JP3548857B2 - コンプライアンス装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、組立用ロボット等の、各種部品を所定位置に搬送するための搬送装置に用いられるコンプライアンス装置に関し、特に半導体等の各種部品を検査する際に部品を所定位置に搬送すると共にその部品を押圧するのに適したコンプライアンス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば組立用ロボット等の搬送装置においては、部品を把持して所定位置に搬送する際、搬送装置の位置誤差を吸収するために例えば図6に示されるようなコンプライアンス装置が用いられている。即ち、ロボットアーム等の搬送アーム51に対して、図7の斜視図に示すように上板52と下板53を図中3本の弾性部材54で接続してなるコンプライアンス装置55を用い、この上板52に搬送アーム51の先端を固定すると共に、下板53にはチャック56を固定し、このチャックによって部品57を把持することにより、この部品57を所定位置に搬送するようにしている。上記弾性部材54としては、例えばゴム等のエラストマーと金属板との積層体等が用いられる。
【0003】
このような装置により、図6に示すように部品57を部材58に形成した部品装着孔59に装着して組み立てる際には、搬送アーム51による搬送作動により最初は図示されない予め定められた部品取り出し位置から図示部品装着孔59の上部に部品を搬送する作動が行われるが、その一連の作動は制御装置への位置設定により自動的に行われる。このとき、予め制御装置により正確に設定された搬送操作であっても、搬送装置の機構部分の誤差等により必ずしも厳密に所定の位置に移動させることはできず、例えば図6(a)に示すように、部材57の部品装着孔59の軸心S1に対して距離δだけずれた位置に部品57の軸心S2が位置して停止することがあり、そのときにはこの位置から部品57を降下する作動が行われる。
【0004】
上記のような位置ずれを考慮し、部材58の部品装着孔59の開口周縁には面取り部61を形成しており、図6(a)の状態から搬送アーム51が部品57を降下する作動を行うとき、部品57の下端周縁部60が面取り部61に当接し、この面に案内され部品装着孔59の軸心S1側に向けて移動しつつ降下する。このとき、コンプライアンス装置55は周知のように、図8に示すようなX、Y、Z軸方向への移動、及び各軸周りのα、β、θの回転の合計6自由度を備えているので、図6(b)に示すようにコンプライアンス装置55の下板53とチャック56が移動しつつ角度αだけ傾斜する。この状態で搬送アーム51を更に降下すると、部品57は同図(c)に示すように部品装着孔59内に押し込まれ、部品57は部品装着孔59内に装着され、組み立てられる。このときコンプライアンス装置55は、部品57が部品装着孔59に案内されて押し込まれることにより両部品57と部品装着孔59の軸心は一致し、それにより下板53が水平になるのに伴ってコンプライアンス装置55の弾性部材54が追従して変形できるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなコンプライアンス装置55においては、6自由度を維持するためにゴム等のエラストマーと金属板との積層体からなる弾性部材54を用いているものであるが、ここで用いられているエラストマーは耐久性が小さいという欠点があった。即ち、コンプライアンス装置の位置変動適応性能を向上するため、前記6自由度を容易に維持しようとすると、エラストマーの弾性を大きくして柔らかな性状のものを用い、自由に変形できるようにする必要があるが、その際には比較的重量の重いものを搬送するときにはエラストマーが伸びてしまうため耐久性が小さいものとなってしまう、その耐久性を考慮すると重量の小さなもののみを搬送せざるをえず、あるいは位置変動適応性能を犠牲にしてより堅い性状のエラストマーを用いざるを得なくなる。
【0006】
一方、近年の半導体技術の進歩により半導体デバイスの高集積化、高機能化が進む中でユーザのニーズは多岐にわったており、また、実装技術の進化によってデバイスの多ピン化、ファインピッチ化が進んでいる。それに対応するため最近では入出力端子をデバイス裏面全体に分散して配置するBGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)等のパッケージが用いられるようになっている。
【0007】
このようなBGAやCSPの検査工程において、例えば前記従来のコンプライアンス装置を用いた場合は、図9に示されるような手順で行うこととなる。即ち、搬送アーム51に前記と同様のコンプライアンス装置55を装着し、その下部に真空吸着パッド67を取り付け、この真空吸着パッド67によりBGA68を吸着・離脱可能とする。同図(a)は搬送アーム51の移動によりBGA68をテストソケット70の上部に搬送し、これを降下してBGA68の下面のソルダーボール74をテストソケット70の収納孔部71内に収納しようとした際、前記図6と同様に位置ずれを生じていることによりBGA68の周縁フランジ部72がテストソケット70の開口周縁の面取り部73に当接した状態を示している。この状態は図9(d)に要部拡大図として示している。また、テストソケット70を固定している台とBGA68をテストソケットに挿入するインサータとは別体であるので、両者間に相対的な傾斜が存在することとなる。このような相対的な傾斜を図中拡大して示している。
【0008】
この状態から搬送アーム51を降下すると、前記図6と同様にコンプライアンス装置55によってBGA68の周縁フランジ部72が面取り部73に沿って降下し、BGA68のソルダーボール74はテストソケット70の収納孔部71内に入り、最終的に同図(c)に示すようにBGA裏面のソルダーボール74の全てが収納孔部71に嵌合する。このようにソルダーボール74が収納孔部71に嵌合するとき、各収納孔部71に設けた図示されていないコンタクトピンの端部と接触する。この接触状態を確実に維持するため、搬送アーム51によって下方に押圧する力を付与し、BGAのソルダーボール74をコンタクトピン76に圧接する。それにより、このコンタクトピン76をリード線により検査装置に接続し、BGAが所定の作動を行うか、所定の性能を備えているか等種々の項目について信号を入出力し検査を行うこととなる。
【0009】
上記のような検査工程を行う際には、コンタクトピン76から導出される信号に基づいて所定の検査を行うため、前記ソルダーボール74とコンタクトピンの端部との接触部分における接触圧力の変化は、この部分の接触抵抗の変化となって現れ、特にその接触圧力が低い場合には適正な信号を得ることができず、甚だしい場合には接触しない場合も生じることとなる。また、その圧力がある程度大きいことは許容できるものの、他の部分と比較してあまりにも大きい部分が存在すると、他の部分の接触抵抗が小さくなると共に、全体の接触抵抗の大きなばらつきとなり、適正な検査信号を得ることができなくなる。
【0010】
上記のような作動時において、例えば図9(a)に示すようにBGA68とテストソケット70とが相対的に傾斜して搬送されてきたときには、前記のようにBGA68がテストソケット70の収納孔部71内に収納されるときそのままの傾斜状態で収納され、BGA68のソルダーボール74は最初図中左側の収納孔部71に嵌合する。このような状態で収納された後に搬送アーム51によって下方に押しつけられると、ソルダーボール74は全ての収納孔部71に嵌合する。このとき孔内のコンタクトピンに全て当接するものの、ソルダーボール74のコンタクトピンに対する押圧力が不均一なものとなる。
【0011】
この特性は図10に模式的に示している。即ち、同図の下方には前記図9(c)のように、BGA68のソルダーボール74がテストソケット70の収納孔部71に全て嵌合しているときのBGA68を示しており、その上部にはこのBGA68の断面における表面の位置と各位置における押圧力のグラフを示している。このグラフにおいて上記のような片当たりの例をグラフBとして示し、また、これと対照するために適正例をグラフGとして示している。ここで、押圧力が所定値L以下である場合には押圧力不足として不適正であり、所定値H以上である場合には過剰押圧力として不適正であり、結局、上記LとHの範囲内において、しかも全面で均等な圧力となっている時が適正な押圧状態ということができる。
【0012】
以上詳述したように、従来のコンプライアンス装置を用いて吸着装置に把持されて搬送されたBGA68の検査を行うとき、このBGA68とテストソケット70とが相対的に傾斜しているため、BGA68のソルダーボールとコンタクトピンとが片当たりのまま押圧されることとなるため、その押圧力がBGA68の平面内において不均一となり、且つ押圧力不足や過剰押圧力を生じることが多く、正確なBGAの検査を行うことができないという問題もあった。
【0013】
更にここで使用されるコンプライアンス装置の弾性部材54はある程度の剛性をもっているので、BGA68のソルダーボール74を収納孔部71に収納する際、周縁フランジ72と面取り部73との当接、あるいはBGA68底部が収納孔部71の開口縁に当接し、また押圧される時等において、BGA68がその衝撃を受けるという問題もあった。
【0014】
また、近年の半導体デバイスの多様化に対応するため、特に検査工程は様々なハンドラが必要となり、しかも最近では高速化、高機能化の要求がより高まってきている。それに対して、従来のコンプライアンス装置を用いたものにおいては汎用性が少なく、フレキシビリティに欠ける問題もあった。更に、部品を所定の位置に位置決めする手段として、従来よりガイドピンとガイド穴の組み合わせによって行う方法も用いられているが、供給される部品毎に位置決め治具を交換する必要があり、また、ワーク個別の位置決め治具が必要となる等、メンテナンスに多くの手数を要する欠点がある。
【0015】
したがって本発明は、重量部品を長期間取り扱ってもその性能が劣化することなく、且つ部品を所定位置に搬送する際に部品及び搬送装置に対して衝撃を与えることがなく、部品を押圧する際には常に均等に押圧することができるようにしたコンプライアンス装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、搬送装置に一端が固定される突出部と、中央部において前記突出部の他端と接続されるとともに周辺部にボルトを挿通する開口部を備えた平面板状のディスク部からなる固定部材、
被搬送体が取り付けられて当該被搬送体を押圧する可動部材、
前記固定部材を構成するディスク部と前記可動部材との間に介在して平面板状部をもつ自由動部材、
前記固定部材のディスク部の上面を空間を介して覆うとともに前記自由動部材に対して前記開口部を挿通するボルトを介して固定されるカバー、
当該カバーの下面と前記自由動部材の平面板状部の上面との間の空間に介在され、且つ、前記固定部材の前記ディスク部の少なくとも上下両面を覆うエラストマー弾性体、
および、前記可動部材を前記自由動部材の平面板状部の面に平行な方向に移動可能に支持するスラスト受け部
を少なくとも備えたことを特徴としたものである。
【0017】
また、請求項2に係る発明は、前記エラストマー弾性体としてゲル体を用いたことを特徴とする請求項1記載のコンプライアンス装置としたものである。
【0018】
また、請求項3に係る発明は、前記可動部材の移動の規制及びその解除を行うロック手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のコンプライアンス装置としたものである。
【0019】
また、請求項4に係る発明は、前記ロック手段は可動部材の原点復帰作用をなすことを特徴とする請求項3記載のコンプライアンス装置としたものである。
【0020】
また、請求項5に係る発明は、前記部品が半導体であり、前記半導体を検査装置の所定位置に搬送し押圧する搬送装置に用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のコンプライアンス装置としたものである。
【0021】
また、請求項6に係る発明は、前記半導体は、底面にハンダボールを多数配置したチップである請求項5記載のコンプライアンス装置としたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図面に沿って説明する。図1は本発明によるコンプライアンス装置の縦断面図であり、図2(a)は同図におけるA−A部分、(b)は同B−B部分、(c)は同C−C部分の横断面図である。図1におけるコンプライアンス装置1おいては、前記従来例における搬送アーム等の端部に固定される突出部2を形成したロッドベース3を備え、このロッドベース3の下部には図2(b)に示されるような図中水平に伸びるディスク部4を形成している。ディスク部4には図中4個の開口5を形成しており、この開口5にはボルト7が貫通するカラー6、カラー6と開口5内周面との間において自由に変形できるゲル体10が各々配置されている。なお、上記ロッドベース3は本発明における搬送装置に固定される固定部材に相当する。
【0023】
図中4本のボルト7は、カバー11に対してフロートベース12を固定しており、カバー11の上壁部13下面とフロートベース12の上面との間を一定間隔に維持するために前記カラー6が配置されている。カラー6の長さはロッドベース2のディスク部4の厚さより充分大きくすることにより、ディスク部4の上面とカバー11の上壁部13の下面との間、及びディスク部4の下面とフロートベース12の上面との間に間隙が形成され、この間隙部分に図中クロスハッチングで示されるエラストマー弾性体としてのゲル体10が配置されている。このゲル体10は図2(a)及び(c)にもクロスハッチングで示されている。後述する可動ベース23を移動自在に支持するフロートベース12は、図示されない搬送装置に固定されるロッドベース3に対し、ゲル体10の柔軟性によって少なくともその軸心の揺動が自由に行われることによって揺動が吸収されるようになっている。
【0024】
上記のようなゲル体10としては振動吸収用、衝撃吸収用、圧力分散用、密着・粘着用等各種の目的に用いるため、多くのものが市販されており、その中から任意の材質で任意の性状のものを選択して使用することができる。また、適宜のものを複数種類用意してこのコンプライアンス装置の用途に応じて、最適な特性のものと交換可能にすることもできる。
【0025】
フロートベース12の下端には、中心部に開口を備えたリング状の支持板15が固定されており、この支持板15の上面には板バネ16を介してスライドプレート17を載置している。スライドプレート17上には玉保持器18に保持される複数の第1鋼球20が載置され、更にこの第1鋼球20の上部には吊下部材21上端に設けた上部フランジ22を載置している。吊下部材21の下端には可動ベース23が固定され、可動ベース23の上面には玉保持器24に保持される複数の第2鋼球25が載置されており、第2鋼球25の上部に前記支持板15の下面が位置し、第1鋼球20と第2鋼球25により支持板15を挟むように配置し、これらの鋼球によりスラスト力を受けることによって可動ベース23は水平面内で自由に移動できるようになっている。
【0026】
可動ベース23の下面には、適宜の機構を付与して部品把持用チャックや部品吸着装置を設けることができ、この可動ベースが本発明の、部品を把持し水平面内で移動する可動部材に相当する。また、前記フロートベース12及びこれと一体化した支持板15の部分が、本発明における自由動部材に相当する。可動ベース23の外周壁26の上端部と、支持板15の下面との間に、両者間に摩擦を生じることのないダストシール27を設けることにより、内部の水平可動機構部分に塵埃等が進入することを防止している。
【0027】
吊下部材21の中心部には上下動自在にピストン30を嵌合しており、ピストン30の外周にはOリング31を配置し、シールを行っている。その下面には可動ベース23の側面に形成した開口32に連通するエアー通孔33の一端が開口しており、外部から加圧エアーを供給可能としている。それにより、開口32に可撓管を連通し外部からエアーを供給するとき、ピストン30は図中上方に移動し、エアーの供給を停止するとき降下することができるようになっている。
【0028】
ピストン30の図中上面には複数のロック鋼球34、及びそれらの中心部にはリターンバネ36を載置している。フロートベース12における上記ロック鋼球34に対向する部分には複数の円錐形に形成した鋼球受け部35を設けている。また、リターンバネ36の上端部は上部フランジ22が中心側に伸びているバネ受け部に当接している。
【0029】
ピストン30の下面に圧力エアーを供給するとき、リターンバネ36の力に抗してピストン30が上昇すると、ロック鋼球34は鋼球受け部35内に密に嵌合し、ピストン30を固定保持すると共に、ピストン30に対してOリング31により摩擦接触している吊下部材21及び可動ベース23の自由回転を拘束する。一方、圧力エアーの供給を停止すると、最初リターンバネ36の戻し力によりロック鋼球34は鋼球受け部35内での嵌合が解除され、以降ピストン30は落下し、可動ベース23の上端面で受けられ、図示の状態に戻ることができる。
【0030】
上記のように構成されたコンプライアンス装置1の使用に際しては、図3に示すように、可動ベース23の下端に吸着パッド40を固定する。図示実施例においては被搬送部品としてのBGA41を吸着パッド40に吸着しており、このBGAをテストソケット42に装着する例を示している。コンプライアンス装置1は図示の例においてはZ軸アクチュエータ45の下部に突出した上下動軸に固定されている。このZ軸アクチュエータ45は、図示されない搬送アームに固定され、主としてX−Y平面において任意に移動可能となっている。
【0031】
その作動に際しては、図3に示すように吸着パッド40にBGA41を吸着し、予めその動きを設定した搬送制御装置により搬送アームを作動し、テストソケット42上に移動させる。このとき、図5に示すようにエアー通孔33に圧力エアーを供給してピストン30を上昇させ、ロック鋼球34を鋼球受け部35に押しつけ、ピストン30をロックすることにより可動ベース23をロックし、搬送アームの高速移動時においても、BGAを吸着保持した可動ベース23が水平面内に自由に移動することを防止し、移動時の横揺れや振動を防止することができる。このとき、ロック鋼球34と円錐形状の鋼球受け部35の密な嵌合により、可動ベース23の軸心はロッドベース3の軸心と一致する初期位置となり、原点復帰の作用をなすこともできる。BGAをテストソケット42上に搬送した後は、圧力エアーの供給を停止し、前記ロック状態を解除することにより、図1に示すようにピストン30は降下し、ロックは解除されるので可動ベース23は水平面内に自由に移動可能となる。
【0032】
なお、ロック鋼球34は図1に示すように円錐形の鋼球受け部35に対し、通常は非接触ながら一部が入っているので、ロック鋼球34は鋼球受け部35の範囲内だけで移動することができ、したがってこの機構により可動ベース23のZ軸を中心とした回転角度θについて、所定の角度以上回転しないようにする回転角度範囲制限の機能を行うことができる。
【0033】
次いで図3に示すZ軸アクチュエータ43を駆動し、コンプライアンス装置1を降下させる。このとき、例えば図4(a)において傾斜角度等を拡大して模式的に示しているように、コンプライアンス装置1の中心軸がテストソケット42の中心軸と距離δだけずれており、また、テストソケット42の載置台とBGA41を搬送するインサータとの組立誤差等によりBGA41とテストソケット42とが相対的に角度αだけ傾いた状態で降下したとする。BGA41がテストソケット42に当接する状態は前記図8に示した従来例と同様に、BGA41の周縁フランジ43の一部がテストソケット42の開口縁に形成した面取り部44に当接する。このとき、テストソケット42が面取り部44から水平方向の力を受けることとなるが、可動ベース23は前記のように第1鋼球20に吊り下げられる吊下部材21によって水平面内に自由に移動できるので、BGA41に対してほとんど力を与えることなく、衝撃力等を与えることもなく移動可能となっている。また、Z軸アクチュエータに対してもこのときの衝撃力等を与えることない。このようにしてBGA41は、テストソケット42の面取り部44に沿って中心側に自由に移動する。
【0034】
その後、BGA41の一端側がテストソケット42の底面に当接し、Z軸アクチュエータの作動によってBGA41は更に下方に押圧される。このとき、BGA41、吸着パッド40、及び可動ベース23の部材は一体化した状態となっているので、その押圧力によって傾斜したBGA41がテストソケット42の底面に一致しようとする力を受けるとき、その力によって前記一体化した部材は傾斜角αだけ傾こうとする。この力は柔軟な部材であるゲル体10に作用し、ゲル体10はその僅かな力によって自由に変形することができるので、この力によって図4(b)に示すように変形する。その結果、BGA41はテストソケット42の底面に対して片当たりとなることなく、全面にわたって均等に当接する状態となる。ゲル体10は、このような角度調整機能のほか、搬送するBGAがテストソケット42の底面に衝撃的に当接する状態が起こっても、その力をこのゲル体10によって吸収し、Z軸アクチュエータ等の装置に伝達させない機能も行うことができる。
【0035】
このとき、図示するように前記一体化した部材の軸心とテストソケット42の軸心となす角度はαとなる。この状態からBGA41に所定の圧力を与えるためにZ軸アクチュエータ43によってロッドベース3を下方に移動するように押圧すると、その力はゲル体10に対して均等に伝達し、下方に押圧する力はフロートベース12の上面に均等に伝達する。したがって、前記一体化した部材はその力をそのままBGA41に伝達することができ、それによりBGA41は全表面にわたって均等な力でテストソケット42の底面に押しつけられ、テストソケット42におけるBGA41のソルダーボール受け底面に設けた接触端子に対して均等に圧接する。
【0036】
その結果、前記図10において適正例Gのグラフで示すような全表面にわたって均等な押圧力となると共に、同図に示すような押圧力不足のL線、及び押圧力過剰のH線の範囲内にある適正範囲内の押圧力とすることができ、従来のもののような偏荷重によって生じる押圧力不足、あるいは接触不良を防止することができる。
【0037】
なお、上記実施例において、可動ベース23の水平面方向の移動を防止するロック機構として、ロック鋼球34を円錐形の鋼球受け部35に押しつける加圧エアー作動式のピストン30を用いた例を示したが、そのほか加圧エアーにより作動する周知の種々のロック手段、あるいは電磁作用によるロック手段等、各種のロック手段を用いることができる。また、上記実施例においては、コンプライアンス装置によりBGAをテストソケットに装着して押圧するものの例を示したが、そのほかロボットによる組立装置、あるいは電子部品の実装機等、各種分野に適用することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る発明は、従来コンプライアンス装置のようなエラストマー弾性体により6自由度の全てに対応する構成を採用せず、水平面内の移動はスラスト受け用鋼球により自由に移動できるようにして対応し、垂直軸の揺動についてエラストマー弾性体により吸収するようにして対応しているので、エラストマーに対して大きな力がかかることがなく、重量部品を長期間取り扱うことがあってもその性能が劣化することない。且つ、部品を所定位置に搬送する際に部品の外部から力が加わったときでも、部品及び搬送装置に対して衝撃を与えることがない。また、部品を押圧する際には部品が傾斜している場合でもエラストマーによる垂直軸の揺動吸収作用により、部品全面に対して均等に押圧することができる。
【0039】
請求項2に係る発明は、前記エラストマー弾性体としてゲル体を用いたので、現在各種の分野に利用するために種々のものが市販されているゲル体を利用することができ、コンプライアンス装置の使用条件等に応じて任意のものを容易に選択することができ、また、エラストマー弾性体を性状の安定したものとすることができる。
【0040】
請求項3に係る発明は、前記可動部材の移動の規制及びその解除を行うロック手段を備えたので、コンプライアンス装置に部品を把持して搬送する際にロックすることによって、水平面内に自由に移動できるようにした前記可動部材が横揺れや振動を発生することを確実に防止することができ、また、前記水平方向への搬送後にはそのロックを解除し、以降は水平面内での自由な移動を可能とすることができる。
【0041】
請求項4に係る発明は、前記ロック手段が可動部材の原点復帰作用をなすので、部品を把持して搬送し、所定位置でこれを降下し下方の部材に組み込む作動を行う際、可動部材のロックと同時に可動部材を原点に復帰させることができ、前記下方の部材に対する位置合わせを確実なものとすることができるので、部品を組み込む作業を確実に行うことができる。
【0042】
請求項5に係る発明は、前記部品が半導体であり、前記半導体を検査装置の所定位置に搬送し押圧する搬送装置としたので、耐衝撃性の弱い半導体を搬送する際に外部から力を受けることがあっても、半導体に対してほとんど衝撃を与えることなく検査装置内に搬送することができる。また、搬送した半導体が傾斜しているときでも、エラストマー弾性体によりその傾斜を吸収した状態で半導体を検査装置に対して全面にわたって均等の力で押圧することができるので、正確な検査を行うことができる。
【0043】
請求項6に係る発明は、前記半導体が底面にハンダボールを多数配置したチップとしたので、例えばBGAやCSPのようにチップの底面全体に広くハンダボールを配置したものを検査装置で検査する際において、チップの全面にわたって均等の力で押圧することができるので、正確な検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコンプライアンス装置の実施例の縦断面図である。
【図2】同図の横断面図であり、(a)はA−A部分、(b)はB−B部分、(c)はC−C部分の各横断面図である。
【図3】本発明のコンプライアンス装置を用いてBGAをテストソケットに収容する実施例の、一部断面を示す側面図である。
【図4】同BGAをテストソケットに収容する際、BGAの軸心が位置ずれを生じ、且つテストソケットと相対的に傾斜して搬送され、テストソケットに収容した後更に押圧した状態を示す断面図であり、(a)はテストソケットへの収容前、(b)は収容後押圧された状態を示す。
【図5】図1に示すコンプライアンス装置においてロック作動状態を示す断面図である。
【図6】従来のコンプライアンス装置により部品を部品装着孔に装着する際、部品の軸線と部品装着孔の軸心とがずれているときの作動を示す側面図であり、(a)は部品を装着する前の状態、(b)は部品の先端が挿入された状態、(c)は部品が垂直に挿入される状態を示す図である。
【図7】図6のコンプライアンス装置に用いられるエラストマー部材及びその周辺の部材を示す斜視図である。
【図8】コンプライアンス装置が対応する6自由度について説明する図である。
【図9】図6のコンプライアンス装置を用いてBGAをテストソケットに収容し押圧する際、BGAが位置ずれを生じ、且つテストソケットと相対的に傾斜した状態で収容される課程を示す図であり、(a)はBGAの周辺フランジがテストソケットの面取り部に当接した状態を示し、(b)はBGAが更に押し込まれた状態を示し、(c)は相対的に傾斜していたBGAがテストソケットの底面全体に押し込まれた状態を示し、(d)は(a)の一部拡大断面図である。
【図10】BGAをテストソケットに収納し押圧する際、片当たりにより不適正な押圧力分布を示すグラフ、及び全面に均等な圧力分布によって適正に押圧する例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 コンプライアンス装置
3 ロッドベース
4 ディスク部
6 カラー
10 ゲル体
11 カバー
12 フロートベース
14 可動ベース
15 支持板
20 第1鋼球
21 吊下部材
23 可動ベース
25 第2鋼球
30 ピストン
33 エアー通孔
34 ロック鋼球
36 リターンバネ

Claims (6)

  1. 搬送装置に一端が固定される突出部と、中央部において前記突出部の他端と接続されるとともに周辺部にボルトを挿通する開口部を備えた平面板状のディスク部からなる固定部材、
    被搬送体が取り付けられて当該被搬送体を押圧する可動部材、
    前記固定部材を構成するディスク部と前記可動部材との間に介在して平面板状部をもつ自由動部材、
    前記固定部材のディスク部の上面を空間を介して覆うとともに前記自由動部材に対して前記開口部を挿通するボルトを介して固定されるカバー、
    当該カバーの下面と前記自由動部材の平面板状部の上面との間の空間に介在され、且つ、前記固定部材の前記ディスク部の少なくとも上下両面を覆うエラストマー弾性体、
    および、前記可動部材を前記自由動部材の平面板状部の面に平行な方向に移動可能に支持するスラスト受け部
    を少なくとも備えたことを特徴とするコンプライアンス装置。
  2. 前記エラストマー弾性体としてゲル体を用いたことを特徴とする請求項1記載のコンプライアンス装置。
  3. 前記可動部材の移動の規制及びその解除を行うロック手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のコンプライアンス装置。
  4. 前記ロック手段は可動部材の原点復帰作用をなすことを特徴とする請求項3記載のコンプライアンス装置。
  5. 前記部品が半導体であり、前記半導体を検査装置の所定位置に搬送し押圧する搬送装置に用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のコンプライアンス装置。
  6. 前記半導体は、底面にハンダボールを多数配置したチップである請求項5記載のコンプライアンス装置。
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