JP2000159890A - オルガノポリシロキサンガムの連続製造方法 - Google Patents

オルガノポリシロキサンガムの連続製造方法

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JP2000159890A JP10342828A JP34282898A JP2000159890A JP 2000159890 A JP2000159890 A JP 2000159890A JP 10342828 A JP10342828 A JP 10342828A JP 34282898 A JP34282898 A JP 34282898A JP 2000159890 A JP2000159890 A JP 2000159890A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 (I)(A)下記一般式(1)で示され
る少なくとも一種のシクロポリシロキサンと、(B)末
端封止剤とを混合する第一工程、(II)前記第一工程
で得られた(A)及び(B)成分の混合物をセルフクリ
ーニング型連続重合機に供給し、該混合物に(C)熱分
解型重合触媒を連続的に供給混合して、80〜130℃
で重合を行う第二工程、(III)次いで、前記第二工
程の反応物を常圧未満の減圧下で130〜200℃に加
熱して熱分解型重合触媒を失活させ、重合反応を終了さ
せる第三工程を含むことを特徴とするオルガノポリシロ
キサンガムの連続製造方法。 (式中、R1,R2はそれぞれ非置換又は置換の一価炭化
水素基を表す。nは3以上の整数である。) 【効果】 本発明によれば、末端単位のヒドロキシル基
含有量が低減した高重合度のオルガノポリシロキサンガ
ムを安定した品質でかつ低コストで高生産性をもって連
続製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、末端単位のヒドロ
キシル基含有量が少なく、各種シリコーンゴム組成物の
成分として好適なオルガノポリシロキサンガムを簡略化
された工程で工業的に有利に連続的に製造することがで
きる新規なオルガノポリシロキサンガムの連続製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シリコ
ーンゴムは、優れた耐候性、電気特性、低圧縮永久歪、
耐熱性、耐寒性等の特性を有しているため、近年、電子
機器、自動車、建築、医療、食品をはじめとして様々な
分野で広く使用されている。例えば、リモコン、タイプ
ライター、ワードプロセッサ、コンピューター端末、楽
器等のゴム接点キーとして使用されるラバーコンタク
ト、建築用ガスケット、複写機用定着ロール、現像ロー
ル、転写ロール、帯電ロール、給紙ロール等の各種ロー
ル、オーディオ装置等の防振ゴム、コンピューターに使
用されるコンパクトディスク用パッキンなどの用途が挙
げられる。このようにシリコーンゴムの需要は益々高ま
っており、より品質の安定した、より生産性の高い低コ
ストのシリコーンゴムの製造が望まれている。
【0003】このような要望を満たすため、オルガノポ
リシロキサンの連続的製造方法として、例えば特開昭5
3−99300号公報には、アルカリ性及び/又は酸性
反応触媒存在下における高粘性オルガノポリシロキサン
の連続重合法が提案されている。この提案には、上記方
法で高粘性オルガノポリシロキサンとしては10〜数百
万cPのものを製造することが可能であると記載されて
いるが、それ以上の粘度を有する生ゴム領域のオルガノ
ポリシロキサンに関しては記載されていない。更に、使
用される触媒としては、後工程で中和処理を要するもの
が記述されており、この中和処理が面倒であるという欠
点があった。
【0004】また、特開昭60−202124号公報に
は、オルガノポリシロキサンガムの連続的製造方法が記
載されているが、この方法は、使用される重合触媒を中
和するための有効な量の中和剤の使用が必須となってお
り、工程が煩雑である上、副生する中和塩の処理の問題
や、残存した場合の品質への悪影響が懸念されるという
問題があった。
【0005】一方、オルガノポリシロキサンの末端単位
の構造は、末端停止剤の構造に依存する。しかし、オル
ガノポリシロキサンの製造方法においては、原料中に含
まれる微量水分が末端停止剤として作用するため、所望
の末端単位にそぐわず、得られるオルガノポリシロキサ
ンの末端単位にヒドロキシル基が形成される。このよう
に生成した末端ヒドロキシル基を有する高分子量のオル
ガノポリシロキサンガムは、これをシリカ等の補強材と
共に混練りし、シリコーンゴムコンパウンドを調製した
とき、オルガノポリシロキサンガム末端のヒドロキシル
基とシリカ表面のヒドロキシル基との相互作用により、
経時変化によってゴムコンパウンドのクレープハードニ
ング(Crepe hardening)が発生する。
このようにクレープハードニングを生じたゴムコンパウ
ンドは、使用前に2本ロール等の混練機等を用いて再度
強力な剪断力を与え、初期の状態に近づけなければなら
ないという問題があった。
【0006】従って、シリコーンゴムコンパウンド原料
としてオルガノポリシロキサンガムを使用する場合、通
常、末端単位がトリオルガノシリル基であるように設計
されることが望ましい。ところが、前述のように、予期
せぬ要因により末端単位にヒドロキシル基が生成してし
まうのが現状であり、このため、上記オルガノポリシロ
キサンガムの製造においては、上記ヒドロキシル基含有
量を低減させる必要があった。
【0007】この場合、前記特開昭60−202124
号公報に示されるように、出発原料となるシクロポリシ
ロキサンや末端停止剤としての低分子量の線状オルガノ
ポリシロキサン中の微量水分を除去するため、これら原
料を予めモレキュラーシーブなどの乾燥剤を用いて乾燥
させるといった前処理操作が行われてはいるが、このよ
うな反応前処理操作を行うことは工程数が増えて面倒で
あった。
【0008】更に、特開昭60−49033号公報に
は、オルガノポリシロキサン末端単位のヒドロキシル基
を低減させる方法として、アルカリ触媒をトリオルガノ
ハロシランとヘキサオルガノジシラザンの添加により中
和する方法が開示されている。しかし、この方法は、ヒ
ドロキシル基の低減化を達成することができるものの、
工程数が増えるという煩雑さの他に、ハロシランの使用
による金属設備の腐食という点で問題があった。
【0009】従って、高重合度のオルガノポリシロキサ
ン(オルガノポリシロキサンガム)の製造において、末
端単位のヒドロキシル基含有量を効率よく低減させ、か
つより効率のよい製造方法の開発が望まれた。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、末端単位のヒドロキシル基含有量が少なく、品質の
安定した生産性の高い低コストのオルガノポリシロキサ
ンガムを連続的に、かつ簡略化された工程で製造するこ
とができるオルガノポリシロキサンガムの連続製造方法
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、(A)下記一般式(1)で示される少なくとも一種
のシクロポリシロキサンと、(B)末端封止剤とを混合
する第一工程、この第一工程で得られた(A)及び
(B)成分の混合物をセルフクリーニング型連続重合機
に供給し、該混合物に(C)熱分解型重合触媒を連続的
に供給混合して、80〜130℃で重合を行う第二工
程、次いで、前記第二工程の反応物を常圧未満の減圧下
で130〜200℃に加熱して熱分解型重合触媒を失活
させ、重合反応を終了させる第三工程を行うこと、更に
好ましくは第三工程で得られた重合物から重合残分とし
てのシクロポリシロキサン及び揮発性成分を連続的に除
去する第四工程を行うことにより、末端単位にヒドロキ
シル基をほとんど含まないオルガノポリシロキサンガム
を前処理操作を行うことなく簡単な工程で、煩雑な中和
工程などを行わなくてもより安定した品質で、しかも設
備の腐食などの問題もなく、高生産性かつ低コストで連
続的に簡略化された工程で製造することができることを
知見し、本発明をなすに至った。
【0012】
【化2】 (式中、R1,R2はそれぞれ非置換又は置換の一価炭化
水素基を表す。nは3以上の整数である。)
【0013】従って、本発明は、(I)(A)上記一般
式(1)で示される少なくとも一種のシクロポリシロキ
サンと、(B)末端封止剤とを混合する第一工程、(I
I)前記第一工程で得られた(A)及び(B)成分の混
合物をセルフクリーニング型連続重合機に供給し、該混
合物に(C)熱分解型重合触媒を連続的に供給混合し
て、80〜130℃で重合を行う第二工程、(III)
次いで、前記第二工程の反応物を常圧未満の減圧下で1
30〜200℃に加熱して熱分解型重合触媒を失活さ
せ、重合反応を終了させる第三工程を含むことを特徴と
するオルガノポリシロキサンガムの連続製造方法を提供
する。
【0014】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明のオルガノポリシロキサンガムの連続製造方
法の第一工程は、下記一般式(1)で示される少なくと
も一種のシクロポリシロキサン〔(A)成分〕と、末端
封止剤〔(B)成分〕とを混合するものである。
【0015】
【化3】 (式中、R1,R2はそれぞれ非置換又は置換の一価炭化
水素基を表す。nは3以上の整数である。)
【0016】ここで、上記式(1)のシクロポリシロキ
サンにおいて、R1,R2はそれぞれ非置換又は置換の一
価炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜12、特に1〜
8のものであり、具体的には、メチル基、エチル基、プ
ロピル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアル
ケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、フェ
ニルエチル基等のアラルキル基、アルカリール基及びこ
れらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シ
アノ基等で置換したクロロメチル基、トリフルオロプロ
ピル基、シアノエチル基、α−シアノフェニルエチル基
などが挙げられ、好ましくはメチル基、フェニル基、ビ
ニル基、トリフルオロプロピル基である。nは3以上の
整数、好ましくは3〜8の整数、更に好ましくは4であ
る。
【0017】上記式(1)のシクロポリシロキサンして
は、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタ
メチルシクロテトラシロキサン等のジメチルシロキサン
環状体、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキ
サン等のメチルビニルシロキサン環状体、オクタフェニ
ルシクロテトラシロキサン等のジフェニルシロキサン環
状体、トリメチルトリフルオロプロピルシクロトリシロ
キサン等のメチルトリフルオロプロピルシロキサン環状
体などが挙げられる。これらの中では、原料調達の容易
さの点からオクタメチルシクロテトラシロキサン等のジ
メチルシロキサン環状体が好ましく、また架橋点として
のアルケニル基導入の点からはメチルビニルシロキサン
環状体の併用が好ましい。これらの環状シロキサンは単
独で用いても2種以上の環状シロキサンの混合物であっ
てもかまわないが、n=4の環状体を40%以上、特に
60%以上含有することが好ましい。
【0018】末端封止剤は、重合反応を停止させること
により、重量平均分子量を調節するために配合するもの
である。この末端封止剤としては、例えばビニル連鎖停
止剤、メチル連鎖停止剤等のトリアルキルシロキシ連鎖
停止剤などの公知の連鎖停止剤を用いることができ、具
体的に下記式(2)で示されるものなどが挙げられる。
なお、これらの末端停止剤は、1種を単独で用いても2
種以上を混合してもよく、最終生成物の目的用途に応じ
て選択することができる。本発明では、これらの中で特
にメチル連鎖停止剤等のトリアルキルシロキシ連鎖停止
剤やビニル連鎖停止剤のアルケニル基含有アルキルシロ
キシ連鎖停止剤が好ましく使用される。
【0019】
【化4】
【0020】上記式(2)中、R3〜R8はそれぞれ互い
に同一又は異種の非置換又は置換1価炭化水素基を表
す。このR3〜R8の1価炭化水素基としては、上記式
(1)のR1,R2と同様の炭素数を有するものが好まし
く、上述したものと同様の基とすることができる。
7,R8は特にメチル基又はビニル基であることが好ま
しい。nは1〜200、好ましくは10〜100、特に
好ましくは20〜80の整数である。
【0021】上記末端封止剤の配合量は、式(1)のシ
クロポリシロキサン100部(重量部、以下同じ)に対
して0.0001〜10部、特に0.0001〜5部と
することが好ましい。
【0022】本発明の第一工程では、(A)成分として
の上記式(1)のシクロポリシロキサンと(B)成分と
しての末端封止剤とを任意の方法で混合する。
【0023】第一工程では、(A)成分のシクロポリシ
ロキサンと(B)成分の末端封止剤とを混合した後、両
成分の脱水、脱二酸化炭素を目的にN2ガス等の不活性
ガスで気流同伴したり、シリカゲルやモレキュラーシー
ブ等を用いて乾燥を行ってもよい。
【0024】次いで、第二工程では、第一工程で得られ
た上記(A),(B)成分の混合物をセルフクリーニン
グ型連続重合機に供給し、この混合物に(C)成分とし
ての熱分解型重合触媒を連続的に供給して、80〜13
0℃で重合反応を行う。操作圧力は、水分除去のために
常圧未満の圧力で行ってもよい。
【0025】この場合、熱分解型重合触媒としては、例
えば水酸化第四級ホスホニウム、アンモニウム化合物等
が例示されるが、特にホスホニウム基含有オルガノポリ
シロキサン、アンモニウム基含有オルガノポリシロキサ
ン等が好ましく使用される。上記ホスホニウム基含有オ
ルガノポリシロキサンは、例えば、n−テトラブチルホ
スホニウムハイドロキサイド、テトラフェニルホスホニ
ウムハイドロキサイド、テトラメチルホスホニウムハイ
ドロキサイド等の水酸化第四級ホスホニウムとヘキサメ
チルシクロトリシロキサンとを反応させることなどによ
り得ることができる。具体的には、例えばn−テトラブ
チルホスホニウムハイドロキサイドとヘキサメチルシク
ロトリシロキサンを1:10の重量比で仕込み、温度4
0〜45℃,30mmHgの圧力下で10〜20時間反
応させ、十分に脱水して透明状とした後、更に20mm
Hgの圧力下で2時間程度反応を継続させることにより
得ることができる。
【0026】同様にアンモニウム基含有オルガノポリシ
ロキサンも、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイ
ド、テトラフェニルアンモニウムハイドロキサイド等の
水酸化第四級アンモニウムとヘキサメチルシクロトリシ
ロキサンとを反応させることなどにより得ることがで
き、具体的には、水酸化第四級アンモニウムとヘキサメ
チルシクロトリシロキサンを1:100〜1:5の割合
で混合させ、40〜60℃,1〜200mmHgで1〜
10時間反応させることが好ましい。
【0027】(C)成分の熱分解型重合触媒の配合量
は、(A)及び(B)成分の総量に対し1〜1,000
ppm、特に10〜500ppmとすることが好まし
く、1ppm未満では十分な重合が得られない場合があ
り、1,000ppmを超えると残存化合物の除去が困
難となったり、得られたシロキサン生ゴムの外観や臭
気、耐熱性、架橋特性などに悪影響が生じる場合があ
る。
【0028】第二工程で使用するセルフクリーニング型
連続重合機の具体例としては、SCR(Self Cl
eaning Reactor)やN−SCR(いずれ
も三菱重工業(株)製)などが挙げられる。このSCR
は、図1に示すように、8の字形断面を有する筒状の横
型容器1内に互いに同方向に回転する2本の回転軸2,
3を設け、各々の回転軸2,3に厚肉の偏心円板(ロー
タ)4,5を螺旋状に多数取り付けたもので、上記2本
の回転軸2,3が等速度で回転することにより、対にな
ったロータの相互の外周、他軸側の連設するロータの相
互の側面、ロータの最外周と容器内壁が相対速度をもち
ながら移動し、これによって容器内部のすべての面が完
全にクリーニングされるようにしたものである(「三菱
重工技法Vol.24,No.2(1987−
3)」)。この場合、原料は容器の一端側から容器内に
投入され、容器内でロータによって撹拌されつつ長手方
向に移動し、この間重合反応せしめられて、容器の他端
側から抜き出されるようになっている。なお、ロータの
配列は螺旋状に限られず、自由に変えることができる。
【0029】セルフクリーニング型連続重合機を用いた
熱処理は、80〜130℃、好ましくは100〜120
℃で重合を行うことが必要である。通常は重合開始と同
時に発熱が始まる。重合時間は特に制限されないが、通
常0.01〜2時間とすることが好ましい。
【0030】次いで、本発明では、第二工程の重合反応
物を常圧未満、好ましくは500mmHg以下、より好
ましくは30〜100mmHgで、温度を130〜20
0℃、好ましくは140〜180℃に上げて触媒を十分
に失活させる第三工程を経ることにより、末端単位のヒ
ドロキシル基含有量が少なく、品質の安定した高重合度
のオルガノポリシロキサンガムを得ることができる。こ
の第三工程の処理時間は0.1〜10時間、特に0.5
〜2時間とすることが好ましい。
【0031】本発明方法では、従来は常圧〜微加圧下で
行われていた熱分解型重合触媒の失活工程を常圧より低
い圧力で行うことにより、熱分解型重合触媒の失活反応
と同時に反応系内に存在する水分を効率よく除去するこ
とができるものである。圧力が常圧以上では水分を十分
に除去できず、末端単位のヒドロキシル基が生成してし
まい、本発明の目的を達成することができない。また、
第二工程の重合工程を常圧未満の減圧下で行うのみで
は、熱分解型重合触媒の失活工程で生成する末端単位の
ヒドロキシル基を除去することができず、本発明の目的
を達成することができない。
【0032】上記第三工程は、第二工程で用いられるセ
ルフクリーニング型重合機をそのまま用いても、別に用
意した他の押出機を用いてもよい。これらの押出機は、
脱気口を有する1軸,2軸あるいは多軸の押出機、その
他の連続処理装置を使用して行うことが好ましく、特に
薄膜型又は細線型脱気装置を有するものが望ましい。
【0033】このようにして得られたオルガノポリシロ
キサンガムは、このまま使用することも可能であるが、
通常は得られたオルガノポリシロキサンガム中に残存す
る低分子シロキサンや触媒の分解副生物などの揮発性物
質を取り除いて使用することが望ましい。そのために
は、上記第三工程終了後、得られた重合反応物中に重合
残分として残存するシクロポリシロキサン及び揮発性成
分を連続的に除去する第四工程を行うことが好ましい。
【0034】上記第四工程は、1軸,2軸あるいは多軸
の押出機、その他の連続処理装置を使用して行うことが
好ましく、特に重合残分としてのシクロポリシロキサン
及び揮発性成分を連続的に除去する装置の途中や後に脱
気口や薄膜型又は細線型脱気装置を有するものが望まし
い。
【0035】この第四工程は、通常、温度が150〜2
50℃で常圧以下の範囲で行われるが、操作圧力は低い
ほど望ましく、必要に応じて減圧操作が可能なプロセス
とすることがより好ましい。このような第四工程を行う
ことにより、得られるオルガノポリシロキサンガム中に
残存する低分子シロキサン、触媒の分解副生物などの揮
発性物質を低減することが可能となる。特に触媒の分解
副生物としてのN原子やP原子は低値ほど望ましく、N
原子は1ppm以下、P原子は15ppm以下とするこ
とが好ましい。
【0036】なお、以上の方法によって得られるオルガ
ノポリシロキサンガムは、通常、平均重合度が3,00
0以上、特に4,000以上のものである。平均重合度
の上限は特に制限されないが、一般的には30,000
以下である。
【0037】また、得られたオルガノポリシロキサンガ
ムは、その末端単位が実質的にすべて上記低分子量線状
オルガノポリシロキサン末端のトリオルガノシリル基に
由来するトリオルガノシリル基で封鎖されたもので、末
端ヒドロキシル基量が顕著に減少したものであり、後述
する相対粘度比で1.10以下、特に1.05以下のも
のである。
【0038】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0039】〔実施例,比較例〕図2に示すような連続
実験プロセスの設備を使用し、表1に示す原料及び表1
に示す条件でオルガノポリシロキサンガムを連続製造
し、得られたオルガノポリシロキサンガムの生ゴム特性
を測定した。結果を表1に示す。
【0040】なお、使用原料であるシクロポリシロキサ
ンや末端封止剤、重合触媒はそれぞれ定量ギアポンプに
て連続供給した。
【0041】セルフクリーニング型連続重合機として
は、SCR(三菱重工業(株)製)を使用した。また、
第三工程の押出機としては、KRC((株)栗本鐵工所
製)を使用した。
【0042】更に、得られた重合物の低分子シロキサン
の除去は、連続的に細線流下式ストッパーにより行っ
た。
【0043】
【表1】
【0044】
【化5】 *3:TMAHシリコネート テトラメチルアンモニウム基3%含有ジメチルポリシロ
キサン *4:TBPHシリコネート テトラブチルホスホニウム基10%含有ジメチルポリシ
ロキサン *5:生ゴム中の窒素をアンモニアにし、中和滴定より
測定 *6:生ゴム中のP濃度を原子吸光法により測定 *7:相対粘度比 オルガノポリシロキサンガム10gをトルエン90gに
溶解させ、このトルエン溶液にテトラメトキシシラン
0.5gとテトラプロピルチタネートを数滴添加した。
この溶液の初期粘度及び1時間後の粘度を測定し、その
相対粘度比〔1時間後の粘度/初期粘度〕を算出した。
相対粘度比がほぼ1であることは、オルガノポリシロキ
サンガム中にヒドロキシル基がほとんど存在しないこと
により、テトラメトキシシランのメトキシ基とヒドロキ
シル基との縮合反応が行われず、粘度変化がなかったと
いうことを意味する。
【0045】表1の結果より、本発明製造法によれば、
従来公知の技術に比べ、連続重合工程において煩雑な前
処理脱水工程及び中和工程を必要とせず、簡単な工程
で、末端単位のヒドロキシル基含有量の低減化した高重
合度で品質の安定したオルガノポリシロキサンガムを連
続的にかつ簡略化された工程で製造し得ることが確認さ
れた。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、末端単位のヒドロキシ
ル基含有量が低減した高重合度のオルガノポリシロキサ
ンガムを安定した品質でかつ低コストで高生産性をもっ
て連続製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セルフクリーニング型連続重合機(SCR)の
縦断面図である。
【図2】本発明の連続製造プロセスの一実施例を示す工
程図である。
【符号の説明】
1 横型容器 2,3 回転軸 4,5 偏心円板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 実 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 柴田 慶治 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社群馬事業所内 (72)発明者 俵 賢司 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社群馬事業所内 (72)発明者 富沢 良夫 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社群馬事業所内 Fターム(参考) 4J035 BA02 CA01K EA01 EB02 EB03 LA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)(A)下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1,R2はそれぞれ非置換又は置換の一価炭化
    水素基を表す。nは3以上の整数である。)で示される
    少なくとも一種のシクロポリシロキサンと、(B)末端
    封止剤とを混合する第一工程、(II)前記第一工程で
    得られた(A)及び(B)成分の混合物をセルフクリー
    ニング型連続重合機に供給し、該混合物に(C)熱分解
    型重合触媒を連続的に供給混合して、80〜130℃で
    重合を行う第二工程、(III)次いで、前記第二工程
    の反応物を常圧未満の減圧下で130〜200℃に加熱
    して熱分解型重合触媒を失活させ、重合反応を終了させ
    る第三工程を含むことを特徴とするオルガノポリシロキ
    サンガムの連続製造方法。
  2. 【請求項2】 熱分解型重合触媒として、ホスホニウム
    基含有オルガノポリシロキサン及び/又はアンモニウム
    基含有オルガノポリシロキサンを用いる請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 第三工程の熱分解型重合触媒の失活工程
    を500mmHg以下の減圧下で行う請求項1又は2記
    載の製造方法。
  4. 【請求項4】 第三工程の熱分解型重合触媒の失活工程
    を30〜100mmHgの減圧下で行う請求項3記載の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 第三工程を第二工程と異なる押出機を用
    いて行う請求項1乃至4のいずれか1項記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 第三工程で得られた重合物から重合残分
    としてのシクロポリシロキサン及び揮発性成分を連続的
    に除去する第四工程を行うことを特徴とする請求項1乃
    至5のいずれか1項記載の製造方法。
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