JP3546248B2 - ベンゾトリアゾール系化合物含有水性製剤の製造方法及びその水性製剤 - Google Patents

ベンゾトリアゾール系化合物含有水性製剤の製造方法及びその水性製剤 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、金属防食剤としてとして有用なベンゾトリアゾール系化合物含有水性製剤の製造方法及びその水性製剤に関する。特に水難溶性のベンゾトリアゾール系化合物を水に溶解した水性製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物が、銅系金属の防食剤として有効であることはよく知られている。これらベンゾトリアゾール系化合物を市場に提供するにあたり、その取扱い上液体製剤、特に水性製剤が好ましいが、これらベンゾトリアゾール系化合物の水に対する溶解度は20℃において純水100gに対して0.5〜1gであり、水道水を使用した場合にはその溶解度は0.1g以下となり、さらに、10℃以下の温度ではほとんど水に溶解しない。
【0003】
このように、ベンゾトリアゾール系化合物の水性製剤は、高濃度(通常0.2〜15重量%)のベンゾトリアゾール系化合物を溶解することができず、また、例えば、純水を使用して0.5重量%のトリアゾール系化合物水性製剤ができたとしても、水道水を使用する場合に比較して高価なものとなるとともに、屋外に保存した場合、冬期の低温時に貯蔵タンク底部に結晶が析出し、薬液ラインやポンプ等の閉塞の原因となる問題点があった。
【0004】
それ故、市販の液体製剤においては、水酸化ナトリウムを3〜5%含有する水性製剤か、エチルアルコールやエチレングリコール等の親水性溶媒を5〜30%含有する水性製剤とされている。
また、この発明に使用するアクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム・次亜リン酸ナトリウム付加重合物は、工場設備内の冷却水系、蒸気発生系等の水系における金属表面へのリン酸カルシウム、炭酸カルシウム等のスケール形成の抑制剤や水中に存在する粘土等の分散剤として知られている(特公平5−57992号公報、第9頁、第17欄、第18〜24行、第11頁第22欄、第39〜45行及び実施例33〜47参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ベンゾトリアゾール系化合物の水酸化ナトリウムを含有する水性製剤を製造するためには、固形の水酸化ナトリウムや高濃度の水酸化ナトリウム水溶液が必要となるが、水酸化ナトリウムは医薬用外劇物で、水酸化ナトリウムを5%以上含有する製剤は、その運搬や貯蔵時に法的規制(毒物劇物取締法)があり、また、製造時の取扱いに危険が伴うという欠点を有する。
【0006】
かかる水酸化ナトリウム含有製剤を工業用冷却水系に添加した場合には、冷却水のpHを上昇させ、炭酸カルシウム等のスケール障害の原因になることも知られている。
また、親水性溶媒を含有する水性製剤は経済的に高価になるという欠点と、排水の際、CODを上昇させるためその使用が制限されるという欠点を有する。
【0007】
さらに、ベンゾトリアゾール類の水酸化ナトリウム含有水性製剤に鉄系金属の防食剤である重合リン類、正リン類等のリン化合物を配合した一液製剤を調製した場合、夏期の高温時や冬季の低温時に貯蔵タンク底部に結晶が析出し、薬液ラインやポンプ等の閉塞の原因となる問題点があった。
特に、鉄系金属防食剤である塩化亜鉛等の亜鉛イオンを水中で容易に放出する化合物は酸性水溶液中には溶解するがアルカリ性水溶液にはほとんど溶解しないため、上記ベンゾトリアゾール類の水酸化ナトリウム含有水製剤中に配合することができないという問題点があった。
【0008】
この発明の目的は、医薬用外劇物である水酸化ナトリウムを使用することなく、また、排水規制の対象となる親水性有機溶媒を配合することなく、水不溶性のベンゾトリアゾール系化合物を水性製剤として製造し得るとともに、低温時に貯蔵しても結晶の析出等の問題がない貯蔵安定性良好なベンゾトリアゾール系化合物含有水性製剤を提供することである。
【0009】
さらに、この発明の目的は、ベンゾトリアゾール系化合物と上記鉄系金属防食剤とを一液製剤として調製し、高温時や低温時に貯蔵しても結晶の析出等の問題がない貯蔵安定性良好な水性製剤を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かくして、この発明によれば、
(a)銅系金属の防食剤として一般式〔I〕:
【0011】
【化11】
Figure 0003546248
【0012】
〔式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を示し、Rは水素原子又は式:
【0013】
【化12】
Figure 0003546248
【0014】
(式中、R3及びR4は同一あるいは異なって、それぞれ水素原子、ヒドロキシ基、低級アルキル基又はヒドロキシ低級アルキル基を示す。)で表わされる基を示す。〕
で表わされるベンゾトリアゾール系化合物の水に対する溶解度より多い量を水に溶解させるにあたり、溶解促進剤として一般式〔II〕:
【0015】
【化13】
Figure 0003546248
【0016】
〔式中、Mは水素原子又はアルカリ金属原子、X、Yは夫々
次式:
【0017】
【化14】
Figure 0003546248
【0018】
又は
【0019】
【化15】
Figure 0003546248
【0020】
(式中、M’はMと同意義、n+m+n’+m’=16、但し、n+m=0であってもよい。)で示される基を示す。〕
で表わされる付加重合物又はその塩とを、ベンゾトリアゾール化合物1に対して重量比として2〜50の割合で添加することを特徴とするトリアゾール系化合物含有水性製剤の製造方法、及び
(b)上記ベンゾトリアゾール系化合物含有水性製剤が提供される。
【0021】
この発明において、ベンゾトリアゾール系化合物は公知の銅系金属防食剤であり、上記一般式〔I〕で表されるが、式〔I〕においてR,R及びRで示される低級アルキル基、低級アルコキシ基及びヒドロキシ低級アルキル基における「低級」とは、炭素数1〜5を意味し、例えば低級アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル基等が挙げられ、低級アルコキシ基としてはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ基等が挙げられ、及びヒドロキシ低級アルキル基としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
【0022】
上記ベンゾトリアゾール化合物の具体的化合物としては、ベンゾトリアゾール、o−トリルトリアゾール、m−トリルトリアゾール、p−トリルトリアゾール、5−エチルベンゾトリアゾール、5−n−プロピルベンゾトリアゾール、5−イソブチルベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾトリアゾール、5−クロルベンゾトリアゾール、4−ニトロベンゾトリアゾール、5−メトキシベンゾトリアゾール、5−ヒドロキシベンゾトリアゾール又は1−(置換アミノメチル)−トリルトリアゾールが例示され、そのうち、ベンゾトリアゾール、o−トリルトリアゾール、m−トリルトリアゾール、p−トリルトリアゾール又は1−(置換アミノメチル)−トリルトリアゾールを用いるのが、銅系金属の防食効果の点で好ましい。
上記1−(置換アミノメチル)−トリルトリアゾールは、チバ・ガイギー アクチエンゲゼルシャフトから商品名「IRGAMET 42」として市販されており、この商品を好適に使用できる。
【0023】
また、一般式〔II〕において、M又はM’で示されるアルカリ金属原子としては、ナトリウム又はカリウム原子が挙げられ、特にナトリウム原子が好ましい。一般式〔II〕で表される化合物の具体的化合物としては、アクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム・次亜リン酸ナトリウム付加重合物が挙げられ、この化合物は、特公平5−57992号公報に記載の方法に従って合成できる。また、この付加重合物の塩としては、硫酸塩、次亜リン酸ナトリウム塩等が用いられる。
【0024】
これら付加重合物〔II〕又はその塩のうち、重量平均分子量が1500〜1800であり、総モノマー対亜リン酸ナトリウムのモル比が16:1である付加重合物を用いるのが、トリアゾール系化合物の水に対する溶解促進効果及び製造された水性製剤の貯蔵安定効果の点で好ましい。
かかるアクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム・次亜リン酸ナトリウム付加重合物は、その50%水溶液がFMC社(英国)より商品名「Belclene 400」として市販されており、この商品を好適に使用できる。
【0025】
上記付加重合物〔II〕又はその塩は、ベンゾトリアゾール系化合物の水に対する溶解促進作用、及び得られた水性製剤の低温時における結晶析出防止作用等の貯蔵安定作用を有する。
【0026】
ベンゾトリアゾール系化合物〔I〕に対する付加重合物〔II〕又はその塩の添加割合は、重量比として1:2〜1:50であり、1:5〜1:20とするのが、ベンゾトリアゾール系化合物の水に対する溶解促進効果及び低温時における結晶析出抑制効果の点で好ましい。
【0027】
上記添加割合において、ベンゾトリアゾール系化合物〔I〕1重量%に対して付加重合物〔II〕又はその塩が2重量%未満であるとベンゾトリアゾール系化合物の水に対する溶解促進効果及び低温時における結晶析出抑制効果の点で好ましくなく、50重量%以上配合してもベンゾトリアゾール系化合物の水に対する溶解促進効果及び低温時における結晶析出抑制効果の上昇は期待できず、経済的な理由で好ましくない。
【0028】
この発明の水性製剤は、ベンゾトリアゾール系化合物〔I〕に付加重合物〔II〕又はその塩を上記割合で添加し、水を加えて混合撹拌することにより製造することができる。なお、この際必要ならば加温(30〜50℃)してもよい。
また、この発明の水性製剤において、付加重合物〔II〕又はその塩の添加量は、経済的な理由で水100gに対し50g未満とするのが好ましい。
【0029】
この発明によると、ベンゾトリアゾールの種類により異なるが、水100gに対して、ベンゾトリアゾール系化合物〔I〕を0.2g以上溶解することができ、その上限は15gである。
この発明の水性製剤は、低温時においてもベンゾトリアゾール系化合物〔I〕の結晶が析出することなく、長期間安定に貯蔵することができる。
【0030】
さらに、この発明によると上記水性製剤にさらに水溶性鉄系金属防食剤を含有する水性製剤が提供される(先の水性製剤と区別するため、先の水性製剤を水性製剤(1)とし、この水性製剤を水性製剤(2)とする。)
この水性製剤(2)において、水溶性鉄系金属防食剤としては、重合リン酸類、リン酸、リン酸塩等のリン酸類及び亜鉛イオンを水中で容易に放出する化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物が挙げられる。
【0031】
具体的化合物としては、ピロリン酸、トリポリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、ヘキサメタリン酸、デカメタリン酸、それらのナトリウムもしくはカリウム塩等の重合リン酸類;第1リン酸ナトリウム、第1リン酸カリウム、第2リン酸ナトリウム、第2リン酸カリウム、第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウム、リン酸(正リン酸又はオルトリン酸ともいう。)等のリン酸類;塩化亜鉛、硫酸亜鉛等の亜鉛イオンを水中で容易に放出する化合物が挙げられる。
【0032】
これら具体例のうち、塩化亜鉛、リン酸、ヘキサメタリン酸ナトリウム、リン酸と塩化亜鉛、ヘキサメタリン酸ナトリウムと塩化亜鉛、リン酸とヘキサメタリン酸ナトリウム又はヘキサメタリン酸ナトリウムとリン酸と塩化亜鉛から選ばれる一種又は二種以上の組合せによる鉄系金属防食剤を含有するのが鉄系金属に対する防食効果の点で好ましい。
【0033】
この発明の水性製剤(2)は、前記水性製剤(1)に上記鉄系金属防食剤を混合撹拌することにより製造される。この鉄系金属防食剤の配合量を1〜30重量%とし、3〜20重量%とするのが得られた水性製剤(2)の貯蔵安定性の点でより好ましい。
また、この発明の効果を阻害しない限り、他の水性金属防食剤、例えば、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸アンモニウム等のモリブデン酸類;グリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸及びそれらのナトリウム又はカリウム塩等のオキシカルボン酸類;ニトリロトリメチルホスホン酸、1,1−ヒドロキシエタンジホスホン酸、ビスポリ−2−カルボキシエチルホスフィン酸、それらのナトリウムもしくはカリウム塩等の有機リン類等をさらに配合溶解することもできる。
【0034】
この発明の方法により得られた水性製剤(2)は、低温時においてもベンゾトリアゾール系化合物〔I〕の結晶が析出することなく、また、高温時や低温時においても上記鉄系金属防食剤の結晶が析出することなく長期間安定に貯蔵することができる。
上記水性製剤(2)において、使用される付加重合物〔II〕は、高温時や低温時の貯蔵におけるベンゾトリアゾール系化合物〔I〕や鉄系金属防食剤の結晶の析出抑制作用を有する。
【0035】
この発明の水性製剤は、(1)、(2)いずれも、銅製又は銅・鉄製パイプ及び同容器中水系もしくは循環している水系に適用され、例えば不凍液、開放及び密閉循環冷却水、温水供給系、水溶性の切削油剤、金属洗浄剤、メッキ液、水性塗料等に添加して使用される。
【0036】
【実施例】
以下、この発明を試験例及び実施例により説明する。
【0037】
実施例1 水性製剤(1)の製造
ベンゾトリアゾール系化合物としてトリルトリアゾール1.0重量部、アクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム・次亜リン酸ナトリウム付加重合物としてBelclene 400(商品名、FMC社製、英国)(以下、Belclene 400と略称)10重量部及び水道水89重量部を混合攪拌し、実施例1の製剤(表1中試験No.1に相当)を得た。
【0038】
実施例2〜3
上記実施例1と同様の方法で、表1試験No.2〜3記載の組成で実施例2〜3の製剤を得た。
【0039】
比較例1〜6
比較のために、ベンゾトリアゾール系化合物だけ、又はベンゾトリアゾール系化合物とBelclene 400以外の溶解促進剤を含有する製剤を調製し、比較例1〜6(表1中試験No.4〜9に相当)とした。
【0040】
試験例1
試験方法
表1に記載の各製剤100gを密閉容器に移し、−5℃及び50℃の恒温槽に保管した。評価は、15日間の保管で濁りや沈澱、分離の生じないものを○とし、また、攪拌したとき溶解しなかったもの及び15日間の保管で濁りや沈澱、分離を生じたものを×として評価した。
【0041】
それらの製剤例及び試験結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003546248
【0043】
なお、表中の記号は次の化合物を示す。
BT:ベンゾトリアゾ─ル
TT:トリルトリアゾ─ル
IRGAMET :トリアゾール誘導体、チバ・ガイギー アクチエンゲゼルシャフト社製商品名「IRGAMET 42」
BEL−400 :アクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム・次亜リン酸ナトリウム付加重合物の50w/w%水溶液、FMC社(英国)製商品名「Belclene 400」
BEL−500 :ビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスフィン酸の35w/w%水溶液、FMC社(英国)製商品名「Belclene 500」
BEL−164 :ビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスフィン酸の40w/w%水溶液、FMC社(英国)製商品名「Belsperse 164」
ヘキサ:ヘキサメタ燐酸ナトリウム
注)また、上記に記載のように付加重合物(BEL−400,BEL−500,BEL−164)は夫々水を含有しているが、表中には、水を除いた純分換算値を記載した。従って表中の水道水量は実際に用いる量より増加させて記載した。単位は重量%である。
【0044】
実施例4〜11 水性製剤(2)の製造
ベンゾトリアゾール系化合物、Belclene 400、鉄系金属防食剤及び水を表2に記載の組成で加えて実施例4〜11の製剤(表2中、No.1〜8に相当)とした。
【0045】
比較例7〜14
ベンゾトリアゾール系化合物とBelclene 400以外の溶解促進剤を含有する製剤、又はベンゾトリアゾール系化合物、Belclene 400以外の溶解促進剤及び鉄系防食剤を含有する製剤を調製し、比較例7〜14(表2中、No.9〜16に相当)とした。
【0046】
試験例2
試験例1と同様の方法で試験を行った。
それらの製剤例及び試験結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
Figure 0003546248
【0048】
【表3】
Figure 0003546248
【0049】
【発明の効果】
この発明の製剤は、水に難溶性のトリアゾール系化合物を特定の付加重合物の添加により、低温時及び高温時においても、結晶が析出せず、長期貯蔵、及び低温や高温時の銅系金属の防食に用いられる。
また、この製剤は、鉄系金属防食剤を添加しても結晶析出することなく銅系及び鉄系金属の防食に用いられる。

Claims (8)

  1. 銅系金属の防食剤として一般式〔I〕:
    Figure 0003546248
    〔式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を示し、R2は水素原子又は式:
    Figure 0003546248
    (式中、R3及びR4は同一あるいは異なって、それぞれ水素原子、ヒドロキシ基、低級アルキル基又はヒドロキシ低級アルキル基を示す。)で表わされる基を示す。〕
    で表わされるベンゾトリアゾール系化合物の水に対する溶解度より多い量を水に溶解させるにあたり、溶解促進剤として一般式〔II〕:
    Figure 0003546248
    〔式中、Mは水素原子又はアルカリ金属原子、X、Yは夫々
    次式:
    Figure 0003546248
    又は
    Figure 0003546248
    (式中、M’はMと同意義、n+m+n’+m’=16、但しn+m=0であってもよい。)で示される基を示す。〕
    で表わされる付加重合物又はその塩を、ベンゾトリアゾール系化合物1に対して重量比として2〜50の割合で添加することを特徴とするベンゾトリアゾール系化合物含有水性製剤の製造方法。
  2. ベンゾトリアゾール系化合物の水に対する溶解度より多い量が、水100gに対して0.2〜15gである請求項1に記載のベンゾトリアゾール系化合物含有 水性製剤の製造方法。
  3. 一般式〔II〕で表される付加重合物が、アクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム・次亜リン酸ナトリウム付加重合物であり、かつ、その重量平均分子量が1500〜1800及び総モノマー対亜リン酸ナトリウムのモル比が16:1である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 銅系金属の防食剤として一般式〔I〕:
    Figure 0003546248
    〔式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を示し、R2は水素原子又は式:
    Figure 0003546248
    (式中、R3及びR4は同一あるいは異なって、それぞれ水素原子、ヒドロキシ基、低級アルキル基又はヒドロキシ低級アルキル基を示す。)で表わされる基を示す。〕
    で表わされるベンゾトリアゾール系化合物と、
    一般式〔II〕:
    Figure 0003546248
    〔式中、Mは水素原子又はアルカリ金属原子、X、Yは夫々
    次式:
    Figure 0003546248
    又は
    Figure 0003546248
    (式中、M’はMと同意義、n+m+n’+m’=16、但しn+m=0であってもよい。)で示される基を示す。〕
    で表わされる付加重合物又はその塩とを含有する水性製剤でありベンゾトリアゾール系化合物がその水に対する溶解度より多い量であり、かつ一般式〔 II 〕の付加重合物又はそ の塩がベンゾトリアゾール系化合物1に対して重量比として2〜50の割合で含有することを特徴とするベンゾトリアゾール系化合物含有水性製剤。
  5. ベンゾトリアゾール系化合物の水に対する溶解度より多い量が、水100gに対して0.2〜15gである請求項4に記載のベンゾトリアゾール系化合物含有水性製剤。
  6. 一般式〔II〕で表される付加重合物が、アクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム・次亜リン酸ナトリウム付加重合物であり、かつ、その重量平均分子量が1500〜1800及び総モノマー対亜リン酸ナトリウムのモル比が16:1である請求項4又は5に記載の水性製剤。
  7. さらに水溶性鉄系金属防食剤を含有する請求項4〜6にいずれか1つに記載の水性製剤。
  8. 水溶性鉄系金属防食剤が、重合リン酸類、リン酸、リン酸塩から選ばれる無機リン酸類及び亜鉛イオンを水中で容易に放出する化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項7に記載の水性製剤。
JP08554595A 1995-04-11 1995-04-11 ベンゾトリアゾール系化合物含有水性製剤の製造方法及びその水性製剤 Expired - Lifetime JP3546248B2 (ja)

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