JP3633147B2 - 遠心機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータオーバースピード検出を有する遠心分離機に関する安全装置及び信頼性向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のロータオーバースピード検出方法は図2及び図3に示すようにロータに黒と白の縞を付けた2オーバースピードディスクを取り付け、フォトセンサにより黒、白の反射率の違いから、短形波のロータ回転信号(RPG信号)を発生させる。ロータの回転数に比例し、RPG信号の周波数は高くなる。このRPG信号の周波数が既定の周波数を越えた時、ロータがオーバースピード状態になったと判断し、ロータを回転させる駆動部への電源の供給を停止するようにしていた。また、この方法ではオーバースピードディスクが汚れていてRPG信号がパルス欠損を起こすとオーバースピードを検出する回転数が既定の回転数では動作せず、より高い回転数へ検出する回転数がずれてしまうのを防止するため、ロータがオーバースピード回転数に近づくとRPG信号がパルス欠損していないかチェックして、パルス欠損している場合は、ロータを減速、停止させるように制御していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のロータオーバースピード検出方法において、RPG信号のパルス欠損を検出することは、最も重要で欠くことのできない機能となっている。なぜなら、遠心機の安全性を確保する上で、最大想定事故を検討するとロータの破壊、とりわけより高い回転数になるほど、ロータが破壊した時のエネルギーは増大するので、ロータをロータの許容回転数以上で回転させないことが最大想定事故の破壊時のエネルギーをおさえる不可欠の要求事項となってくるからである。しかし、パルス欠損の検出はロータがロータオーバースピード近くに回転して始めて動作する。そこで遠心機の使用者は分離する試料を準備し、ロータにセットし回転させ、整定近くになってパルス欠損が検出され、ロータが減速、停止し、運転ができなくなってしまう。停止したロータに付いているオーバースピードディスクが汚れなど簡単にふき取ることで直せれば良いが、すぐに直せない場合には試料の分離はできなくなってしまう。このような事態がほとんど発生しないまれなケースであれば問題とはならないが、図2及び図3に示すようにオーバースピードディスクはロータと一体となるように取り付けてあり、ロータ自体は試料のセットなどにより、遠心機の使用者が直接、触れるものなので、まれなケースとはいえない。
【0004】
本発明の目的は、1個、2個等の比較的起こり得るパルス欠損の場合は、パルス欠損の検出にとどまらずパルスの欠損分を追加補正し、遠心機を運転可能にすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、ロータと、該ロータを駆動する駆動部と、前記ロータに設けられているオーバースピードディスクと、該オーバースピードディスクを検出するセンサと、該センサから出力される信号から前記ロータのオーバースピードを検出する判定回路とを有する遠心機において、前記センサから出力される信号のパルス欠損を検出するためのパルス欠損検出回路と、前記パルス欠損を補うための発振回路から成るパルス欠損補正回路を有することで達成される。
さらに、前記判定回路がアナログ回路から成ることで達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記のように構成されたオーバースピード検出回路においては、RPG信号が1個欠損すると、発振回路がパルスを1個追加し、また2個連続してパルスが欠損すると、発振回路が2個パルスを追加するように動作する。このようにパルス欠損を補正されたRPG信号が次段のロータオーバースピード判定回路の入力信号となる。ロータオーバースピードの判定回路は入力されたRPG信号がロータオーバースピードに相当する周波数(15.5KHz)を越えていないかどうかをチェックし、越えている場合はロータと直結し、回転させている駆動部をドライブしているインバータパワーICに禁止信号を送り、インバータパワーICの機能を停止させ、駆動部の電源を遮断し、ロータを減速、停止させるように動作する。
【0007】
図1を用いて本発明の一実施例を説明する。遠心機に使用するロータ1には、ロータ1の許容回転数に見合ったオーバースピードディスク2が付けてある。ロータオーバースピード回転数はRPG信号5の周波数に換算して、15.5KHzに設定してある。そこでRPG信号が15.5KHzを越えた時にロータオーバースピード判定回路10はロータ1が許容回転数を越えたと判断し、インバータパワーIC11に対しドライブ禁止信号を出力し、ロータを回転させている電源を遮断し、ロータを減速、停止させる。ここで、オーバースピードディスク2とフォトセンサ3によって入力したRPG信号5とロータオーバースピード回路10に入力する補正したRPG−C信号16までの回路構成が本発明の主要な機能となっている。図4にRPG信号5の入力からRPG信号5のパルス欠損を補正したRPG−C信号16までの回路構成を示す。マルチショット12、リトリガブルマルチショット13、NAND14、F/F15によってパルス欠損検出回路が構成されている。RPG信号5にパルス欠損があった時、F/F15がセットされ、F/F15のQの出力信号gが、“L”レベルから“H”レベルになる。発振回路7はパルス欠損検出回路が検出を始める周波数13.5KHzで発振する発振回路であり、RPG信号5にパルス欠損がありF/F15の出力gが“H”レベルになった時、パルス欠損を追加補正する信号としてAND回路8を通過し、iに出力される。この信号はパルス欠損したRPG信号5とOR9の論理和をすることで追加補正されたjの信号として出力され、RPG−C信号16となる。よって、ロータのオーバースピード回転数を検出するためにオーバースピード回転数に見合った極数の縦縞を持つオーバースピードディスクと反射型のフォトセンサと該フォトセンサによって入力されるロータの回転信号によってオーバースピードであることを判断するプロセッサを含んだ制御回路とを有する遠心分離機において、前記ロータの回転信号が1パルス分欠損していても欠損していることを判別し、欠損している1パルスを追加補正することができる。つまり、パルス欠損検出回路にパルス欠損分を追加補正する発振回路を追加し、回路構成することで達成される。ロータオーバースピードを判定する周波数を 15.5KHz とすると、パルス欠損を検出する周波数範囲は 15.5KHz ± 2KHz となり、RPG信号の周波数fは 13.5KHz <f< 17.5KHz となる。そこで、パルス欠損を検出し始める時のRPG信号の周波数は 13.5KHz であり、パルス周期は 74[ μ s] となる。パルス欠損を検出し始めると、RPG信号は 74[ μ s] 毎に入力されることになる。ここでRPG信号が1個、パルス欠損すると、ロスする時間を除外すると 74[ μ s] 後にパルス欠損したかどうか判ることになる。この時点で同じ周期の 74[ μ s] で発振させた発振回路の出力パルスを欠損しているRPG信号との間でORの論理をすることで、欠損したパルスを追加補正することができる。
これらのパルス欠損検出回路と発振回路との機能と各部振動波形をタイミングチャートとして、図5にタイミングチャート(パルス欠損1個の場合)、図6にタイミングチャート(パルス欠損2個連続の場合)を示す。
【0008】
次段のRPG−C信号を入力信号としたロータのオーバースピードを判定する回路はプロセッサとカウンタによる判定や、RPG信号をF/Vコンバートし、コンパレータによるアナログ的な判定回路を構成することができるが、ロータオーバースピード検出の重要性から、信頼性を増す必要があるため、遠心機の主制御回路であるプロセッサを使用せず、後述のアナログ回路にする必要がある。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、オーバースピードディスクの汚れ等によりRPG信号がパルス欠損しても、遠心機を運転可能としたので遠心機の安全性を確保した上で、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるロータオーバースピード方法の一実施例を示す回路構成図である。
【図2】本発明になる使用するオーバースピードディスクを付けたロータの正面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】本発明になるパルス欠損補正の回路構成図である。
【図5】本発明になるパルス欠損が1個の場合を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明になるパルス欠損が2個連続の場合を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1はロータ、2はオーバースピードディスク、3はフォトセンサ、4は駆動部、5はRPG信号、6はパルス欠損検出回路、7は発振回路、8はAND、9はOR、10はロータオーバースピード判定回路、11はインバータパワーICである。

Claims (2)

  1. ロータと、該ロータを駆動する駆動部と、前記ロータに設けられているオーバースピード回転数に見合った極数の縞を持つオーバースピードディスクと、該オーバースピードディスクを検出する反射型のフォトセンサと、該フォトセンサから出力される信号から前記ロータのオーバースピードを判断する判定回路とを有する遠心機において、前記フォトセンサから出力される信号のパルス欠損を検出するためのパルス欠損検出回路と、前記パルス欠損を補うための発振回路から成るパルス欠損補正回路を有することを特徴とする遠心機。
  2. 前記判定回路がアナログ回路から成ることを特徴とする請求項1記載の遠心機。
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