JP3546728B2 - オルガノポリシロキサンガムの連続製造方法 - Google Patents
オルガノポリシロキサンガムの連続製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3546728B2 JP3546728B2 JP34282898A JP34282898A JP3546728B2 JP 3546728 B2 JP3546728 B2 JP 3546728B2 JP 34282898 A JP34282898 A JP 34282898A JP 34282898 A JP34282898 A JP 34282898A JP 3546728 B2 JP3546728 B2 JP 3546728B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymerization
- group
- organopolysiloxane
- polymerization catalyst
- thermal decomposition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G77/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
- C08G77/04—Polysiloxanes
- C08G77/06—Preparatory processes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G77/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
- C08G77/04—Polysiloxanes
- C08G77/06—Preparatory processes
- C08G77/08—Preparatory processes characterised by the catalysts used
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G77/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
- C08G77/04—Polysiloxanes
- C08G77/32—Post-polymerisation treatment
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、末端単位のヒドロキシル基含有量が少なく、各種シリコーンゴム組成物の成分として好適なオルガノポリシロキサンガムを簡略化された工程で工業的に有利に連続的に製造することができる新規なオルガノポリシロキサンガムの連続製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
シリコーンゴムは、優れた耐候性、電気特性、低圧縮永久歪、耐熱性、耐寒性等の特性を有しているため、近年、電子機器、自動車、建築、医療、食品をはじめとして様々な分野で広く使用されている。例えば、リモコン、タイプライター、ワードプロセッサ、コンピューター端末、楽器等のゴム接点キーとして使用されるラバーコンタクト、建築用ガスケット、複写機用定着ロール、現像ロール、転写ロール、帯電ロール、給紙ロール等の各種ロール、オーディオ装置等の防振ゴム、コンピューターに使用されるコンパクトディスク用パッキンなどの用途が挙げられる。このようにシリコーンゴムの需要は益々高まっており、より品質の安定した、より生産性の高い低コストのシリコーンゴムの製造が望まれている。
【0003】
このような要望を満たすため、オルガノポリシロキサンの連続的製造方法として、例えば特開昭53−99300号公報には、アルカリ性及び/又は酸性反応触媒存在下における高粘性オルガノポリシロキサンの連続重合法が提案されている。この提案には、上記方法で高粘性オルガノポリシロキサンとしては10〜数百万cPのものを製造することが可能であると記載されているが、それ以上の粘度を有する生ゴム領域のオルガノポリシロキサンに関しては記載されていない。更に、使用される触媒としては、後工程で中和処理を要するものが記述されており、この中和処理が面倒であるという欠点があった。
【0004】
また、特開昭60−202124号公報には、オルガノポリシロキサンガムの連続的製造方法が記載されているが、この方法は、使用される重合触媒を中和するための有効な量の中和剤の使用が必須となっており、工程が煩雑である上、副生する中和塩の処理の問題や、残存した場合の品質への悪影響が懸念されるという問題があった。
【0005】
一方、オルガノポリシロキサンの末端単位の構造は、末端停止剤の構造に依存する。しかし、オルガノポリシロキサンの製造方法においては、原料中に含まれる微量水分が末端停止剤として作用するため、所望の末端単位にそぐわず、得られるオルガノポリシロキサンの末端単位にヒドロキシル基が形成される。このように生成した末端ヒドロキシル基を有する高分子量のオルガノポリシロキサンガムは、これをシリカ等の補強材と共に混練りし、シリコーンゴムコンパウンドを調製したとき、オルガノポリシロキサンガム末端のヒドロキシル基とシリカ表面のヒドロキシル基との相互作用により、経時変化によってゴムコンパウンドのクレープハードニング(Crepe hardening)が発生する。このようにクレープハードニングを生じたゴムコンパウンドは、使用前に2本ロール等の混練機等を用いて再度強力な剪断力を与え、初期の状態に近づけなければならないという問題があった。
【0006】
従って、シリコーンゴムコンパウンド原料としてオルガノポリシロキサンガムを使用する場合、通常、末端単位がトリオルガノシリル基であるように設計されることが望ましい。ところが、前述のように、予期せぬ要因により末端単位にヒドロキシル基が生成してしまうのが現状であり、このため、上記オルガノポリシロキサンガムの製造においては、上記ヒドロキシル基含有量を低減させる必要があった。
【0007】
この場合、前記特開昭60−202124号公報に示されるように、出発原料となるシクロポリシロキサンや末端停止剤としての低分子量の線状オルガノポリシロキサン中の微量水分を除去するため、これら原料を予めモレキュラーシーブなどの乾燥剤を用いて乾燥させるといった前処理操作が行われてはいるが、このような反応前処理操作を行うことは工程数が増えて面倒であった。
【0008】
更に、特開昭60−49033号公報には、オルガノポリシロキサン末端単位のヒドロキシル基を低減させる方法として、アルカリ触媒をトリオルガノハロシランとヘキサオルガノジシラザンの添加により中和する方法が開示されている。しかし、この方法は、ヒドロキシル基の低減化を達成することができるものの、工程数が増えるという煩雑さの他に、ハロシランの使用による金属設備の腐食という点で問題があった。
【0009】
従って、高重合度のオルガノポリシロキサン(オルガノポリシロキサンガム)の製造において、末端単位のヒドロキシル基含有量を効率よく低減させ、かつより効率のよい製造方法の開発が望まれた。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、末端単位のヒドロキシル基含有量が少なく、品質の安定した生産性の高い低コストのオルガノポリシロキサンガムを連続的に、かつ簡略化された工程で製造することができるオルガノポリシロキサンガムの連続製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(A)下記一般式(1)で示される少なくとも一種のシクロポリシロキサンと、(B)末端封止剤とを混合する第一工程、この第一工程で得られた(A)及び(B)成分の混合物をセルフクリーニング型連続重合機に供給し、該混合物に(C)熱分解型重合触媒を連続的に供給混合して、80〜130℃で重合を行う第二工程、次いで、前記第二工程の反応物を常圧未満の減圧下で130〜200℃に加熱して熱分解型重合触媒を失活させ、重合反応を終了させる第三工程を行うこと、更に好ましくは第三工程で得られた重合物から重合残分としてのシクロポリシロキサン及び揮発性成分を連続的に除去する第四工程を行うことにより、末端単位にヒドロキシル基をほとんど含まないオルガノポリシロキサンガムを前処理操作を行うことなく簡単な工程で、煩雑な中和工程などを行わなくてもより安定した品質で、しかも設備の腐食などの問題もなく、高生産性かつ低コストで連続的に簡略化された工程で製造することができることを知見し、本発明をなすに至った。
【0012】
【化2】
(式中、R1,R2はそれぞれ非置換又は置換の一価炭化水素基を表す。nは3以上の整数である。)
【0013】
従って、本発明は、
(I)(A)上記一般式(1)で示される少なくとも一種のシクロポリシロキサンと、(B)末端封止剤とを混合する第一工程、
(II)前記第一工程で得られた(A)及び(B)成分の混合物をセルフクリーニング型連続重合機に供給し、該混合物に(C)熱分解型重合触媒として、ホスホニウム基含有オルガノポリシロキサン及び/又はアンモニウム基含有オルガノポリシロキサンを連続的に供給混合して、80〜130℃で重合を行う第二工程、
(III)次いで、前記第二工程の反応物を常圧未満の減圧下で130〜200℃に加熱して前記熱分解型重合触媒を失活させ、重合反応を終了させる第三工程
を含むことを特徴とするオルガノポリシロキサンガムの連続製造方法を提供する。
【0014】
以下、本発明につき更に詳しく説明すると、本発明のオルガノポリシロキサンガムの連続製造方法の第一工程は、下記一般式(1)で示される少なくとも一種のシクロポリシロキサン〔(A)成分〕と、末端封止剤〔(B)成分〕とを混合するものである。
【0015】
【化3】
(式中、R1,R2はそれぞれ非置換又は置換の一価炭化水素基を表す。nは3以上の整数である。)
【0016】
ここで、上記式(1)のシクロポリシロキサンにおいて、R1,R2はそれぞれ非置換又は置換の一価炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜12、特に1〜8のものであり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、フェニルエチル基等のアラルキル基、アルカリール基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基、α−シアノフェニルエチル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、フェニル基、ビニル基、トリフルオロプロピル基である。nは3以上の整数、好ましくは3〜8の整数、更に好ましくは4である。
【0017】
上記式(1)のシクロポリシロキサンしては、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のジメチルシロキサン環状体、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等のメチルビニルシロキサン環状体、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等のジフェニルシロキサン環状体、トリメチルトリフルオロプロピルシクロトリシロキサン等のメチルトリフルオロプロピルシロキサン環状体などが挙げられる。これらの中では、原料調達の容易さの点からオクタメチルシクロテトラシロキサン等のジメチルシロキサン環状体が好ましく、また架橋点としてのアルケニル基導入の点からはメチルビニルシロキサン環状体の併用が好ましい。これらの環状シロキサンは単独で用いても2種以上の環状シロキサンの混合物であってもかまわないが、n=4の環状体を40%以上、特に60%以上含有することが好ましい。
【0018】
末端封止剤は、重合反応を停止させることにより、重量平均分子量を調節するために配合するものである。この末端封止剤としては、例えばビニル連鎖停止剤、メチル連鎖停止剤等のトリアルキルシロキシ連鎖停止剤などの公知の連鎖停止剤を用いることができ、具体的に下記式(2)で示されるものなどが挙げられる。なお、これらの末端停止剤は、1種を単独で用いても2種以上を混合してもよく、最終生成物の目的用途に応じて選択することができる。本発明では、これらの中で特にメチル連鎖停止剤等のトリアルキルシロキシ連鎖停止剤やビニル連鎖停止剤のアルケニル基含有アルキルシロキシ連鎖停止剤が好ましく使用される。
【0019】
【化4】
【0020】
上記式(2)中、R3〜R8はそれぞれ互いに同一又は異種の非置換又は置換1価炭化水素基を表す。このR3〜R8の1価炭化水素基としては、上記式(1)のR1,R2と同様の炭素数を有するものが好ましく、上述したものと同様の基とすることができる。R7,R8は特にメチル基又はビニル基であることが好ましい。nは1〜200、好ましくは10〜100、特に好ましくは20〜80の整数である。
【0021】
上記末端封止剤の配合量は、式(1)のシクロポリシロキサン100部(重量部、以下同じ)に対して0.0001〜10部、特に0.0001〜5部とすることが好ましい。
【0022】
本発明の第一工程では、(A)成分としての上記式(1)のシクロポリシロキサンと(B)成分としての末端封止剤とを任意の方法で混合する。
【0023】
第一工程では、(A)成分のシクロポリシロキサンと(B)成分の末端封止剤とを混合した後、両成分の脱水、脱二酸化炭素を目的にN2ガス等の不活性ガスで気流同伴したり、シリカゲルやモレキュラーシーブ等を用いて乾燥を行ってもよい。
【0024】
次いで、第二工程では、第一工程で得られた上記(A),(B)成分の混合物をセルフクリーニング型連続重合機に供給し、この混合物に(C)成分としての熱分解型重合触媒を連続的に供給して、80〜130℃で重合反応を行う。操作圧力は、水分除去のために常圧未満の圧力で行ってもよい。
【0025】
この場合、熱分解型重合触媒としては、例えば水酸化第四級ホスホニウム、アンモニウム化合物等が例示されるが、特にホスホニウム基含有オルガノポリシロキサン、アンモニウム基含有オルガノポリシロキサン等が好ましく使用される。上記ホスホニウム基含有オルガノポリシロキサンは、例えば、n−テトラブチルホスホニウムハイドロキサイド、テトラフェニルホスホニウムハイドロキサイド、テトラメチルホスホニウムハイドロキサイド等の水酸化第四級ホスホニウムとヘキサメチルシクロトリシロキサンとを反応させることなどにより得ることができる。具体的には、例えばn−テトラブチルホスホニウムハイドロキサイドとヘキサメチルシクロトリシロキサンを1:10の重量比で仕込み、温度40〜45℃,30mmHgの圧力下で10〜20時間反応させ、十分に脱水して透明状とした後、更に20mmHgの圧力下で2時間程度反応を継続させることにより得ることができる。
【0026】
同様にアンモニウム基含有オルガノポリシロキサンも、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラフェニルアンモニウムハイドロキサイド等の水酸化第四級アンモニウムとヘキサメチルシクロトリシロキサンとを反応させることなどにより得ることができ、具体的には、水酸化第四級アンモニウムとヘキサメチルシクロトリシロキサンを1:100〜1:5の割合で混合させ、40〜60℃,1〜200mmHgで1〜10時間反応させることが好ましい。
【0027】
(C)成分の熱分解型重合触媒の配合量は、(A)及び(B)成分の総量に対し1〜1,000ppm、特に10〜500ppmとすることが好ましく、1ppm未満では十分な重合が得られない場合があり、1,000ppmを超えると残存化合物の除去が困難となったり、得られたシロキサン生ゴムの外観や臭気、耐熱性、架橋特性などに悪影響が生じる場合がある。
【0028】
第二工程で使用するセルフクリーニング型連続重合機の具体例としては、SCR(Self Cleaning Reactor)やN−SCR(いずれも三菱重工業(株)製)などが挙げられる。このSCRは、図1に示すように、8の字形断面を有する筒状の横型容器1内に互いに同方向に回転する2本の回転軸2,3を設け、各々の回転軸2,3に厚肉の偏心円板(ロータ)4,5を螺旋状に多数取り付けたもので、上記2本の回転軸2,3が等速度で回転することにより、対になったロータの相互の外周、他軸側の連設するロータの相互の側面、ロータの最外周と容器内壁が相対速度をもちながら移動し、これによって容器内部のすべての面が完全にクリーニングされるようにしたものである(「三菱重工技法Vol.24,No.2(1987−3)」)。この場合、原料は容器の一端側から容器内に投入され、容器内でロータによって撹拌されつつ長手方向に移動し、この間重合反応せしめられて、容器の他端側から抜き出されるようになっている。なお、ロータの配列は螺旋状に限られず、自由に変えることができる。
【0029】
セルフクリーニング型連続重合機を用いた熱処理は、80〜130℃、好ましくは100〜120℃で重合を行うことが必要である。通常は重合開始と同時に発熱が始まる。重合時間は特に制限されないが、通常0.01〜2時間とすることが好ましい。
【0030】
次いで、本発明では、第二工程の重合反応物を常圧未満、好ましくは500mmHg以下、より好ましくは30〜100mmHgで、温度を130〜200℃、好ましくは140〜180℃に上げて触媒を十分に失活させる第三工程を経ることにより、末端単位のヒドロキシル基含有量が少なく、品質の安定した高重合度のオルガノポリシロキサンガムを得ることができる。この第三工程の処理時間は0.1〜10時間、特に0.5〜2時間とすることが好ましい。
【0031】
本発明方法では、従来は常圧〜微加圧下で行われていた熱分解型重合触媒の失活工程を常圧より低い圧力で行うことにより、熱分解型重合触媒の失活反応と同時に反応系内に存在する水分を効率よく除去することができるものである。圧力が常圧以上では水分を十分に除去できず、末端単位のヒドロキシル基が生成してしまい、本発明の目的を達成することができない。また、第二工程の重合工程を常圧未満の減圧下で行うのみでは、熱分解型重合触媒の失活工程で生成する末端単位のヒドロキシル基を除去することができず、本発明の目的を達成することができない。
【0032】
上記第三工程は、第二工程で用いられるセルフクリーニング型重合機をそのまま用いても、別に用意した他の押出機を用いてもよい。これらの押出機は、脱気口を有する1軸,2軸あるいは多軸の押出機、その他の連続処理装置を使用して行うことが好ましく、特に薄膜型又は細線型脱気装置を有するものが望ましい。
【0033】
このようにして得られたオルガノポリシロキサンガムは、このまま使用することも可能であるが、通常は得られたオルガノポリシロキサンガム中に残存する低分子シロキサンや触媒の分解副生物などの揮発性物質を取り除いて使用することが望ましい。そのためには、上記第三工程終了後、得られた重合反応物中に重合残分として残存するシクロポリシロキサン及び揮発性成分を連続的に除去する第四工程を行うことが好ましい。
【0034】
上記第四工程は、1軸,2軸あるいは多軸の押出機、その他の連続処理装置を使用して行うことが好ましく、特に重合残分としてのシクロポリシロキサン及び揮発性成分を連続的に除去する装置の途中や後に脱気口や薄膜型又は細線型脱気装置を有するものが望ましい。
【0035】
この第四工程は、通常、温度が150〜250℃で常圧以下の範囲で行われるが、操作圧力は低いほど望ましく、必要に応じて減圧操作が可能なプロセスとすることがより好ましい。このような第四工程を行うことにより、得られるオルガノポリシロキサンガム中に残存する低分子シロキサン、触媒の分解副生物などの揮発性物質を低減することが可能となる。特に触媒の分解副生物としてのN原子やP原子は低値ほど望ましく、N原子は1ppm以下、P原子は15ppm以下とすることが好ましい。
【0036】
なお、以上の方法によって得られるオルガノポリシロキサンガムは、通常、平均重合度が3,000以上、特に4,000以上のものである。平均重合度の上限は特に制限されないが、一般的には30,000以下である。
【0037】
また、得られたオルガノポリシロキサンガムは、その末端単位が実質的にすべて上記低分子量線状オルガノポリシロキサン末端のトリオルガノシリル基に由来するトリオルガノシリル基で封鎖されたもので、末端ヒドロキシル基量が顕著に減少したものであり、後述する相対粘度比で1.10以下、特に1.05以下のものである。
【0038】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0039】
〔実施例,比較例〕
図2に示すような連続実験プロセスの設備を使用し、表1に示す原料及び表1に示す条件でオルガノポリシロキサンガムを連続製造し、得られたオルガノポリシロキサンガムの生ゴム特性を測定した。結果を表1に示す。
【0040】
なお、使用原料であるシクロポリシロキサンや末端封止剤、重合触媒はそれぞれ定量ギアポンプにて連続供給した。
【0041】
セルフクリーニング型連続重合機としては、SCR(三菱重工業(株)製)を使用した。
また、第三工程の押出機としては、KRC((株)栗本鐵工所製)を使用した。
【0042】
更に、得られた重合物の低分子シロキサンの除去は、連続的に細線流下式ストッパーにより行った。
【0043】
【表1】
【0044】
【化5】
*3:TMAHシリコネート
テトラメチルアンモニウム基3%含有ジメチルポリシロキサン
*4:TBPHシリコネート
テトラブチルホスホニウム基10%含有ジメチルポリシロキサン
*5:生ゴム中の窒素をアンモニアにし、中和滴定より測定
*6:生ゴム中のP濃度を原子吸光法により測定
*7:相対粘度比
オルガノポリシロキサンガム10gをトルエン90gに溶解させ、このトルエン溶液にテトラメトキシシラン0.5gとテトラプロピルチタネートを数滴添加した。この溶液の初期粘度及び1時間後の粘度を測定し、その相対粘度比〔1時間後の粘度/初期粘度〕を算出した。
相対粘度比がほぼ1であることは、オルガノポリシロキサンガム中にヒドロキシル基がほとんど存在しないことにより、テトラメトキシシランのメトキシ基とヒドロキシル基との縮合反応が行われず、粘度変化がなかったということを意味する。
【0045】
表1の結果より、本発明製造法によれば、従来公知の技術に比べ、連続重合工程において煩雑な前処理脱水工程及び中和工程を必要とせず、簡単な工程で、末端単位のヒドロキシル基含有量の低減化した高重合度で品質の安定したオルガノポリシロキサンガムを連続的にかつ簡略化された工程で製造し得ることが確認された。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、末端単位のヒドロキシル基含有量が低減した高重合度のオルガノポリシロキサンガムを安定した品質でかつ低コストで高生産性をもって連続製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セルフクリーニング型連続重合機(SCR)の縦断面図である。
【図2】本発明の連続製造プロセスの一実施例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 横型容器
2,3 回転軸
4,5 偏心円板
Claims (5)
- (I)(A)下記一般式(1)
で示される少なくとも一種のシクロポリシロキサンと、(B)末端封止剤とを混合する第一工程、
(II)前記第一工程で得られた(A)及び(B)成分の混合物をセルフクリーニング型連続重合機に供給し、該混合物に(C)熱分解型重合触媒として、ホスホニウム基含有オルガノポリシロキサン及び/又はアンモニウム基含有オルガノポリシロキサンを連続的に供給混合して、80〜130℃で重合を行う第二工程、
(III)次いで、前記第二工程の反応物を常圧未満の減圧下で130〜200℃に加熱して前記熱分解型重合触媒を失活させ、重合反応を終了させる第三工程
を含むことを特徴とするオルガノポリシロキサンガムの連続製造方法。 - 第三工程の熱分解型重合触媒の失活工程を500mmHg以下の減圧下で行う請求項1記載の製造方法。
- 第三工程の熱分解型重合触媒の失活工程を30〜100mmHgの減圧下で行う請求項2記載の製造方法。
- 第三工程を第二工程と異なる押出機を用いて行う請求項1乃至3のいずれか1項記載の製造方法。
- 第三工程で得られた重合物から重合残分としてのシクロポリシロキサン及び揮発性成分を連続的に除去する第四工程を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34282898A JP3546728B2 (ja) | 1998-12-02 | 1998-12-02 | オルガノポリシロキサンガムの連続製造方法 |
TW088117207A TW568926B (en) | 1998-12-02 | 1999-10-06 | Method for continuous preparation of organopolysiloxane gum |
EP99309687A EP1006138B1 (en) | 1998-12-02 | 1999-12-02 | Preparation of organopolysiloxane gum |
DE69927462T DE69927462T2 (de) | 1998-12-02 | 1999-12-02 | Verfahren zur Herstellung von Polyorganosiloxangummi |
US09/453,467 US6214962B1 (en) | 1998-12-02 | 1999-12-02 | Preparation of organopolysiloxane gum |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34282898A JP3546728B2 (ja) | 1998-12-02 | 1998-12-02 | オルガノポリシロキサンガムの連続製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000159890A JP2000159890A (ja) | 2000-06-13 |
JP3546728B2 true JP3546728B2 (ja) | 2004-07-28 |
Family
ID=18356812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34282898A Expired - Lifetime JP3546728B2 (ja) | 1998-12-02 | 1998-12-02 | オルガノポリシロキサンガムの連続製造方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6214962B1 (ja) |
EP (1) | EP1006138B1 (ja) |
JP (1) | JP3546728B2 (ja) |
DE (1) | DE69927462T2 (ja) |
TW (1) | TW568926B (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20030225236A1 (en) * | 2002-06-03 | 2003-12-04 | Masaharu Takahashi | Preparation of organopolysiloxane |
EP2430077B1 (en) * | 2009-05-13 | 2018-09-12 | Dow Silicones Corporation | Continuous process for polymerization and emulsification of siloxane |
US8071032B2 (en) * | 2009-06-07 | 2011-12-06 | Chung-Shan Institute of Science and Technology Armaments Bureau, Ministry of National Defense | System and method for manufacturing organopolysiloxane |
TW201400584A (zh) * | 2012-06-27 | 2014-01-01 | Formosan Rubber Group Inc | 耐熱高接著之矽橡膠布及其製造方法 |
FI20155022A (fi) | 2015-01-13 | 2016-07-14 | Oy Pro-Hydro Ab | Menetelmä ja laitejärjestely silikonimassan sekoittamiseksi |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL6806477A (ja) | 1967-05-09 | 1968-11-11 | ||
DE2705563C2 (de) | 1977-02-10 | 1982-10-14 | Bayer Ag, 5090 Leverkusen | Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von hochviskosen Polydiorganosiloxanen |
US4551515A (en) | 1984-02-27 | 1985-11-05 | General Electric Company | Process for the continuous manufacture of silicone gums |
DE3519411A1 (de) * | 1985-05-30 | 1986-12-04 | Wacker-Chemie GmbH, 8000 München | Kontinuierliches verfahren zur aenderung des molekulargewichts von organosiliciumverbindungen |
JP3123759B2 (ja) | 1990-12-27 | 2001-01-15 | 東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社 | オルガノポリシロキサンの製造方法 |
JP3484972B2 (ja) * | 1998-03-05 | 2004-01-06 | 信越化学工業株式会社 | オルガノポリシロキサンガムの連続製造方法 |
-
1998
- 1998-12-02 JP JP34282898A patent/JP3546728B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1999
- 1999-10-06 TW TW088117207A patent/TW568926B/zh not_active IP Right Cessation
- 1999-12-02 EP EP99309687A patent/EP1006138B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1999-12-02 DE DE69927462T patent/DE69927462T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1999-12-02 US US09/453,467 patent/US6214962B1/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP1006138B1 (en) | 2005-09-28 |
TW568926B (en) | 2004-01-01 |
EP1006138A1 (en) | 2000-06-07 |
US6214962B1 (en) | 2001-04-10 |
DE69927462D1 (de) | 2006-02-09 |
JP2000159890A (ja) | 2000-06-13 |
DE69927462T2 (de) | 2006-06-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN103804912B (zh) | 硅橡胶组合物,硅橡胶模塑制品及其制备方法 | |
GB2154596A (en) | Continuous production of silicone gums | |
KR100643546B1 (ko) | 실리콘 중합체의 연속 제조방법 | |
US5109094A (en) | Process for the production of organosilicon compounds | |
JPS5830894B2 (ja) | ポリジオルガノシロキサンの連続調製方法 | |
KR100643547B1 (ko) | 실리콘 중합체의 연속 제조방법 | |
US4722987A (en) | Method for the preparation of an organopolysiloxane | |
JP3546728B2 (ja) | オルガノポリシロキサンガムの連続製造方法 | |
KR20000017516A (ko) | 실리콘 중합체의 제조방법 | |
JPS6249892B2 (ja) | ||
US6288196B1 (en) | Preparation of organopolysiloxane gum | |
KR100894089B1 (ko) | 아미노기 함유 실록산의 연속 제조 방법 | |
JP3484972B2 (ja) | オルガノポリシロキサンガムの連続製造方法 | |
US5449735A (en) | Process for producing organopolysiloxane with high polymerization degree | |
JP2000226452A (ja) | オルガノポリシロキサンガムの連続製造方法 | |
JP3632736B2 (ja) | オルガノポリシロキサンガムの製造方法 | |
JP3546727B2 (ja) | オルガノポリシロキサンガムの製造方法 | |
JP2650593B2 (ja) | シロキサンガムの製造方法 | |
JPH11158285A (ja) | 高純度の片末端ラジカル重合性官能基含有オルガノポリシロキサンの製造方法 | |
JPH06329804A (ja) | オルガノポリシロキサンの製造方法 | |
JPH07330904A (ja) | 末端ヒドロキシ基停止オルガノハイドロジェンポリシロキサンの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040122 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040210 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040224 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040323 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040405 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100423 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140423 Year of fee payment: 10 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |