JP3548872B2 - 変調信号生成装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、楽音信号等の変調に使用される低周波信号を生成する変調信号生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビブラート演奏やトレモロ演奏を可能な電子楽器においては、モジュレーションホイールが設けられているとともに、LFO(Low Frequency Oscillator)が内蔵されている。そして、演奏操作により楽音を発生させつつモジュレーションホイールを操作すると、LFOから発生した低周波信号に従って、楽音の音量あるいは周波数が変化し、これにより、ビブラート演奏やトレモロ演奏が可能となる。また、LFOから発生する低周波信号の振幅は、モジュレーションホイールの操作量に応じて変化し、ビブラート効果やトレモロ効果のかかり具合を調整することもできる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、LFOにあっては、単に一定の波形(正弦波、三角波等)をモジュレーションホイールの操作に応じて振幅を変化させつつ発生させるものに過ぎないことから、その出力において振幅の正側と負側とは常に対象波形である。したがって、LFOから発生した低周波信号により楽音信号を変調すると、振幅の正側と負側とで同一深さの変調がかかり、振幅の正側と負側とで異なる態様で変調することは不可能であった。
【0004】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、振幅における正側と負側とを異なる態様で変調し得る変調信号を生成する変調信号生成装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明にあっては、所定信号の変調に使用される変調信号を発生する信号発生手段と、前記変調信号の振幅おける正側と負側の波形特性を各々設定する設定手段と、この設定手段により設定された各特性に従って、前記変調信号の正側と負側の波形特性を制御する制御手段とを有している。
【0006】
また、本発明の他の構成にあっては、所定信号の変調に使用される変調信号を発生する変調信号を発生する変調信号発生手段と、操作に応じて変化する変調情報を発生する変調情報発生手段と、この変調情報発生手段が発生する変調情報との関係において、前記変調信号の振幅における正側と負側の波形特性を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された各特性と前記変調情報とに従って、前記変調信号の正側と負側の波形特性を制御する制御手段とを有している。
【0007】
【作用】
前記構成において、設定手段により正側の波形特性と負側の波形特性とを各々設定すると、制御手段は、この設定された各特性に従って、信号発生手段から発生した低周波信号の正側と負側の波形特性を制御する。したがって、低周波信号は、振幅の正側と負側とにおいて異なる波形特性となり、かかる波形特性からなる低周波信号を用いて、例えば楽音信号の変調を行うことにより、当該楽音信号は多様な形態で変調される。
【0008】
また、本発明の他の構成においては、記憶手段が変調情報発生手段の発生する変調情報との関係において、変調信号の振幅における正側と負側の波形特性を記憶している。そして、変調情報発生手段から変調情報が発生すると、制御手段が記憶手段に記憶された各特性と変調情報とに従って、変調信号の正側と負側の波形特性を制御する。したがって、この構成においては、操作に応じて入力される変調情報に応じて、変調信号の正側と負側の波形特性が変化する。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図に従って説明する。この実施例は、本発明を音源内蔵型のMIDIキーボードに適用したものであり、図1に示すように、キーボード本体1には、鍵盤10が設けられているとともに、ベンドホイール2、及びモジュレーションホイール3が設けられている。この両ホイール2,3は、回動可能であって中立位置に付勢されている。さらに、キーボード本体1には、複数のスイッチで構成されるモジュレーションスイッチ部6、LCD表示部7、ボリュームレバー8、及び電源スイッチ9が設けられている。モジュレーションスイッチ部6には、振幅の正側あるいは負側を設定するための正負設定スイッチ、三角波、矩形波、正弦波等のLFO波形に対応した波形NO.を設定するためのLFO波形NO.設定スイッチ、LFOのレートを設定するための、LFOレート設定スイッチ、後述する感度と飽和値とを設定するための、感度記憶スイッチと飽和値記憶スイッチ、及びA,B,Cの各変換テーブルの何れかを選択するためのカーブNO.記憶スイッチが設けられている。
【0010】
図2は、このMIDIキーボードの全体構成を示すブロック図である。前記鍵盤10の操作情報及び前記操作子及びスイッチで構成されるパネルスイッチ部11の操作情報は、バスラインを介してCPU12に入力される。RAM13は、ワーク用であってCPU12の動作過程で必要なデータが記憶される。ROM14には、このMIDIキーボードを動作させるに必要なプログラムプログラム等が格納されており、CPU12はこのプログラムに従って動作し、前記LCD表示部7及びその他の各部を制御する。PCM ROM15には、複数の音色波形データが記憶されており、音源16はCPU12からの指示に従って動作し、PCM ROM15から波形データを読み出して楽音信号を生成するとともに、この楽音信号を変調する。エフェクタ17は、音源16から出力された楽音信号に所定の効果を付加し、この効果付加させれた楽音信号は、出力回路18及び出力端子19を外部のサウンドシステムに供給される。
【0011】
一方、CPU12にデジタルデータを供給するモジュレーション装置20には、図3に示すように、前記モジュレーションホイール3の操作方向及び操作量に応じて抵抗値が変化する可変抵抗器22と、この可変抵抗器22からの電圧が入力されるモジュレーションベンダ検出部21が設けられている。このモジュレーションベンダ検出部21は、乗算器22を介して変換テーブル選択部23に接続されており、この変換テーブル選択部23の出力は比較部38と選択部24とに与えられる。さらに、モジュレーション装置20には、正側感度記憶部25と負側感度記憶部26、正側飽和点記憶部27と負側飽和点記憶部28、正側波形記憶部29と負側波形記憶部30、正側レート記憶部31と負側レート記憶部32とが設けられいる。これら各記憶部25〜32は、CPU12によりその記憶状態を制御されるとともに、各出力は対応する選択部33〜36に与えられる。
【0012】
また、選択部33の出力は前記乗算器22に与えられる一方、選択部34の出力は前記比較部38と選択部24とに与えられ、この選択部24にはさらに比較部38の出力が与えられる。他方、選択部35,36の出力は、LFO作成部37に与えられ、正負検出部40はこのLFO作成部37により作成された低周波信号の振幅における正負を検出して、その検出信号Aを発生する。この検出信号Aは、選択部33〜36及び変換テーブル選択部23に入力される。また、乗算器39は、前記選択部24の出力とLFO作成部37の出力とを乗算し、その乗算したLFO波形をCPU12に送出する。
【0013】
前記モジュレーションベンダ検出部21は、図4に示すように、前記可変抵抗器22からの電圧値をデジタル変換すA/Dコンバータ42と、データ変換部43とで構成されている。このデータ変換部43は、A/Dコンバータ42からのデータが入力されるとともに、その出力がフィードバックされる。これによりデータ変換部43からは、前回のデータと今回のデータとを平均したデータが出力され、モジュレーションホイール3の急激な変化に対応し得るように構成されている。
【0014】
また、前記変換テーブル選択部23は、図5に示すように、前記信号AとCPU12からの信号とが各々入力される、正側テーブルNO.記憶部44と負側テーブルNO.記憶部45とを有している。この両記憶部44,45は、CPU12からの指示に従ってテーブルNO.A,B,Cのいずれかを記憶する。そして、前記信号Aが“正”である場合には、正側テーブルNO.記憶部44が、“負”である場合には負側テーブルNO.記憶部44が、各々記憶しているテーブルNO.をテーブル変換部46に出力する。
【0015】
このテーブル変換部46には、前記データ変換部43からベンダ出力が与えられるととに、テーブルNO.に対応して変換テーブルA,B,Cが記憶されている。各変換テーブルA,B,Cは、図6に示すように、横軸に前記モジュレーションベンダ出力部21からのベンダ出力(モジュレーション情報)を設定し、縦軸にLFO作成部37で作成される低周波信号の振幅の深さを設定した2次元テーブルである。そして、変換テーブルAにあっては、同図(a)に示すように、ベンダ出力に対して急峻に立ち上がった後緩慢に変化する特性であり、変換テーブルBにあっては、同図(b)に示すように、ベンダ出力に対して直線的変化する特性である。また、変換テーブルCにあっては、同図(c)に示すように、ベンダ出力に対して緩慢に立ち上がった後急峻に変化する特性である。
【0016】
また、前記正側及び負側感度記憶部25,26に記憶される感度の値は、図7に示すように、振幅の深さの最大値MAXに対するパーセンテージで記憶され、前記正側及び負側飽和点記憶部27,28に記憶される飽和点の値は、前記ベンダ出力(モジュレーション情報)の最大値MAXに対するパーセンテージで記憶される。したがって、例えば正側について、変換テーブルA(カーブA)を選択し、かつ、感度を65%、飽和点を70%とした場合には、同図(a)に示すように、カーブAは、その深さをMAXの65%に制限されるとともに、モジュレーション情報の70%で深さが最大となり、70%〜MAXまで深さが変化しない特性となる。また、例えば負側について、変換テーブルB(カーブB)を選択し、かつ、感度を90%、飽和点を40%とした場合には、同図(b)に示すように、カーブBは、深さはMAXの90%に制限されるとともに、モジュレーション情報の40%で深さが最大となり、40%〜MAXまで深さが変化しない特性となる。
【0017】
以上の構成にかかる本実施例において、モジュレーションスイッチ部6に設けられている正側設定スイッチを操作すると、正側の入力モードが形成される。この状態で、波形NO.レート、感度、飽和点を各々キー操作により入力するとともに、テーブルNO.A,B,Cの何れかを選択する。すると、正側波形記憶部29に波形NO.が記憶され、正側レート記憶部31にレートが記憶される。さらに、正側感度記憶部25に感度(%)が記憶され、正側飽和点記憶部27に飽和点(%)が記憶されるとともに、正側テーブルNO.記憶部44にテーブルNO.が記憶される。
【0018】
また、負側設定スイッチを操作すると、負側の入力モードが形成される。この状態で、波形NO.、レート、感度、飽和点を各々キー操作により入力する。すると、同様にして負側波形記憶部30に波形NO.が記憶され、負側レート記憶部32にレートが記憶される。さらに、負側感度記憶部26に感度(%)が記憶され、負側飽和点記憶部28に飽和点(%)が記憶されるとともに、負側テーブルNO.記憶部45にテーブルNO.が記憶される。
【0019】
すると、LFO作成部37は、振幅の正側が正側波形記憶部29及び正側レート記憶部31に記憶されている波形及びレートであって、かつ、振幅の負側が負側波形記憶部30及び負側レート記憶部32に記憶されている波形及びレートからなる低周波信号を作成して出力する。正負検出部40は、この低周波信号の振幅における正側と負側とを検出して信号Aを発生し、この信号Aは変換テーブル選択部23内の正負両テーブルNO.記憶部44,45、及び選択部33〜36に入力される。すると、信号Aが正側であった場合には、正側テーブルNO.記憶部44が記憶されているテーブルNO.を出力し、信号Aが負側であった場合には、負側テーブルNO.記憶部45が記憶されているテーブルNO.を出力する。また、各選択部33〜36は、信号Aが正側であった場合には、対応する正側の各記憶部25,27,29,31に記憶されているデータを選択して出力し、信号Aが負側であった場合には、対応する負側の各記憶部26,28,30,32に記憶されているデータを選択して出力する。
【0020】
一方、ユーザーがモジュレーションホイール3を操作すると、モジュレーションベンダ検出部21は、操作に応じたベンダ出力を発生する。このとき、選択部33は、信号Aの正負に応じて交互に、正側感度記憶部25に記憶されている感度(%)と、負側感度記憶部26に記憶されている感度(%)とを発生している。この感度とモジュレーションベンド検出部21からのベンダ出力とは、乗算器22において乗算される。
【0021】
したがって、変換テーブル選択部23には、この乗算器22を介して、ベンダ出力が各々感度に応じたパーセンテージで入力され、このベンダ出力は、変換テーブル選択部23においてテーブル変換部46に与えられる。すると、テーブル変換部46は、正側テーブルNO.記憶部44からテーブルNO.が出力されている場合には、当該テーブルNO.の変換テーブルにより、また、負側テーブルNO.記憶部45からテーブルNO.が出力されている場合には、当該テーブルNO.の変換テーブルにより、各々ベンダ出力を変換する。この変換されたベンダ出力は、比較部38と選択部24とに入力される。
【0022】
他方、選択部34は、同様にLFO作成部37により作成される低周波信号の周期と同期して、正側飽和点記憶部27と負側飽和点記憶部28とから、交互に記憶されている飽和点を選択して出力している。この出力は、比較部38と選択部24とに入力される。すると、比較部38は、変換テーブル選択部23からの出力と、選択部34からの出力とを比較し、図7(a)(b)に例示したように、当該感度のカーブに従ったベンダ出力が飽和点となった時点で、当該レベルの信号を発生する。すると、選択部24は、それまで選択していた変換テーブル選択部23側からの入力に代えて、比較部38が発生したその時点のベンダ出力に対応するレベルを選択する。したがって、選択部24からの出力は、図7(a)(b)をもって説明したように、飽和点に到達した以降は一定となる。
【0023】
そして、この飽和点までは変化しそれ以降一定となる信号は、乗算器39おいて、LFO作成部37が作成した低周波信号に乗算される。したがって、図8に示すように、直線的にMAXまで変化するモジュレーション情報(ベンダ出力)が入力され、このモジュレーション情報が前記図7(a)(b)で示すカーブA,Bより変換されたとすると、乗算器39からの低周波信号は、図8の下部に示すように、正側包絡線が図7(a)の特性に依存し、負側包絡線が同図(b)の特性に依存することとなる。よって、このように正側と負側とで異なる包絡線を有する低周波信号、つまりは正側と負側とで振幅が異なる低周波信号により楽音信号を変調することによって、従来にないトレモロやビブラートが発生することとなる。
【0024】
図9〜13は、本発明の他の実施例を示すものであり、CPU12の処理により、前述の実施例と同様の作用効果を実現するものである。すなわち、電源を投入するとCPU12は、図9に示すメインフローに従って動作し、イニシャライズ処理(SA1)を実行して、各種レジスタに所定の初期値をセットする。次に、後述するSW処理(SA2)を行った後、鍵盤処理(SA3)を行って鍵盤10を走査し、この走査結果に基づき操作された鍵の対応する音高及び音長データを取り込む。
【0025】
次に、後述するLFO処理(SA4)を行った後、発音処理(SA5)を行う。この発音処理では、前記鍵盤処理(SA3)で得られた音高情報とLFO処理(SA4)で得られた低周波信号とを、音源16に供給する。すると、音源は供給された音高の楽音信号を生成するとともに、この楽音信号を低周波信号で変調する。この変調された楽音信号は、エフェクタ17、出力回路18及び出力端子19を介して外部のサウンドシステムに送出される。また、この発音処理に続いて、このMIDIキーボードにおいて必要なその他の処理を実行し、電源がオンである間、SA2〜SA6のループを繰り返す。
【0026】
前記SW処理は、図10に示すフローに従って実行され、モジュレーションSW処理(SB1)により、後述するモジュレーションスイッチ部6の操作に対応する処理を行う。しかる後、このモジュレーションスイッチ部6以外の他のSW、例えば音色選択スイッチ等の操作に対応する処理を実行する(SB2)。
【0027】
前記モジュレーションSW処理(SB1)は、図11及び12に示す一連のフローに従って行われる。すなわち、モジュレーションスイッチ部6に操作があったならば(SC1)、その操作により正側と負側の何れが設定されているかを判別する(SC2)。そして、正側が設定されている場合には、SF1をリセットし(SC3)、負側が設定されている場合にはSF1をリセットする(SC4)。したがって、このSF1フラグは、“0”で正側設定モードであることを示し、“1”で負側設定モードであることを示す。
【0028】
引き続き、LFO波形NO.が設定されたならば(SC5)、このときのSF1の状態をチェックする(SC6)。そして、SF1=0であれば、設定された波形NO.を正側LFO波形NO.として記憶し(SC7)、SF1=1であれば、設定された波形NO.を負側LFO波形NO.として記憶する(SC8)。さらに、LFOレートが設定されたならば(SC9)、このときのSF1の状態をチェックし(SC10)、SF1=0であれば、設定されたレートNO.を正側レートNO.として記憶し(SC11)、SF1=1であれば、設定されたレートNO.を負側レートNO.として記憶する(SC12)。
【0029】
また、感度の記憶操作があったならば(図12SC13)、このときのSF1の状態をチェックし(SC14)、SF1=0であれば、入力された感度を正側感度として記憶し(SC15)、SF1=1であれば、入力された感度を負側感度として記憶する(SC16)。次に、飽和値の記憶操作があったならば(SC17)、このときのSF1の状態をチェックする(SC18)。SF1=0であれば、前述のSC15で記憶されている感度と、今入力された飽和値とから飽和点を求めて、この求めた飽和点を正側飽和点として記憶する(SC19)。
【0030】
また、SF1=1であれば、前述のSC16で記憶されている感度と、今入力された飽和値とから飽和点を求めて、この求めた飽和点を負側飽和点として記憶する(SC20)。さらに、A,B,Cの何れかのカーブNO.の記憶設定があったならば(SC21)、このときのSF1の状態をチェックし(SC22)、SF1=0であれば、設定入力されたカーブNO.A〜Cの何れかを正側カーブNO.として記憶し(SC23)、SF1=1であれば、設定入力されたカーブNO.A〜Cの何れかを負側カーブNO.として記憶する(SC24)。
【0031】
一方、前記LFO処理(SA4)は、図13に示すフローに従って実行され、前記モジュレーション装置20からA/Dデータの入力があったか否かを判別する(SD1)。そして、ユーザーがモジュレーションホイール3を操作することにより、モジュレーション装置20からA/Dデータの入力があると、SF2=0であるか否かを判別する(SD2)。このSF2フラグは、このフローの後述するSD13とSD14において、LFO出力の振幅が正側であった場合にリセットされ、負側であった場合にリセットされる。したがって、SF2=0により、LFO出力の振幅が正側であることを示し、SF2=1によりLFOの振幅が負側であることを示している。
【0032】
そして、SF2=0であって、LFO出力の振幅が正側であれば、予め前述のモジュレーションSW処理(図12,13)により記憶されている正側の感度、飽和点、波形、レート及びカーブNO.を選択する(SD3)。また、SF2=1であって、LFO出力の振幅が負側であれば、同様にモジュレーションSW処理により記憶されている負側の感度、飽和点、波形、レート及びカーブNO.を選択する(SD4)。引き続き、モジュレーション装置20からのA/D入力に対して、この選択した感度の値を乗算する(SD5)。このSD5の処理により、A/D入力は、記憶されている感度の範囲内のモジュレーション値として算出される。
【0033】
次に、この算出されたモジュレーション値が、前述のSC19又はSC20で記憶した飽和点に達したか否かを判別し(SD6)、達していないならば、モジュレーション値×(100/飽和値)の値で、選択されたテーブルの値を求める(SD7)。このSD7の処理により、モジュレーション値は予め感度に応じて変形されているカーブによりテーブル変換される。引き続き、モジュレーション装置20内のLFO作成部に指示して、記憶されている波形NO.及びレートに対応するLFO波形を発生させる(SD11)。
【0034】
また、SD6での判別の結果、モジュレーション値が飽和点に達しているならば、このときのSF2フラグをチェックする(SD8)。そして、SF2=0であってLFO波形の振幅が正側であるならば、正側の飽和値として記憶されている値をそのまま出力する(SD9)。SF2=1であってLFO波形の振幅が負側であるならば、負側の飽和値として記憶されている値の飽和値の符号を反転して出力し(SD10)、SD11でLFO波形を発生させる。このSD11の処理により、振幅の正側がSD3で選択した波形及びレートであって、かつ、振幅の負側がSD4で選択した波形及びレートからなるLFO波形がモジュレーション装置20から発生する。
【0035】
そして、このSD11に続くSD12では、発生させたLFO出力が0以上であるか否か、つまりLFO出力の振幅が正側であるか否かを判別し(SD12)、正側であればSF2をリセットし(SD13)、負側であればセットする(SD14)。しかる後に、前述のSD7で変換されたモジュレーション値とSD11で発生したLFO波形とを乗算して(SD15)、メインフローにリターンする。このSD15の処理により、図8の下部に示すように、前述した実施例における例示と同様に、正側包絡線が図7(a)の特性に依存し、負側包絡線が同図(b)の特性に依存するLFO波形を発生させることができる。よって、メインフローのLFO処理(SA4)に続く、発音処理(SA5)において、このように正側と負側とで異なる包絡線を有する低周波信号、つまりは正側と負側とで振幅が異なる低周波信号で、鍵盤10の操作鍵に応じて生成した楽音信号を変調することにより、従来にないトレモロやビブラートが発生可能な楽音信号が出力端子19から送出される。
【0036】
なお、この実施例ではA,B,Cの変換テーブルのみを示したが、より多くの変換テーブルを用いれば、より多様な変調信号の生成が可能となる。また、実施例では、楽音信号を変調する構成を示したが、これに限ることなく他の信号を変調する場合にも適用できることは勿論である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、変調信号の振幅おける正側の波形特性と負側の波形特性とを各々設定し、この設定された各特性に従って、低周波信号の正側と負側の波形特性を制御するようにした。よって、低周波信号の振幅における正側と負側とが異なる波形特性となることにより、多様な変調を行うことができ、特に変調する対象となる信号が楽音信号であることにより、従来にないトレモロ表現やビブラート表現が可能となる。
【0038】
また、操作に応じて変化する変調情報と設定された各特性とに従って、低周波信号の正側と負側を制御することより、操作に応じて変化する変調形態を形成することができ、さらに、正側及び負側毎に、変化特性や感度、あるいは飽和点を設定可能とすることにより、低周波信号の正側と負側との波形特性を緻密に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を適用したMIDIキーボードの外観平面図である。
【図2】同MIDIキーボードの全体構成を示すブロック図である。
【図3】モジュレーション装置のブロック構成図である。
【図4】モジュレーションベンダ検出部の構成の詳細を示す回路図である。
【図5】変換テーブル選択部の詳細を示すブロック図である。
【図6】テーブル変換部における各変換テーブルの記憶内容を示す図である。
【図7】(a)は、感度65%と飽和点70%とした場合におけるカーブAの特性図であり、(b)は、感度90%と飽和点40%とした場合におけるカーブBの特性図である。
【図8】モジュレーション信号と低周波信号の正側及び負側包絡線との関係の一例を示す図である。
【図9】本発明の他の実施例におけるメインフローを示すフローチャートである。
【図10】SW処理の内容を示すフローチャートである。
【図11】モジュレーションSW処理の内容の一部を示すフローチャートである。
【図12】図11に続くフローチャートである。
【図13】LFO処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 モジュレーションホイール
12 CPU
16 音源
20 モジュレーション装置
21 モジュレーションベンダ検出部
23 変換テーブル選択部
37 LFO作成部
40 正負検出部
44 正側テーブルNO.記憶部
45 負側テーブルNO.記憶部
46 テーブル変換部
Claims (6)
- 所定信号の変調に使用される変調信号を発生する信号発生手段と、
前記変調信号の振幅おける正側と負側の波形特性を各々設定する設定手段と、この設定手段により設定された各特性に従って、前記変調信号の正側と負側の波形特性を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする変調信号生成装置。 - 所定信号の変調に使用される変調信号を発生する変調信号を発生する変調信号発生手段と、
操作に応じて変化する変調情報を発生する変調情報発生手段と、
この変調情報発生手段が発生する変調情報との関係において、前記変調信号の振幅における正側と負側の波形特性を記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶された各特性と前記変調情報とに従って、前記変調信号の正側と負側の波形特性を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする変調信号生成装置。 - 前記所定信号は、楽音信号であることを特徴とする請求項1又は2記載の変調信号生成装置。
- 前記記憶手段は、前記変調信号の正側と負側毎に、前記変調情報を前記波形特性に変換するテーブルを記憶することを特徴とする請求項2又は3記載の変調信号生成装置。
- 前記記憶手段は、前記変調信号の正側と負側毎に、前記変調情報との関係における前記波形特性の感度を記憶することを特徴とする請求項2又は3記載の変調信号生成装置。
- 前記記憶手段は、前記変調信号の正側と負側毎に、前記変調情報の上限値である飽和点を記憶することを特徴とする請求項2又は3記載の変調信号生成装置。
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