JP3549180B2 - 電子部品実装用フィルムキャリアテープ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明はICあるいはLSIなどの電子部品を実装するフィルムキャリアテープ(TAB(Tape Automated Bonding)テープ)に関する。特に本発明は、インナーリードのピッチ幅が30μm以上60μm未満である従来よりも狭ピッチのリードパターンを有するTABテープに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
近年ノートパソコンなどの電子機器がますます小型化、軽量化している。また、半導体ICの配線もさらに微細化している。ICあるいはLSIをプリント配線板に搭載するため、または、液晶ディスプレイ装置の駆動ICを液晶基板に接続するため等に使用される電子部品実装用フィルムキャリアテープに形成される配線パターンについてもファインピッチ化の要請が高い。
【0003】
従来、上記のようなデバイスは、基板である絶縁フィルムに、搭載されるデバイスよりも大きいデバイスホールを形成し、このデバイスホールの縁部からデバイスホールの内側に向かって導体箔を多数のインナーリードとして延出し、このインナーリードにスズメッキを施した後、配線パターンの形成されていない絶縁フィルム面側(裏面)から、このインナーリードにデバイスに形成されたバンプ電極を接合することにより装着される。すなわち、絶縁フィルム面側の裏面からデバイスを挿入し、デバイスに形成されたバンプ電極とインナーリードとを加熱圧着接合することにより、バンプ電極を形成する金とインナーリードの表面のスズメッキ層のスズとが共晶合金を形成してインナーリードとバンプ電極とがボンディングされる。
【0004】
従来、TABテープのインナーリードのピッチ(P0)は100μm程度であったが、
近時このリードピッチ(P0)を60〜80μmにすることが提案されており(例えば、
特開5-160208号公報等参照)、さらに、最近では、このリードピッチを60μ
mよりも狭くすることが検討されつつある。
【0005】
また、一方で、上記のようにリードピッチ幅が狭くなるにつれて、インナーリードを形成する銅箔も薄くなってきており、18〜36μm前後の厚さの銅箔が使用されている。TABテープで使用されている銅箔には、圧延銅箔および電解銅箔があるが、ファインピッチのTABテープを形成するには、より薄い銅箔を形成可能な電解銅箔を使用することが好ましい。
【0006】
このような電解銅箔は、その製造工程において、ドラムに接した面(シャイニイ面)と、銅が析出終了する面(マット面)とがあり、通常は、絶縁フィルムからなる基板との接着性を考慮して、マット面が絶縁フィルムの表面と対面するように配置して接着されている。このマット面の表面粗度は、通常4〜6μm程度であり、シャイニイ面よりも表面が粗く、この粗い表面が接着剤に対してアンカー効果を奏するために絶縁フィルムと強固に接着することができる。
【0007】
ところが、リードピッチ幅が60μmに満たないようなファインピッチのTABテープはインナーリードの強度不足による曲がりなどの変形や、インナーリード間の間隔がより小さくなることによりマット面にバンプ電極がボンディングされるようにデバイスを配置してボンディングすると、バンプ電極をボンディングするために形成される金−スズ共晶合金が過剰に生成し供給されると、この過剰の金−スズ共晶合金が、リードから横方向に漏出して隣接するリードとの間で短絡し易く、またスズメッキ部に発生するウィスカーで短絡し易いという問題がある。
【0008】
ところで、特開平5−160208号公報には、電解析出により得られたマット面の全面が整面された電解銅箔を用いてリードパターンを形成したキャリアテープが開示されている。この公報には、ピッチが60〜80μmのリードパターンを形成する際にマット面の表面を1〜2μmに化学的に整面処理した電解銅箔を使用することが開示されており、ここで使用されている電解銅箔の整面処理後の銅箔厚さは18〜30μmである。このようにマット面の全面が化学的に整面処理された銅箔を使用することにより、所要のリード強度を有すると共に、高い信頼性を有するキャリアテープが提供されることが示されている。
【0009】
しかしながら、上記のようにマット面の整面処理によれば、電解銅箔の厚さが35μm(1オンス)、あるいは18μm(1/2オンス)程度まではインナーリードの強度を低下させることなくインナーリードを形成することができるが、インナーリードピッチ60μmが限度であり、リードピッチが60μm未満であると、さらに薄い電解銅箔を使用する必要があり、こうした化学的整面処理(化学研磨)では、パターン有効断面積が減少し、インナーリードの強度不足による曲がりなどの変形が発生し易くなる。また、このような化学的整面処理を行う際には、シャイニイ面にレジストを塗布して保護した後、マット面を塩化第2鉄のような銅の腐食液で処理し、処理後は、シャイニイ面のレジストを除去することが必要になり、非常にその整面化工程が煩雑になる。また、こうした化学的整面処理では化学研磨反応がマット面を均一に処理するように制御することが難しく、均一に化学研磨反応が進行しない場合、インナーリードの強度が部分的に低下するとの問題がある。
【0010】
なお、特開平3−296238号公報には、銅箔として無粗面化銅箔を用いたTABテープが開示されており、この無粗面化銅箔の表面平均粗度は0.01〜1μmの範囲内にあることが記載されている。
【0011】
しかしながら、この公報に開示されている表面平均粗度が0.01〜1μmの範囲内にある無粗面化銅箔は、圧延銅箔であり、このような無粗面化圧延銅箔は、表面粗度が低すぎるために、充分なピール強度(接着強度)を確保することができない。このため銅箔を予備加熱したりあるいはローラーの大型化することによって、圧延銅箔表面に薄い亜酸化銅の被膜を形成することが必要となり、その調整工程が煩雑になるとの問題がある。また、このような圧延銅箔を用いたのでは、ピッチ幅が30μm以上60μm未満といった非常にファインピッチのTABテープを形成することは極めて困難である。
【0012】
【発明の目的】
本発明は、電子部品を実装するキャリアテープを、ファインピッチ化、殊にインナーリードのピッチ幅を30μm以上60μm未満にすることができるTABテープを提供することを目的としている。
【0013】
さらに詳しくは本発明は、ファインピッチ化しても、インナーリードの曲がりなどの変形が少なく、またデバイスをボンディングした際に短絡の生じにくい、30μm以上60μm未満のピッチ幅のTABテープを提供することを目的としている。
【0014】
【発明の概要】
本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープは、
絶縁フィルムに接着剤層を介して銅箔を貼着し、該銅箔をエッチングして所望の配線パターンを形成した電子部品実装用フィルムキャリアテープであって、
該絶縁フィルムに、デバイスを搭載するためのデバイス搭載手段が形成されており、
該デバイス搭載手段に延出された配線パターンであるインナーリードのピッチ幅が30μm以上60μm未満であり、
そして、該インナーリードが、平均表面粗度が3.5μm未満である整面されていない
電解銅箔面のシャイニイ面が絶縁フィルムに対面して接着剤で該絶縁フィルムに接着された電解銅箔から形成されていると共に、該インナーリードの少なくともバンプ電極接合面にスズメッキ層が形成されており、該バンプ電極との接合面が、インナーリードを形成する電解銅箔のシャイニイ面であることを特徴としている。
【0015】
本発明のキャリアテープはインナーリードのピッチ幅が30μm以上60μm未満と非常にファインピッチであるにも拘わらず、バンプ電極接合面に平均表面粗度が3.5μm未満である整面化していない電解銅箔面を配し、しかもこのインナーリードのバンプ電極接合面にスズメッキ層を形成したことにより、バンプ電極を形成する金とスズとの共晶合金によってインナーリードとバンプ電極とを良好にボンディングすることができると共に、この際、電解銅箔のバンプ電極接合面側の粗度が、従来の粗度よりも3.5μm未満と小さく、その結果、電解銅箔の表面積もその分小さくなり、電解銅箔表面に形成されるスズ量もその分少なくなり、金−スズ共晶合金が過剰に形成されることがなく、従って、金−スズ共晶合金が漏出することによる隣接するインナーリード間の短絡の発生を防止できる。
【0016】
また、化学研磨をしていないので、リードパターンの有効断面積の減少もなくインナーリードの強度が部分的に低下することがなく、従って、薄い電解銅箔を使用することが可能となる。
【0017】
さらに、本発明の整面していない電解銅箔をそのまま用いるので、工程が煩雑にならず、従来のTABテープの製造装置をそのまま利用することができる。
さらに、この整面化していない電解銅箔の平均表面粗度が1.0μm以上3.5μm未満であることから、絶縁フィルムとの接着強度も充分に高い。
【0018】
また、電解銅箔のシャイニイ面(光沢面)を絶縁フィルムに接着し、粗面側から電解銅箔をエッチングしてパターンニングすることにより、エッチングファクターの大きい(すなわち有効断面積の大きい)強度の優れたインナーリードが得られる。
【0019】
さらに、スズメッキをした後、フラッシュメッキを行うことにより、ウィスカーの成長を抑えウィスカによる短絡を防止できる。
【0020】
【発明の具体的説明】
次に、本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープについて図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下に示す図面において共通の部材には共通の付番を付してある。
【0021】
図1(A)は、本発明のデバイスが搭載された電子部品実装用フィルムキャリアテープの例を模式的に示す平面図であり、図1(B)は、インナーリード部を拡大して示す図であり、図1(C)は、図1(A)におけるX−X断面図である。
【0022】
図1に示すように、本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープ1は、絶縁フィルム10と、この表面に、接着剤層12により貼着された電解銅箔からなる配線パターン14がこの順序で積層されてなる。また配線パターン14は、デバイス23に設けられたバンプ電極25との接続部分(ボンディング部分)であるインナーリード15と、このインナーリード15から外方向に延出されて、外部の電子部材と接続するためのアウターリード16とからなる。
【0023】
本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープ1を構成する絶縁フィルム10は、可撓性樹脂フィルムからなる。また、この絶縁フィルム10は、エッチングする際に酸などと接触することからこうした薬品に侵されない耐薬品性、および、ボンディングする際の加熱によっても変質しないような耐熱性を有している。このような可撓性樹脂フィルムを形成する樹脂の例としては、ガラスエポキシ、BTレジン、ポリエステル、ポリアミドおよびポリイミドなどを挙げることができる。特に本発明ではポリイミドからなるフィルムを用いることが好ましい。
【0024】
絶縁フィルム10を構成するポリイミドフィルムの例としては、ピロメリット酸2無水物と芳香族ジアミンとから合成される全芳香族ポリアミド、ビフェニルテトラカルボン酸2無水物と芳香族ジアミンとから合成されるビフェニル骨格を有する全芳香族ポリアミドを挙げることができる。特に本発明ではビフェニル骨格を有する全芳香族ポリアミド(例;商品名:ユーピレックス、宇部興産(株)製)が好ましく使用される。このような絶縁フィルム10の厚さは、通常は25〜125μm、好ましくは50〜75μmの範囲内にある。
【0025】
このような絶縁フィルム10には、デバイスホール20、スプロケットホール21、アウターリードの切断穴(図示なし)などがパンチングにより形成されている。
【0026】
配線パターン14は、上記のような所定の穴が形成された絶縁フィルム10に、絶縁性の接着剤を塗布して接着剤層12を形成し、この接着剤層12と電解銅箔のシャイニイ面とが接触するように配置して接着し、この電解銅箔をエッチングすることにより形成される。
【0027】
ここで使用される接着剤には、耐熱性、耐薬品性、接着力、可撓性等の特性が必要になる。このような特性を有する接着剤の例としては、エポキシ系接着剤およびフェノール系接着剤を挙げることができる。このような接着剤は、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などで変成されていてもよく、またエポキシ樹脂自体がゴム変成されていてもよい。このような接着剤は、加熱硬化性である。このような接着剤層の厚さは、通常は8〜23μm、好ましくは10〜21μmの範囲内にある。このような接着剤からなる接着剤層12は、絶縁フィルム10の表面に塗設して設けても良いし、また電解銅箔の表面に塗設して設けても良い。
【0028】
上記のようにして絶縁フィルム10上に貼着された電解銅箔のマット面にフォトレジストを塗布し、配線パターンを焼き付けた後、現像して余剰のフォトレジストを除去し、次いでエッチングすることにより配線パターン14が形成される。
【0029】
本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープ1において、上記のようにして配線パターンを形成する銅箔は、電解銅箔である。ここで使用される電解銅箔の厚さは、通常は6〜25μmの範囲内、好ましくは9〜18μmの範囲内にある。このような薄い電解銅箔を使用することにより、狭ピッチ幅のインナーリードを形成することができる。
【0030】
すなわち、このような電解銅箔は、その製造の際にドラムと接触しているシャイニイ面(光沢面)30と銅の析出終了面であるマット面(粗面)とを有しており、図2に示すように、本発明では、接着剤層12を介して絶縁フィルム10と接着される面はシャイニイ面30である。本発明で使用される銅箔のシャイニイ面30は、平均表面粗度(Rz)が3.5μm未満、好ましくは1.0μmを超え3.25μm以下である。本発明では、このような平均表面粗度(Rz)のシャイニイ面30を整面せずにそのまま使用する。
【0031】
上記のような電解銅箔を用いて本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープ1に形成されるインナーリード15のピッチ幅(P)は30μm以上60μm未満の範囲内にあり、好ましくは35〜55μmの範囲内にあり、従来の電子部品実装用フィルムキャリアテープに形成されるインナーリードのピッチ幅よりも狭い。このようなピッチ幅で形成されているインナーリード15の幅(W)は、通常は10〜50μm、好ましくは15〜45μmの範囲内であり、また、隣接するインナーリード15,15の間隙幅(S)は通常10〜50μm、好ましくは15〜45μmの範囲内にある。
【0032】
このようなインナーリード15の表面には、スズメッキ層31が形成されている。このスズメッキ層21は、無電解メッキ法により形成することが好ましい。こうして形成されるスズメッキ層31の厚さは、通常は0.01〜1μm、好ましくは0.05〜0.7μmの範囲内にある。このようにスズをメッキすると、インナーリード15表面の銅の一部がスズで置換されてスズメッキ層を形成する。さらに、上記のようにして一旦スズメッキ層を形成し、ウィスカーの発生を防止するために加熱処理した後、フラッシュメッキ法で、非常に薄いスズメッキ層を形成することにより、インナーリード15の表面に純度の高いスズメッキ層31を形成することができる。こうしたフラッシュメッキ法により形成されたスズメッキ層は加熱処理を行わなくとも、ウィスカーが成長しにくい。このフラッシュメッキ法によるスズメッキ層の厚さは通常は0.01〜1μm、好ましくは0.05〜0.7μmの範囲内にあり、こうして形成されたスズメッキ層31の合計の厚さは、通常は0.02〜2μm、好ましくは0.1〜1μmの範囲内にある。
【0033】
上記のようにして形成されるスズメッキ層31は、上記のように平均表面粗度が低い場合には、電解銅箔の表面の形状にほぼ追随して均一に形成される。
図2に(B)示すように、インナーリード15とデバイスのバンプ電極25とは、インナーリード15の表面から供給されるスズと、バンプ電極25から供給される金とによって金−スズ共晶合金33を形成してこの金−スズ共晶合金33によりボンディングされる。インナーリード15とバンプ電極25とをボンディングする共晶合金33は、バンプ電極25の底部の全面がインナーリード15と接合する量形成されれば充分であり、このためにはバンプ電極25の底部が接触するインナーリード15表面のスズの量が一定していることが必要になる。
【0034】
図2(B)および(C)では、インナーリード15のバンプ電極25接合面の電解銅箔の平均表面粗度(Rz)が3.5μm未満、好ましくは1.0μmを超え3.25μm以下の範囲内にあることから、このインナーリード15のバンプ電極15接合面には、過不足のないスズメッキ層31が形成されているため、バンプ電極をボンディングした際に、バンプ電極底面全体がインナーリード15とボンディングされるのに必要かつ充分な金−スズ共晶合金33が形成される。
【0035】
これに対して図3には、平均表面粗度(Rz)が3.5μm以上の銅箔の表面にスズメッキ層31を形成したインナーリード15にバンプ電極25をボンディングしたときの状態を模式的に示している。このように、平均表面粗度(Rz)が3.5μm以上のインナーリード15の表面に、上記と同様にしてスズメッキ層31を形成すると、インナーリード15表面の凹凸が大きくなることにより、表面積が増え、形成されるスズメッキの量が多くなる。このようなスズメッキ層31にバンプ電極25をボンディングすると、金−スズ共晶合金33が過剰に供給され、図3(B)に示すように、金−スズ共晶合金33がデバイス23に生成し形成されたバンプ電極25のボンディング位置からはみ出すことがある。従来のTABテープのようにインナーリード15のピッチ幅が広い場合には、それほど問題になることはないが、ピッチ幅が30μm以上60μm未満というようにピッチ幅の狭いTABテープにおいては、過剰に供給された金−スズ共晶合金が横方向に流れ出し、隣接するインナーリード15のボンディング部との間に短絡35を生ずることがある。
【0036】
本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープ1では、バンプ電極25のボンディング面として、平均表面粗度(Rz)が3.5μm未満、好ましくは1.0μmを超え3.25μm以下の整面されていない電解銅箔面を使用しているので、インナーリードの強度を大きく、またバンプ電極25のボンディングの際に金−スズ共晶合金33が過剰に生成し、供給されることがなく、また、バンプ電極25の底部とインナーリード15とが確実にボンディングされる。
【0037】
このような平均表面粗度を有する整面されていない電解銅箔面としては、上記のような表面粗度になるように調整されたドラムを用いて製造された電解銅箔のシャイニイ面を挙げることができる。すなわち、本発明では、上記のように平均表面粗度を有するように調整されたドラムを用いて銅箔厚さが通常は6〜25μmの範囲内、好ましくは9〜18μmの範囲内なるように電解銅箔を製造し、こうして製造された電解銅箔のシャイニイ面を絶縁フィルム表面に塗設された接着剤層12を介して絶縁フィルム10表面に貼着して配線パターンを形成することにより、上記のようなバンプ電極25とのボンディング性の良いインナーリード15を形成することができる。なお、本発明においては、デバイス23は、絶縁フィルム10の配線パターン14が形成されていない面側(裏面)から搭載される。
【0038】
また、デバイス23を絶縁フィルム10の裏面に配置してボンディングする本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープ1では、整面されていない電解銅箔の表面の平均表面粗度(Rz)の下限値が通常は1μmを超えていることから、接着剤に対して良好な密着性を有しており、この整面されていない電解銅箔のピール強度は通常1kg/cm以上であり、良好な接着強度で絶縁フィルム10と接着している。
【0039】
そして、本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープ1では、整面されていない電解銅箔を使用していることから、化学研磨した場合のように整面処理によってインナーリード15の有効厚みが実質的に薄くならないので、電解銅箔が有している強度がほぼそのままインナーリード15の強度として発現する。さらに、化学研磨のように、インナーリード15が部分的に浸食されることもなく、使用する電解銅箔の強度に応じたインナーリード15を形成することができる。
【0040】
さらに、本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープ1では、整面処理することなく電解銅箔を使用するので、通常のTABテープ製造装置を、何ら改変することなくそのまま使用することが可能である。
【0041】
なお、上記の説明は、絶縁フィルムにデバイスを搭載するためのデバイス搭載手段としてデバイスホールが形成された態様を示しているが、デバイス搭載手段としては、こうしたデバイスホールの他に、絶縁フィルムに実装されるデバイスのバンプ電極に略対応する位置の絶縁フィルムに、バンプ電極と接触する配線パターンに対して略直交するとともに複数の配線パターンに渡って開口する少なくとも1条のスリットがパンチングすることにより形成されており、このスリットの上にバンプ電極と接触する配線パターンが差し渡して形成されているようにしたスリットを形成してもよい。また、スリットの代わりに、バンプ電極に対応した位置にバンプ電極を挿入するための独立したパンチホールを形成することもできる、これらの場合、通常は、デバイスホールは形成されない。
【0042】
【発明の効果】
本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープでは、バンプ電極のボンディング面に平均表面粗度(Rz)が3.5μm未満である整面されていない電解銅箔面を配してインナーリードを形成し、このインナーリードの表面にスズメッキ層を形成しているので、適量のスズメッキ層を形成することができる。従って、このインナーリードにバンプ電極をボンディングすると、適量の金−スズ共晶合金が形成され、バンプ電極とインナーリードとが良好にボンディングされ、過剰な金−スズ共晶合金が供給されることがない。従って、本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープにおけるインナーリードのピッチ幅は、30μm以上60μm未満であり、非常にファインピッチであるにも拘わらず、過剰な金−スズ共晶合金による隣接するインナーリード間の短絡が生じにくい。
【0043】
また、本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープでは、インナーリードが整面処理されていないので、特に化学研磨されていないので、インナーリードの強度は、用いた電解銅箔の強度とほぼ同様であり、整面処理した場合のように、インナーリードの有効断面積が減少し強度が低下することがない。
【0044】
さらに、本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープにおいては、平均表面粗度が1.0μm以上3.5μm未満の整面されていない電解銅箔面が接着剤層と接して絶縁フィルムに接着されることから、絶縁フィルムへの接着強度も高い。
【0045】
また、電解銅箔のシャイニイ面(光沢面)を絶縁フィルムに接着し、粗面側から電解銅箔をエッチングしてパターンニングすることにより、エッチングファクターの大きい(すなわち有効断面積の大きい)強度の優れたインナーリードが得られる。
【0046】
さらに、スズメッキをした後、フラッシュメッキを行うことにより、ウィスカーの成長を抑えウィスカによる短絡を防止できる。
このように本発明によれば、ファインピッチ化に対応した電子部品実装用フィルムキャリアテープが提供されるが、本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープは、従来のTABテープ製造装置を用いて製造することができる。
【0047】
【実施例】
次に本発明の実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0048】
【実施例1】
デバイスホールおよびスプロケットホールが形成されたポリイミドフィルム上にエポキシ系接着剤を塗布し、シャイニイ面の平均表面粗度(Rz)が3.0μmである厚さ18μmの電解銅箔を、シャイニイ面がポリイミドフィルムと対面するように配置してこのポリイミドフィルムに加熱圧着した。
【0049】
この電解銅箔の上にフォトレジストを塗布し、焼き付けした後、感光されていないフォトレジストを除去した。次いで、エッチング処理することにより、ポリイミドフィルム上に配線パターンを形成した。こうして形成されたインナーリードに厚さ0.4μmのスズメッキを施した後、加熱処理し、さらにスズをフラッシュメッキして合計0.5μmのスズメッキ層を形成した。
【0050】
こうして形成されたインナーリードのピッチ幅は、50μmであり、リード間隔は25μmであった。
こうして形成されたTABテープの裏面からデバイスをボンディングして短絡(ショート)不良発生率を調べたところ、ショート不良発生率は0%であった。
【0051】
上記のようにして製造されたTABテープのインナーリード厚さはアウターリードの厚さと同じ16μmであり、実質的にインナーリードのやせ細りは見られなかった。
【0052】
また、こうして形成されたインナーリードの引っ張り強度は、8gであり、電解銅箔の引っ張り強度と顕著な差は認められなかった。
結果を表1に示す。
【0053】
【実施例2】
実施例1において、平均表面粗度が2.5μmのシャイニイ面を有する電解銅箔を使用した以外は同様にしてTABテープを製造し、デバイスをボンディングした。
【0054】
得られたデバイスがボンディングされたTABテープについて、ショート不良率を調べたところ、0%であった。
結果を表1に示す。
【0055】
【比較例1】
実施例1において、平均表面粗度が4.0μmのシャイニイ面を有する電解銅箔を使用した以外は同様にしてTABテープを製造し、デバイスをボンディングした。
【0056】
得られたデバイスがボンディングされたTABテープについて、ショート不良率を調べたところ、50%であった。
結果を表1に示す。
【0057】
【比較例2】
実施例1において、平均表面粗度が3.5μmのシャイニイ面を有する電解銅箔を使用した以外は同様にしてTABテープを製造し、デバイスをボンディングした。
【0058】
得られたデバイスがボンディングされたTABテープについて、ショート不良率を調べたところ、10%であった。
結果を表1に示す。
【0059】
【比較例3】
実施例1において、平均表面粗度が4.0μmのマット面を有する厚さ18μmの電解銅箔を使用し、これをマット面を化学研磨して平均表面粗度(Rz)が3.0μmの化学研磨銅箔を製造し、この研磨面をポリイミドフィルムと対面するように配置した以外は同様にしてTABテープを製造した。
【0060】
こうして得られたTABテープの厚さは12μmであり、インナーリードの引っ張り強度は5gであり、原反である電解銅箔の引っ張り強度よりも著しく低下することが確認された。
【0061】
【表1】
Figure 0003549180

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の電子部品実装用電子部品実装用フィルムキャリアテープの例を示す平面図である。
【図2】図2は、本発明の電子部品実装用電子部品実装用フィルムキャリアテープにおけるインナーリード部分を拡大して示す図である。
【図3】図3は、従来のTABテープにおけるインナーリード部分を拡大して示す図である。
【符号の説明】
1・・・電子部品実装用フィルムキャリアテープ
10・・・絶縁フィルム
12・・・接着剤層
14・・・配線パターン(電解銅箔)
15・・・インナーリード
16・・・アウターリード
20・・・デバイスホール
21・・・スプロケットホール
23・・・デバイス
25・・・バンプ電極
30・・・シャイニイ面
31・・・スズメッキ層
33・・・金−スズ共晶合金
35・・・短絡

Claims (6)

  1. 絶縁フィルムに接着剤層を介して銅箔を貼着し、該銅箔をエッチングして所望の配線パターンを形成した電子部品実装用フィルムキャリアテープであって、
    該絶縁フィルムに、デバイスを搭載するためのデバイス搭載手段が形成されており、
    該デバイス搭載手段に延出された配線パターンであるインナーリードのピッチ幅が30μm以上60μm未満であり、
    そして、該インナーリードが、平均表面粗度が3.5μm未満である整面されていない
    電解銅箔面のシャイニイ面が絶縁フィルムに対面して接着剤で該絶縁フィルムに接着された電解銅箔から形成されていると共に、該インナーリードの少なくともバンプ電極接合面にスズメッキ層が形成されており、該バンプ電極との接合面が、インナーリードを形成する電解銅箔のシャイニイ面であることを特徴とする電子部品実装用フィルムキャリアテープ。
  2. 上記インナーリードのバンプ電極接合面の平均表面粗度が、1.0μmを超え3.25μm以下の範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の電子部品実装用フィルムキャ
    リアテープ。
  3. 上記インナーリードのバンプ電極接合面の平均表面粗度が、1.0μmを超え3.0μm
    以下の範囲内にあることを特徴とする請求項第1項または第2項記載の電子部品実装用フィルムキャリアテープ。
  4. 上記電解銅箔の厚さが、6〜25μmの範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記
    載の電子部品実装用フィルムキャリアテープ。
  5. 上記インナーリードに形成されているスズメッキ層の厚さが、0.01〜1μmの範囲
    内にあることを特徴とする請求項第1項記載の電子部品実装用フィルムキャリアテープ。
  6. 上記インナーリードに形成されているスズメッキ層が、厚さ0.01〜1μmの厚さに
    スズメッキした後、厚さ0.01〜1μmのフラッシュスズメッキをすることにより形成
    されていることを特徴とする請求項第1項記載の電子部品実装用フィルムキャリアテープ。
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