長い時には無録音時間を設ければよい。これにより、画面切換え設定スイッチを録音スイッチと兼ねることができ、低コスト化や小型化に貢献することができる。また、再生時にはメモリ28から読み出されたデジタル信号がD/A変換器43にてアナログ信号に変換した後、アンプ44で増幅しスピーカ45から音声を出力する。
【0038】
また、第3の実施の形態では、受信部32に信号レベル検出回路50を配設し、送信側と受信側の距離が離れ過ぎていたり、間に障害物があったりして信号が十分な強度で入ってこない時には、CPU30がこれを検知して警告を発することができるようにした。この警告により、受信している機器を持った人が発信側に近づけばより確実な受信が可能となる。かかる工夫がないと、上述のような障害でうまく画像が送られない時にも、受信者は何時までも信号が入って来るのを待ちつづけてしまう。第3の実施の形態では、そうした使い勝手上の不便さをも解決している。
【0039】
ここで、図8(a)は第3の実施の形態に係る電子カメラの背面の外観を示している。同図に示されるように、先に示した図3(b)と同様、電子カメラの所定位置には、液晶等からなる表示部6の表示画面、レリーズスイッチ7、撮影切換スイッチ10や送信スイッチ8が配設されている。また、この実施の形態の特徴として、音声の録再に対応してマイク40にスピーカ45が配置されている。
【0040】
さらに、録音スイッチ60は、前述のように、再生時の画面表示時間設定スイッチを兼ねている。この録音スイッチ60が押されている間はマイク40から録音がなされると共に表示部6の表示画面には時間表示がなされる。
【0041】
この他、所定位置には、画面選択スイッチ61、4駒漫画再生スイッチ62、4駒漫画用の起承転結設定スイッチ63も配設されている。このスイッチ61乃至63が押下されると、画面上に順次画像が現われて、スピーカ45からは対応した音声が出力される。
【0042】
また、画像と音声は別々に記録されたものを後で対応させることができ、4駒漫画を構成する起承転結に対し音と絵が入力されているか否かは、例えば4駒漫画再生スイッチ62を押した時に、図8(b)に示されるように画面上で表の形式で確認できるようにしてもよく、更には図11に示されるようにマルチ画面で表示してもよい。尚、図11に示されている数字は、録音された時間及び画面切換時の表示時間を表わしており、かかる数字の無いところはこれから録音が必要であることを示している。
【0043】
以下、図9のフローチャートを参照して、第3の実施の形態による4駒漫画作成時のシーケンスを説明する。
先ず、CPU30は、録音スイッチ60をダブルクリックするなどの操作により録音モードが選択されているか否かを判定し(ステップS60)、録音モードが設定されていないときには、選択スイッチ61などの操作によりユーザーが四駒漫画を構成する画面を選択できるようにする(ステップS61)。
【0044】
次いで、選択された画面の上に、「起承転結を選択してください」という表示が出る(ステップS62)。この時、ユーザーが起承転結スイッチ63のいずれかを押すことにより、表示されている画面が四駒漫画のどの部分を構成するかをCPU30が認識し(ステップS63)、その結果に従った画像データがメモリ部28に記憶される(ステップS64)。
【0045】
また、その画像データが既に記憶されているメモリの指定方法を、スイッチの選択結果に従って変更するようにしてもよい。続いて、CPU30は、このような操作によって4駒全て選択が終了したかどうかを判定し(ステップ65)、画像、音声共に設定が終了していない時には、終了駒を表示して、ユーザーに更なる画面選択又は音声収録の必要な旨を伝える(ステップS70)。
【0046】
一方、上記ステップS60にて録音モードが選択されていることが判断されると、ステップS80に分岐し、表示部6上に「起承転結を選んでください」という表示を出すので、ユーザーがこれを起承転結スイッチ63で選択すると、CPU30はその結果を検出し(ステップS81)、表示部上に「録音SWを押してください」という表示を出す(ステップS82)。ユーザーが録音スイッチを押したことを判別すると(ステップS83)、CPU30はマイク40等をイネーブル状態にして音声を所定のメモリに記憶させていく(ステップS84)。
【0047】
また、図12に示されるように、画面上で実際には収録することのできない効果音を表示し、これらを例えば起承転結スイッチ等で選択できるようにすれば、より効果的に画像情報を補足することが出来る。つまり、録音中に例えば「転」のスイッチを押せば、そのタイミングで再生時に「ドロドロドロ」という効果音がスピーカー45から出力される。この時、タイマ47を作動させ、この計時結果を表示部6上に示す。録音スイッチ60から指を放せば(ステップS85)、その駒の録音は終了したとみなされる(ステップS86)。終了時には、ステップS65へと分岐し、終了時にはCPU30は4駒漫画再生スイッチ62の操作状態を検出する(ステップS66)。
【0048】
4駒漫画再生スイッチ62が押されるとステップS67に進み、起承転結の順番で、尚且つ録音釦の押されていた時間に従ってその駒の表示時間を決めながら順次、画像と音声の再生を行う。この後、保存スイッチが押されると、これを判定し(ステップS68)、プロテクトをかける等の処理をして4つの画像と音声をひとまとめに認識した形でメモリ部28に保存する(ステップS69)。この時、このひとまとめに対してファイル名をつけられるようにしてもよい。
【0049】
また、修正時には、選択スイッチ61を押す等の操作にてステップS71よりステップS60に戻るようにする。4駒漫画にファイル名をつけられる仕様なら、その前に画面にファイル名一覧を表示して、ユーザーが選択スイッチ61等の操作にてファイル選択できるようにすればよい。
【0050】
そして、修正がないときには、ステップS72にて送信スイッチを受け付けられるようにし、先に図5等で説明したように暗号信号を送信した後、画像信号を送信する。先の実施の形態と異なるのは、画像が複数(4駒)であり、音声信号を伴っている点だが、その他は同様である。
【0051】
次に図10のフローチャートを参照して、第3の実施の形態の受信時のシーケンスを説明する。CPU30は、送信部31から暗号信号を受信したか否かを判定し(ステップS100)、受信していない場合には、所定時間カウントし(ステップS111)、この暗号信号が受信されないことが判定されるとシーケンスを終了するが、受信されると受信側から送信側に対し送信部31を介して同期信号を発信する(ステップS101)。
【0052】
この同期信号に同期して、所定のプロトコルで画像信号と音声信号が送信側から送られて来るので、受信部32とレベル判定部50を用いて信号レベルを判定する(ステップS102)。信号レベルが所定レベルより小さいとステップS120に分岐して表示部6上に警告表示を行う。ユーザーは、この警告を見た時にはもっと送信している人に近づけばよい。
【0053】
信号レベルが十分な時には受信信号を次々に所定のメモリ部28に記憶して行く(ステップS103)。信号受信を終了すると、ステップS104にてステップS105に分岐し、起承転結を構成する画像と音声のうち、先ず「起」の部分の画像及び音声が各々表示部6とスピーカ45から再生される。この表示は、ステップS107により音声信号が再生されている間だけ表示される。
【0054】
起承転結の「承」についても同様の再生が行われ(ステップS108〜S110)、「転」の部分の再生が同様に行われ(ステップS121〜S123)、「結」の部分の再生が同様に行われる(ステップS124〜S126)。
【0055】
こうして、ステップS127では表示を終了させ、再度見たい時は4駒漫画再生スイッチ62を押すことにより、ステップS128からステップS105に戻り、同様の表示が繰り返される。
【0056】
このように第3の実施の形態では、多くの人が画像を楽しめるように、画像信号に加え、音声信号も転送可能とした。また、複数の画像を所定の順番と時間で音声を伴いながら表示していくようにしたので、従来のスチル写真では得られなかった説得力で鑑賞者に訴えることができる。また、信号が弱い時には警告表示を出すので、失敗のない通信が可能となる。
【0057】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、説明を簡単にするために、2台の装置間の通信について説明したが、信号の同期がとれていれば拡張可能であり、順次他の機器と通信していけば3台、4台と拡張応用は可能であることは勿論である。また、複数の機械が受信モードになっていても、暗号に従って同期タイミングを変える等の工夫を更に施すことで、見せたくない人の機器に信号が受信されてしまい再生されてしまうことを防止することができる。
【0058】
以上説明したように、本発明によれば、小型で持ち運び易く、しかも沢山の人が同じ画像を楽しむ事ができるよう機器間の通信を可能とし、各機器上で同じ画像を楽しめるようにした。また、こうした通信を行おうとすると、自分で撮影した画像と通信により表示されている画像が区別できなくなったり、見せたくない人の機器に画像が送られてしまったり、撮影者の知らないうちに記憶されてしまったりするという、様々な問題を生じるが、本発明においてはこれらの問題点を解決して、気軽に沢山の仲間たちと撮影した画像の鑑賞ができる。また、幾つかの画像が決められた順番、決められた時間間隔で、所定の音声を伴って再生させることにより、撮影者以外の多くの人がその画像を解り易く楽しめる。
【0059】
なお、本発明の上記実施態様によれば以下のごとき構成が得られる。
(1)画像信号を出力する撮像手段と、撮影した画像を記憶する記憶手段と、画像を表示する表示手段とを有する電子カメラにおいて、
上記画像信号を送信する送信手段と、
送信された画像信号を受信する受信手段と、
送信モードと受信モードとを切り換える送受信切換手段と、
上記受信手段により受信された画像を上記表示手段に表示するときに、上記表示手段の表示形式を変更する表示制御手段と、
を具備することを特徴とする電子カメラ。
(2)画像信号を出力する撮像手段と、撮影した画像を記憶する記憶手段と、画像を表示する表示手段とを有する電子カメラにおいて、
上記画像信号を送信する送信手段と、
送信された画像信号を受信する受信手段と、
上記信号送信に先立って送られる暗号及び、または上記画像信号受信時の暗号を設定する暗号設定手段と、
他の電子カメラからの上記暗号信号と上記画像信号とを上記受信手段により受信したときに、上記設定された暗号と受信された暗号を比較する比較手段と、
上記比較手段の出力に応じて上記画像信号を上記表示手段に表示するか否かを決定する表示制御手段と、
を具備することを特徴とする電子カメラ。
(3)画像信号を出力する撮像手段と、撮影した画像を記憶する記憶手段と、画像を表示する表示手段とを有する電子カメラにおいて、
上記画像信号を送信する送信手段と、
送信された画像信号を受信する受信手段と、
上記受信された信号が所定の信号が含まれているか否かを検出する検出手段と、
上記検出手段の出力に応じて、上記受信された画像信号を上記記憶手段へ記憶するか否かを制御する制御手段と、
を具備することを特徴とする電子カメラ。
(4)画像信号を出力する撮像手段と、撮影した画像を記憶する記憶手段と、画像を表示する表示手段とを有する電子カメラにおいて、
上記画像信号を送信する送信手段と、
送信された画像信号を受信する受信手段と、
表示手段と、
上記受信された信号が所定の信号レベルを有するかを判定する信号レベル判定手段と、
上記信号レベル判定手段の出力結果に応じて、上記表示手段に警告信号を出力する警告手段と、
を具備することを特徴とする電子カメラ。
(5)画像信号記録及び音声信号記録再生機能を備えた電子スチルカメラにおいて、
録音時間を設定するスイッチと、
次の画面を設定するスイッチと、
上記録音時間設定スイッチにより設定された内容に応じて、その画面の表示から、次の画面表示に移行する画面制御手段と、
を具備したことを特徴とする電子スチルカメラ。
(6)予め準備された複数の効果音の中から一つを選択する効果音選択スイッチを備え、上記スイッチの選択信号に応じて、上記画像再生時に上記選択された効果音を再生することを特徴とする上記(5)に記載の電子スチルカメラ。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、小型で携帯し易く、通信機能を有し、撮影画像と通信により得られた表示画像とを区別することができ、且つ通信先の選択及び当該送信先での記憶禁止を制御することができる電子カメラを提供することができる。また、複数の画像を所定の順番と時間で音声を伴いならが表示していくようにしたので、従来のスチル写真では得られなかった説得力で鑑賞者に訴えることができる電子カメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る電子カメラの構成を示す図である。
【図2】表示切換部5によって切換えられた表示部6の画面の様子を示す図である。
【図3】第1の実施の形態に係る電子カメラの外観図を示し説明する。
【図4】第1の実施の形態に係る電子カメラの詳細な構成を示す図である。
【図5】第1の実施の形態に係る電子カメラの動作を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態に係る電子カメラの動作を示すフローチャートである。
【図7】第3の実施の形態に係る電子カメラの構成を示す図である。
【図8】(a)は第3の実施の形態に係る電子カメラの背面の外観を示す図で、(b)は4駒漫画を構成する起承転結に対し音と絵が入力されているか否かを識別する表を示す図である。
【図9】第3の実施の形態による4駒漫画作成時のシーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図10】第3の実施の形態の受信時のシーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図11】作成された4駒漫画表示をマルチ画面の表示した様子を示す図である。
【図12】効果音を選択する画面表示を示す図である。
【図13】(a)は一台のDSCを多数の人で観察する様子を示し、(b)は通信により同一画像を複数のDSCに同時に表示した様子を示す図である。
【符号の説明】
1…電子スチルカメラ、2…撮像制御部、3…メモリ、4…通信部、5…表示切換部、6…表示部、7…レリーズスイッチ、8…送信スイッチ、9…送受信切換スイッチ、10…暗号設定部。

Claims (4)

  1. 画像モニタ手段を有する複数の電子カメラ間で、画像情報を含む信号を双方向に転送可能な電子カメラにおいて、
    自身で撮像した画像信号を送信すると共に、相手方から送信された画像信号を受信する送受信手段と、
    上記送受信手段により相手方から送信された画像信号を記憶する記憶手段と、
    特定の相手方のみに画像信号を送信するための暗号を生成する暗号発生手段と、
    少なくとも、撮像信号を帯域圧縮し、上記暗号発生手段により生成された信号を付加して、上記送受信手段に信号出力する制御手段と、
    を具備することを特徴とする電子カメラ。
  2. 自身が送信した画像信号を相手方が記憶することを禁止するプロテクト信号を発生する手段を備え、上記制御手段は、帯域圧縮と暗号付加との他に、上記プロテクト信号を付加して、上記送受信手段に信号出力することを特徴とする請求項1に記載の電子カメラ。
  3. 上記双方向の信号転送は、ワイヤレス通信方式により達成されることを特徴とする請求項1に記載の電子カメラ。
  4. 画像信号を出力する撮像手段と、撮像した画像を記憶する記憶手段と、画像を表示する表示手段とを有する電子カメラにおいて、
    自身で撮像した画像信号を送信すると共に、相手方から送信された画像信号を受信する送受信手段と、
    上記画像信号送信時及び受信時の暗号を設定する暗号設定手段と、
    上記暗号設定手段により設定された受信時の暗号と、上記送受信手段により受信された暗号とを比較する比較手段と、
    上記比較手段の出力に応じて上記画像信号を上記表示手段に表示するか否かを決定する表示制御手段と、
    を具備することを特徴とする電子カメラ。
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