JP3544028B2 - 立坑掘削方法及び立坑掘削機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は立坑掘削方法及び立坑掘削機に係わり、特に、掘削用カッターで立坑構築物の内側などを掘削して立坑構築物を降下させる立坑掘削方法及び立坑掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の立坑掘削方法としては、立坑構築物(ケーソン)の内面より内周側及び立坑構築物の刃口下側を掘削用カッターで掘削して立坑構築物を降下させて行く方法が、例えば、「建設の機械化」1972年6月号第63〜71頁に記載されている。この従来技術では、主カッターと拡径カッターとを有する掘削用カッターを用い、主カッターで立坑構築物の内面より内周側を掘削し、拡径カッターで立坑構築物の刃口下側を掘削することにより立坑構築物の刃口抵抗を減らし、立坑構築物を自重沈下させることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には次のような問題がある。
上記従来技術における拡径カッターは、回転中心からカッター刃先までの距離が回転方向内周側から外周側に行くにしたがって大きくなるようなカッター形状をしていたため、拡径カッターを拡径したまま深さ方向に掘削する場合、立坑構築物が自重沈下したときに拡径カッター外周部が立坑構築物の刃口と地山との間に挾まれ、カッターを破損するおそれがあった。
【0004】
したがって、上記従来技術の拡径カッターによる掘削方法は、掘削用カッターの深さ方向位置を固定し、この状態で拡径カッターを拡径しながら拡径カッターの形状に対応した環状の溝を掘削し、次いでその環状の溝の下側を掘削する場合は、拡径カッターを一旦縮径し、掘削用カッターを回転させ下方に所定のストローク掘削し、掘削用カッターを異なる深さに固定した後、再び拡径カッターを拡径しながら拡径カッターの形状に対応した環状の溝を掘削し、以上の工程を繰り返して順次下側を拡径掘削するという間欠掘り方式を採用せざるをえなかった。このため、拡径カッターによる掘削作業に多くの工程を要し、非能率的であった。また、上記従来技術は間欠掘りであったため、立坑構築物の刃口抵抗が変動し、その刃口抵抗を適切に制御できなかった。
【0005】
また、上記従来技術では、掘削用カッターと立坑構築物の刃口との位置関係を知るための手段がなかったため、掘削用カッターと刃口との干渉を把握することができなかった。
【0006】
本発明の第1の目的は、拡径カッターを用いて深さ方向に連続的に掘削することにより、立坑構築物の刃口抵抗を制御しつつ能率良く施工できる立坑掘削方法及び立坑掘削機を提供することである。
【0007】
本発明の第2の目的は、立坑構築物の刃口が沈下しても拡径カッターが地山と刃口との間に挾まれることのない立坑掘削機を提供することである。
【0008】
本発明の第3の目的は、掘削用カッターと立坑構築物の刃口との位置関係を適切に把握でき、安全に能率良く施工できる立坑掘削機を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明は次の構成を採用する。すなわち、主カッター及び拡径カッターを有する掘削用カッターを用いて立坑構築物の内面より内周側及び立坑構築物の刃口下側を掘削することにより立坑構築物の刃口抵抗を減らし立坑構築物を自重沈下させる立坑掘削方法において、(a)前記拡径カッターを主カッターより内周側に縮径した状態で前記掘削用カッターを回転させ、前記主カッターにて下方に向かって所定のストローク掘削する第1工程と;(b)前記掘削用カッターを掘削前の位置付近まで引き上げる第2工程と;(c)前記拡径カッターを部分的に拡径する第3工程と;(d)前記拡径カッターを拡径した状態で前記掘削用カッターを回転させ下方に向かって所定のストローク掘削する第4工程と;(e)前記立坑構築物が自重沈下するまで前記第2〜第4工程を繰り返して行う第5工程とを有する方法とする。
【0011】
この場合、好ましくは、前記第1〜第5工程を前記立坑構築物を自重沈下させるのに必要な拡径カッターの拡径位置を決める初期工程として実施し、その後は、前記拡径カッターを前記拡径位置付近まで一度にまたは数回に分けて拡径し、上記第4工程を実施する。
【0012】
更に、上記第1の目的を達成するために、本発明は次の構成を採用する。すなわち、主カッター及び拡径カッターを有する掘削用カッターを用いて立坑構築物の内面より内周側及び立坑構築物の刃口下側を掘削することにより立坑構築物の刃口抵抗を減らし立坑構築物を圧入装置により圧入する立坑掘削方法において、(a)前記拡径カッターを主カッターより内周側に縮径した状態で前記掘削用カッターを回転させ、前記主カッターにて下方に向かって所定のストローク掘削する第1工程と;(b)前記掘削用カッターを掘削前の位置まで引き上げる第2工程と;(c)前記圧入装置で前記立坑構築物下端の刃口に圧入力をかける第3工程と;(d)前記第3工程で前記立坑構築物下端の刃口を圧入できない場合は、前記拡径カッターを部分的に拡径する第4工程と;(e)前記拡径カッターを拡径した状態で前記掘削用カッターを回転させ下方に向かって所定のストローク掘削する第5工程と;(f)前記圧入装置で前記立坑構築物を圧入できるまで前記第2〜第5工程を繰り返して行う第6工程とを有する方法とする。
【0013】
この場合、好ましくは、前記第1〜第6工程を前記立坑構築物を圧入装置で圧入するのに必要な拡径カッターの拡径位置を決める初期工程として実施し、その後は、前記拡径カッターを前記拡径位置付近まで一度にまたは数回に分けて拡径し、上記第5工程及び第3工程を実施する。
【0014】
また、好ましくは、前記第6工程において前記第2工程を実施するとき、前記掘削用カッターを引き上げる前後のいずれかで前記拡径カッターを前記立坑構築物の内面より内周側に縮径する。
【0015】
また、上記第1及び第2の目的を達成するために、本発明は次の構成を採用する。すなわち、立坑構築物の内面より内周側を掘削する主カッターと、前記主カッターに水平ピンを中心として回転可能に設置され立坑構築物の刃口下側を掘削する拡径カッターとを有する掘削用カッターを備えた立坑掘削機において、前記拡径カッターの回転中心である水平ピンは前記立坑構築物の内面より内周側に位置し、かつ前記拡径カッターは外側上方に回転するにしたがって掘削径が増加するように取り付けられており、前記拡径カッターのカッター形状は、前記拡径カッターの回転中心である水平ピンからカッター刃先までの距離が回転方向全周にわたってほぼ等しいか回転方向内周側から外周側に行くにしたがって小さくなるような形状である構成とする。
【0016】
上記立坑掘削機において、上記第3の目的を達成するため、前記拡径カッターの拡径位置を検出するためのセンサを備える。
【0017】
また、上記立坑掘削機において、上記第3の目的を達成するため、前記立坑構築物の刃口に対する前記掘削用カッターの上下方向の位置を検出するためのセンサを備えてもよい。
【0018】
更に、上記立坑掘削機において、上記第3の目的を達成するため、前記拡径カッターの拡径位置を検出するためのセンサと、前記立坑構築物の刃口に対する前記拡径カッターの上下方向の位置を検出するためのセンサとを備えてもよい。
【0019】
また、上記立坑掘削機において、上記第3の目的を達成するため、前記拡径カッターの拡径位置を検出するためのセンサと、前記立坑構築物の刃口に対する前記拡径カッターの上下方向の位置を検出するためのセンサと、前記センサからの情報に基づき前記掘削用カッターと前記立坑構築物の刃口との位置関係を表示する手段とを備えてもよい。
【0020】
【作用】
以上のように構成した本発明の立坑掘削方法においては、拡径カッターを少なくとも部分的に拡径した状態で掘削用カッターを回転させ下方に向かって所定のストローク掘削することにより、深さ方向に連続的に掘削されるため、従来のような間欠掘り方式に比べて能率良く施工することができる。また、間欠掘り方式のような拡径カッターの形状に対応した環状の溝を形成することのない掘削が可能となるので、立坑構築物の刃口抵抗の変動が少なくなり、その刃口抵抗を適切に制御することができる。
【0021】
また、本発明の立坑掘削方法においては、拡径カッターを縮径した状態で掘削用カッターを回転させ主カッターにより下方に向かって所定のストローク掘削し、続いて拡径カッターを徐々に拡径して下方に向かって所定のストローク掘削し、これらの工程を立坑構築物が自重沈下するまで繰り返すことにより、前述したように立坑構築物の刃口抵抗を適切に制御しつつ能率良く施工することができる。また、立坑構築物が自重沈下するまでは拡径カッターを徐々に拡径するので、立坑構築物の刃口抵抗は徐々に減り、立坑構築物の自重沈下スピードを小さくできる。
【0022】
また、立坑構築物が一旦自重沈下した後は、拡径カッターを立坑構築物の自重沈下時の拡径位置付近まで一度にまたは数回に分けて拡径して掘削することにより、より能率良く施工することができる。この場合、立坑構築物が下方に移動するにしたがい、立坑構築物の沈下抵抗は増大する傾向にあるので、上記拡径位置付近まで拡径して掘削しても立坑構築物が自重沈下しないことがある。この場合は、拡径カッターをさらに拡げて掘削し、立坑構築物を自重沈下させる。拡径カッターを拡径位置付近まで一度に拡径して掘削するか数回に分けて拡径して掘削するかはカッター回転駆動装置のトルク能力に応じて決める。
【0023】
更に、本発明の立坑掘削方法においては、拡径カッターを縮径した状態で掘削用カッターを回転させ主カッターにて下方に向かって所定のストローク掘削し、続いて圧入装置で立坑構築物の刃口に圧力をかけ、立坑構築物を圧入できない場合に拡径カッターを徐々に拡径して所定のストローク掘削し、これらの工程を圧入装置で立坑構築物を圧入できるまで繰り返すことにより、前述したように刃口抵抗を制御しつつ能率良く施工することができるとともに、立坑構築物の沈下時期及び沈下スピードを制御でき、立坑構築物の不意の自重沈下を防止することができる。また、万が一立坑構築物の不意の自重沈下が起きても、刃口抵抗を徐々に減少させているので沈下スピードを小さくできる。
【0024】
また、圧入装置で一旦立坑構築物を圧入できた後は、拡径カッターを立坑構築物の圧入時の拡径位置付近まで一度にまたは数回に分けて掘削することにより、より能率良く施工することができる。この場合、立坑構築物が下方に移動するにしたがい、立坑構築物の沈下抵抗は増大する傾向にあるので、上記立坑構築物付近まで拡径して掘削しても圧入装置で立坑構築物を圧入できないことがある。この場合は、拡径カッターをさらに拡げて掘削し、圧入装置で立坑構築物を圧入する。この場合も、拡径カッターを拡径位置付近まで一度に拡径して掘削するか数回に分けて拡径して掘削するかはカッター回転駆動装置のトルク能力に応じて決める。
【0025】
また、圧入装置で立坑構築物を圧入できるまで拡径掘削と圧入を繰り返して行うときの掘削用カッターの引上げでは、掘削用カッターを引き上げる前後のいずれかで拡径カッターを立坑構築物の内面より内周側に縮径することにより、圧入装置で立坑構築物を圧入できたとき刃口が拡径カッターに当たるのが防止できる。
【0026】
また、本発明の立坑掘削機においては、拡径カッターを外側上方に回転するにしたがって掘削径が増加するように取り付け、拡径カッターのカッター形状を、拡径カッターの回転中心である水平ピンからカッター刃先までの距離が回転方向全周にわたってほぼ等しいか回転方向内周側から外周側に行くにしたがって小さくなるような形状としたことにより、拡径カッターにより深さ方向に連続的に掘削している時に、立坑構築物が自重沈下しても、拡径カッター外周部が立坑構築物の刃口と地山との間に挾まれることなく拡径カッターが主カッター側に逃げるので、拡径カッターの破損を防止することができる。これにより、深さ方向に連続的に掘削する工程を含む上記本発明の立坑掘削方法を実施することができる。
【0027】
また、本発明の立坑掘削機においては、掘削用カッターと立坑構築物の刃口との位置関係を表示する手段を設けることにより、運転手は掘削用カッターと立坑構築物の刃口下端との位置関係を適格に把握して掘削用カッターを下方に動かすことができ、能率よくかつ安全に掘削することができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面により説明する。
本発明の第1の実施例を図1〜図26により説明する。
図1において、本実施例は路下施工による立坑掘削に関するものであり、立坑上部で立坑構築物である矩形型のケーソン2が直打ちされる。ケーソン2は下端に刃口2aを有し、自重沈下するかまたは圧入手段(後述する圧入装置4)により下方へ圧入される。しかし、地盤が硬くなったり圧入深度が深くなると圧入抵抗(ケーソン2に働く浮力と地盤の刃口2a先端部の圧入抵抗(刃口抵抗)とケーソン2壁の摩擦抵抗または粘着抵抗の和)が増加して圧入が困難となる。そこで、本実施例の立坑掘削機では、掘削用カッター9を含むカッター装置10を設置し、このカッター装置10を回転させることによりケーソン2の内面より内周側およびケーソン刃口2a下側を掘削することで圧入抵抗を減少させる。
【0029】
カッター装置10はフック11aを含むウインチ11により吊り下げられ、自重を利用して掘削用カッター9を地山に押し付け掘削を行う。ウインチ11としてはウインチ駆動油圧を検出する油圧センサーが装着されている油圧ウインチを使用し、油圧センサーによる検出値からカッター装置10の吊り下げ力を検出する。カッター装置10の吊り下げ力を検出することで掘削用カッター9が地山へ押し付ける力を把握し、最適の荷重で掘削用カッター9を地山に押し付ける効率のよい掘削が可能となる。また、カッター装置10を吊り下げることで地山に掘削用カッター9を押し付ける力はカッター自重のみとなるため、掘削用カッター9のトルクは小さくて済む利点がある。なお、カッター装置10の吊り下げ力の測定はウインチ11のワイヤー部に直接ロードセルを装着し、ワイヤー張力を検出することにより行ってもよい。また、カッター装置10を吊り下げる手段はジャッキでも良く、この場合はジャッキ油圧を検出して吊り下げ力を測定すればよい。ただし、ジャッキを用いるとカッター装置10を吊り下げるための櫓16が大きくかつ高くなるため、本実施例のような路下施工ではウインチの方がよい。また、カッター装置10をクレーンで直接吊り下げてもよい。
【0030】
カッター装置10は、掘削用カッター9を含むカッター部と、カッターシャフト7、中継パイプ32、ドリルパイプ6、ケリーバパイプ5を含み、カッター部にカッター掘削トルクを伝えるカッター駆動軸部とで構成されている。
【0031】
カッター駆動軸部は、駆動用カッター9,10が下部へ行くにつれてケリーバパイプ5とドリルパイプ6または中継パイプ32の間でドリルパイプ6をつないでゆく。
【0032】
カッターシャフト7部分には、図2に示すように、円形のカッターガイド8が装着されており、掘削用カッター9がケーソン2に対して大きくずれないようにしてある。また、カッターシャフト7部分は2重管構造となっており、管と管の隙間を配管、ケーブル類が通過している。
【0033】
ケリーバパイプ5は角形形状をしており、後述するカッター回転駆動装置17からのカッター回転力を掘削用カッター9に伝達する役目をはたしている。本実施例では、路下施工であるため櫓16の高さを極力低く抑える必要があることから掘削用カッター9の上下ストロークは小さく抑えてあり、その代わりケーリバパイプ5を分割構造とし、必要に応じてケリーバパイプ5をつなぐことによりケーソン刃口2aに対してより深く掘削できるようにしてある。
【0034】
図3〜図5にカッター部の詳細を示す。掘削用カッター9は、図3に示すように、4翼の主カッター9Aとその内の2翼に設けた拡径カッター9Bとからなる。主カッター9Aの外径はケーソン2の内角寸法より少し小さく作ってあるので、主カッター9Aの掘削範囲は一点鎖線Aの内側となり、ケーソン2の内面より内周側の土砂を掘削することができる。
【0035】
拡径カッター9Bは、図4に示すように、主カッター9A上にピン33を中心として回転可能に設置されており、拡径ジャッキ15を伸ばすことにより拡径カッター9Bは外径方向に開く。拡径カッター9Bを全開にしたときの掘削範囲は、図3に示す一点鎖線Aの外側と一点鎖線Bの内側の間となり、ケーソン刃口2a下側を拡径掘削することができる。また、拡径ジャッキ15を縮めることにより拡径カッター9Bは、図4の2点鎖線で示すように主カッター9Aの掘削範囲に引き込まれる。また、拡径カッター9Bのカッター形状は、拡径掘削後に拡径カッター9Bを主カッター9A内に引き込む際、拡径カッター9Bが地山の未掘削部に接触し主カッター9Aの掘削範囲に引き込むことができなくなることを防ぐために、拡径カッター回転中心であるピン33からカッター刃先までの距離が回転方向全周にわたってほぼ等しくなるように配置されている。
【0036】
また、ケーソン2の形状は矩形であるため、主カッター9A、拡径カッター9Bによる掘削を行っても、図3に示すように、ケーソン2外角部付近の下側に掘り残しを生ずる。したがって、ケーソン2外角部にはウォータジェットノズル34が装着されており、ケーソン2外角部付近の下側の洗掘削をおこなえるようにしてある。また、図示はしないが、ケーソン2内角部にも同じようなウォータジェットノズルを装着しても良い。ウォータジェットノズル34は、主カッター9A及び拡径カッター9Bで掘削してもケーソン2が圧入できない場合使用する。
【0037】
掘削用カッター9の中心部には、ケーソン2内に送り込まれた水と掘削土砂とが混ぜ合わされた泥水を吸い上げる排泥口31が設置されており、この排泥口31より吸い上げられた泥水はカッターシャフト7、中継パイプ32、ドリルパイプ6、ケリーバパイプ5内部を通過させて坑外へ設置した泥水処理装置タンク(図示せず)に排出される。その泥水は排土土砂を処理し、再びケーソン2内へ循環利用される。
【0038】
それぞれ拡径ジャッキ15にはジャッキストロークを検出するストローク計が内蔵されており、このジャッキストロークを検出することにより拡径カッター9Bの拡径位置を算出することができる。ここで、拡径ジャッキ15としてストローク内臓ジャッキを使用することにより、土砂、泥水中でもストローク計が破損することがない。
【0039】
また、拡径ジャッキ15を駆動するための油圧ホースケーブル(押し引き合計4本)44とジャッキストローク検出用の信号線(2本)は、図5及び図6に示すように、2重管となっているカッターシャフト7部を通り、更に中継パイプ32、ドリルパイプ6に沿ってクランプされ、カッター駆動用のカッター回転駆動装置17直前のドリルパイプ6端まで延長し、油圧ホースケーブル44先端には後述するクイックッカップラー39が接続されている。これにより、油圧用ロータリージョイント、信号線用スリップリングの装着は不要となり安価に機械が製作できる。
【0040】
カッター駆動軸部の最上部のケリーバパイプ5部分には掘削用カッター9を回転駆動させるカッター回転駆動装置17が装着されている。このカッター回転駆動装置17は図7及び図8に示すように、固定テーブル36と、固定テーブル36に取り付けられた油圧モータ18と、斜線部で示されたロータリテーブル37とで構成されている。ロータリテーブル37の中心には四角の穴37aが開いており、断面が四角形状のケリーバパイプ5がその穴37aを通る。後述する油圧ポンプで油圧モータ18に加圧油を送ることにより油圧モータ18を回転させると、ロータリテーブル37が回転し、この回転によりケリーバパイプ5、ドリルパイプ6、中継パイプ32、カッターシャフト7を介して掘削用カッター9を回転させる。
【0041】
ケリーバパイプ5の上端部には、図6に示すように、スイベルジョイント13が装着され、スイベルジョイント13の非回転部分にはケリーバパイプ5の回転がフック11aに伝達しないように吊り下げブラケット38が装着されている。また、スイベルジョイント13上端部の非回転部分にはサクションパイプ12が装着され、カッターシャフト7、中継シャフト32、ドリルパイプ6、ケリーバパイプ5を通過してきた泥水がサクションパイプ12より図示しない排泥タンクに排出される。
【0042】
スイベルジョイント13に取り付けられた吊り下げブラケット38は、図9に示すように、端部にガイドローラ20が取り付けられ、このガイドローラ20は櫓16部分のガイド部分を上下にストロークする。このガイドは、フック11aがスイベルジョイント13の摺動抵抗分の回転力を受けて回転するのを防ぐために装着されている。また、このガイド部分にはストローク計19が装着されており、このストローク計19はケーソン2に対する掘削用カッター9のストロークを検出している。このとき、ガイドローラ20があるため、ストローク計19はワイヤがねじれること無く正確にストロークを検出できる。
【0043】
ケーソン2の上には圧入装置用のベース35が装着され、この圧入装置用ベース35の上にはアンカー3に反力をとりジャッキを伸ばすことでケーソン2を地山に圧入する圧入装置4が装着されている。
【0044】
図10に拡径カッター9Bを作動させるための油圧回路図を示す。図中、A回路部分は地上に設置され、B回路部分はカッター部に設置されている。
【0045】
拡径カッター9Bを使用する場合は、カッター回転駆動装置17の直前まで延長してきた油圧ホースケーブル44に地上にある駆動パワーユニット29からの油圧ホースケーブル45をチェックバルブ付のクイックッカップラー39を介して接続し、またストローク検出ケーブルに後述するA−D変換器40からのケーブルをつなぐことで、ストロークを検出しながら拡径カッター9Bを外周側に開く。このとき、地山の抵抗で所定の位置まで開かない場合は、同位置で油圧ホースケーブル44,45をはずし掘削用カッター9を回転させた後、再度油圧ホースケーブル44,45をつなぎ拡径カッター9Bを外周側へ開き、この動作を繰り返して所定の位置まで拡径カッター9Bを外周側に開く。
【0046】
B回路部分において、ケーソン2が沈下することにより拡径カッター9Bを急激に押し下げてゆく場合は拡径ジャッキ15は急激に縮められることになるため、ジャッキボトム側油圧が上がり短時間の内にリリーフバルブ22Aより加圧油が噴出し、一部はチェックバルブ21を通過してジャッキロッド側に供給され、余りはチェックバルブ23を通過して切羽泥水内に噴出する。
【0047】
また、この油圧回路では拡径カッター9Bが予想できない力で引き出された場合に備えてアキュムレータ24が装備されている。拡径カッター9Bが引き出される場合は拡径ジャッキ15は伸びることになり、ジャッキロッド側の油圧が上がりリリーフバルブ22Bより加圧油が噴出し、それと共にチェックバルブ21を通過してジャッキボトム側に供給されるが面積差があるためボトム側がバーキュウム状態となる。そこでその不足分をアキュムレータ24より供給する。
【0048】
ここにおいて、本実施例では地山の状況からケーソン刃口2aの下側を掘削することは希であり、拡径カッター9Bの使用が頻繁でないと判断しているため、油を切羽泥水中に放出することとしたが、切羽泥水中に油を噴出させることを止めるためには、チェックバルブ23の出口側に密封タンク(リリーフバルブ付きのタンクがよい)を装着すればよい。また、チェックバルブ23はリリーフバルブでもよい。
【0049】
A回路部分において、拡径カッター9Bの作動は電磁切換弁25を操作することにより制御される。オイルタンク100内の油は駆動パワーユニット29の油圧ポンプにより開閉バルブ101及びフィルタ27を介して吸い上げられ、チェックバルブ28を介して電磁切換弁25に供給される。電磁切換弁25が閉じられている状態では、油圧ポンプからの油は電磁切換弁25内の流路を介してオイルタンク101に戻される。なお、チェックバルブ28とフィルタ27の間にはリリーフバルブ26が配置されている。電磁切換弁25を開くと、その切換方向に応じて油圧ポンプからの油が拡径ジャッキ15のボトム側またはロッド側に供給され、拡径カッター9Bが開閉動作する。
【0050】
上述したように掘削用カッター9を用いて掘削を行うとき、運転手は常に主カッター9A及び拡径カッター9Bとケーソン刃口2aの位置を把握しておく必要があり、特に拡径カッター9Bを用いて拡径掘削を行う場合は、拡径カッター9Bとケーソン刃口2aが干渉する可能性がある。また、拡径掘削しない場合でも、「どれほど深さを主カッター9Aで掘削を行うか、ケーソン2の圧入に際して拡径カッター9Bの退避位置はよいか」等、ケーソン刃口2aと掘削用カッター9の位置を常時把握していないと能率のよい掘削はできない。そこで、本実施例では、上記の位置関係をCRTに写しだし、運転手はそれを見ながら施工を行う。
【0051】
図11にCRT表示システムの一例を示す。図11において、各ストローク計15,19から送られてきた拡径ジャッキストローク及びカッター上下ストロークのアナログ電気信号はA−D変換器40でデジタル信号に変換され、パソコン41内に取り込まれる。また、ケーソン2の構築個数、ドリルパイプ6の本数は、継ぎ足す都度パソコン41に手入力する。パソコン41はこれらの情報を演算し、必要な部分の各距離をCRT42に表示するとともに、CRT42上に掘削用カッター9の図を表示して作動にしたがって各部を動かすようにする。
【0052】
図12にCRT42に写しだした画面の一例を示す。CRT42はケーソン2の下方部分及びカッター装置10のカッター部を映し出す。また、例えば地表面からケーソン刃口2a下端までの距離A、ケーソン刃口2a下端から地山までの最大距離B、掘削用カッター9の最外径部からケーソン刃口2a下端までの距離C、ケーソン刃口2a下端から掘削用カッター9の下端までの距離D、掘削用カッター9の最外径部からケーソン刃口2aの外面までの距離E、掘削用カッター9の最外径部からケーソン刃口2aの内面までの距離Fを数値で表示する。
【0053】
本実施例ではCRT42の画面上にケーソン2の下方部分及びカッター装置10のカッター部の図を表示したが、数値表示のみでもよい。また、上記のような掘削用カッター9及びケーソン2の位置情報を、CRT42の画面表示と併せて、圧入装置4によりケーソン2を圧入する場合に掘削用カッター9の退避位置が不適であるときの警報や、拡径カッター9Bを広げる場合にケーソン2と干渉するときの警報またはインターロックに利用してもよい。
【0054】
次に、以上のように構成した立坑掘削機を用いた掘削方法を図13〜図25を用いて説明する。
【0055】
(1)地山が柔らかい場合(圧入装置あり)
地山が柔らかいためケーソン2が自重で下がっていく場合は、まず、地山の膨らみを考えて掘削用カッター9を上方の位置に退避(図13参照)しておき、ケーソン2が自重沈下しなくなった時点で圧入装置4により更にケーソン2を押し込む(図14参照)。そして、圧入装置4でも圧入できなくなった時点で主カッター9Aを回転させ、ケーソン2の内面より内周側に詰まった地山を掘削すると共に、カッター中心部の排泥口31より泥水として坑外へ掘削土砂を排土する(図15参照)。この時、掘削は余り深くまでせずケーソン2が自重沈下しない程度で止め(図16参照)、地山の膨らみを考えて掘削用カッター9を上方の位置に退避しておき(図17参照)、圧入装置4で更にケーソン2を押し込む(図18参照)。以上の工程を繰り返し、ケーソン2を敷設してゆく。この方法により掘削を行うとケーソン2が自重沈下してくることがないので安全性が高まる。
【0056】
(2)地山が硬い場合(圧入装置あり)
地山が砂層、砂礫層などで硬い場合は、ケーソン2が自重で沈むことはない。更に、ケーソン2の内面より内周側を主カッター9Aで掘削後、圧入装置4で押し込んでもケーソン2を圧入できない場合がある。このような場合は、まず主カッター9Aでケーソン2下部の内面より内周側の地山を掘削し(図19参照)、続いて掘削用カッター9を前位置に引き戻し、拡径ジャッキ15を伸ばすことにより拡径カッター9Bを少し拡げて拡径掘削を行う(図20参照)。この掘削が終了したら(図21参照)、掘削用カッター9を上方の位置に戻し(図22参照)、拡径カッター9Bを全縮にし、ケーソン2沈下時に拡径カッター9Bとケーソン刃口2aが接触しないようにしてから、圧入装置4でケーソン2を圧入できるか試してみる。なお、拡径カッター9Bを全縮にしてから掘削用カッター9を上方の位置に戻してもよい。このとき、ケーソン2を圧入できない場合は、拡径ジャッキ15を伸ばすことにより拡径カッター9Bを更に拡げて拡径掘削し(図23参照)、掘削終了時点(図24参照)で、掘削用カッター9を上方の位置に戻すとともに拡径カッター9Bを全縮にし、圧入装置4でケーソン2を圧入できるか試してみる。圧入装置4でケーソン2を圧入できるまで上記の操作を繰り返す。このように、拡径カッター9Bを拡径した状態で深さ方向に連続的に掘削するので、従来のような間欠掘り方式に比べて能率良く掘削することができるとともに、環状の溝を形成することがないためケーソン2の刃口抵抗の変動が少なくなり、刃口抵抗を適切に制御することができる。また、拡径カッター9Bを徐々に開くこと及び拡径カッター9Bを拡径した状態で深さ方向に連続的に掘削することは、ケーソン2の刃口抵抗を徐々に減少させることになり、このように刃口抵抗を徐々に減少させ、かつ圧入装置4でケーソン2を圧入することにより、ケーソン2の沈下時期及び沈下スピードを制御することができ、ケーソン2の不意の自重沈下を防止することができる。また、万が一ケーソン2が沈下しても、ケーソン2の刃口抵抗が徐々に減少するため、その沈下スピードも小さくてすむ。
【0057】
上記の作業を初期工程として実施し、圧入装置4でケーソン2を圧入するのに必要な拡径カッター9Bの拡径位置が決定した場合、その後の掘削においては、まず掘削用カッター9のトルクが十分あるときは、拡径カッター9Bをケーソン2の圧入に必要な拡径位置付近まで一度に拡げて拡径掘削し、掘削後掘削用カッター9を上方の位置に戻すとともに拡径カッター9Bを全縮にし、圧入装置4でケーソン2を圧入するという工程を繰り返す。一方、掘削用カッター9のトルクが小さく拡径カッター9Bを拡径して一度に掘削できないときは、拡径カッター9Bを全縮にした状態で、最初に主カッター9Aでケーソン2下部の内面より内周側の地山を掘削し、掘削後掘削用カッター9を前位置に引き戻し、続いて拡径カッター9Bをケーソン2の圧入に必要な拡径位置付近まで一度に拡げて拡径掘削し、掘削後掘削用カッター9を上方の位置に戻すとともに拡径カッター9Bを全縮にし、圧入装置4でケーソン2を圧入するという工程を繰り返す。これらの場合、ケーソン2が下方に移動するにしたがい、ケーソン2の沈下抵抗は増大する傾向にあるので、上記拡径位置付近まで拡径して掘削しても圧入装置4でケーソン2を圧入できないことがある、この場合は、拡径カッター9Bをさらに拡げて掘削し、圧入装置4でケーソン2を圧入する。このように、拡径カッター9Bを拡径した状態で深さ方向に連続的に掘削するだけでなく、拡径カッター9Bをケーソン2の圧入に必要な拡径位置付近まで一度または数回に分けて拡げて拡径掘削するので、更に能率良く掘削することができる。また、拡径カッター9Bを拡径させた状態で深さ方向に連続的に掘削することにより、初期工程と同様にケーソン2の刃口抵抗を適切に制御することができる。また、上記このように初期工程で決めた圧入に必要な拡径位置付近まで拡径カッター9Bを拡径した状態で掘削し、圧入装置4でケーソン2を圧入することにより、初期工程と同様にケーソン2の沈下時期及び沈下スピードを制御し、ケーソン2の不意の自重沈下を防止することができるとともに、万が一ケーソン2が沈下してもその沈下スピードが小さくてすむ。
【0058】
拡径カッター9Bを全開(図25参照)にして掘削したにもかかわらず、圧入装置4でケーソン2を圧入できない場合は、掘削用カッター9を上方の位置に退避しておき、ケーソン刃口2aの外角部よりウォータジェット34を噴出してケーソン刃口2aの下部を洗掘し、その後ケーソン2を圧入する。
【0059】
上記(1)及び(2)の掘削において、ケーソン2は、その自重と圧入装置4力の和と、圧入抵抗(地盤の圧入抵抗とケーソン2壁の摩擦抵抗または粘着抵抗)と、浮力との和の力のバランスにより圧入できるかどうかが決まる。掘削時にはケーソン2が極力自重沈下しないようにするが、掘り過ぎた場合はケーソン2が自重沈下することもあり、それを考えて対応する必要がある。
【0060】
ケーソン2の自重沈下に対する対応策の一例を図26に示す。図26において、主カッター9Aによる掘削中にケーソン2が自重沈下したとき、ケーソン2の下がるスピードが主カッター9Aの掘削スピードより大きいと掘削用カッター9は地山に押し付けられ、やがて掘削用カッター9を吊り下げているウインチ11のワイヤー張力が0となりワイヤーがたるむことになる。ワイヤーがたるむことにより、最悪の場合でも掘削用カッター9にケーソン2の自重がかかることが防止される。また、ワイヤーがたるみカッター駆動軸部が相対的に押し上げられる場合に備えて、ウィンチ11を吊っている櫓16は排泥管と干渉する上部位置が切り欠いてある。
【0061】
また、上記(2)の地山が硬い場合の掘削において、拡径カッター9Bによる掘削中にケーソン2の自重沈下が起きたときは、ワイヤーのたわみ他に、拡径カッター9Bがケーソン刃口2aと地山の間に挟まれないように拡径カッター9Bが主カッター9A内に逃げる構造となっている。すなわち、前述したように、ケーソン刃口2aにより拡径カッター9Bが押されると、拡径ジャッキ15の伸び側のリリーフバルブ22Aより油を噴出させて拡径ジャッキ15を縮め、拡径カッター9Bを主カッター9A内に収納する事でケーソン刃口2aと地山の間に拡径カッター9Bが挟まれるのを防止する。
【0062】
また、上記(1)及び(2)の掘削において、運転者はケーソン2の下方を掘削しながらケーソン2を沈下推進させて行くが、このとき掘削用カッター9とケーソン刃口2aとの位置関係が分からないと不便であり、特に上記(2)の掘削では、拡径カッター9Bをケーソン2の圧入に必要な拡径位置付近まで一度にまたは数回に分けて拡げるため、掘削用カッター9とケーソン刃口2aとの位置関係が分からないと拡径カッター9Bの拡径量を決定することができない。そこで本実施例では、前述したようにCRT42にカッター部を映し出し、かつ必要な部分の各距離A〜Fを表示し、運転者はこのCRT画面を見ながら掘削を行う。これにより、運転者は主カッター9A及び拡径カッター9Bとケーソン刃口2aとの位置を把握し、安全にかつ能率良く掘削することができる。
【0063】
以上のように本実施例の立坑掘削方法によれば、拡径カッター9Bを拡径した状態で深さ方向に連続的に掘削するので、従来のような間欠掘り方式に比べて能率良く掘削することができる。
【0064】
また、拡径カッター9Bを拡径した状態で環状の溝を形成することなく深さ方向に連続的に掘削するので、ケーソン2の刃口抵抗の変動が少なくなり、刃口抵抗を適切に制御することができる。また、初期工程では拡径カッター9Bを徐々に拡径して深さ方向に連続的に掘削することにより、その後の工程では初期工程で決めた圧入に必要な拡径位置付近まで拡径カッター9Bを拡径して深さ方向に連続的に掘削することにより、ケーソン2の刃口抵抗を適切な値に減少させ、この状態で圧入装置4によりケーソン2を圧入することにより、ケーソン2の沈下時期及び沈下スピードを制御し、ケーソン2の不意の自重沈下を防止することができる。また、万が一ケーソン2が沈下しても、その沈下スピードが小さくてすむ。
【0065】
また、初期工程でケーソン2を圧入するのに必要な拡径カッター9Bの拡径位置を決定した後の掘削においては、掘削用カッター9のトルクが十分あるときは、拡径カッター9Bをケーソン2の圧入に必要な拡径位置付近まで一度に拡げて拡径掘削し、掘削用カッター9のトルクが小さく拡径カッター9Bを拡径して一度に掘削できないときは、最初に主カッター9Aでケーソン2下部の内面より内周側の地山を掘削した後、拡径カッター9Bをケーソン2の圧入に必要な拡径位置付近まで一度に拡げて拡径掘削するので、更に能率良く掘削することができる。
【0066】
また、本実施例の立坑掘削機によれば、拡径カッター9Bのカッター形状は、拡径カッター9Bの回転中心であるピン33からカッター刃先までの距離が回転方向全周にわたってほぼ等しいので、拡径カッター9Bにより深さ方向に連続的に掘削しているときに、万が一ケーソン2が自重沈下しても、拡径カッター9Bの外周部がケーソン刃口2aと地山との間に挾まれることなく、拡径カッター9Bが主カッター9A側に逃げ、拡径カッター9Bの破損が防止される。これにより、上述した深さ方向を連続的に掘削する工程を含む立坑掘削方法を実施することが可能となる。
【0067】
また、ストローク計15,19により固定カッタ9及び拡径カッター9Bとケーソン刃口2aの位置関係を検出し、それをパソコン41のCRT42に表示させるので、運転手は掘削用カッター9とケーソン刃口2aの下端との位置関係を適格に把握し、CRT画面を見ながら掘削用カッター9を下方に動かすことができ、能率よくかつ安全に掘削することができる。
【0068】
なお、本実施例では、拡径カッター9Bの拡径位置をストローク計15により検出し、ケーソン刃口2aに対する掘削用カッター9の上下方向の位置をストローク計19により検出し、それらの検出値に基づき固定カッタ9及び拡径カッター9Bとケーソン刃口2aの位置関係をCRT42に表示させるものとしたが、これに限らず、拡径カッター9Bの拡径位置、及びケーソン刃口2aに対する掘削用カッター9の上下方向の位置のいずれか一方を検出するようにしてもよい。
【0069】
図27に本実施例の変形例を示す。この変形実施例は、拡径カッターの形状を、ピン33からカッター刃先までの距離が回転方向内周側から外周側に行くにしたがって小さくなるような形状としたものである。
【0070】
前述のごとく拡径カッター9Bの形状をピン33からカッター刃先までの距離が回転方向全周にわたってほぼ等しいような形状とした場合、主カッター9Aの剛性および主カッター9Aをつりさげている部材の剛性が小さくかつ地山が硬いときは、主カッター9Aおよび主カッター9Aをつりさげている部材のたわみにより拡径カッター9Bの引き込み時、拡径カッター9Bが未掘削部の地山にくい込んでしまい、主カッター9A内にスムーズに引き込めなくなる可能性がある。この変形実施例によれば、拡径カッター9Cを拡径ジャッキ15により縮める場合、またはケーソン刃口2aの自重沈下によって拡径カッター9Cが主カッター9A内に引き込まれる場合、拡径カッター9Cの回転半径Rが外周側へ行くほど小さくなっているため、未掘削部の地山に触れること無しに主カッター9A内に確実に引き込むことができる。
【0071】
図28及び図29に本実施例の他の変形例を示す。この変形実施例は、カッターガイドをケーソン2側(固定側)に取り付けたものである。この場合は、掘削用カッター9を含むカッター部の回収(上方へ引き上げる)時、カッターガイド8Aを図28の2点鎖線のように上側に開き、掘削用カッター9との干渉を防止する。また、この場合も、カッターシャフト7部分が摺動部分になるため、図29に示すようにカッターシャフト7部分を2重管構造とする。
【0072】
次に、本発明の第2の実施例を図30により説明する。本実施例は圧入装置を使用せず、ケーソン2を自重沈下により下げていくものである。図中、図1に示す部材と同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
図30において、本実施例の立坑掘削機は、第1の実施例の図1に示すものにおいて圧入装置4、アンカー3及び圧入装置用ベース35が無い構成であり、他は図1に示すものと同じである。
【0074】
以上のような立坑掘削機を用いた掘削方法を図13〜図25を用いて説明する。なお、図13〜図25は前述したように圧入装置を用いてケーソン2を圧入するときの推進工程を示すものであるが、本実施例では圧入装置を装備していないので、以下の説明ではケーソン2の下方部分及びカッター部を示している図中下部分のみを参照することにする。
【0075】
(1)地山が柔らかい場合(圧入装置なし)
地山が柔らかいためケーソン2が自重で下がっていく場合は、まず、地山の膨らみを考えて掘削用カッター9を上方の位置に退避(図13下部分参照)しておき、ケーソン2が自重沈下しなくなった時点で主カッター9Aを回転させ、ケーソン2の内面より内周側に詰まった地山を掘削すると共に、主カッター9A中心部の排泥口31より泥水として坑外へ掘削土砂を排出する(図15及び図16下部分参照)。ケーソン2の内面より内周側の土砂を主カッター9Aにて掘削排土するにつれてケーソン2の刃口抵抗が減少するため、再び自重沈下が起こりケーソン2が下がる(図18下部分参照)。この場合、前述したように、ケーソン2の下がるスピードが主カッター9Aの掘削スピードより大きいと掘削用カッター9は地山に押し付けられ、掘削用カッター9を吊り下げているウインチ11のワイヤーがたるむので、掘削用カッター9にケーソン2の自重がかかることが防止される。その後は、ウインチ11で掘削用カッター9を地山と接触しないところまで引き上げ、ケーソン2の自重沈下が停止したところで再度主カッター9Aの掘削を行い、この工程を繰り返しケーソン2を敷設してゆく。
【0076】
(2)地山が硬い場合(圧入装置なし)
地山が砂層、砂礫層などで硬い場合は、自重でケーソン2が沈むことはない。更に、ケーソン2の内面より内周側を主カッター9Aで掘削してもケーソン2が自重沈下しない場合がある。このような場合は、まず主カッター9Aでケーソン2下部の内面より内周側の地山を掘削し(図19下部分参照)、続いて掘削用カッター9を前位置に引き戻し、拡径ジャッキ15を伸ばすことにより拡径カッター9Bを少し拡げてケーソン刃口2a下部を拡径掘削し(図20及び図21下部分参照)、自重沈下しない場合は更に拡径カッター9Bを広げ掘削し(図22〜図24下部分参照)、自重沈下するまで上記の操作を繰り返す。このように、拡径カッター9Bを拡径した状態で深さ方向に連続的に掘削するので、従来のような間欠掘り方式に比べて能率良く掘削することができるとともに、環状の溝を形成することがないためケーソン2の刃口抵抗の変動が少なくなり、刃口抵抗を適切に制御することができる。また、ケーソン2の自重沈下のスピードが非常に大きくなると、拡径ジャッキ15の縮みスピードが大きくなり追従できずに拡径ジャッキ15が破損する可能性があるが、上記のように拡径カッター9Bを徐々に開くこと及び拡径カッター9Bを拡径した状態で深さ方向に連続的に掘削することことにより、ケーソン2の刃口抵抗が徐々に減り、ケーソン2の自重沈下スピードは余り大きくならない。
【0077】
上記の作業を初期工程として実施し、ケーソン2を自重沈下させるのに必要な拡径カッター9Bの拡径位置が決定した場合、その後の掘削においては、掘削用カッター9のトルクが十分あるときは、拡径カッター9Bをケーソン2の自重沈下に必要な拡径位置付近まで一度に拡げて拡径掘削する。一方、掘削用カッター9のトルクが小さく拡径カッター9Bを拡径して一度に掘削できないときは、まず拡径カッター9Bを全縮した状態で主カッター9Aでケーソン2下部の内面より内周側の地山を掘削し、掘削後掘削用カッター9を前位置に引き戻し、続いて拡径カッター9Bをケーソン2の自重沈下に必要な拡径位置付近まで一度に拡げて拡径掘削する。これらの場合、ケーソン2が下方に移動するにしたがい、ケーソン2の沈下抵抗は増大する傾向にあるので、上記拡径位置付近まで拡径して掘削してもケーソン2が自重沈下しないことがある。この場合は、拡径カッター9Bをさらに拡げて掘削し、ケーソン2を自重沈下させる。このように、拡径カッター9Bを拡径した状態で深さ方向に連続的に掘削するだけでなく、拡径カッター9Bをケーソン2の自重沈下に必要な拡径位置付近まで一度にまたは数回に分けて拡げて拡径掘削するので、更に能率良く掘削することができる。また、拡径カッター9Bを拡径させた状態で深さ方向に連続的に掘削することにより、初期工程と同様にケーソン2の刃口抵抗を適切に制御することができる。また、上記このように初期工程で決めた自重沈下に必要な拡径位置付近まで拡径カッター9Bを拡径した状態で掘削し、ケーソン2を自重沈下させることにより、ケーソン2が自重沈下するまで刃口抵抗が減少し、ケーソン2の自重沈下スピードは余り大きくならない。
【0078】
拡径カッター9Bを全開(図25下部分参照)にして掘削したにもかかわらず、ケーソン2が沈下しない場合は掘削用カッター9を安全な箇所に退避させ、ケーソン刃口2a外角部よりウォータジェット34を噴出してケーソン刃口2aの下部を洗掘し、ケーソン2を自重沈下させる。
【0079】
また、上記(1)及び(2)の掘削において、運転者はケーソン2の下方を掘削しながらケーソン2を沈下推進させて行くが、この場合、運転者は掘削用カッター9とケーソン刃口2aとの位置関係を表示したCRT画面を見ながら掘削を行う。これにより、運転者は主カッター9A及び拡径カッター9Bとケーソン刃口2aとの位置を把握し、安全にかつ能率良く掘削することができる。
【0080】
以上のような本実施例の立坑掘削方法によれば、拡径カッター9Bを拡径した状態で深さ方向に連続的に掘削するので、従来のような間欠掘り方式に比べて能率良く掘削することができる。
【0081】
また、拡径カッター9Bを拡径した状態で環状の溝を形成することなく深さ方向に連続的に掘削するので、ケーソン2の刃口抵抗の変動が少なくなり、刃口抵抗を適切に制御することができる。また、初期工程では拡径カッター9Bを徐々に拡径して深さ方向に連続的に掘削することにより、その後の工程では初期工程で決めた自重沈下に必要な拡径位置付近まで拡径カッター9Bを拡径して深さ方向に連続的に掘削することにより、ケーソン2が自重沈下できるまで刃口抵抗を減少させるので、ケーソン2の自重沈下スピードは余り大きくならず、拡径ジャッキ15の縮みスピードも大きくなることはなく、拡径ジャッキ15が破損することはない。
【0082】
また、初期工程でケーソン2を自重沈下させるのに必要な拡径カッター9Bの拡径位置を決定した後の掘削においては、掘削用カッター9のトルクが十分あるときは、拡径カッター9Bをケーソン2の自重沈下に必要な拡径位置付近まで一度に拡げて拡径掘削し、掘削用カッター9のトルクが小さく拡径カッター9Bを拡径して一度に掘削できないときは、主カッター9Aでケーソン2下部の内面より内周側の地山を掘削した後、拡径カッター9Bをケーソン2の自重沈下に必要な拡径位置付近まで一度に拡げて拡径掘削するので、更に能率良く掘削することができる。
【0083】
次に、本発明の第3の実施例を図31により説明する。本実施例はカッター回転駆動装置を地上設置としたものである。図中、図1に示す部材と同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0084】
図31において、地上設置のやぐら51にはカッター回転駆動装置17Aが設置され、このカッター回転駆動装置17Aはケーソン刃口2aの下降にしたがって下降することはない。したがって、本実施例では、掘削用カッター9と刃口2aとの位置関係を把握するために、ストローク計(図示省略)によりX寸法を測定し、ケーソン2と垂設している掘削用カッター9の構成部分の一部との相対位置を検出する。なお、X寸法の代わりにZ寸法を測定してもよい。
【0085】
次に、本発明の第4の実施例を図32により説明する。本実施例はカッター回転駆動装置をケーソン上面とケーソン刃口の間に設置したものである。図中、図1に示す部材と同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0086】
図32において、ケーソン2上面とケーソン刃口2aの間の段差部分Pにはカッター回転駆動装置17Bが設置され、このカッター回転駆動装置17Bはケーソン刃口2aと共に掘削にしたがって下降する。本実施例では、カッター回転駆動装置17Bとケーソン刃口2aの間にケーソン2が組まれることがないこと、及びドリルパイプ6を継ぎ足す必要がないことからカッター回転駆動装置17Bとケーソン刃口2aの相対位置が変わらないため、ケーソン2の構築個数及びドリルパイプ6の本数を手入力をすることは不必要である。本実施例では、ストローク計(図示省略)によりy寸法を測定することにより、掘削用カッター9とケーソン刃口2aとの位置関係を把握する。
【0087】
次に、本発明の第5の実施例を図33により説明する。本実施例はケーソン刃口と地表面までの間に圧入装置を設置したものである。図中、図1に示す部材と同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0088】
図33において、ケーソン刃口2aと地表面との間には圧入装置71が設置され、圧入装置71と地表面の間で予め分割したケーソン2Aを組み立ててゆく。また、ケーソン刃口2aの上部には隔壁8が設置され、この隔壁8の上にやぐら16を建ている。本実施例では、圧入装置71とケーソン刃口2aの間にケーソン2が組まれることがないこと、及びドリルパイプ6を継ぎ足す必要がないことから、ケーソン2の構築個数及びドリルパイプ6の本数を手入力をすることは不必要であり、ストローク計(図示省略)によりw寸法を測定することにより、掘削用カッター9とケーソン刃口2aとの位置関係を把握する。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、拡径カッターを少なくとも部分的に拡径した状態で掘削用カッターを回転させ下方に向かって連続的に掘削するようにしたので、立坑構築物の刃口抵抗を適切に制御しつつ能率良く施工できる。また、たとえ立坑構築物の刃口が沈下しても、その沈下距離が小さくてかつ沈下スピードも小さくてすむ。さらに、立坑構築物を圧入装置により圧入する場合は、刃口の沈下を制御することができる。
【0090】
また、立坑構築物の刃口が沈下しても拡径カッターが地山と刃口との間に挾まれて、拡径カッターが破損することがない。
【0091】
また、掘削用カッターと立坑構築物の刃口との位置関係を適切に把握でき、安全に能率良く施工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による立坑掘削機を含む工事縦断面全体図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図1に示すカッター装置のカッター部の縦断面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】図1の立坑上部を示す縦断面図である。
【図7】図6のVII−VII線断面図である。
【図8】図7の側面図である。
【図9】図6のIX−IX線断面図である。
【図10】図1に示す拡径カッターを作動させるための油圧回路図である。
【図11】図1に示す掘削用カッターとケーソン刃口との位置関係を表示させるシステム構成図である。
【図12】図11に示すCRT画面の表示の一例を示す図である。
【図13】図1に示す拡径カッターを使用しない場合の推進工程説明図である。
【図14】図1に示す拡径カッターを使用しない場合の推進工程説明図である。
【図15】図1に示す拡径カッターを使用しない場合の推進工程説明図である。
【図16】図1に示す拡径カッターを使用しない場合の推進工程説明図である。
【図17】図1に示す拡径カッターを使用しない場合の推進工程説明図である。
【図18】図1に示す拡径カッターを使用しない場合の推進工程説明図である。
【図19】図1に示す拡径カッターを使用する場合の推進工程説明図である。
【図20】図1に示す拡径カッターを使用する場合の推進工程説明図である。
【図21】図1に示す拡径カッターを使用する場合の推進工程説明図である。
【図22】図1に示す拡径カッターを使用する場合の推進工程説明図である。
【図23】図1に示す拡径カッターを使用する場合の推進工程説明図である。
【図24】図1に示す拡径カッターを使用する場合の推進工程説明図である。
【図25】図1に示す拡径カッターを使用する場合の推進工程説明図である。
【図26】図1に示すケーソンの自重沈下に対する対応策の一例を示す図である。
【図27】本発明の第1の実施例の変形による立坑掘削機の掘削用カッターを示す図である。
【図28】本発明の第1の実施例の他の変形による立坑掘削機のカッターガイドを示す図である。
【図29】図28のXXIX−XXIX線断面図である。
【図30】本発明の第2の実施例による立坑掘削機を含む工事縦断面全体図である。
【図31】本発明の第3の実施例による立坑掘削機を含む工事縦断面全体図である。
【図32】本発明の第4の実施例による立坑掘削機を含む工事縦断面全体図である。
【図33】本発明の第5の実施例による立坑掘削機を含む工事縦断面全体図である。
【符号の説明】
2 ケーソン(立坑構築物)
2a 刃口
4 圧入装置
9 掘削用カッター
9A 主カッター
9B 拡径カッター
15 拡径ジャッキ(ストローク計)
19 ストローク計
41 パソコン
42 CRT
Claims (10)
- 主カッター及び拡径カッターを有する掘削用カッターを用いて立坑構築物の内面より内周側及び立坑構築物の刃口下側を掘削することにより立坑構築物の刃口抵抗を減らし立坑構築物を自重沈下させる立坑掘削方法において、
(a)前記拡径カッターを主カッターより内周側に縮径した状態で前記掘削用カッターを回転させ、前記主カッターにて下方に向かって所定のストローク掘削する第1工程と;
(b)前記掘削用カッターを掘削前の位置付近まで引き上げる第2工程と;
(c)前記拡径カッターを部分的に拡径する第3工程と;
(d)前記拡径カッターを拡径した状態で前記掘削用カッターを回転させ下方に向かって所定のストローク掘削する第4工程と;
(e)前記立坑構築物が自重沈下するまで前記第2〜第4工程を繰り返して行う第5工程とを有することを特徴とする立坑掘削方法。 - 請求項1記載の立坑掘削方法において、前記第1〜第5工程を前記立坑構築物を自重沈下させるのに必要な拡径カッターの拡径位置を決める初期工程として実施し、その後は、前記拡径カッターを前記拡径位置付近まで一度にまたは数回に分けて拡径し、上記第4工程を実施することを特徴とする立坑掘削方法。
- 主カッター及び拡径カッターを有する掘削用カッターを用いて立坑構築物の内面より内周側及び立坑構築物の刃口下側を掘削することにより立坑構築物の刃口抵抗を減らし立坑構築物を圧入装置により圧入する立坑掘削方法において、
(a)前記拡径カッターを主カッターより内周側に縮径した状態で前記掘削用カッターを回転させ、前記主カッターにて下方に向かって所定のストローク掘削する第1工程と;
(b)前記掘削用カッターを掘削前の位置付近まで引き上げる第2工程と;
(c)前記圧入装置で前記立坑構築物下端の刃口に圧入力をかける第3工程と;
(d)前記第3工程で前記立坑構築物下端の刃口を圧入できない場合は、前記拡径カッターを部分的に拡径する第4工程と;
(e)前記拡径カッターを拡径した状態で前記掘削用カッターを回転させ下方に向かって所定のストローク掘削する第5工程と;
(f)前記圧入装置で前記立坑構築物を圧入できるまで前記第2〜第5工程を繰り返して行う第6工程とを有することを特徴とする立坑掘削方法。 - 請求項3記載の立坑掘削方法において、前記第1〜第6工程を前記立坑構築物を圧入装置で圧入するのに必要な拡径カッターの拡径位置を決める初期工程として実施し、その後は、前記拡径カッターを前記拡径位置付近まで一度にまたは数回に分けて拡径し、上記第5工程及び第3工程を実施することを特徴とする立坑掘削方法。
- 請求項3記載の立坑掘削方法において、前記第6工程において前記第2工程を実施するとき、前記掘削用カッターを引き上げる前後のいずれかで前記拡径カッターを前記立坑構築物の内面より内周側に縮径することを特徴とする立坑掘削方法。
- 立坑構築物の内面より内周側を掘削する主カッターと、前記主カッターに水平ピンを中心として回転可能に設置され立坑構築物の刃口下側を掘削する拡径カッターとを有する掘削用カッターを備えた立坑掘削機において、
前記拡径カッターの回転中心である水平ピンは前記立坑構築物の内面より内周側に位置し、かつ前記拡径カッターは外側上方に回転するにしたがって掘削径が増加するように取り付けられており、前記拡径カッターのカッター形状は、前記拡径カッターの回転中心である水平ピンからカッター刃先までの距離が回転方向全周にわたってほぼ等しいか回転方向内周側から外周側に行くにしたがって小さくなるような形状であることを特徴とする立坑掘削機。 - 請求項6記載の立坑掘削機において、前記拡径カッターの拡径位置を検出するためのセンサを備えることを特徴とする立坑掘削機。
- 請求項6記載の立坑掘削機において、前記立坑構築物の刃口に対する前記掘削用カッターの上下方向の位置を検出するためのセンサを備えることを特徴とする立坑掘削機。
- 請求項6記載の立坑掘削機において、前記拡径カッターの拡径位置を検出するためのセンサと、前記立坑構築物の刃口に対する前記掘削用カッターの上下方向の位置を検出するためのセンサとを備えることを特徴とする立坑掘削機。
- 請求項6記載の立坑掘削機において、前記拡径カッターの拡径位置を検出するためのセンサと、前記立坑構築物の刃口に対する前記掘削用カッターの上下方向の位置を検出するためのセンサと、前記センサからの情報に基づき前記掘削用カッターと前記立坑構築物の刃口との位置関係を表示する手段とを備えることを特徴とする立坑掘削機。
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