JP3546937B2 - 絞り加工方法および絞り加工装置 - Google Patents

絞り加工方法および絞り加工装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絞り加工方法および絞り加工装置に関し、さらに詳しくは、ワークに沿って成形ローラを公転させつつ、成形ローラの公転径を変化させることによりワークを絞り加工することによって、特に、ワークを偏芯および/または偏角させる等の複雑な非対称形状に形成することが可能な絞り加工方法および絞り加工装置に関するものである。
ここで、「偏芯」とは、ワークの絞り加工された部位の長手軸線と絞り加工されていない部位の長手軸線とが平行に偏位された状態をいい、「偏角」とは、ワークの絞り加工された部位の長手軸線と絞り加工されていない部位の長手軸線とが、延長線上で互いに交差するように、所定の角度を有する状態をいう。
【0002】
【従来の技術】
従来から、成形ローラがワークに対して相対的に公転するようにしつつ、成形ローラの公転径を変化させることによりワークを絞り加工することが行われている。
このような絞り加工を行うための従来の技術としては、例えば、フランジ付きワークの絞り加工装置として開示された特開平8−71660号公報や、鋼管の整形方法として開示された特開平5−220507号公報が知られている。
【0003】
上記特開平8−71660号公報は、フランジを有するワークをクランプして上下動する支持台と、この支持台の上部に位置し、支持台で上昇位置に保持されたワークのフランジよりも下部の位置に外側から絞り加工を施す絞り加工機とからなり、絞り加工機は、固定支持部で垂直に支持した回転軸の下端にヘッドを一体に回転するように固定し、このヘッドの下面に半径方向への移動が可能となるよう取付けた可動台に絞りローラを回転可能に取付け、前記回転軸に軸方向への移動が可能となるよう外嵌挿した昇降筒と、この昇降筒に上下動を付与するため固定支持部に取付けた駆動機とを昇降筒の回転を許容する状態で上下動方向に結合し、前記ヘッドに基部を枢支したL形アームの一端を昇降筒に係止して他端を可動台に係止し、昇降筒の上下動によるL形アームの揺動で可動台の絞りローラをヘッドの回転軸心に対して接近離反動させるようになっている。
絞りローラの外周面には、絞り加工されるワークの形状に応じて、円弧状の凹入成形面が設けられている。
【0004】
そして、この特開平8−71660号公報における作用は、次のように記載されている。すなわち、支持台上にフランジ付きのワークを固定し、支持台の上昇によってワークを上昇位置に持上げる。絞り加工機は、昇降筒が下降位置にあって絞りローラはヘッドの回転軸心から離れた位置にあり、上昇したワークに対してフランジよりも下部の外側に待機している。この状態で回転軸を回転させると、絞りローラはワークの周囲を公転し、駆動機で昇降筒を上昇移動させると、L型アームの回動で可動台とこれに取付けた絞りローラがヘッドの回転軸心に向けて移動し、絞りローラはフランジよりも下部の位置でワークを押圧し、公転と自転及び上記回転軸心へ向けての移動とにより、ワークの周壁を絞り込んで行く。
そして、特開平8−71660号公報には、ワークを固定するために一対のクランプを設けることが記載されているが、ワークを固定するためのクランプの接触面には、一般的に、図37に示すように、溝が成形ローラの公転径方向と平行に形成されている。
【0005】
一方、パイプの偏芯絞り加工方法として、特開平57−187119号公報に開示されているように、内壁面を口径部とこの口径部に連なる碗状凹部とにより形成して絞り部とした複数の金型の各碗状凹部の絞り各半径を変化させずに各口径部の直径を被加工物であるパイプの直径に対して段階的に減少させるとともに前記パイプの中心軸に対して前記各口径部の中心軸を段階的に偏芯させた各金型により、前記パイプの端部を順次プレス加工して被加工物であるパイプの端部を偏心絞り加工することを特徴とするものが知られている。
【0006】
また、図36に示すように、成形ローラ1Cの枢軸と平行な軸線Qcに対してワークWを、その長手方向の軸Wcが所定角度αを形成するように配置し、このワークWを長手軸方向の軸Wc回りに回転させ、ワークWに対して成形ローラ1Cを押圧すると共に移動させることにより、破線で示したような形状にパイプ状のワークWを偏芯絞り加工することも行われている。
【0007】
そして、以上のように成形ローラを用いた絞り加工装置を制御するために、一般的には、ワークの形状やその諸元によって決定される加工速度に基づいて加工経路および加工速度を絞り加工装置単位で全てのポイントについての座標を手作業で計算し、計算結果を絞り加工装置の制御装置に要求される形態で入力し、この入力されたデータによって制御し絞り加工を行っていた。また、この計算された結果は、設定されたワークの形状や加工速度と整合するかを判断するためのシミュレーションを手作業で計算していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術のうち、特開平8−71660号公報や特開平5−220507号公報にあっては、単に、パイプ状のワークの一部分を径方向に縮小変形させるにとどまり、ワークの長手方向の軸に沿って暫時径が変化するようなテーパ形状を形成するような絞り加工や、ワークに偏芯および/または偏角絞り加工を行うような複雑な非対称形状にワークを形成することは考慮されていないものであった。そして、特開平8−71660号公報に開示された絞りローラは、絞り加工されるワークの形状に応じた形状に形成されたもので、ワークの長手方向の軸に沿って移動されることがないために、絞り加工を行うための加工部が単一のものであった。
さらに、ワークを固定支持する固定機構の半割状の部材270,271の面270a,271aは一般に、図37に示したように、ワークの公転径方向と平行の溝270b,271bが形成されているためワークWに対して摩擦抵抗を発生させて支持固定するための面積を大きくすることができず、ワークを支持固定する能力に限界があるという問題があった。
【0009】
一方、特開平57−187119号公報に開示されたパイプの偏芯絞り加工方法にあっては、口径部の中心軸を段階的に偏芯させた複数の金型を必要とし、しかも、ワークを各金型により順次プレス加工するものであるために、時間や、手間、コスト等がかかり、効率が悪いという問題があった。
【0010】
また、図36に示したように、成形ローラ1Cの枢軸と平行な軸線Qcに対してワークWを、その長手方向の軸Wcが所定角度αを形成するように配置し、このワークWを長手軸方向の軸Wcの回りに回転させ、ワークWに対して成形ローラ1Cを押圧すると共に移動させることにより偏芯絞り加工を行う場合にあっては、成形ローラ1CがワークWの表面に対して直角に当接されないために、図36中に示した距離Lが余計に必要となり、ワークWに無駄が生じるという問題があった。
【0011】
そして、上述したように成形ローラを用いた絞り加工装置を制御する場合にあっては、手作業で絞り加工装置単位で全てのポイントについての座標を絞り加工装置が要求する形態で計算しなければならず、手間や時間がかかると共に、計算ミスや入力ミスのおそれがあるという問題があった。さらには、ワークの諸元等によって決定される加工速度等の限界速度に計算された設定値が整合するかは、シミュレーションを行ってみるまでは判断することができず、また、そのための計算を手作業で行うために、上記座標計算と同様に、手間や時間がかかると共に計算ミスのおそれがあるという問題があった。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成でワークの長手方向の軸に沿って暫時径が変化するようなテーパ形状を形成するような絞り加工や、ワークに偏芯および/または偏角絞り加工を行うような複雑な非対称形状にワークを容易に効率よく形成することができる絞り加工方法および絞り加工装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る絞り加工方法は、上記目的を達成するため、ワークに沿って成形ローラを公転させつつ、成形ローラの公転径を変化させることによりワークを絞り加工する、絞り加工方法であって、ワークと接する面に成形ローラの公転径方向に対して傾斜するように形成された複数の溝を有する固定機構によってワークを固定保持し、ワークの長手方向の軸と成形ローラの公転軸とを相対的に偏位させるように配置した状態で、支持されたワークに対して成形ローラを相対的に公転させることを特徴とするものである。
【0014】
請求項2に係る絞り加工方法は、上記目的を達成するため、ワークに沿って成形ローラを公転させつつ、成形ローラの公転径を変化させることによりワークを絞り加工する、絞り加工方法であって、ワークの長手方向の軸と成形ローラの公転軸とを相対的に偏位させるように配置した状態で、支持されたワークに対して成形ローラを相対的に公転させてワークを絞り加工し、カッタ装置を成形ローラに追従移動させることによりワークの絞り加工された端部を所望の長さに切断することを特徴とするものである。
【0015】
請求項3に係る絞り加工装置は、上記目的を達成するため、支持されたワークに沿って成形ローラを相対的に公転させる公転駆動手段と、成形ローラの公転径を変化させる公転径変化手段と、ワークの長手方向の軸と成形ローラの公転軸とを相対的に偏位させるように配置する偏位配置手段と、を具備しており、前記偏位配置手段はワークを固定支持する固定機構を含み、該固定機構は、ワークと接する面に成形ローラの公転径方向に対して傾斜するように形成された複数の溝を有するものであることを特徴とするものである。
【0016】
請求項4に係る絞り加工装置は、上記目的を達成するため、支持されたワークに沿って成形ローラを相対的に公転させる公転駆動手段と、成形ローラの公転径を変化させる公転径変化手段と、ワークの長手方向の軸と成形ローラの公転軸とを相対的に偏位させるように配置する偏位配置手段と、ワークの絞り加工された端部を切断する切断手段と、を具備しており、前記切断手段は、ワークを切断するカッタ装置と、成形ローラに係合してカッタ装置を追従移動させる追従移動手段と、カッタ装置を成形ローラに対する係合位置と退避位置との間で移動させる係合退避手段とを、具備することを特徴とするものである。
【0017】
請求項1に係る絞り加工方法では、ワークの長手方向の軸と成形ローラの公転軸とを相対的に偏位させるように配置した状態で、支持されたワークに対して成形ローラを相対的に公転させながら公転径を変化させることにより、ワークに複雑な非対称形状の加工部が形成される。そして、ワークと接する面に成形ローラの公転径方向に対して傾斜するように形成された複数の溝を有する固定機構によってワークを固定保持することにより、ワークに対して摩擦抵抗を発生させて支持固定するための接触面の面積が大きくなり、したがって、ワークを支持固定する能力を向上させることができる。
【0018】
請求項2に係る絞り加工方法では、ワークの長手方向の軸と成形ローラの公転軸とを相対的に偏位させるように配置した状態で、支持されたワークに対して成形ローラを相対的に公転させながら公転径を変化させることにより、ワークに複雑な非対称形状の加工部が形成される。そして、ワークの長さは絞り加工されることによって変わるため、絞り加工が完了すると、カッタ装置を成形ローラに追従移動させてワークの端部所定位置をカッタ装置によって切断して所望の長さに成形する。
【0019】
請求項3に係る絞り加工装置では、偏位配置手段によりワークの長手方向の軸と成形ローラの公転軸とを相対的に偏位させるように配置し、公転駆動手段によって成形ローラをワークに沿って相対的に公転させながら公転径を変化させると、ワークに複雑な非対称形状の加工部が形成される。そして、ワークを固定支持する固定機構のワークと接する面に、成形ローラの公転径方向に対して傾斜するように複数の溝を形成したことにより、成形ローラの公転径方向と平行に溝を形成した場合と比較して、ワークに対して摩擦抵抗を発生させて支持固定するための接触面の面積を大きくすることができ、したがって、ワークを支持固定する能力が向上する。この場合にあっては、固定機構のワークと接する面は、成形ローラ側に向かってわずかに暫時縮径するようなテーパ状に形成することが好ましい。
【0020】
請求項4に係る絞り加工装置では、偏位配置手段によりワークの長手方向の軸と成形ローラの公転軸とを相対的に偏位させるように配置し、公転駆動手段によって成形ローラをワークに沿って相対的に公転させながら公転径を変化させると、ワークに複雑な非対称形状の加工部が形成される。ワークの長さは絞り加工されることによって変わるため、絞り加工が完了したワークの端部所定位置を切断手段によって切断して所望の長さに成形する。すなわち、成形ローラによってワークの絞り加工を行っているときは、係合退避手段によってカッタ装置は、成形ローラに対する係合位置から離れた退避位置に退避している。そして、絞り加工が完了すると、カッタ装置は係合退避手段によって成形ローラに対する係合位置に移動され、成形ローラに係合される。そして、カッタ装置は、追従移動手段によって、係合された成形ローラの公転に追従移動するようにして駆動され、ワークの端部所定位置を切断する。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に係る絞り加工装置の実施の一形態を、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。なお、図において同一符号は同一部分または相当部分とする。
本発明に係る絞り加工装置は、概略、図1に示すように、支持されたワークWに沿って成形ローラ1を相対的に公転させる公転駆動手段2と、成形ローラ1の公転径を変化させる公転径変化手段3と、成形ローラ1とワークWとを成形ローラ1の公転軸Rc方向に移動させる公転軸方向移動手段4と、ワークWの長手方向の軸Wcと成形ローラ1の公転軸Rcとを相対的に偏位させるように配置する偏位配置手段(後述する)と、を具備している。
この実施の形態においては、ワークWが中空の円管形状を有するものであり、その径を縮小させるように成形する場合によって説明する。また、この実施の形態においては、ワークWを偏位可能に固定支持し、この固定支持されたワークWに対して成形ローラ1を、その公転軸Rcに沿って軸方向におよび公転軸Rcの径方向に移動させる場合によって説明する。
【0022】
図1に示すように、絞り加工装置は、ワークWを偏位可能に固定支持するワーク支持装置5と、成形ローラ1を公転させてこの公転軸Rcの軸方向および径方向に移動させる成形ローラ駆動装置6とにより構成されている。
ワーク支持装置5は、ワークWを固定支持する固定機構7と、ワークWを成形ローラ1の公転軸Rcに対して平行移動させて偏芯移動配置する偏芯機構8と、ワークWを成形ローラ1の公転軸Rcに対して所定角度を形成するように回転させて偏角移動配置する偏角機構9と、偏角機構9により偏角移動配置された固定機構7をさらに偏芯機構8によって偏芯移動配置した際に成形ローラ1の公転軸Rcに対するワークWの長手方向の軸Wcの配置を補正する補正機構10と、を含み、上述したようにワークWの長手方向の軸Wcと成形ローラ1の公転軸Rcとを相対的に偏位させるように配置する偏位配置手段を構成する。
一方、成形ローラ駆動装置6は、上述の公転駆動手段2と、公転径変化手段3と、公転軸方向移動手段4と、を含む。
【0023】
最初に、成形ローラ駆動装置6について説明する。
複数の成形ローラ1が公転軸Rcの回りに等間隔で配置されている。図3に詳細に示されているように、各成形ローラ1は、公転軸Rcと平行に延びる支持軸15にベアリング16を介して回転可能に取付けられ、支持軸15の基端部に設けられたブラケット17が径方向可動部材18の前端面(図3において右側)に対してボルト19により着脱可能に取付けられている。支持軸15の先端には穴15aが形成されている。
【0024】
径方向可動部材18は、成形ローラ1を公転軸Rcの回りに等間隔で配置するように、互いに適当な間隔をおいて回転部材22に径方向に移動可能にそれぞれ支持されている。回転部材22は、その後端面(図3において左側)にボルト23によって取付けられた公転駆動部材24とケース25との間に介装されたベアリング26によって回転可能に支持されている。公転駆動部材24には、従動ギヤ27がボルト28によって取付けられている。一方、ケース25には、図1に示すように、公転駆動用モータ29が取付けられており、また、この公転駆動用モータ29の回転軸とカップリング30によって連結された駆動軸31がベアリング32によって支持されている。駆動軸31には、公転駆動部材24の従動ギヤ27と噛合される駆動ギヤ33がボルト34によって取付けられている(図3)。従動ギヤ27と駆動ギヤ33は、その減速比を所望する値に設定することができ、必要な減速比に応じて交換することができる。
【0025】
公転駆動用モータ29を回転駆動すると、カップリング30、駆動軸31、駆動ギヤ33、従動ギヤ27、公転駆動部材24、回転部材22、および径方向可動部材18を介して、成形ローラ1が公転軸Rc回りに公転されることとなる。本発明に係る公転駆動手段2は、この実施の形態ではこのようにして、公転駆動様モータ29,カップリング30,駆動軸31,駆動ギヤ33,従動ギヤ27,公転駆動部材24,回転部材22,径方向可動部材18等により構成されている。
【0026】
回転部材22には、リンク部材37がピン38によってそれぞれ径方向可動部材18と対応するように枢支されている。各リンク部材37は、枢支されるピン38を中心として一方端と他方端とが所定の角度を有するように形成されたものである。リンク部材37の一方端は各径方向可動部材18の後端面(図3において左側)に形成された凹部18aに係合され、また、リンク部材37の他方端は公転軸方向可動部材40の外周面に形成された凹部40aに係合されている。
【0027】
公転軸方向可動部材40内にはドローバ41が成形ローラ1の公転軸Rcと同軸上に配置されており、公転軸方向可動部材40とドローバ41の前端部のフランジとの間にはスラストベアリング42が介装されている。後述するように、ドローバ41はその軸回りに回転することはなく、公転軸方向可動部材40は、スラストベアリング42が介装されていることによって回転部材22と共にドローバ41の軸回りに回転することができ、且つ、ドローバ41の軸方向の移動に従って同様に公転軸Rc方向に移動することができるようになっている。ドローバ41の先端面には、絞り加工されたワークWの端部の最終的な最小径形成部WS(図33〜35を参照)と略同じ径を有するパイプ部材43が着脱可能に取付けられている。
【0028】
この実施の形態の場合、ドローバ41の中間部にはネジ部41aが形成され、また後端部には直線状の長溝41bが前後方向に延びるように形成されている。長溝41bにはケース25に取付けられたピン44の先端が係合されており、これによって、ドローバ41の軸回りの回転が防止されている。ネジ部41aにはボールネジ45が螺合され、ボールネジ支持部材46がケース25との間に介装されたベアリング47により回転可能に支持されている。ボールネジ支持部材46の前端には従動ギヤ46aが形成されており、この従動ギヤ46aには駆動ギヤ48が噛合されている。径方向移動用モータ49の回転軸はカップリング50を介して駆動ギヤ48の駆動軸51と連結されている。径方向移動用モータ49を回転駆動すると、カップリング50、駆動軸51、駆動ギヤ48、ボールネジ支持部材46の従動ギヤ46aを介してボールネジ45がドローバ41の軸回りに回転駆動される。長溝41b内にはケース25に設けられたピン44の先端が摺動可能に係合されており、ボールネジ45が回転駆動されると、ドローバ41は軸回りに回転することなく、その軸方向(図1および3の左右方向)に進退移動することとなる。そして、ドローバ41の軸方向の移動に伴って、公転軸方向可動部材40も軸方向に移動し、凹部40aに他方端が係合されたリンク部材37はそれぞれピン38を中心に回動し、リンク部材37の一方端が凹部18aに係合された各径方向可動部材18は回転部材22の前端面上を径方向に同量移動し、成形ローラ1の公転径を変化させることとなる。本発明に係る公転径変化手段3は、この実施の形態ではこのようにして、径方向移動用モータ49,カップリング50,駆動部材51,駆動ギヤ48,従動ギヤ46aを有するボールネジ支持部材46,ボールネジ45,ドローバ41,公転軸方向可動部材40,リンク部材37,径方向可動部材18等により構成されている。成形ローラ1の公転径を正確に変化させるため、径方向移動用モータ49は、サーボモータ等の数値制御が容易な型のものを採用することが望ましい。
【0029】
上述した公転駆動手段2および公転径変化手段3を備えたケース25は、公転軸Rc方向(図1の左右方向)に延びるガイド55(図1の側面図である図2を参照)によって摺動可能に支持され、またその下方に形成されたブラケット25aにはボールネジ56が担持されている。ボールネジ56は、基台57の前後方向(すなわち、公転軸Rcと平行方向である)に延びるように配置された駆動軸58のネジ部58aに螺合されている。駆動軸58は、カップリング59を介して公転軸方向移動用モータ60に連結されている。公転軸方向移動用モータ60を回転駆動すると、カップリング59を介して駆動軸58がその軸回りに回転駆動され、ネジ部58aに螺合されたボールネジ56が駆動軸58に沿って基台57の前後方向に移動し、ケース25に備えられた公転駆動手段2および公転径変化手段3が公転軸Rc方向に移動し、その結果、この実施の形態においては、成形ローラ1がワークWに対してその公転軸Rc方向に移動することとなる。したがって、本発明に係る公転軸方向移動手段4は、この実施の形態ではこのようにして、公転軸方向移動用モータ60,カップリング59,ネジ部58aを有する駆動軸58,ボールネジ56,ケース25等により構成されている。成形ローラ1を公転軸Rc方向に正確に移動させるため、公転軸方向移動用モータ60は、径方向移動用モータ49と同様に、サーボモータ等の数値制御が容易な型のものを採用することが望ましい。
【0030】
次に、ワーク支持装置5について、主に図2を参照しながら説明する。
この実施の形態におけるワークの固定機構7は、図2に示すように、ワークWの形状に応じて形成された半割り状の固定部材70および半割り状の可動部材71と、この可動部材71を固定部材70に対して近接・遠退移動させるシリンダ72とにより構成されている。固定部材70および可動部材71のワークに接する面70a,71aには、両者70,71を接合した際に螺旋状となるような、成形ローラ1の公転径方向に対して所定の角度で傾斜する複数の溝70b,71bがそれぞれ形成されている(図4)。さらに、固定部材70および可動部材71のワークに接する面70a,71aは、ワークWの軸方向における成形ローラ駆動装置6の側がワークWの大きさとほぼ同じに形成されており、成形ローラ駆動装置6の反対側に向かってわずかに縮径するように、所定の角度θを有するテーパ状に形成されている。固定部材70はフレーム73の一側方に取付けられ、また、可動部材71はフレーム73の上下にわたって設けられた水平移動可能なガイド部材74に取付けられている。ガイド部材74は、フレーム73の他側方に設けられたシリンダ72のピストンロッド72aに連結されている。固定部材70と可動部材71との間にワークWを所定の位置に配置した状態でピストンロッド72aを伸長させるようにシリンダ72を駆動すると、ガイド部材74に取付けられた可動部材71がフレーム73の一側方に取付けられた固定部材70に近づくよう移動し、ワークWは、その所定の位置が固定部材70と可動部材71との間で挟まれて固定支持される。
【0031】
偏芯機構8は、フレーム73を支持する支持台75の下方に設けられたボールネジ76と、このボールネジ76が螺合されるネジ部77aを有する駆動軸77と、駆動軸77をその軸回りに回転駆動する偏芯用モータ78とにより構成されたもので、支持台79上に支持されている。
また、偏角機構9は、絞り加工装置が設置される床面Fおよび成形ローラ1の公転軸Rcに対してそれぞれ直交する軸線回りに回転する回転軸を有し、偏芯機構8の支持台79を回転軸回りに回動可能に支持する偏角用モータ80により構成されている。
そして、補正機構10は、偏角用モータ80を支持する支持台81に設けられたボールネジ82と、このボールネジ82が螺合されるネジ部83aを有する駆動軸83と、駆動軸83をその軸回りに回転駆動する補正用モータ84とにより構成されている。
【0032】
偏角用モータ80上に支持された支持台79の上面には固定機構7のフレーム73を駆動軸77に沿って摺動可能に案内するガイド部材85が駆動軸77と平行に延びるように設けられている。偏芯用モータ78を駆動すると、駆動軸77がその軸回りに回転駆動され、ネジ部77aに螺合されたボールネジ76が駆動軸77に沿ってガイド部材85上を移動し、フレーム73に設けられた固定部材70と可動部材71との間で固定支持されたワークWが公転軸Rcに対して平行に移動し、偏芯することとなる。
【0033】
床面F上には基台86が設けられ、基台86上にはガイド部材87が公転軸Rcに対して略直交する方向に延びるように設けられている。偏角用モータ80を支持する支持台81は、ガイド部材87によって支持されており、ガイド部材87に沿って公転軸Rcに対して略直交する方向に移動することが可能となっている。そして、補正機構10の駆動軸83は、ガイド部材87と平行に配置され、補正用モータ84に連結されている。補正用モータ84を駆動すると、駆動軸83がその軸回りに回転駆動され、ネジ部83aに螺合されたボールネジ82が駆動軸83に沿ってガイド部材87上を移動し、ワークWを固定支持する固定機構7と偏芯機構8とを支持している偏角用モータ80が公転軸Rcに対して略直交する方向に移動されることとなる。
【0034】
次に、本発明の絞り成形装置の別の実施の形態を、図5〜図13に基づいて説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0035】
この実施の形態が上述した実施の形態と異なるのは、図5および図6に示すように、中空の円管形状のワークWの内壁と外壁とにそれぞれ作用する複数の成形ローラ1A,1Bを備えており、また、図6および図8に示すように、ワークWの絞り加工された端部を切断する切断手段100を具備したことにある。
また、この実施の形態においては、成形ローラ駆動装置6の公転軸方向移動手段2とワーク支持装置5の固定機構7とが、上述した実施の形態と異なっている。
【0036】
図5および図6に示すように、径方向可動部材18の前端面に設けられたブラケット17のうちの少なくとも1つ17Bには、ワークの外周壁に作用するように当接される成形ローラ1Aと、この成形ローラ1Aの内側にワークWを挟んで対向するように配置されて内周壁に作用するように当接されるもう一つの成形ローラ(以下、サブローラという)1Bとをそれぞれ支持する支持軸15A,15Bが設けられている。成形ローラ1Aとサブローラ1Bを有するブラケット17Bは、径方向可動部材18の前端面に対してボルト(図示を省略した)により着脱可能に取付けられており、上述した実施の形態における単一の成形ローラ1を有するブラケット17と、必要に応じて交換することができる。成形ローラ1Aの公転径は、単一の成形ローラ1の公転径と同じに設定される。なお、サブローラ1Bの径は、絞り加工を完了したワークWの最小径形成部WS(図33〜35を参照)の内径よりも小さく形成されている。
【0037】
公転径変化手段3のリンク部材37の端部は、図5に示すように、この実施の形態では、各径方向可動部材18の後端面および公転軸方向可動部材40の外周周面に形成されたブラケットに対してそれぞれピン110によって枢着されている。また、この実施の形態では、ドローバ41の中間部に直線状の長溝41bが形成され、後端部にネジ部41aが形成されている。そして、長溝41bにはケース25に取付けられたピン44が係合されてその軸回りの回転が防止されている。さらに、ネジ部41aに螺合されたボールネジは、ドローバ41が成形ローラ1,1A,1Bの公転径を変化させるべく軸方向に所定のストロークで移動するために充分な内部空間を有する回転駆動部材111の先端に内嵌固定されており、回転駆動部材111の後端は、カップリング50を介して径方向移動用モータ49の回転軸と連結されている。径方向移動用モータ49を回転駆動すると、カップリング50および回転駆動部材111を介してボールねじ45がドローバ41の軸回りに直接的に回転駆動され、ドローバ41が軸回りに回転することなくその軸方向に進退移動し、各径方向可動部材18が径方向に同量移動して成形ローラ1,1A,1Bの公転径が変化されることとなる。なお、図示した実施の形態では、ドローバ41の先端面からパイプ部材43が取外されている。
【0038】
図6および図8〜図12に示すように、絞り加工されたワークWの端部を切断する切断手段100は、ワークを切断するカッタ装置101と、成形ローラ1(1Aまたは1Bでもよい)に係合してカッタ装置101を追従移動させる追従移動手段(後述する)と、カッタ装置101を成形ローラ1に対する係合位置P1と退避位置P2(図8を参照)との間で移動させる係合退避手段103とを、具備している(図5および図7においては、切断手段の図示を省略した)。
【0039】
図8に示した場合においては、成形ローラ駆動装置6の側部には、ガイド部材120が所定の角度で傾斜するように設けられており、ガイド部材120には支持ブラケット121が摺動可能に取付けられている。また、成形ローラ駆動装置6の側部下方には、支持ブラケット121を移動させるためのシリンダ122の基端部が枢着されている。シリンダ122のピストンロッド122aが支持ブラケット121に連結されており、シリンダ122のピストンロッド122aを伸張・退縮させるように駆動することにより、図8において実線で示された成形ローラ1に対する係合位置P1と破線で示された退避位置P2との間で支持ブラケット121がガイド部材120に沿って移動することとなり、このようにして係合退避手段103が構成されている。
【0040】
支持ブラケット121にはガイドシリンダ125が一対で設けられており、各ガイドシリンダ125内には公転軸対して平行に摺動する支持ロッド126が挿通されている。図9に示すように、ガイドシリンダ125の後端のフランジ125aと支持ロッド126の後端のフランジ126aとの間には、ガイドシリンダ125に対して支持ロッド126を後方へ弾性的に付勢する圧縮バネ127がそれぞれ介装されている。
【0041】
両支持ロッド126の前端には単一の支持フレーム128が取付けられている。図9に示すように、支持フレーム128の内側には、ワークWに干渉しない大きさの内径を有するリング129がベアリング130によって回転可能に支持されている。カッタ装置101は、リング129の成形ローラ1と対向する面に設けられている。また、支持フレーム128には、リング129の外周面に形成された凹部129aに対してボール131をバネ132の弾性力によって押圧するボールプランジャ機構133が設けられており、このボールプランジャ機構133は、後述するように、成形ローラ1の公転軸Rc回りの回転駆動によるカッタ装置101の公転軸回りの回転を妨げることなく、且つ、成形ローラ1の支持軸15の穴15aに対してカッタ装置101のピンを容易に係合することができるように、リング129に設けられたカッタ装置101を所定の位相で止めるよう係止する。
【0042】
カッタ装置101は、図9〜11に示すように、リング129に固定された支持部材135と、この支持部材135にリング129の内径方向に摺動可能に嵌挿されたスライダ136と、スライダ136に設けられたカッタ刃137と、スライダ136に設けられた成形ローラ1の支持軸15の先端に形成された穴15aと係合可能なピン138と、スライダ136をリング129の外径方向に弾性的に付勢する圧縮バネ139とにより構成されている。図11に示すように、支持部材135は断面が略コ字形に形成されてなるもので、スライダ136と対応して互いに嵌合するように段部135a,136aが形成されている。支持部材135は、背面からボルト140が螺合されることによりリング129に対して固定されている。スライダ136には、そのリング129に対する内径側(図10においては上方)端面から突出するように、円盤状のカッタ刃137がベアリング141を介して回転可能に枢着されている。また、ピン138は、スライダ136の成形ローラ1側の面における、リング129に対する外径側(図10においては下方)に立設されている。そして、スライダ136のリング129に対する外径側の端部には両側方に延びるフランジ136aが形成されており、このフランジ136aと支持部材135に対応するように形成された穴135bとの間に圧縮バネ139が介装されている。
【0043】
このように構成されたことにより、ピン138が成形ローラ1の支持軸15の先端に形成された穴15aと係合されると、カッタ装置101は、支持ロッド126が圧縮バネ127によって後方へ弾性的に付勢されていることにより成形ローラ1の公転軸Rc方向の移動に対応して、また、リング129が回転可能に支持されていることにより成形ローラ1の公転に対応して、さらに、カッタ刃137およびピン138が設けられたスライダ136が支持部材内135内をリング129の内径方向に摺動可能に支持されていることにより成形ローラ1の公転径(すなわち絞り加工後のワークの径でもある)の変化に対応して、追従移動し公転軸Rc回りに駆動されることとなり、このようにして上述した追従移動手段が構成されている。
【0044】
図7および図13に示すように、この実施の形態におけるワーク支持装置5の固定機構7は、フレーム150内に形成され供給される流体圧によってワークWの長手方向の軸Wcに沿ってピストン部151を移動させるシリンダと、ピストン部151のワークWの長手方向の移動によってワークWの径方向に移動される爪状の固定部材153とにより構成されている。各固定部材153は、フレーム150にボルト154により取付けられたリテーナ155によって径方向に移動可能に保持されている。ピストン部151の内側にはカム面151aが設けられており、このカム面151aと対応して各固定部材153にもカム面153aが設けられている。図13に示された実施の形態では、シリンダ152に供給される流体圧によってピストン部151を矢印で示したように左方向に移動させると、各固定部材153がワークWの径方向内側に均等に移動し、ワークWは、その中心と固定部材153の中心とが一致した状態で固定支持される。
【0045】
なお、本発明の絞り加工装置は、上述した実施の形態に限定されることはなく、上述した実施の形態では偏芯および/または偏角するように支持固定された中空円管状のワークWの外壁に成形ローラ1,1Aを押圧することによって、その径を縮小させるように成形する場合により説明したが、例えば、ワークWとして中実円筒状のものに適用することができ、また、中空円管状のワークWの内壁に対して外向きに成形ローラを押圧して、ワークWの径を拡大させるよう成形する場合にも適用することができる。この実施の形態では、ワークWの外壁を押圧するための成形ローラ1,1あるいは1,1Aの2つの場合を図5および図6に示したが、3つ以上の成形ローラを公転軸回りに等間隔に配置することもできる。このことは、上述したワークの内壁を外側に向かって押圧するための成形ローラについても同様である。
【0046】
また、上述した実施の形態では、ワークWの長手方向の軸Wcと成形ローラ1の公転軸Rcとを相対的に偏位させるように配置するために、ワークWをワーク支持装置5によって偏位させた状態で固定支持する場合によって説明したが、ワーク支持装置5によって固定支持されたワークWに対して、成形ローラ駆動装置6の公転軸Rcを偏位させるように構成することもできる。そして、偏芯機構8は、公転軸Rcに対して水平方向に移動させるものに限定されず、垂直方向に移動させるものであってもよい。
【0047】
さらにまた、本発明における公転軸方向移動手段4は、成形ローラ駆動装置6に含まれることなく、成形ローラ1とワークWとを成形ローラ1の公転軸Rc方向に相対的に移動させることができるのもであれば、図14および図15に示すように、ワーク支持装置5が成形ローラ1の公転軸Rcに沿って移動するように、公転軸方向移動手段4をワーク支持装置5に設けた構成としてもよい。すなわち、図14および図15に示した実施の形態では、ワーク支持装置5は、公転軸Rc方向(図14の左右方向)に延びるガイド55によって摺動可能に支持され、また、その下方に形成されたブラケット5aにはボールネジ56が担持されている。ボールネジ56は、基台57の前後方向(すなわち、公転軸Rcと平行方向である)に延びるように配置された駆動軸58のネジ部58aに螺合されている。駆動軸58は、公転軸方向移動用モータ60に連結されている。公転軸方向移動用モータ60を回転駆動すると、駆動軸58がその軸回りに回転駆動され、ネジ部58aに螺合されたボールネジ56が駆動軸58に沿って基台57の前後方向に移動し、ワーク支持装置5に固定支持されたワークが公転軸Rc方向に移動することとなる。このような構成とすることにより、公転軸方向移動手段4の構造を小型化および簡略化させることができる。なお、図14および図15には、ワーク支持装置5が、ワークWを固定支持する固定機構7と、ワークWを成形ローラ1の公転軸Rcに対して平行移動させて偏芯移動配置する偏芯機構8とを含み、偏角機構9および補正機構10を含まない場合が示されている。しかしながら、図示は省略するが、この実施の形態においても、上述した実施の形態と同様に、ワーク支持装置5に偏角機構9および補正機構10を含めることができる。
【0048】
さらに、上述した実施の形態においては、公転駆動手段2が、モータ29の駆動力をギヤ33,27を介して、公転駆動部材24,回転部材22および径方向可動部材18を回転させることによって成形ローラ1を公転軸Rc回りに公転させるものである場合によって説明した。しかしながら、本発明の公転駆動手段2は、支持されたワークWの外形に沿って成形ローラ1を相対的に公転させることができるものであればよく、図15に示すように、駆動軸31と公転駆動部材24または回転部材22とにプーリ150,151をそれぞれ設けて両プーリ150,151の間に例えばVベルト152を巻き掛け、あるいは、図示は省略するが、駆動軸31と公転駆動部材24または回転部材22とにスプロケットをそれぞれ設けて両スプロケット間にチェーンを巻き掛ける等、巻掛け伝動装置を用いることもできる。この場合にあっては、公転駆動手段2の構造が簡略化される。
【0049】
また、ワークWを偏芯あるいは偏角することなくテーパ状に形成する場合(図33を参照)には、図16に示すように、公転駆動手段2は、ワーク支持装置5に成形ローラ1の公転方向に対して相対的に反対方向へワークを回転させる回転支持機構11を設けたものとすることもできる。図16に示された回転支持機構11では、ワークWを固定支持する固定機構7がフレーム155に対してワークWの軸回りに回転可能に設けられており、この固定機構7と固定機構7を回転駆動するモータ156の回転軸とにそれぞれプーリ157,158を設けて両プーリ157,158の間に例えばVベルト159を巻き掛ける等の巻掛け伝動装置が用いられている。しかしながら、回転支持機構11は、成形ローラ1に対してワークを相対的に反対方向に回転させることができるものであれば、図16に示した実施の形態に限定されることはなく、他の形式のものを用いることもできる。この場合にあっては、ワークWに対する成形ローラ1の相対回転速度が向上されるため、成形ローラの公転径方向の移動速度を向上させることができるので、絞り加工に要する加工時間が短縮される。
【0050】
また、本発明における成形ローラ1は、上述した実施の形態のように単一の加工部が形成されたものの外、図17〜図19に示すように、公転軸Rc方向に複数の加工部200が配置されたものを用いることもできる。図17〜図19に示した実施の形態の場合、加工部200は、成形ローラ1の両端に形成されている。両加工部200,200の間隔は、ワークWのテーパ形成部WTの開始位置SからワークWの先端までの距離をLとすると、この距離Lの半分(L/2)に設定されている。さらに、加工部200,200は、ワークWのテーパ形成部WTの公転軸Rcに対する角度に応じて、例えば、ワークの先端側に位置する加工部200の径を、テーパ形成部WTの開始位置S側に位置する加工部200の径よりも大きく設定することもできる。
【0051】
この場合にあっては、ワークWのテーパ形成部WTの開始位置Sに後方側(図17〜19における右方側)の加工部200が当接するように、公転径方向に成形ローラ1を移動させる(図17)。その後、成形ローラ1を公転径方向にさらに所定量移動させると共に、前方側(図17〜19における左方側)の加工部200がワークWの先端に達するまで公転軸方向に移動させる(図18の矢印を参照)。単一の加工部が形成された場合には、ワークWのテーパ形成部WTの開始位置SからワークWの先端までの距離Lを成形ローラ1を移動させる必要があるが、図17〜図19に示したように成形ローラの両端に加工部200,200を形成した場合には、成形ローラ1の移動量は、ワークWのテーパ形成部WTの開始位置SからワークWの先端までの距離Lの半分(L/2)で済むこととなる。次いで、例えば公転軸Rc方向のみに、成形ローラ1を後方に向かってワークWのテーパ形成部WTの開始位置Sよりもわずかに前方の位置S’まで移動させる。このワークWの先端から上述した位置S’まで成形ローラ1を移動させる際の距離も、単一の加工部が形成された場合の半分で済むこととなる。成形ローラ1の公転径方向および公転軸方向前方の移動、および、成形ローラ1の前回の工程よりもわずかに前方までの公転軸方向後方への移動は、ワークWに所定のテーパ形成部WTおよび最小径形成部WS(図33〜図35を参照)が形成されるまで繰り返される。
【0052】
一方、本発明の絞り加工装置は、成形ローラ1の公転と同時にその公転軸Rc方向に成形ローラ1とワークWとを相対的に移動させない場合には、ワークWにテーパ形成部位WTを形成するような絞り加工は行われず、成形ローラが当接される部位のみの径を変化させるような絞り加工を行うこともできる。
【0053】
このように、本発明の各手段および機構は、特許請求の範囲内において様々なタイプのものを採用し変更することができる。
【0054】
次に、本発明の、以上のように構成された絞り加工装置による絞り加工方法を説明する。
本発明の絞り加工装置による絞り加工方法は、概略、ワークWに沿って成形ローラ1(1A,1B)を相対的に公転させつつ、成形ローラ1の公転Rcの径を変化させることによりワークWを絞り加工する絞り加工方法であって、支持されたワークWに対して成形ローラ1を公転させ、またこれと同時に、その公転軸Rc方向に成形ローラ1とワークWとを相対的に移動させるものである。
【0055】
ワークWを図33に示したように、テーパ形成部WTおよび最小径形成部WSを有する形状に絞り加工を行う場合、この絞り加工を開始するまでは、ワーク支持装置5の固定機構7に固定されたワークWの長手方向の軸Wcが成形ローラ1の公転軸Rcの延長線上に位置するように、ワーク支持装置5の偏芯機構8、偏角機構9、および補正機構10は、ワークWの長手方向の軸Wcが制御されている。
【0056】
絞り加工を開始するときは、最初に、公転軸方向移動用モータ60を駆動して成形ローラ1をワークWの絞り加工開始位置まで前進させ、その後、径方向移動用モータ49を駆動して、成形ローラ1をワークの外周面に当接させる。そして、公転駆動用モータ29を回転駆動して成形ローラ1をワークWの形状に沿って公転させる。
【0057】
ワークWを図34に示したように、最小径形成部WSにおける長手方向の軸WcsがワークWの非加工部における長手方向の軸Wcに対して平行に移動し、これに対応するようにテーパ形成部WTが非対称となるような形状に偏芯絞り加工を行う場合には、成形ローラ1を公転させた状態で、径方向移動用モータ49を駆動して成形ローラ1の公転径を縮小させ、公転軸方向移動用モータ60を駆動して成形ローラ1を公転軸Rcに沿ってワークWの端部に向かって移動させ、これと同時に、偏芯機構8の偏芯用モータ78を駆動してワークWの長手方向の軸Wcを成形ローラ1の公転軸Rcに対して平行移動させる。すると、図20に示すように、加工当初においてはワーWクの長手方向の軸Wc0が成形ローラ1の公転軸Rcと一致しているが、ワークWの端部に向かうにしたがって成形ローラ1の公転径D1〜D10が徐々に縮小すると共に、成形ローラ1の公転軸Rcに対してワークWの長手方向の軸Wc1〜Wc10が移動し、ワークWは偏芯絞り加工が行われて図34に示したような形状に形成されることとなる。これらの成形ローラ1の公転、公転径の変化、公転軸方向の移動、および公転軸Rcに対するワークWの長手方向の軸Wc1〜Wc10の移動(偏芯)は、ワークWの種類や材質、形状等の諸元によって、一度の公転軸方向の移動で所望する形状にワークWを成形するように公転径を変化させると共に偏芯させることができ、また、一度の公転軸方向の移動で僅かづつ段階的に公転径を変化させると共に偏芯させることを繰り返して最終的に所望する形状にワークWを成形することもできる。
【0058】
本発明では、長手方向の軸Wcが成形ローラ1の公転軸Rcに対して偏角した状態で支持されたワークWに対して成形ローラ1を公転させるよう構成しているため、図36に示したように、成形ローラ1cに対して偏角した状態で支持されたワークWを回転させるよう構成した場合と比較して、歪んだ形状となることがなく、また、余分な長さLを必要とすることがないため、体裁の良い製品を廉価なコストで無駄なく生産することができる。
【0059】
次に、ワークWを図35に示したように、最小径形成部WSおよびテーパ形成部における長手方向の軸WcsがワークWの非加工部における長手方向の軸Wcに対して所定の角度を有すると共に、テーパ形成部WTが非対称となるような形状に偏芯・偏角絞り加工を行う場合について、図21〜25に基づいて説明する。絞り加工装置には、上述したように成形ローラ1Aおよびサブローラ1Bを備えている。最初に、上述した偏芯加工の場合と同様に、ワーク支持装置5の固定機構7に固定されたワークWの長手方向の軸Wcは、成形ローラ1の公転軸Rcの延長線上に位置するように、ワーク支持装置5の偏芯機構8、偏角機構9、および補正機構10が制御されており、成形ローラ1Aとサブローラ1Bとの間にワークの端部と整合するように径方向移動用モータ49が駆動制御されている。そして、公転軸方向移動用モータ60を駆動して成形ローラ1Aとサブローラ1Bとの間にワークWを挟み込んで偏角成形開始位置まで前進移動させる。
【0060】
続いて、図21に示すように、偏角機構9の偏角用モータ80を駆動して、ワークWの長手方向の軸Wcを成形ローラ1の公転軸Rcに対して所定の角度を形成する。そして、公転駆動用モータ29の回転駆動により成形ローラ1,1Aおよびサブローラ1Bを公転させつつ、図22に示すように、公転軸方向移動用モータ60の駆動により公転軸Rc方向に後退移動させると、ワークWは、偏角成形されることとなる。ワークWの諸元等による事情から、成形ローラ1,1Aおよびサブローラ1Bの一度の公転軸Rc方向の後退移動で所望する形状にワークWを偏角成形できない場合には、成形ローラ1,1Aおよびサブローラ1Bを後退移動させた後に、図23および図25に示すように、再び偏角成形開始位置まで公転軸Rc方向に前進移動させて、ワークWの長手方向の軸Wcの成形ローラ1の公転軸Rcに対する角度をさらに僅かに増加させ(図21,図23,図25の偏角角度を比較して参照されたい)、図24に示すように、成形ローラ1,1Aおよびサブローラ1Bの公転軸Rc方向の後退移動を繰り返し行う。すなわち、成形ローラ1,1Aおよびサブローラ1Bの公転を伴う後退移動、偏角成形開始位置への前進移動、および僅かづつの段階的な偏角を繰り返して最終的に所望する形状にワークWを偏角成形する。
【0061】
図25に示した状態から成形ローラ1,1Aおよびサブローラ1Bが公転を伴って後退移動してワークWを偏角成形が完了した後、ワークWの偏角加工された部位Wdの長手方向の軸Wdcを成形ローラ1の公転軸Rcの延長線上に位置するように保持した状態から、上述した偏芯絞り加工と同様に、成形ローラ1を公転させながら径方向移動用モータ49の駆動による成形ローラ1の公転径の縮小と、公転軸方向移動用モータ60の駆動による成形ローラ1のワークWの端部に向う後退移動と共に、偏芯機構8の偏芯用モータ78を駆動してワークWの偏角加工された部位Wdの長手方向の軸Wdc(図25)を成形ローラ1の公転軸Rcに対して偏芯させるように平行移動させて偏芯絞り加工を行う。
【0062】
このとき、偏角成形されていない部位を固定支持した固定機構7を偏芯機構8によって偏芯させると、その偏芯量によって公転軸RcとワークWのの長手方向の軸Wcとの延長線上の公転位置がずれて移動することとなる。しかしながら、本発明では、この公転位置の移動を補正機構10の補正様モータ84を駆動することによって補正するため、公転軸RcとワークWの長手方向の軸Wcとの延長線の交点を一定の位置に常に一致させた状態で安定して絞り加工を行うことができる。また、成形形状によっては固定機構7をそのままとして、補正機構10のモータ84を駆動させることで偏芯成形が可能となる。
【0063】
なお、図35に示したようにワークWに偏芯・偏角絞り加工を行うために、この実施の形態においては、偏角加工と、偏芯絞り加工とを別の工程として行う場合によって説明したが、本発明の絞り加工はこれに限定されることなく、例えば、一度の公転軸方向の移動で僅かづつ段階的に偏角させると共に公転径を変化させながら偏芯させることを繰り返す、すなわち、偏芯と偏角を同時に段階的に繰り返し行うようにすることもできる。
【0064】
以上のようにして絞り加工されたワークWは、その端部が成形ローラ1(1A,1B)の公転軸Rcに沿って伸びる。そこで、図12に示すように、公転軸方向移動用モータ60の駆動により、ワークWと成形ローラ1との間に切断手段100の支持フレーム128に支持されたリング129のピン138を位置させることができるようにケース25を充分後退させ、その後、図8に示したように、支持フレーム128が鎖線で示された退避位置P2から実線で示された係合位置P1へと移動するようにシリンダ122を退縮させ、次いで、再び公転軸方向移動用モータ60の駆動によってケース25を前進させる。このとき、成形ローラ1を支持する支持軸15の回転方向の位相は、ボールプランジャ機構133によって所定の位相に係止されたリング129に設けられたカッタ装置101のピン128と整合するように制御されている。そのため、図9に示したように、カッタ装置101のピン138に成形ローラ1を支持する支持軸15の先端に形成された穴15aが係合することとなる。そして、公転軸方向移動用モータ60の駆動によってケース25をさらに前進させて、絞り加工されたことによって伸びたワークWの端部の設定された所定の位置に当接し得るようにカッタ刃137を配置する。このとき、支持ロッド126は、圧縮バネ127の付勢力に抗して、公転軸方向移動用モータ60の駆動による成形ローラ1の公転軸方向の前進移動に追従して前進するように、ガイドシリンダ125内を摺動する。
【0065】
続いて、径方向移動用モータ49の駆動によって支持軸15に係合されたピン138を径方向内側に移動させると、これに追従するようにスライダ136が圧縮バネ139に抗して支持部材135内を移動し、カッタ刃137がワークWに対して押し付けられることとなる。この状態で、公転駆動用モータ29を駆動すると、カッタ装置101が設けられたリング129はボールプランジャ機構133による係合を解除されて支持フレーム128およびワークWに対して回転し、ワークWの端部は設定通りの大きさに切断される。
【0066】
次に、上述した各手段2,3,4等および各機構7,8,9,10等を制御するための、本発明の絞り加工装置が具備する制御手段(図示は省略した)およびその制御方法について説明する。
【0067】
ワークWは、材質による固さや伸び等の特質および厚さ等の諸元、あるいは加工形状等によって、成形ローラ1等の公転速度、切り込み速度(径方向の移動速度)、加工速度(公転軸方向の移動速度)等、加工仕様が決定される。これらの決定された加工仕様を無視して絞り加工を行った場合には、ワークWに破断等の各種不具合が発生することとなる。そのため、上述したように、一度の成形ローラ1等の公転軸Rc方向の移動の間に、一挙にワークWを所望する形状に絞り加工することができず、したがって、公転駆動用モータ29により成形ローラ1等を公転させつつ、一度の成形ローラ1等の公転軸Rc方向の移動の間に、成形ローラ1等の公転径を僅かづつ段階的に変化させ、また、これに加えて、成形ローラ1等の公転軸Rc方向の移動毎に偏芯量と偏角角度のいずれか一方または両方を徐々に増加させることを繰り返し行うことが必要となる場合がある。
【0068】
図26および図27は、公転駆動用モータ29により公転される成形ローラ1等の移動軌跡の例をそれぞれ示したものである。ここで、成形ローラ1等の移動軌跡を加工経路という。図26では、最初に、成形ローラ1等を、ワークWの絞り加工開始位置(A21)まで前進させ、径方向内側に所定量移動させて(A32)ワークWの径をわずかに縮小させるように所定量(A33)押圧し、この状態で公転軸方向に移動させ(A26)、径方向外側に移動させ(A32)、ワークWのテーパ形成開始位置(A22)まで前進させ、ワークWに当接するまで径方向内側に移動させ(A33)、その後、公転軸方向への移動(I21)と径方向内側への移動(I31)とによる押圧および偏芯(I41)と、公転軸方向への移動(I22)と、径方向外側への移動(I32)と、公転軸Rc方向の前進(I23)と、径方向内側への移動(I33)と、を繰り返し行う場合を示している。また、図27では、テーパ部加工開始位置(A22,A33)までは図26と同じで、テーパ加工開始位置(A22,A33)からは、ワークWの径をわずかに縮小させるように押圧しつつ(I31)公転軸Rc方向に移動させることによる最終的なテーパ形成部WTの傾斜角度よりも緩やかなテーパ形状の形成(I24)と、僅かな径方向外側への移動(I32)と、公転軸Rc方向のワークに対する押圧を伴う前進(I23)と、径方向内側への移動(I33)および偏芯(I41)と、を順に繰り返し行うことにより、ワークWに所望する傾斜角度の最終的なテーパ形状を成形する場合を示している。さらに、図26および図27では共に、最終先端形状加工として公転方向の移動(A23)と、偏芯量(A41)と径方向移動(A34)と公転軸方向移動(A25)を行う。
【0069】
本発明の絞り加工装置が具備している制御手段は、概略、ワークWの形状および/または加工仕様を入力する入力手段160と、入力されたワークWの形状および/または加工仕様から加工経路および/または加工速度を演算し記憶する演算手段(図示は省略した)と、を有している。
【0070】
また、本発明の絞り加工装置が行う制御方法は、概略、ワークWの形状および/または加工仕様に応じて加工経路および/または加工速度を決定するもので、入力されたワークWの形状および/または加工仕様から自動的に演算することにより、この加工経路および/または加工速度を決定する。
【0071】
入力手段160は、例えば、図28に示すように表示されたグラフィックパネルにより構成されている。グラフィックパネル160には、成形ローラ1等の公転軸回りの単位時間あたりの回転数N(rpm) 、テーパ形成部WT、非絞り加工部とテーパ形成開始位置との間の段部、および最小径形成部WSにおける各々の成形ローラ1の加工速度(1公転あたりの公転軸方向の移動量)V1,V2,V3(mm/rev)、ワークWの非絞り加工部の直径D(mm)、最小径形成部の直径D1(mm)、およびワークWの非絞り加工部の中心に対する最小径形成部WYの中心の偏芯量D2(mm)、ワークWの非絞り加工部とテーパ形成開始位置との間の段部における切込量(径方向移動量)P1(mm)、およびテーパ形成部WTにおいて成形ローラの1回の公転軸Rc方向の移動あたりの成形ローラ1等の切込量P2(mm)、成形ローラ1等の1回の公転軸Rc方向の移動あたりの成形ローラ1等の径方向外側への戻し移動量P3(mm)、ワークWの先端から非絞り加工部までの長手方向の距離L1(mm)、ワークWの絞り加工による伸び量L2(mm)、ワークWの非絞り加工部とテーパ形成開始位置との間の段部における長手方向の距離L11(mm)、ワークWのテーパ形成部WTにおける長手方向の距離L12(mm)等、を入力するための入力項目が設けられている。
【0072】
一方、図示しない演算手段には、成形ローラ1等の公転軸回りの単位時間あたりの最大回転数NMAX(rpm)、成形ローラ1等の最大公転軸方向移動速度VMAX(mm/ 分) 、成形ローラ1等の1回の公転軸方向の移動あたりの最大切込量(径方向移動量)PMAX(mm) 、成形ローラ1等の径方向最大移動値DMAX(mm) 、および成形ローラ1等の公転軸Rc方向の最大移動距離LMAX(mm) が予め設定され、記憶されている。
【0073】
制御手段では、以上の記憶および入力されたデータに基づいて以下のような処理を行う。すなわち、図29に示すように、処理を開始(S1)するときには、ワークWの寸法や加工仕様を入力し(S2)、入力されたデータに誤りがないか整合性を確認する(S3)。
【0074】
入力されたデータの整合性の確認(S3)は、例えば、図30に示すように、成形ローラ1等の設定最大回転数(NMAX )よりも入力回転数(N)が小さいか(S301 )、最大公転軸方向移動速度(VMAX )よりも入力されたテーパ形成部WTにおける公転軸方向移動速度(N*V1)が小さいか(S302 )、最大公転軸方向移動速度(VMAX )よりも入力された段部における公転軸方向移動速度(N*V2)が小さいか(S303 )、最大公転軸方向移動速度(VMAX )よりも入力された最小径形成部WSにおける公転軸方向移動速度(N*V3)が小さいか(S304 )、成形ローラ1等の径方向最大移動値(DMAX )よりも入力されたワークWの非絞り加工部の半径(D/2)が小さいか(S305 )、ワークの非絞り加工部の直径(D)よりも入力された最小径形成部WSの直径(D1)が小さいか(S306 )、ワークWの非絞り加工部の直径(D)よりも最小径形成部WSの直径(D1)と段部における切込量の直径(2*P1)との和が小さいか(S307 )、ワークWの非絞り加工部の半径(D/2)よりも最小径形成部WSの半径(D1/2)と最小径形成部WSの偏芯量(D2)との和が小さいか(S308 )、成形ローラ1等の公転軸方向の最大移動距離LMAX よりもワークWの先端から非絞り加工部までの長手方向の距離(L1)とワークWの伸び量(L2)との和が小さいか(S309 )、ワークWの先端から非絞り加工部までの長手方向の距離(L1)よりも段部の長手方向の距離(L11)とテーパ形成部WTの長手方向の距離(L12)との和が小さいか(S310 )、成形ローラ1等の1回の公転軸方向の移動あたりの最大切込量PMAX よりも段部の切込量(P1)が小さいか(S311 )、最大切込量PMAX よりもテーパ形成部WTの切込量(P2)が小さいか(S312 )等が挙げられる。これらの入力されたデータの整合性の確認のための演算処理(S301 〜S312 )は順次行われ、それぞれ、整合する場合には次の整合性の確認のための演算処理を行い、最終的にすべて整合性があると判断された場合には次の各座標データの演算(S4)を行う。なお、データの整合性の確認のための各演算処理(S301 〜S312 )のなかで、整合性がないと判断された場合には、後述するアラーム出力(S)を即座に行う。
【0075】
入力されたデータの整合性が確認されると、その入力されたデータから絞り加工装置を制御することができるような形態で出力すべく、入力データを演算する。この実施の形態では、ワークWを所望する形状に偏芯絞り加工するために、絞り加工装置の各手段2,3,4等、および各機構7,8,9,10等のサーボ制御は、成形ローラ1等の移動座標によって指示することが要求される。そこで、この実施の形態では、入力データの整合性の確認(S3)の後には、各座標データの演算を行う(S4)。この演算は、例えば、図29に示したように加工経路を設定する場合には、図31に示すように、テーパ形成部WTにおける公転軸方向移動速度Va(mm/ 秒)=N*V1(S401 )、段部における公転軸方向移動速度Vb(mm/ 秒)=N*V2(S402 )、最小径形成部WSにおける公転軸方向移動速度Vc(mm/ 秒)=N*V3(S403 )、ワークWの非絞り加工部と段部との境界部の長手方向の座標A21((mm)=成形ローラ1等の公転軸方向の最大移動距離LMAX (S404 )、ワークWの段部とテーパ形成部WTの境界部の長手方向の座標A22(mm)=LMAX −段部の長手方向の距離L11(S405 )、ワークWのテーパ形成部WTと最小径形成部WSとの境界部の長手方向の座標A23(mm)=LMAX −ワークWの先端から非絞り加工部までの長手方向の距離L1+ワークの伸びL12(S406 )、最終必要端面(切断位置)の長手方向の座標A24(mm)=LMAX −ワークWの先端から非絞り加工部までの長手方向の距離L1(S407 )、ワークWの絞り加工完了後の伸びの長手方向の推定座標A25(mm)=LMAX −ワークWの先端から非絞り加工部までの長手方向の距離L1+ワークWの伸び量L2(S408 )、成形ローラ1等の成形開始位置までの径方向の座標A31(mm)=成形ローラ1等の径方向最大移動値DMAX −ワークWの非絞り加工部の半径D/2−J(バックラッシによるガタ等を見込んだ定数で、例えば2(mm)程度に設定される)(S409 )、成形開始位置におけるワークWの非絞り加工部の径方向の座標A32(mm)=成形ローラ1等の径方向最大移動値DMAX −ワークWの非絞り加工部の半径D/2(S410 )、成形開始位置におけるワークWの段部の径方向の座標A33(mm)=ワークWの非絞り加工部の径方向の座標A32+1回あたりの切り込み量P1(S411 )、ワークWの最小径形成部WSの径方向の座標A34(mm)=成形ローラ1等の径方向最大移動値DMAX −最小径形成部WSの半径D1/2(S412 )、最小径形成部WSの偏芯の径方向の座標A41(mm)=偏芯量D2(S413 )、テーパ形成部WTにおける傾斜比率tan(L)=テーパ形成部の長手方向の長さ(L1−L11−L12)/テーパ形成部WTの径方向の長さ((D−D1)/2−P1(S414 )、テーパ形成部WTにおける偏芯量の比率tan(D2)=D2/((D−D1)/2−P1)(S415 )、その回のテーパの形成を開始する径方向の座標I31(mm)=P2(S416 )、その回のテーパの形成を開始する長手方向の座標I21(mm)=I31*tan(L)(S417 )、その回のテーパを開始する偏芯座標I41(mm)=I31*tan(D2)(S418 )、テーパ形成部WTの長手方向の伸びの比率tan(L2)=L2/((D−D1)/2−P1)(S419 )、伸びによるワークWの先端の予測座標i(A25)(mm)=I31*tan(L2)(S420 )、等の計算が行われる。
【0076】
その後、テーパ形成部WTを形成するために毎回座標が変化する可変座標データの初期値をセットする(S5)。このセットは、例えば、1回あたりの径方向の戻り座標I32(mm)=−P3(S501 )、1度のテーパ形成を完了してから後退移動される成形ローラ1等の長手方向の座標I22(mm)=A24−A22−i(A25)+I21(S502 )、次のテーパ形成のために前進移動される成形ローラ1等の長手方向の座標I23(mm)=−I22(S503 )、次の回のテーパ形成を開始する長手方向の座標I24(mm)=I22−I21(S504 )、テーパ形成部を形成するために必要な回数m=テーパ形成部の径方向の距離(A34−A33)/1回あたりの切り込み量I31(S505 )、テーパを形成した回数n=0(当初回数)(S506 )等を演算設定することにより行われる。
【0077】
これらの演算およびセットされたデータは、絞り加工装置の各手段および各機構のサーボプログラムに転送され(S6)、サーボプログラムの実行(S7)により偏芯絞り加工が開始されて、テーパ形成部WTの形成に必要な可変座標データを更新するための演算を行う(S8)。この演算は、例えば、図32に示すように、次の回において後退移動される成形ローラ1等の長手方向の座標I22(mm)=前回の後退移動された成形ローラ1等の長手方向の座標I22−i(A25)+I21(S801 )、次の回において前進移動される成形ローラ1等の長手方向の座標I23(mm)=−I22(S802 )、次の回のテーパ形成を開始する長手方向の座標I24(mm)=I22−I21(S803 )、次のテーパを形成する回数n=前回の回数n+1等(S804 )が行われる。なお、上述したように演算およびセットされたデータは、図26に示した加工経路および図27に示した加工経路のいずれにも必要に応じて適用することができる。
【0078】
続いて、加工終了であるか、すなわちm=nであるかを判断することにより(S9)加工回数をチェックし、加工終了である場合(S9においてYESの場合)には、ワークWの所定の位置を切断することによりその最終必要端面が所定の座標となるように加工し(S10)、そのワークWに対する偏芯絞り加工を停止する(S11)。
【0079】
一方、上述したように、データの整合性を確認するための各演算処理(S301 〜S312 )において、整合性がないと判断された場合(S3においてNOの場合)には、入力されたデータに異状があることを報知するためのアラームを出力する(S12)。
【0080】
このように、本発明では、ワークの加工形状や加工仕様を入力することにより、自動的に加工経路や加工速度を演算して絞り加工装置が要求する形態で出力するので手作業の省力化を図ることができ、また、これらの演算を行うに先立って入力されたデータの整合性をチェックするので無駄な演算を未然に防ぐことができる。
【0081】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ワークの長手方向の軸と成形ローラの公転軸とを相対的に偏位させるように配置した状態で、支持されたワークに対して成形ローラを相対的に公転させることにより、ワークに複雑な非対称形状の加工部を効率よく形成することができ、しかも、ワークと接する面に成形ローラの公転径方向に対して傾斜するように形成された複数の溝を有する固定機構によってワークを固定保持するために、ワークに対して摩擦抵抗を発生させて支持固定するための接触面の面積が大きくなることから、ワークを支持固定する能力を向上させることができる絞り加工方法が提供される。
【0082】
請求項2の発明によれば、ワークの長手方向の軸と成形ローラの公転軸とを相対的に偏位させるように配置した状態で、支持されたワークに対して成形ローラを相対的に公転させることにより、ワークに複雑な非対称形状の加工部を効率よく形成することができ、しかも、カッタ装置を成形ローラに追従移動させることによりワークの絞り加工された端部を所望の長さに切断するため、絞り加工されることによって長さが変わったワークの端部所定位置を切断してワークを所望の長さに成形することができるので、ワークを効率よく所望する形状に形成することができる絞り加工方法が提供される。
【0083】
請求項3の発明によれば、支持されたワークに沿って成形ローラを相対的に公転させる公転駆動手段と、成形ローラの公転径を変化させる公転径変化手段と、ワークの長手方向の軸と成形ローラの公転軸とを相対的に偏位させるように配置する偏位配置手段と、を具備しており、ワークを固定支持する固定機構のワークと接する面に、成形ローラの公転径方向に対して傾斜するように複数の溝を形成したことにより、ワークに複雑な非対称形状の加工部を形成する際に成形ローラの公転径方向と平行に溝を形成した場合と比較して、ワークに対して摩擦抵抗を発生させて支持固定するための接触面の面積を大きくすることができ、したがって、ワークを支持固定する能力を向上させることができる絞り加工装置が提供される。
【0084】
請求項4の発明によれば、支持されたワークに沿って成形ローラを相対的に公転させる公転駆動手段と、成形ローラの公転径を変化させる公転径変化手段と、ワークの長手方向の軸と成形ローラの公転軸とを相対的に偏位させるように配置する偏位配置手段と、ワークの絞り加工された端部を切断する切断手段と、を具備しており、前記切断手段は、ワークを切断するカッタ装置と、成形ローラに係合してカッタ装置を追従移動させる追従移動手段と、カッタ装置を成形ローラに対する係合位置と退避位置との間で移動させる係合退避手段と、を具備したことにより、ワークの長さは絞り加工されることによって変わったワークの端部所定位置を切断手段によって切断して所望の長さに成形することができる絞り加工装置が提供される。そして、成形ローラによってワークに複雑な非対称形状の加工部を形成するための絞り加工を行っているときは、係合退避手段によってカッタ装置を成形ローラに対する係合位置から離れた退避位置に退避させ、絞り加工が完了すると、カッタ装置を係合退避手段によって成形ローラに対する係合位置に移動させて成形ローラに係合させることができ、しかも、係合された成形ローラの公転に追従移動するようにカッタ装置を追従移動手段によって駆動させてワークの端部所定位置を切断することができる絞り加工装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る絞り加工装置の実施の一形態を示す正面断面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】本発明に係る絞り加工装置の要部断面図である。
【図4】ワークと接する面に、成形ローラの公転径方向に対して所定の角度で傾斜するように複数の溝がそれぞれ形成された、ワークの固定機構の固定部材および可動部材を示す正面図である。
【図5】本発明に係る絞り加工装置の実施の別の形態を示す正面断面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】図5の側面図である。
【図8】カッタ装置を成形ローラに対する係合位置と退避位置との間で移動させるための係合退避手段の説明図である。
【図9】カッタ装置と、成形ローラに係合してカッタ装置を追従移動させる追従移動手段とを示す平断面図である。
【図10】カッタ装置の一部断面正面図である。
【図11】カッタ装置の平断面図である。
【図12】ケースを充分後退させてワークと成形ローラとの間に切断手段の支持フレームに支持されたリングのピンを位置させた状態を示す平面図である。
【図13】図7に示したワーク支持装置の固定機構の詳細を示す断面図である。
【図14】本発明の別の公転軸方向移動手段が設けられた絞り加工装置の実施の形態を示す正面断面図である。
【図15】図14に示された絞り加工装置において、さらに公転駆動手段が別の実施の形態である場合を示す正面断面図である。
【図16】ワークを偏芯あるいは偏角することなくテーパ状に形成する場合において、公転駆動手段が、ワーク支持装置に成形ローラの公転方向に対して相対的に反対方向へワークを回転させる回転支持機構を設けたものである場合の絞り加工装置の実施の形態を示す正面断面図である。
【図17】公転軸方向に複数の加工部が配置された成形ローラをワークに当接した状態を示す説明図である。
【図18】図17の状態から、成形ローラを公転径方向に移動させると共に公転軸方向へ前方側の加工部がワークの先端に達するまで移動させた状態を示す説明図である。
【図19】成形ローラを公転軸方向のみに後方に向かってワークのテーパ形成部の開始位置よりもわずかに前方の位置まで移動させた場合の状態を示す説明図である。
【図20】成形ローラの公転径の縮小と同時に、偏芯機構によってワークの長手方向の軸を成形ローラの公転軸に対して平行移動させて、ワークを偏芯絞り加工する状態を示す説明図である。
【図21】偏角機構によりワークの長手方向の軸を成形ローラの公転軸に対して所定の角度を形成するよう偏角させた状態を示す平面図である。
【図22】成形ローラおよびサブローラを公転させながらワークの端部に向かって公転軸方向に移動させた状態を示す平面図である。
【図23】図22に示した状態から、偏角開始位置に成形ローラを前進させて図21の偏角角度よりもさらに偏角させた状態を示す平面図である。
【図24】図23に示した状態から、再び成形ローラおよびサブローラを公転させながらワークの端部に向かって公転軸方向に移動させた状態を示す平面図である。
【図25】図24に示した状態から、偏角開始位置に成形ローラを前進させて図23の偏角角度よりもさらに偏角させた状態を示す平面図である。
【図26】成形ローラの加工経路の実施の一形態を示す説明図である。
【図27】成形ローラの加工経路の実施の別の形態を示す説明図である。
【図28】グラフィックパネルにより構成された入力手段の実施の一形態を示す説明図である。
【図29】制御手段が行う処理内容を示すフローチャートである。
【図30】図29に示した入力データの整合性を確認する内容の具体的な実施の一形態を示すフローチャートである。
【図31】図29に示した座標データ演算および可変座標データの初期値セットの内容の具体的な実施の一形態を示す説明図である。
【図32】図29に示した可変座標データの更新の内容の具体的な実施の一形態を示す説明図である。
【図33】絞り加工によりテーパ状に形成されたワークを示す正面図である。
【図34】偏芯絞り加工により、最小径形成部と非絞り加工部との間がテーパ状に形成されると共に、最小径形成部が非絞り加工部から偏芯するように形成されたワークを示す正面図である。
【図35】偏芯・偏角絞り加工により、最小径形成部と非絞り加工部との間がテーパ状に形成されると共に、最小径形成部が非絞り加工部から偏芯し、且つ、最小径形成部と非絞り加工部との軸線の延長線が所定の角度を形成するように偏角形成されたワークを示す正面図である。
【図36】偏芯絞り加工を行う場合の従来の技術を示す説明図である。
【図37】従来の、ワークと接する面に、成形ローラの公転径方向に対して平行に複数の溝がそれぞれ形成された、ワークの固定機構の固定部材および可動部材を示す正面図である。
【符合の説明】
1 成形ローラ
1A 成形ローラ
1B サブローラ
2 公転駆動手段
3 公転径変化手段
4 公転軸方向移動手段
5 ワーク支持装置
6 成形ローラ駆動装置
7 固定機構
8 偏芯機構
9 偏角機構
10 補正機構
29 公転駆動用モータ
49 径方向移動用モータ
60 公転軸方向移動用モータ
70a,71a ワークに接する面
70b,71b 複数の溝
78 偏芯用モータ
80 偏角用モータ
84 補正用モータ
100 切断手段
101 カッタ装置
102 追従移動手段
103 係合退避手段
110 ピン
160 入力手段
200 成形ローラの加工部
Rc 成形ローラの公転軸
Wc ワークの長手方向の軸

Claims (4)

  1. ワークに沿って成形ローラを公転させつつ、成形ローラの公転径を変化させることによりワークを絞り加工する、絞り加工方法であって、
    ワークと接する面に成形ローラの公転径方向に対して傾斜するように形成された複数の溝を有する固定機構によってワークを固定保持し、ワークの長手方向の軸と成形ローラの公転軸とを相対的に偏位させるように配置した状態で、支持されたワークに対して成形ローラを相対的に公転させることを特徴とする絞り加工方法。
  2. ワークに沿って成形ローラを公転させつつ、成形ローラの公転径を変化させることによりワークを絞り加工する、絞り加工方法であって、
    ワークの長手方向の軸と成形ローラの公転軸とを相対的に偏位させるように配置した状態で、支持されたワークに対して成形ローラを相対的に公転させてワークを絞り加工し、カッタ装置を成形ローラに追従移動させることによりワークの絞り加工された端部を所望の長さに切断することを特徴とする絞り加工方法。
  3. 支持されたワークに沿って成形ローラを相対的に公転させる公転駆動手段と、成形ローラの公転径を変化させる公転径変化手段と、ワークの長手方向の軸と成形ローラの公転軸とを相対的に偏位させるように配置する偏位配置手段と、を具備しており、
    前記偏位配置手段はワークを固定支持する固定機構を含み、該固定機構は、ワークと接する面に成形ローラの公転径方向に対して傾斜するように形成された複数の溝を有するものであることを特徴とする絞り加工装置。
  4. 支持されたワークに沿って成形ローラを相対的に公転させる公転駆動手段と、成形ローラの公転径を変化させる公転径変化手段と、ワークの長手方向の軸と成形ローラの公転軸とを相対的に偏位させるように配置する偏位配置手段と、ワークの絞り加工された端部を切断する切断手段と、を具備しており、
    前記切断手段は、ワークを切断するカッタ装置と、成形ローラに係合してカッタ装置を追従移動させる追従移動手段と、カッタ装置を成形ローラに対する係合位置と退避位置との間で移動させる係合退避手段とを、具備することを特徴とする絞り加工装置。
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