JP3548106B2 - 加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス機によって冷間鍛造されるワーク(例えば、鉄鋼、チタン、チタン合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金からなる棒状(管状を含む)、平板状のもの等)を加熱する加熱装置に関し、特に、ワークに冷間鍛造用の水性乾式の潤滑剤の乾燥被膜を形成するために該ワークを潤滑剤塗布前に加熱する加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ワークに冷間鍛造用の潤滑剤の乾燥被膜を形成する試みがなされている。具体的には、ワークを予め所定の温度に予備加熱しておき、加熱したワークに水性乾式の潤滑剤を塗布した後、塗布した潤滑剤を乾燥させてワークの表面に乾燥被膜を形成するという手法が採用されている。
【0003】
そして、ワークを所定の温度に加熱する加熱装置としては、高温雰囲気の加熱室が用いられていた。即ち、プレス機に至る搬送ライン中に加熱室を配設し、該加熱室内にワークを順次直線的に通過させ、通過する間に加熱室内の高温雰囲気にてワークを加熱するという構成であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、ワークを所望の温度まで加熱するには搬送方向に沿って長い加熱室が必要となり、加熱装置が大型複雑化するという問題があった。
【0005】
それゆえに、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされ、加熱装置を小型簡素化することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、請求項1の発明に係る加熱装置は、冷間鍛造されるワーク(1)の表面に冷間鍛造用水性乾式の潤滑剤の乾燥被膜を形成するために、潤滑剤の塗布前にワーク(1)を所定の温度に加熱する加熱装置であって、回転軸(2)が略水平な回転ドラム(3)を備え、該回転ドラム(3)には、ワーク(1)を収納するための多数の収納室(4)が周方向に沿って一定間隔毎に且つ回転ドラム(3)に対して相対回転不能に設けられ、各収納室(4)は、ワーク(1)を回転ドラム(3)の軸方向に移動させることによって投入・排出できるように回転ドラム(3)の両端面に開口した筒状体に形成されており、各収納室(4)へワーク(1)が投入されるワーク投入位置(A)から、各収納室(4)からワーク(1)が排出されるワーク排出位置(B)までの回転角度中に、所定区間の加熱領域が設けられ、回転ドラム(3)の回転によって収納室(4)が加熱領域を通過する間に、各収納室(4)に収納されたワーク(1)を加熱手段によって所定の温度に加熱するよう構成されており、前記各収納室(4)は、平板状のワーク(1)を載置できる平坦な床面(10)と、回転ドラム(3)の回転によって平板状のワーク(1)が反転した姿勢で載置される平坦な天面(11)とを備えた横断面であり、回転ドラム(3)の半径方向に沿った寸法である幅寸法が床面(10)と天面(11)との間隔寸法である高さ寸法よりも大きいことにより、各収納室(4)は、回転ドラム(3)の軸方向から見て放射線状に並んでおり、更に、前記ワーク投入位置(A)はワーク(1)が床面(10)に載置可能なように床面(10)が略水平となる位置に、また、ワーク排出位置(B)はワーク投入位置(A)から略一回転して床面(10)が再び略水平となる位置に、それぞれ設定されており、かつ、前記回転ドラム(3)の両端面の外側のうちワーク投入位置(A)からワーク排出位置(B)までの間の部分に、各収納室(4)に収納されたワーク(1)が収納室(4)から脱落するのを防止するための支え棒(17)が円周方向に沿って延びるように配置されていることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明に係る加熱装置は、冷間鍛造されるワーク(1)の表面に冷間鍛造用水性乾式の潤滑剤の乾燥被膜を形成するために、潤滑剤の塗布前にワーク(1)を所定の温度に加熱する加熱装置であって、回転軸(2)が略水平な回転ドラム(3)を備え、該回転ドラム(3)には、ワーク(1)を収納するための多数の収納室(4)が周方向に沿って一定間隔毎に且つ回転ドラム(3)に対して相対回転不能に設けられ、各収納室(4)は、一定の横断面を有するように回転ドラム(3)を軸方向に貫通して回転ドラム(3)の両端面に開口し、各収納室(4)へワーク(1)が投入されるワーク投入位置(A)から、各収納室(4)からワーク(1)が排出されるワーク排出位置(B)までの回転角度中に、所定区間の加熱領域が設けられ、回転ドラム(3)の回転によって収納室(4)が加熱領域を通過する間に、各収納室(4)に収納されたワーク(1)を加熱手段によって所定の温度に加熱するよう構成されており、前記各収納室(4)の壁面には、ワーク(1)が載置可能な平面状の床面(10)が設けられ、ワーク投入位置(A)はワーク(1)が床面(10)に載置可能なように床面(10)が略水平となる位置に、また、ワーク排出位置(B)はワーク投入位置(A)から略一回転して床面(10)が再び略水平となる位置に、それぞれ設定され、前記各収納室(4)の横断面は、幅が高さよりも大きい蒲鉾型となっていることを特徴とする。
【0008】
尚、収納室の幅は、回転ドラムを軸方向に見たときの床面方向の長さであり、また、蒲鉾型には、半円、円を直線で二つに分断した形状、長方形の両短辺の一長辺側を共に円弧状とした形状、一方の長辺から他方の長辺に向けて徐々に幅狭となるように長方形の両短辺全体を円弧状とした形状、が含まれる。
【0009】
また、請求項3の発明に係る加熱装置は、冷間鍛造されるワーク(1)の表面に冷間鍛造用水性乾式の潤滑剤の乾燥被膜を形成するために、潤滑剤の塗布前にワーク(1)を所定の温度に加熱する加熱装置であって、回転軸(2)が略水平な回転ドラム(3)を備え、該回転ドラム(3)には、ワーク(1)を収納するための多数の収納室(4)が周方向に沿って一定間隔毎に且つ回転ドラム(3)に対して相対回転不能に設けられ、各収納室(4)は、一定の横断面を有するように回転ドラム(3)を軸方向に貫通して回転ドラム(3)の両端面に開口し、各収納室(4)へワーク(1)が投入されるワーク投入位置(A)から、各収納室(4)からワーク(1)が排出されるワーク排出位置(B)までの回転角度中に、所定区間の加熱領域が設けられ、回転ドラム(3)の回転によって収納室(4)が加熱領域を通過する間に、収納室(4)に収納されたワーク(1)を加熱手段によって所定の温度に加熱するよう構成されており、前記各収納室(4)の横断面は、略T字状の段付き棒状のワーク(1)に対応すべく、略T字状となっていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明に係る加熱装置は、冷間鍛造されるワーク(1)の表面に冷間鍛造用水性乾式の潤滑剤の乾燥被膜を形成するために、潤滑剤の塗布前にワーク(1)を所定の温度に加熱する加熱装置であって、回転軸(2)が略水平な回転ドラム(3)を備え、該回転ドラム(3)には、ワーク(1)を収納するための多数の収納室(4)が周方向に沿って一定間隔毎に且つ回転ドラム(3)に対して相対回転不能に設けられ、各収納室(4)は、一定の横断面を有するように回転ドラム(3)を軸方向に貫通して回転ドラム(3)の両端面に開口し、各収納室(4)へワーク(1)が投入されるワーク投入位置(A)から、各収納室(4)からワーク(1)が排出されるワーク排出位置(B)までの回転角度中に、所定区間の加熱領域が設けられ、回転ドラム(3)の回転によって各収納室(4)が加熱領域を通過する間に、各収納室(4)に収納されたワーク(1)を加熱手段によって所定の温度に加熱するよう構成されており、前記各収納室(4)の横断面は、略十字状の段付き棒状のワーク(1)に対応すべく、略十字状となっていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明に係る加熱装置は、冷間鍛造されるワーク(1)の表面に冷間鍛造用水性乾式の潤滑剤の乾燥被膜を形成するために、潤滑剤の塗布前にワーク(1)を所定の温度に加熱する加熱装置であって、回転軸(2)が略水平な回転ドラム(3)を備え、該回転ドラム(3)には、ワーク(1)を収納するための多数の収納室(4)が周方向に沿って一定間隔毎に且つ回転ドラム(3)に対して相対回転不能に設けられ、各収納室(4)は、一定の横断面を有するように回転ドラム(3)を軸方向に貫通して回転ドラム(3)の両端面に開口し、各収納室(4)へワーク(1)が投入されるワーク投入位置(A)から、各収納室(4)からワーク(1)が排出されるワーク排出位置(B)までの回転角度中に、所定区間の加熱領域が設けられ、回転ドラム(3)の回転によって収納室(4)が加熱領域を通過する間に、各収納室(4)に収納されたワーク(1)を加熱手段によって所定の温度に加熱するよう構成されており、前記回転ドラム(3)は、横断面が異なる二種以上の収納室(4)を備えていることを特徴とする。
【0012】
更に、本発明においては、請求項6に記載したように、前記回転ドラムの一部が湯に浸かるように所定温度の湯が溜められる温浴槽を備え、温浴槽内の湯を収納室が通過する区間を加熱領域とし、収納されたワークを加熱手段として温浴により所定の温度に加熱するよう構成されていることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参酌しつつ、冷間鍛造されるワーク1の表面に冷間鍛造用の水性乾式の潤滑剤を塗布し、塗布した潤滑剤を乾燥することによってワーク1の表面に潤滑剤の乾燥被膜を形成する潤滑被膜形成装置を構成している加熱装置の一実施形態について説明する。
【0014】
この潤滑被膜形成装置は、プレス機へワーク1を供給する搬送ラインに設けられており、上流側から順に、ワーク1を所定の温度に加熱するための加熱装置と、該加熱装置で加熱されたワーク1の表面に潤滑剤を塗布する塗布装置と、該塗布装置で塗布された潤滑剤を乾燥するための乾燥装置とを備える。尚、水性乾式の潤滑剤としては、例えば、「日本パーカライジング(株)」製の商品名「ファインリューベE750H」を用いる。
【0015】
前記加熱装置は、略水平な回転軸2に固定されて一体回転する回転ドラム3を備えた、ロータリ式の加熱装置である。回転ドラム3には、ワーク1を収納するための同一形状の収納室4が同一円上に周方向に沿って一定間隔毎、具体的には10度毎に設けられている。該収納室4は、一定の横断面(回転軸2と直交する断面)を有するように回転ドラム3を軸方向に貫通して回転ドラム3の両端面に開口しており、この開口からワーク1を投入排出する。
【0016】
また、回転軸2の一端部にはプーリ5が嵌装固定され、モータ6の回転駆動力がチェーン7を介して伝達される。該モータ6は間欠的に回転するよう制御されており、そのピッチは収納室4の配列ピッチ(一ピッチが10度)と一致する。
【0017】
回転ドラム3は、より詳細には、回転軸2に固定された前後二枚の円板8,8と、両円板8,8を軸方向に連結するように両円板8,8間に取り付けられた複数の筒状体9とを備えている。
【0018】
円板8には周方向に沿って一定間隔毎に孔が穿設され、対向する両円板8,8の孔同士を貫通するように筒状体9が各々挿入され、両円板に対して筒状体9が相対回転不能に固定されて、筒状体9の内側に収納室4が形成される。尚、筒状体9は、板金の折り曲げにより形成され、パンチング処理がなされている。
【0019】
筒状体9は、種々の横断面のものを採用できるが、本実施形態では、円盤状等のように、底面1bに平坦部を有する平板状のワーク1を収納すべく、幅が高さよりも大きな蒲鉾型の横断面を有している。
【0020】
より具体的には、収納室4の壁面、即ち筒状体9の内面は、図4の如く、ワーク1の投入時にワーク1の底面1bが当接するようにワーク1が水平状態で載置される平面状の床面10と、該床面10と対向し床面10よりも幅狭な平面状の天面11と、床面10と天面11とを繋ぐ両側面12,12とから構成されている。
【0021】
そして、両側面12,12の天面11側略半分が内側に曲がった一定曲率の曲面状となっている。換言すれば、長方形の両短辺の一長辺側略半分を円弧状とした形状となっている。
【0022】
尚、蒲鉾型の収納室4は、棒状のワーク1よりも円盤状のワーク1に適している。即ち、軸方向の長さをL、直径をDとしたとき、L/Dが1以下のものに適し、矩形平板状のワーク1も収納できる。上記平板状のワーク1とは、L/Dが1以下のものを意味する。また、ワーク1が収納室4内で天地反転しないように、収納室4の高さ(天面11と床面10との離間距離)はワーク1の対角線長さよりも狭く設定する。
【0023】
更に、本実施形態においては、筒状体9は全て同一形状である。そして、回転軸2に対して同一方向を向いて取り付けられている。この横長の筒状体9は、幅方向(横方向)が回転ドラム3の半径方向となるように放射線状に配設され、筒状体9の高さを二分する中心線は回転軸2を通る。
【0024】
尚、図1のように、収納室4へワーク1が投入されるワーク投入位置Aは、回転軸2と同一高さの位置である。即ち、床面10が水平となる位置である。また、収納室4からワーク1が排出されるワーク排出位置Bは、ワーク投入位置Aから略一回転して再び床面10が略水平となる位置に設定される。具体的には、ワーク投入位置Aの一ピッチ上方側(回転方向と反対側)の位置に設定されている。
【0025】
筒状体9は、回転ドラム3の回転と共にその姿勢を一ピッチ毎に10度ずつ変化させ、ワーク投入位置Aでは水平状態に、ワーク排出位置Bでは略水平状態に、ワーク投入位置Aから90度及び270度回転した位置では垂直状態に、ワーク投入位置Aから180度回転した位置では天地反転した状態にある。
【0026】
そして、一方の円板8の外側には、ワーク投入位置Aにおいて搬送ベルト13から収納室4にワーク1を一方の開口より水平に押し入れるための投入用プッシャー14と、ワーク排出位置Bにおいて収納室4内のワーク1を他方の開口より略水平に排出して搬送ベルト15上に移送させる排出用プッシャー16とが配設され、それぞれシリンダ14a,16aにより出退自在に構成されている。
【0027】
尚、ワーク投入位置Aからワーク排出位置Bまで、収納室4に収納されたワーク1の収納室4の両開口からの脱落を防止するために、両円板8の外側には、所定間隔おいて並設された三本の支え棒17が、周方向に沿って設けられている。
【0028】
そして、該加熱装置は、収納室4に収納されたワーク1を温浴により所定の温度に加熱する構成をとっている。即ち、回転ドラム3の下側略半分、即ち、回転軸2より下方の部位が湯に浸かるように、所定量の湯が溜められる温浴槽18を備えている。該温浴槽18内の湯は、常に一定量に維持されると共に、ヒータとして用いられているシーズヒータ19によって60℃乃至70℃の温度に設定される。尚、温浴槽18の底面18aは一方側に向けて緩やかに傾斜しており、一方側端部には湯を外部に排出するための排出口18bが設けられている。
【0029】
尚、プレス機の周囲の室温が40℃の場合を想定し、プレス機に供給されるワーク1の温度が50℃乃至60℃となるよう、即ち、プレス機に供給されるワーク1の温度が、少なくともプレス機の周囲の室温以上、好ましくは、プレス機の周囲の室温より10℃程度高くなるように、加熱装置における温度設定、具体的には、温浴槽18の湯の温度が設定される。
【0030】
以上のように構成された加熱装置には、上流側の搬送ベルト13からワーク1が投入用プッシャー14によって収納室4内に回転ドラム3の間欠送りに同期して一個ずつ押入収納される。尚、収納室4に複数個のワーク1を回転ドラム3の軸方向に並べて収納すれば処理能力がアップする。
【0031】
ワーク投入位置Aで投入されたワーク1は、収納室4に収納された状態で回転ドラム3の回転に伴って温浴槽18内を通過する。この湯内をワーク1が通過する間に、温浴によってワーク1が加熱されて所定の温度まで温度上昇し、ワーク排出位置Bにおいて排出用プッシャー16にて排出されて下流側の搬送ベルト15へ順次移送され、下流の塗布装置に送られる。
【0032】
このように、加熱装置が回転型であるため、直線型の従来の加熱装置に比して小型化できて設置スペースの小スペース化が可能であり、機構も簡素となって低コスト化とメンテナンスの容易化が図れる。
【0033】
特に、回転ドラム3を前後一対の円板8,8とそれを前後に連結して収納室4となる筒状体9とから構成しているので、回転ドラム3の構成も簡易である。また、チェーン等に比して回転ドラム3の経時変化も極めて小さいので、ワーク投入位置Aやワーク排出位置Bも安定し、従って、両プッシャー14,16による投入排出動作も長期間安定する。
【0034】
特に、収納室4をその幅方向が回転ドラム3の半径方向となるように放射線状に配列しているので、回転ドラム3に多数の収納室4を配設でき、装置の小型簡素化にも寄与する。
【0035】
更に、空気や蒸気でワーク1を加熱する構成も採用できるが、温浴とすることにより、他の加熱手段に比しても種々の利点がある。即ち、温浴なるため、加熱効率が高く、湯の温度制御も容易である。そして、ワーク1は湯の温度以上にはならないので、湯の温度設定をワーク1の加熱温度に近似した値に設定できる。
【0036】
従って、ワーク1の温浴時間(加熱時間)が多少変化してもワーク1の温度が大きく変化することがなく、ワーク1の温度制御が容易となるのである。従って、搬送ラインが停止してもワーク1が過加熱されることもない。
【0037】
特に、乾燥被膜を均一厚に形成するためには、塗布した潤滑剤の乾燥時において、ワーク1間における温度バラツキが少ないことが必要となる。従って、予備加熱におけるワーク1の温度管理が重要で、温浴によって加熱することにより、温度バラツキが少なくなって膜厚の均一化が容易となる。しかも、温浴の場合には、ワーク1表面に付着したゴミ等も温浴によって除去できるという利点もある。
【0038】
次に、ワーク投入位置Aからワーク排出位置Bまでにおけるワーク1の姿勢変化を考える。図4に姿勢変化を概略的に示している。尚、図4及び後述する図5では、便宜上、ワーク排出位置Bをワーク投入位置Aと同じ位置として説明する。
【0039】
まず、ワーク投入位置Aでは収納室4の床面10が水平であるので、ワーク1は水平に床面10に載置される。回転ドラム3の図上時計方向の回転によって床面10が傾斜すると、ワーク1は床面10の外径側端部へとスライドする。
【0040】
その後、回転ドラム3が180度回転するまでワーク1は傾斜状態にあり、回転ドラム3が180度回転した位置では、天地反転して天面11に載置した状態となる。
【0041】
そこから更に回転すると、天面11の傾斜により、ワーク1は天面11の内径側端部へと滑るが、側面12の天面11側略半分が曲面Rであるため、その曲面Rを介してワーク1が側面12上にまで滑る。即ち、ワーク1は、その内側が外側よりも回転方向前方側に位置する。従って、180度から270度までの区間において、ワーク1は収納室4の状態よりも回転方向後方側に傾斜した状態にある。
【0042】
そして、270度からワーク排出位置Bに至るまでにワーク1は投入時と同様に底面1bが床面10に当接した状態となり、投入時に対して姿勢変化のない状態でワーク排出位置Bから排出される。このように、収納室4を蒲鉾型にしているため、投入時と排出時との間でワーク1の姿勢変化を抑制できる。
【0043】
一方、収納室4の横断面を図5に示すような横長の長方形状とした場合には、ワーク1の姿勢が蒲鉾型に比して変化するおそれがある。即ち、ワーク投入位置Aから180度回転するまでの区間は上述した蒲鉾型の場合と同様である。
【0044】
ワーク1が天地反転した180度回転位置から更に回転して天面11が回転軸2に向けて傾斜すると、ワーク1が天面11上を収納室4の内径側端部へ向けて滑り、天面11に当接したままの状態で側面12に当たって止まる。そして、270度回転位置においては、蒲鉾型とは逆に、ワーク1が収納室4よりも回転方向前方側へ傾斜した状態、即ち、ワーク1はその外側が内側よりも回転方向前方側に傾倒した状態となる。
【0045】
このように、ワーク1の外側が内側よりも先に床面10に当接すると、床面10に対してワーク1が傾斜した状態のままワーク排出位置Bに到達する可能性がある。ワーク排出位置Bにおいて、ワーク1の底面1bが床面10に当接した状態になくて床面10に対して傾斜した状態にある場合には、排出用プッシャー16によってワーク1を排出する際に、ワーク1が収納室4の壁面にひっかかって確実に排出されなかったり、排出されてもワーク1の姿勢が天地反転したりして乱れるおそれがある。
【0046】
以上のように、収納室4を蒲鉾型とすることにより、ワーク1に対して収納室4の横断面が大きい場合であっても、ワーク排出位置Bにおいてワーク1が床面10に対して傾斜する可能性が格段に小さくなり、ワーク1を確実且つ安定姿勢にて排出できる。
【0047】
従って、姿勢を元に戻すための特別な機構が不要となり、加熱装置を簡素化できる。また、収納室4が一種類一サイズのワーク1の専用品ではなく、ワーク1のサイズが多少異なっても収納室4に収納できる構成なるため、ワーク1のサイズに対する汎用性が高いという利点がある。
【0048】
尚、図4に示す場合には、180度回転位置においてワーク1が水平とならずに天面11に対して傾斜した状態となる可能性もある。しかしながら、180度回転位置で傾斜していても、その後の回転によって解消されるので実質上問題はない。また、図5のように横断面が長方形の場合でも、幅方向が半径方向となるように放射線状に配列することにより、回転ドラム3の小型化等の効果がある。
【0049】
次に、ワーク1が段付き棒状である場合に適した加熱装置を説明する。段付き棒状のワーク1としては、軸方向一端部に大径部1aを有して全体として略T字状に形成されたものと、軸方向中途部に大径部1aを有して全体として略十字状に形成されたものとがある。何れも、L/Dが1以上のものである。
【0050】
図6は略T字状の段付き棒状のワーク1に対応した加熱装置を示している。但し、収納室4、即ち筒状体9の形状以外は上記の構成と同様である。また、図6(a)及び図7(a)は前後の円板8,8間で切断した断面を示す。
【0051】
図6の加熱装置における収納室4は、その横断面が略T字状となっており、従って、筒状体9もワーク1の外形に合わせて断面視略T字状に形成している。各筒状体9は、横断面の縦方向が回転ドラム3の径方向となり且つ頭部側が外径側に位置するように放射線状に配設されている。従って、ワーク1もその大径部1aが外径側に位置し且つその軸線が回転ドラム3の回転軸2を通るように収納される。
【0052】
尚、ワーク排出位置Bは、筒状体9が上下方向となる位置、即ち、最上位置であり、その位置においてワーク1は大径部1aにおいて筒状体9の段部で吊下状態にある。一方、ワーク投入位置Aは、ワーク排出位置Bから回転ドラム3の回転方向前方側に所定ピッチ回転した位置にあり、ワーク1は傾倒した状態で投入される。
【0053】
更に、本実施形態では、横断面の異なる二種類の筒状体9を使用している。即ち、大きな大径部1aを有するワーク1に対応した第一筒状体9aと、それより小さな大径部1aに対応した第二筒状体9bとが、周方向に沿って交互に配設されている。従って、収納室4も二種類ある。尚、図6では、第二筒状体9がワーク投入位置A及びワーク排出位置Bに来た状態を示している。
【0054】
このように二種類の筒状体9を交互に配設した場合、一ピッチおきにワーク1を収納することになるが、図6(b)のように、回転ドラム3の軸方向に沿って複数のワーク1を並べて収納することにより、処理能力を確保することができる。
【0055】
以上の構成では、ワーク1の形状に対応して筒状体9を略T字状にしているので、ワーク1が回転移送中に収納室4内において軸方向の上下が反転するということがない。このようにワーク1の姿勢が維持されるので、姿勢を正す機構が不要となり加熱装置が簡素化できるのである。しかも、異なる複数種類の横断面を有しているので、サイズや形状の異なるワーク1に幅広く対応でき、加熱装置の設置台数を抑制できる。
【0056】
同様に、図7は、略十字状の段付き棒状のワーク1に対応した加熱装置を示しており、図6の構成において筒状体9を略T字状のものから略十字状のものに変更したものである。かかる構成でも、図6と同様に大きな大径部1aを有するワーク1に対応した第一筒状体9aと、それより小さな大径部1aに対応した第二筒状体9bとを、周方向に沿って交互に配設している。
【0057】
かかる構成でも、ワーク1の外形に合わせて筒状体9を略十字状としているので、移送中におけるワーク1の上下反転を防止でき、ワーク1の姿勢を整える機構が不要となって装置全体として簡素化に寄与する。また、図6の場合と同様に横断面が異なる複数種類の筒状体9を使用しているので、ワーク1のサイズ変化等に対する適応性が高い。
【0058】
また、横断面が異なる複数種類の筒状体9を使用する構成としては、図6や図7のような構成以外にも、横断面の形が全く異なる筒状体9を任意に組み合わせた構成とすることもできる。例えば、円形と略十字状や略T字状とを組み合わせたり、あるいは、図8のように、円形と蒲鉾型とを組み合わせたりすることもできる。図8の構成では、横断面が円形の筒状体9cと蒲鉾型の筒状体9dとを交互に配置したものである。1ピッチが30度の場合を示している。
【0059】
ここで、横断面が円形の筒状体9c、即ち、円筒状の筒状体9cは、L/Dが1以上の棒状のワーク1(段付き棒状のワーク1を含む)を収納するのに適し、ワーク1が軸方向が回転ドラム3の軸方向となるように収納する。一方、横断面が蒲鉾型の筒状体9dは、上述したようにギヤ等のような平板状のワーク1に適している。
【0060】
従って、二種類の筒状体9c,9dを備えることにより、ワーク1のL/Dに対する対応性を大きく向上できるのである。また、円筒状の筒状体9c同士の間に配設する蒲鉾型の筒状体9dは一個、一種類に限らず、例えば、図8の一部に二点鎖線にて示しているように、サイズが異なる複数種類の蒲鉾型の筒状体9e,9d,9fを周方向に並設することも可能である。尚、図8では一部にのみ二点鎖線で示しているが、全周に亘って同様に配設する。例えば、大中小の三種類の蒲鉾型の筒状体9d,9d,9eを配設すれば(1ピッチは15度になる)、この加熱装置一台で大半のワーク1に対応させることもできる。
【0061】
尚、このように、様々な収納室4を組み合わせることができ、エンコーダ等で回転ドラム3の位置、位相を検出しながら所定の形状、サイズの収納室4が来たときにのみプッシャー14,16を出退するように制御することで収納室4も容易に使い分けできる。
【0062】
また、収納室4を一列に設ける場合のみならず、内外に複数列配列することもでき、例えば、内外二列設ける場合には、外側と内側とで形状やサイズが異なるようにすることもできる。例えば、図9に示すように、外側に円筒状の筒状体9cを、内側に蒲鉾型の筒状体9dを配設することもできる。また、内側と外側とで筒状体9のサイズが異なるようにしてもよい。例えば、外側には大径の円筒状の筒状体を、内側には小径の円筒状の筒状体を各々配設してもよい。
【0063】
尚、上記実施形態では、温浴槽18を備えた温浴式の加熱装置について説明したが、加熱手段は温浴に限定されず、例えば、回転ドラム3の軸方向両側にダクトを配設し、熱風を加熱手段として、所定の回転角度領域を加熱領域としてダクトから熱風をワーク1に軸方向に吹き付けるようにするなど、種々の構成を採用できる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、周方向に多数の収納室を有する回転ドラムを備えたロータリ式としたことにより、加熱装置を小型簡素化することができる。
【0065】
しかも、幅が高さよりも大きな横断面を有する収納室を、その幅方向が回転ドラムの半径方向となるように放射線状に並べることにより、例えば幅方向が周方向を向いている配列に比して、多数の収納室を効率よく配置でき、装置をより一層小型化できる。
【0066】
また、収納室の横断面を、幅が高さよりも大きい蒲鉾型としたり、ワークに対応した略T字状あるいは略十字状とすることにより、ワークの投入排出間でのワークの姿勢変化を抑制でき、ワークの姿勢を整えるための特別な機構が不要となり、装置をより一層簡素化できる。
【0067】
また、横断面が異なる二種以上の収納室を備えることにより、ワークの形状やサイズ変化にも柔軟に対応でき、汎用性が高まる。従って、装置の必要台数が少なくて済み、加熱装置がトータルとして小型簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における加熱装置の一部断面を含む正面図。
【図2】同加熱装置を示す一部断面を含む側面図。
【図3】同加熱装置を示す一部断面を含む側面図。
【図4】同加熱装置の概略説明図。
【図5】他の実施形態における加熱装置の概略説明図。
【図6】他の実施形態の加熱装置を示し、(a)は一部断面を含む正面図、(b)はP−P断面図。
【図7】他の実施形態の加熱装置を示し、(a)は一部断面を含む正面図、(b)はQ−Q断面図。
【図8】他の実施形態の加熱装置を示す一部断面を含む正面図。
【図9】他の実施形態の加熱装置の要部を示す一部断面を含む正面図。
【符号の説明】
1…ワーク、2…回転軸、3…回転ドラム、4…収納室、8…円板、9…筒状体、10…床面、11…天面、12…側面、18…温浴槽、A…ワーク投入位置、B…ワーク排出位置、R…曲面
Claims (6)
- 冷間鍛造されるワーク(1)の表面に冷間鍛造用水性乾式の潤滑剤の乾燥被膜を形成するために、潤滑剤の塗布前にワーク(1)を所定の温度に加熱する加熱装置であって、
回転軸(2)が略水平な回転ドラム(3)を備え、該回転ドラム(3)には、ワーク(1)を収納するための多数の収納室(4)が周方向に沿って一定間隔毎に且つ回転ドラム(3)に対して相対回転不能に設けられ、各収納室(4)は、ワーク(1)を回転ドラム(3)の軸方向に移動させることによって投入・排出できるように回転ドラム(3)の両端面に開口した筒状体に形成されており、
各収納室(4)へワーク(1)が投入されるワーク投入位置(A)から、各収納室(4)からワーク(1)が排出されるワーク排出位置(B)までの回転角度中に、所定区間の加熱領域が設けられ、回転ドラム(3)の回転によって収納室(4)が加熱領域を通過する間に、各収納室(4)に収納されたワーク(1)を加熱手段によって所定の温度に加熱するよう構成されており、
前記各収納室(4)は、平板状のワーク(1)を載置できる平坦な床面(10)と、回転ドラム(3)の回転によって平板状のワーク(1)が反転した姿勢で載置される平坦な天面(11)とを備えた横断面であり、回転ドラム(3)の半径方向に沿った寸法である幅寸法が床面(10)と天面(11)との間隔寸法である高さ寸法よりも大きいことにより、各収納室(4)は、回転ドラム(3)の軸方向から見て放射線状に並んでおり、
更に、前記ワーク投入位置(A)はワーク(1)が床面(10)に載置可能なように床面(10)が略水平となる位置に、また、ワーク排出位置(B)はワーク投入位置(A)から略一回転して床面(10)が再び略水平となる位置に、それぞれ設定されており、
かつ、前記回転ドラム(3)の両端面の外側のうちワーク投入位置(A)からワーク排出位置(B)までの間の部分に、各収納室(4)に収納されたワーク(1)が収納室(4)から脱落するのを防止するための支え棒(17)が円周方向に沿って延びるように配置されていることを特徴とする加熱装置。 - 冷間鍛造されるワーク(1)の表面に冷間鍛造用水性乾式の潤滑剤の乾燥被膜を形成するために、潤滑剤の塗布前にワーク(1)を所定の温度に加熱する加熱装置であって、
回転軸(2)が略水平な回転ドラム(3)を備え、該回転ドラム(3)には、ワーク(1)を収納するための多数の収納室(4)が周方向に沿って一定間隔毎に且つ回転ドラム(3)に対して相対回転不能に設けられ、各収納室(4)は、一定の横断面を有するように回転ドラム(3)を軸方向に貫通して回転ドラム(3)の両端面に開口し、各収納室(4)へワーク(1)が投入されるワーク投入位置(A)から、各収納室(4)からワーク(1)が排出されるワーク排出位置(B)までの回転角度中に、所定区間の加熱領域が設けられ、回転ドラム(3)の回転によって収納室(4)が加熱領域を通過する間に、各収納室(4)に収納されたワーク(1)を加熱手段によって所定の温度に加熱するよう構成されており、
前記各収納室(4)の壁面には、ワーク(1)が載置可能な平面状の床面(10)が設けられ、ワーク投入位置(A)はワーク(1)が床面(10)に載置可能なように床面(10)が略水平となる位置に、また、ワーク排出位置(B)はワーク投入位置(A)から略一回転して床面(10)が再び略水平となる位置に、それぞれ設定され、
前記各収納室(4)の横断面は、幅が高さよりも大きい蒲鉾型となっていることを特徴とする加熱装置。 - 冷間鍛造されるワーク(1)の表面に冷間鍛造用水性乾式の潤滑剤の乾燥被膜を形成するために、潤滑剤の塗布前にワーク(1)を所定の温度に加熱する加熱装置であって、
回転軸(2)が略水平な回転ドラム(3)を備え、該回転ドラム(3)には、ワーク(1)を収納するための多数の収納室(4)が周方向に沿って一定間隔毎に且つ回転ドラム(3)に対して相対回転不能に設けられ、各収納室(4)は、一定の横断面を有するように回転ドラム(3)を軸方向に貫通して回転ドラム(3)の両端面に開口し、各収納室(4)へワーク(1)が投入されるワーク投入位置(A)から、各収納室(4)からワーク(1)が排出されるワーク排出位置(B)までの回転角度中に、所定区間の加熱領域が設けられ、回転ドラム(3)の回転によって収納室(4)が加熱領域を通過する間に、収納室(4)に収納されたワーク(1)を加熱手段によって所定の温度に加熱するよう構成されており、
前記各収納室(4)の横断面は、略T字状の段付き棒状のワーク(1)に対応すべく、略T字状となっていることを特徴とする加熱装置。 - 冷間鍛造されるワーク(1)の表面に冷間鍛造用水性乾式の潤滑剤の乾燥被膜を形成するために、潤滑剤の塗布前にワーク(1)を所定の温度に加熱する加熱装置であって、
回転軸(2)が略水平な回転ドラム(3)を備え、該回転ドラム(3)には、ワーク(1)を収納するための多数の収納室(4)が周方向に沿って一定間隔毎に且つ回転ドラム(3)に対して相対回転不能に設けられ、各収納室(4)は、一定の横断面を有するように回転ドラム(3)を軸方向に貫通して回転ドラム(3)の両端面に開口し、各収納室(4)へワーク(1)が投入されるワーク投入位置(A)から、各収納室(4)からワーク(1)が排出されるワーク排出位置(B)までの回転角度中に、所定区間の加熱領域が設けられ、回転ドラム(3)の回転によって各収納室(4)が加熱領域を通過する間に、各収納室(4)に収納されたワーク(1)を加熱手段によって所定の温度に加熱するよう構成されており、
前記各収納室(4)の横断面は、略十字状の段付き棒状のワーク(1)に対応すべく、略十字状となっていることを特徴とする加熱装置。 - 冷間鍛造されるワーク(1)の表面に冷間鍛造用水性乾式の潤滑剤の乾燥被膜を形成するために、潤滑剤の塗布前にワーク(1)を所定の温度に加熱する加熱装置であって、
回転軸(2)が略水平な回転ドラム(3)を備え、該回転ドラム(3)には、ワーク(1)を収納するための多数の収納室(4)が周方向に沿って一定間隔毎に且つ回転ドラム(3)に対して相対回転不能に設けられ、各収納室(4)は、一定の横断面を有するように回転ドラム(3)を軸方向に貫通して回転ドラム(3)の両端面に開口し、各収納室(4)へワーク(1)が投入されるワーク投入位置(A)から、各収納室(4)からワーク(1)が排出されるワーク排出位置(B)までの回転角度中に、所定区間の加熱領域が設けられ、回転ドラム(3)の回転によって収納室(4)が加熱領域を通過する間に、各収納室(4)に収納されたワーク(1)を加熱手段によって所定の温度に加熱するよう構成されており、
前記回転ドラム(3)は、横断面が異なる二種以上の収納室(4)を備えていることを特徴とする加熱装置。 - 前記回転ドラム(3)の一部が湯に浸かるように所定温度の湯が溜められる温浴槽(18)を備え、温浴槽(18)内の湯を収納室(4)が通過する区間を加熱領域とし、収納されたワーク(1)を加熱手段として温浴により所定の温度に加熱するよう構成されている請求項1乃至5の何れかに記載の加熱装置。
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