JP3546359B2 - 油水分離装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油と水が混じりあった油水混合液をそれぞれの比重差を利用して両者を連続的に分離し、油及び水それぞれを排出する油水分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、金属の機械加工現場等においては切削油、潤滑油、研削油等を含む油水混合液が発生するが、それを直接廃棄できないため処理をする必要がある。この油水混合液を油と水に分離するための一手段として、比重差を利用して分離する油水分離装置が用いられている。この油水分離装置は、油水混合液を油水分離槽に流入して貯留させ、比重の小さい油を油水分離槽内で浮上させて、分離した油及び水それぞれを排出するものである。
例えば、特開2001−252503号公報には、油水混合の液体を流れるように形成して、一方の端部から混合液を流入して油水分離槽内で比重差を利用して浮上した油を他方の端部から排出する油水分離装置であり、油水分離槽内に流路を蛇行させて長くすると共に、乱流を発生させつつ方向を転換させる衝突部位を有する仕切板部材を具備する油水分離装置が開示されている。
【0003】
さらに、特開平8−252404号公報には、比重差により油と水を浮上分離させる油水浮上分離装置であり、多孔を有し円錐状で中央孔を備えた第1及び第2の分離板を、油水分離槽内部に交互に隙間を設けて積み重ねて構成し、第1の分離板と第2の分離板との孔の上下方向の位置がずれて配設されて、孔を通過した液が、下方の分離板の壁に衝突するように構成された油水分離装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の油水分離装置の油水分離槽内に油水混合液を流入し、比重差を利用して、自然に油を浮上させて油と水とを分離させる方法では、油水分離槽内での油水混合液をかなりの時間貯留させる必要がある。しかも、この方法では、油水分離槽内に油水混合液が貯留する時間内に油が十分に浮上せず、油水の分離が不完全となる場合がある。
また、特開2001−252503号公報の油水分離装置では、油水分離装置内に形成された複数の板材に、油水の混合液が衝突することにより油水の分離効果は促進されるが、浮上して分離した油の排出手段が明確に開示されておらず、まだ改善する余地がある。さらに、この油水分離装置は、油水分離槽内に何層もの板材が積層された複雑な構造のため、製造コストが増大する虞がある。
【0005】
さらに、特開平8−252404号公報の油水分離装置では、この油水分離装置内に金属くず等の固形物が混入した場合、この固形物が分離板に形成された孔を閉塞して、分離作用に不都合を生じる虞がある。また、この油水分離装置は、油水分離槽内に何層もの板材が積層され複雑な構造になっているので、製造コストが増大すると共に、前述した固形物により孔が閉塞された場合、メンテナンス作業も煩雑になる虞がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、簡易な構造によって油水混合液を連続的に分離させると共に、分離した油と水それぞれを確実に外部に排出する油水分離装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明は、内部に、水に油が混入している油水混合液が流入し、比重差を利用して水と油に分離させる油水分離槽を設け、分離された油及び水のそれぞれを外部に排出する油水分離装置において、
前記油水分離槽内に、流入口から流入された油水混合液を前記油水分離槽の一方の短手側側壁に向って流動させるべく、前記油水分離槽の上壁の下方に設けられ、前記一方の短手側側壁に向って延びると共に該一方の短手側側壁に対向する先端部を水平面に対して斜下方向に傾斜させた整流板と、該整流板の下方に設けられ、前記一方の短手側側壁から水平面に対して斜上方向に延びる油水分離整流板と、分離された油が流入する開口端部を有すると共に該油を外部に排出する中空の集油桝とを設け、前記油水分離整流板の先端部と前記集油桝の開口端部とが前記油水分離槽内に貯留する油水混合液の液面に近接して配置されることを特徴とする。
このように構成することにより、油水混合液は、整流板の先端部に沿って一定方向に流下して、流下した油水混合液は、油水分離整流板と衝突して油粒子及び水粒子が各々凝集して粗分離の状態で油水分離整流板に沿って斜上方に流れて液面まで到達する。液面に到達した油粒子は、比重が小さいので表面張力により液面に油膜となって浮遊して集油桝内に集められ外部に排出されると共に、水粒子は、沈降力により下方へ沈降する。
【0008】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、前記集油桝の開口端部が、前記油水分離整流板の先端部に向って、水平面に対して斜下方向に傾斜していることを特徴とする。
このように構成することにより、分離された油粒子は集油桝の傾斜した開口端部に容易に導かれ外部に排出される
【0009】
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載した発明において、前記集油桝は有底角筒状に形成され、外部に連通する排出管が前記集油桝の底部に接続され、前記傾斜した開口端部の対向する高い壁部と低い壁部のそれぞれの上端部に、互いに離間する方向に延びる整流堰が形成されることを特徴とする。
このように構成することにより、整流堰によって開口端部の近傍の油を多く含む液が容易に集油桝内に導かれて、外部に排出管を介して排出される
【0010】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれかに記載した発明において、前記油水分離槽内に、前記油水分離槽の上壁から下方向に延びて且つ前記油水分離槽の他方の短手側側壁に対面してこれと平行な板である共に、下端部が前記油水分離槽の底壁から離れている隔壁を設け、該隔壁と前記他方の短手側側壁との間に、分離された水を外部に排出する排水流路を形成することを特徴とする。
このように構成することにより、油水分離槽内に貯留している油を多く含む液が、排水流路内に侵入することを防ぐことができる。
【0011】
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載した発明において、前記排水流路内の外部と近接する位置に、複数の吸着材を前記油水分離槽の短手方向に延在して配設することを特徴とする。
排水流路内に複数の吸着材を配設したので、この吸着材分離した水を多く含む液に付着した異物や分離されなかった油等を吸着し取り除くことができる。
【0012】
請求項6に記載した発明は、請求項1〜5のいずれかに記載した発明において、前記油水混合液が流入する流入口の近傍に、前記油水混合液を濾過するフィルタを前記油水分離槽の短手方向に延在して配設することを特徴とする。
このように構成することにより、油水混合液内に混入した金属くず等の固形物を排除することができる。
【0013】
請求項7に記載した発明は、請求項1〜6のいずれかに記載した発明において、前記油水分離槽の下部に移動可能手段を装着したことを特徴とする。
油水分離槽の下部に移動可能手段例えばキャスター等を配設したので、この油水分離装
置の移動を容易に行うことができ、取り扱いが簡便となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る油水分離装置を図1〜図5に基いて詳細に説明する。
図1〜図3に示すように、油水分離装置1は、内部に、油水混合液を流入させ、油を浮上分離させる油水分離槽2と、分離した水を多く含む液を外部に排出する排水流路3とから概略構成されており、さらに、油水分離槽2内に、分離した油を多く含む液を外部に排出する集油桝4と、油水混合液の流路を形成する整流板5及び油水分離整流板6とを具備している。
【0015】
まず、油水分離槽2は、ステンレスからなる金属製の箱状で、前後方向、上下方向及び幅方向の長さがそれぞれ所定の長さ(幅長<上下長<前後長)に形成され、内部に所定の容量の油水混合液を分離させて一時的に貯留させるものである。また、油水分離槽2に形成された上壁2bのほぼ中央には、略矩形状の開口である油水混合液の流入口2cを形成している。
また、整流板5は、板状で油水分離槽2の幅方向に延在するように設けられ、一端部を流入口2cのほぼ後方で上壁2bの裏面に溶着され、直下方に指向する整流下行板5aが形成されている。また、この整流下行板5aの下端から連続して、前方に指向する整流平行板5bを形成して、この整流平行板5bと上壁2bとの間には複数の小孔を有した板状のフィルタ10が立設され、油水分離槽2の幅方向に延在して配設されている。さらに、整流平行板5bの先端部には水平面に対して所定の角度θ1で下方に傾斜する整流斜行板5cを形成している。なお、所定の角度θ1は、例えば45°に設定されている。
【0016】
さらに、油水分離整流板6は、板状で油水分離槽2の幅方向に延在するように設けられ、その一端部は整流平行板5bから所定距離の下方の位置で、油水分離槽2の前壁2dの裏面に溶着されると共に、水平面に対して傾斜角度θ2で斜上方に指向して延在している。また、油水分離整流板6の他端(先端部)6aは、油水分離槽2の液面11の近傍になるように配設される。なお、油水分離整流板6の傾斜角度θ2は、例えば10°〜20°に設定されている。
【0017】
また、集油桝4は、一側面を油水分離槽2の前後方向ほぼ中央の一側壁2eに、液面11から範囲Wの間で固着されており、集油桝4の開口端部4aを液面11に近接して配設している。また、集油桝4は、油水分離槽2の一側壁2eを介して外部と連通する排出管20と連通している。図4及び図5に示すように、集油桝4は中空の略矩形状(有底角筒状)に形成されており、集油桝4の開口端部4aは、図2に示す油水分離整流板6の先端部6aに対向するように、水平面に対して傾斜角度θ3で斜下方向に傾斜すると共に、上下一対の開口端壁(高い壁部と低い壁部)4b、4bのそれぞれから鉛直面に対して所定の角度θ4、θ4’で外方(互いに離間する方向)に傾斜して延設される整流堰4cを形成している。
【0018】
さらに、隔壁7は、板状であって油水分離槽2の後方側で、油水分離槽2の幅方向に延在し、上方端部が油水分離槽2の上壁2bの後方端部に固着されており、下方端部7aは、油水分離槽2で分離した水が排出されるように、油水分離槽2の底壁2fとの間で所定の間隔を設けるように配設されている。
また、排水流路3は、この隔壁7の外後方側(範囲T)で、油水分離槽2の幅方向に延在しており、排水流路3の後壁(油水分離槽2の後壁)3aは油水分離槽2の底壁2fの後端から連続して上方に延在している。また、隔壁7には後方側に突設して油水分離槽2の幅方向に延在する板材8が固着されており、この板材8と後壁3aとが交差するように配設されている。そして、排水流路3の後壁3aの外後方側(範囲T’)に、排水流路30が油水分離槽2の幅方向に延在し配設されている。
【0019】
また、排水流路3、30とが連通するように、板材8及び後壁3aに連通隙間8a及び3bをそれぞれ形成しており、排水流路30はその一側壁30bを介して外部と連通する排出管21と連通している。また、この排水流路3、30内に配設される板材8には、断面略矩形状の吸着材12、12例えばグラスウールが油水分離槽2の幅方向に延在して載置されている。
また、この排水流路3、30の上方には、蓋体22が油水分離槽2の幅方向に延在して、排水流路3、30とを閉塞するように載置されている。
さらにまた、油水分離槽2の底壁2fには、移動可能手段のキャスター9が所定の間隔で4台固定され、この油水分離装置1の移動を可能にしている。
【0020】
次に、このように構成された油水分離装置において、油水混合液の流入から分離した油及び水それぞれの排出までの流れを図2に基いて説明する。
最初に、油水分離槽2内に油水分離整流板6の先端部6aの高さ迄、水を入れておく。次に、所定の容量の油水混合液を油水分離槽2の流入口2cに流入すると、この油水混合液は、整流板5の整流下行板5a及び整流平行板5bに沿って前方向に流れて、フィルタ10で異物が濾過され、整流斜行板5cの傾斜に沿って下方に流下する。そして、矢印50に示すように、流下した油水混合液は油水分離整流板6に衝突して、油粒子及び水粒子の各粒子同士の凝集が促され、両者粗分離の状態で油水分離整流板6に沿って斜上方に流れて液面11まで到達する。
【0021】
そして、矢印51に示すように、液面11に到達した油は、比重が小さいので表面張力により液面11に油膜となって浮遊する。そして、流入口2cから徐々に流入する油水混合液により、液面11が移動するので、分離された油を多く含む液は、液面11の近傍に配設された集油桝4の開口端部4aの整流堰4cによって集油桝4内に導かれて、排出管20から外部に排出される。
また、矢印52に示すように、液面11に到達した水は、沈降力により油水分離槽2の底部に沈降して、分離された水を多く含む液は、隔壁7の下方端部7aと油水分離槽2の底壁2fとの間を通って、排水流路3、30に流入し、吸着材12、12を介して分離されなかった油の大部分を吸着し排出管21から外部に排出される。
上記のように油水混合液を処理することにより、従来より排水処理に時間を要せずに油と水を分離できる。本装置によれば、排水処理された水をさらに処理することにより、油分の含有率をさらに低下させることができる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載した発明によれば、油水混合液は、整流板の先端部に沿って一定方向に流下して、油水分離整流板と衝突して油粒子及び水粒子が各々凝集され粗分離の状態で油水分離整流板に沿って斜上方に流れて液面まで到達する。液面に到達した油粒子は、比重が小さいので表面張力により液面に油膜となって浮遊すると共に、集油桝に導かれて外部に排出され、水粒子は沈降力により下方へ沈降する。
【0023】
請求項2に記載した発明によれば、集油桝の開口端部を、油水分離整流板の先端部に向って、水平面に対して斜下方向に傾斜させたので、分離された油粒子は、集油桝の傾斜した開口端部に容易に導かれて外部に排出することができる。
【0024】
請求項3に記載した発明によれば、集油桝の傾斜した開口端部の対向する高い壁部と低い壁部のそれぞれの上端部に、互いに離間する方向に延びる整流堰が形成されるので、この整流堰により開口端部の周辺に浮遊する油を多く含む液を容易に集油桝内に導くことができる。
【0025】
請求項4に記載した発明によれば、油水分離槽内に隔壁を設け、この隔壁と油水分離槽の他方の短手側側壁との間に排水流路を形成したので、油水分離槽内に貯留している油を多く含む液が、排水流路内に侵入することを防ぐことができる。
【0026】
請求項5に記載した発明によれば、排水流路内に複数の吸着材を配設したので、この吸着材分離した水を多く含む液に付着した異物や分離されなかった油等を吸着し取り除くことができる。
【0027】
請求項6に記載した発明によれば、油水混合液を流入する流入口の近傍に油水混合液を濾過するフィルタを配設したので、油水混合液内に混入した金属くず等の固形物を排除することができる。
【0028】
請求項7に記載した発明によれば、油水分離槽の下部に移動可能手段例えばキャスター等を配設したので、この油水分離装置の移動を容易に行うことができ、取り扱いが簡便となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る油水分離装置の平面図である。
【図2】図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係る油水分離装置の側面図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係る油水分離装置の構成部品である集油桝の開口端部を示す斜視図である。
【図5】図5は、図4のB−B線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 油水分離装置
2 油水分離槽
3、30 排水流路
4 集油桝
4a 開口端部
4b 開口端壁
4c 整流堰
5 整流板
5c 整流斜行板(先端部)
6 油水分離整流板
7 隔壁
7a 下方端部
9 キャスター
10 フィルタ
11 液面
12 吸着材

Claims (7)

  1. 内部に、水に油が混入している油水混合液が流入し、比重差を利用して水と油に分離させる油水分離槽を設け、分離された油及び水のそれぞれを外部に排出する油水分離装置において、
    前記油水分離槽内に、流入口から流入された油水混合液を前記油水分離槽の一方の短手側側壁に向って流動させるべく、前記油水分離槽の上壁の下方に設けられ、前記一方の短手側側壁に向って延びると共に該一方の短手側側壁に対向する先端部を水平面に対して斜下方向に傾斜させた整流板と、該整流板の下方に設けられ、前記一方の短手側側壁から水平面に対して斜上方向に延びる油水分離整流板と、分離された油が流入する開口端部を有すると共に該油を外部に排出する中空の集油桝とを設け、前記油水分離整流板の先端部と前記集油桝の開口端部とが前記油水分離槽内に貯留する油水混合液の液面に近接して配置されることを特徴とする油水分離装置。
  2. 前記集油桝の開口端部が、前記油水分離整流板の先端部に向って、水平面に対して斜下方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の油水分離装置。
  3. 前記集油桝は有底角筒状に形成され、外部に連通する排出管が前記集油桝の底部に接続され、前記傾斜した開口端部の対向する高い壁部と低い壁部のそれぞれの上端部に、互いに離間する方向に延びる整流堰が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の油水分離装置。
  4. 前記油水分離槽内に、前記油水分離槽の上壁から下方向に延びて且つ前記油水分離槽の他方の短手側側壁に対面してこれと平行な板である共に、下端部が前記油水分離槽の底壁から離れている隔壁を設け、該隔壁と前記他方の短手側側壁との間に、分離された水を外部に排出する排水流路を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油水分離装置。
  5. 前記排水流路内の外部と近接する位置に、複数の吸着材を前記油水分離槽の短手方向に延在して配設することを特徴とする請求項4に記載の油水分離装置。
  6. 前記油水混合液が流入する流入口付近に、前記油水混合液を濾過するフィルタを前記油水分離槽の短手方向に延在して配設することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の油水分離装置。
  7. 前記油水分離槽の下部に移動可能手段を装着したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の油水分離装置。
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