JP3545814B2 - 電子黒板装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、エンドレスのシート体を循環自在に張架して黒板面を形成した電子黒板装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的な電子黒板装置は、エンドレスのシート体が循環自在に張架されることで、ペンなどで画像が記載される黒板面が形成されており、この黒板面に記載された画像を画像読取機構により読み取ってプリンタにより印刷用紙に複写できる。
【0003】
会議の最中に、電子黒板装置の黒板面に手書きした画像を、多数の印刷用紙に複写して参加者に配るようなことができ、参加者の各々が電子黒板装置の黒板面の画像を書き写す必要がないので、会議の能率を向上させることができる。
【0004】
なお、上述のような電子黒板装置は、一般的にエンドレスのシート体を有しており、このエンドレスのシート体を、平行に配置された一対の支持ローラで循環自在に張架している。このように平板状に張架されたシート体の前面を黒板面とすると共に後面を処理面とし、この処理面に画像読取機構が対向配置されている。シート体の黒板面に手書きした画像を画像読取機構により読み取る場合は、シート体を循環させて黒板面の画像を処理面の位置に順次移動させ、この処理面の位置で画像を画像読取機構により順次読み取る。
【0005】
さらに、シート体の処理面と対向する位置に、シート体に画像を印刷する画像印刷機構を配置することも提案されている。
【0006】
この場合、シート体に画像を印刷するには、シート体を循環させながら処理面の位置で画像印刷機構により画像を印刷する。この状態からシート体を順次循環させることにより、処理面に画像印刷機構により印刷した画像を黒板面に位置させて掲示することができる。
【0007】
また、シート体の処理面と対向する位置に、シート体の画像を消去するクリーナを配置することも提案されている。
【0008】
この場合、シート体の画像を消去するには、シート体を循環させて黒板面の画像を処理面の位置に順次移動させ、この処理面の位置で画像をクリーナにより順次消去する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した電子黒板装置では、シート体の黒板面に手書きした画像を画像読取機構により読み取ることができ、シート体に画像印刷機構で画像を印刷することもでき、シート体の画像をクリーナで消去することもできる。
【0010】
しかし、エンドレスのシート体の外周面のみを利用しており、内周面は利用できないため、シート体の利用効率が悪い。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、エンドレスのシート体を循環自在に張架して黒板面を形成した電子黒板装置において、三本の支持ローラを正三角形に配置して各々を回転自在に軸支し、前記シート体をメビウスの帯として形成して前記支持ローラで張架し、前記三本の支持ローラの少なくとも一本は両端部に前記シート体を支持する支持部を有して中央部に画像を消去するクリーナを前記支持部に対して回転自在に有し、前記三本の支持ローラの少なくとも一本以外の支持ローラと前記三本の支持ローラの少なくとも一本の支持ローラが有する前記支持部とを連動させて回転駆動することで前記シート体を循環させ、前記支持部と前記クリーナとを異なる周速で別個に回転駆動することで前記シート体の画像を消去するようにした。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、シート体の循環を検出して表面の位置を認識して管理する位置管理手段を設けた。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、三本の支持ローラの少なくとも二本を連動させて回転駆動するローラ駆動機構を設けた。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、二本の支持ローラの相対向する端部に傘歯車を設け、これらの傘歯車と係合する傘歯車を駆動モータに連結した。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、第一の支持ローラと第二の支持ローラとによりシート体を黒板面の位置で張架し、第三の支持ローラがシート体の画像を消去する機能を有する。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、クリーナの周速度を支持部の周速度より速くした。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、第三の支持ローラを支持軸と前記支持軸の両端部に回転自在に軸支された支持部と前記支持軸の中央部に連結されたクリーナとにより形成し、前記第三の支持ローラの支持部の各々を相対向する第一の支持ローラと第二の支持ローラとに連動させて回転駆動するローラ駆動機構を設け、このローラ駆動機構とは別個に前記第三の支持ローラの支持軸を回転駆動するクリーナ駆動機構を設けた。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、第三の支持ローラを支持軸と前記支持軸の両端部に回転自在に軸支された支持部と前記支持軸の中央部に連結されたクリーナとにより形成し、前記第三の支持ローラの支持部の各々を相対向する第一の支持ローラと第二の支持ローラとに連動させて回転駆動すると共に前記支持軸を異なる速度で回転駆動する連動駆動機構を設けた。
【0026】
なお、本明細書で云う黒板とは、画像を掲示するパネルを意味しており、黒色であることは意味していない。
【0027】
【作用】
請求項1記載の発明は、循環自在に張架されて黒板面を形成するエンドレスのシート体をメビウスの帯として形成したことにより、黒板面に位置しない裏面をシート体が有しない。また、シート体を正三角形に配置されて各々が回転自在に軸支された三本の支持ローラで張架することにより、メビウスの帯として形成されたシート体を簡易な構造で良好に張架する。そして、三本の支持ローラの少なくとも一本がシート体の画像を消去する機能を有することにより、メビウスの帯として形成されたシート体に外側から記載された画像は内側まで移動するので、シート体の画像を内側の位置で支持ローラにより消去する。この際、シート体の画像を消去する機能を有する支持ローラが、両端部の支持部によりシート体を両縁部で支持し、中央部のクリーナによりシート体の中央部の画像を消去する。
【0028】
請求項2記載の発明は、位置管理手段がシート体の循環を検出して表面の位置を管理することにより、メビウスの帯として形成されることで極めて長いシート体の画像の位置を管理する。
【0030】
請求項3記載の発明は、ローラ駆動機構が三本の支持ローラの少なくとも二本を連動させて回転駆動することにより、メビウスの帯として形成されたシート体を良好に循環させる。
【0031】
請求項4記載の発明は、二本の支持ローラの相対向する端部に設けた傘歯車と駆動モータに連結した傘歯車とを係合させることにより、簡易な構造で二本の支持ローラを連動させて回転駆動する。
【0035】
請求項5記載の発明は、シート体を黒板面の位置で張架しない第三の支持ローラがシート体の画像を消去する機能を有することにより、シート体の画像を黒板面に干渉しない位置で消去する。
【0037】
請求項6記載の発明は、クリーナの周速度を支持部の周速度より速くしたことにより、シート体の表面よりクリーナの表面を速く移動させ、このクリーナでシート体の画像を良好に消去する。
【0038】
請求項7記載の発明は、ローラ駆動機構により第一の支持ローラと第二の支持ローラと第三の支持ローラの両方の支持部とが回転駆動され、これとは別個に、クリーナ駆動機構により第三の支持ローラのクリーナが回転駆動される。
【0039】
請求項8記載の発明は、連動駆動機構により、第一の支持ローラと第二の支持ローラと第三の支持ローラの両方の支持部とが回転駆動されると共に、第三の支持ローラのクリーナが支持部とは異なる速度で回転駆動される。
【0042】
【実施例】
本発明の参考例を図1ないし図4に基づいて以下に説明する。なお、図1は本参考例の電子黒板装置1の後部カバー(図示せず)を取り外し、これを後方から視認した状態に相当する。
【0043】
まず、本参考例の電子黒板装置1は、図1に示すように、エンドレスのシート体2を有しているが、このシート体2は、長尺のシート体(図示せず)の一端を反転させて他端に接合することにより、メビウスの帯として形成されている。
【0044】
ボックス状の装置本体3の内部には、第一から第三の支持ローラ4〜6が正三角形に配置されて回転自在に各々軸支されており、これらの支持ローラ4〜6で前記シート体2が循環自在に張架されている。
【0045】
より詳細には、前記シート体2は、前記第一の支持ローラ4の前側から前記第二の支持ローラ5の前側に通され、この第二の支持ローラ5の後側から前記第三の支持ローラ6の後側に通されているが、この第三の支持ローラ6の前側からは前記第一の支持ローラ4の後側に通されている。このため、メビウスの帯として形成された前記シート体2が、前記第一から第三の支持ローラ4〜6で循環自在に張架されている。
【0046】
なお、第一から第三の支持ローラ4〜6は、前記シート体2の循環方向に従って順番に配置されており、正三角形に配置されているので、各々の軸心方向は互いに60°で交差している。図1は、理解を容易にするために前記支持ローラ4〜6を斜視図として描画しているが、実際の装置では、このように見えることはない。
【0047】
前記装置本体3の前面には矩形の開口孔7が形成されており、前記シート体2は前記第一の支持ローラ4と前記第二の支持ローラ5とにより張架されて前記開口孔7に後側から対向しているので、この開口孔7から露出した前記シート体2の表面が黒板面8とされている。
【0048】
前記シート体2の循環方向で前記黒板面8から二番目に位置する前記第三の支持ローラ6の近傍にはクリーナであるクリーニングブラシ9が配置されている。このクリーニングブラシ9は、ローラ状のブラシであり、駆動モータ(図示せず)で回転自在に軸支され、ソレノイド(図示せず)で前記第三の支持ローラ6に下方から接離する方向で移動自在に支持されている。なお、前記クリーニングブラシ9の回転方向は、前記第三の支持ローラ6の回転方向と反対方向に設定されているので、前記クリーニングブラシ9は前記シート体2の表面を、その移動方向に従って擦過する。
【0049】
また、前記第一から第三の支持ローラ4〜6は、図2に示すように、その中央部10が両端部11より小径に形成されており、これらの両端部11から両側に支持軸12が突出されている。前記中央部10の直径D1と、前記両端部11の直径D2とは、前記第一から第三の支持ローラ4〜6が、前記両端部11で前記シート体2を張架して循環させても、このシート体2が前記中央部10に接触しないよう設定されている。
【0050】
そして、図3に示すように、前記第二の支持ローラ5と前記第三の支持ローラ6とを連動させて回転駆動するローラ駆動機構13が設けられている。より詳細には、前記第二の支持ローラ5と前記第三の支持ローラ6との相対向する端部の支持軸12に傘歯車14,15が装着されており、これらの傘歯車14,15が係合する一個の傘歯車16が駆動モータ17の駆動軸18に固定されている。なお、前記ローラ駆動機構13のフレーム19には三個の軸受20が装着されており、これらの軸受20で前記駆動軸18と二本の前記支持軸12とが位置決めされている。
【0051】
また、前記シート体2の位置を管理する位置管理手段(図示せず)が設けられている。より詳細には、図4に示すように、前記シート体2の表面には、黒板面8に各々対応した複数の画面21が“一頁、二頁…”として設定されており、これらの画面21の上縁部に識別用のバーコード22が形成されている。前記第二の支持ローラ5上で前記シート体2と対向する位置にバーコードリーダ23が配置されており、前記位置管理手段は、前記バーコードリーダ23が読み取った前記バーコード22から前記シート体2の画面21の位置を認識して管理する。なお、シート体2はメビウスの帯として形成されることにより利用できる表面が二倍になっているので、前記画面21は少なくとも六頁が設定可能である。
【0052】
さらに、前記クリーニングブラシ9の作動を制御するクリーナ制御手段(図示せず)が設けられている。より詳細には、前記装置本体3の前面の下縁部には作動指示手段である操作パネル24が設けられており、この操作パネル24で前記クリーニングブラシ9の作動と前記画面21の頁数とを指定すると、前記操作パネル24の指示情報と前記位置管理手段の位置情報との論理演算により、前記クリーナ制御手段は指定された頁数の前記画面21の画像を前記クリーニングブラシ9で消去する。
【0053】
なお、ここでは図示と説明とを割愛したが、本参考例の電子黒板装置1には、既存の電子黒板装置で一般的な機構も設けられている。つまり、前記黒板面8の後側で前記シート体2を支持する支持板、前記シート体2の画像を前記装置本体3の内部で読取走査するシート読取機構、画像情報を一時記憶するフレームメモリ、画像を印刷用紙に印刷するプリンタ装置、原稿の画像を読取走査するイメージスキャナ、画像を前記装置本体3の内部で前記シート体2に印刷するシート印刷機構、画像情報を外部と通信するファクシミリ機構、などである。
【0054】
このような構成において、本参考例の電子黒板装置1は、従来の電子黒板装置と同様に使用することができる。
【0055】
つまり、シート体2が張架されることで黒板面8が形成されているので、この黒板面8にペンなどで画像を記載することができ、シート体2を順次循環させることにより、黒板面8の位置で画像が記載された画面21は装置本体3の内部に移動し、シート体2の新規の画面21が黒板面8となる。
【0056】
そこで、黒板面8の位置でシート体2に記載された画像を、シート読取機構により読み取ってフレームメモリに蓄積し、この画像情報をプリンタ装置により印刷用紙に印刷したり、ファクシミリ機構で外部に送信したりすることもできる。また、イメージスキャナで原稿から読み取った画像情報や、ファクシミリ機構で外部から受信した画像情報を、フレームメモリに蓄積し、この画像情報をシート印刷機構でシート体2に印刷して黒板面8の位置に掲示することもできる。
【0057】
そして、上述のようなシート体2がメビウスの帯として形成されているので、このシート体2を循環させると、その表面の全域が黒板面8の位置に移動する。このため、同一長さの通常のエンドレスシート(図示せず)と比較すると、黒板面8として利用できる面積が二倍であり、シート体2は極めて有効に利用される。
【0058】
しかも、シート体2はメビウスの帯として形成されているが、正三角形に配置された第一から第三の支持ローラ4〜6により、簡易な構造で良好に循環できるよう張架されており、ローラ駆動機構13が二本の支持ローラ5,6を連動させて駆動するので、簡易な構造でメビウスの帯として形成されたシート体2が良好に循環する。特に、ローラ駆動機構13が駆動する第二と第三との支持ローラ5,6は、シート体2の循環方向で黒板面8の下流に順番に位置しており、黒板面8の上流に位置する第一の支持ローラ4は駆動されないので、シート体2は黒板面8の位置で良好に張架される。
【0059】
このようにシート体2をローラ駆動機構13で循環させる動作を、以下に具体的に説明する。まず、ユーザが所望により操作パネル24を手動操作して黒板面8の交換を指示すると、ローラ駆動機構13の駆動モータ17が駆動されて第二と第三との支持ローラ5,6が同一方向に回転する。これらの支持ローラ5,6の回転によりシート体2が循環されるので、黒板面8に位置していた画面21は第二の支持ローラ5上に移動し、第一の支持ローラ4上に位置していた画面21が黒板面8に移動する。
【0060】
この時、黒板面8の位置から第二の支持ローラ5上に移動した画面21のバーコード22をバーコードリーダ23が読み取ることにより、ローラ駆動機構13の駆動が適正なタイミングで停止され、位置管理手段が黒板面8に位置する画面21の頁数などを認識する。つまり、シート体2はメビウスの帯として形成されているので、利用できる表面が二倍となっているが、位置管理手段により画面21の位置が管理されるので、特定の画面21を指定して各種作業を実行させることができる。
【0061】
なお、シート体2を順次循環させることにより、黒板面8の位置から第二の支持ローラ5上に移動した画面21を第三の支持ローラ6上まで移動させ、この第三の支持ローラ6上において画面21の画像をクリーニングブラシ9で消去することもできる。
【0062】
このようにシート体2の画像をクリーニングブラシ9で消去する動作を、以下に具体的に説明する。まず、シート体2の全域の画像を一律に消去する場合、操作パネル24を手動操作して全域消去の開始を指示する。すると、ローラ駆動機構13が駆動されてシート体2が循環され、ローラ状のブラシからなるクリーニングブラシ9が、シート体2の表面に回転駆動されるので、このシート体2の全域の画像がクリーニングブラシ9により順次消去される。なお、シート体2はメビウスの帯として形成されているので、その全域の画像を消去するためには循環を二回とする必要がある。
【0063】
この時、回転するクリーニングブラシ9の周面の移動方向が、当接するシート体2の表面の移動方向と同一なので、クリーニングブラシ9がシート体2の循環の抵抗となることはない。なお、画像消去の効率が重要で、シート体2の循環が阻害されない場合には、クリーニングブラシ9の回転方向を逆転させると良い。
【0064】
また、シート体2の特定の画面21の画像を選択的に消去することもできる。この場合は、操作パネル24を手動操作して画面21のシリアルナンバーと画像消去とを指示する。すると、ローラ駆動機構13が駆動されてシート体2が循環され、位置管理手段の管理により、指定された画面21がクリーニングブラシ9の位置に順次搬送されて画像が消去される。
【0065】
なお、このようにシート体2の画像をクリーニングブラシ9で選択的に消去できるので、シート体2に記載された画像をクリーニングブラシ9で消去することなく保存しておき、黒板面8の位置に再度掲示させることも可能である。この場合、シート体2がメビウスの帯として形成されているので、シート体2の表面の画像は、黒板面8の位置に帰還するまでに第一から第三の支持ローラ4〜6の表面と対向する。
【0066】
しかし、これらの支持ローラ4〜6は、大径の両端部11でシート体2を支持し、小径の中央部10がシート体2から遊離するので、シート体2に記載された画像に支持ローラ4〜6が接触することがなく、シート体2の画像が損なわれることがなく、支持ローラ4〜6が汚れることもない。
【0067】
また、黒板面8の位置でシート体2に記載された画像を、シート体2を循環させる場合に直ちに消去することもできる。この場合、クリーニングブラシ9はシート体2の循環方向で黒板面8から二番目に位置する第三の支持ローラ6に対向しているので、この位置でシート体2の画像を消去するならば、この画像が支持ローラ4〜6の表面に対向することはない。つまり、黒板面8の位置でシート体2に記載された画像を第三の支持ローラ6上でクリーニングブラシ9により必ず消去するならば、支持ローラ4〜6の中央部10を両端部11より小径にする必要はない。
【0068】
なお、このようなことは、クリーニングブラシ9を第二の支持ローラ5に対向配置させた場合も同様である。換言すると、本参考例の電子黒板装置1では、第一から第三の支持ローラ4〜6の各々において中央部10が両端部11より小径であるので、クリーニングブラシ9を第一の支持ローラ4に対向配置させても問題はない。
【0069】
また、クリーニングブラシ9にはインク粉が付着するので、このインク粉をクリーニングブラシ9から除去するスクレイパやバイアスローラを設けることが好ましく、クリーニングブラシ9から除去されたインク粉を回収する容器などを設けることが望ましい。
【0070】
さらに、本参考例のローラ駆動機構13は、第二と第三との支持ローラ5,6を連動させて回転駆動することにより、シート体2を黒板面8の位置で良好に張架させながら良好に循環させるが、本発明は上記参考例に限定されるものではなく、第一から第三の支持ローラ4〜6の全部を連動させて回転駆動するローラ駆動機構(図示せず)なども実現可能である。このようなローラ駆動機構は、上述したローラ駆動機構13に付加して、第三の支持ローラ6と第一の支持ローラ4との相対向する端部に設けた傘歯車を直接に係合させることにより実現できる。同様に、ローラ駆動機構13に付加して、第一の支持ローラ4と第二の支持ローラ5との相対向する端部に設けた傘歯車を中間傘歯車で係合させることでも実現でき、上述のような機構の全部を設けることも可能である。
【0071】
さらに、本参考例の電子黒板装置1では、ローラ駆動機構13を、第二と第三との支持ローラ5,6の端部に設けた傘歯車14,15と、これに係合する傘歯車16と、これを回転駆動する一個の駆動モータ17とにより形成しているが、本発明は上記参考例に限定されるものでもなく、例えば、同様な機能のローラ駆動機構を、ユニバーサルジョイントと平歯車列と駆動モータとにより形成することも可能である。
【0072】
また、本参考例の電子黒板装置1では、シート体2に設定した複数の画面21の各々にバーコード22を形成し、このバーコード22をバーコードリーダ23で読み取ることにより位置管理手段が画面21の位置を管理することを説明したが、本発明は上記参考例に限定されるものではない。例えば、シート体2を磁性体で形成して磁気ストライプを記録しておき、この磁気ストライプを磁気リーダにより読み取ることでも、位置管理手段はシート体2の移動を検知して画面21の位置を管理することができる。
【0073】
なお、図4に示すように、メビウスの帯として形成されたシート体2においては、表裏(実際には表裏は存在しないので、これはシート体2を局所的に見た場合である)で画面21は上下逆様となる。このため、画面21の上縁部などに磁気ストライプを記録しても、これは裏面では下縁部に位置するので、表裏で磁気ストライプが重複することはない。
【0074】
また、ローラ駆動機構13によるシート体2の搬送精度が良好ならば、位置管理手段はローラ駆動機構13の駆動モータ17の回転からシート体2の移動を検知して画面21の位置を管理することもできる
つぎに、本発明の第一の実施例を図5に基づいて以下に説明する。なお、本実施例の電子黒板装置25に関し、参考例として上述した電子黒板装置1と同一の部分は、同一の名称及び符号を用いて詳細な説明は省略する。
【0075】
まず、本実施例の電子黒板装置25は、前述した電子黒板装置1とは第三の支持ローラ26の構造が異なっており、この第三の支持ローラ26と対向するクリーニングブラシ9は設けられていない。
【0076】
前記第三の支持ローラ26は、一本の支持軸27と、この支持軸27の両端部に回転自在に軸支された支持部28,29と、前記支持軸27の中央部に装着されたクリーナであるクリーニングブラシ30とにより形成されている。このため、前記第三の支持ローラ26は、両端部の支持部28,29でシート体2を支持する機能を有し、前記クリーニングブラシ30でシート体2の画像を消去する機能を有している。
【0077】
前記第三の支持ローラ26の一端部の前記支持部28には傘歯車15が装着されており、この傘歯車15は、第二の支持ローラ5の一端部に装着された傘歯車14と共に、駆動モータ17で軸支された傘歯車16に係合している。前記第三の支持ローラ26の他端部の前記支持部29にも傘歯車31が装着されており、この傘歯車31は、第一の支持ローラ4の一端部に装着された傘歯車32に直接に係合している。この第一の支持ローラ4と第二の支持ローラ5との相対向する他端部にも傘歯車が装着されており、これらの傘歯車は中間傘歯車を介して係合している(図示せず)。
【0078】
このような機構により、ローラ駆動機構13の駆動モータ17が、第一の支持ローラ4と第二の支持ローラ5と前記第三の支持ローラ26の支持部28,29とに連結されており、これらの支持部28,29の各々は、相対向する第一の支持ローラ4と第二の支持ローラ5とに連動して回転駆動される。
【0079】
また、前記第三の支持ローラ26の支持軸27の一端部にはクリーナ駆動機構33が連結されている。このクリーナ駆動機構33は、前記支持軸27に装着された平歯車34と、この平歯車34に係合する平歯車35と、この平歯車35を回転駆動する駆動モータ36とからなる。このクリーナ駆動機構33により、前記第三の支持ローラ26の前記クリーニングブラシ30は前記支持部28,29とは別個に回転駆動される。前記クリーニングブラシ30と前記支持部28,29との回転方向は同一であるが、前記クリーニングブラシ30の周速度は前記支持部28,29の周速度より速く設定されている。
【0080】
このような構成において、本実施例の電子黒板装置25では、第三の支持ローラ26が、両端部の支持部28,29でシート体2を支持し、中央部のクリーニングブラシ30でシート体2の画像を消去する。このため、第一から第三の支持ローラ4,5,26の外側にクリーナを配置する必要がなく、小型化が可能である。
【0081】
なお、本実施例の電子黒板装置25では、シート体2に記載された画像が第三の支持ローラ26のクリーニングブラシ30に必ず接触するので、シート体2に記載された画像を保存することなく毎回消去する場合に最適である。シート体2に記載された画像を保存したい場合には、クリーニングブラシ30を出没自在な構造とすることが好ましい。
【0082】
また、第三の支持ローラ26のクリーニングブラシ30の回転方向は支持部28,29の回転方向と同一なので、回転するクリーニングブラシ30がシート体2の循環の抵抗となることはない。なお、クリーニングブラシ30の回転速度は支持部28,29の回転速度より速いので、回転方向が同一でもクリーニングブラシ30はシート体2の画像を良好に消去することができる。ローラ駆動機構13とクリーナ駆動機構33とが別個に設けられているので、シート体2の循環速度とクリーニングブラシ30の回転速度とを個別に変更することができ、使用状況に対応させてクリーニング能力を適正に設定することができる。
【0083】
第一と第二との支持ローラ4,5でシート体2を黒板面8の位置で張架し、第三の支持ローラ26にクリーニングブラシ30を設けているので、クリーニングブラシ30の回転によりシート体2が第三の支持ローラ26の位置で振動しても、黒板面8の位置でシート体2が振動することはなく、ユーザは黒板面8を良好に使用することができる。なお、クリーニングブラシ30によりシート体2が振動しない場合や、シート体2の振動をガイドプレート(図示せず)などで解消できる場合には、クリーニングブラシ30を第一の支持ローラ4や第二の支持ローラ5に設けることも可能である。
【0084】
つぎに、本発明の第二の実施例を図6に基づいて以下に説明する。なお、本実施例の電子黒板装置37に関し、第一の実施例として上述した電子黒板装置25と同一の部分は、同一の名称及び符号を用いて詳細な説明は省略する。
【0085】
まず、本実施例の電子黒板装置37では、第二の支持ローラ5と第三の支持ローラ26との傘歯車14,15に係合した傘歯車16が駆動モータ17に連結されておらず、第二の支持ローラ26の支持部29と支持軸27とに連動駆動機構38が連結されている。
【0086】
まず、支持軸27と支持部29との各々に平歯車34,39が装着されており、これらの平歯車34,39に各々係合する平歯車35,40が一個の駆動モータ36に装着されている。さらに、第三の支持ローラ26の支持部29と第一の支持ローラ4とが傘歯車31,32で連結され、第一の支持ローラ4と第二の支持ローラ5とが傘歯車(図示せず)で連結され、第二の支持ローラ5と第三の支持ローラ26の支持部28とが傘歯車14〜16で連結されている。
【0087】
このような機構により、前記連動駆動機構38の駆動モータ36が、第一の支持ローラ4と第二の支持ローラ5と第三の支持ローラ26の支持部28,29とクリーニングブラシ30とに連結されており、前記連動駆動機構38により、第一の支持ローラ4と第二の支持ローラ5と第三の支持ローラ26の支持部28,29とクリーニングブラシ30とが回転駆動される。第三の支持ローラ26の支持部28,29とクリーニングブラシ30との回転方向は同一であるが、前記平歯車34,39,35,40により、クリーニングブラシ30の周速度は支持部28,29の周速度より速く設定されている。
【0088】
このような構成において、本実施例の電子黒板装置37では、連動駆動機構38により、一個の駆動モータ36で第一から第三の支持ローラ4,5,26と、第三の支持ローラ26のクリーニングブラシ30とが回転駆動されるので、小型化が可能である。
【0089】
なお、本実施例の電子黒板装置37では、シート体2を循環させる場合にクリーニングブラシ30が必ず回転するので、シート体2に記載された画像を保存することなく毎回消去する場合に最適である。
【0090】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、エンドレスのシート体を循環自在に張架して黒板面を形成した電子黒板装置において、シート体をメビウスの帯として形成したことにより、シート体を通常のエンドレス構造にした場合に比較して、黒板面に利用できる面積が二倍となるので、シート体を有効に利用することができる。また、三本の支持ローラを正三角形に配置して各々を回転自在に軸支し、これらの支持ローラでシート体を張架したことにより、メビウスの帯として形成されたシート体を簡易な構造で良好に張架することができるので、黒板面が多い電子黒板装置を簡易な構造で実現することができる。そして、三本の支持ローラの少なくとも一本がシート体の画像を消去する機能を有することにより、シート体に外側から記載された画像が内側に移動して支持ローラに接触する時点で、この支持ローラによりシート体の画像を消去することができ、支持ローラの外側にクリーナを配置する必要がないので小型化が可能である。この場合、シート体の画像を消去する機能を有する支持ローラは、両端部にシート体を支持する支持部を有し、中央部に画像を消去するクリーナを有することにより、シート体を支持すると共に画像を消去する支持ローラを簡易な構造で実現することができる。
【0091】
請求項2記載の発明は、シート体の循環を検出して表面の位置を認識して管理する位置管理手段を設けたことにより、シート体に記載された多数の画像を管理し、所望の画像を選択的に黒板面の位置まで移動させるようなことが可能となる。
【0093】
請求項3記載の発明は、三本の支持ローラの少なくとも二本を連動させて回転駆動するローラ駆動機構を設けたことにより、メビウスの帯として形成されたシート体を良好に循環させることができるので、黒板面が多い電子黒板装置を簡易な構造で実現することができる。
【0094】
請求項4記載の発明は、二本の支持ローラの相対向する端部に傘歯車を設け、これらの傘歯車と係合する傘歯車を駆動モータに連結したことにより、一個の駆動モータで二本の支持ローラを回転駆動することができるので、メビウスの帯として形成されたシート体を良好に循環させることができ、黒板面が多い電子黒板装置を簡易な構造で実現することができる。
【0098】
請求項5記載の発明は、第一の支持ローラと第二の支持ローラとによりシート体を黒板面の位置で張架し、第三の支持ローラがシート体の画像を消去する機能を有することにより、第三の支持ローラが画像を消去する動作によりシート体が振動しても、このシート体が黒板面の位置で振動することはないので、黒板面を良好に使用することができる。
【0100】
請求項6記載の発明は、クリーナの周速度を支持部の周速度より速くしたことにより、シート体の画像を良好に消去することができる。
【0101】
請求項7記載の発明は、第三の支持ローラを支持軸と支持軸の両端部に回転自在に軸支された支持部と支持軸の中央部に連結されたクリーナとにより形成し、第三の支持ローラの支持部の各々を相対向する第一の支持ローラと第二の支持ローラとに連動させて回転駆動するローラ駆動機構を設け、このローラ駆動機構とは別個に第三の支持ローラの支持軸を回転駆動するクリーナ駆動機構を設けたことにより、ローラ駆動機構により第一から第三の支持ローラを回転駆動してシート体を良好に循環させることができ、クリーナ駆動機構によりクリーナを回転駆動してシート体の画像を良好に消去することができ、シート体の循環速度とクリーナの回転速度とを個別に変更できるので、クリーニング能力を適正に設定することができる。
【0102】
請求項8記載の発明は、第三の支持ローラを支持軸と支持軸の両端部に回転自在に軸支された支持部と支持軸の中央部に連結されたクリーナとにより形成し、第三の支持ローラの支持部の各々を相対向する第一の支持ローラと第二の支持ローラとに連動させて回転駆動すると共に支持軸を異なる速度で回転駆動する連動駆動機構を設けたことにより、一個の連動駆動機構により第一から第三の支持ローラとクリーナとを回転駆動することができるので、小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例の電子黒板装置の内部構造を示す背面図である。
【図2】支持ローラを示す斜視図である。
【図3】ローラ駆動機構を示す縦断背面図である。
【図4】シート体の循環を説明する模式図である。
【図5】第一の実施例の電子黒板装置の要部を示す縦断背面図である。
【図6】第二の実施例の電子黒板装置の要部を示す縦断背面図である。
【産業上の利用分野】
本発明は、エンドレスのシート体を循環自在に張架して黒板面を形成した電子黒板装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的な電子黒板装置は、エンドレスのシート体が循環自在に張架されることで、ペンなどで画像が記載される黒板面が形成されており、この黒板面に記載された画像を画像読取機構により読み取ってプリンタにより印刷用紙に複写できる。
【0003】
会議の最中に、電子黒板装置の黒板面に手書きした画像を、多数の印刷用紙に複写して参加者に配るようなことができ、参加者の各々が電子黒板装置の黒板面の画像を書き写す必要がないので、会議の能率を向上させることができる。
【0004】
なお、上述のような電子黒板装置は、一般的にエンドレスのシート体を有しており、このエンドレスのシート体を、平行に配置された一対の支持ローラで循環自在に張架している。このように平板状に張架されたシート体の前面を黒板面とすると共に後面を処理面とし、この処理面に画像読取機構が対向配置されている。シート体の黒板面に手書きした画像を画像読取機構により読み取る場合は、シート体を循環させて黒板面の画像を処理面の位置に順次移動させ、この処理面の位置で画像を画像読取機構により順次読み取る。
【0005】
さらに、シート体の処理面と対向する位置に、シート体に画像を印刷する画像印刷機構を配置することも提案されている。
【0006】
この場合、シート体に画像を印刷するには、シート体を循環させながら処理面の位置で画像印刷機構により画像を印刷する。この状態からシート体を順次循環させることにより、処理面に画像印刷機構により印刷した画像を黒板面に位置させて掲示することができる。
【0007】
また、シート体の処理面と対向する位置に、シート体の画像を消去するクリーナを配置することも提案されている。
【0008】
この場合、シート体の画像を消去するには、シート体を循環させて黒板面の画像を処理面の位置に順次移動させ、この処理面の位置で画像をクリーナにより順次消去する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した電子黒板装置では、シート体の黒板面に手書きした画像を画像読取機構により読み取ることができ、シート体に画像印刷機構で画像を印刷することもでき、シート体の画像をクリーナで消去することもできる。
【0010】
しかし、エンドレスのシート体の外周面のみを利用しており、内周面は利用できないため、シート体の利用効率が悪い。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、エンドレスのシート体を循環自在に張架して黒板面を形成した電子黒板装置において、三本の支持ローラを正三角形に配置して各々を回転自在に軸支し、前記シート体をメビウスの帯として形成して前記支持ローラで張架し、前記三本の支持ローラの少なくとも一本は両端部に前記シート体を支持する支持部を有して中央部に画像を消去するクリーナを前記支持部に対して回転自在に有し、前記三本の支持ローラの少なくとも一本以外の支持ローラと前記三本の支持ローラの少なくとも一本の支持ローラが有する前記支持部とを連動させて回転駆動することで前記シート体を循環させ、前記支持部と前記クリーナとを異なる周速で別個に回転駆動することで前記シート体の画像を消去するようにした。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、シート体の循環を検出して表面の位置を認識して管理する位置管理手段を設けた。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、三本の支持ローラの少なくとも二本を連動させて回転駆動するローラ駆動機構を設けた。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、二本の支持ローラの相対向する端部に傘歯車を設け、これらの傘歯車と係合する傘歯車を駆動モータに連結した。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、第一の支持ローラと第二の支持ローラとによりシート体を黒板面の位置で張架し、第三の支持ローラがシート体の画像を消去する機能を有する。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、クリーナの周速度を支持部の周速度より速くした。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、第三の支持ローラを支持軸と前記支持軸の両端部に回転自在に軸支された支持部と前記支持軸の中央部に連結されたクリーナとにより形成し、前記第三の支持ローラの支持部の各々を相対向する第一の支持ローラと第二の支持ローラとに連動させて回転駆動するローラ駆動機構を設け、このローラ駆動機構とは別個に前記第三の支持ローラの支持軸を回転駆動するクリーナ駆動機構を設けた。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、第三の支持ローラを支持軸と前記支持軸の両端部に回転自在に軸支された支持部と前記支持軸の中央部に連結されたクリーナとにより形成し、前記第三の支持ローラの支持部の各々を相対向する第一の支持ローラと第二の支持ローラとに連動させて回転駆動すると共に前記支持軸を異なる速度で回転駆動する連動駆動機構を設けた。
【0026】
なお、本明細書で云う黒板とは、画像を掲示するパネルを意味しており、黒色であることは意味していない。
【0027】
【作用】
請求項1記載の発明は、循環自在に張架されて黒板面を形成するエンドレスのシート体をメビウスの帯として形成したことにより、黒板面に位置しない裏面をシート体が有しない。また、シート体を正三角形に配置されて各々が回転自在に軸支された三本の支持ローラで張架することにより、メビウスの帯として形成されたシート体を簡易な構造で良好に張架する。そして、三本の支持ローラの少なくとも一本がシート体の画像を消去する機能を有することにより、メビウスの帯として形成されたシート体に外側から記載された画像は内側まで移動するので、シート体の画像を内側の位置で支持ローラにより消去する。この際、シート体の画像を消去する機能を有する支持ローラが、両端部の支持部によりシート体を両縁部で支持し、中央部のクリーナによりシート体の中央部の画像を消去する。
【0028】
請求項2記載の発明は、位置管理手段がシート体の循環を検出して表面の位置を管理することにより、メビウスの帯として形成されることで極めて長いシート体の画像の位置を管理する。
【0030】
請求項3記載の発明は、ローラ駆動機構が三本の支持ローラの少なくとも二本を連動させて回転駆動することにより、メビウスの帯として形成されたシート体を良好に循環させる。
【0031】
請求項4記載の発明は、二本の支持ローラの相対向する端部に設けた傘歯車と駆動モータに連結した傘歯車とを係合させることにより、簡易な構造で二本の支持ローラを連動させて回転駆動する。
【0035】
請求項5記載の発明は、シート体を黒板面の位置で張架しない第三の支持ローラがシート体の画像を消去する機能を有することにより、シート体の画像を黒板面に干渉しない位置で消去する。
【0037】
請求項6記載の発明は、クリーナの周速度を支持部の周速度より速くしたことにより、シート体の表面よりクリーナの表面を速く移動させ、このクリーナでシート体の画像を良好に消去する。
【0038】
請求項7記載の発明は、ローラ駆動機構により第一の支持ローラと第二の支持ローラと第三の支持ローラの両方の支持部とが回転駆動され、これとは別個に、クリーナ駆動機構により第三の支持ローラのクリーナが回転駆動される。
【0039】
請求項8記載の発明は、連動駆動機構により、第一の支持ローラと第二の支持ローラと第三の支持ローラの両方の支持部とが回転駆動されると共に、第三の支持ローラのクリーナが支持部とは異なる速度で回転駆動される。
【0042】
【実施例】
本発明の参考例を図1ないし図4に基づいて以下に説明する。なお、図1は本参考例の電子黒板装置1の後部カバー(図示せず)を取り外し、これを後方から視認した状態に相当する。
【0043】
まず、本参考例の電子黒板装置1は、図1に示すように、エンドレスのシート体2を有しているが、このシート体2は、長尺のシート体(図示せず)の一端を反転させて他端に接合することにより、メビウスの帯として形成されている。
【0044】
ボックス状の装置本体3の内部には、第一から第三の支持ローラ4〜6が正三角形に配置されて回転自在に各々軸支されており、これらの支持ローラ4〜6で前記シート体2が循環自在に張架されている。
【0045】
より詳細には、前記シート体2は、前記第一の支持ローラ4の前側から前記第二の支持ローラ5の前側に通され、この第二の支持ローラ5の後側から前記第三の支持ローラ6の後側に通されているが、この第三の支持ローラ6の前側からは前記第一の支持ローラ4の後側に通されている。このため、メビウスの帯として形成された前記シート体2が、前記第一から第三の支持ローラ4〜6で循環自在に張架されている。
【0046】
なお、第一から第三の支持ローラ4〜6は、前記シート体2の循環方向に従って順番に配置されており、正三角形に配置されているので、各々の軸心方向は互いに60°で交差している。図1は、理解を容易にするために前記支持ローラ4〜6を斜視図として描画しているが、実際の装置では、このように見えることはない。
【0047】
前記装置本体3の前面には矩形の開口孔7が形成されており、前記シート体2は前記第一の支持ローラ4と前記第二の支持ローラ5とにより張架されて前記開口孔7に後側から対向しているので、この開口孔7から露出した前記シート体2の表面が黒板面8とされている。
【0048】
前記シート体2の循環方向で前記黒板面8から二番目に位置する前記第三の支持ローラ6の近傍にはクリーナであるクリーニングブラシ9が配置されている。このクリーニングブラシ9は、ローラ状のブラシであり、駆動モータ(図示せず)で回転自在に軸支され、ソレノイド(図示せず)で前記第三の支持ローラ6に下方から接離する方向で移動自在に支持されている。なお、前記クリーニングブラシ9の回転方向は、前記第三の支持ローラ6の回転方向と反対方向に設定されているので、前記クリーニングブラシ9は前記シート体2の表面を、その移動方向に従って擦過する。
【0049】
また、前記第一から第三の支持ローラ4〜6は、図2に示すように、その中央部10が両端部11より小径に形成されており、これらの両端部11から両側に支持軸12が突出されている。前記中央部10の直径D1と、前記両端部11の直径D2とは、前記第一から第三の支持ローラ4〜6が、前記両端部11で前記シート体2を張架して循環させても、このシート体2が前記中央部10に接触しないよう設定されている。
【0050】
そして、図3に示すように、前記第二の支持ローラ5と前記第三の支持ローラ6とを連動させて回転駆動するローラ駆動機構13が設けられている。より詳細には、前記第二の支持ローラ5と前記第三の支持ローラ6との相対向する端部の支持軸12に傘歯車14,15が装着されており、これらの傘歯車14,15が係合する一個の傘歯車16が駆動モータ17の駆動軸18に固定されている。なお、前記ローラ駆動機構13のフレーム19には三個の軸受20が装着されており、これらの軸受20で前記駆動軸18と二本の前記支持軸12とが位置決めされている。
【0051】
また、前記シート体2の位置を管理する位置管理手段(図示せず)が設けられている。より詳細には、図4に示すように、前記シート体2の表面には、黒板面8に各々対応した複数の画面21が“一頁、二頁…”として設定されており、これらの画面21の上縁部に識別用のバーコード22が形成されている。前記第二の支持ローラ5上で前記シート体2と対向する位置にバーコードリーダ23が配置されており、前記位置管理手段は、前記バーコードリーダ23が読み取った前記バーコード22から前記シート体2の画面21の位置を認識して管理する。なお、シート体2はメビウスの帯として形成されることにより利用できる表面が二倍になっているので、前記画面21は少なくとも六頁が設定可能である。
【0052】
さらに、前記クリーニングブラシ9の作動を制御するクリーナ制御手段(図示せず)が設けられている。より詳細には、前記装置本体3の前面の下縁部には作動指示手段である操作パネル24が設けられており、この操作パネル24で前記クリーニングブラシ9の作動と前記画面21の頁数とを指定すると、前記操作パネル24の指示情報と前記位置管理手段の位置情報との論理演算により、前記クリーナ制御手段は指定された頁数の前記画面21の画像を前記クリーニングブラシ9で消去する。
【0053】
なお、ここでは図示と説明とを割愛したが、本参考例の電子黒板装置1には、既存の電子黒板装置で一般的な機構も設けられている。つまり、前記黒板面8の後側で前記シート体2を支持する支持板、前記シート体2の画像を前記装置本体3の内部で読取走査するシート読取機構、画像情報を一時記憶するフレームメモリ、画像を印刷用紙に印刷するプリンタ装置、原稿の画像を読取走査するイメージスキャナ、画像を前記装置本体3の内部で前記シート体2に印刷するシート印刷機構、画像情報を外部と通信するファクシミリ機構、などである。
【0054】
このような構成において、本参考例の電子黒板装置1は、従来の電子黒板装置と同様に使用することができる。
【0055】
つまり、シート体2が張架されることで黒板面8が形成されているので、この黒板面8にペンなどで画像を記載することができ、シート体2を順次循環させることにより、黒板面8の位置で画像が記載された画面21は装置本体3の内部に移動し、シート体2の新規の画面21が黒板面8となる。
【0056】
そこで、黒板面8の位置でシート体2に記載された画像を、シート読取機構により読み取ってフレームメモリに蓄積し、この画像情報をプリンタ装置により印刷用紙に印刷したり、ファクシミリ機構で外部に送信したりすることもできる。また、イメージスキャナで原稿から読み取った画像情報や、ファクシミリ機構で外部から受信した画像情報を、フレームメモリに蓄積し、この画像情報をシート印刷機構でシート体2に印刷して黒板面8の位置に掲示することもできる。
【0057】
そして、上述のようなシート体2がメビウスの帯として形成されているので、このシート体2を循環させると、その表面の全域が黒板面8の位置に移動する。このため、同一長さの通常のエンドレスシート(図示せず)と比較すると、黒板面8として利用できる面積が二倍であり、シート体2は極めて有効に利用される。
【0058】
しかも、シート体2はメビウスの帯として形成されているが、正三角形に配置された第一から第三の支持ローラ4〜6により、簡易な構造で良好に循環できるよう張架されており、ローラ駆動機構13が二本の支持ローラ5,6を連動させて駆動するので、簡易な構造でメビウスの帯として形成されたシート体2が良好に循環する。特に、ローラ駆動機構13が駆動する第二と第三との支持ローラ5,6は、シート体2の循環方向で黒板面8の下流に順番に位置しており、黒板面8の上流に位置する第一の支持ローラ4は駆動されないので、シート体2は黒板面8の位置で良好に張架される。
【0059】
このようにシート体2をローラ駆動機構13で循環させる動作を、以下に具体的に説明する。まず、ユーザが所望により操作パネル24を手動操作して黒板面8の交換を指示すると、ローラ駆動機構13の駆動モータ17が駆動されて第二と第三との支持ローラ5,6が同一方向に回転する。これらの支持ローラ5,6の回転によりシート体2が循環されるので、黒板面8に位置していた画面21は第二の支持ローラ5上に移動し、第一の支持ローラ4上に位置していた画面21が黒板面8に移動する。
【0060】
この時、黒板面8の位置から第二の支持ローラ5上に移動した画面21のバーコード22をバーコードリーダ23が読み取ることにより、ローラ駆動機構13の駆動が適正なタイミングで停止され、位置管理手段が黒板面8に位置する画面21の頁数などを認識する。つまり、シート体2はメビウスの帯として形成されているので、利用できる表面が二倍となっているが、位置管理手段により画面21の位置が管理されるので、特定の画面21を指定して各種作業を実行させることができる。
【0061】
なお、シート体2を順次循環させることにより、黒板面8の位置から第二の支持ローラ5上に移動した画面21を第三の支持ローラ6上まで移動させ、この第三の支持ローラ6上において画面21の画像をクリーニングブラシ9で消去することもできる。
【0062】
このようにシート体2の画像をクリーニングブラシ9で消去する動作を、以下に具体的に説明する。まず、シート体2の全域の画像を一律に消去する場合、操作パネル24を手動操作して全域消去の開始を指示する。すると、ローラ駆動機構13が駆動されてシート体2が循環され、ローラ状のブラシからなるクリーニングブラシ9が、シート体2の表面に回転駆動されるので、このシート体2の全域の画像がクリーニングブラシ9により順次消去される。なお、シート体2はメビウスの帯として形成されているので、その全域の画像を消去するためには循環を二回とする必要がある。
【0063】
この時、回転するクリーニングブラシ9の周面の移動方向が、当接するシート体2の表面の移動方向と同一なので、クリーニングブラシ9がシート体2の循環の抵抗となることはない。なお、画像消去の効率が重要で、シート体2の循環が阻害されない場合には、クリーニングブラシ9の回転方向を逆転させると良い。
【0064】
また、シート体2の特定の画面21の画像を選択的に消去することもできる。この場合は、操作パネル24を手動操作して画面21のシリアルナンバーと画像消去とを指示する。すると、ローラ駆動機構13が駆動されてシート体2が循環され、位置管理手段の管理により、指定された画面21がクリーニングブラシ9の位置に順次搬送されて画像が消去される。
【0065】
なお、このようにシート体2の画像をクリーニングブラシ9で選択的に消去できるので、シート体2に記載された画像をクリーニングブラシ9で消去することなく保存しておき、黒板面8の位置に再度掲示させることも可能である。この場合、シート体2がメビウスの帯として形成されているので、シート体2の表面の画像は、黒板面8の位置に帰還するまでに第一から第三の支持ローラ4〜6の表面と対向する。
【0066】
しかし、これらの支持ローラ4〜6は、大径の両端部11でシート体2を支持し、小径の中央部10がシート体2から遊離するので、シート体2に記載された画像に支持ローラ4〜6が接触することがなく、シート体2の画像が損なわれることがなく、支持ローラ4〜6が汚れることもない。
【0067】
また、黒板面8の位置でシート体2に記載された画像を、シート体2を循環させる場合に直ちに消去することもできる。この場合、クリーニングブラシ9はシート体2の循環方向で黒板面8から二番目に位置する第三の支持ローラ6に対向しているので、この位置でシート体2の画像を消去するならば、この画像が支持ローラ4〜6の表面に対向することはない。つまり、黒板面8の位置でシート体2に記載された画像を第三の支持ローラ6上でクリーニングブラシ9により必ず消去するならば、支持ローラ4〜6の中央部10を両端部11より小径にする必要はない。
【0068】
なお、このようなことは、クリーニングブラシ9を第二の支持ローラ5に対向配置させた場合も同様である。換言すると、本参考例の電子黒板装置1では、第一から第三の支持ローラ4〜6の各々において中央部10が両端部11より小径であるので、クリーニングブラシ9を第一の支持ローラ4に対向配置させても問題はない。
【0069】
また、クリーニングブラシ9にはインク粉が付着するので、このインク粉をクリーニングブラシ9から除去するスクレイパやバイアスローラを設けることが好ましく、クリーニングブラシ9から除去されたインク粉を回収する容器などを設けることが望ましい。
【0070】
さらに、本参考例のローラ駆動機構13は、第二と第三との支持ローラ5,6を連動させて回転駆動することにより、シート体2を黒板面8の位置で良好に張架させながら良好に循環させるが、本発明は上記参考例に限定されるものではなく、第一から第三の支持ローラ4〜6の全部を連動させて回転駆動するローラ駆動機構(図示せず)なども実現可能である。このようなローラ駆動機構は、上述したローラ駆動機構13に付加して、第三の支持ローラ6と第一の支持ローラ4との相対向する端部に設けた傘歯車を直接に係合させることにより実現できる。同様に、ローラ駆動機構13に付加して、第一の支持ローラ4と第二の支持ローラ5との相対向する端部に設けた傘歯車を中間傘歯車で係合させることでも実現でき、上述のような機構の全部を設けることも可能である。
【0071】
さらに、本参考例の電子黒板装置1では、ローラ駆動機構13を、第二と第三との支持ローラ5,6の端部に設けた傘歯車14,15と、これに係合する傘歯車16と、これを回転駆動する一個の駆動モータ17とにより形成しているが、本発明は上記参考例に限定されるものでもなく、例えば、同様な機能のローラ駆動機構を、ユニバーサルジョイントと平歯車列と駆動モータとにより形成することも可能である。
【0072】
また、本参考例の電子黒板装置1では、シート体2に設定した複数の画面21の各々にバーコード22を形成し、このバーコード22をバーコードリーダ23で読み取ることにより位置管理手段が画面21の位置を管理することを説明したが、本発明は上記参考例に限定されるものではない。例えば、シート体2を磁性体で形成して磁気ストライプを記録しておき、この磁気ストライプを磁気リーダにより読み取ることでも、位置管理手段はシート体2の移動を検知して画面21の位置を管理することができる。
【0073】
なお、図4に示すように、メビウスの帯として形成されたシート体2においては、表裏(実際には表裏は存在しないので、これはシート体2を局所的に見た場合である)で画面21は上下逆様となる。このため、画面21の上縁部などに磁気ストライプを記録しても、これは裏面では下縁部に位置するので、表裏で磁気ストライプが重複することはない。
【0074】
また、ローラ駆動機構13によるシート体2の搬送精度が良好ならば、位置管理手段はローラ駆動機構13の駆動モータ17の回転からシート体2の移動を検知して画面21の位置を管理することもできる
つぎに、本発明の第一の実施例を図5に基づいて以下に説明する。なお、本実施例の電子黒板装置25に関し、参考例として上述した電子黒板装置1と同一の部分は、同一の名称及び符号を用いて詳細な説明は省略する。
【0075】
まず、本実施例の電子黒板装置25は、前述した電子黒板装置1とは第三の支持ローラ26の構造が異なっており、この第三の支持ローラ26と対向するクリーニングブラシ9は設けられていない。
【0076】
前記第三の支持ローラ26は、一本の支持軸27と、この支持軸27の両端部に回転自在に軸支された支持部28,29と、前記支持軸27の中央部に装着されたクリーナであるクリーニングブラシ30とにより形成されている。このため、前記第三の支持ローラ26は、両端部の支持部28,29でシート体2を支持する機能を有し、前記クリーニングブラシ30でシート体2の画像を消去する機能を有している。
【0077】
前記第三の支持ローラ26の一端部の前記支持部28には傘歯車15が装着されており、この傘歯車15は、第二の支持ローラ5の一端部に装着された傘歯車14と共に、駆動モータ17で軸支された傘歯車16に係合している。前記第三の支持ローラ26の他端部の前記支持部29にも傘歯車31が装着されており、この傘歯車31は、第一の支持ローラ4の一端部に装着された傘歯車32に直接に係合している。この第一の支持ローラ4と第二の支持ローラ5との相対向する他端部にも傘歯車が装着されており、これらの傘歯車は中間傘歯車を介して係合している(図示せず)。
【0078】
このような機構により、ローラ駆動機構13の駆動モータ17が、第一の支持ローラ4と第二の支持ローラ5と前記第三の支持ローラ26の支持部28,29とに連結されており、これらの支持部28,29の各々は、相対向する第一の支持ローラ4と第二の支持ローラ5とに連動して回転駆動される。
【0079】
また、前記第三の支持ローラ26の支持軸27の一端部にはクリーナ駆動機構33が連結されている。このクリーナ駆動機構33は、前記支持軸27に装着された平歯車34と、この平歯車34に係合する平歯車35と、この平歯車35を回転駆動する駆動モータ36とからなる。このクリーナ駆動機構33により、前記第三の支持ローラ26の前記クリーニングブラシ30は前記支持部28,29とは別個に回転駆動される。前記クリーニングブラシ30と前記支持部28,29との回転方向は同一であるが、前記クリーニングブラシ30の周速度は前記支持部28,29の周速度より速く設定されている。
【0080】
このような構成において、本実施例の電子黒板装置25では、第三の支持ローラ26が、両端部の支持部28,29でシート体2を支持し、中央部のクリーニングブラシ30でシート体2の画像を消去する。このため、第一から第三の支持ローラ4,5,26の外側にクリーナを配置する必要がなく、小型化が可能である。
【0081】
なお、本実施例の電子黒板装置25では、シート体2に記載された画像が第三の支持ローラ26のクリーニングブラシ30に必ず接触するので、シート体2に記載された画像を保存することなく毎回消去する場合に最適である。シート体2に記載された画像を保存したい場合には、クリーニングブラシ30を出没自在な構造とすることが好ましい。
【0082】
また、第三の支持ローラ26のクリーニングブラシ30の回転方向は支持部28,29の回転方向と同一なので、回転するクリーニングブラシ30がシート体2の循環の抵抗となることはない。なお、クリーニングブラシ30の回転速度は支持部28,29の回転速度より速いので、回転方向が同一でもクリーニングブラシ30はシート体2の画像を良好に消去することができる。ローラ駆動機構13とクリーナ駆動機構33とが別個に設けられているので、シート体2の循環速度とクリーニングブラシ30の回転速度とを個別に変更することができ、使用状況に対応させてクリーニング能力を適正に設定することができる。
【0083】
第一と第二との支持ローラ4,5でシート体2を黒板面8の位置で張架し、第三の支持ローラ26にクリーニングブラシ30を設けているので、クリーニングブラシ30の回転によりシート体2が第三の支持ローラ26の位置で振動しても、黒板面8の位置でシート体2が振動することはなく、ユーザは黒板面8を良好に使用することができる。なお、クリーニングブラシ30によりシート体2が振動しない場合や、シート体2の振動をガイドプレート(図示せず)などで解消できる場合には、クリーニングブラシ30を第一の支持ローラ4や第二の支持ローラ5に設けることも可能である。
【0084】
つぎに、本発明の第二の実施例を図6に基づいて以下に説明する。なお、本実施例の電子黒板装置37に関し、第一の実施例として上述した電子黒板装置25と同一の部分は、同一の名称及び符号を用いて詳細な説明は省略する。
【0085】
まず、本実施例の電子黒板装置37では、第二の支持ローラ5と第三の支持ローラ26との傘歯車14,15に係合した傘歯車16が駆動モータ17に連結されておらず、第二の支持ローラ26の支持部29と支持軸27とに連動駆動機構38が連結されている。
【0086】
まず、支持軸27と支持部29との各々に平歯車34,39が装着されており、これらの平歯車34,39に各々係合する平歯車35,40が一個の駆動モータ36に装着されている。さらに、第三の支持ローラ26の支持部29と第一の支持ローラ4とが傘歯車31,32で連結され、第一の支持ローラ4と第二の支持ローラ5とが傘歯車(図示せず)で連結され、第二の支持ローラ5と第三の支持ローラ26の支持部28とが傘歯車14〜16で連結されている。
【0087】
このような機構により、前記連動駆動機構38の駆動モータ36が、第一の支持ローラ4と第二の支持ローラ5と第三の支持ローラ26の支持部28,29とクリーニングブラシ30とに連結されており、前記連動駆動機構38により、第一の支持ローラ4と第二の支持ローラ5と第三の支持ローラ26の支持部28,29とクリーニングブラシ30とが回転駆動される。第三の支持ローラ26の支持部28,29とクリーニングブラシ30との回転方向は同一であるが、前記平歯車34,39,35,40により、クリーニングブラシ30の周速度は支持部28,29の周速度より速く設定されている。
【0088】
このような構成において、本実施例の電子黒板装置37では、連動駆動機構38により、一個の駆動モータ36で第一から第三の支持ローラ4,5,26と、第三の支持ローラ26のクリーニングブラシ30とが回転駆動されるので、小型化が可能である。
【0089】
なお、本実施例の電子黒板装置37では、シート体2を循環させる場合にクリーニングブラシ30が必ず回転するので、シート体2に記載された画像を保存することなく毎回消去する場合に最適である。
【0090】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、エンドレスのシート体を循環自在に張架して黒板面を形成した電子黒板装置において、シート体をメビウスの帯として形成したことにより、シート体を通常のエンドレス構造にした場合に比較して、黒板面に利用できる面積が二倍となるので、シート体を有効に利用することができる。また、三本の支持ローラを正三角形に配置して各々を回転自在に軸支し、これらの支持ローラでシート体を張架したことにより、メビウスの帯として形成されたシート体を簡易な構造で良好に張架することができるので、黒板面が多い電子黒板装置を簡易な構造で実現することができる。そして、三本の支持ローラの少なくとも一本がシート体の画像を消去する機能を有することにより、シート体に外側から記載された画像が内側に移動して支持ローラに接触する時点で、この支持ローラによりシート体の画像を消去することができ、支持ローラの外側にクリーナを配置する必要がないので小型化が可能である。この場合、シート体の画像を消去する機能を有する支持ローラは、両端部にシート体を支持する支持部を有し、中央部に画像を消去するクリーナを有することにより、シート体を支持すると共に画像を消去する支持ローラを簡易な構造で実現することができる。
【0091】
請求項2記載の発明は、シート体の循環を検出して表面の位置を認識して管理する位置管理手段を設けたことにより、シート体に記載された多数の画像を管理し、所望の画像を選択的に黒板面の位置まで移動させるようなことが可能となる。
【0093】
請求項3記載の発明は、三本の支持ローラの少なくとも二本を連動させて回転駆動するローラ駆動機構を設けたことにより、メビウスの帯として形成されたシート体を良好に循環させることができるので、黒板面が多い電子黒板装置を簡易な構造で実現することができる。
【0094】
請求項4記載の発明は、二本の支持ローラの相対向する端部に傘歯車を設け、これらの傘歯車と係合する傘歯車を駆動モータに連結したことにより、一個の駆動モータで二本の支持ローラを回転駆動することができるので、メビウスの帯として形成されたシート体を良好に循環させることができ、黒板面が多い電子黒板装置を簡易な構造で実現することができる。
【0098】
請求項5記載の発明は、第一の支持ローラと第二の支持ローラとによりシート体を黒板面の位置で張架し、第三の支持ローラがシート体の画像を消去する機能を有することにより、第三の支持ローラが画像を消去する動作によりシート体が振動しても、このシート体が黒板面の位置で振動することはないので、黒板面を良好に使用することができる。
【0100】
請求項6記載の発明は、クリーナの周速度を支持部の周速度より速くしたことにより、シート体の画像を良好に消去することができる。
【0101】
請求項7記載の発明は、第三の支持ローラを支持軸と支持軸の両端部に回転自在に軸支された支持部と支持軸の中央部に連結されたクリーナとにより形成し、第三の支持ローラの支持部の各々を相対向する第一の支持ローラと第二の支持ローラとに連動させて回転駆動するローラ駆動機構を設け、このローラ駆動機構とは別個に第三の支持ローラの支持軸を回転駆動するクリーナ駆動機構を設けたことにより、ローラ駆動機構により第一から第三の支持ローラを回転駆動してシート体を良好に循環させることができ、クリーナ駆動機構によりクリーナを回転駆動してシート体の画像を良好に消去することができ、シート体の循環速度とクリーナの回転速度とを個別に変更できるので、クリーニング能力を適正に設定することができる。
【0102】
請求項8記載の発明は、第三の支持ローラを支持軸と支持軸の両端部に回転自在に軸支された支持部と支持軸の中央部に連結されたクリーナとにより形成し、第三の支持ローラの支持部の各々を相対向する第一の支持ローラと第二の支持ローラとに連動させて回転駆動すると共に支持軸を異なる速度で回転駆動する連動駆動機構を設けたことにより、一個の連動駆動機構により第一から第三の支持ローラとクリーナとを回転駆動することができるので、小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例の電子黒板装置の内部構造を示す背面図である。
【図2】支持ローラを示す斜視図である。
【図3】ローラ駆動機構を示す縦断背面図である。
【図4】シート体の循環を説明する模式図である。
【図5】第一の実施例の電子黒板装置の要部を示す縦断背面図である。
【図6】第二の実施例の電子黒板装置の要部を示す縦断背面図である。
Claims (8)
- エンドレスのシート体を循環自在に張架して黒板面を形成した電子黒板装置において、三本の支持ローラを正三角形に配置して各々を回転自在に軸支し、前記シート体をメビウスの帯として形成して前記支持ローラで張架し、前記三本の支持ローラの少なくとも一本は両端部に前記シート体を支持する支持部を有して中央部に画像を消去するクリーナを前記支持部に対して回転自在に有し、前記三本の支持ローラの少なくとも一本以外の支持ローラと前記三本の支持ローラの少なくとも一本の支持ローラが有する前記支持部とを連動させて回転駆動することで前記シート体を循環させ、前記支持部と前記クリーナとを異なる周速で別個に回転駆動することで前記シート体の画像を消去するようにしたことを特徴とする電子黒板装置。
- シート体の循環を検出して表面の位置を認識して管理する位置管理手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の電子黒板装置。
- 三本の支持ローラの少なくとも二本を連動させて回転駆動するローラ駆動機構を設けたことを特徴とする請求項1記載の電子黒板装置。
- 二本の支持ローラの相対向する端部に傘歯車を設け、これらの傘歯車と係合する傘歯車を駆動モータに連結したことを特徴とする請求項1記載の電子黒板装置。
- 第一の支持ローラと第二の支持ローラとによりシート体を黒板面の位置で張架し、第三の支持ローラがシート体の画像を消去する機能を有することを特徴とする請求項1記載の電子黒板装置。
- クリーナの周速度を支持部の周速度より速くしたことを特徴とする請求項1記載の電子黒板装置。
- 第三の支持ローラを支持軸と前記支持軸の両端部に回転自在に軸支された支持部と前記支持軸の中央部に連結されたクリーナとにより形成し、前記第三の支持ローラの支持部の各々を相対向する第一の支持ローラと第二の支持ローラとに連動させて回転駆動するローラ駆動機構を設け、このローラ駆動機構とは別個に前記第三の支持ローラの支持軸を回転駆動するクリーナ駆動機構を設けたことを特徴とする請求項1記載の電子黒板装置。
- 第三の支持ローラを支持軸と前記支持軸の両端部に回転自在に軸支された支持部と前記支持軸の中央部に連結されたクリーナとにより形成し、前記第三の支持ローラの支持部の各々を相対向する第一の支持ローラと第二の支持ローラとに連動させて回転駆動すると共に前記支持軸を異なる速度で回転駆動する連動駆動機構を設けたことを特徴とする請求項1記載の電子黒板装置。
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