JP3546196B2 - クリップ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯物品用のストラップやサスペンダー等に好適に利用することができるクリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のクリップとしては、一対の挟持部材を相互に回動自在に連結することにより、その先端側を開閉自在に構成したものが一般的であるが、その開閉の方法としては、次のようなものが公知である。
その一つとして、実登3031525号公報等に開示されているクリップは、一対の挟持部材をバネによって閉じる方向に付勢し、開くときは一対の挟持部材の後端部を指で摘むことでバネに抗して先端側を押し広げるものとなっており、これは、最も簡素な構造で安価に製作することができるものの、物に挟み付けるときに挟持部材を指で摘んでおかなければならず、操作が面倒であるとともに指の力を維持しなければないという欠点がある。
【0003】
かかる欠点を解消できるものとして、例えば、特公昭56−29525号公報、特許第2704697号公報等に開示されたクリップがあり、これは、一対の挟持片を開く方向に付勢するとともに、一方の挟持部材に回動自在に設けた作用部材を他方の挟持部材に当接させることによってカムの作用で一対の挟持部材を閉じるように構成している。
この従来技術では、作用部材を回動操作するだけで簡単に一対の挟持部材を開閉することができるとともに、開いたときには付勢手段によって、閉じたときには作用部材によってそれぞれの状態を保持することができるという利点があり、操作性の点で非常に有用である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術では、作用部材を回動するだけで一対の挟持部材が簡単に開いてしまうため、何らかの外力により誤って作用部材が回動してしまうと挟み付けたものが不慮に外れてしまうという不都合があった。
例えば、携帯電話用のストラップとして上記クリップを利用している場合、携帯電話を胸ポケットや鞄のポケットに入れてクリップをポケットの縁に挟み付ければ携帯物品の落下防止を図ることが可能であるが、携帯電話をポケットから出し入れするとき等に、手などが誤ってクリップに当たったりストラップが引っ張られると、作用部材が回動してクリップがポケットの縁から外れてしまうことがあり、これではもはや落下防止機能は発揮されず、携帯電話が落下によって破損してしまう恐れが生じる。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、誤って作用部材が回動してストッパが解除された場合であっても、他のストッパが機能して一対の挟持部材を閉じた状態に維持することができるようにしたクリップを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明にかかるクリップは、先端側を開閉するように相互に回動自在に連結された一対の挟持部材と、この一対の挟持部材を開く方向に付勢する付勢手段と、一方の挟持部材の後部に設けられた被作用片と、他方の挟持部材の後部に回動自在に設けられかつ回動することにより前記被作用片に当接して前記付勢手段に抗して一対の挟持部材を閉じる作用部材と、一対の挟持部材を閉じているときに作用部材の回動を複数段階に規制するストッパ手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
これによって、作用部材が何らかの外力によって回動し、1つのストッパが解除されたとしても、他のストッパが機能して一対の挟持部材を閉じた状態に維持できるようになり、挟み付けた物から離脱してしまうようなことを防止できる。前記ストッパ手段は、前記被作用片に第1のストッパ突部を形成し、前記作用部材に、前記第1のストッパ突部に係脱自在とされた第2のストッパ突部と、前記他方の挟持部材の後端縁に係脱自在とされた第3のストッパ突部と、前記被作用片に当接・離反する当接部とを形成し、前記作用部材が所定の第1の回動位置で一対の挟持部材を閉じたとき、第3のストッパ突部が前記他方の挟持部材の後端縁に係合して前記作用部材の一方の方向の回動を規制すると同時に、第2のストッパ突部が第1のストッパ突部に係合して前記作用部材の他方の方向の回動を規制し、さらに、前記作用部材が所定の第2の回動位置で一対の挟持部材を閉じたとき、第2のストッパ突部が第1のストッパ突部に係合して前記作用部材の一方の方向の回動を規制すると同時に、当接部が被作用片に当接して前記作用部材の他方の方向への回動を規制するように構成されていることが推奨される。
【0008】
これによって、作用部材を2つの回動位置で2段階に回動規制する構成が簡単に得られることとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図6には、本発明の実施形態にかかるクリップ1を利用した携帯物品用ストラップ2を示しており、該ストラップ2は、合成樹脂材によりコイル状に形成された伸縮自在な紐状体3と、この紐状体3の両端部に設けられたループ状の取付紐4A,4Bと、一方の取付紐4Bに取り付けられた前記クリップ1とから構成されている。そして、他方の取付紐4Aを携帯電話や携帯ラジオ等の携帯物品に対して取り付けるとともに、前記クリップ1を衣服やカバン等に挟み付けることによって携帯物品の落下防止機能を発揮するものとなっている。
【0010】
前記クリップ1は合成樹脂材にて形成されており、その先端側を開閉可能とするように相互に回動自在に連結された一対の挟持部材6,7と、この一対の挟持部材6,7を開く方向に付勢する付勢手段8と、この付勢手段8に抗して一対の挟持部材6,7を閉じたり、また開いたりする開閉操作機構9とを有している。
図5にも示すように、一方(下側)の挟持部材6は、その先端側の上面に前後2列に配設された複数の挟持爪10を上方突出状に設けており、その後側には、挟持部材6の左右両側部を若干後上がり傾斜状に隆起することによってその間に溝部11を形成している。また、溝部11の後部左右中央には位置決め突起12が上方に突設され、挟持部材6の後部左右両側には、軸支持孔13aを有する下連結片13が上方に突設されている。また、この挟持部材6の後端左右両側には、軸孔14aを有する取付片14が後方へ突出状に設けられている。
【0011】
他方(上側)の挟持部材7は、その先端側の下面に横1列に配列された複数の挟持爪15を下方突出状に設けており、その後側には、前後に伸びる位置決め突条16を左右一対設けている。そして、位置決め突条16の後側には、下側の位置決め突起12に対向する位置決め突起17が下方突出状に形成されている。
上側の挟持部材7の後部には、やや幅狭とされた被作用片7Aが後方突出状に設けられており、この被作用片7Aの前部左右両側には、連結軸18aを左右外側に突出した上連結片18が下方突出状に設けられている。
【0012】
そして、上連結片18の連結軸18aを下連結片13に形成した軸支持孔13aに挿入することによって、上下の挟持部材6,7が相互に回動自在に連結されるようになっている。
前記付勢手段8は、弾性変形可能なポリエチレンやウレタン等の合成樹脂材又はゴム材料によって形成されており、やや厚肉の帯板を側面視くの字状に折曲した形状となっている。そして、図3及び図4にも示すように、付勢手段8の下辺部8aを下側挟持部材6の溝部11に嵌め込み、上辺部8bを左右位置決め突条16の間に嵌め込むことによって、付勢手段8が上下挟持部材6,7の間に左右方向の位置決めがされた状態で取り付けられ、一対の挟持部材6,7の先端側を開く方向に付勢するようになっている。
【0013】
また、付勢手段8は、上下挟持部材6,7に形成された位置決め突起12,17によって後方位置が所定に設定され、下辺部8aの先端を挟持爪10の後面に当接することによって前方位置が所定に設定されるようになっている。
また、付勢手段8は厚肉に形成されていて、一対の挟持部材6,7を閉じた状態でその下辺部8aと上辺部8bの先端同士が接触又は接近し、この間に衣服等を挟むことができるようになっており、これにより一対の挟持部材6,7による挟持力が増強されるようになっている。さらに、付勢手段8の上辺部8bには、下側挟持部材6の後列の挟持爪10がくい込むようになっており、これによって挟持力を一層増強できるようになっている。
【0014】
なお、上記のように付勢手段8によって衣服等を挟み付けることが可能であるため、挟持爪10,15は省略してもよい。また、付勢手段8は、金属製の板バネやねじりバネ等に置換したり、従来技術(特許第2704697号公報)のように挟持部材6,7自体の弾性を利用して開く方向に付勢する構成とすることができる。
前記開閉操作機構9は、上側の挟持部材7に形成された前記被作用片7Aと、下側の挟持部材6の後部に回動自在に取り付けられた作用部材20とを有している。
【0015】
作用部材20は、図5に示すように、その前部側に前記被作用片7Aに作用するカム部21を有し、その後部側に作用部材20を回動操作するために指で摘むことができる操作片22を有している。
カム部21は操作片22に比べて上下に厚く形成されるとともに左右幅が段部21aを介してやや狭く形成されており、その下面が円弧状に丸められ、下部側の両側面には回動軸23が左右外側に突出形成されている。そして、この回動軸23を下挟持部材6に形成した取付片14の軸孔14aに挿入することによって、作用部材20が下挟持部材6に回動自在に取り付けられるようになっている。
【0016】
操作片22は、後方へいくに従って徐々に上下に薄くなるようにその下面が円弧状に弯曲しながら後上がり傾斜しており、これによって操作片22を上下から指で摘み易くしている。
また、操作片22の後部側には上下に貫通する孔24が形成され、この孔24にストラップ2の一方の取付紐4Bが取り付けられるようになっている。
図1(a)に示すように、作用部材20は、下向きに回動している状態でカム部21が被作用片7Aから離反するようになっており、この際一対の挟持部材6,7は付勢手段8によってその先端側を開くようになっている。
【0017】
そして、作用部材20を上方(矢示A方向)へ回動操作すると、カム部21が被作用片7Aの下面に当接してこれを押し上げ、一対の挟持部材6,7の先端側を付勢手段8に抗して閉じるようになっている(図1(b)、図1(c))。
ここで、本発明にかかるクリップ1では、一対の挟持部材6,7は、作用部材20の回動位置が図1(b)の状態(第1の回動位置(角度)X)のときと、更に上方へ回動した図1(c)の状態(第2の回動位置(角度)Y)のときの両方で閉じられるようになっており、この各回動位置X,Yで、作用部材20はストッパ手段30によってその回動を規制されるようになっている。
【0018】
このストッパ手段30は、被作用片7Aの下面に形成された第1のストッパ突部31と、作用部材20におけるカム部21の上面前端部に形成された第2のストッパ突部32と、カム部21の下端部に形成された第3のストッパ突部33と、第2ストッパ突部32のやや後側に突出形成された直方体ブロック状の当接部34と、を有している。
そして、作用部材20を下方に向けた図1(a)の状態(ストッパ解除状態)から図1(b)のように作用部材20を第1の回動位置Xに回動すると、図2にも実線で示すように、第3のストッパ突部33は、下挟持部材6の後端縁6Aを乗り越えてその下側に係合し、第2のストッパ突部32は、第1のストッパ突部31の後側に係合するようになっている。
【0019】
これにより、矢示Bで示す一方の方向(下方)への作用部材20の回動は、第3ストッパ突部33により規制され、矢示Aで示す他方の方向(上方)への回動は、第1、第2ストッパ突部31,32により規制されることとなり、一対の挟持部材6,7は閉じた状態に維持されるようになっている。
更に、作用部材20を矢示Aで示す上方へ強めに回動操作することにより図1(c)のように第2の回動位置Yとすると、図2の2点鎖線でも示すように第2ストッパ突部32が第1ストッパ突部31を乗り越えてこれの前側に係合するとともに、当接部34が被作用片7Aの下面に当接するようになっており、これによって、矢示Bで示す一方の方向への作用部材20の回動が第1,第2ストッパ突部31,32により規制され、矢示Aで示す他方の方向への回動が、当接部34及び被作用片7Aによって規制されることとなり、一対の挟持部材6,7は閉じた状態に維持される。
【0020】
上記のように作用部材20は、一対の挟持部材6,7を閉じる2つの回動位置X,Yでストッパ手段30により2段階に回動が規制されるようになっているため、回動位置Yの状態で作用部材20にB方向への外力が作用し、1段目のストッパが解除されたとしても、回動位置Xで2段目のストッパが作用して一対の挟持部材6,7は開かず、よって挟み付けた衣服等からクリップ1が誤って外れてしまうようなことが防止される。また、これによりストラップ2としての携帯物品の落下防止機能が維持されるようになっている。
【0021】
なお、第2,第3ストッパ突部32,33による第1ストッパ突部31や下挟持部材6の後端縁6Aの乗り越え動作は、取付片14の軸孔14aと回動軸23との間の僅かな隙間や、後端縁6Aや突起31〜33、軸23等に僅かな弾性変形等が生じることによって可能となっている。
また、第3ストッパ突部33が下挟持部材6の後端縁6Aを乗り越えるとき及び第2ストッパ突部32が第1ストッパ突部31を乗り越えるときには作用部材20には抵抗が付与されるため、触覚的にストッパ手段30が作用したことを確認でき、これと同時に突部31,32同士の衝突や突部33と後端縁6Aとの衝突によって、カチッ、カチッ、と音が発生するようになっており、聴覚的にもストッパ手段30が作用したことを確認できるようになっている。
【0022】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく適宜設計変更可能である。例えば、ストッパ手段は、作用部材の回動を3段階以上で規制するものとして構成してもよく、上記のストラップは、その紐状体としてコイル状のものを利用しているが、ゴム紐や非伸縮の帯紐等に置換可能である。また、本発明に係るクリップは、ストラップとして利用するだけでなくサスペンダーやその他の吊り具等にも採用可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、一対の挟持部材を閉じた状態で作用部材がストッパ手段によって複数段階に回動を規制されるため、作用部材に外力が働いて1のストッパが解除されたとしても、他のストッパが作用することによって一対の挟持部材が誤って開いてしまうことがほとんどなく、挟持した物から離脱してしまうようなことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるクリップを示し、(a)は一対の挟持部材を開いた状態、(b)(c)は一対の挟持部材を閉じた状態の側面断面図である。
【図2】要部の拡大側面断面図である。
【図3】クリップの側面図である。
【図4】(a)はクリップの平面図、(b)はクリップの底面図である。
【図5】クリップの分解斜視図である。
【図6】クリップを採用したストラップの斜視図である。
【符号の説明】
1 クリップ
6 挟持部材
6A 後端縁
7 挟持部材
7A 被作用片
8 付勢手段
20 作用部材
30 ストッパ手段
31 第1ストッパ突部
32 第2ストッパ突部
33 第3ストッパ突部
34 当接部
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯物品用のストラップやサスペンダー等に好適に利用することができるクリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のクリップとしては、一対の挟持部材を相互に回動自在に連結することにより、その先端側を開閉自在に構成したものが一般的であるが、その開閉の方法としては、次のようなものが公知である。
その一つとして、実登3031525号公報等に開示されているクリップは、一対の挟持部材をバネによって閉じる方向に付勢し、開くときは一対の挟持部材の後端部を指で摘むことでバネに抗して先端側を押し広げるものとなっており、これは、最も簡素な構造で安価に製作することができるものの、物に挟み付けるときに挟持部材を指で摘んでおかなければならず、操作が面倒であるとともに指の力を維持しなければないという欠点がある。
【0003】
かかる欠点を解消できるものとして、例えば、特公昭56−29525号公報、特許第2704697号公報等に開示されたクリップがあり、これは、一対の挟持片を開く方向に付勢するとともに、一方の挟持部材に回動自在に設けた作用部材を他方の挟持部材に当接させることによってカムの作用で一対の挟持部材を閉じるように構成している。
この従来技術では、作用部材を回動操作するだけで簡単に一対の挟持部材を開閉することができるとともに、開いたときには付勢手段によって、閉じたときには作用部材によってそれぞれの状態を保持することができるという利点があり、操作性の点で非常に有用である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術では、作用部材を回動するだけで一対の挟持部材が簡単に開いてしまうため、何らかの外力により誤って作用部材が回動してしまうと挟み付けたものが不慮に外れてしまうという不都合があった。
例えば、携帯電話用のストラップとして上記クリップを利用している場合、携帯電話を胸ポケットや鞄のポケットに入れてクリップをポケットの縁に挟み付ければ携帯物品の落下防止を図ることが可能であるが、携帯電話をポケットから出し入れするとき等に、手などが誤ってクリップに当たったりストラップが引っ張られると、作用部材が回動してクリップがポケットの縁から外れてしまうことがあり、これではもはや落下防止機能は発揮されず、携帯電話が落下によって破損してしまう恐れが生じる。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、誤って作用部材が回動してストッパが解除された場合であっても、他のストッパが機能して一対の挟持部材を閉じた状態に維持することができるようにしたクリップを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明にかかるクリップは、先端側を開閉するように相互に回動自在に連結された一対の挟持部材と、この一対の挟持部材を開く方向に付勢する付勢手段と、一方の挟持部材の後部に設けられた被作用片と、他方の挟持部材の後部に回動自在に設けられかつ回動することにより前記被作用片に当接して前記付勢手段に抗して一対の挟持部材を閉じる作用部材と、一対の挟持部材を閉じているときに作用部材の回動を複数段階に規制するストッパ手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
これによって、作用部材が何らかの外力によって回動し、1つのストッパが解除されたとしても、他のストッパが機能して一対の挟持部材を閉じた状態に維持できるようになり、挟み付けた物から離脱してしまうようなことを防止できる。前記ストッパ手段は、前記被作用片に第1のストッパ突部を形成し、前記作用部材に、前記第1のストッパ突部に係脱自在とされた第2のストッパ突部と、前記他方の挟持部材の後端縁に係脱自在とされた第3のストッパ突部と、前記被作用片に当接・離反する当接部とを形成し、前記作用部材が所定の第1の回動位置で一対の挟持部材を閉じたとき、第3のストッパ突部が前記他方の挟持部材の後端縁に係合して前記作用部材の一方の方向の回動を規制すると同時に、第2のストッパ突部が第1のストッパ突部に係合して前記作用部材の他方の方向の回動を規制し、さらに、前記作用部材が所定の第2の回動位置で一対の挟持部材を閉じたとき、第2のストッパ突部が第1のストッパ突部に係合して前記作用部材の一方の方向の回動を規制すると同時に、当接部が被作用片に当接して前記作用部材の他方の方向への回動を規制するように構成されていることが推奨される。
【0008】
これによって、作用部材を2つの回動位置で2段階に回動規制する構成が簡単に得られることとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図6には、本発明の実施形態にかかるクリップ1を利用した携帯物品用ストラップ2を示しており、該ストラップ2は、合成樹脂材によりコイル状に形成された伸縮自在な紐状体3と、この紐状体3の両端部に設けられたループ状の取付紐4A,4Bと、一方の取付紐4Bに取り付けられた前記クリップ1とから構成されている。そして、他方の取付紐4Aを携帯電話や携帯ラジオ等の携帯物品に対して取り付けるとともに、前記クリップ1を衣服やカバン等に挟み付けることによって携帯物品の落下防止機能を発揮するものとなっている。
【0010】
前記クリップ1は合成樹脂材にて形成されており、その先端側を開閉可能とするように相互に回動自在に連結された一対の挟持部材6,7と、この一対の挟持部材6,7を開く方向に付勢する付勢手段8と、この付勢手段8に抗して一対の挟持部材6,7を閉じたり、また開いたりする開閉操作機構9とを有している。
図5にも示すように、一方(下側)の挟持部材6は、その先端側の上面に前後2列に配設された複数の挟持爪10を上方突出状に設けており、その後側には、挟持部材6の左右両側部を若干後上がり傾斜状に隆起することによってその間に溝部11を形成している。また、溝部11の後部左右中央には位置決め突起12が上方に突設され、挟持部材6の後部左右両側には、軸支持孔13aを有する下連結片13が上方に突設されている。また、この挟持部材6の後端左右両側には、軸孔14aを有する取付片14が後方へ突出状に設けられている。
【0011】
他方(上側)の挟持部材7は、その先端側の下面に横1列に配列された複数の挟持爪15を下方突出状に設けており、その後側には、前後に伸びる位置決め突条16を左右一対設けている。そして、位置決め突条16の後側には、下側の位置決め突起12に対向する位置決め突起17が下方突出状に形成されている。
上側の挟持部材7の後部には、やや幅狭とされた被作用片7Aが後方突出状に設けられており、この被作用片7Aの前部左右両側には、連結軸18aを左右外側に突出した上連結片18が下方突出状に設けられている。
【0012】
そして、上連結片18の連結軸18aを下連結片13に形成した軸支持孔13aに挿入することによって、上下の挟持部材6,7が相互に回動自在に連結されるようになっている。
前記付勢手段8は、弾性変形可能なポリエチレンやウレタン等の合成樹脂材又はゴム材料によって形成されており、やや厚肉の帯板を側面視くの字状に折曲した形状となっている。そして、図3及び図4にも示すように、付勢手段8の下辺部8aを下側挟持部材6の溝部11に嵌め込み、上辺部8bを左右位置決め突条16の間に嵌め込むことによって、付勢手段8が上下挟持部材6,7の間に左右方向の位置決めがされた状態で取り付けられ、一対の挟持部材6,7の先端側を開く方向に付勢するようになっている。
【0013】
また、付勢手段8は、上下挟持部材6,7に形成された位置決め突起12,17によって後方位置が所定に設定され、下辺部8aの先端を挟持爪10の後面に当接することによって前方位置が所定に設定されるようになっている。
また、付勢手段8は厚肉に形成されていて、一対の挟持部材6,7を閉じた状態でその下辺部8aと上辺部8bの先端同士が接触又は接近し、この間に衣服等を挟むことができるようになっており、これにより一対の挟持部材6,7による挟持力が増強されるようになっている。さらに、付勢手段8の上辺部8bには、下側挟持部材6の後列の挟持爪10がくい込むようになっており、これによって挟持力を一層増強できるようになっている。
【0014】
なお、上記のように付勢手段8によって衣服等を挟み付けることが可能であるため、挟持爪10,15は省略してもよい。また、付勢手段8は、金属製の板バネやねじりバネ等に置換したり、従来技術(特許第2704697号公報)のように挟持部材6,7自体の弾性を利用して開く方向に付勢する構成とすることができる。
前記開閉操作機構9は、上側の挟持部材7に形成された前記被作用片7Aと、下側の挟持部材6の後部に回動自在に取り付けられた作用部材20とを有している。
【0015】
作用部材20は、図5に示すように、その前部側に前記被作用片7Aに作用するカム部21を有し、その後部側に作用部材20を回動操作するために指で摘むことができる操作片22を有している。
カム部21は操作片22に比べて上下に厚く形成されるとともに左右幅が段部21aを介してやや狭く形成されており、その下面が円弧状に丸められ、下部側の両側面には回動軸23が左右外側に突出形成されている。そして、この回動軸23を下挟持部材6に形成した取付片14の軸孔14aに挿入することによって、作用部材20が下挟持部材6に回動自在に取り付けられるようになっている。
【0016】
操作片22は、後方へいくに従って徐々に上下に薄くなるようにその下面が円弧状に弯曲しながら後上がり傾斜しており、これによって操作片22を上下から指で摘み易くしている。
また、操作片22の後部側には上下に貫通する孔24が形成され、この孔24にストラップ2の一方の取付紐4Bが取り付けられるようになっている。
図1(a)に示すように、作用部材20は、下向きに回動している状態でカム部21が被作用片7Aから離反するようになっており、この際一対の挟持部材6,7は付勢手段8によってその先端側を開くようになっている。
【0017】
そして、作用部材20を上方(矢示A方向)へ回動操作すると、カム部21が被作用片7Aの下面に当接してこれを押し上げ、一対の挟持部材6,7の先端側を付勢手段8に抗して閉じるようになっている(図1(b)、図1(c))。
ここで、本発明にかかるクリップ1では、一対の挟持部材6,7は、作用部材20の回動位置が図1(b)の状態(第1の回動位置(角度)X)のときと、更に上方へ回動した図1(c)の状態(第2の回動位置(角度)Y)のときの両方で閉じられるようになっており、この各回動位置X,Yで、作用部材20はストッパ手段30によってその回動を規制されるようになっている。
【0018】
このストッパ手段30は、被作用片7Aの下面に形成された第1のストッパ突部31と、作用部材20におけるカム部21の上面前端部に形成された第2のストッパ突部32と、カム部21の下端部に形成された第3のストッパ突部33と、第2ストッパ突部32のやや後側に突出形成された直方体ブロック状の当接部34と、を有している。
そして、作用部材20を下方に向けた図1(a)の状態(ストッパ解除状態)から図1(b)のように作用部材20を第1の回動位置Xに回動すると、図2にも実線で示すように、第3のストッパ突部33は、下挟持部材6の後端縁6Aを乗り越えてその下側に係合し、第2のストッパ突部32は、第1のストッパ突部31の後側に係合するようになっている。
【0019】
これにより、矢示Bで示す一方の方向(下方)への作用部材20の回動は、第3ストッパ突部33により規制され、矢示Aで示す他方の方向(上方)への回動は、第1、第2ストッパ突部31,32により規制されることとなり、一対の挟持部材6,7は閉じた状態に維持されるようになっている。
更に、作用部材20を矢示Aで示す上方へ強めに回動操作することにより図1(c)のように第2の回動位置Yとすると、図2の2点鎖線でも示すように第2ストッパ突部32が第1ストッパ突部31を乗り越えてこれの前側に係合するとともに、当接部34が被作用片7Aの下面に当接するようになっており、これによって、矢示Bで示す一方の方向への作用部材20の回動が第1,第2ストッパ突部31,32により規制され、矢示Aで示す他方の方向への回動が、当接部34及び被作用片7Aによって規制されることとなり、一対の挟持部材6,7は閉じた状態に維持される。
【0020】
上記のように作用部材20は、一対の挟持部材6,7を閉じる2つの回動位置X,Yでストッパ手段30により2段階に回動が規制されるようになっているため、回動位置Yの状態で作用部材20にB方向への外力が作用し、1段目のストッパが解除されたとしても、回動位置Xで2段目のストッパが作用して一対の挟持部材6,7は開かず、よって挟み付けた衣服等からクリップ1が誤って外れてしまうようなことが防止される。また、これによりストラップ2としての携帯物品の落下防止機能が維持されるようになっている。
【0021】
なお、第2,第3ストッパ突部32,33による第1ストッパ突部31や下挟持部材6の後端縁6Aの乗り越え動作は、取付片14の軸孔14aと回動軸23との間の僅かな隙間や、後端縁6Aや突起31〜33、軸23等に僅かな弾性変形等が生じることによって可能となっている。
また、第3ストッパ突部33が下挟持部材6の後端縁6Aを乗り越えるとき及び第2ストッパ突部32が第1ストッパ突部31を乗り越えるときには作用部材20には抵抗が付与されるため、触覚的にストッパ手段30が作用したことを確認でき、これと同時に突部31,32同士の衝突や突部33と後端縁6Aとの衝突によって、カチッ、カチッ、と音が発生するようになっており、聴覚的にもストッパ手段30が作用したことを確認できるようになっている。
【0022】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく適宜設計変更可能である。例えば、ストッパ手段は、作用部材の回動を3段階以上で規制するものとして構成してもよく、上記のストラップは、その紐状体としてコイル状のものを利用しているが、ゴム紐や非伸縮の帯紐等に置換可能である。また、本発明に係るクリップは、ストラップとして利用するだけでなくサスペンダーやその他の吊り具等にも採用可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、一対の挟持部材を閉じた状態で作用部材がストッパ手段によって複数段階に回動を規制されるため、作用部材に外力が働いて1のストッパが解除されたとしても、他のストッパが作用することによって一対の挟持部材が誤って開いてしまうことがほとんどなく、挟持した物から離脱してしまうようなことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるクリップを示し、(a)は一対の挟持部材を開いた状態、(b)(c)は一対の挟持部材を閉じた状態の側面断面図である。
【図2】要部の拡大側面断面図である。
【図3】クリップの側面図である。
【図4】(a)はクリップの平面図、(b)はクリップの底面図である。
【図5】クリップの分解斜視図である。
【図6】クリップを採用したストラップの斜視図である。
【符号の説明】
1 クリップ
6 挟持部材
6A 後端縁
7 挟持部材
7A 被作用片
8 付勢手段
20 作用部材
30 ストッパ手段
31 第1ストッパ突部
32 第2ストッパ突部
33 第3ストッパ突部
34 当接部
Claims (2)
- 先端側を開閉するように相互に回動自在に連結された一対の挟持部材(6,7)と、この一対の挟持部材(6,7)を開く方向に付勢する付勢手段(8)と、一方の挟持部材(7)の後部に設けられた被作用片(7A)と、他方の挟持部材(6)の後部に回動自在に設けられかつ回動することにより前記被作用片(7A)に当接して前記付勢手段(8)に抗して一対の挟持部材(6,7)を閉じる作用部材(20)と、一対の挟持部材(6,7)を閉じているときに作用部材(20)の回動を複数段階で規制するストッパ手段(30)と、を備えていることを特徴とするクリップ。
- 前記ストッパ手段(30)は、前記被作用片(7A)に第1のストッパ突部(31)を形成し、前記作用部材(20)に、前記第1のストッパ突部(31)に係脱自在とされた第2のストッパ突部(32)と、前記他方の挟持部材(6)の後端縁(6A)に係脱自在とされた第3のストッパ突部(33)と、前記被作用片(7A)に当接・離反する当接部(34)とを形成し、前記作用部材(20)が所定の第1の回動位置(X)で一対の挟持部材(6,7)を閉じたとき、第3のストッパ突部(33)が前記他方の挟持部材(6)の後端縁(6A)に係合して前記作用部材(20)の一方の方向(B)の回動を規制すると同時に、第2のストッパ突部(32)が第1のストッパ突部(31)に係合して前記作用部材(20)の他方の方向(A)の回動を規制し、さらに、前記作用部材(20)が所定の第2の回動位置(Y)で一対の挟持部材(6,7)を閉じたとき、第2のストッパ突部(32)が第1のストッパ突部(31)に係合して前記作用部材(20)の一方の方向(B)の回動を規制すると同時に、当接部(34)が被作用片(7A)に当接して前記作用部材(20)の他方の方向(A)への回動を規制するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
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