JP3544600B2 - ガス流量計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のガス機器が使用されているガス配管系に1つ設置するだけで、個別のガス機器のガス積算流量を計測可能なガス流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、都市ガスの積算流量(ガス消費量)の計測は、図7に示すように、消費者のガス配管14の上流側にガス流量計101を配設して、消費者が消費するガス流量を計測し、そのガス流量からガス消費量を演算している。
一方、ガスエンジンヒートポンプ12等のように冷暖房用に使用されるガス機器で消費されるガスについては、ガス料金の割引を行っている。これらのガス機器は、消費量が大きいから割り引きしても採算が採れるからである。
そして、割引料金となるガスエンジンヒートポンプ12の消費量は、通常ガス機器13で消費されるガス消費量とは別に計測する必要があるため、通常ガス機器用のガス流量計101のとは別にガスエンジンヒートポンプ専用ガス流量計102を設置している。
【0003】
しかし、ガスエンジンヒートポンプ専用ガス流量計102と、通常ガス機器用のガス流量計101との2つを設置するのは、ガス会社としては、コストアップとなっていた。また、ガス流量計は、家の外側に配設されるが、都市部では2つのガス流量計101,102を取り付け、かつ検針可能なスペースを確保することが困難な場合があった。
また、取り付けた後でも、ガス流量計101,102の2箇所のガス流量計を検針しなければならないため、ガス検針の効率が低下する問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、すでに発明者らは、特願平7−176809号において、ガスエンジンヒートポンプ等の特定のガス機器がガス消費時にガス配管内に発生させる特定周波数のガス圧変動を利用して、一台で特定のガス機器の消費するガス流量と他のガス機器の消費するガス流量とを計測できるガス流量計を提案している。
【0005】
しかしながら、上記ガス流量計では、特定のガス機器がガス消費している場合において、その他のガス機器への流量が変化したときなどに、いずれの機器へのガス流量が変化したのかを判別することが困難であった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ガス流量の変化が生じた場合にいずれの機器の流量が変化したかを判別し、1つのガス流量計で個別のガス機器のガス消費量を計測可能なガス流量計を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するための請求項1に記載の解決手段は、ガス配管に取り付けられてガスの積算流量を計測するガス流量計において、ガスを消費する際にガス配管内にガス圧変動を生じさせる特定のガス機器が前記ガス配管に接続されている場合に、ガス流量が増加し、かつガス圧変動の変動幅が大きくなったときには、このガス流量の増加分を前記特定のガス機器へのガス流量に加算し、ガス流量が増加し、かつガス圧変動の変動幅が小さくなったときには、このガス流量の増加分を前記特定のガス機器以外のガス機器へのガス流量に加算し、ガス流量が減少し、かつガス圧変動の変動幅が大きくなったときには、このガス流量の減少分を前記特定のガス機器以外のガス機器へのガス流量から減算し、ガス流量が減少し、かつガス圧変動の変動幅が小さくなったときには、このガス流量の減少分を前記特定のガス機器へのガス流量から減算するガス流量演算手段を有することを特徴とするガス流量計である。
【0008】
上記構成を有する本発明のガス流量計は、下流に特定のガス機器およびその他のガス機器が接続されるガス配管に設置される。
ここで、特定のガス機器とは、ガスを消費する際に接続しているガス配管内においてガス圧に変動を生じさせるガス機器を指し、ガスエンジンや、これを用いたガスエンジンヒートポンプなどの機器が含まれる。
【0009】
同じようにガス配管のガス流量が変化した場合であっても、特定のガス機器の流量が変化した場合と他のガス機器の流量が変化した場合では、ガス圧変動の変動幅の変化の傾向が異なる。従って、ガス圧変動の変動幅の変化をも併せて判断することにより、特定のガス機器へのガス流量が変化したのか、他のガス機器へのガス流量が変化したのかを判定することができる。さらに、それに応じてガス流量の増加分あるいは減少分をいずれかの機器のガス流量の増加分あるいは減少分として演算して、特定のガス機器へのガス積算流量とその他のガス機器へのガス積算流量との両者を計測することができる。
【0010】
さらに、請求項2に記載の解決手段は、ガス配管に取り付けられてガスの積算流量を計測するガス流量計において、前記ガスの流量を計測するガス流量センサと、前記ガスの圧力を計測する圧力センサと、ガスを消費する際にガス配管内にガス圧変動を生じさせる特定のガス機器が、前記ガス配管内に発生させるガス圧変動の周波数範囲を記憶した特定機器変動周波数記憶手段と、前記圧力センサの出力からガス圧変動の周波数を検出するガス圧変動周波数検出手段と、前記圧力センサの出力からガス圧変動の変動幅を検出するガス圧変動幅検出手段と、前記ガス圧変動周波数検出手段が検出した前記ガス圧変動の周波数と前記特定機器変動周波数記憶手段が記憶する前記ガス圧変動の周波数範囲とを比較し、この周波数範囲内に前記検出した周波数が入る場合には、前記特定のガス機器のガス消費が有ると判定する特定機器ガス消費判定手段と、前記特定のガス機器のガス消費が有ると判定されている場合において、ガス流量が増加し、かつガス圧変動の変動幅が大きくなったときには、このガス流量の増加分を前記特定のガス機器へのガス流量に加算し、ガス流量が増加し、かつガス圧変動の変動幅が小さくなったときには、このガス流量の増加分を前記特定のガス機器以外のガス機器へのガス流量に加算し、ガス流量が減少し、かつガス圧変動の変動幅が大きくなったときには、このガス流量の減少分を前記特定のガス機器以外のガス機器へのガス流量から減算し、ガス流量が減少し、かつガス圧変動の変動幅が小さくなったときには、このガス流量の減少分を前記特定のガス機器へのガス流量から減算するガス流量演算手段とを有することを特徴とするガス流量計である。
【0011】
上記構成を有する本発明のガス流量計は、下流に特定のガス機器およびその他のガス機器が接続されるガス配管に設置される。
ここで、ガス流量センサは、ガス配管を流れるガスの単位時間当たりの流量を計測するもので、フルイディック式、膜式、熱線式等いずれのものでもよい。
また、圧力センサは、ガス配管を流れるガスの圧力を計測するもので、圧電式、静電容量式、ストレインゲージ式等いずれのものでも良い。
特定のガス機器とは、ガスを消費する際に接続しているガス配管内においてガス圧に変動を生じさせるガス機器を指し、ガスエンジンや、これを用いたガスエンジンヒートポンプなどの機器が含まれる。
【0012】
特定機器変動周波数記憶手段は、上記特定のガス機器がガス配管内に発生させるガス圧変動の周波数範囲を記憶している。
ガス圧変動周波数検出手段は、圧力センサの出力(ガス圧力)からガス圧変動の周波数を検出するもので、フーリエ変換を用いて周波数分析して検出しても、電気的に特定範囲の周波数の有無や振幅を検出しても、あるいは他の手段によって検出しても良い。
【0013】
ガス圧変動幅検出手段は、圧力センサの出力からガス圧変動の変動幅を検出するもので、ガス圧力において交流的に重畳されている圧力変動分の幅を検出する。
特定機器ガス消費判定手段は、ガス圧変動の周波数がガス圧変動の周波数範囲内にあるか否かを比較し、この周波数範囲内に前記検出した周波数が入る場合には、前記特定のガス機器のガス消費が有ると判定する
ガス流量演算手段は、特定のガス機器のガス消費が有ると判定されている場合において、ガス流量の増減とガス圧変動の変動幅の増減との組み合わせに従って、特定のガス機器またはこれ以外のガス機器への流量の加算または減算を行う。
【0014】
特定のガス機器のガス消費があると判断されている場合は、ガス流量が変化した場合に、その流量変化が特定のガス機器の流量が変化したためであるのか、他のガス機器の流量が変化したためであるのかを判定しなければならない。ここで、特定のガス機器の流量が変化した場合と他のガス機器の流量が変化した場合では、ガス圧変動の変動幅の変化の傾向が異なり逆の傾向を示す。従って、ガス圧変動の変動幅の変化をも併せて判断することにより、特定のガス機器へのガス流量が変化したのか、他のガス機器へのガス流量が変化したのかを判定することができる。さらに、それに応じてガス流量の増加分あるいは減少分をいずれかの機器のガス流量の増加分あるいは減少分として演算して、特定のガス機器へのガス積算流量とその他のガス機器へのガス積算流量との両者を計測することができる。
【0015】
さらに請求項3に記載の解決手段は、前記特定のガス機器がガスエンジンヒートポンプであることを特徴とする請求項1または2に記載のガス流量計である。一般にガスエンジンヒートポンプは、運転時に特有の周波数を持つガス圧変動をガス配管内に生じさせる。その周波数は10〜21Hzとなることが実験的に確かめられている。
従って、通常のガス機器のガス消費量と、ガスエンジンヒートポンプのガス消費量を別々に算出できるため、通常のガス機器については通常ガス料金で処理し、ガスエンジンヒートポンプについては割引ガス料金で処理することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明にかかるガス流量計11の実施態様について、図1〜図5を参照しつつ説明する。図1はガス流量計11を使用するガス配管系を示す。
ガスGのガス配管14の流路の途中には、ガス流量計11が配設されている。さらに、このガス流量計11よりも下流のガス配管14には、ガスエンジンヒートポンプ(以下GHPともいう。)12及びバーナー等の通常ガス機器13が直接接続しており、これらのガス機器のガス使用量をガス流量計11で計測できるようになっている。
【0017】
次に、ガス流量計11の構成を図2のブロック図で示す。ガス配管14および流量計11を通過するガス流量を検出するガス流量センサ20およびガス配管14内のガス圧力を計測する圧力センサ21がガス配管14に接続されている。これらのセンサ20、21の出力は、演算部22に入力されるように接続されており、この演算部22には、さらに、制御プログラムを記憶するROM23、データ等を一時的に記憶するRAM24、および通常ガス機器用25aとGHP用25bのガス消費量を別個に記憶できる消費量記憶部25が接続している。また、消費量記憶部25には、ガス消費量を表示するための表示部26が接続している。ガス流量センサ20は、膜式流量センサやフルイディック流量センサ等広く使用されているいずれの流量計を使用しても同じなので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0018】
ROM23には、GHP変動周波数記憶手段30、ガス圧変動周波数検出プログラム31、ガス変動幅検出プログラム32、GHPガス消費量判定プログラム33、およびガス流量演算プログラム34が記憶・格納されている。
ここで、GHP変動周波数記憶手段30は、GHP12がガスを消費する際にガス配管14内に発生させるガス圧変動の周波数範囲、即ち、後述するように10〜21Hzの周波数範囲を記憶する。
【0019】
また、ガス圧変動周波数検出プログラム31は、圧力センサ21の出力からガス圧変動の周波数を検出するガス圧変動周波数検出手段であり、圧力センサ21の出力を高速フーリエ変換(FFT)によって周波数分析し、ガス圧変動の主は数を検出するプログラムである。
ガス変動幅検出プログラム32は、圧力センサ21の出力からガス圧変動の変動幅を検出するガス圧変動幅検出手段であり、圧力センサ21の出力のうち交流成分の振幅(変動幅)の大きさを検出するプログラムである。
【0020】
GHPガス消費量判定プログラム33は、ガス圧変動周波数検出プログラム31によって検出されたガス圧変動の周波数と、GHP変動周波数記憶手段30が記憶する10〜21Hzのガス圧変動の周波数範囲とを比較し、この周波数範囲内に検出したガス圧変動の周波数が入る場合には、GHPのガス消費が有ると判定するGHPガス消費判定手段である。
【0021】
さらに、ガス流量演算プログラム34は、GHPガス消費判定プログラム33によりGHPのガス消費があると判定されている場合において、
▲1▼ガス流量が増加し、かつガス圧変動の変動幅が大きくなったときには、このガス流量の増加分をGHP12へのガス流量に加算し、
▲2▼ガス流量が増加し、かつガス圧変動の変動幅が小さくなったときには、このガス流量の増加分を通常ガス機器13へのガス流量に加算し、
▲3▼ガス流量が減少し、かつガス圧変動の変動幅が大きくなったときには、このガス流量の減少分を通常ガス機器13へのガス流量から減算し、
▲4▼ガス流量が減少し、かつガス圧変動の変動幅が小さくなったときには、このガス流量の減少分をGHP12へのガス流量から減算する
ガス流量演算手段である。
【0022】
ここで、ガスエンジンヒートポンプ12を使用することによりガス配管14内に発生するガス変動の周波数は、次の式で計算できる。
V=R×S/60/2
ここで、Vは発生するガス圧変動周波数であり、単位はHzである。Rはガスエンジンヒートポンプ12の回転数であり、単位はrpmである。Sはガスエンジンヒートポンプ12の気筒数である。60は1分間の秒数であり、2で割っているのは、4サイクルエンジンの場合、エンジン2回転毎に吸気弁が1回開閉するからである。
【0023】
現在広く使用されているガスエンジンヒートポンプ12のデータに基づいて算出したガス圧変動周波数および実測した周波数を図3に示す。GHP12としては、単気筒、3馬力のものを使用している。
計算値は、上記式より算出した値であり、実験により計測した実験値とほぼ一致している。このGHPの回転数Rを横軸に、ガス圧変動の周波数Vを縦軸にして、この実測値をプロットしたグラフを図4に示す。両者は直線上に並び上記の式をほぼ満足することが判る。また、GHP12で通常使用される回転数は、1200〜2500rpmであり、これに対応するガス圧変動周波数は、10〜21Hzである。従って、この周波数範囲のガス圧変動を生じた場合には、GHP12が運転されてガスを消費していると判断できる。
そこで、GHP変動周波数記憶手段30は、GHP12がガス配管14内に発生させるガス圧変動周波数範囲として、10〜21Hzを記憶している。
【0024】
次に、上記構成を有するガス流量計11の処理動作を図5に示すフローチャートによって説明する。
先ず、ステップS1において、ガス圧変動周波数検出プログラム31により、圧力センサ21で計測したガス圧力(圧力センサ出力)をフーリエ変換してガス圧変動周波数fp を求め、それがGHP変動周波数記憶手段30に記憶している周波数範囲10〜21Hz内に入るか否か(10≦fp ≦21)、即ち、GHP12が運転されているか否かを判断する。なお、フーリエ変換等の手法は、周知であるのでここでは説明を省略する。また、フーリエ変換等の複雑な数学的手法以外の簡便な方法でもガス圧変動周波数を求めることができるが、本願では省略する。
【0025】
fp がこの周波数範囲に入らない場合(fp<10またはfp>21の場合)、即ちS1;NOの場合には、GHP12は運転されていないと考えられ、続くステップS9においてGHPへのガス流量QGHP =0とし、ガス流量Qが△Qだけ変化した場合には、通常ガス機器へのガス流量QB に△Qを増減したものを新たなQBとする。
一方、fpがこの周波数範囲に入る場合(10≦fp≦21の場合)、即ち、S1;YESの場合には、GHP12は運転されていると考えられ、次のステップS2に進む。以下、ステップS2〜S8までが、ガス流量演算プログラム34によって場合分けされて演算される。
【0026】
ステップS2では、ガス流量センサ20の出力からガス流量Qが増加したか否か、即ち、ガス流量Qの変化量△Qが、正(△Q≧0)か負(△Q<0)かを判断する。
ガス流量Qが増加した場合(△Q≧0の場合)、即ち、S2;YESの場合には、ステップS3に進む。一方、ガス流量Qが減少した場合(△Q<0の場合)、即ち、S2;NOの場合には、ステップS4に進む。
【0027】
ステップS3では、ガス変動幅検出プログラム32により検出したガス変動幅PWが大きくなったか否か、即ち、ガス変動幅PWの変化幅△PWが正(△PW≧0)か負(△PW<0)かを判断する。
【0028】
ここで、ガス変動幅PWが大きくなった場合(△PW≧0の場合)、即ち、S3;YESの場合には、ステップS5に進み、ステップS5において、GHPへの流量QGHPに△Qを加算したものを新たなQGHPとして用いる。また、通常ガス機器13への流量QBは、従来の値を用いる。
一方、ガス変動幅PWが小さくなった場合(△PW<0の場合)、即ち、S3;NOの場合には、ステップS6に進み、ステップS6において、GHPへの流量QGHPには、従来の値を用い、通常ガス機器13への流量QBは、△Qを加算したものを新たなQBとして用いる。
【0029】
また、ステップS4でも、ステップS3と同様にガス変動幅検出プログラム32により検出したガス変動幅PWが大きくなったか否か、即ち、ガス変動幅PWの変化幅△PWが、△PW≧0か否かを判断する。
【0030】
ここで、ガス変動幅PWが大きくなった場合(△PW≧0の場合)、即ち、S4;YESの場合には、ステップS7に進み、ステップS7において、GHPへの流量QGHPには、従来の値を用い、通常ガス機器13への流量QBは、△Qを減算したものを新たなQBとして用いる。
一方、ガス変動幅PWが小さくなった場合(△PW<0の場合)、即ち、S4;NOの場合には、ステップS8に進み、ステップS8において、GHPへの流量QGHPに△Qを減算したものを新たなQGHPとして用いる。また、通常ガス機器13への流量QBは、従来の値を用いる。
【0031】
そして、ステップS10において、ステップS5、S6、S7、S8のいずれかに次いで、QGHP をGHP12のガス使用量として積算し、これとは別に、通常ガス機器13のガス使用量QB を積算する。また、ステップS9に続いて、同様に積算する。但し、この場合には、通常ガス機器13のガス使用量QB のみ積算される。GHPへのガス流量QGHP =0であるので、積算しても変化しないからである。
このようにして、各場合についてガス流量を積算した後、ステップS1に戻る。
【0032】
このような処理が可能である理由は、以下のような実験結果の基づいている。即ち、図1に示す配管において、GHP12の回転数を1400rpmとし、当初のGHP12の使用流量QGS1 =450l/h、通常ガス機器13の使用流量QBS1=0l/hとしたとき、ガス圧変動幅PWS1 =45.5mmHOで、ガス圧変動周波数fPS1 =11.625Hzであった。ついで、同じ回転数で、GHPへの使用流量QGE1=460l/hとする一方、通常ガス機器13の使用流量QBE1=0=QBS1として変化させなかった場合に、ガス圧変動幅PWE1=46.4mmHOに上昇した。即ち、GHP12へのガス流量QGHPが増加すると、ガス圧変動幅PWも増加することが判る。
【0033】
一方、同じく図1に示す配管において、GHP12の回転数を1200rpmとし、当初のGHP12の使用流量QGS2 =330l/h、通常ガス機器13の使用流量QBS2=0l/hとしたとき、ガス圧変動幅PWS2 =48.6mmHOで、ガス圧変動周波数fPS2 =10.0Hzであった。ついで、同じ回転数で、GHPへの使用流量QGE2=330l/h(=QGS2)として変化させない一方、通常ガス機器13の使用流量QBE2 =360l/hに増加した場合に、ガス圧変動幅PWE2=46.4mmHOに下降した。即ち、通常ガス機器13のガス流量QB が増加すると、逆にガス圧変動幅PW は減少することが判る。つまり、ガス圧変動幅PW は、GHP12へのガス流量が増減した場合と、通常ガス機器13へのガス流量が増減した場合には、その傾向が逆である。従って、ガス流量Qの増減とガス圧変動幅PW の増減との2つの事象から場合分けすれば、GHP12へのガス流量の増減および通常ガス機器13へのガス流量の増減を分離して計測できる。
【0034】
次に、上記フローチャートに従った処理を具体例で説明する。図6(a)(b)(c) は、それぞれGHPへのガス流量の時間的変化、通常ガス機器へのガス流量の時間的変化、およびガス配管14のガス流量の時間的変化を示す。当然のことながら、図6(a)および(b)のガス流量の和は、図6(c) のガス配管のガス流量になる。
ここで、GHP12へのガス流量QGHP は図6(a)に示すように、時間t1でQG1からQG2に増加させ、時間t2でQG2からQG1に減少させる。なお、QG2とQG1の差を△Qとする(QG2−QG1=△Q)。
【0035】
また、通常ガス機器13へのガス流量QB を、図6(b)に示すように、時間t3でQB1からQB2に増加させ、時間t4 でQB2からQB1に減少させる。なお、簡単のためQB2とQB1の差も△Qとする(QB2−QB1=△Q)。
すると、この両者の和であるガス配管14のガス流量Qは、当初Q1 (=QG1+QB1)であるが、時間t1でQ1からQ2に増加し、時間t2でQ2からQ1に減少する。さらに、時間t3で再びQ1からQ2に増加し、時間t4で再度Q2 から減少して当初の流量Q1 に戻る。なお、Q2とQ1の差は△Qである(Q2−Q1=△Q=QG2−QG1=QB2−QB1)。
【0036】
このような流量変化は、t1〜t2においてGHP12に負荷を掛けてガス使用量(消費量)を多くし、t3〜t4において通常ガス機器13のガス使用量を多くした場合に生じるが、ガス配管14のガス流量Qからだけでは、GHP12か通常ガス機器13のいずれのガス流量が増減したかを判別できない。
【0037】
かかるガス流量変化を生じた場合において、上述のガス流量計11における処理は以下のようになる。即ち、先ず時間t1 以前では、GHP12へのガス流量はQG1であり、通常ガス機器13へのガス流量はQB1である(QGHP=QG1、QB=QB1)。
時間t1〜t2においては、ガス流量Qは、Q1からQ2に△Qだけ増加し(ステップS2;YES)、GHP12が配管14内に発生するガス圧変動の変動幅も大きくなる(ステップS3;YES)。そこでステップS5に従って、GHP12へのガス流量QGHPをQG1に△Qだけ加算すると、QG2 となる。ついで、ステップS10においてGHPへのガス流量QGHPとしてQG2 を用いて積算し、一方、通常ガス機器へのガス流量QBは変化させないで積算する。
【0038】
ついで、時間t2〜t3においては、ガス流量Qは、Q2からQ1に△Qだけ減少する(ステップS2;NO)し、GHP12が配管14内に発生するガス圧変動の変動幅は小さくなる(ステップS4;NO)。そこでステップS8に従って、GHP12へのガス流量QGHP をQG2から△Qだけ減算すると、QG1となる。次いで、ステップS10においてGHPへのガス流量QGHP としてQG1を用いて積算し、一方、通常ガス機器へのガス流量QBは変化させないで積算する。
【0039】
時間t3〜t4においては、ガス流量Qは、Q1からQ2に△Qだけ増加する(ステップS2;YES)し、GHP12が配管14内に発生するガス圧変動の変動幅は小さくなる(ステップS3;NO)。そこでステップS6に従って、GHP12へのガス流量QGHP はQG1のままとしつつ、通常ガス機器13へのガス流量QBをQB1に△Qだけ加算するとQB2 になる。次いで、ステップS10においてGHPへのガス流量QGHP は変化させないで積算し、一方、通常ガス機器へのガス流量QBにはQB2を用いて積算する。
【0040】
時間t4 以降においては、ガス流量Qは、Q2からQ1に△Qだけ減少する(ステップS2;NO)し、GHP12が配管14内に発生するガス圧変動の変動幅は大きくなる(ステップS4;YES)。そこでステップS7に従って、GHP12へのガス流量QGHP はQG1のままとしつつ、通常ガス機器13へのガス流量QBをQB2から△Qだけ減算するとQB1 になる。次いで、ステップS10においてGHPへのガス流量QGHP は変化させないで積算し、一方、通常ガス機器へのガス流量QBにはQB1を用いて積算する。
これにより、ガスエンジンヒートポンプ12の稼働中に、GHP12のガス使用量あるいは通常ガス機器13のガス使用量が変化しても、いずれのガス使用量が増減したかを把握して、GHP12のガス消費量を正確に積算することができ、また、通常ガス機器13のガス消費量も正確に積算することができる。
【0041】
以上詳細に説明したように、本実施例のガス流量計11によれば、ガス流量の増減△Qおよびガス圧変動幅の増減△PW の関係から、GHP12へのガス流量(ガス消費量)が増減したのか、通常ガス機器13へのガス流量(ガス消費量)が増減したのかを知ることができ、1つのガス流量計11を用いてガスエンジンヒートポンプ12のガス消費量と通常ガス機器13のガス消費量とを個別に算出し表示することができる。
【0042】
また、上記実施態様のガス流量計11は、ガスの流量を計測するガス流量センサ20と、ガスの圧力を計測する圧力センサ21と、GHPがガス配管に生じさせるガス圧変動の周波数範囲10〜21Hzを記憶するGHP変動周波数記憶手段30と、圧力センサ21のガス圧変動の周波数を検出するガス圧変動検出プログラム31と、ガス圧変動の変動幅を検出するガス圧変動幅検出プログラム32と、ガス圧変動検出プログラム31で検出したガス圧変動周波数が、GHP変動周波数記憶手段30が記憶するガス圧変動周波数範囲10〜21Hz内に入る場合に、GHPがガスを消費していると判定するGHPガス消費判定プログラム33と、GHPガス消費判定プログラム33によってGHPがガスを消費している(稼働している)と判断された場合に、上述のようなガスの変化流量ΔQとガス圧変動幅PWの変化量△PWとの関係から、ガスの変化流量△QがGHPあるいは通常ガス機器のいずれの消費量の変化によって生じたかを判定し、GHP12および通常ガス機13器のガス消費量を算出するガス流量演算プログラム34とを有しているので、1つのガス流量計11を用いてガスエンジンヒートポンプ12のガス消費量と通常ガス機器13のガス消費量とを個別に算出し表示することができる。
【0043】
なお、前記実施例は本発明を何ら限定するものでなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形、改良が可能であることは勿論である。
例えば、本実施例では、ガスエンジンヒートポンプ12のガス圧変動として10〜21Hzを用いているが、気筒数や回転数などガスエンジンヒートポンプ12の種類や運転条件に応じて変化させれば良いことは言うまでもない。また、ガスエンジンヒートポンプ12に限らず、ガス配管14内のガス圧に変動を発生させるガス機器であれば、応用できることも当然である。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明かなように本発明のガス流量計によれば、ガスの変化流量およびガス圧変動幅の変化から、特定ガス機器および通常ガス機器のガス消費量を別々に算出するガス消費量演算手段とを有しているので、1つのガス流量計を用いて特定ガス機器のガス消費量と通常ガス機器のガス消費量とを個別に算出し表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガス流量計11が使用されるガス配管系の構成を示すブロック図である。
【図2】ガス流量計11の制御手段の構成を示すブロック図である。
【図3】ガスエンジンヒートポンプ12の回転数Rとガス圧変動周波数Vとの関係についての実測値及び計算値を示す図である。
【図4】ガスエンジンヒートポンプ12の回転数とガス圧変動周波数との関係を示すグラフである。
【図5】ガス流量計11の処理動作を示すフローチャートである。
【図6】処理の具体例におけるガス流量の経時的変化を表す説明図である。(a)はGHPのガス流量、(b)は通常ガス機器のガス流量、(c)はガス配管14のガス流量を示す。
【図7】従来のガス流量計が使用されるガス配管系の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 ガス流量計
12 ガスエンジンヒートポンプ(GHP)
13 通常ガス機器
20 ガス流量センサ
21 圧力センサ
30 GHP変動周波数記憶手段
31 ガス圧変動周波数検出プログラム
32 ガス変動幅検出プログラム
33 GHPガス消費判定プログラム
34 ガス流量演算プログラム

Claims (3)

  1. ガスを消費する際にガス配管内にガス圧変動を生じさせる特定のガス機器が接続されているガス配管に取り付けられて、ガスの積算流量を計測するガス流量計において、
    ガス流量が増加し、かつガス圧変動の変動幅が大きくなったときには、このガス流量の増加分を前記特定のガス機器へのガス流量に加算し、
    ガス流量が増加し、かつガス圧変動の変動幅が小さくなったときには、このガス流量の増加分を前記特定のガス機器以外のガス機器へのガス流量に加算し、
    ガス流量が減少し、かつガス圧変動の変動幅が大きくなったときには、このガス流量の減少分を前記特定のガス機器以外のガス機器へのガス流量から減算し、ガス流量が減少し、かつガス圧変動の変動幅が小さくなったときには、このガス流量の減少分を前記特定のガス機器へのガス流量から減算するガス流量演算手段を有することを特徴とするガス流量計。
  2. ガスを消費する際にガス配管内にガス圧変動を生じさせる特定のガス機器が接続されているガス配管に取り付けられて、ガスの積算流量を計測するガス流量計において、
    前記ガスの流量を計測するガス流量センサと、
    前記ガスの圧力を計測する圧力センサと、
    前記特定のガス機器が、前記ガス配管内に発生させるガス圧変動の周波数範囲を記憶した特定機器変動周波数記憶手段と、
    前記圧力センサの出力からガス圧変動の周波数を検出するガス圧変動周波数検出手段と、
    前記圧力センサの出力からガス圧変動の変動幅を検出するガス圧変動幅検出手段と、
    前記ガス圧変動周波数検出手段が検出した前記ガス圧変動の周波数と前記特定機器変動周波数記憶手段が記憶する前記ガス圧変動の周波数範囲とを比較し、この周波数範囲内に前記検出した周波数が入る場合には、前記特定のガス機器のガス消費が有ると判定する特定機器ガス消費判定手段と、
    前記特定のガス機器のガス消費が有ると判定されている場合において、
    ガス流量が増加し、かつガス圧変動の変動幅が大きくなったときには、このガス流量の増加分を前記特定のガス機器へのガス流量に加算し、
    ガス流量が増加し、かつガス圧変動の変動幅が小さくなったときには、このガス流量の増加分を前記特定のガス機器以外のガス機器へのガス流量に加算し、
    ガス流量が減少し、かつガス圧変動の変動幅が大きくなったときには、このガス流量の減少分を前記特定のガス機器以外のガス機器へのガス流量から減算し、
    ガス流量が減少し、かつガス圧変動の変動幅が小さくなったときには、このガス流量の減少分を前記特定のガス機器へのガス流量から減算するガス流量演算手段とを有することを特徴とするガス流量計。
  3. 前記特定のガス機器がガスエンジンヒートポンプであることを特徴とする請求項1または2に記載のガス流量計。
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