JP3543613B2 - 一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は接着剤、塗料、コーティング剤、繊維用サイジング剤、織物含浸剤、土木工事、電気絶縁剤、プリプラグなどに使用される、エポキシ樹脂を含有する水性分散体と潜在性硬化剤からなる一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物に関する。さらに詳しくは保存安定性が優れ、かつ無臭、高温速硬化性、高ガラス転移温度、高硬度、高耐熱性を有する組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂組成物は、一般にエポキシ樹脂を主成分とする主剤と、硬化促進剤を含む硬化剤からなり、硬化剤と主剤とを別々に保存しておき使用時にこれらを混合して使用する二液タイプと、硬化剤と主剤を既に配合した一液タイプがある。後者の一液タイプは使用前に計量・混合の労力が不要で、配合ミスによる硬化不良や物性のばらつきが発生せず、材料のロスが少ないなどの利点がある。
【0003】
ところで、塗料、コーティング剤、プリプレグ、または繊維のバインダーなどといった用途には、粘度が低い組成物が好ましい。一液性のエポキシ樹脂組成物の粘度の低減についてはいくつの手法がある。大別すると、希釈溶媒に有機溶剤を用いる方法と、水を用いる方法の2つに分けることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、省資源または地球環境に優しい材料が求められており、溶剤の排出に関するVOC(揮発性有機化合物)規制等を受けて希釈用材を有機溶媒から水に代える動きが塗料、接着剤の分野では積極的である。エポキシ樹脂を水性化した商品の代表的なものとして油化シェルエポキシ社製の商品名エピレッツ(EPI−REZ)シリーズの水性エポキシ樹脂が挙げられる。これらの水性エポキシ樹脂は従来のエポキシ樹脂と同様の高性能を保ちつつ、従来のエポキシ樹脂にない低いVOC、水で簡単に洗浄できる、水で希釈できる、他のタイプの水性樹脂と相溶するなどの特徴を有している。しかし、現状の水性エポキシ樹脂は二液で使うのが一般的である。エポキシ樹脂を含有する水性分散体と硬化剤を調合した一液タイプでは、エポキシ樹脂と硬化剤は室温でも徐徐に反応するため混合後のポットライフが短く、実用性に欠ける問題点があったからである。
【0005】
一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物において、その保存性の安定化の手法として次の2種類を挙げることができる。一つは硬化剤を固体分散−加熱溶解反応型にする方法であり、他の一つは硬化剤の反応基をブロックしてマスクする方法である。前者は硬化剤を粉体化もしくはマイクロカプセル化して室温付近での樹脂中における分散状態を安定化させて硬化剤とエポキシ樹脂との化学的接触を抑えて化学反応を抑制しておき、加熱により硬化剤を溶解させてエポキシ樹脂と化学反応を開始させる方法がある。具体的には、ジシアンジアミド、ジヒドラジド、アミンアダクトなどの熱硬化タイプの硬化剤が該当する。後者は、湿気や紫外線や熱などの外部刺激によって硬化剤分子が分解し活性分子を生成させる方法で、オニウム塩、ケチミン、アミンイミドなどの硬化剤が該当する。
【0006】
しかし、前者の硬化剤の場合、特にアミンアダクト化合物では一般に水やアルコールなどの高極性溶剤などに容易に溶解しやすいので、一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物の保存安定性が低下する。例として、エポキシ樹脂組成物を特定の溶媒で希釈するとポットライフが悪くなることが、「エポキシ樹脂硬化剤の新展開」(垣内弘監修、CMC、1994年、p.189)に開示されている。そのため、通常の一液エポキシ樹脂では配合物中から水分を除くための真空脱泡工程は必須となっている。上述のとおり、硬化剤の溶解を原因にして水性エポキシ樹脂の一液化は容易ではないことが分かる。
【0007】
これに対して、米国特許5,500,461号には潜在性硬化剤として微粉体のジシアンジアミドを使用したエポキシ樹脂の水性分散体の一液化の技術を開示している。この公報の実施例の中では、一液化水性エポキシ樹脂は室温で3ケ月の保存安定性を有することを記載している。しかし、加熱硬化開始温度が174℃と高く、速硬化が劣っているので実用性が乏しいことがわかる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題を解決するために種々検討した結果、軟化点が20〜95℃の固体状エポキシ樹脂を、ノニオン界面活性剤の存在下で水に分散させた水性分散体と、水に難溶性の微粉体ジヒドラジド化合物及びジシアンジアミドとの混合物の潜在性硬化剤と、水に不溶性のアルキル尿素化合物とからなる一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物により、上記課題を克服することを見いだし、本発明を完成することに至った。
【0009】
本発明のエポキシ樹脂を含有する水性分散体とは、軟化点が20℃以上の固形状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、固形状フェノールノボラック型多官能基エポキシ樹脂、固形状クレゾールノボラック型多官能基エポキシ樹脂のいずれか、たはこれらの混合物である水性分散体である。この水性分散体中におけるエポキシ樹脂の含有量は20重量%以上、好ましくは20〜95重量%、更に好ましくは20〜80重量%である。エポキシ樹脂のエポキシ当量は180〜1100(g/eq)、好ましくは180〜500(g/eq)である。
【0010】
本発明の潜在性硬化剤には、水に難溶性の微粉体ジヒドラジド化合物、または水に難溶性の微粉体のジヒドラジド化合物とジシアンジアミドとの混合物を用いる。さらには、硬化促進のために水に不溶性のアルキル尿素化合物を添加することが好ましい。
【0011】
即ち、本発明はエポキシ樹脂水性分散体の固形分100重量部に対してジヒドラジド化合物を2〜20重量部、ジシアンジアミドを0〜5重量部、アルキル尿素化合物を0〜3重量部を含有する一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物である。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明における「エポキシ樹脂を含有する水性分散体」とは、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物、又はこれを含有してなる混合組成物が水中に分散している分散体をいう。例えば、ノニオン界面活性化剤存在下にエポキシ樹脂を水中で分散させるエポキシエマルジョンが挙げられる。そのようなエポキシ樹脂水分散体を製造する技術は既知の技術であり、例えば、特表平9−510481においては、(a)1.0反応当量のエポキシ樹脂、(b)0.005〜0.5反応当量、好ましくは0.005〜0.025反応当量のアミン−エポキシ付加生成物、及び任意で(c)0.01〜1.0反応当量、好ましくは0.4〜0.6反応当量の多価フェノールを接触させて製造される物であり、そのアミン−エポキシ付加生成物は1.0当量の脂肪族ポリエポキシドと1.01〜2.5,好ましくは1.01〜1.1の反応当量のポリオキシアルキレンアミンとを接触させることにより形成する。
【0013】
具体的には、油化シェルエポキシ社製のエピレッツ水性エポキシ樹脂シリーズがあり、商品名3510W60、3515W60、3519W50、3522W60、3540W55、3551Y43、5003W55、5520W60、6006W70、EZRSW2511、EZRSW2522等が挙げられる。エポキシ樹脂水性分散体は単独で使用してもよく2種類以上を組み合わせてもよい。好ましいエポキシ樹脂を含有する水性分散体は保存安定性の観点からエポキシ樹脂の軟化点が20℃℃以上の固形状である。更に好ましくは20〜95℃の固形状樹脂である。
【0014】
エポキシ樹脂の軟化点が20℃より低いと液状であり、一液化した組成物での保存安定性が悪くなる恐れがある。エポキシ樹脂の軟化点が95℃より高くなると硬化反応の速度が低下する恐れがある。好ましいエポキシ樹脂を含有する水性分散体は固形状の多官能基を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂である。フェノールノボラック型エポキシ樹脂又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂では、1つ分子内にエポキシ反応基が多数含有するので、硬化剤との反応速度が高く、架橋密度が高い。又は固形状のエポキシ樹脂を含有する水性分散物になるので、水に難溶性の潜在硬化剤との接触する面積が小さく、然も硬化剤微粒子がエポキシ樹脂分散体に浸透することなく、保存安定性に優れた一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物を形成することができる。
【0015】
本発明における潜在硬化剤は、水に難溶性の微粉体のジヒドラジド化合物である。ジヒドラジド化合物の具体例としてはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)、セバチン酸ジヒドラジド(SDH)、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド(UDH)、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド(IDH)などを挙げることができる。好ましい物性は、平均粒子径が1〜20μmで、好ましくは4〜8μmである。平均粒径が20μmより大きくなるとエポキシ樹脂を含有する水性散体中で沈降しやすく、平均粒径が1μmより小さくなると保存安定性が悪くなるからである。
【0016】
本発明では、前記のジヒドラジド化合物と従来より知られた硬化剤を組み合わせてもよく、例えば、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、ヒドラジド化合物、イミダゾール誘導体、ジアミノマレオニトリル及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、ポリアミド化合物、エポキシ−アミンアダクト(味の素社製のアミキュアPN、MYシリーズ)、アミン−酸無水物アダクト、尿素型アダクト(富士化成のフジキュアFXE−1000、FXR−1030など)、グアニジン化合物(大内新興化学工業のノクセラーD、ノクセラーDT)、1−o−トリルビグアニド(大内新興化学工業のノクセラーBG)、カルボジライト(商品名、日清紡製)、ナイロン塩、オニウム塩、イミダゾール誘導体などを挙げることができる。これらの硬化剤の好ましい性状は、水中に不溶性もしくは難溶性である微粉体の潜在性硬化剤である。具体的には、DICY、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−1’−エチル−s−トリアジン、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体などが挙げられる。これらの硬化剤の物性は、前述と同様な理由により平均粒子径は1〜20μm、好ましくは4〜8μmである。
【0017】
ジヒドラジド化合物と組み合わせる前記硬化剤のうち、本発明において最も好ましい硬化剤はジシアンジアミド(DICY)である。本発明では、さらにエポキシ樹脂と上述した潜在性硬化剤との硬化反応における活性化エネルギーを低下させる作用を持つ硬化促進剤として、水に不溶性のアルキル尿素化合物を添加することが好ましい。アルキル尿素化合物の具体例として、3−フェニル−1,1−ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(DCMU)、1,1’−(4−メチル−m−フェニレン)ビス(3,3’−ジメチルウレア)などを挙げることができる。
【0018】
本発明の一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物には、上記した成分以外にも必要に応じて着色剤、充填剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、殺菌剤、防錆剤、流動調整剤、ハジキ防止剤等が配合できる。
【0019】
本発明の一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物を、接着剤として使用する場合は、先ず本発明組成物を被着体に塗布し、常温又は加熱により水を飛ばして、その後被着体を重ね合わせて所定の温度で加熱硬化して、接着を行う。コーティング剤として使用する場合は、浸漬塗布、スピンコーティング、刷毛塗装、ローラー塗装、吹き付け塗装、スプレーコーティング又は流し塗りなどの方法で塗布後、常温または加熱により水を飛ばし、さらに所定の温度で加熱硬化して塗膜を得る。これら以外にも、塗料、印刷インキ、ガスバリヤ性包装材料、FRP、ガラス繊維・合繊繊維・カーボン繊維などのバインダー樹脂、不織布のバインダー樹脂、織物の含浸剤、プリント基板のエポキシ樹脂、塵のバインダー樹脂、建築材料などにも使用できる。これらの用途での塗布に適した粘度の組成物を調整するには、適宜水道水で希釈することができる。
【0020】
なお、本発明の一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物は、適宜水道水で希釈して前述の用途に適した粘度の組成物に調整して使用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例および比較例により説明する。実施例および比較例の配合組成および評価結果は表1、表2に示す。特に特定のない限り、部は重量基準とする。なお、組成物の物性評価は以下のようにして行う。
【0022】
(1)ポットライフの評価
組成物の配合直後及び40℃×1ヶ月で保存した後に、組成物を80℃×15分乾燥し水を完全に飛ばして、示差走査熱量計(DSC)で窒素の雰囲気下10℃/分升温速度で反応の発熱量の測定を行う。測定した発熱量の変化率を15%以内を合格と判定する。同時に組成物の粘度の測定を行い、測定数値の変化率を求める。粘度測定はB型粘度計を使用し25℃で行う。変化率15%以内を合格と判定する。以上両方が合格とすれば、40℃×1ヶ月のポットライフを有すると判定する。
【0023】
(2)硬化条件の評価
一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物を80℃×15分で乾燥し、水を完全に飛ばした後、所定の温度時間内で加熱硬化を行う。硬化したテストピースをDSCで反応の発熱量を測定する。発熱量は0になる時点で反応が完全に硬化し、その条件は硬化条件と判定する。
【0024】
(3)ガラス転移温度Tgの測定
エポキシ樹脂の含有量を70%になるようにペーパーウエスを一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物に浸漬し、80℃×15分で乾燥した後、200℃×5分で硬化する。硬化したテストピースは動的粘弾性(DMS)で1HzのtanδのピークをTgとする。
【0025】
(4)鉛筆硬度
鉄のテストピースに一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物を20〜30μmになるようコーティングし、150℃×30分で硬化を行う。鉛筆硬度試験法はJIS K5400に準拠する。
【0026】
(5)曲げ強度
エポキシ樹脂含有量を40%になるようにペーパーウエスで一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物に浸漬し、80℃×15分で乾燥した後、4層重ね合わせてホットプレスで210℃×1分硬化する。曲げ強度試験法はJIS K7171に準拠する。
【0027】
参考例1
エピレッツ6006W70エポキシ樹脂水性分散体(油化シェルエポキシ社製エポキシ樹脂の軟化点が約80℃、固形状O−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂水性分散体、樹脂分は70%、エポキシ当量は250g/eqである)143部(固形分100部)に、ADH(アジピン酸ジヒドラジド、日本ヒドラジン工業社製)17部、蒸留水33部を添加し混合撹拌する。
【0028】
参考例2
エピレッツRSW2511エポキシ樹脂水性分散体(油化シェルエポキシ社製エポキシ樹脂の軟化点が約60℃、固形状フェノールノボラック型エポキシ樹脂水性分散体、樹脂分は65%、エポキシ当量は240g/eqである)155部(固形分100部)に、ADH23部、蒸留水28部を添加し混合撹拌する。
【0029】
比較例1
エピレッツ6006W70エポキシ樹脂水性分散体143部(油化シェルエポキシ社製、固形分100部)に、DICY9部、蒸留水30部を添加し混合撹拌する。
【0030】
比較例2
エピレッツ5003W60(油化シェルエポキシ社製、エポキシ樹脂の軟化点が約14℃、液体状フェノールノボラック型エポキシ樹脂水性分散体、エポキシ当量は205g/eq、固形分60%である)167部(固形分100部)、ADH22部、蒸留水15部を添加し混合撹拌する。
【0031】
実施例1
エピレッツ6006W70エポキシ樹脂水性分散体は143部(固形分100部)に、ADH7.7部、DICY4.3部、オミキュア94(エイ・シーアイ・ジャパン・リミテッド社の商品名、3−フェニル−1,1−ジメチルウレア)1.7部、蒸留水33部を添加し混合撹拌する。
【0032】
比較例3
エピレッツ6006W70エポキシ樹脂水性分散体143部(固形分100部)に、ADH17部、2PZ−PW0.71部(四国化成社製、2−フェニルイミダゾール微粉体)、蒸留水36部を添加し混合撹拌する。
【0033】
実施例1〜3と比較例1〜3のの組成を表1に、その評価結果は表2にまとめて示す。実施例1、2と比較例1より、硬化剤として水に難溶性のジヒドラジド化合物であるアジピン酸ジヒドラジドが硬化速度の点で優れていることがわかる。さらに比較例2よりエポキシの軟化点が20℃以上であれば、保存安定性が優れ、20℃以下であれば、保存安定性がないことが分かる。
実施例3と比較例3より、潜在性硬化剤がヒドラジド化合物とジシアンジアミドの混合物であって、さらに硬化促進剤のアルキル尿素化合物を添加した組合わせにより、保存安定性、高温速硬化性、高ガラス転移温度、高硬度、高耐熱性を持つ樹脂組成物ができる。
【0034】
【表1】
【0035】
【0036】
【発明の効果】
本発明から得られた一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物は、固形状多官能基エポキシ樹脂水性分散体と潜在性硬化剤及び硬化促進剤を特定の割合で配合するため、保存安定性が優れているばかりでなく、無臭もしくは低臭性でかつ高温速硬化性の組成物になる。またこの組成物の硬化物は、高ガラス転移温度、高硬度、高耐熱性を発揮するものである。
Claims (3)
- 軟化点が20〜95℃の固体状エポキシ樹脂を、ノニオン界面活性剤の存在下で水に分散させた水性分散体と、水に難溶性の微粉体ジヒドラジド化合物及びジシアンジアミドとの混合物の潜在性硬化剤と、水に不溶性のアルキル尿素化合物とからなることを特徴とする一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物。
- 前記水性分散体のエポキシ樹脂が、(a)1.0反応当量のエポキシ樹脂、
(b)1.0反応当量の脂肪族ポリエポキシドと1.01〜2.5反応当量のポリオキシアルキレンアミンとを接触させることにより形成した0.005〜0.5反応当量のアミン−エポキシ付加生成物、
(c)任意で0.01〜1.0反応当量の多価フェノール、
前記(a)、(b)又は(a)〜(c)を接触させて製造される請求項1に記載の一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物。 - 前記水性分散体のエポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型多官能エポキシ樹脂、固形状クレゾールノボラック型多官能エポキシ樹脂のいずれか、またはこれらの混合物である請求項1または請求項2に記載の一液加熱硬化型水性エポキシ樹脂組成物。
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