JP3544304B2 - 画素欠陥補正装置及び画素欠陥補正方法 - Google Patents

画素欠陥補正装置及び画素欠陥補正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全画素読み出し方式の固体撮像素子を用いた撮像装置において、固体撮像素子の画素欠陥を信号処理により補正する画素欠陥補正装置及び画素欠陥補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、CCD等の半導体により形成される固体撮像素子では、半導体の局部的な結晶欠陥等により画素劣化が生じることが知られている。入射光量に応じた撮像出力に常に一定のバイアス電圧が加算されてしまう画素欠陥は、この画素欠陥がそのまま信号処理されてしまうとモニタ上に高輝度の白い点として現れるため白キズと呼ばれている。
【0003】
図7は、インターラインで画素信号が読み出されるインターライン固体撮像素子(以下、インターラインCCDと記す)の白キズを補正する画素欠陥補正装置における画素欠陥補正方法を説明するための図である。
なお、インターラインCCDから出力されるCCD信号は、白キズ補正が行われる前にまずノイズ成分が除去され、所定の信号レベルに調整されてディジタル信号に変換される。
【0004】
そして、ディジタルの形態に変換されたCCD信号は、水平方向に2画素が混合されて輝度信号とされ、複数設けられたラインメモリにライン毎に書き込まれて白キズの補正が行われる。なお、ここでは、2ライン分のラインメモリを設け、ラインメモリから読み出した2ライン分の輝度信号とこの2ラインに続き入力される1ライン分の輝度信号との合計3ライン分の輝度信号を用いて、3ライン分の輝度信号の白キズ補正を行う例を示している。
【0005】
図7は、連続する3ライン、即ちラインL0、ラインL1、ラインL2における水平方向に連続する3画素を夫々示しており、画素a乃至cはラインL0上の3画素、画素d乃至fはラインL1上の3画素、画素g乃至iはラインL2上の3画素を示している。
【0006】
従来の画素欠陥補正方法では、このような水平3画素及び垂直3画素のマトリクスよりなる合計9画素の輝度信号を用いて図7に示す画素b、画素e、画素hにおける白キズの補正を行っている。なお、ここで1ライン毎に補正を行わず、3ライン分の輝度信号をまとめて補正するのは、垂直アパーチャー信号に白キズが含まれるのを防止するためである。
【0007】
まず、画素eの白キズ補正を行う場合について説明する。
初めに、画素dと画素fとの輝度信号を比較して信号レベルが低い方を代表値Y1Lとし、画素a乃至c及び画素g乃至iの合計6画素での輝度信号を比較して信号レベルが最も高いものを代表値Y1Hとする。そして、代表値Y1Lと代表値Y1Hとを比較して値が大きい方をY1として、画素eにおける輝度信号の値からY1の値を引いて、その結果が所定のしきい値を越えている場合には、画素eに白キズが発生していると判別する。
【0008】
このように、画素eに白キズが発生していると判別された場合、画素eにおける輝度信号の値をY1の値で置き換えることにより白キズの補正を行う。一方、画素eにおける輝度信号の値からY1の値を引いて、その結果が所定のしきい値を越えていない場合には、画素eに白キズが発生していないと判別し、画素eにおける輝度信号の値をそのまま用いる。
【0009】
次に、画素bの白キズ補正を行う場合、画素aと画素cとの輝度信号を比較して信号レベルが低い方を代表値Y0Lとする。また、画素d乃至fの輝度信号を比較して信号レベルが最も高いものを代表値Y0Hとする。そして、代表値Y0Lと代表値Y0Hとを比較して値が大きい方をY0として、画素bにおける輝度信号の値からY0の値を引いて、その結果が所定のしきい値を越えている場合には、画素bに白キズが発生していると判別する。
【0010】
そして、画素bに白キズが発生していると判別された場合は、画素bにおける輝度信号の値をY0の値で置き換えることにより白キズの補正を行う一方、画素bに白キズが発生していないと判別された場合は、画素bにおける輝度信号の値をそのまま用いる。
【0011】
また、画素hでの白キズの補正を行う場合、画素gと画素iとの輝度信号を比較して信号レベルが低い方を代表値Y2Lとする。また、画素d乃至fの輝度信号を比較して信号レベルが最も高いものを代表値Y2Hとする。そして、代表値Y2Lと代表値Y2Hとを比較して値が大きい方をY2として、画素hにおける輝度信号の値からY2の値を引いて、その結果が所定のしきい値を越えている場合には、画素hに白キズが発生していると判別する。
【0012】
そして、画素hに白キズが発生していると判別された場合は、画素hにおける輝度信号の値をY2の値で置き換えることにより白キズの補正を行う一方、画素hに白キズが発生していないと判別された場合は、画素hにおける輝度信号の値をそのまま用いる。
【0013】
以上に示す方法により、隣接画素の信号レベルと比較して輝度信号の信号レベルが極端に高い画素がある場合には、これを白キズとみなして補正処理が行われていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、CCD等の固体撮像素子を使用した最近のカメラ一体型VTRでは、更なる高画質化が進められると共に、偶数フィールド及び奇数フィールドよりなる動画像信号よりぶれのない1枚の静止画像信号を得ようとするニーズが強まりつつあり、このようなカメラ一体型VTRでは、インターラインで画素信号が読み出されるインターラインCCDでなく、全画素読み出し方式のプログレッシブスキャンCCD(以下、PS−CCDとも記す)が用いられる場合がある。
【0015】
しかし、このようなPS−CCDから得られるCCD信号に対して、従来の画素欠陥補正装置の如く、水平方向に2画素を混合して輝度信号を得て白キズ補正を行った場合、解像度の低下を招いてしまうという問題があった。また、水平方向に2画素を混合する前のCCD信号を用い、従来例のような単純な補正範囲で周辺画素と比較することにより白キズ補正を行った場合、固体撮像素子から出力されるCCD信号における色成分毎の信号レベルの違いにより、正確な白キズ検出及び白キズ補正ができないといった問題があった。
【0016】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本発明に係る画素欠陥補正装置は、
全画素読み出し方式の固体撮像素子から出力され、1画素の画像情報が複数の色成分のうちのいずれか1つの色成分を示してなる画素信号列から同一色成分をなす画素信号を連続する複数ラインにおける画面所定範囲にわたり抽出する抽出手段と、
前記抽出手段にて抽出された画素信号における注目画素の画素情報と、前記画素信号における注目画素を除く他の画素の画素情報とを比較して、前記注目画素における画素欠陥の有無を判別する画素欠陥判別手段と、
前記画素欠陥判別手段にて前記注目画素に画素欠陥があると判別された場合には、前記画素信号における注目画素を除く他の画素の画素情報を用いて前記注目画素の画素情報を補正して出力し、前記画素欠陥判別手段にて前記注目画素に画素欠陥がないと判別された場合には、前記注目画素の画素情報をそのまま出力する画素欠陥補正手段とを備え画素欠陥補正装置であって、
前記画素欠陥判別手段及び前記画素欠陥補正手段は、前記連続する複数ラインにおける前記注目画素の上下の画素についても同時に画素欠陥の有無を判別すると共に画素情報を補正するようにしたことを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明に係る画素欠陥補正方法は、
全画素読み出し方式の固体撮像素子から出力され、1画素の画像情報が複数の色成分のうちのいずれか1つの色成分を示してなる画素信号列から同一色成分をなす画素信号を連続する複数ラインにおける画面所定範囲にわたり抽出し、
前記抽出された画素信号における注目画素の画素情報と、前記画素信号における注目画素を除く他の画素の画素情報とを比較して、前記注目画素における画素欠陥の有無を判別し、
前記注目画素に画素欠陥があると判別された場合には、前記画素信号における注目画素を除く他の画素の画素情報を用いて前記注目画素の画素情報を補正して出力し、前記注目画素に画素欠陥がないと判別された場合には、前記注目画素の画素情報をそのまま出力する画素欠陥補正方法であって、
前記連続する複数ラインにおける前記注目画素の上下の画素についても同時に画素欠陥の有無を判別すると共に画素情報を補正するようにしたことを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る画素欠陥補正装置への信号経路を説明するためのブロック図、図2はプログレッシブスキャンCCDにおけるCCDフィルタ配列を示す図、図3はプログレッシブスキャンCCDから出力されるCCD信号を説明するための図、図4は本発明に係る画素欠陥補正装置における画素欠陥の補正方法を説明するための図、図5及び図6は本発明に係る画素欠陥補正装置の構成を示すブロック図である。
以下図面を参照しながら、本発明の一実施の形態を説明する。
【0019】
図1において、1は伝送経路Sa及びSbを通じて全画素のCCD信号を出力するPS−CCD、2はPS−CCD1が出力するCCD信号からノイズ成分を除去するCDS、3はCCD信号を所定の信号レベルに調整するAGC、4はCCD信号をディジタルの信号形態に変換するA/D変換器である。
【0020】
また、5はA/D変換器4にてディジタルの信号形態に変換されたCCD信号を、伝送系路Saに対して2ライン分、伝送経路Sbに対して2ライン分保持することのできるラインメモリ、6は伝送系路Sa及びSbにて各3ライン分ずつのCCD信号が同時に入力され、3ライン分のCCD信号に対して夫々白キズ補正をして出力する画素欠陥補正装置である。
【0021】
このように、本発明に係る画素欠陥補正装置は、各伝送系路を通じてラインメモリ5から出力される3ライン分ずつのCCD信号に対して3ライン分のCCD信号の白キズ補正を同時に行って出力している。なお、図2はPS−CCD1におけるCCDフィルタのフィルタ配列の一例を示す図であり、PS−CCD1はA、B、C、Dに示す4つのCCDフィルタ(色成分透過フィルタ)を備えており、ここで示すA、B、C、Dは、例えばホワイト、グリーン、シアン、イエロー等の各色成分を意味する。
【0022】
そして、PS−CCD1は図3(a)に示す如く伝送系路Saを通じて色成分A及び色成分BのCCD信号を交互に出力し、図3(b)に示す如く伝送系路Sbを通じて色成分C及び色成分DのCCD信号を交互に出力する。
【0023】
また、図2に示すように、色成分AのためのCCDフィルタと色成分BのためのCCDフィルタとが配置されるラインでは、垂直方向1ラインおきに夫々のCCDフィルタの位置が逆になるよう配置され、同様に色成分CのためのCCDフィルタと色成分DのためのCCDフィルタとが配置されるラインでは、垂直方向1ラインおきに夫々のCCDフィルタの位置が逆になるよう配置されている。
【0024】
従って、図3に示すように、伝送系路Saから出力されるラインLa0では色成分A、色成分B、色成分A、…の順にCCD信号が出力されるのに対し、これに続くラインLa1では、色成分B、色成分A、色成分B、…の順にCCD信号が出力される。また、同様に、伝送系路Sbから出力されるラインLb0では色成分C、色成分D、色成分C、…の順にCCD信号が出力されるのに対し、これに続くラインLb1では、色成分D、色成分C、色成分D、…の順にCCD信号が出力される。
【0025】
このようにしてPS−CCD1から出力されるCCD信号は、CDS2、AGC3、A/D変換器4を経て、ラインメモリ5に入力される。そして、ラインメモリ5からは連続する3ライン分のCCD信号が画素欠陥補正装置6に同時に入力される。
【0026】
次に、画素欠陥補正装置6における白キズ補正装置について図4を用いて説明する。なお、伝送系路Saからは色成分A及び色成分BのCCD信号、伝送系路Sbからは色成分C及び色成分DのCCD信号が入力されるが、いずれの伝送系路に対しても同一方法にて白キズ補正を行うため、ここでは、伝送経路Saを通じて入力される色成分A及び色成分Bに対する白キズ補正についてのみ説明する。
【0027】
また、ここでは、後述する如く水平5画素及び垂直3画素のマトリクスよりなる合計15画素のCCD信号を用いて、画素c、画素h、画素mにおける白キズの補正を行うが、更に多くの画素を用いて画素c、画素h、画素mにおける白キズの補正を行っても構わない。
【0028】
図4における画素a乃至eはラインLa0でのCCD信号、画素f乃至jはラインLa1でのCCD信号、画素k乃至oはラインLa2でのCCD信号を夫々示しており、本発明に係る画素欠陥補正装置では、このように水平5画素及び垂直3画素のマトリクスよりなる合計15画素のCCD信号を用いて、画素c、画素h、画素mにおける白キズの補正を行うことができる。
【0029】
ここでは、まず画素hの白キズ補正について説明する。
前述の如くラインメモリ5からは、ラインLa0乃至La2の3ライン分のCCD信号が同時に入力されるが、この時のCCD信号は色成分Aと色成分Bとが交互に入力され、例えば画素hが色成分BのCCD信号である場合には、画素b、画素d、画素f、画素j、画素l、画素nは色成分BのCCD信号であり、画素a、画素c、画素e、画素g、画素i、画素k、画素m、画素oは色成分AのCCD信号となっている。
【0030】
この時、色成分Aと色成分Bとの間にはCCD信号の信号レベルに差があるため、色成分BのCCD信号である画素hの白キズ有無の判別を行う際に、色成分AのCCD信号の信号レベルを使用しては正確な判別が行えなくなる。従って、画素hでの白キズ補正を行う際には、画素hと同一の色成分である画素のCCD信号のみを用いる。
【0031】
画素欠陥補正装置6では、まず、注目画素となる画素hの周辺に存在し、画素hと同一の色成分である画素b、画素d、画素f、画素j、画素l、画素nの合計6画素でのCCD信号を比較して、信号レベルが最も高いものを最大値C1Hとする。そして、画素hにおけるCCD信号の値ChからC1Hの値を引いて、その結果が所定のしきい値を越えている場合には、画素hに白キズが発生していると判別する。
【0032】
そして、画素hに白キズが発生していると判別された場合は、画素hにおけるCCD信号の値ChをC1Hの値で置き換えることにより白キズの補正を行う。一方、画素hにおけるCCD信号の値ChからC1Hの値を引いて、その結果が所定のしきい値を越えていない場合には、画素hに白キズが発生していないと判別し、画素hにおけるCCD信号の値Chをそのまま出力する。
【0033】
次に、画素cの白キズ補正を行う場合、画素a、画素e、画素g、画素iの合計4画素でのCCD信号を比較して、信号レベルが最も高いものを最大値C0Hとする。そして、画素cにおけるCCD信号の値CcからC0Hの値を引いて、その結果が所定のしきい値を越えている場合には、画素cに白キズが発生していると判別する。
【0034】
そして、画素cに白キズが発生していると判別された場合は、画素cにおけるCCD信号の値CcをC0Hの値で置き換えることにより白キズの補正を行う一方、画素cに白キズが発生していないと判別された場合は、画素cにおけるCCD信号の値Ccをそのまま出力する。
【0035】
また、画素mの白キズ補正を行う場合、画素g、画素i、画素k、画素oの合計4画素でのCCD信号を比較して、信号レベルが最も高いものを最大値C2Hとする。そして、画素mにおけるCCD信号の値CmからC2Hの値を引いて、その結果が所定のしきい値を越えている場合には、画素mに白キズが発生していると判別する。
【0036】
そして、画素mに白キズが発生していると判別された場合は、画素mにおけるCCD信号の値CmをC2Hの値で置き換えることにより白キズの補正を行う一方、画素mに白キズが発生していないと判別された場合は、画素mにおけるCCD信号の値Cmをそのまま出力する。
【0037】
図5及び図6は、このようにして白キズの発生を判別した上で白キズの補正を行う画素欠陥補正装置6の構成を示すブロック図である。なお、図5及び図6で示す構成は、本画素欠陥補正装置の構成の一例であり、図4を用いて説明したように白キズを補正できる回路であれば、ここで示す構成に限らず他の構成であっても構わない。
【0038】
ここで、図5は図4を用いて説明したラインLa0乃至ラインLa2における画素a乃至oから画素c、h、mにおけるCCD信号の値Cc、Ch、Cm、そして最大値C0H、C1H、C2Hを得るための構成を示しており、また、図6はこれらの値を用いて画素c、h、mにおけるCCD信号の値を必要に応じて置き換えて出力する構成を示している。
【0039】
ここでは、まず図5の構成により、CCD信号の値Cc、Ch、Cm、そして最大値C0H、C1H、C2Hを得る方法を説明する。なお、同図において、10乃至21は入力されるCCD信号を1画素分遅延させて出力する遅延素子、22乃至31は入力されるCCD信号のうち、信号レベルの高い何れか一方の信号を出力する選択出力回路である。
【0040】
ラインLa0乃至ラインLa2を通じてCCD信号が入力されると各遅延素子は入力されるCCD信号を1画素分ずつ遅延させて出力し、ここでは遅延素子10乃至13が図4における画素a乃至dのCCD信号、遅延素子14乃至17が画素f乃至iのCCD信号、遅延素子18乃至21が画素k乃至nのCCD信号を夫々出力し、ラインLa0を通じて画素eのCCD信号、ラインLa1を通じて画素jのCCD信号、ラインLa2を通じて画素oのCCD信号が入来しているものとする。
【0041】
まず、画素cでのCCD信号の値Cc、画素hでのCCD信号の値Ch、画素mでのCCD信号の値Cmは、夫々遅延素子12、16、20からの出力信号により得ることができる。そして画素hでの白キズの有無を判別するためには、画素b、画素d、画素f、画素j、画素l、画素nの合計6画素におけるCCD信号の最大値C1Hが必要であるが、これは、選択回路24、27、29にて夫々のライン毎に前記画素のCCD信号の最大値を得て、その後選択回路25にてラインLa0とラインLa1の最大値を得た後に、選択回路26にて何れか大きい一方の値を選択することにより、前記合計6画素におけるCCD信号の最大値C1Hを得ることができる。
【0042】
また、画素cでの白キズの有無を判別するためには、画素a、画素e、画素g、画素iの合計4画素におけるCCD信号の最大値C0Hが必要であるが、これは、選択回路22、28にて夫々のライン毎に前記画素のCCD信号の最大値を得て、その後選択回路23にて何れか大きい一方の値を選択することにより、前記合計4画素におけるCCD信号の最大値C0Hを得ることができる。
【0043】
また、同様に、画素mでの白キズの有無を判別するためには、画素g、画素i、画素k、画素oの合計4画素におけるCCD信号の最大値C2Hが必要であるが、これは、選択回路28、30にて夫々のライン毎に前記画素のCCD信号の最大値を得て、その後選択回路31にていずれか大きい一方の値を選択することにより、前記合計4画素におけるCCD信号の最大値C2Hを得ることができる。
【0044】
次に、図6を用いて画素c、画素h、画素mにおけるCCD信号の値の補正について説明する。なお、画素c、画素h、画素mにおけるCCD信号の値の補正については、図6に示す構成を各ライン毎に設けて3ラインのCCD信号を同時に補正するが、いずれのラインに対しても同一方法にて白キズ補正を行うため、ここではラインLa0、即ち画素cに対する補正についてのみ説明する。
【0045】
同図において、32は図4に示す画素cにおけるCCD信号の値Ccから最大値C0Hを減算する減算回路であり、この減算回路32の出力はコンパレータ(CMP)34の端子Aに入力される。一方、9ビットのディジタル信号で供給される所定のしきい値WKSは、ビット変換器33にて10ビットのディジタル信号に変換されてコンパレータ34の端子Bに入力される。
【0046】
ここで、コンパレータ34は減算回路32が出力する減算値としきい値WKSとを比較して、減算回路32が出力する減算値が大きい場合は1の値を出力し、それ以外の場合は0の値を出力する。そして、論理積回路35の一方の入力端には減算回路32が出力する10ビットの減算値のうちの最上位ビット(MSB)を反転させた信号が入力され、他方の入力端にはコンパレータ34からの1あるいは0の信号が入力される。
【0047】
そして、論理積回路35は、2つの入力信号の論理積を出力し、論理積回路35が1を出力した場合には、セレクタ36は最大値C0Hを選択出力し、論理積回路35が0を出力した場合には、画素cにおけるCCD信号の値Ccを選択出力する。
【0048】
例えば、画素cでのCCD信号の値Ccが同じ色成分を示す周辺画素のCCD信号の最大値C0Hと比べてはるかに大きく、画素cでのCCD信号の値Ccから最大値C0Hを引いた値がしきい値WKSを越えている場合、即ち、画素cに白キズが発生している可能性が高い場合には、コンパレータ34は1を出力する。
【0049】
そして、この時減算回路32の出力する減算値は正の値となっているため、この減算回路32が出力する10ビットの減算値のうちの最上位ビットは0であり、この0の値は1に反転された後にコンパレータ34に出力される。従って、論理積回路35は1の値を出力し、セレクタ36が最大値C0Hを選択出力することにより、画素cにおけるCCD信号が最大値C0Hに置き換えられて白キズの補正がなされる。
【0050】
一方、画素cでのCCD信号の値Ccが同じ色成分を示す周辺画素のCCD信号の最大値C0Hと比べてさほど大きくなく、画素cでのCCD信号の値Ccから最大値C0Hを引いた値がしきい値WKSを越えていない場合、即ち、画素cには白キズが発生していない可能性が高い場合には、コンパレータ34は0を出力する。従って、論理積回路35は0の値を出力し、セレクタ36は画素cにおけるCCD信号の値Ccをそのまま出力する。
【0051】
また、画素cでのCCD信号の値Ccが同じ色成分を示す周辺画素のCCD信号の最大値C0Hよりも小さい値である場合、即ち、画素cに白キズが発生していない場合には、減算回路32の出力する減算値は負の値となる。
【0052】
従って、減算回路32が出力する10ビットの減算値のうちの最上位ビットは1であり、この1の値は0に反転された後に論理積回路35に出力されるため、論理積回路35は0の値を出力し、セレクタ36は画素cにおけるCCD信号の値Ccをそのまま出力する。
【0053】
なお、以上に示す実施の形態では、白キズが発生していると判別された場合には、白キズが発生していると判別された注目画素のCCD信号の値をその画素と同じ色成分を示す周辺画素の値(最大値)により置き換えた例を示したが、これに限らず、白キズが発生していると判別された注目画素のCCD信号の値をその画素と同じ色成分を示す周辺画素の値の平均値により置き換えても良い。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、全画素読み出し方式の固体撮像素子から出力されるCCD信号のうち、同一色成分をなす情報のみを抽出して画素欠陥の判別を行うため、画素欠陥の補正を正確に行うことができるだけでなく、解像度を低下させることなく画素欠陥の補正を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画素欠陥補正装置への信号経路を説明するためのブロック図である。
【図2】プログレッシブスキャンCCDにおけるCCDフィルタのフィルタ配列の一例を示す図である。
【図3】プログレッシブスキャンCCDから出力されるCCD信号を説明するための図である。
【図4】本発明に係る画素欠陥補正装置における画素欠陥補正方法を説明するための図である。
【図5】注目画素でのCCD信号の値及び注目画素と同一色成分である隣接画素でのCCD信号の最大値を得る構成を示す図である。
【図6】注目画素におけるCCD信号の値を補正する構成を示す図である。
【図7】従来の画素欠陥補正装置における画素欠陥補正方法を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
1…プログレッシブスキャンCCD(PS−CCD)
2…CDS
3…AGC
4…A/D変換器
5…ラインメモリ
6…画素欠陥補正装置
10〜21…遅延素子
22〜31…選択回路
32…減算回路
33…ビット変換器
34…コンパレータ(CMP)
35…論理積回路
36…セレクタ

Claims (2)

  1. 全画素読み出し方式の固体撮像素子から出力され、1画素の画像情報が複数の色成分のうちのいずれか1つの色成分を示してなる画素信号列から同一色成分をなす画素信号を連続する複数ラインにおける画面所定範囲にわたり抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段にて抽出された画素信号における注目画素の画素情報と、前記画素信号における注目画素を除く他の画素の画素情報とを比較して、前記注目画素における画素欠陥の有無を判別する画素欠陥判別手段と、
    前記画素欠陥判別手段にて前記注目画素に画素欠陥があると判別された場合には、前記画素信号における注目画素を除く他の画素の画素情報を用いて前記注目画素の画素情報を補正して出力し、前記画素欠陥判別手段にて前記注目画素に画素欠陥がないと判別された場合には、前記注目画素の画素情報をそのまま出力する画素欠陥補正手段とを備え画素欠陥補正装置であって、
    前記画素欠陥判別手段及び前記画素欠陥補正手段は、前記連続する複数ラインにおける前記注目画素の上下の画素についても同時に画素欠陥の有無を判別すると共に画素情報を補正するようにしたことを特徴とする画素欠陥補正装置。
  2. 全画素読み出し方式の固体撮像素子から出力され、1画素の画像情報が複数の色成分のうちのいずれか1つの色成分を示してなる画素信号列から同一色成分をなす画素信号を連続する複数ラインにおける画面所定範囲にわたり抽出し、
    前記抽出された画素信号における注目画素の画素情報と、前記画素信号における注目画素を除く他の画素の画素情報とを比較して、前記注目画素における画素欠陥の有無を判別し、
    前記注目画素に画素欠陥があると判別された場合には、前記画素信号における注目画素を除く他の画素の画素情報を用いて前記注目画素の画素情報を補正して出力し、前記注目画素に画素欠陥がないと判別された場合には、前記注目画素の画素情報をそのまま出力する画素欠陥補正方法であって、
    前記連続する複数ラインにおける前記注目画素の上下の画素についても同時に 画素欠陥の有無を判別すると共に画素情報を補正するようにしたことを特徴とする画素欠陥補正方法。
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