JP3547297B2 - 排ガスセンサの異常検出方法及びゴミ焼却炉 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガスセンサの異常検出方法及びゴミ焼却炉に関し、詳しくは、火炉からの排ガス路に排ガス中の酸素濃度を測定する排ガスセンサを備えて、前記排ガスセンサで検出する排ガス中酸素濃度を燃焼制御指標とするゴミ焼却炉における排ガスセンサの異常検出方法及び前記排ガスセンサの異常を検出しても燃焼制御を維持可能とするゴミ焼却炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴミ焼却炉においては、図5に示すように、火炉10に、ホッパ11aに受け入れたゴミを前記火炉10内に投入する給塵機構11と、前記投入されたゴミを搬送しながら焼却するストーカ機構からなる移動式火床12とを備えており、前記移動式火床12は、前記給塵機構11により投入されたゴミを搬送しながら加熱乾燥させる乾燥帯12Aと、前記乾燥帯12Aからのゴミを搬送しながら燃焼させて燃焼領域を形成する燃焼帯12Bと、前記燃焼帯12Bで燃え切ったゴミの燃焼残渣を搬送しながら灰化する後燃焼帯12Cとに領域分割されており、前記燃焼領域からの燃焼ガスを上方に誘導して二次燃焼させる二次燃焼室13を備え、前記二次燃焼室13からの排ガスを煙突18に導く排ガス路14に、前記排ガスの熱によって蒸気を発生させる廃熱ボイラ20と、前記廃熱ボイラ20出口からの排ガス中の飛灰等の粉塵を除塵する除塵装置としてのバグフィルタ15と、前記バグフィルタ15で除塵した後の排ガスを洗浄する洗煙装置16と、洗浄後の排ガスを煙突に向けて送り出す誘引送風機17とをを順次配置して設けてあり、前記バグフィルタ15と前記洗煙装置16との間の排ガス路14に備える排ガスセンサ3により排ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段2を設けて、前記酸素濃度検出手段2で検出する排ガス中酸素濃度を燃焼制御指標とするように構成されており、特にその酸素濃度検出手段2で検出した排ガス中酸素濃度の異常検出の検査手段は備えていなかった。そして、前記排ガスセンサの検出する検出値に異常がある場合或いは前記排ガスセンサが故障した場合には、前記燃焼制御指標とする排ガス中酸素濃度を、予め定められた設定値(例えば投入されたゴミを標準ゴミであるとして想定される排ガス中酸素濃度、或いは故障発生検出直前の排ガス中酸素濃度等)に固定して燃焼制御を続行するように構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
つまり、上記従来の排ガスセンサにおいては、例えば検出する酸素濃度の値が設定された酸素濃度範囲から外れたことを知った現場作業者が、そのデータの状態から判断して異常か否かを判定していた。上記排ガスセンサの異常は、吸引管3aからサンプリングされる排ガスを検査するガス検出素子3bを備える一般に多く用いられている構造の排ガスセンサ3(例えば図6参照)の場合には、前記吸引管3aの腐食その他の原因により、前記ガス検出素子3bに導入される排ガスに外部からの漏洩空気が混入して、前記導入される排ガスの酸素含有量が高くなる場合があり、実際には排ガス中の酸素濃度は許容範囲(例えば6〜14%)内にある(例えば7%)にも拘わらず、漏洩空気の混入によって異常な酸素濃度(例えば15%)を示す場合、或いは前記ガス検出素子3bの劣化により、検出値が上下何れか一方にシフトする場合を例として挙げることができる。上記異常な酸素濃度が上記の例で18%であれば、正常に火炉の燃焼が維持されている状態では、異常な値として判断できるが、このような状態で検出される酸素濃度が13〜14%であれば、実際には7%である場合であっても、炉の制御に携わるオペレータにとっては異常な範囲の酸素濃度ではなく、熟練者が他のプロセスデータを参照して異常と認識する場合を除き看過されてしまう。従って、このように許容範囲内でありながら異常な値を示している場合には、これが異常であると判断できるまでに長時間を要し、例えば、上記のように許容範囲の上限或いは下限に近い値を示している場合には、早くても2〜3時間、長い場合には2〜3日を要し、その間、誤ったデータに基づいて炉の燃焼制御を維持することになり、排ガス中有害成分を許容成分範囲内に維持できなくなるおそれがあった。実際に排ガス中酸素濃度を連続記録した例を図7にグラフとして示したが、火炉内の燃焼状態が安定していても、ゴミの質及び燃焼状態の時間に伴う変化に従って可成りの幅でデータが変動しており、このデータの異常を判別するのは容易ではない。さらに、一旦前記排ガスセンサに異常を発見した後は、排ガス中酸素濃度の検出値の如何に関わらず設定値(例えば8%)に固定されれば、排ガス成分の異常を直接抑制することが困難になると言う問題を有している。
そこで、本発明の排ガスセンサの異常検出方法は、上記の問題点を解決し、火炉における他の燃焼制御指標に基づき排ガスセンサの異常を検出するとともに、排ガス成分を許容範囲内に安定して維持するための手段を提供することを目的とし、さらに、本発明のゴミ焼却炉は、排ガスセンサの異常を検出可能とするとともに、前記排ガスセンサの異常に対しても燃焼制御を正常に維持可能とする点を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
〔特徴構成〕
上記の目的のための本発明の排ガスセンサの異常検出方法の第1特徴構成は、請求項1に記載の如く、所定時間内に火炉に投入された平均ゴミ重量と、前記平均ゴミ重量に対する推定燃焼発熱量とを基に、前記平均ゴミ重量に対する推定理論酸素量を演算導出して、前記推定理論酸素量が、前記所定時間内に前記火炉に供給された空気中の酸素量から消費されたものとして排ガス中の推定平均酸素濃度を演算導出し、排ガスセンサで検出した排ガス中酸素濃度が前記演算導出した推定平均酸素濃度に基づいて設定される所定の許容範囲から逸脱する場合に、前記排ガスセンサに異常が発生したと判定する点にある。
【0005】
また、本発明の第2特徴構成は、請求項2に記載の如く、廃熱ボイラを備えるゴミ焼却炉に対して、前記第1特徴構成における推定燃焼発熱量を、所定時間内に前記廃熱ボイラに供給された給水のエンタルピと、前記所定時間内に前記廃熱ボイラで発生した蒸気の流量及びエンタルピと、排ガス路における排ガス流量と、排ガスの温度とに基づき、
Qo =Gs ×(Is −Iw )+Gg ×Cp ×Tg
(ただし、Qo は前記火炉からの出熱量、Gs は前記蒸気の流量、Is は前記蒸気のエンタルピ、Iw は前記給水のエンタルピ、Gg は前記排ガス流量、Tg は前記排ガスの温度、Cp は前記排ガスの温度Tg における定圧比熱)
を基に、前記所定時間内の平均値として求められた出熱量と、前記火炉に備えるバーナへの前記所定時間内の燃料供給量と、前記バーナへの燃料の発熱量と、前記所定時間内に前記火炉に供給された空気の供給量と、前記空気の温度と、前記空気の予熱に要した熱量とを基に、
Qi =Ff ×Hf +Fa ×Cpa×Ta +Ha +Qin
(ただし、Qi は前記火炉への入熱量、Ff は前記バーナへの前記所定時間内の燃料供給量、Fa は前記空気の供給量、Cpaは空気の温度Ta における定圧比熱、Ta は前記空気の温度、Ha は前記空気の予熱に要した熱量、Qinは前記その他の入熱量)
によって、前記所定時間内の平均値として求められた入熱量と、前記所定時間内に前記火炉に投入されたゴミの重量とから、
Hu =(Qo −Qi )/Gr
(ただし、Hu はゴミの平均低位発熱量、Qo は前記出熱量、Qi は前記火炉への入熱量、Gr は前記ゴミの重量)
として、所定時間内に火炉に投入されたゴミの平均低位発熱量を演算導出し、前記所定時間内に前記火炉に投入されたゴミの重量に対する推定理論酸素量を、所定の関係式(例えば実験式)に基づいて前記平均低位発熱量を基に演算導出して、前記推定理論酸素量が前記所定時間内に前記火炉に供給した空気中の酸素量から消費されたものとして排ガス中の推定平均酸素濃度を算出し、排ガスセンサで検出した排ガス中酸素濃度が前記推定平均酸素濃度に基づいて設定される所定の許容範囲から逸脱した場合に、前記排ガスセンサに異常が発生したと判定する点にある。前記許容範囲は、例えば前記排ガスセンサの検出誤差限界を上下限として設定することができる。
【0006】
さらに、本発明の第3特徴構成は、請求項3に記載の如く、前記第1又は第2特徴構成における推定平均酸素濃度を、設定時間後の排ガス中の酸素濃度として求める点にある。例えば、前記設定時間は、火炉から排ガスセンサ設置場所までの排ガス路の排ガス流通所要時間として設定される。
【0007】
また、本発明の第4特徴構成は、請求項4に記載の如く、前記第1特徴構成〜第3特徴構成の何れかにおける許容範囲を設定するのに、投入されたゴミが高質ゴミであるとして求めた平均低位発熱量を基に推定平均酸素濃度を演算導出した結果を上限値とし、投入されたゴミが低質ゴミであるとして求めた平均低位発熱量を基に前記推定平均酸素濃度を演算導出した結果を下限とする点にある。つまり、前記許容範囲は、排ガスセンサが検出する可能性のある酸素濃度の最大範囲とする。
【0008】
上記の目的のための本発明のゴミ焼却炉の第5特徴構成は、請求項5に記載の如く、火炉に投入されたゴミに対してその平均低位発熱量を演算導出する発熱量推定手段と、前記平均低位発熱量と前記火炉に供給した空気量とに基づき前記排ガス路における排ガス中の推定平均酸素濃度を推定する酸素残量推定手段と、前記排ガスセンサで検出した排ガス中酸素濃度が前記推定平均酸素濃度に基づいて設定される所定の許容範囲から逸脱した場合に、前記排ガスセンサに異常が発生したと判定する検査手段を設けて構成してある点にある。
【0009】
また、本発明の第6特徴構成は、請求項6に記載の如く、前記第5特徴構成における火炉を制御する燃焼制御手段を、検査手段で排ガスセンサに異常が発生したと判定された場合の燃焼制御指標を、前記排ガスセンサで検出する排ガス中酸素濃度に代えて、酸素残量推定手段で推定した推定平均酸素濃度とするように構成してある点にある。つまり、前記排ガスセンサの検出値に異常が認められた場合には、燃焼制御指標として前記推定平均酸素濃度を代替燃焼制御指標とする。
【0010】
〔各特徴構成の作用効果〕
上記第1特徴構成によれば、客観的且つ合理的な基準で早期に排ガスセンサの異常を判定できるようになる。つまり、推定した燃焼発熱量に基づき排ガス中の酸素濃度を推定し、これに基づいて前記排ガスセンサの検出値の真否を判断するから、異常の判定に実際に燃焼しているゴミの性状が反映され、客観的且つ合理的な判断基準となる。即ち、平均ゴミ重量は実測値に基づくものであり、これを基に前記燃焼発熱量を推定するから、平均的には精度よく理論酸素量を推定することが可能であり、従って、演算導出した推定理論酸素量には信頼性がある。この理論酸素量に基づいて残存酸素量を推定して、排ガス中の酸素濃度を推定するから、演算導出した推定平均酸素濃度には制御指標となし得る程度の信頼性がある。この推定平均酸素濃度に基づき前記排ガスセンサの異常を判定するから、判断に信頼性がある。尚、前記推定平均酸素濃度は、あくまで推定値であるから、上記のように信頼性は認められるが、直接制御入力とするのは実測値であればさらに好ましく、前記排ガスセンサに異常が発生したときにこれを代替指標とすることに意義があるのである。例えば前記平均低位発熱量は、火炉の熱収支計算によって推定可能であり、前記推定理論酸素量(Soe)は経験的に、
Soe =(a×Hu +b)× Gr
(ただし、Hu はゴミの平均低位発熱量、Gr はゴミの平均重量、a及びbは係数で、実測値に基づき設定されたもの)
として推定可能であり、これに基づき、前記推定平均酸素濃度(Poe)は、
Poe =(Fa × 0.21 − Soe )/ Fa
(ただし、Fa は火炉への供給空気量)
として推定することが可能である。
その結果、排ガスセンサの出力によって燃焼制御を行いながら、前記排ガスセンサの出力に異常が認められれば、代替制御指標を用いて制御を続行することが可能であり、排ガス成分の制御(殊にダイオキシン、窒素酸化物等の有害成分の排出抑制)の設定条件からの乖離を回避できるようになる。
【0011】
上記第2特徴構成によれば、廃熱ボイラを備えるゴミ焼却炉に対しては、前記第1特徴構成における推定平均酸素濃度を、火炉内でのゴミの燃焼の実際に即した値として推定できる。つまり、ゴミ焼却炉の各プロセスデータに基づき熱収支計算を行って、その入出熱バランスから前記第1特徴構成におけるゴミの平均低位発熱量を演算導出するから、変動の激しい燃焼でありながら、平均的な低位発熱量を実際に即して推定できる。このゴミの平均低位発熱量から、実測値に基づく所定の関係式に基づき、火炉に投入されたゴミに対する理論酸素量を求めることにより、所定時間内の平均値として排ガス中の酸素濃度を推定できるから、推定した推定平均酸素濃度に基づいて検出される可能性のある酸素濃度の上下限を定めれば、前記排ガスセンサの検出許容範囲を設定できる。詳しくは、
Qo =Gs ×(Is −Iw )+Gg ×Cp ×Tg
(ただし、Qo は前記火炉からの出熱量、Gs は前記蒸気の流量、Is は前記蒸気のエンタルピ、Iw は前記給水のエンタルピ、Gg は前記排ガス流量、Tg は前記排ガスの温度、Cp は前記排ガスの温度Tg における定圧比熱)
として、所定時間内に火炉から取り出された熱量を、前記所定時間内の平均値として求められた出熱量として求め、
Qi =Ff ×Hf +Fa ×Cpa×Ta +Ha +Qin
(ただし、Qi は前記火炉への入熱量、Ff は前記バーナへの前記所定時間内の燃料供給量、Fa は前記空気の供給量、Cpaは空気の温度Taにおける定圧比熱、Ta は前記空気の温度、Ha は前記空気の予熱に要した熱量、Qinは前記その他の入熱量)
として、前記所定時間内の平均値として前記火炉への入熱量を求め、
これらを基に、
Hu =(Qo −Qi )/Gr
(ただし、Hu はゴミの平均低位発熱量、Qo は前記出熱量、Qi は前記火炉への入熱量、Gr は前記ゴミの投入量)
として、所定時間内に火炉に投入されたゴミの平均低位発熱量を演算導出し、前記所定時間内に前記火炉に投入されたゴミに対する推定理論酸素量を、例えば、
Soe =(a×Hu +b)× Gr
として求めれば、前記推定理論酸素量が、前記所定時間内に前記火炉に供給した空気中の酸素量から消費されたものとして、例えば、
Poe =(Fa × 0.21 − Soe )/ Fa
(ただし、Fa は火炉への供給空気量)
として排ガス中の推定平均酸素濃度を算出できる。これに基づいて前記排ガスセンサに異常が発生したと判定する許容範囲を設定することができる。前記推定平均酸素濃度は、前記排ガスセンサで検出した排ガス中酸素濃度とは大きく離れていないはずであるから、前記推定平均酸素濃度に基づいて設定される許容範囲から逸脱した場合には確実に前記排ガスセンサに異常が発生したとすることができる。
【0012】
上記第3特徴構成によれば、前記第1又は第2特徴構成における平均低位発熱量と推定平均酸素濃度との検出時期の時間的なずれを補正して、検出値と限界値との間の変動の時間的ずれによる、前記検出値即ち排ガス中酸素濃度が、前記限界値即ち許容範囲の上下限値の曲線から時間軸方向に逸脱した結果を異常と判定することを防止でき、異常の判定がより正確になる。
【0013】
上記第4特徴構成によれば、前記第1特徴構成〜第3特徴構成の何れかにおける許容範囲を、火炉内の実際のゴミの燃焼量に対応して上限値と下限値を設定でき、しかも排ガス中の酸素濃度の物理的に推定される可能領域を前記上限値と下限値との設定基準としてあるから、前記上限値及び前記下限値に基づき設定された許容範囲を逸脱する排ガス中の酸素濃度が検出されれば、明らかに異常であると言えるから、異常の判定がより正確になる。
【0014】
上記第5特徴構成によれば、排ガスセンサに異常が発生した場合の対処が容易になる。つまり、発熱量推定手段で演算導出したゴミの平均低位発熱量から理論的にゴミの燃焼に必要とされる空気量が求められるから、酸素残量推定手段によって実際に火炉に供給された空気量との差から排ガス中の推定平均酸素濃度を求め、排ガスセンサで検出した排ガス中酸素濃度がその推定平均酸素濃度に基づいて設定される許容範囲の上限を超え、或いは下限未満となった状態を検査手段で異常と判定するようにしてあるから、排ガスセンサの検出値を合理的に判定でき、固定的に設定された上下限により判定する場合には異常な値を正常な値と誤認する異常な検出値であってもこれを異常と判定できるようになる。従って、異常な値を出力している排ガスセンサからの排ガス中酸素濃度によって燃焼制御を行い、排ガス成分が設定条件から外れた状態を継続することを防止できる。
その結果、前記第1特徴構成と同様に、排ガスセンサの出力によって燃焼制御を行いながら、前記排ガスセンサの出力に異常が認められれば、代替制御指標を用いて制御を続行することが可能であり、排ガス成分の制御(殊にダイオキシン、窒素酸化物等の有害成分の排出抑制)の設定条件からの乖離を回避できるようになる。
【0015】
上記第6特徴構成によれば、排ガスセンサに異常が発生した場合においても、排ガス成分を設定条件に維持した状態でゴミ焼却炉の運転制御を継続できるようになる。つまり、前記第5特徴構成における火炉を制御する燃焼制御手段を、検査手段で排ガスセンサに異常が発生したと判定された場合にも、前記排ガスセンサで検出する排ガス中酸素濃度に代わる代替燃焼制御指標として、酸素残量推定手段で推定した推定平均酸素濃度を用いるから、平均化された指標であるために、動的応答性は前記排ガス中酸素濃度と同等ではないが、排ガス成分が設定成分条件から大きく外れることはなく、有害物(例えばダイオキシン、窒素酸化物等)の排出を充分に抑制できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
上記本発明のゴミ焼却炉及びこれに適用可能な排ガスセンサの異常検出方法の実施の形態の一例について、以下に、図面を参照しながら説明する。尚、前記従来の技術において説明した要素と同じ要素並びに同等の機能を有する要素に関しては、先の図5及び図6に付したと同一の符号を付し、詳細の説明の一部は省略する。
ゴミ焼却炉は、燃焼制御手段1を備えており、前記燃焼制御手段1には、単位時間当たりに給塵機構11から火炉10に投入されるゴミの投入量と、前記火炉10に投入されたゴミのゴミ質(低位発熱量により区分される)等に応じて、移動式火床12を構成するストーカ機構の搬送速度を調節するゴミ搬送制御手段1aと、前記ゴミの投入量、前記ストーカ機構によるゴミの搬送速度、燃焼帯12Bにおけるゴミの燃え切り位置、廃熱ボイラ20の蒸気発生量等のプロセスデータに基づき前記火炉10内に供給される空気の量を調節する火炉供給空気制御手段1bと、前記火炉10からの燃焼ガスの二次燃焼条件を好適に維持し、且つ、酸素濃度検出手段2で検出する排ガス中酸素濃度(Po) を所定の許容範囲から逸脱しないように二次燃焼室13に供給する二次空気の量を調節する二次燃焼制御手段1cとを設けて、移動式火床12上での所定量のゴミの燃焼を良好に維持しながら、炉出口の排ガス温度を所定範囲内に安定させながら、排ガス中の酸素濃度を所定範囲内に維持して、ダイオキシン、窒素酸化物等の有害成分の放出を低減し、前記有害成分の排出量を所定値以下に維持できるように構成してある。
【0017】
前記酸素濃度検出手段2は、除塵装置であるバグフィルタ15と洗煙装置16との間の排ガス路14に配置した従来と同様の構造の排ガスセンサ3を備えて、前記排ガスセンサ3からの入力値により排ガス中酸素濃度(Po) を検出するように構成してある。そして、前記酸素濃度検出手段2の検出する排ガス中酸素濃度(Po) が基準範囲内にあるか否かを検査して前記排ガスセンサ3の異常を検出するための検査手段4と、燃焼制御に伴って取得される炉の各種状態量から前記燃焼帯12B上のゴミの所定時間(ts) 内の平均低位発熱量(Hu) を推定する発熱量推定手段5と、前記検査手段4の検査結果で前記排ガスセンサ3が異常であると判定された際の前記酸素濃度検出手段2からの排ガス中酸素濃度(Po) に代わる代替燃焼制御指標として排ガス中の推定平均酸素濃度(Poe)の前記所定時間 (ts)内の平均値を推定平均酸素濃度(Poe)として推定し、同時に、前記排ガス中酸素濃度(Po) が所定範囲内にあるか否かを検査手段4で検査するための前記所定範囲の上限酸素濃度(LH) と下限酸素濃度(LL) とを演算導出する酸素残量推定手段6とを設けてある。
【0018】
前記発熱量推定手段5では、前記所定時間(ts) 当たりのゴミ焼却量(Gr) と前記炉内の発生熱量(H)とから、前記平均低位発熱量(Hu) を求めるが、前記発生熱量(H)は、例えば、前記廃熱ボイラ20へのボイラ給水のエンタルピをIw とし、同じくボイラ出口蒸気のエンタルピをIs とし、前記廃熱ボイラ20のボイラ効率をηとし、前記廃熱ボイラ20の発生蒸気量をGs とし、その他の火炉10への入熱量をHmとして、
H = Gs ×(Is − Iw )/η − Hm
として求め、前記発生熱量(Hb) と、前記所定時間(ts) 内のゴミ焼却量(Gr) とから、
Hu = H /Gr
として平均低位発熱量(Hu) を求める。尚、ボイラを備えず、排ガスに空気及び冷却水を混入して冷却する排ガス冷却機構としてガス冷却室を備えるゴミ焼却炉においては、前記発生熱量(H)は、排ガスの温度を基に、上記の式に、水蒸気を除く排ガスの顕熱を加え、前記発生蒸気量(Gs) の代わりに前記排ガスに混入する冷却水の供給量を与え、前記発生蒸気のエンタルピ(Is) の代わりに、前記排ガスの温度における常圧蒸気のエンタルピを与え、前記ボイラ給水のエンタルピ(Iw) を与え、燃焼用空気の持ち込み熱量と、前記ガス冷却室19に供給される冷却空気の持ち込み熱量とを前記その他の火炉10への入熱量(Hm) として与えれば求めることができる。ここで、前記所定時間(ts) 内のゴミ焼却量(Gr) は、単位時間当たりに前記火炉10に投入されたゴミ重量(G)から前記所定時間(ts) 内の焼却量をして換算する。
【0019】
前記検査手段4は、前記投入されたゴミが低位発熱量の高い高質ゴミ(例えば低位発熱量2300kcal/kgに相当)であるとして前記酸素残量推定手段6で推定した推定平均酸素濃度(Poe)を上限酸素濃度(LH) とし、前記投入されたゴミが低位発熱量の低い低質ゴミ(例えば低位発熱量1000kcal/kgに相当)であるとして前記酸素残量推定手段6で推定した推定平均酸素濃度(Poe)を下限酸素濃度(LL) として、前記酸素濃度検出手段2の検出した排ガス中酸素濃度(Po) が前記上限酸素濃度(LH) を超え、或いは前記下限酸素濃度(LL) に満たない場合に、前記排ガスセンサ3に異常が発生したものと判定するように構成してある。つまり、低位発熱量の最大のものと最低のもの、即ち、最高低位発熱量と、最低低位発熱量とを想定して、夫々に対して求められる酸素消費量から推定平均酸素濃度(Poe)の最高値と最低値を、前記上限酸素濃度(LH) と前記下限酸素濃度(LL) として求める。例えば図2に示したように、排ガス中酸素濃度(Po) が前記上限酸素濃度(LH) と前記下限酸素濃度(LL) との間に収まっているので、前記検査手段4では排ガスセンサ3の異常を検出しないが、前記排ガスセンサ3に異常が発生すれば、その検出値は通常、前記上限酸素濃度(LH) 側か、前記下限酸素濃度(LL) 側にシフトするので、何れか一方に連続して逸脱する値が検出されれば、前記検査手段4では前記排ガスセンサ3の異常を検出することになる。こうして前記検査手段4で異常を検出すると、この出力を受けて、燃焼制御手段1では、前記排ガス中酸素濃度(Po) の値の如何に関わらず、前記推定平均酸素濃度(Poe)を燃焼制御指標として制御を続行する。従って、上記の構成によれば、前記排ガスセンサ3に異常が検出されても、支障なく燃焼制御を維持続行することが可能である。
【0020】
前記酸素残量推定手段6は、前記単位時間当たりに前記火炉10に投入されたゴミ重量(G)に対して前記発熱量推定手段5で演算導出した平均低位発熱量(Hu) に応じて求められる理論空気量(Fas)と、前記ゴミ焼却量(Gr) とから、燃焼用空気としての所要空気量Fa を推定し、炉内に供給された総空気量(Fa) と比較して推定平均酸素濃度(Poe)を求めるように構成してある。つまり、各ゴミ質に対して予め求められている代表的成分組成に基づき、ゴミの中の炭素、水素、酸素、硫黄の夫々につき燃焼に要する酸素量を算出して、夫々の酸素量の合計値を基に理論空気量Fasを求めた結果に基づき予め求めてあるゴミの低位発熱量に対する線形関係式に前記平均低位発熱量(Hu) を当てはめて理論空気量(Fas)を求める。求めた理論空気量(Fas)とゴミ焼却量(Gr) とから前記所要空気量(Fa) が得られる。以上の結果から、前記所要空気量(Fa) 中の酸素全量が前記総空気量(Fa) の含有酸素から消費されたとして推定平均酸素濃度(Poe)を求める。尚、二次燃焼室13以後の排ガス路14に空気の流入(例えば冷却用空気の混入、或いは漏洩空気の漏れ込み)量が補正できれば、これらの要因について補正すればよい。ここで、前記ゴミ焼却量(Gr) は、炉内への入熱量(Qi) と、炉からの出熱量(Qo) と、前記発熱量推定手段5で演算導出した前記所定時間(ts) 内の平均低位発熱量(Hu) とから、
Gr = ( Qo − Qi ) /Hu
として求める。尚、前記出熱量(Qo) と前記入熱量(Qi) とは、夫々、
Qo =Gs ×(Is −Iw )+Gg ×Cp ×Tg
(ただし、Qo は前記火炉からの出熱量、Gs は前記蒸気の流量、Is は前記蒸気のエンタルピ、Iw は前記給水のエンタルピ、Gg は前記排ガス流量、Tg は前記排ガスの温度、Cp は前記排ガスの温度Tg における定圧比熱)
Qi =Ff ×Hf +Fa ×Cpa×Ta +Ha +Qin
(ただし、Qi は前記火炉への入熱量、Ff は前記バーナへの前記所定時間内の燃料供給量、Fa は前記空気の供給量、Cpaは空気の温度Ta における定圧比熱、Ta は前記空気の温度、Ha は前記空気の予熱に要した熱量、Qinは前記その他の入熱量)
として求めることができる。
【0021】
前記酸素残量推定手段6における推定平均酸素濃度(Poe)の導出の一例を説明すると、例えば表1に示すデータから、
【0022】
【表1】
【0023】
Soe =8.89PC +26.7(PH − PO /8)+ 3.33PS
として推定理論酸素量(Soe)を近似的に求める。この推定理論酸素量(Soe)から、夫々について理論空気量(Fas)が求められる(表2参照)。
【0024】
【表2】
【0025】
以上の結果を基に、理論空気量(Fas)に対して、表2に示した3点の低位発熱量(Hu’)に基づく線形近似式を導出し、
Fas = 0.93 × 10−3Hu + 0.47
として前記理論空気量(Fas)を求める。この理論空気量(Fas)と、前記総空気量(Fa) とから、前記推定平均酸素濃度(Poe)は、
Poe =(Fa − Fas ) × 0.21 / Fa
として求められる。上記のようにして求めた推定平均酸素濃度(Poe)を、実際の酸素濃度検出手段2の検出結果である排ガス中酸素濃度(Po) と比較した線図を図3に示したが、図示の通り両者は可成りよく一致した挙動を示し、少なくとも2%以内の誤差範囲に収まっている。尚、同図に示した推定平均酸素濃度(Poe)は、3時間移動平均値に基づく熱収支計算から得た平均低位発熱量(Hu) を基に演算導出したものであり、前記平均低位発熱量(Hu) をより短い時間の移動平均値から求めるようにすれば前記誤差範囲は小さくできる。
【0026】
実際の酸素濃度検出手段2の検出結果である排ガス中酸素濃度(Po) (実線で表示)と共に、前記検査手段4に与える前記上限酸素濃度(LH) と前記下限酸素濃度(LL) (共に一点鎖線で表示)とを図2に示したが、前記上限酸素濃度(LH)と前記下限酸素濃度(LL) は、前記酸素残量推定手段6で、高質ゴミを仮定した低位発熱量と、低質ゴミを仮定した低位発熱量を夫々平均低位発熱量(Hu) として上式に与えた結果に基づき、推定平均酸素濃度(Poe)を夫々演算導出したものである。尚、前記排ガス中酸素濃度(Po) は、前記上限酸素濃度(LH) と前記下限酸素濃度(LL) に対して時間軸上で1分遅らせてある。ここに、上記1分は、ここで想定したゴミ焼却炉における廃熱ボイラ20からの排ガスが排ガスセンサ3に至るまでの所要時間である。こうして時間的なずれを補正することによって、発熱量に基づく推定平均酸素濃度(Poe)と実測された排ガス中酸素濃度(Po) との同期を図ることが可能である。
【0027】
上記のようにして前記酸素残量推定手段6で求めた推定平均酸素濃度(Poe)を、前記検査手段4においては、ゴミ質を前記最高低位発熱量の高質ゴミ(例えばHu =2300)として推定した推定平均酸素濃度(Poe)を前記上限酸素濃度(LH) とし、ゴミ質を前記最低低位発熱量の低質ゴミ(例えばHu =1000)として推定した推定平均酸素濃度(Poe)を前記下限酸素濃度(LL) として、前記排ガスセンサ3の検査に用い、前記排ガスセンサ3の検出値を異常と判断した場合には、前記発熱量推定手段5で推定した前記平均低位発熱量(Hu) に基づき前記酸素残量推定手段6で求めた推定平均酸素濃度(Poe)を、前記排ガスセンサ3からの排ガス中酸素濃度(Po) に代わる制御指標として、前記燃焼制御手段1における燃焼制御を継続する。尚、異常を検出する場合についての線図は省略したが、通常想定される異常の場合には、前記排ガス中酸素濃度(Po) は上下何れか一方にシフトするので、図2に示したように、前記排ガス中酸素濃度(Po) に対してほぼ同じ挙動を示す前記上限酸素濃度(LH) と前記下限酸素濃度(LL) との間の許容範囲からは連続して、或いは頻繁に何れか一方に逸脱した値を示すようになり、前記排ガスセンサ3の異常を極めて容易に判定できるようになる。このような構成の場合には、サンプリングの都度連続する逸脱により前記排ガスセンサの異常を判定できる。
【0028】
上記実施の形態における各算出計算について例を挙げて説明すれば、前記平均低位発熱量(Hu) は、前記発生熱量Hと、前記単位時間(ts) 当たりに火炉10に投入されたゴミ重量(G)とから、
Hu = H /(G × ts)
として求めることができる。尚、前記発生熱量(H)は、
ボイラ給水のエンタルピIw :151.0(kcal/kg)
出口蒸気のエンタルピIs :707.9(kcal/kg)
(但し、蒸気温度 271.0℃、蒸気圧力 18kg/cm2とした。)
ボイラ効率η :68.7(%)
他の入熱量Hm :1000(kcal/kg)
として、蒸気発生量(Gs) から
H = Gs ×(Is − Iw )/η − Hm
の式を基に求めた。
【0029】
上述の検査手段4による排ガスセンサ3の異常判定は、毎分1回のデータサンプリングの都度1回実行される。ここで、燃焼制御手段1における制御指令は、上述の検査手段4によるその間の検査結果に基づく判定の後に発せられるのである。従って、前記排ガスセンサ3に異常が生じて、酸素濃度検出手段2から排ガス中酸素濃度の異常な検出値が入力されれば、直ちにその入力値に拘わらず、酸素残量推定手段6からの推定平均酸素濃度(Poe)が代替指標として用いられ、この推定平均酸素濃度(Poe)に基づいて燃焼制御が行われるようになる。この場合には、排ガスセンサの異常を表示すると同時に制御指標が代替指標に切り替えられていることを表示するように燃焼制御手段を構成しておけば、前記排ガスセンサ3の点検ないしは交換も時機を失することなく容易になる。
【0030】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
〈1〉上記実施の形態に於いては、排ガス路14に廃熱ボイラ20を備えるゴミ焼却炉に本発明を適用した例について説明したが、廃熱ボイラを備えないゴミ焼却炉であってもよく、この場合には、例えば図4に示すように、移動式火床12の乾燥帯12Aの天井壁に、前記乾燥帯12Aに臨ませて設けた赤外線検知手段5aを用いて検出した温度により前記乾燥帯12Aのゴミの低位発熱量を推定する発熱量推定手段5を設けてあればよく、前記赤外線検知手段5aに透過波長3.6〜4μmのフィルタを取り付けておけば、火炎中の一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、窒素酸化物、硫黄酸化物、水蒸気等の赤外線エネルギー吸収の影響を抑制できる。尚、この発熱量推定手段5は、前記乾燥帯12A上のゴミの推定発熱量Hueを以下のようにして推定するものである。つまり、前記乾燥帯12Aへの送風量が基準流量である場合には、単位時間当たりのゴミ表面温度の平均値が第1基準温度(例えば900℃)以下であれば低位発熱量Hu の小さい低質ゴミ(例えばHue=1000)であり、第2基準温度(例えば1000℃)以上であれば低位発熱量(Hu) の大きい高質ゴミ(例えばHue=2300)であり、前記第1基準温度と前記第2基準温度との間にあれば基準ゴミ(例えばHue=1700)であると推定するのである。このゴミ表面の基準温度の段階を細かく設定すれば、推定発熱量(Hue)を詳細に推定できるようになる。そして、前記検査手段における上限酸素濃度(LH) 及び下限酸素濃度(LL) としては上記実施の形態において説明したように、高質ゴミ(例えばHu =2300)及び低質ゴミ(例えばHu =1000)に対して前記酸素残量推定手段6で推定した推定酸素濃度 (Poe) を用い、前記検査手段4で前記排ガスセンサ3の検出値が異常であると判定した場合には、上記発熱量推定手段5で推定した推定発熱量(Hue)を基に前記酸素残量推定手段6で推定した推定酸素濃度Poeを、燃焼制御手段1における排ガス中酸素濃度(Po) に対する代替指標として用いるのである。
〈2〉上記実施の形態に於いては、排ガス路14に廃熱ボイラ20を備えるゴミ焼却炉に本発明を適用した例について説明したが、廃熱ボイラを備えないゴミ焼却炉であってもよく、この場合には、例えば前記図4に示すように、ガス冷却機構19を備える場合には、前記廃熱ボイラ20の熱収支に代えて、このガス冷却機構19に供給した空気の量とその含有酸素量を前記推定酸素濃度Poeを推定する前記酸素残量推定手段6における演算パラメータに加えればよい。
〈3〉上記実施の形態に於いては、上限酸素濃度(LH) として最高低位発熱量の高質ゴミ(Hu =2300)として推定した推定酸素濃度(Poe)を用い、下限酸素濃度(LL) として最低低位発熱量の低質ゴミ(Hu =1000)として推定した推定酸素濃度(Poe)を用いて、検査手段4において排ガスセンサ3の検査を行う例について説明したが、前記発熱量推定手段5で推定した推定発熱量(Hue)に基づき、求めた推定酸素濃度(Poe)を用いて、予め設定された許容範囲を与えて前記上限酸素濃度(LH) と前記下限酸素濃度(LL) とを設定して前記検査手段4における前記排ガスセンサ3の検査に用いるようにしてもよい。このようにすれば、絶対偏差に基づいて検査を行うことになるから、検査条件が時によって異なることを回避できる。この場合の許容範囲は、例えば、予め検定されている前記ガス検出素子3bぼ検出誤差を基に設定されてあってもよい。
〈4〉上記実施の形態に於いては、酸素残量推定手段6を、酸素濃度検出手段2からの排ガス中酸素濃度(Po) に代わる代替燃焼制御指標として排ガス中の推定平均酸素濃度(Poe)の前記所定時間 (ts)内の平均値を推定平均酸素濃度(Poe)として推定し、同時に、前記排ガス中酸素濃度(Po) が所定範囲内にあるか否かを検査手段4で検査するための前記所定範囲の上限酸素濃度(LH) と下限酸素濃度(LL) とを演算導出するように構成した例を示したが、前記所定範囲の上下限の演算導出は、他の手段で行ってもよく、上下限として、固定した値、例えば、炉の構成から考えられる、排ガス路14における最高酸素濃度と最低酸素濃度を、前記上限酸素濃度(LH) と前記下限酸素濃度(LL) とに設定してもよい。
〈5〉上記実施の形態に於いては、演算導出した3点の低位発熱量(Hu’)に基づく線形近似式を導出し、
Fas = 0.93 × 10−3Hu + 0.47
として前記理論空気量(Fas)を求める例を示したが、これは一例であって、近似式の係数は炉によって異なるものである。また、前記線形近似式の基準は、前記演算導出した3点の低位発熱量(Hu’)に限るものではなく、他の手段によって求めた低位発熱量と理論酸素量の値に基づくものであってもよい。例えば、異なる種類のゴミを実験的に燃焼させて、夫々の低位発熱量と理論酸素量とを求め、これを基に線形近似式を求めてもよい。さらに、前記近似式は多項式であってもよく、また非線形のものであってもよく、理論酸素量が容易に演算導出されるものであればよい。
〈6〉上記実施の形態においては、酸素残量推定手段6において推定理論酸素量(Soe) を求めて、求めた推定理論酸素量(Soe) から理論空気量(Sas) を求める例について説明したが、理論空気量を直接推定するように構成してあってもよい。上記例においては、ゴミの成分から推定理論酸素量を求める式の各係数を0.21で除したものに代えれば、推定理論空気量を求めることができる。つまり、推定理論酸素量を推定理論空気量とは実質的に等価なものとして扱える。
【0031】
【実施例】
上記実施の形態における各算出計算について例を挙げて説明すれば、前記平均低位発熱量Hu を求めるのに、先ず、
前記発生熱量Hを、
ボイラ給水のエンタルピIw :151.0(kcal/kg)
出口蒸気のエンタルピIs :707.9(kcal/kg)
(但し、蒸気温度 271.0℃、蒸気圧力 18kg/cm2とした。)
ボイラ効率η :68.7(%)
他の入熱量Hm :1000(kcal/kg)
として、
H = Gs ×(Is − Iw )/η − Hm
の式を基に、
H = 810.6・Gs − 1000
として、発生蒸気量(Gs) の一次式として求める。
次に、前記推定理論酸素量Soe を、例えば表3に示すデータを基に、
【0032】
【表3】
Soe = 8.89PC + 2.67(PH − PO /8)+ 3.33PS
を基に、低質ゴミ及び高質ゴミ夫々のゴミ質に対して求めて、表4に示すように前記下限酸素濃度(LL) と前記上限酸素濃度(LH) の基準となる推定理論酸素量Soe を求めた。
【0033】
【表4】
【0034】
として求める。この推定理論酸素量Soe に基づき、前記下限酸素濃度(LL) と前記上限酸素濃度(LH) とを設定する。これら両推定理論酸素量Soe と、前記基準ゴミに対して求められた推定理論酸素量Soe から、夫々表5に示す理論空気量Fasを求めた。
【0035】
【表5】
表5に示した3点の低位発熱量に対して、前記平均低位発熱量(Hu) に対応する線形近似式を、
Fas= 0.93 × 10−3Hu + 0.47
として前記理論空気量(Fas)を求める式を得た。この式を用いて、前記総空気量(Fa) に基づき、前記推定平均酸素濃度(Poe)を、
Poe =(Fa − Fas ) × 0.21 / Fa
として求める。
尚、前記ゴミ焼却量(Gr) は、前記発生熱量(H)と、先に求めた平均低位発熱量(Hu) とから、
Gr = H /Hu
として求めることができる。
【0036】
上記手順により酸素残量推定手段6で求めた推定平均酸素濃度(Poe)と前記酸素濃度検出手段2で検出した排ガス中酸素濃度(Po) とを図3に示した。図示のように、3時間移動平均値に基づく慣性の大きい熱的計算結果である前記推定平均酸素濃度(Poe)は、前記酸素濃度検出手段2の検出した排ガス中酸素濃度(Po) に対して、時間的にややずれてはいるものの、可成りよく一致した挙動を示しており、前記酸素濃度検出手段2の排ガスセンサ3の検出する排ガス中酸素濃度(Po) の代替指標として好適であることがわかる。
【0037】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるゴミ焼却炉の一例を示す説明図
【図2】排ガスセンサの異常判定の例を示す線図
【図3】本発明のよる推定平均酸素濃度を実測した排ガス中酸素濃度と比較する線図
【図4】本発明によるゴミ焼却炉の他の例を示す説明図
【図5】従来のゴミ焼却炉の一例の説明図
【図6】排ガスセンサの構造を示す要部断面説明図
【図7】排ガスセンサの異常検出を説明する線図
【符号の説明】
1 燃焼制御手段
3 排ガスセンサ
4 検査手段
5 発熱量推定手段
6 酸素残量推定手段
10 火炉
14 排ガス路
20 廃熱ボイラ
Cp 排ガスの定圧比熱
Fa 火炉への空気供給量
Gr 平均ゴミ重量
Gs 廃熱ボイラから発生する蒸気の流量
Ha 火炉に供給した空気の予熱に要した熱量
Hf 供給される燃料の発熱量
Hu ゴミの平均低位発熱量
Is 廃熱ボイラからの蒸気のエンタルピ
Iw 廃熱ボイラへの給水のエンタルピ
Po 排ガス中酸素濃度
Poe 排ガス中の推定平均酸素濃度
Qi ゴミ焼却炉への入熱量
Qin その他の入熱量
Qo ゴミ焼却炉からの出熱量
Soe 火炉内のゴミに対する推定理論酸素量
Ta 火炉への供給空気の温度
Tg 排ガスの温度
Gg 排ガスの流量
ts 所定時間
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガスセンサの異常検出方法及びゴミ焼却炉に関し、詳しくは、火炉からの排ガス路に排ガス中の酸素濃度を測定する排ガスセンサを備えて、前記排ガスセンサで検出する排ガス中酸素濃度を燃焼制御指標とするゴミ焼却炉における排ガスセンサの異常検出方法及び前記排ガスセンサの異常を検出しても燃焼制御を維持可能とするゴミ焼却炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴミ焼却炉においては、図5に示すように、火炉10に、ホッパ11aに受け入れたゴミを前記火炉10内に投入する給塵機構11と、前記投入されたゴミを搬送しながら焼却するストーカ機構からなる移動式火床12とを備えており、前記移動式火床12は、前記給塵機構11により投入されたゴミを搬送しながら加熱乾燥させる乾燥帯12Aと、前記乾燥帯12Aからのゴミを搬送しながら燃焼させて燃焼領域を形成する燃焼帯12Bと、前記燃焼帯12Bで燃え切ったゴミの燃焼残渣を搬送しながら灰化する後燃焼帯12Cとに領域分割されており、前記燃焼領域からの燃焼ガスを上方に誘導して二次燃焼させる二次燃焼室13を備え、前記二次燃焼室13からの排ガスを煙突18に導く排ガス路14に、前記排ガスの熱によって蒸気を発生させる廃熱ボイラ20と、前記廃熱ボイラ20出口からの排ガス中の飛灰等の粉塵を除塵する除塵装置としてのバグフィルタ15と、前記バグフィルタ15で除塵した後の排ガスを洗浄する洗煙装置16と、洗浄後の排ガスを煙突に向けて送り出す誘引送風機17とをを順次配置して設けてあり、前記バグフィルタ15と前記洗煙装置16との間の排ガス路14に備える排ガスセンサ3により排ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段2を設けて、前記酸素濃度検出手段2で検出する排ガス中酸素濃度を燃焼制御指標とするように構成されており、特にその酸素濃度検出手段2で検出した排ガス中酸素濃度の異常検出の検査手段は備えていなかった。そして、前記排ガスセンサの検出する検出値に異常がある場合或いは前記排ガスセンサが故障した場合には、前記燃焼制御指標とする排ガス中酸素濃度を、予め定められた設定値(例えば投入されたゴミを標準ゴミであるとして想定される排ガス中酸素濃度、或いは故障発生検出直前の排ガス中酸素濃度等)に固定して燃焼制御を続行するように構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
つまり、上記従来の排ガスセンサにおいては、例えば検出する酸素濃度の値が設定された酸素濃度範囲から外れたことを知った現場作業者が、そのデータの状態から判断して異常か否かを判定していた。上記排ガスセンサの異常は、吸引管3aからサンプリングされる排ガスを検査するガス検出素子3bを備える一般に多く用いられている構造の排ガスセンサ3(例えば図6参照)の場合には、前記吸引管3aの腐食その他の原因により、前記ガス検出素子3bに導入される排ガスに外部からの漏洩空気が混入して、前記導入される排ガスの酸素含有量が高くなる場合があり、実際には排ガス中の酸素濃度は許容範囲(例えば6〜14%)内にある(例えば7%)にも拘わらず、漏洩空気の混入によって異常な酸素濃度(例えば15%)を示す場合、或いは前記ガス検出素子3bの劣化により、検出値が上下何れか一方にシフトする場合を例として挙げることができる。上記異常な酸素濃度が上記の例で18%であれば、正常に火炉の燃焼が維持されている状態では、異常な値として判断できるが、このような状態で検出される酸素濃度が13〜14%であれば、実際には7%である場合であっても、炉の制御に携わるオペレータにとっては異常な範囲の酸素濃度ではなく、熟練者が他のプロセスデータを参照して異常と認識する場合を除き看過されてしまう。従って、このように許容範囲内でありながら異常な値を示している場合には、これが異常であると判断できるまでに長時間を要し、例えば、上記のように許容範囲の上限或いは下限に近い値を示している場合には、早くても2〜3時間、長い場合には2〜3日を要し、その間、誤ったデータに基づいて炉の燃焼制御を維持することになり、排ガス中有害成分を許容成分範囲内に維持できなくなるおそれがあった。実際に排ガス中酸素濃度を連続記録した例を図7にグラフとして示したが、火炉内の燃焼状態が安定していても、ゴミの質及び燃焼状態の時間に伴う変化に従って可成りの幅でデータが変動しており、このデータの異常を判別するのは容易ではない。さらに、一旦前記排ガスセンサに異常を発見した後は、排ガス中酸素濃度の検出値の如何に関わらず設定値(例えば8%)に固定されれば、排ガス成分の異常を直接抑制することが困難になると言う問題を有している。
そこで、本発明の排ガスセンサの異常検出方法は、上記の問題点を解決し、火炉における他の燃焼制御指標に基づき排ガスセンサの異常を検出するとともに、排ガス成分を許容範囲内に安定して維持するための手段を提供することを目的とし、さらに、本発明のゴミ焼却炉は、排ガスセンサの異常を検出可能とするとともに、前記排ガスセンサの異常に対しても燃焼制御を正常に維持可能とする点を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
〔特徴構成〕
上記の目的のための本発明の排ガスセンサの異常検出方法の第1特徴構成は、請求項1に記載の如く、所定時間内に火炉に投入された平均ゴミ重量と、前記平均ゴミ重量に対する推定燃焼発熱量とを基に、前記平均ゴミ重量に対する推定理論酸素量を演算導出して、前記推定理論酸素量が、前記所定時間内に前記火炉に供給された空気中の酸素量から消費されたものとして排ガス中の推定平均酸素濃度を演算導出し、排ガスセンサで検出した排ガス中酸素濃度が前記演算導出した推定平均酸素濃度に基づいて設定される所定の許容範囲から逸脱する場合に、前記排ガスセンサに異常が発生したと判定する点にある。
【0005】
また、本発明の第2特徴構成は、請求項2に記載の如く、廃熱ボイラを備えるゴミ焼却炉に対して、前記第1特徴構成における推定燃焼発熱量を、所定時間内に前記廃熱ボイラに供給された給水のエンタルピと、前記所定時間内に前記廃熱ボイラで発生した蒸気の流量及びエンタルピと、排ガス路における排ガス流量と、排ガスの温度とに基づき、
Qo =Gs ×(Is −Iw )+Gg ×Cp ×Tg
(ただし、Qo は前記火炉からの出熱量、Gs は前記蒸気の流量、Is は前記蒸気のエンタルピ、Iw は前記給水のエンタルピ、Gg は前記排ガス流量、Tg は前記排ガスの温度、Cp は前記排ガスの温度Tg における定圧比熱)
を基に、前記所定時間内の平均値として求められた出熱量と、前記火炉に備えるバーナへの前記所定時間内の燃料供給量と、前記バーナへの燃料の発熱量と、前記所定時間内に前記火炉に供給された空気の供給量と、前記空気の温度と、前記空気の予熱に要した熱量とを基に、
Qi =Ff ×Hf +Fa ×Cpa×Ta +Ha +Qin
(ただし、Qi は前記火炉への入熱量、Ff は前記バーナへの前記所定時間内の燃料供給量、Fa は前記空気の供給量、Cpaは空気の温度Ta における定圧比熱、Ta は前記空気の温度、Ha は前記空気の予熱に要した熱量、Qinは前記その他の入熱量)
によって、前記所定時間内の平均値として求められた入熱量と、前記所定時間内に前記火炉に投入されたゴミの重量とから、
Hu =(Qo −Qi )/Gr
(ただし、Hu はゴミの平均低位発熱量、Qo は前記出熱量、Qi は前記火炉への入熱量、Gr は前記ゴミの重量)
として、所定時間内に火炉に投入されたゴミの平均低位発熱量を演算導出し、前記所定時間内に前記火炉に投入されたゴミの重量に対する推定理論酸素量を、所定の関係式(例えば実験式)に基づいて前記平均低位発熱量を基に演算導出して、前記推定理論酸素量が前記所定時間内に前記火炉に供給した空気中の酸素量から消費されたものとして排ガス中の推定平均酸素濃度を算出し、排ガスセンサで検出した排ガス中酸素濃度が前記推定平均酸素濃度に基づいて設定される所定の許容範囲から逸脱した場合に、前記排ガスセンサに異常が発生したと判定する点にある。前記許容範囲は、例えば前記排ガスセンサの検出誤差限界を上下限として設定することができる。
【0006】
さらに、本発明の第3特徴構成は、請求項3に記載の如く、前記第1又は第2特徴構成における推定平均酸素濃度を、設定時間後の排ガス中の酸素濃度として求める点にある。例えば、前記設定時間は、火炉から排ガスセンサ設置場所までの排ガス路の排ガス流通所要時間として設定される。
【0007】
また、本発明の第4特徴構成は、請求項4に記載の如く、前記第1特徴構成〜第3特徴構成の何れかにおける許容範囲を設定するのに、投入されたゴミが高質ゴミであるとして求めた平均低位発熱量を基に推定平均酸素濃度を演算導出した結果を上限値とし、投入されたゴミが低質ゴミであるとして求めた平均低位発熱量を基に前記推定平均酸素濃度を演算導出した結果を下限とする点にある。つまり、前記許容範囲は、排ガスセンサが検出する可能性のある酸素濃度の最大範囲とする。
【0008】
上記の目的のための本発明のゴミ焼却炉の第5特徴構成は、請求項5に記載の如く、火炉に投入されたゴミに対してその平均低位発熱量を演算導出する発熱量推定手段と、前記平均低位発熱量と前記火炉に供給した空気量とに基づき前記排ガス路における排ガス中の推定平均酸素濃度を推定する酸素残量推定手段と、前記排ガスセンサで検出した排ガス中酸素濃度が前記推定平均酸素濃度に基づいて設定される所定の許容範囲から逸脱した場合に、前記排ガスセンサに異常が発生したと判定する検査手段を設けて構成してある点にある。
【0009】
また、本発明の第6特徴構成は、請求項6に記載の如く、前記第5特徴構成における火炉を制御する燃焼制御手段を、検査手段で排ガスセンサに異常が発生したと判定された場合の燃焼制御指標を、前記排ガスセンサで検出する排ガス中酸素濃度に代えて、酸素残量推定手段で推定した推定平均酸素濃度とするように構成してある点にある。つまり、前記排ガスセンサの検出値に異常が認められた場合には、燃焼制御指標として前記推定平均酸素濃度を代替燃焼制御指標とする。
【0010】
〔各特徴構成の作用効果〕
上記第1特徴構成によれば、客観的且つ合理的な基準で早期に排ガスセンサの異常を判定できるようになる。つまり、推定した燃焼発熱量に基づき排ガス中の酸素濃度を推定し、これに基づいて前記排ガスセンサの検出値の真否を判断するから、異常の判定に実際に燃焼しているゴミの性状が反映され、客観的且つ合理的な判断基準となる。即ち、平均ゴミ重量は実測値に基づくものであり、これを基に前記燃焼発熱量を推定するから、平均的には精度よく理論酸素量を推定することが可能であり、従って、演算導出した推定理論酸素量には信頼性がある。この理論酸素量に基づいて残存酸素量を推定して、排ガス中の酸素濃度を推定するから、演算導出した推定平均酸素濃度には制御指標となし得る程度の信頼性がある。この推定平均酸素濃度に基づき前記排ガスセンサの異常を判定するから、判断に信頼性がある。尚、前記推定平均酸素濃度は、あくまで推定値であるから、上記のように信頼性は認められるが、直接制御入力とするのは実測値であればさらに好ましく、前記排ガスセンサに異常が発生したときにこれを代替指標とすることに意義があるのである。例えば前記平均低位発熱量は、火炉の熱収支計算によって推定可能であり、前記推定理論酸素量(Soe)は経験的に、
Soe =(a×Hu +b)× Gr
(ただし、Hu はゴミの平均低位発熱量、Gr はゴミの平均重量、a及びbは係数で、実測値に基づき設定されたもの)
として推定可能であり、これに基づき、前記推定平均酸素濃度(Poe)は、
Poe =(Fa × 0.21 − Soe )/ Fa
(ただし、Fa は火炉への供給空気量)
として推定することが可能である。
その結果、排ガスセンサの出力によって燃焼制御を行いながら、前記排ガスセンサの出力に異常が認められれば、代替制御指標を用いて制御を続行することが可能であり、排ガス成分の制御(殊にダイオキシン、窒素酸化物等の有害成分の排出抑制)の設定条件からの乖離を回避できるようになる。
【0011】
上記第2特徴構成によれば、廃熱ボイラを備えるゴミ焼却炉に対しては、前記第1特徴構成における推定平均酸素濃度を、火炉内でのゴミの燃焼の実際に即した値として推定できる。つまり、ゴミ焼却炉の各プロセスデータに基づき熱収支計算を行って、その入出熱バランスから前記第1特徴構成におけるゴミの平均低位発熱量を演算導出するから、変動の激しい燃焼でありながら、平均的な低位発熱量を実際に即して推定できる。このゴミの平均低位発熱量から、実測値に基づく所定の関係式に基づき、火炉に投入されたゴミに対する理論酸素量を求めることにより、所定時間内の平均値として排ガス中の酸素濃度を推定できるから、推定した推定平均酸素濃度に基づいて検出される可能性のある酸素濃度の上下限を定めれば、前記排ガスセンサの検出許容範囲を設定できる。詳しくは、
Qo =Gs ×(Is −Iw )+Gg ×Cp ×Tg
(ただし、Qo は前記火炉からの出熱量、Gs は前記蒸気の流量、Is は前記蒸気のエンタルピ、Iw は前記給水のエンタルピ、Gg は前記排ガス流量、Tg は前記排ガスの温度、Cp は前記排ガスの温度Tg における定圧比熱)
として、所定時間内に火炉から取り出された熱量を、前記所定時間内の平均値として求められた出熱量として求め、
Qi =Ff ×Hf +Fa ×Cpa×Ta +Ha +Qin
(ただし、Qi は前記火炉への入熱量、Ff は前記バーナへの前記所定時間内の燃料供給量、Fa は前記空気の供給量、Cpaは空気の温度Taにおける定圧比熱、Ta は前記空気の温度、Ha は前記空気の予熱に要した熱量、Qinは前記その他の入熱量)
として、前記所定時間内の平均値として前記火炉への入熱量を求め、
これらを基に、
Hu =(Qo −Qi )/Gr
(ただし、Hu はゴミの平均低位発熱量、Qo は前記出熱量、Qi は前記火炉への入熱量、Gr は前記ゴミの投入量)
として、所定時間内に火炉に投入されたゴミの平均低位発熱量を演算導出し、前記所定時間内に前記火炉に投入されたゴミに対する推定理論酸素量を、例えば、
Soe =(a×Hu +b)× Gr
として求めれば、前記推定理論酸素量が、前記所定時間内に前記火炉に供給した空気中の酸素量から消費されたものとして、例えば、
Poe =(Fa × 0.21 − Soe )/ Fa
(ただし、Fa は火炉への供給空気量)
として排ガス中の推定平均酸素濃度を算出できる。これに基づいて前記排ガスセンサに異常が発生したと判定する許容範囲を設定することができる。前記推定平均酸素濃度は、前記排ガスセンサで検出した排ガス中酸素濃度とは大きく離れていないはずであるから、前記推定平均酸素濃度に基づいて設定される許容範囲から逸脱した場合には確実に前記排ガスセンサに異常が発生したとすることができる。
【0012】
上記第3特徴構成によれば、前記第1又は第2特徴構成における平均低位発熱量と推定平均酸素濃度との検出時期の時間的なずれを補正して、検出値と限界値との間の変動の時間的ずれによる、前記検出値即ち排ガス中酸素濃度が、前記限界値即ち許容範囲の上下限値の曲線から時間軸方向に逸脱した結果を異常と判定することを防止でき、異常の判定がより正確になる。
【0013】
上記第4特徴構成によれば、前記第1特徴構成〜第3特徴構成の何れかにおける許容範囲を、火炉内の実際のゴミの燃焼量に対応して上限値と下限値を設定でき、しかも排ガス中の酸素濃度の物理的に推定される可能領域を前記上限値と下限値との設定基準としてあるから、前記上限値及び前記下限値に基づき設定された許容範囲を逸脱する排ガス中の酸素濃度が検出されれば、明らかに異常であると言えるから、異常の判定がより正確になる。
【0014】
上記第5特徴構成によれば、排ガスセンサに異常が発生した場合の対処が容易になる。つまり、発熱量推定手段で演算導出したゴミの平均低位発熱量から理論的にゴミの燃焼に必要とされる空気量が求められるから、酸素残量推定手段によって実際に火炉に供給された空気量との差から排ガス中の推定平均酸素濃度を求め、排ガスセンサで検出した排ガス中酸素濃度がその推定平均酸素濃度に基づいて設定される許容範囲の上限を超え、或いは下限未満となった状態を検査手段で異常と判定するようにしてあるから、排ガスセンサの検出値を合理的に判定でき、固定的に設定された上下限により判定する場合には異常な値を正常な値と誤認する異常な検出値であってもこれを異常と判定できるようになる。従って、異常な値を出力している排ガスセンサからの排ガス中酸素濃度によって燃焼制御を行い、排ガス成分が設定条件から外れた状態を継続することを防止できる。
その結果、前記第1特徴構成と同様に、排ガスセンサの出力によって燃焼制御を行いながら、前記排ガスセンサの出力に異常が認められれば、代替制御指標を用いて制御を続行することが可能であり、排ガス成分の制御(殊にダイオキシン、窒素酸化物等の有害成分の排出抑制)の設定条件からの乖離を回避できるようになる。
【0015】
上記第6特徴構成によれば、排ガスセンサに異常が発生した場合においても、排ガス成分を設定条件に維持した状態でゴミ焼却炉の運転制御を継続できるようになる。つまり、前記第5特徴構成における火炉を制御する燃焼制御手段を、検査手段で排ガスセンサに異常が発生したと判定された場合にも、前記排ガスセンサで検出する排ガス中酸素濃度に代わる代替燃焼制御指標として、酸素残量推定手段で推定した推定平均酸素濃度を用いるから、平均化された指標であるために、動的応答性は前記排ガス中酸素濃度と同等ではないが、排ガス成分が設定成分条件から大きく外れることはなく、有害物(例えばダイオキシン、窒素酸化物等)の排出を充分に抑制できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
上記本発明のゴミ焼却炉及びこれに適用可能な排ガスセンサの異常検出方法の実施の形態の一例について、以下に、図面を参照しながら説明する。尚、前記従来の技術において説明した要素と同じ要素並びに同等の機能を有する要素に関しては、先の図5及び図6に付したと同一の符号を付し、詳細の説明の一部は省略する。
ゴミ焼却炉は、燃焼制御手段1を備えており、前記燃焼制御手段1には、単位時間当たりに給塵機構11から火炉10に投入されるゴミの投入量と、前記火炉10に投入されたゴミのゴミ質(低位発熱量により区分される)等に応じて、移動式火床12を構成するストーカ機構の搬送速度を調節するゴミ搬送制御手段1aと、前記ゴミの投入量、前記ストーカ機構によるゴミの搬送速度、燃焼帯12Bにおけるゴミの燃え切り位置、廃熱ボイラ20の蒸気発生量等のプロセスデータに基づき前記火炉10内に供給される空気の量を調節する火炉供給空気制御手段1bと、前記火炉10からの燃焼ガスの二次燃焼条件を好適に維持し、且つ、酸素濃度検出手段2で検出する排ガス中酸素濃度(Po) を所定の許容範囲から逸脱しないように二次燃焼室13に供給する二次空気の量を調節する二次燃焼制御手段1cとを設けて、移動式火床12上での所定量のゴミの燃焼を良好に維持しながら、炉出口の排ガス温度を所定範囲内に安定させながら、排ガス中の酸素濃度を所定範囲内に維持して、ダイオキシン、窒素酸化物等の有害成分の放出を低減し、前記有害成分の排出量を所定値以下に維持できるように構成してある。
【0017】
前記酸素濃度検出手段2は、除塵装置であるバグフィルタ15と洗煙装置16との間の排ガス路14に配置した従来と同様の構造の排ガスセンサ3を備えて、前記排ガスセンサ3からの入力値により排ガス中酸素濃度(Po) を検出するように構成してある。そして、前記酸素濃度検出手段2の検出する排ガス中酸素濃度(Po) が基準範囲内にあるか否かを検査して前記排ガスセンサ3の異常を検出するための検査手段4と、燃焼制御に伴って取得される炉の各種状態量から前記燃焼帯12B上のゴミの所定時間(ts) 内の平均低位発熱量(Hu) を推定する発熱量推定手段5と、前記検査手段4の検査結果で前記排ガスセンサ3が異常であると判定された際の前記酸素濃度検出手段2からの排ガス中酸素濃度(Po) に代わる代替燃焼制御指標として排ガス中の推定平均酸素濃度(Poe)の前記所定時間 (ts)内の平均値を推定平均酸素濃度(Poe)として推定し、同時に、前記排ガス中酸素濃度(Po) が所定範囲内にあるか否かを検査手段4で検査するための前記所定範囲の上限酸素濃度(LH) と下限酸素濃度(LL) とを演算導出する酸素残量推定手段6とを設けてある。
【0018】
前記発熱量推定手段5では、前記所定時間(ts) 当たりのゴミ焼却量(Gr) と前記炉内の発生熱量(H)とから、前記平均低位発熱量(Hu) を求めるが、前記発生熱量(H)は、例えば、前記廃熱ボイラ20へのボイラ給水のエンタルピをIw とし、同じくボイラ出口蒸気のエンタルピをIs とし、前記廃熱ボイラ20のボイラ効率をηとし、前記廃熱ボイラ20の発生蒸気量をGs とし、その他の火炉10への入熱量をHmとして、
H = Gs ×(Is − Iw )/η − Hm
として求め、前記発生熱量(Hb) と、前記所定時間(ts) 内のゴミ焼却量(Gr) とから、
Hu = H /Gr
として平均低位発熱量(Hu) を求める。尚、ボイラを備えず、排ガスに空気及び冷却水を混入して冷却する排ガス冷却機構としてガス冷却室を備えるゴミ焼却炉においては、前記発生熱量(H)は、排ガスの温度を基に、上記の式に、水蒸気を除く排ガスの顕熱を加え、前記発生蒸気量(Gs) の代わりに前記排ガスに混入する冷却水の供給量を与え、前記発生蒸気のエンタルピ(Is) の代わりに、前記排ガスの温度における常圧蒸気のエンタルピを与え、前記ボイラ給水のエンタルピ(Iw) を与え、燃焼用空気の持ち込み熱量と、前記ガス冷却室19に供給される冷却空気の持ち込み熱量とを前記その他の火炉10への入熱量(Hm) として与えれば求めることができる。ここで、前記所定時間(ts) 内のゴミ焼却量(Gr) は、単位時間当たりに前記火炉10に投入されたゴミ重量(G)から前記所定時間(ts) 内の焼却量をして換算する。
【0019】
前記検査手段4は、前記投入されたゴミが低位発熱量の高い高質ゴミ(例えば低位発熱量2300kcal/kgに相当)であるとして前記酸素残量推定手段6で推定した推定平均酸素濃度(Poe)を上限酸素濃度(LH) とし、前記投入されたゴミが低位発熱量の低い低質ゴミ(例えば低位発熱量1000kcal/kgに相当)であるとして前記酸素残量推定手段6で推定した推定平均酸素濃度(Poe)を下限酸素濃度(LL) として、前記酸素濃度検出手段2の検出した排ガス中酸素濃度(Po) が前記上限酸素濃度(LH) を超え、或いは前記下限酸素濃度(LL) に満たない場合に、前記排ガスセンサ3に異常が発生したものと判定するように構成してある。つまり、低位発熱量の最大のものと最低のもの、即ち、最高低位発熱量と、最低低位発熱量とを想定して、夫々に対して求められる酸素消費量から推定平均酸素濃度(Poe)の最高値と最低値を、前記上限酸素濃度(LH) と前記下限酸素濃度(LL) として求める。例えば図2に示したように、排ガス中酸素濃度(Po) が前記上限酸素濃度(LH) と前記下限酸素濃度(LL) との間に収まっているので、前記検査手段4では排ガスセンサ3の異常を検出しないが、前記排ガスセンサ3に異常が発生すれば、その検出値は通常、前記上限酸素濃度(LH) 側か、前記下限酸素濃度(LL) 側にシフトするので、何れか一方に連続して逸脱する値が検出されれば、前記検査手段4では前記排ガスセンサ3の異常を検出することになる。こうして前記検査手段4で異常を検出すると、この出力を受けて、燃焼制御手段1では、前記排ガス中酸素濃度(Po) の値の如何に関わらず、前記推定平均酸素濃度(Poe)を燃焼制御指標として制御を続行する。従って、上記の構成によれば、前記排ガスセンサ3に異常が検出されても、支障なく燃焼制御を維持続行することが可能である。
【0020】
前記酸素残量推定手段6は、前記単位時間当たりに前記火炉10に投入されたゴミ重量(G)に対して前記発熱量推定手段5で演算導出した平均低位発熱量(Hu) に応じて求められる理論空気量(Fas)と、前記ゴミ焼却量(Gr) とから、燃焼用空気としての所要空気量Fa を推定し、炉内に供給された総空気量(Fa) と比較して推定平均酸素濃度(Poe)を求めるように構成してある。つまり、各ゴミ質に対して予め求められている代表的成分組成に基づき、ゴミの中の炭素、水素、酸素、硫黄の夫々につき燃焼に要する酸素量を算出して、夫々の酸素量の合計値を基に理論空気量Fasを求めた結果に基づき予め求めてあるゴミの低位発熱量に対する線形関係式に前記平均低位発熱量(Hu) を当てはめて理論空気量(Fas)を求める。求めた理論空気量(Fas)とゴミ焼却量(Gr) とから前記所要空気量(Fa) が得られる。以上の結果から、前記所要空気量(Fa) 中の酸素全量が前記総空気量(Fa) の含有酸素から消費されたとして推定平均酸素濃度(Poe)を求める。尚、二次燃焼室13以後の排ガス路14に空気の流入(例えば冷却用空気の混入、或いは漏洩空気の漏れ込み)量が補正できれば、これらの要因について補正すればよい。ここで、前記ゴミ焼却量(Gr) は、炉内への入熱量(Qi) と、炉からの出熱量(Qo) と、前記発熱量推定手段5で演算導出した前記所定時間(ts) 内の平均低位発熱量(Hu) とから、
Gr = ( Qo − Qi ) /Hu
として求める。尚、前記出熱量(Qo) と前記入熱量(Qi) とは、夫々、
Qo =Gs ×(Is −Iw )+Gg ×Cp ×Tg
(ただし、Qo は前記火炉からの出熱量、Gs は前記蒸気の流量、Is は前記蒸気のエンタルピ、Iw は前記給水のエンタルピ、Gg は前記排ガス流量、Tg は前記排ガスの温度、Cp は前記排ガスの温度Tg における定圧比熱)
Qi =Ff ×Hf +Fa ×Cpa×Ta +Ha +Qin
(ただし、Qi は前記火炉への入熱量、Ff は前記バーナへの前記所定時間内の燃料供給量、Fa は前記空気の供給量、Cpaは空気の温度Ta における定圧比熱、Ta は前記空気の温度、Ha は前記空気の予熱に要した熱量、Qinは前記その他の入熱量)
として求めることができる。
【0021】
前記酸素残量推定手段6における推定平均酸素濃度(Poe)の導出の一例を説明すると、例えば表1に示すデータから、
【0022】
【表1】
【0023】
Soe =8.89PC +26.7(PH − PO /8)+ 3.33PS
として推定理論酸素量(Soe)を近似的に求める。この推定理論酸素量(Soe)から、夫々について理論空気量(Fas)が求められる(表2参照)。
【0024】
【表2】
【0025】
以上の結果を基に、理論空気量(Fas)に対して、表2に示した3点の低位発熱量(Hu’)に基づく線形近似式を導出し、
Fas = 0.93 × 10−3Hu + 0.47
として前記理論空気量(Fas)を求める。この理論空気量(Fas)と、前記総空気量(Fa) とから、前記推定平均酸素濃度(Poe)は、
Poe =(Fa − Fas ) × 0.21 / Fa
として求められる。上記のようにして求めた推定平均酸素濃度(Poe)を、実際の酸素濃度検出手段2の検出結果である排ガス中酸素濃度(Po) と比較した線図を図3に示したが、図示の通り両者は可成りよく一致した挙動を示し、少なくとも2%以内の誤差範囲に収まっている。尚、同図に示した推定平均酸素濃度(Poe)は、3時間移動平均値に基づく熱収支計算から得た平均低位発熱量(Hu) を基に演算導出したものであり、前記平均低位発熱量(Hu) をより短い時間の移動平均値から求めるようにすれば前記誤差範囲は小さくできる。
【0026】
実際の酸素濃度検出手段2の検出結果である排ガス中酸素濃度(Po) (実線で表示)と共に、前記検査手段4に与える前記上限酸素濃度(LH) と前記下限酸素濃度(LL) (共に一点鎖線で表示)とを図2に示したが、前記上限酸素濃度(LH)と前記下限酸素濃度(LL) は、前記酸素残量推定手段6で、高質ゴミを仮定した低位発熱量と、低質ゴミを仮定した低位発熱量を夫々平均低位発熱量(Hu) として上式に与えた結果に基づき、推定平均酸素濃度(Poe)を夫々演算導出したものである。尚、前記排ガス中酸素濃度(Po) は、前記上限酸素濃度(LH) と前記下限酸素濃度(LL) に対して時間軸上で1分遅らせてある。ここに、上記1分は、ここで想定したゴミ焼却炉における廃熱ボイラ20からの排ガスが排ガスセンサ3に至るまでの所要時間である。こうして時間的なずれを補正することによって、発熱量に基づく推定平均酸素濃度(Poe)と実測された排ガス中酸素濃度(Po) との同期を図ることが可能である。
【0027】
上記のようにして前記酸素残量推定手段6で求めた推定平均酸素濃度(Poe)を、前記検査手段4においては、ゴミ質を前記最高低位発熱量の高質ゴミ(例えばHu =2300)として推定した推定平均酸素濃度(Poe)を前記上限酸素濃度(LH) とし、ゴミ質を前記最低低位発熱量の低質ゴミ(例えばHu =1000)として推定した推定平均酸素濃度(Poe)を前記下限酸素濃度(LL) として、前記排ガスセンサ3の検査に用い、前記排ガスセンサ3の検出値を異常と判断した場合には、前記発熱量推定手段5で推定した前記平均低位発熱量(Hu) に基づき前記酸素残量推定手段6で求めた推定平均酸素濃度(Poe)を、前記排ガスセンサ3からの排ガス中酸素濃度(Po) に代わる制御指標として、前記燃焼制御手段1における燃焼制御を継続する。尚、異常を検出する場合についての線図は省略したが、通常想定される異常の場合には、前記排ガス中酸素濃度(Po) は上下何れか一方にシフトするので、図2に示したように、前記排ガス中酸素濃度(Po) に対してほぼ同じ挙動を示す前記上限酸素濃度(LH) と前記下限酸素濃度(LL) との間の許容範囲からは連続して、或いは頻繁に何れか一方に逸脱した値を示すようになり、前記排ガスセンサ3の異常を極めて容易に判定できるようになる。このような構成の場合には、サンプリングの都度連続する逸脱により前記排ガスセンサの異常を判定できる。
【0028】
上記実施の形態における各算出計算について例を挙げて説明すれば、前記平均低位発熱量(Hu) は、前記発生熱量Hと、前記単位時間(ts) 当たりに火炉10に投入されたゴミ重量(G)とから、
Hu = H /(G × ts)
として求めることができる。尚、前記発生熱量(H)は、
ボイラ給水のエンタルピIw :151.0(kcal/kg)
出口蒸気のエンタルピIs :707.9(kcal/kg)
(但し、蒸気温度 271.0℃、蒸気圧力 18kg/cm2とした。)
ボイラ効率η :68.7(%)
他の入熱量Hm :1000(kcal/kg)
として、蒸気発生量(Gs) から
H = Gs ×(Is − Iw )/η − Hm
の式を基に求めた。
【0029】
上述の検査手段4による排ガスセンサ3の異常判定は、毎分1回のデータサンプリングの都度1回実行される。ここで、燃焼制御手段1における制御指令は、上述の検査手段4によるその間の検査結果に基づく判定の後に発せられるのである。従って、前記排ガスセンサ3に異常が生じて、酸素濃度検出手段2から排ガス中酸素濃度の異常な検出値が入力されれば、直ちにその入力値に拘わらず、酸素残量推定手段6からの推定平均酸素濃度(Poe)が代替指標として用いられ、この推定平均酸素濃度(Poe)に基づいて燃焼制御が行われるようになる。この場合には、排ガスセンサの異常を表示すると同時に制御指標が代替指標に切り替えられていることを表示するように燃焼制御手段を構成しておけば、前記排ガスセンサ3の点検ないしは交換も時機を失することなく容易になる。
【0030】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
〈1〉上記実施の形態に於いては、排ガス路14に廃熱ボイラ20を備えるゴミ焼却炉に本発明を適用した例について説明したが、廃熱ボイラを備えないゴミ焼却炉であってもよく、この場合には、例えば図4に示すように、移動式火床12の乾燥帯12Aの天井壁に、前記乾燥帯12Aに臨ませて設けた赤外線検知手段5aを用いて検出した温度により前記乾燥帯12Aのゴミの低位発熱量を推定する発熱量推定手段5を設けてあればよく、前記赤外線検知手段5aに透過波長3.6〜4μmのフィルタを取り付けておけば、火炎中の一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、窒素酸化物、硫黄酸化物、水蒸気等の赤外線エネルギー吸収の影響を抑制できる。尚、この発熱量推定手段5は、前記乾燥帯12A上のゴミの推定発熱量Hueを以下のようにして推定するものである。つまり、前記乾燥帯12Aへの送風量が基準流量である場合には、単位時間当たりのゴミ表面温度の平均値が第1基準温度(例えば900℃)以下であれば低位発熱量Hu の小さい低質ゴミ(例えばHue=1000)であり、第2基準温度(例えば1000℃)以上であれば低位発熱量(Hu) の大きい高質ゴミ(例えばHue=2300)であり、前記第1基準温度と前記第2基準温度との間にあれば基準ゴミ(例えばHue=1700)であると推定するのである。このゴミ表面の基準温度の段階を細かく設定すれば、推定発熱量(Hue)を詳細に推定できるようになる。そして、前記検査手段における上限酸素濃度(LH) 及び下限酸素濃度(LL) としては上記実施の形態において説明したように、高質ゴミ(例えばHu =2300)及び低質ゴミ(例えばHu =1000)に対して前記酸素残量推定手段6で推定した推定酸素濃度 (Poe) を用い、前記検査手段4で前記排ガスセンサ3の検出値が異常であると判定した場合には、上記発熱量推定手段5で推定した推定発熱量(Hue)を基に前記酸素残量推定手段6で推定した推定酸素濃度Poeを、燃焼制御手段1における排ガス中酸素濃度(Po) に対する代替指標として用いるのである。
〈2〉上記実施の形態に於いては、排ガス路14に廃熱ボイラ20を備えるゴミ焼却炉に本発明を適用した例について説明したが、廃熱ボイラを備えないゴミ焼却炉であってもよく、この場合には、例えば前記図4に示すように、ガス冷却機構19を備える場合には、前記廃熱ボイラ20の熱収支に代えて、このガス冷却機構19に供給した空気の量とその含有酸素量を前記推定酸素濃度Poeを推定する前記酸素残量推定手段6における演算パラメータに加えればよい。
〈3〉上記実施の形態に於いては、上限酸素濃度(LH) として最高低位発熱量の高質ゴミ(Hu =2300)として推定した推定酸素濃度(Poe)を用い、下限酸素濃度(LL) として最低低位発熱量の低質ゴミ(Hu =1000)として推定した推定酸素濃度(Poe)を用いて、検査手段4において排ガスセンサ3の検査を行う例について説明したが、前記発熱量推定手段5で推定した推定発熱量(Hue)に基づき、求めた推定酸素濃度(Poe)を用いて、予め設定された許容範囲を与えて前記上限酸素濃度(LH) と前記下限酸素濃度(LL) とを設定して前記検査手段4における前記排ガスセンサ3の検査に用いるようにしてもよい。このようにすれば、絶対偏差に基づいて検査を行うことになるから、検査条件が時によって異なることを回避できる。この場合の許容範囲は、例えば、予め検定されている前記ガス検出素子3bぼ検出誤差を基に設定されてあってもよい。
〈4〉上記実施の形態に於いては、酸素残量推定手段6を、酸素濃度検出手段2からの排ガス中酸素濃度(Po) に代わる代替燃焼制御指標として排ガス中の推定平均酸素濃度(Poe)の前記所定時間 (ts)内の平均値を推定平均酸素濃度(Poe)として推定し、同時に、前記排ガス中酸素濃度(Po) が所定範囲内にあるか否かを検査手段4で検査するための前記所定範囲の上限酸素濃度(LH) と下限酸素濃度(LL) とを演算導出するように構成した例を示したが、前記所定範囲の上下限の演算導出は、他の手段で行ってもよく、上下限として、固定した値、例えば、炉の構成から考えられる、排ガス路14における最高酸素濃度と最低酸素濃度を、前記上限酸素濃度(LH) と前記下限酸素濃度(LL) とに設定してもよい。
〈5〉上記実施の形態に於いては、演算導出した3点の低位発熱量(Hu’)に基づく線形近似式を導出し、
Fas = 0.93 × 10−3Hu + 0.47
として前記理論空気量(Fas)を求める例を示したが、これは一例であって、近似式の係数は炉によって異なるものである。また、前記線形近似式の基準は、前記演算導出した3点の低位発熱量(Hu’)に限るものではなく、他の手段によって求めた低位発熱量と理論酸素量の値に基づくものであってもよい。例えば、異なる種類のゴミを実験的に燃焼させて、夫々の低位発熱量と理論酸素量とを求め、これを基に線形近似式を求めてもよい。さらに、前記近似式は多項式であってもよく、また非線形のものであってもよく、理論酸素量が容易に演算導出されるものであればよい。
〈6〉上記実施の形態においては、酸素残量推定手段6において推定理論酸素量(Soe) を求めて、求めた推定理論酸素量(Soe) から理論空気量(Sas) を求める例について説明したが、理論空気量を直接推定するように構成してあってもよい。上記例においては、ゴミの成分から推定理論酸素量を求める式の各係数を0.21で除したものに代えれば、推定理論空気量を求めることができる。つまり、推定理論酸素量を推定理論空気量とは実質的に等価なものとして扱える。
【0031】
【実施例】
上記実施の形態における各算出計算について例を挙げて説明すれば、前記平均低位発熱量Hu を求めるのに、先ず、
前記発生熱量Hを、
ボイラ給水のエンタルピIw :151.0(kcal/kg)
出口蒸気のエンタルピIs :707.9(kcal/kg)
(但し、蒸気温度 271.0℃、蒸気圧力 18kg/cm2とした。)
ボイラ効率η :68.7(%)
他の入熱量Hm :1000(kcal/kg)
として、
H = Gs ×(Is − Iw )/η − Hm
の式を基に、
H = 810.6・Gs − 1000
として、発生蒸気量(Gs) の一次式として求める。
次に、前記推定理論酸素量Soe を、例えば表3に示すデータを基に、
【0032】
【表3】
Soe = 8.89PC + 2.67(PH − PO /8)+ 3.33PS
を基に、低質ゴミ及び高質ゴミ夫々のゴミ質に対して求めて、表4に示すように前記下限酸素濃度(LL) と前記上限酸素濃度(LH) の基準となる推定理論酸素量Soe を求めた。
【0033】
【表4】
【0034】
として求める。この推定理論酸素量Soe に基づき、前記下限酸素濃度(LL) と前記上限酸素濃度(LH) とを設定する。これら両推定理論酸素量Soe と、前記基準ゴミに対して求められた推定理論酸素量Soe から、夫々表5に示す理論空気量Fasを求めた。
【0035】
【表5】
表5に示した3点の低位発熱量に対して、前記平均低位発熱量(Hu) に対応する線形近似式を、
Fas= 0.93 × 10−3Hu + 0.47
として前記理論空気量(Fas)を求める式を得た。この式を用いて、前記総空気量(Fa) に基づき、前記推定平均酸素濃度(Poe)を、
Poe =(Fa − Fas ) × 0.21 / Fa
として求める。
尚、前記ゴミ焼却量(Gr) は、前記発生熱量(H)と、先に求めた平均低位発熱量(Hu) とから、
Gr = H /Hu
として求めることができる。
【0036】
上記手順により酸素残量推定手段6で求めた推定平均酸素濃度(Poe)と前記酸素濃度検出手段2で検出した排ガス中酸素濃度(Po) とを図3に示した。図示のように、3時間移動平均値に基づく慣性の大きい熱的計算結果である前記推定平均酸素濃度(Poe)は、前記酸素濃度検出手段2の検出した排ガス中酸素濃度(Po) に対して、時間的にややずれてはいるものの、可成りよく一致した挙動を示しており、前記酸素濃度検出手段2の排ガスセンサ3の検出する排ガス中酸素濃度(Po) の代替指標として好適であることがわかる。
【0037】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるゴミ焼却炉の一例を示す説明図
【図2】排ガスセンサの異常判定の例を示す線図
【図3】本発明のよる推定平均酸素濃度を実測した排ガス中酸素濃度と比較する線図
【図4】本発明によるゴミ焼却炉の他の例を示す説明図
【図5】従来のゴミ焼却炉の一例の説明図
【図6】排ガスセンサの構造を示す要部断面説明図
【図7】排ガスセンサの異常検出を説明する線図
【符号の説明】
1 燃焼制御手段
3 排ガスセンサ
4 検査手段
5 発熱量推定手段
6 酸素残量推定手段
10 火炉
14 排ガス路
20 廃熱ボイラ
Cp 排ガスの定圧比熱
Fa 火炉への空気供給量
Gr 平均ゴミ重量
Gs 廃熱ボイラから発生する蒸気の流量
Ha 火炉に供給した空気の予熱に要した熱量
Hf 供給される燃料の発熱量
Hu ゴミの平均低位発熱量
Is 廃熱ボイラからの蒸気のエンタルピ
Iw 廃熱ボイラへの給水のエンタルピ
Po 排ガス中酸素濃度
Poe 排ガス中の推定平均酸素濃度
Qi ゴミ焼却炉への入熱量
Qin その他の入熱量
Qo ゴミ焼却炉からの出熱量
Soe 火炉内のゴミに対する推定理論酸素量
Ta 火炉への供給空気の温度
Tg 排ガスの温度
Gg 排ガスの流量
ts 所定時間
Claims (6)
- 火炉(10)からの排ガス路(14)に排ガス中の酸素濃度を測定する排ガスセンサ(3)を備えて、前記排ガスセンサ(3)で検出する排ガス中酸素濃度を燃焼制御指標とするゴミ焼却炉において、
所定時間(ts)内に前記火炉(10)に投入された平均ゴミ重量(Gr )と、前記平均ゴミ重量(Gr)に対する平均低位発熱量(Hu)とを基に、前記平均ゴミ重量(Gr)に対する推定理論酸素量(Soe)を演算導出して、
前記推定理論酸素量(Soe)が、前記所定時間(ts)内に前記火炉(10)に供給された空気中の酸素量から消費されたものとして排ガス中の推定平均酸素濃度(Poe)を演算導出し、
前記排ガスセンサ(3)で検出した排ガス中酸素濃度(Po)が前記演算導出した推定平均酸素濃度(Poe)に基づいて設定される所定の許容範囲から逸脱する場合に、前記排ガスセンサに異常が発生したと判定する排ガスセンサの異常検出方法。 - 廃熱ボイラ(20)を備えるゴミ焼却炉に対して、前記平均低位発熱量(Hu)を、
前記所定時間(ts)内に前記廃熱ボイラ(20)に供給された給水のエンタルピ(Iw)と、前記所定時間(ts)内に前記廃熱ボイラ(20)で発生した蒸気の流量(Gs)及びエンタルピ(Is)と、前記排ガス路(14)における排ガス流量(Gg)と、前記排ガスの温度(Tg)から、
Qo =Gs ×(Is −Iw )+Gg ×Cp ×Tg
(ただし、Cp は排ガスの温度Tg における定圧比熱)
を基に、前記所定時間(ts)内の平均値として求められた出熱量(Qo)と、前記火炉(10)に備えるバーナへの前記所定時間(ts)内の燃料供給量(Ff)と、前記バーナへの燃料の発熱量(Hf)と、前記所定時間(ts)内に前記火炉(10)に供給された空気の供給量(Fa)と、前記空気の温度(Ta)と、前記空気の予熱に要した熱量(Ha)とに基づき、
Qi =Ff ×Hf +Fa ×Cpa×Ta +Ha +Qin
(ただし、Cpaは空気の温度Ta における定圧比熱、Qinは前記その他の火炉への入熱量)
によって、前記所定時間(ts)内の平均値として求められた入熱量(Qi)と、
前記所定時間(ts)内に前記火炉(10)に投入されたゴミの投入量(Gr) とから、
Hu =(Qo −Qi )/Gr
として演算導出し、
前記所定時間(ts)内に前記火炉(10)に投入されたゴミに対する推定理論酸素量(Soe)を、所定の関係式に基づいて前記平均低位発熱量(Hu)から演算導出して、
前記推定理論酸素量(Soe)が、前記所定時間(ts)内に前記火炉(10)に供給した空気中の酸素量から消費されたものとして排ガス中の推定平均酸素濃度(Poe)を算出し、
前記排ガスセンサ(3)で検出した排ガス中酸素濃度(Po)が前記演算導出した推定平均酸素濃度(Poe)に基づいて設定される所定の許容範囲から逸脱した場合に、前記排ガスセンサ(3)に異常が発生したと判定する請求項1記載の排ガスセンサの異常検出方法。 - 前記推定平均酸素濃度(Poe)を、設定時間後の排ガス中の酸素濃度(Po)として求める請求項1または2に記載の排ガスセンサの異常検出方法。
- 前記許容範囲を設定するのに、
投入されたゴミが高質ゴミであるとして求めた低位発熱量を基に前記推定平均酸素濃度(Poe)を演算導出した結果を上限値とし、
投入されたゴミが低質ゴミであるとして求めた低位発熱量を基に前記推定平均酸素濃度(Poe)を演算導出した結果を下限とする請求項1〜3の何れか1項に記載の排ガスセンサの異常検出方法。 - 火炉(10)からの排ガス路(14)に排ガス中の酸素濃度を測定する排ガスセンサ(3)を備えて、前記排ガスセンサ(3)で検出する排ガス中酸素濃度(Po)を燃焼制御指標とするゴミ焼却炉であって、
前記火炉(10)に投入されたゴミに対してその平均低位発熱量を演算導出する発熱量推定手段(5)と、前記発熱量推定手段(5)で演算導出した平均低位発熱量(Hu)と前記火炉(10)に供給した空気量とに基づき前記排ガス路(14)における排ガス中の推定平均酸素濃度を推定する酸素残量推定手段(6)と、前記排ガスセンサ(3)で検出した排ガス中酸素濃度が前記酸素残量推定手段(6)で推定した排ガス中の推定平均酸素濃度(Poe)に基づいて設定される所定の許容範囲から逸脱した場合に、前記排ガスセンサ(3)に異常が発生したと判定する検査手段(4)を設けて構成してあるゴミ焼却炉。 - 前記火炉(10)を制御する燃焼制御手段(1)を、
前記検査手段(4)で前記異常が発生したと判定された場合の燃焼制御指標を、前記排ガス中酸素濃度(Po)に代えて、前記酸素残量推定手段(6)で推定した推定平均酸素濃度(Poe)とするように構成してある請求項5記載のゴミ焼却炉。
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