JP3543128B2 - レーザスキャナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、バーコード情報等を光学的に読み取るレーザスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、レーザスキャナは、レーザ発光部、走査用ミラー、ミラー駆動部等を有し、レーザ光をバーコード上に照射すると共に、その反射光を受光して光電変換することによりバーコード情報を光学的に読み取るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種のレーザスキャナにおいては、衝撃破壊やゴミ、接触不良等の原因により走査用ミラーが誤動作し、スポット照射によって高エネルギーが局部的に長時間照射されることがあり、人体的な安全性を損うおそれがあると共に、無駄に電力を消費することにもなる。
この発明の課題は、走査用ミラーでレーザ光を振らす際にその動作が正常でなければ、レーザ光の発光を自動的に停止できるようにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、レーザ光を発光するレーザ発光部と、このレーザ発光部から発光されたレーザ光を振らす走査用ミラーと、この走査用ミラーを駆動するミラー駆動部とを備えたレーザスキャナにおいて、前記走査用ミラーが前記レーザ光を振らせている振動動作を検出し、その振動周期の区切りで走査タイミング信号を出力する走査検出手段と、予め決められた周波数のクロックを計数し、前記走査検出手段から出力される前記走査タイミング信号によって計数値をリセットすることによって前記走査用ミラーの走査周期をカウントする走査周期カウント手段と、前記走査周期カウント手段によってカウントされる前記走査用ミラーの走査周期が予め設定された走査周期よりも低速であることを判定する低速判定手段と、前記低速判定手段の判定出力に応じて前記レーザ発光部のレーザ発光を停止させる発光停止手段と、を具備したことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を参照してこの発明の一実施形態について説明する。
図1はレーザスキャナの構成を示したブロック図である。
レーザ発光部1は、スイッチ操作に応答するレーザON信号がレーザ光停止回路2を介して入力されることによりレーザ光を発光するもので、レーザ光は反射ミラー3を介して走査用ミラー部4に送られる。走査用ミラー部4は予め決められている振れ角範囲内において、レーザ光を周期的に振動させるバイブレーションミラーと、その駆動モータを有する構成で、レーザ発光部1から発せられたレーザ光をバイブレーションミラーによって反射し、バーコード上を照射する。ミラー駆動部5は上記レーザON信号に応答して走査用ミラー部4の動作を制御するもので、駆動信号を所定タイミング毎に出力し、走査用ミラー部4に印加すると共に走査用ミラー部4からそのフィードバック信号を取り込む。
【0006】
走査検出部6は走査用ミラー部4の動作状態を監視するもので、その詳細は図示省略するが、走査用ミラー部4からのフィードバック信号を取り込み、このフィードバック信号と基準信号とを比較するコンパレータと、このコンパレータの出力に応じて計数動作を行うカウンタと、このカウンタの計数値を比較する比較器とを有する構成となっている。この場合、上記カウンタの計数値が予め決められた値になる毎に、論理値“1”(ハイレベル)の走査タイミング信号STを出力する。いま、走査用ミラー部4の動作速度が100+/−10Scan/secの場合、すなわち、1秒間に動作回数が「90〜110」の場合に、走査用ミラー部4が正常動作に動作しているものとする。ここで、走査検出部6は上記カウンタ値が「100」になる毎にハイレベルの走査タイミング信号STを出力し、走査用周期カウンタ7にリセット信号として与える。
【0007】
走査用周期カウンタ7は上記レーザON信号が入力されている間、10KHzのクロック信号を計数するもので、走査検出部6から走査タイミング信号STが入力される毎にその計数値はクリアされる。走査用周期カウンタ7の計数値は停止判定部8、高速判定部9、低速判定部10の入力端子αにそれぞれ与えられる。停止判定部8、高速判定部9、低速判定部10は比較器によって構成されたもので、停止判定部8の他方の入力端子βには走査用ミラー部4の停止判定値として「300」が入力されている。また、高速判定部9の他方の入力端子βには高速異常判定値として「90」が入力され、更に、低速判定部10の他方の入力端子βには低速異常判定値として「110」が入力されている。ここで、停止判定部8、高速判定部9、低速判定部10はα>βを検出した際に、論理値“1”(ハイレベル)の信号を出力するもので、各出力信号はレーザ停止要求回路11に入力される。
【0008】
レーザ停止要求回路11はノアゲートによって構成されたもので、停止判定部8、高速判定部9、低速判定部10の何れかによって異常検出が行われると、その出力は論理値“0”の信号を出力する。この出力はレーザ光の発光を強制的に停止させる停止要求信号としてレーザ光停止回路2に与えられる。ここで、レーザ光停止回路2はアンドゲートによって構成されたもので、レーザ停止要求回路11の出力に基づいてその開閉動作が制御される。また、レーザ停止要求回路11から出力される停止要求信号はエラーメッセージ信号として中央演算処理装置(図示せず)に送られる。ここで、中央演算処理装置はこのエラーメッセージ信号を受け取ると、その旨をメッセージ表示させると共にブザー音を発生させる。
【0009】
なお、受光部12はバーコードからの反射光を受光して光電変換するもので、これによって変換されたアナログ信号はコンパレータ13によってデジタル信号に変換されて上述の中央演算処理装置にバーコードデータ(BARデータ)として送られる。AGC14はオードゲインコントロール部で、コンパレータ13がデジタル信号に2値化する際の判定レベルを、受光部12の出力に基づいて制御する。
【0010】
次に、上述したレーザスキャナの動作を図2〜図5に示すタイムチャートにしたがって説明する。
図2は走査用ミラー部4が正常に動作している場合のタイムチャートである。ここで、レーザON信号の入力に応答してミラー駆動部5、走査検出部6、走査周期カウンタ7がそれぞれ起動される。いま、走査用ミラー部4が正常に動作している場合、すなわち、100Scan/secで動作している場合、走査検出部6はそのカウンタ値が「100」になる毎に走査タイミング信号STを出力し、走査周期カウンタ7をリセットする。この結果、図2に示すように、走査周期カウンタ7はその値が「100」になる毎にクリアされるため、停止判定部8、高速判定部9、低速判定部10では全て「α<β」の不成立が検出される。したがって、停止判定部8、高速判定部9、低速判定部10の出力信号a、b、cは図示の如く、ローレベルのままとなり、レーザ停止要求回路11の出力dはハイレベルを維持するため、レーザ光停止回路2を構成するアンドゲートは開成され、ハイレベルの出力信号e、すなわちレーザON信号がレーザ発光部1に供給される。
【0011】
ここで、何れかの原因で走査用ミラー部4の動作が僅かに速くなったり、遅くなると、それに比例して走査タイミング信号STの1パルス周期が短かくなったり、長くなる。この場合、走査周期カウンタ7の値が「90〜110」の範囲内であれば、つまり、走査用ミラー部4の動作が100+/Scan/sec程度の誤動作であれば、停止判定部8、高速判定部9、低速判定部10の全てにおいて不成立が検出される。つまり正常動作の許容範囲内にあるものとみなされるため、上述の場合と同様に、レーザ発光部1にはレーザON信号が供給される。
【0012】
図3は走査用ミラー部4の動作が停止している場合のタイムチャートである。ここで、走査用ミラー部4が停止していると、レーザ光が1点にスポット照射されている状態にある。この場合、走査用ミラー部4からはフィードバック信号が出力されないため、走査検出部6において、その計数動作は停止し、走査タイミング信号STはローレベルのままとなる。したがって、走査周期カウンタ7はリセットされず、計数動作をそのまま続行している。ここで、走査周期カウンタ7の値が「300」を越えた時点で、停止判定部8の出力aがハイレベルとなり、レーザ停止要求回路11の出力dがローレベルとなって停止要求信号が出力される。したがって、レーザ光停止回路2を構成するアンドゲートが閉成され、その出力eがローレベルに反転され、レーザ発光部1を停止させる。
【0013】
図4は走査用ミラー部4の動作が異常に速い場合のタイムチャートである。ここで、走査検出部6から出力される走査タイミング信号STの周期は走査用ミラー部4の動作速度に応じて極端に短かくなるため、走査用周期カウンタ7はその値が正常動作の許容範囲である「90」を越える前にクリアされる。図4は走査用周期カウンタ7の値が「60」になる毎に走査用周期カウンタ7がリセットされる場合を例示したものである。この場合、高速判定部9の出力bがハイレベルとなり、レーザ停止要求回路11の出力dがローレベルに反転されてレーザ発光部1を停止させる。
【0014】
図5は走査用ミラー部4の動作が異常に遅い場合のタイムチャートである。ここで、走査検出部6から出力される走査タイミング信号STの周期は、走査用ミラー部4の動作速度に応じて極端に長くなるため、走査用周期カウンタ7はその値が正常動作の許容範囲である「110」を越えてもリセットされず、そのまま計数動作を続行することになる。図5は走査用周期カウンタ7の値が「140」に達する毎に、走査用周期カウンタ7がリセットされる場合を例示したものである。この場合、低速判定部10の出力がハイレベルとなり、レーザ停止要求回路11の出力dがローレベルに反転されてレーザ発光部1を停止させる。
【0015】
以上のように構成されたレーザスキャナにおいては、走査用ミラーでレーザ光を振らす際にその動作が正常でなければ、レーザ光の発光を自動的に停止することができるので、安全性や消費電力の点において有効なものとなる。ここで、レーザON信号が入力されている間、走査用ミラー部4の動作が異常により一時的にレーザ光の発光が停止しても、その後、正常動作に復帰すると、レーザ光は再び発光するようになる。また、レーザ停止要求回路11の出力をエラーメッセージ信号とすることによりレーザ走査の動作異常を直ちに使用者に報知することが可能となる。
【0016】
なお、上述した一実施形態においてはレーザ光停止回路2、走査検出部6、停止判定部8、高速判定部9、低速判定部10、レーザ停止要求回路11等を使用したが、これらの動作を中央演算処理装置のプログラム制御によって行うようにしてもよい。つまり、ハード的にレーザ走査状態を監視してレーザ光の停止制御を行うようにしたが、ソフト的にレーザ走査状態を監視してレーザ光の停止制御を行うようにしてもよい。
また、走査用ミラー部4の動作異常が検出されたのち、正常動作に復帰すると、レーザ光は再び発光するようになるが、この場合、走査用ミラー部4が故障しているにもかかわらず、レーザスキャナへの衝撃等で間欠的にレーザ光が発光することがある。また、走査用ミラー部4の動作が正常でも衝撃等で一時的に動作異常が検出されることがある。このような場合、走査用ミラー部4の動作状態の監視をレーザOn時の一定時間内に限り行うようにし、この期間で動作異常を検出すると、以降、レーザ停止状態を維持するようにしてもよい。この場合、レーザ停止要求回路11の後段に遅延型フリップフロップを設け、そのD入力端子にレーザ停止要求回路11の出力dを与えるようにしてもよい。
【0017】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、走査用ミラーの走査周期をカウントし、カウントされる走査用ミラーの走査周期が予め設定された走査周期よりも低速であることが判定された場合はレーザ発光部のレーザ発光が停止されるので、レーザ光の人体に対する安全性を確保できると共に、無駄に電力が消費されることを防止できる。
請求項2記載の発明によれば、ミラー駆動回路の回路部品の特性誤差あるいは不良等によって走査用ミラーの走査周期が予め設定された走査周期よりも高速である場合はレーザ発光部のレーザ発光が停止されるので、製品の性能不良を工場出荷前に発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザスキャナのブロック構成図。
【図2】正常時の動作を示したタイムチャート。
【図3】レーザ走査が停止している場合の動作を示したフローチャート。
【図4】レーザ走査が異常に速い場合の動作を示したタイムチャート。
【図5】レーザ走査が異常に遅い場合の動作を示したタイムチャート。
【符号の説明】
1 レーザ発光部
2 レーザ光停止回路
4 走査用ミラー部
5 ミラー駆動部
6 走査検出部
7 走査周期カウンタ
8 停止判定部
9 高速判定部
10 低速判定部
11 レーザ停止要求回路
Claims (2)
- レーザ光を発光するレーザ発光部と、このレーザ発光部から発光されたレーザ光を振らす走査用ミラーと、この走査用ミラーを駆動するミラー駆動部とを備えたレーザスキャナにおいて、
前記走査用ミラーが前記レーザ光を振らせている振動動作を検出し、その振動周期の区切りで走査タイミング信号を出力する走査検出手段と、
予め決められた周波数のクロックを計数し、前記走査検出手段から出力される前記走査タイミング信号によって計数値をリセットすることによって前記走査用ミラーの走査周期をカウントする走査周期カウント手段と、
前記走査周期カウント手段によってカウントされる前記走査用ミラーの走査周期が予め設定された走査周期よりも低速であることを判定する低速判定手段と、
前記低速判定手段の判定出力に応じて前記レーザ発光部のレーザ発光を停止させる発光停止手段と、
を具備したことを特徴とするレーザスキャナ。 - 前記走査周期カウント手段によってカウントされる前記走査用ミラーの走査周期が予め設定された走査周期よりも低速であることを判定する高速判定手段を具備し、
前記発光停止手段は、前記低速判定手段あるいは前記高速判定手段のうち少なくとも一方の判定出力に応じて前記レーザ発光部のレーザ発光を停止させることを特徴とする請求項1記載のレーザスキャナ。
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JPH0993404A JPH0993404A (ja) | 1997-04-04 |
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-
1995
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