JP3543504B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、層間絶縁膜をドライエッチングして金属シリサイド膜に臨むビアホールを開口した後、エッチング・ダメージの回復と該層間絶縁膜のリフローを目的として行われるアニール時に、雰囲気中に混入した酸素による金属シリサイド膜の増速異常酸化を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置のデザイン・ルールがサブミクロンのレベルに移行する頃から、配線抵抗による信号の遅延がLSIの動作速度に対して無視できないレベルに達している。このような背景から、高集積化された半導体装置の配線材料としては、従前の不純物含有ポリシリコンよりもアニール後のシール抵抗が1桁以上低減できる金属シリサイドが有望視されている。この金属シリサイドは、低抵抗であることに加え、仕事関数の値がSiのバンドギャップの中間付近に位置すること等の理由から、たとえば単層膜でMOSトランジスタのゲート電極として利用することが期待されている。しかし、層間絶縁膜に対する密着性や、特にゲート電極として利用された場合のゲート酸化膜の耐圧劣化の問題が十分に解決されていないために、現状では一般に金属シリサイド膜の下層側にポリシリコン膜を介在させた二層膜、すなわちポリサイド膜の形で実用化されている。
【0003】
半導体製造プロセスではまた、基体の平坦化も重要な課題である。半導体装置の垂直方向の寸法縮小は、配線抵抗や寄生容量の低減を図る必要上、水平面内の寸法縮小に比べて遅れがちである。しかし、高集積化の進展やデバイス構造の複雑化に伴って多層配線構造の採用が要請される等、基体の表面段差はますます増大する傾向にあり、このことが上層配線膜としてスパッタ成膜されるA1系配線膜の断線を招く原因となっている。さらに、近年のフォトリソグラフィでは露光光が短波長化および単色光化されており、焦点深度の減少や干渉の増大が生じている。このような状況下で、段差基体上に局所的な膜厚の不均一性の大きなレジスト塗膜を形成すると、解像度が低下するか、場合によっては解像そのものが不可能となってしまう。
【0004】
このような不都合を避けるために、基体の平坦化は専ら層間絶縁膜の平坦化によって行われている。これは、あるレイヤで配線パターンを形成し、これを層間絶縁膜で被覆するごとにその表面を平坦化することにより、後工程のプロセス精度や製造される素子の信頼性を向上させようとするものである。層間絶縁膜の平坦化手法としては、レジスト・エッチバック,加熱リフロー,化学機械研磨(CMP)が代表的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように層間絶縁膜が平坦化されると、今度はこの層間絶縁膜自身に局部的な膜厚差が発生するため、そこに開口される接続孔の深さが場所によって大きく異なることになる。接続孔は通常はドライエッチングにより開口されるが、このエッチングには原子間結合エネルギーの大きいSi−O結合を切断して異方性形状を得る必要からイオン入射エネルギーを高めた条件が採用されるため、下地膜への悪影響が大きな問題となる。特に、上述の金属シリサイド膜が接続孔の底面へ露出し、しかもこの金属シリサイド膜がオーバーエッチングに曝される場合には、次のような問題がしばしば発生する。この問題について、金属シリサイド膜としてWSix膜を用いた場合を例として図7ないし図9を参照しながら説明する。
【0006】
図7は、フィールド酸化膜22に形成されたポリサイド電極パターン26と、Si基板21の表層部に形成された不純物拡散層27の双方に臨む深さの異なる接続孔を、層間絶縁膜28のドライエッチングにより同時に形成した状態を示している。
ここまでの工程を簡単に述べると、まず、Si基板21上に常法にしたがって素子分離用のフィールド酸化膜22(SiO2 )とゲート酸化膜23(SiO2 )を形成する。次に、ポリシリコン膜24とWSix膜25とを順次積層してW−ポリサイド膜を形成し、この膜をパターニングしてポリサイド電極パターン26を形成する。このポリサイド電極パターン26は、素子形成領域においてたとえばMOSトランジスタのゲート電極(図示せず。)として機能する電極パターンであり、図にはそのフィールド上延在部が示されている。この後、上記ポリサイド電極パターン26をマスクとしてイオン注入を行い、Si基板21の表層部に不純物拡散層27を形成する。この不純物拡散層27は、典型的にはMOSトランジスタのソース/ドレイン領域である。
【0007】
続いて、基体の表面を層間絶縁膜28で平坦化する。この層間絶縁膜28は、SiOx系材料膜の中でも特にリフロー性に優れるBPSG(ホウ素・リン・シリケート・ガラス)膜をたとえばCVD法で成膜し、これをレジスト・エッチバック法で平坦化させたものである。この後、レジスト・パターニングとドライエッチングを経て、不純物拡散層27に臨むコンタクトホール28CHと、ポリサイド電極パターン26に臨むビアホール28VHとを形成する。このエッチングは、Si系材料層に対して一応は選択性を確保できる条件で行われる。しかし、ポリサイド電極パターン26上における層間絶縁膜28の膜厚が不純物拡散層27上におけるそれよりも著しく薄いために、コンタクトホール28CHがまだ完成していない時点でもビアホール28VHの底面ではWSix膜25が露出してしまう。コンタクトホール28VHを完成させるために以後もエッチングを続けると、WSix膜25はオーバーエッチングに曝されることになり、この間にWSix膜25に侵食部25eが形成されてしまう。
【0008】
ところで、上記のドライエッチング中には、下地である不純物拡散層27やWSix膜25にプラズマ照射損傷が生ずる。この照射損傷の程度は、単結晶状の下地よりも多結晶状の下地の方で大きくなる。したがって、元来が多結晶状のWSix膜25では組織のアモルファス化がより進んだ状態となる。
そこで、接続孔のエッチング後には通常、照射損傷を回復させるためのアニールが行われる。このアニールは、たとえばバッチ式の酸化炉内にボートに装填した基板を搬入し、N2 雰囲気下でおおよそ850〜950℃,10〜40分の条件で行われる。ここでは、層間絶縁膜28がBPSG膜のようにリフロー性に優れる材料で構成されているので、このアニールがリフローも兼ねることになり、開口形状がなだからに変化したコンタクトホール28CHrとビアホール28VHrとが得られる。このことは、後工程で形成される上層配線パターン(図9の符号33)のカバレージ(段差被覆性)を改善する上で有効である。
【0009】
しかし、上記アニールを行うために酸化炉内へボートごと基板を搬入する際には、大抵は若干の大気が炉内へ一緒に巻き込まれ、この大気中の酸素により接続孔の底面が酸化されてしまう。この酸化作用により、コンタクトホール28CHrの底面には薄い自然酸化膜30(SiOx)が成長するが、ビアホール28VHrの底面ではWSix膜25のアモルファス化に起因する増速異常酸化が進行し、厚いWOx層29が形成されてしまう。このWOx層29は、蒸気圧が低い不安定な酸化物である上、導電性に劣り、また体積増加が大きい。このため、たとえば図9に示されるように、Ti/TiN系のバリヤメタル31とAl−Si膜32とからなる上層配線パターン33を形成した際に、コンタクト形状の劣化やコンタクト抵抗の変化を生ずる原因となる。
【0010】
この増速異常酸化を防止するために、たとえば特開平2−119129号公報には、WSix膜25上に予め窒化シリコン(SiN)膜からなるエッチング停止膜を形成する方法が開示されている。この方法では、接続孔を開口する際に、まずエッチング停止膜に対して選択比を確保できる条件で層間絶縁膜(SiOx)をエッチングした後、露出したエッチング停止膜を除去してWSix膜を露出させることになる。
しかしこの方法では、エッチング停止膜の成膜工程が余分に必要となる。また、現有のドライエッチング技術ではSiN膜上で十分に高い選択比を維持しながらSiOx膜のエッチングを行うことは必ずしも容易ではないので、プロセス・マージンを見込んでエッチング停止膜を厚く形成しておく必要がある。このために、成膜時間もエッチング時間も長くなり、スループットを低下させる原因となる。
【0011】
また、増速異常酸化の別の防止策として、アニール前の基体の全面を窒化シリコン(SiN)膜で被覆し、接続孔の底面の大気接触を断つことも考えられる。これは、前掲の図7に示される基体の表面に薄いSiN膜を成膜することに相当する。しかし、SiN膜は膜質が緻密で硬いため、アニールにより照射損傷の回復は行うことができても、層間絶縁膜28のリフローは妨げられてしまう。
【0012】
このように従来は、WSix膜が過剰なオーバーエッチングに曝されている場合に、簡便かつ信頼性の高い方法でWSix膜の増速異常酸化を防止し、かつ層間絶縁膜のリフローも行うことは容易ではなかった。そこで本発明は、これらの問題を解決し得る半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体装置の製造方法は、少なくとも表層部が金属シリサイド膜で構成される配線パターンを層間絶縁膜で被覆し、この層間絶縁膜に接続孔を開口するためのドライエッチングを行った後、ダメージ回復と層間絶縁膜のリフローを兼ねたアニールを行うに先立って上記接続孔の底面に露出した金属シリサイド膜の表面を窒化し、しかる後に該接続孔を被覆する上層配線パターンを形成することにより、上記の目的を達成しようとするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明では、接続孔のドライエッチングに伴って発生した下地膜のダメージの回復と層間絶縁膜のリフローとを兼ねたアニール(以下、リフロー・アニールと称する。)を行う前に、接続孔の底面に露出している金属シリサイド膜の表面を予め窒化しておく。窒化はアニール(以下、窒化アニールと称する。)により行われ、これにより金属シリサイド膜の表面に窒化物層が形成される。したがって、窒化アニールを行うためのチャンバや炉内へ基板を搬入する際に大気が巻き込まれたとしても、上記の窒化物層の存在により、金属シリサイド膜と大気との接触を遮断することができる。
【0015】
上記窒化物層は、従来のSiN膜のように基体の全面に全く新しく成膜される膜ではなく、金属シリサイド膜そのものの窒化により自己整合的に形成される層である。上記窒化アニールは、雰囲気を変更すればリフロー・アニールと同一装置内で行うことができるので、このような場合には工程数は増加しない。また、窒化物層に含まれる金属窒化物は層間絶縁膜に対して高いエッチング選択比を示すので、それほど厚く形成する必要もない。
【0016】
上記金属シリサイドとしては、たとえばWSix(タングステン・シリサイド),MoSix(モリブデン・シリサイド),TaSix(タンタル・シリサイド),TiSix(チタン・シリサイド),PtSix(プラチナ・シリサイド),CoSix(コバルト・シリサイド),VSix(バナジウム・シリサイド)等を用いることができる。これらの金属シリサイドに含まれる金属が窒化されて窒化物層が形成されるのであるが、これらの金属の窒化物は、いずれも導電性を有するので、接触孔の底面にこれらの窒化物を残した状態で上層配線パターンを形成しても、コンタクト抵抗に悪影響を及ぼす虞れはない。
【0017】
ところで、上記の窒化は、増速異常酸化を抑制する本発明の趣旨に鑑み、実質的に酸素を排除した雰囲気中でのアニール(以下、窒化アニールと称する。)により行うことが特に有効である。酸素の排除は、窒化アニールを行うためのチャンバあるいは炉に被処理基板を搬入した後、アニール雰囲気を構成するためのガスと同じガスを用いて該チャンバあるいは炉の内部を十分にパージすることで達成できる。なお、上記のチャンバや炉の前段に真空ロードロック室やN2 置換チャンバが接続されている場合には、これらを介して基板を搬入することも極めて有効である。
【0018】
本発明は、金属シリサイド膜が過剰なオーバーエッチングに曝されてアモルファス化が進行し、従来なら著しい増速異常酸化が生じてしまうような場合に適用すると、メリットが大きい。
かかるオーバーエッチングが生じ得る場合とは、金属シリサイド膜へ臨む接続孔(ビアホール)の形成場所以外の場所で、該ビアホールより深い接続孔が形成されるような場合である。たとえば、この金属シリサイドを含む配線パターンがDRAMのワード線となる1層目ポリサイド膜である場合、層間絶縁膜が十分に平坦化されていれば、1層目ポリサイド膜に対してコンタクトをとるためのビアホールよりも、基板内の不純物拡散層に対してコンタクトをとるためのコンタクトホールの方が深くなる。
【0019】
なお、不純物拡散層に対してコンタクトをとるためのコンタクトホールがビアホールと同時に開口される場合には、リフロー・アニール時に該不純物拡散層の表面に自然酸化膜が成長する。したがって、この自然酸化膜は上層配線パターンの形成前に除去しておく必要がある。Si基板上に成長する自然酸化膜(SiOx)は、希フッ酸溶液を用いたライトエッチング、あるいはフッ素系ラジカルを主なエッチング種とするブレイクスルーにより行うことができる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例について、図1ないし図6を参照しながら説明する。
図1は、フィールド酸化膜2上にポリサイド電極パターン6を有する基体の表面を層間絶縁膜8で平坦化し、レジスト・パターニングを行った状態を示す模式的断面図である。
ここまでの工程を簡単に述べると、まず、Si基板1上にたとえば公知のLOCOS法により素子分離用のフィールド酸化膜2(SiO2 )を形成する。このフィールド酸化膜2の厚さは約400nmであり、よって基体表面に生じた段差は約200nmである。この後、たとえばパイロジェニック酸化法により厚さ約10nmのゲート酸化膜3(SiO2 )を形成した。
【0021】
次に、たとえば膜厚約50nmのポリシリコン膜4と、膜厚約50nmのWSix膜5とを順次積層して厚さ約100nmのW−ポリサイド膜を形成した。ここで、上記ポリシリコン膜4は、SiH4 を原料ガスとするLPCVD法により成膜されたポリシリコン膜にたとえばn型不純物としてリン(P)をドープしたものである。また、上記WSix膜5は、たとえばWF6 /SiCl2 H2 混合ガスを原料とするLPCVD法により成膜されたものであり、その組織は多結晶状である。
上記ポリサイド電極パターン6は、素子形成領域においてたとえばMOSトランジスタのゲート電極(図示せず。)として機能する電極パターンであり、図にはそのフィールド上延在部が示されている。
【0022】
この後、上記ポリサイド電極パターン6をマスクとしてイオン注入を行い、Si基板21の表層部に不純物拡散層7を形成した。この不純物拡散層7は、典型的にはMOSトランジスタのソース/ドレイン領域であり、LDD(lightly doped drain )構造を有するものであっても良い。ただし、LDD構造を採用する場合には、上記ポリサイド電極パターン6の側壁面に絶縁膜をエッチバックして得られたサイドウォールが形成されることになる。
【0023】
この後、基体の表面を層間絶縁膜8で平坦化した。この層間絶縁膜8は、O3 /TEOS(テトラエトキシシラン)/TMB(テトラメチルホウ酸)/TMOP(テトラメトキシリン酸)混合ガスを原料とする常圧CVD法により堆積させたBPSG膜の上に、さらにレジスト塗膜を形成して表面を平坦化し、このレジスト塗膜とBPSG膜とのエッチング速度が等しくなる条件でRIE(反応性イオン・エッチング)を行って膜厚を減少させることにより形成した。この平坦化方法は、いわゆるレジスト・エッチバック法と称されるものである。この層間絶縁膜8の最終膜厚は、不純物拡散層7の上で約600nm、ポリサイド電極パターン6の上で約300nmとなった。
なお、サーマル・バジェットに余裕があれば、レジスト・エッチバック法を採用する代わりに、BPSG膜を850℃付近でリフローさせても良い。
【0024】
次に、上記層間絶縁膜8の上にたとえばノボラック系ポジ型フォトレジストの塗膜を形成し、i線リソグラフィを行ってレジスト・パターン9を形成した。このレジスト・パターン9は、接続孔パターンに倣った直径約0.4μmの開口を有する。図1にはここまでの工程を終了した状態を示した。
【0025】
次に、上記レジスト・パターン9をマスクとして層間絶縁膜8のエッチングを行った。このエッチングは、たとえば、
エッチング装置 マグネトロンRIE装置
CHF3 流量 50SCCM
CO流量 250SCCM
圧力 5Pa
RFバイアス・パワー 1500W(13.56MHz)
ウェハ温度 −30℃
の条件で行った。このエッチング条件における対Si選択比は、約26である。この結果、図2に示されるように、不純物拡散層7に臨むコンタクトホール8CHと、ポリサイド配線パターン6に臨むビアホール8VHとが形成された。
【0026】
ここで、上記ドライエッチングの途中段階では、ビアホール8VHの底面にWSix膜5が露出した時点でも、不純物拡散層7上にはまだ約300nmの層間絶縁膜8が残っている。したがって、上記WSix膜5は以後、100%のオーバーエッチングに曝されることになる。このオーバーエッチングを経る間に、WSix膜5の表面には侵食部5eが形成され、その近傍にはプラズマ中からのイオン入射によりプラズマ照射損傷が生じ、アモルファス化した組織が形成される。コンタクトホール8CHが完成した時点では、その底面に露出した不純物拡散層7の表面にもある程度のプラズマ照射損傷は生ずるが、この部分の組織は単結晶状であるため、損傷の程度はWSix膜5に比べて軽い。
【0027】
本発明では次に、WSix膜5の表面を窒化するための熱処理(窒化アニール)を行った。この窒化を行うための代表的なアニール条件例を示す。まず、RTA装置を使用する場合は、たとえば
(条件例1)
パージ条件 :N2 またはNH3 またはN2 /NH3 混合ガス流量 1〜100SLM,10〜120秒間
アニール雰囲気:N2 またはNH3 またはN2 /NH3 混合ガス
アニール温度 :700〜1100℃
アニール時間 :10〜120秒間
とすることができる。
【0028】
また、ファーネス・アニール装置を用いる場合は、たとえば
(条件例2)
パージ条件 :N2 またはNH3 流量 1〜100SLM,10〜30分間
アニール雰囲気:N2 またはNH3
アニール温度 :400〜700℃
アニール時間 :10〜30分間
とすることができる。
【0029】
さらに、窒化アニールはプラズマ処理によっても行うことができ、たとえばRFプラズマ励起式のケミカル・ドライエッチング装置を用いる場合には
とすることができる。
【0030】
これらの条件のいずれを用いて窒化を行った場合にも、図3に示されるように、WSix膜5の表面に厚さ0.2〜2nmの窒化物層10が形成された。この窒化物層10は、WNx(窒化タングステン)とSiNの混合物である。
なおこの時、コンタクトホール8CHの底面も窒化雰囲気に曝されるが、この底面の組織は単結晶状であって窒化速度が遅いため、上記の条件ではSiN膜が成長するにはほとんど至らない。
【0031】
上記の窒化アニールは、従来プロセスで問題となっていたWSix膜5の増速異常酸化を防止するための処理である。上記の各条件においていずれもアニール開始前に十分なパージが行われているのは、アニールを行うチャンバまたは炉内へ基板を搬入する際に巻き込まれる大気中のO2 の影響をできるだけ低減させるためである。
【0032】
この状態で、次に下地ダメージ回復と層間絶縁膜8のリフローを兼ねたアニールを行った。このリフロー・アニールは、たとえば
の条件で行った。なお、このリフロー・アニールは、前述の窒化アニールにRTA装置またはファーネス・アニール装置を用いている場合には、雰囲気を変更するだけで同一装置内で連続して行うことができる。
【0033】
上記のアニールの結果、図4に示されるように層間絶縁膜8r(添え字rはリフロー形状を有することを表す。以下同様。)がリフローし、コンタクトホール8CHrおよびビアホール8VHrの断面形状がいずれもなだからとなった。
またこの時、コンタクトホール8CHr底面に露出する不純物拡散層7の表面には自然酸化膜11(SiOx膜)が成長した。ビアホール8VHrの底面では、窒化物層10に含まれる主としてSiNが再酸化され、SiOxに変化した。
【0034】
次に、希フッ酸溶液を用いたライトエッチングを行い、図5に示されるように、コンタクトホール8CHrの底面の自然酸化膜11を除去した。この時、ビアホール8VHrの底面では、窒化物層10中に混在するSiOxも同時に除去された。この時点で、窒化物層10の主要構成成分はWNxとなる。
なお、この自然酸化膜11の除去は、SF6 ガスのプラズマを用いたブレイクスルーにより行っても良い。
【0035】
最後に、通常のスパッタリングによりTi膜とTiN膜とをこの順に積層してなるバリヤメタル12を基体の全面に成膜し、さらにAl−Si膜13を成膜した。この時の各膜のカバレージは、接続孔のなだからな断面形状に由来して極めて良好であった。続いてこの積層膜をパターニングし、上層配線パターン14を形成した。ビアホール8VHrの底面には相変わらず窒化物層10が残存するが、その主要構成成分であるWNxは導電性を有するので、コンタクト特性を劣化させることはなかった。
このようにして得られた半導体装置では、結晶欠陥によるリーク電流やコンタクト抵抗が大幅に低減される一方で、上層配線パターンの信頼性も向上していた。
【0036】
以上、本発明の具体的な実施例について説明したが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。たとえば、金属シリサイド膜としてWSix以外の膜、すなわちMoSix膜やTaSix膜を用いた場合にも同様の窒化アニールを行うことによりリフロー・アニール後の配線形状を改善することができる。また、これらの金属シリサイド膜は、上述のようなポリサイド膜として使用されるのみならず、単独で配線パターンを構成するものであっても良い。
この他、基板の構造、各部の寸法、プロセス条件等の細部については、適宜変更や選択が可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、簡便かつ信頼性の高い方法でWSix膜の増速異常酸化を防止し、かつ層間絶縁膜のリフローも行うことができる。したがって、半導体装置の性能、信頼性、製造歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したプロセス例において、フィールド酸化膜上にポリサイド電極パターンを有する基体の表面を層間絶縁膜で平坦化し、レジスト・パターニングを行った状態を示す模式的断面図である。
【図2】図1の層間絶縁膜をドライエッチングし、不純物拡散層に臨むコンタクトホールとポリサイド電極パターンに臨むビアホールとを同時に開口した状態を示す模式的断面図である。
【図3】図2のビアホールの底面においてWSix膜の露出面を窒化して窒化物層を形成した状態を示す模式的断面図である。
【図4】下地ダメージ回復と層間絶縁膜のリフローを兼ねたリフロー・アニールを行った状態を示す模式的断面図である。
【図5】上記のアニール時にコンタクトホールの底面に成長した自然酸化膜を、ライトエッチングにより除去した状態を示す模式的断面図である。
【図6】図5のコンタクトホールとビアホールを被覆する上層配線パターンを形成した状態を示す模式的断面図である。
【図7】従来プロセスにおいて、フィールド酸化膜上にポリサイド電極パターンを有する基体の表面を層間絶縁膜で平坦化し、この層間絶縁膜にコンタクトホールとビアホールを開口した状態を示す模式的断面図である。
【図8】下地ダメージ回復と層間絶縁膜のリフローを兼ねたリフロー・アニールを行った結果、ビアホール底面のWSix膜が増速異常酸化を起こし、WOx層が形成された状態を示す模式的断面図である。
【図9】図8のコンタクトホールとビアホールを被覆する上層配線パターンを形成した状態を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1…Si基板 2…フィールド酸化膜 3…ゲート酸化膜 5…WSix膜 5e…侵食部 6…ポリサイド電極パターン 7…不純物拡散層 8…層間絶縁膜8r…(リフロー後の)層間絶縁膜 8CH…コンタクトホール 8CHr…(リフロー後の)コンタクトホール 8VH…ビアホール 8VHr…(リフロー後の)ビアホール 10…窒化物層 11…自然酸化膜 14…上層配線パターン
Claims (5)
- 少なくとも表層部が金属シリサイド膜で構成される配線パターンを層間絶縁膜で被覆する第1工程と、
前記層間絶縁膜をドライエッチングし、少なくとも前記配線パターンに臨む接続孔を開口する第2工程と、
前記接続孔の底面において少なくとも前記金属シリサイド膜の露出面を窒化する第3工程と、
前記ドライエッチングにより前記接続孔の底面に生じたダメージを回復させると共に前記層間絶縁膜をリフローさせるためのアニールを行う第4工程と、
前記接続孔を被覆する上層配線パターンを形成する第5工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第2工程では前記金属シリサイド膜がオーバーエッチングに曝されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記窒化は、実質的に酸素を排除した雰囲気中でのアニールにより行うことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2工程では、前記配線パターンに臨む接続孔に加え、半導体基板内の不純物拡散層に臨む接続孔が同時に形成されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第4工程において前記不純物拡散層に臨む接続孔の底面に成長した自然酸素膜を、前記第5工程に進む以前に除去することを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
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