JP3547808B2 - 小型歯科用画像処理装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、歯科において口腔内のX線画像あるいはビデオ画像を取込み、内蔵モニター画面に表示することにより、歯科医師の診断に役立てると共に患者とのコミュニケーションも図ることができる小型歯科用画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、歯科においてはX線フィルムあるいはデンタルミラーを用いて口腔内の診断を行なっていたが、前記X線フィルムを用いた場合は、フィルムの現像のための時間がかかると共に撮影がうまくいったかどうかは、現像後でないと判らないといった問題があり、撮影がうまくいたったとしても、フィルムが小さいために患者にフィルムを見せて説明を行なうコンサルティングには患者が見づらく不向きであるといった問題があった。
【0003】
また、デンタルミラーを用いた診断にあっては、歯科医のみが見ることができるものであって、患者が自らの口腔内の治療個所がどのようになっているかを見ることができず、医師が患者に対して治療個所の説明等を行なうコンサルティングには不向きであるといった問題があった。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、近年になって、フィルムを介せずにX線を感知するCCDセンサ等を用いてリアルタイムにX線画像を取込み、モニター画面に表示するシステムが実用化されつつあるが、患者に対して画面を見ながらコンサルティングを行ないたいということから、前記モニター等の装置をワゴン等に乗せて治療椅子の傍に移動しなければならないといった煩雑さが有ると共に、ワゴンを持ち込むためのスペースも必要であるといった問題点があった。
【0005】
また、口腔内用のビデオカメラを用いてモニター画面に口腔内の画像を写して患者に治療内容をコンサルティングする方法も実用化されつつあるが、この場合にも、前記したX線画像をモニター画面に映す場合と同様な問題点が発生した。
【0006】
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、X線撮影あるいは口腔内ビデオ画像撮影、診断および患者に対するコンサルティングといった一連の作業を短時間でスムーズに行い、患者の治療に対する不安感を軽減し、患者の治療に対する理解を深めることができる小型歯科用画像処理装置を提供せんとするにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の小型歯科用画像処理装置は前記した目的を達成せんとするもので、その手段は、X線 センサおよび口腔ビデオカメラを接続するためのX線画像入力部とビデオ画像入力部、ICメ モリカードやフロッピディスク等の記憶媒体が挿入可能な外部記憶インターフェース部、前記 X線画像入力部およびビデオ画像入力部からの画像データを記憶する記憶部、プリンターを接 続するためのプリンター出力端子、前記X線画像データおよびビデオ画像データを処理する中 央処理部が収納された処理装置本体と、前記X線センサあるいは口腔ビデオカメラでの撮影時 に操作することによりX線センサあるいは口腔ビデオカメラを待機状態とするためのスイッチ 、後述する表示装置に映し出される画像をネガ表示あるいはポジ表示するかを切り換える切換 スイッチ、撮影後に表示装置に表示されている画像を前記記憶部に記憶させるためのスイッチ と、処理画像を選択したり濃度や輝度を増減するためのスイッチ、操作確認時に操作するスイ ッチ、操作キャンセル時に操作するスイッチが前記処理装置本体の表面に配置された操作部と 、前記処理装置本体に対して開閉自在に取付けられた液晶表示装置とを具備したものである。
【0010】
【作用】
前記した如く構成した本発明の小型歯科用画像処理装置は、X線センサあるいはビデオカメラで写した画像データを記憶部に記憶すると共に液晶表示装置で映し出すことができ、かつ、このデータを外部記憶媒体に移送することもできるものである。
【0011】
また、液晶表示装置は処理装置本体に対して開閉自在に形成されているので、使用しない状態において液晶表示装置を処理装置本体側に畳むことができ、全体を小型にできて、収納や保管に便利であり、また、表示装置に表示した画像をプリンターによって紙面に映すこともできるものである。
【0012】
【実施例】
以下、本発明に係る小型歯科用画像処理装置の実施例を図面と共に説明する。図1〜図3は全体のシステム構成を示し、1は中央処理部11、ROM12、RAM13、フレームメモリ14、センサー制御回路15あるいはカメラ制御回路16、プリンター出力端子17および外部記憶媒体インターフェイス部18を内蔵した処理装置本体である。
【0013】
また、ハウジングの表面に操作部2が形成されると共に前面に充電式バッテリー3が着脱自在に取付けられ、かつ、ハウジングの後方には該ハウジングに対して開閉自在に取付けられたX線画像やビデオ画像あるいはガイダンス等を表示する液晶式の表示装置4が取付けられている。なお、5は前記記憶媒体インターフェイス部16に装着され、X線画像やビデオ画像を記憶するICカード、フロッピーディスク等の記憶媒体である。
【0014】
6は口腔内に挿入し、外部からX線を照射するとX線画像を得るCCDセンサ等のX線センサ、7は口腔内に挿入することにより口腔領域を撮影画像が得られるCCDカメラ等の口腔ビデオカメラ、8はX線画像やビデオ画像をプリントするためのプリンター、9は前記バッテリー3に代えて交流電源によって駆動するためのACアダプター、10は前記記憶媒体5に記録されたX線画像やビデオ画像を映し出すための外部パーソナルコンピュータである。
【0015】
次に、各部の詳細について説明するに、中央処理部11はマイクロプロセッサを主体に構成されており、ROM12は前記中央処理部11の動作手順を規定するプログラムを格納し、RAM13は中央処理部11によって処理されたデータを記憶する。
【0016】
センサ制御回路15はX線センサ6よりのX線画像信号をコントロールしてフレームメモリ14を介して中央処理部11に送出する。また、カメラ制御回路16はビデオカメラ7よりの画像信号をコントロールしてフレームメモリ14を介して中央処理部11に送出する。
【0017】
操作部2は画像の取込み指令、表示指令、濃淡調整等を行なうためのもので、詳しくは、スイッチ21はX線撮影時あるいはカメラでの撮影時に操作することによりX線センサ6や口腔カメラを待機状態とするためのスイッチである。スイッチ22は表示装置4に映し出されている画像をネガ表示にするかポジ表示するかの切換スイッチ、23は撮影後に、表示装置4に表示されている画像を処理装置本体1内に記憶させるためのスイッチである。
【0018】
スイッチ24は処理画像等を選択したり、濃度や輝度等を増減するためのスイッチ、スイッチ25は操作確認時に操作するスイッチ、スイッチ26は操作キャンセル時に操作するスイッチである。
【0019】
パーソナルコンピュータ10は患者データベース等が記憶され、より高度な画像処理を行なうコンピュータであり、外部記憶媒体インターフェイス部18で記憶された記憶媒体5の情報を読み込んで画像処理等を行なう。
【0020】
次に、前記した構成に基づいて動作を、図4のフローチャート図と共に説明する。
先ず、X線撮影する場合にはX線センサ6を口腔内に入れ、X線照射機を前記X線センサ6と対応する位置に配置する。また、ビデオ撮影の場合には、口腔内にビデオカメラ7と図示しないカメラ撮影用光源を口腔内に挿入し、撮影待機状態とする。
【0021】
この状態において、中央処理部11は電源が挿入され、撮影開始か否かの確認を行い(ステップS1)、新規の撮影か追加撮影かを確認し(ステップS2)、新規の撮影の場合にはRAM13内の画像記憶メモリをクリアにする(ステップS3)。
【0022】
次いで、画像記憶メモリ内の画像データが撮影限界枚数に達したか否かを判断する(ステップS4)。すなわち、フレームメモリー14のデータはRAM13に書き込まれるが、このRAM13の容量が小さい場合には、この判断が必要となる。
【0023】
そして、撮影限界枚数に達していない場合には、撮影が行なわれる(ステップS5)。この時、撮影スイッチ21はX線撮影時には、X線曝射待ちのためのスイッチとして働き、ビデオ撮影時には静止画取込用スイッチとして働く。その撮影データはセンサまたはカメラ制御回路15,16に入力される(ステップS6)。
【0024】
この撮影された撮影データはアナログ信号なので、この信号はセンサまたはカメラ制御回路15,16によってデジタル信号に変換され、画像記憶スイッチ23を操作することにより画像記憶メモリに記憶される(ステップS7)。なお、撮影スイッチ21をX線撮影装置の曝射スイッチとして使用できるようにすることも可能である。
次いで、撮影を続けるかどうかを確認し、撮影を続ける場合にはステップS4に戻り、撮影が終了すると画像処理のステップ9に移行する。
【0025】
次に、画像処理の動作を図5のフローチャート図と共に説明する。
スイッチ24を操作すると、フレームメモリ14またはRAM13に記憶されている画像が選択されて表示装置4に表示される(ステップS91)。この表示装置4に映し出された画像を、スイッチ24を操作することにより、濃淡調整やネガをポジあるいはその逆の表示を行なう等の画像処理を行なう(ステップS92)。
【0026】
次いで、表示装置4に映し出されている画像をプリント指令が送出されたか否かを判断し(ステップS93)、プリント指令が出された場合には、プリンター8に対してプリント出力を送出する(ステップS94)。さらに、スイッチ24が操作されて他の画像を選択したか否かを監視し(ステップS95)、操作された場合にはステップS91に戻り、操作されなかった場合には全ての画像処理を終了するか否かを判断し(ステップS96)、終了でない場合にはステップS92に戻り、終了の場合はオプション処理のステップ10に移行する。
【0027】
次に、オプション処理の動作を図6のフローチャート図と共に説明する。
前記した画像処理のステップS9が終了すると、ICメモリカード等の記憶媒体5にRAM13のデータを書き込むか(ステップS101)、あるいは記憶媒体5のデータをRAM13に読み込むかが表示装置4に表示される(ステップS102)。
【0028】
この表示においてRAM13のデータを記憶媒体5に書き込む場合には、例えばスイッチ25を操作し、逆に記憶媒体5のデータをRAM13に書き込む場合には、例えばスイッチ26を操作する。そして、スイッチ25を操作した場合には、RAM13に記憶されている画像データをスイッチ24によって選択すると(ステップS103)、該データは記憶媒体5に書き込みが開始される(ステップS104)。
【0029】
また、前記ステップS101において、スイッチ26を操作した場合には、記憶媒体5の画像データから読み込む画像データを選択し(ステップS105)、次いで、この選択された画像データは記憶媒体5に読み込まれオプション処理は終了する(ステップS106)。
【0030】
なお、前記した実施例にあっては、各動作指令を操作部2を操作することによって行うものを示したが、図2、図3の仮想線で開示したリモートコントロール(例えば、手元から電波、光等によって制御するリモコン装置)、歯科用治療具であるハンドピースやシリンジをホルダーから外すことによってスイッチがオンする等の外部操作部19によって行ってもよい。この場合リモートコントロール信号インターヘェイス部20を介して中央処理部11に外部操作部19よりの信号は送出される。
【0031】
【発明の効果】
本発明は前記したように、X線センサあるいはビデオカメラで写した画像データを記憶部に記憶すると共に液晶表示装置で映し出すことができるので、医師が患者の近傍に本装置を持ってきて見せることができるので、患者を治療椅子から移動させることなく治療の様子やコンサルティングを行なうことができる。
【0032】
また、このデータを外部記憶媒体に移送することができるので、より高度な画像処理によって患者のデータベースとして保管でき、さらに、液晶表示装置は処理装置本体に対して開閉自在に形成されているので、使用しない状態において液晶表示装置を処理装置本体側に畳むことができ、全体を小型にできて、収納や保管に便利であり、また、表示装置に表示した画像をプリンターによって紙面に映すこともできる等の効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る小型歯科用画像処理装置の一実施例を示す斜視図である。
【図2】同上の回路構成を示すブロック図である。
【図3】他の実施例の回路構成を示すブロック図である。
【図4】前記図2、図3のブロック図における動作を示すフローチャート図である。
【図5】同上における画像処理のフローチャート図である。
【図6】図4におけるオプション処理のフローチャート図である。
【符号の説明】
1 処理装置本体
11 中央処理部
12 ROM
13 RAM
14 フレームメモリ
17 プリンター出力端
18 外部記憶媒体インターフェイス部
2 操作部
4 表示装置
5 記憶媒体
6 X線センサ
7 ビデオカメラ
8 プリンター
Claims (1)
- X線センサおよび口腔ビデオカメラを接続するためのX線画像入力部とビデオ画像入力部、ICメモリカードやフロッピディスク等の記憶媒体が挿入可能な外部記憶インターフェース部、前記X線画像入力部およびビデオ画像入力部からの画像データを記憶する記憶部、プリンターを接続するためのプリンター出力端子、前記X線画像データおよびビデオ画像データを処理する中央処理部が収納された処理装置本体と、
前記X線センサあるいは口腔ビデオカメラでの撮影時に操作することによりX線センサあるいは口腔ビデオカメラを待機状態とするためのスイッチ、後述する表示装置に映し出される画像をネガ表示あるいはポジ表示するかを切り換える切換スイッチ、撮影後に表示装置に表示されている画像を前記記憶部に記憶させるためのスイッチと、処理画像を選択したり濃度や輝度を増減するためのスイッチ、操作確認時に操作するスイッチ、操作キャンセル時に操作するスイッチが前記処理装置本体の表面に配置された操作部と、
前記処理装置本体に対して開閉自在に取付けられた液晶表示装置と、
を具備したことを特徴とする小型歯科用画像処理装置。
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1994
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