JP3548355B2 - 鋼線用線材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スケール性状がよい鋼線用線材に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼線の製造は、鋼片から圧延によって得られた線材を伸線加工することによって行われる。鋼材から線材への圧延直後の熱処理により、その後の伸線性に大きく影響する鋼材の冶金学的組織が形成される。同時に線材の表面には酸化鉄を主成分とするスケールが付着する。スケールは疵の原因となるために、伸線加工時には除去することが必要であり、スケールは特開昭52−10829号公報に開示されているような応力負荷によるスケール除去(メカニカルデスケーリング)方法で容易に剥離することが望ましい。メカニカルデスケーリングではスケールが剥離しない場合は、希塩酸等を使った酸洗によってスケールを除去するが、酸処理設備を必要とし、工程が複雑になってしまう。従来はスケールの制御は、スケールの剥離性に重点をおき、S等の元素を添加し成分を調整することにより行ってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、単にスケール剥離性をよくした場合、線材製造工程から伸線加工にいたる過程でスケールが剥離し、表面に地鉄を露出してしまい、錆が生じてしまうことが課題となっていた。即ち、工程間の移動の間にはスケールが剥離しにくく錆の防止に利用でき、且つ、伸線加工の直前のメカニカルデスケーリングで容易に剥離するスケールが求められてきた。
【0004】
そこで、本発明は、上記の課題に対して為されたもので、工程間の搬送中に生じる程度の応力下では密着性がよく、しかも、その後のある一定以上の応力を負荷するメカニカルデスケーリングなどで容易に剥離するスケールを実現化したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は次の通りである。
(1)重量%で、Si:0.10〜0.40%、S:0.002〜0.01%、Cr:0.02〜0.3%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、圧延後の鋼材表面に付着したスケールと鋼材との界面に存在するスケール中の、Cr濃度が0.07%以上の濃化領域が0.2μm以上2μm以下存在する、所定以下の応力負荷時にはスケール密着性が良く、且つ、それ以上の応力負荷時にはスケールの剥離性がよいことを特徴とする鋼線用線材。
ただし、線材は、線材のベースとなる鋼材の表面にスケールが付着したものである。
(2)重量%で、C:0.70〜1.1%、Si:0.10〜0.40%、Mn:0.20〜0.90%、P:0.003〜0.02%、S:0.002〜0.01%、Cr:0.02〜0.3%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、圧延後の鋼材表面に付着したスケールと鋼材との界面に存在するスケール中の、Cr濃度が0.07%以上の濃化領域が0.2μm以上2μm以下存在する、所定以下の応力負荷時にはスケール密着性が良く、且つ、それ以上の応力負荷時にはスケールの剥離性がよいことを特徴とする鋼線用線材。
ただし、線材は、線材のベースとなる鋼材の表面にスケールが付着したものである。
である。
【0006】
ここで、目的のスケールを得るには、第1発明の構成を満足すれば良いが、軟線では伸線時におけるスケールの悪影響がそう顕著ではなく、本発明の適用により効果が特に顕著にあらわれるのが硬鋼線材であり、その場合の必要構成が第2発明である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の成分限定理由を述べる。
Cは熱処理により硬鋼線として十分な強度を得るために、パーライト組織とすることが望ましく、0.70%以上必要であるが、1.1%を越えると黒鉛化の傾向が増大し、靭性の低下が著しくなるためにその範囲を0.70〜1.1%とした。
【0008】
Siはフェライト中に固溶することにより素地の強度を上げるとともに、析出炭化物の微細化を促進し、さらに結晶粒の微細化にも有効である。このような理由により、Siの範囲を0.1%以上としたが、0.4%を越えると鋼材とスケール界面にFeとSiの複合酸化物が多く発生し、スケール剥離性が大きくなり、運搬時に剥離してしまい錆防止に役立たないので、その範囲を0.1〜0.4%とした。
【0009】
Mnは焼入れ性を高め、鋼線としての強度を得るための元素であり、0.2%以上必要であるが、0.9%を越えて含有させると靭性を害するため、その範囲を0.2〜0.9%とした。
【0010】
Pは鋼材の強度の向上に寄与はするため0.003%以上とした。同時に脆性を高めるため、0.02%を越えると伸線加工に供することができないため、0.01%以下とした。
【0011】
Sはスケールと地鉄界面を脆化し易くする働きがあり、応力負荷によるスケール除去(メカニカルデスケーリング)でのスケール剥離性を高めるため0.002%以上とした。しかし、0.01%を越えるとスケール評点が著しく低下するために、その範囲を0.01%以下とした。
【0012】
Crはスケールと地鉄界面を強固にする働きがあり、0.02%以上の存在によりスケール界面に濃化して密着性を高める。0.3%を越えるとCr濃化領域が厚くなりすぎ、応力負荷によるスケール除去(メカニカルデスケーリング)での剥離性が著しく低下するために、その範囲を0.3%以下とした。
【0013】
これまでの研究の結果、スケール中にはCrは検出限界である0.002%以下しか存在せず、スケールと鋼材の界面に濃化することが判明した。これは、鋼材の圧延直後の冷却過程において1000〜900℃の温度域でのスケール成長時にCrが優先的に酸化し、Cr酸化物がCrの拡散を律速するため表層に鉄の酸化層のみが成長するためである。冷却速度を変えると1000〜900℃の温度域の通過時間が変わり、Cr酸化物層の厚みは変化する。界面のCr濃化領域は、EPMAにより、直径0.1μmの電子線をスケールと鋼材界面に垂直な方向に走査することにより、そのCr濃度を測定し、濃化領域の幅を特定することができる。このCr濃度が0.07%以上の濃化領域が0.2μm以上2μm以下存在する時がスケールの密着性と応力負荷時の剥離性が良好となることを今回見いだした。
【0014】
以上が本発明の鋼の基本成分とスケール中Cr濃度である。この製造に際しては、通常の製鋼、造塊あるいは連続鋳造、分塊圧延、更に棒鋼圧延または線材圧延の工程を経て、線材を得ることができる。その後、デスケーリング工程を含む伸線加工工程を経て、所定の線径を有する最終製品となる。次に、本発明の効果を実施例により具体的に述べる。
【0015】
【実施例】
表1は供試鋼の化学成分を示したものである。表1において、A1〜A6は本発明鋼、B1〜B6は比較材である。通常の転炉精錬、連続鋳造によって得られたブルーム(断面300mm×500mm)を分塊圧延、線材圧延を経て線材(断面7mmφ)に圧延した。圧延後の冷却速度を変えると1000〜900℃の温度域の通過時間が変わり、Cr酸化物層の厚みは変化する。得られた線材についてスケール評点と残留スケール量を測定した。表2にその結果を示す。
【0016】
スケール評点は、鋼材の全表面に対するスケールが剥離した面積の比を指数化したもので、数字が高いものほどスケール剥離が大きい。スケール評点が1.5以下であれば、防錆剤の塗布等を必要としない。本発明鋼は、スケール評点が小さく、スケールが安定して付着していることがわかる。それに対し、鋼B4〜B6は、SiまたはSが高くスケールが剥離し易くなり、スケール評点が高くなっている。
【0017】
一方、残留スケール量とは、鋼材に応力を負荷してスケールを除去する方法(メカニカルデスケーリング)を行なった後に鋼材表面に残るスケールのことであり、メカニカルデスケーリング後に、希塩酸による酸洗を行い、酸洗前後の重量差を残留スケール量とした。残留スケール指標は、残留スケールの鋼材の重量に対する比を指数化した値で示され、大きいほど悪い。残留スケール指標が0.2以下であれば、酸洗を必要としない。本発明により、残留スケールが著しく改善されていることがわかる。それに対し鋼B1はCrが低すぎてスケールの密着性が悪くスケール評点は高い。また、鋼B2、B3は逆にCrが高すぎて残留スケールが多くなっている。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】
本発明鋼によれば、工程間でのスケール密着性が良くなるために、防錆剤塗布の省略が可能となり、省力化が図られた。また、防錆剤の塗布及び剥離に必要となる化学物質による環境汚染が防止できる。さらに、伸線加工前のスケール除去工程をメカニカルデスケーリングとすることにより、酸洗工程省略による省力化と設備費の低減が図れる。このことにより本発明は産業上のメリットのみならず、環境にも配慮した優れた発明である。
Claims (2)
- 重量%で
Si:0.10 〜0.40%
S :0.002〜0.01%
Cr:0.02 〜0.3 %
を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、圧延後の鋼材表面に付着したスケールと鋼材との界面に存在するスケール中の、Cr濃度が0.07%以上の濃化領域が0.2μm以上2μm以下存在する、所定以下の応力負荷時にはスケール密着性が良く、且つ、それ以上の応力負荷時にはスケールの剥離性がよいことを特徴とする鋼線用線材。
ただし、線材は、線材のベースとなる鋼材の表面にスケールが付着したものである。 - 重量%で
C :0.70 〜1.1 %
Si:0.10 〜0.40%
Mn:0.20 〜0.90%
P :0.003〜0.02%
S :0.002〜0.01%
Cr:0.02 〜0.3 %
を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、圧延後の鋼材表面に付着したスケールと鋼材との界面に存在するスケール中の、Cr濃度が0.07%以上の濃化領域が0.2μm以上2μm以下存在する、所定以下の応力負荷時にはスケール密着性が良く、且つ、それ以上の応力負荷時にはスケールの剥離性がよいことを特徴とする鋼線用線材。
ただし、線材は、線材のベースとなる鋼材の表面にスケールが付着したものである。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP30428596A JP3548355B2 (ja) | 1996-11-15 | 1996-11-15 | 鋼線用線材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30428596A JP3548355B2 (ja) | 1996-11-15 | 1996-11-15 | 鋼線用線材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10147844A JPH10147844A (ja) | 1998-06-02 |
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Family Applications (1)
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| JP30428596A Expired - Fee Related JP3548355B2 (ja) | 1996-11-15 | 1996-11-15 | 鋼線用線材 |
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| JP (1) | JP3548355B2 (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4248790B2 (ja) | 2002-02-06 | 2009-04-02 | 株式会社神戸製鋼所 | メカニカルデスケーリング性に優れた鋼線材およびその製造方法 |
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1996
- 1996-11-15 JP JP30428596A patent/JP3548355B2/ja not_active Expired - Fee Related
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