JP3542483B2 - シート材搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート材搬送装置及び画像形成装置に関し、特にはシート材搬送経路に備えられたカール付け手段の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、シート材搬送装置における記録材に対する、カール付け或いはカール取り装置に関しては、スポンジローラタイプ或いは1本の駆動ローラに対して2本の従動ローラを当接させた(ミッキーローラタイプ)カール付け手段に記録材を通過させることにより、記録材に所望のカールを付けたり、或いは記録材に付いたカールを取り除いたりしていた。
【0003】
更に、より大きなカールを付けるためには、カール付けローラ対の圧力を増加させていくという方法を用いたり、カール付けローラ入口及び出口の記録材搬送路及び角度などを変化させて対応していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年のマテリアルの多様化、記録材の厚みの増加により、特に転写ドラムに記録材を静電吸着させた後に感光ドラム上の画像の転写を行うタイプのカラー複写機などでは、従来以上の転写ドラムに対する記録材の吸着性について、静電気力だけではなく、記録材の転写ドラムに沿う方向のカール付けによって更に補わなければならなくなってきている。
【0005】
また、転写ドラムに吸着させた記録材を転写ドラムから剥がれることなく画像の転写を行うためには、記録材の全体にカールを付けることも必要であるが、特に記録材の先端部によりカールを付ける必要がある。
【0006】
一般により効果的にカールを付けるためには、カール付けローラの圧を上げたり、記録材搬送経路の角度などを変化させることにより行うが、ローラ圧を上げていくと駆動負荷が非常に上昇してしまったり、特に厚みの薄い記録材を搬送する時などは、記録材が座屈してしまうか、或いは折れてしまう場合がある。また搬送経路・角度を変化させると記録材の搬送が安定して行えなくなる場合が生じてしまう。
【0007】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、シート材搬送経路に備えられたカール付け手段により、シート材の先端や後端の端部に効果的にカール付けを行なうことを可能とするシート材搬送装置及び画像形成装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明にあっては、シート材に画像を形成する画像形成手段にシート材を搬送するシート材搬送装置において、シート材搬送経路と、前記シート材搬送経路を搬送されるシート材を挟持しカール付けを行なうカール付け手段と、を備え、前記カール付け手段の上流側の前記シート材搬送経路におけるシート材の搬送速度を、前記画像形成手段における画像形成速度よりも大きくするとともに、搬送されるシート材の端部が前記カール付け手段により挟持されている状態では、シート材の搬送速度を低下させることを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するために本発明にあっては、シート材に画像を形成する画像形成手段にシート材を搬送するシート材搬送装置において、シート材搬送経路と、前記シート材搬送経路を搬送されるシート材を挟持しカール付けを行なうカール付け手段と、を備え、前記カール付け手段の上流側の前記シート材搬送経路におけるシート材の搬送速度を、前記画像形成手段における画像形成速度よりも大きくするとともに、搬送されるシート材の端部が前記カール付け手段により挟持されている状態では、シート材の搬送を一旦停止させることを特徴とする。
【0010】
また、前記搬送速度の低下または搬送の一旦停止は、カール付け性の低いシート材に対して行なわれることも好適である。
【0011】
前記搬送速度の低下または搬送の一旦停止は、後に続くシート材との干渉を発生しない範囲内の時間で行なうことも好適である。
【0012】
前記カール付け手段は、1本の駆動ローラに対して2本の従動ローラを当接させて備えるものである。
【0013】
前記カール付け手段は、一方の搬送ローラの外周表面が他方の搬送ローラの外周表面の形状に倣って弾性変形し当接する一対の搬送ローラであることも好適である。
【0014】
画像形成装置において、上記記載のシート材搬送装置と、
このシート材搬送装置によって搬送されるシート材に画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、前記画像形成手段は、カール付け手段の下流側にシート材搬送経路から独立してシート材を担持するシート材担持手段を備え、このシート材担持手段においてシート材に画像を形成するものであることも好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
図1には本発明の実施の形態のフルカラーの画像形成装置の概略断面図を示す。本例は、上部にデジタルカラー画像リーダ部、下部にデジタルカラー画像プリンタ部を有する。
【0018】
リーダ部において、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像をレンズ33によりフルカラーCCDセンサー34に集光しカラー色分解画像信号を得る。カラー色分解画像信号は(図示しない)増幅回路を経て(図示しない)、ビデオ処理ユニットにて処理を施されプリンタ部に送出される。
【0019】
プリンタ部において、像担持体である感光ドラム1は矢印方向に回転自在に担持され、感光ドラム1の周りに前露光ランプ11、コロナ帯電器2、レーザー露光光学系3、電位センサー12、色の異なる4個の現像器4y,4c,4m,4Bk、ドラム上光量検知手段13、転写装置5、クリーニング器6を配置する。
【0020】
レーザー露光光学系3においてリーダー部からの画像信号は(図示しない)、レーザー出力部にて光信号に変換され、光信号に変換されたレーザー光がポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3b及びミラー3cを通って感光ドラム1の面に投影される。
【0021】
プリンタ部画像形成時には感光ドラム1を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後の感光ドラム1をコロナ帯電器2により一様に帯電させて、各分解色ごとに光像Eを照射し、潜像を形成する。
【0022】
次に所定の現像器を動作させて、感光ドラム1上の潜像を現像し、感光ドラム1上に樹脂と顔料を基体としたトナーの画像を形成する。現像器は偏心カム24y,24c,24m,24Bkの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ドラム1に接近するようにしている。
【0023】
さらに感光ドラム1上のトナー画像を記録材カセット7より搬送系及び転写装置5を介して感光ドラム1と対向した位置に供給された記録材に転写する。
【0024】
転写装置5は本例では転写ドラム5a、転写帯電器5b、記録材を静電吸着させるための吸着帯電器5cと対向する吸着ローラ5g、内側帯電器5d、外側帯電器5eとを有し、回転駆動されるように軸支持された転写ドラム5aの周面開口域には、誘電体からなる記録材担持シート5fを円筒状に一体的に張設している。
【0025】
記録材担持シート5fは本実施の形態の機械ではポリカーボネートフィルム等の誘電体シートを使用している。
【0026】
ドラム状とされる転写装置、すなわち転写ドラム5aを回転させるに従って感光ドラム上のトナー像は転写帯電器5bにより記録材担持シート5fに担持された記録材上に転写する。
【0027】
このように記録材担持シート5fに静電吸着し搬送される記録材には、所望数の色画像が転写され、フルカラー画像を形成する。
【0028】
フルカラー画像形成の場合、このようにして4色のトナー像の転写を終了すると記録材を転写ドラム5aから分離爪8a,分離押し上げコロ8b及び分離帯電器5hの作用によって分離し、熱ローラ定着器9を介して排紙トレー10に排紙する。
【0029】
他方転写後感光ドラム1は表面の残留トナーをクリーニング器で清掃した後再度画像形成工程に供する。
【0030】
記録材の両面に画像を形成する場合には、熱ローラ定着器9を記録材が通過後、すぐに搬送パス切換ガイド19を駆動し、記録材を搬送縦パス20を経て反転パス21aに一端導いた後、反転ローラ21bの逆転により、送り込まれた際の後端を先頭にして、送り込まれた方向と反対向きに退出させ、複数セットの送りローラ23のいずれかにより中間トレイ22に収納する。
【0031】
その後再び上述した画像形成工程によってもう一方の面に画像を形成する。
【0032】
また、転写ドラム5aの記録材担持シート5f上のトナーなどの粉体の飛散及び付着、記録材上のオイルの付着などを防止するために、ファーブラシ14と記録材担持シート5fを介してファーブラシ14に対向するバックアップブラシ15や、オイル除去ローラ16と記録材担持シート5fを介してオイル除去ローラ16に対向するバックアップブラシ17の作用により清掃を行う。
【0033】
このような清掃は画像形成前もしくは後に行い、またジャム(紙つまり)発生時には随時行うように設定されている。
【0034】
また本実施の形態においては、所望のタイミングで偏心カム25を動作させ、転写ドラム5fと一体化しているカムフォロワ5iを作動させることにより、記録材担持シート5aと感光ドラム1とのギャップを任意に設定可能な構成としている。例えば、スタンバイ中または電源オフ時には、転写ドラムと感光ドラムの間隔を離すように設定することも可能である。
【0035】
ここで、本発明実施の形態のフルカラーの画像形成装置における、記録材に対するカール付け部50について図2を参照して詳しく説明する。
【0036】
記録材としてのシート材のカール付け部はシート材搬送経路上に配置され、図2に示すようにカール付け手段として駆動ローラ50a、と駆動ローラ50aに対して圧接している2本のカール付けローラ50b,50cから構成されている(いわゆるミッキーローラタイプ)。
【0037】
搬送中の記録材がこのカール付け部50を通過することで、記録材が各ローラによって挟持されて図2上における下向きにしごかれるため、記録材に対して図2上にて下向きのカールが付与される。
【0038】
また、カール付け部50には記録材の端部としての先端部がカール付け部50に入ったことを検知するためのセンサー51が配置され、またカール付け部50下流には、記録材の搬送を安定させるための搬送ローラ対52と、図2においては不図示ではあるが前述したような画像形成手段が配置されている。
【0039】
ここで、記録材の搬送中にセンサー51によって記録材の先端を検知し、記録材先端部がカール付けローラ50bのニップ部からわずかに出たところで記録材の搬送を図3に示すように一旦止める。その後、記録材の搬送を再スタートすることで特に記録材の先端部に下向きのより強いカールが付与される。
【0040】
このようなカールを付けることで記録材がシート材担持手段としての転写ドラム5aの吸着中において、更に剥がれにくくなり、よって良好な安定した画像形成・転写が行われる。
【0041】
この記録材の先端カール付けのための一時停止時間は50〜100msec程度から効果が得られるため、記録材の一時停止の時間は図5のダイアフラムに示されるように、通常の記録材搬送シーケンス(細線)に対して、カール付け部においての一時停止シーケンス(太線)は次の記録材が来る前に一時停止を終えることができ、通常のシーケンスに対してカール付け部において一時停止を行っても画像形成装置の生産性は損なわれることがない。
【0042】
また、記録材のカール付けを行なう際に、シート材の搬送を完全に停止させずに、搬送速度を低下させることでも効果を達成させることが可能である。
【0043】
更に、図4に示すようにカール付け部が、一方の搬送ローラの外周表面が他方の搬送ローラの外周表面の形状に倣って弾性変形し当接する一対の搬送ローラである構成を採用したスポンジローラ60の系においても図に示すようにスポンジローラ60のニップ部60aから記録材no先端がわずかに出たところで一時停止させることで同様の効果が得られる。
【0044】
また記録材の先端のカールを効果的に付けるためには、記録材のカール付けローラからのはみ出し量lは15mm程度かそれ以下が好ましい。
【0045】
(実施の形態2)
次に本発明の第2の実施の形態を図6を用いて説明する。
【0046】
近年の画像形成装置の高生産化、それに伴う記録材の搬送間隔の極小化によって、実施の形態1で示した記録材の搬送シーケンスにおいては50〜100mmsec程度の記録材の一時停止においても一時停止している記録材の後端と次の記録材の先端とが干渉・衝突してしまう可能性がある。
【0047】
このような場合に記録材の搬送速度を画像形成速度よりも増加させた増速給紙シーケンスを用いると良い。
【0048】
図6に示すように増速給紙シーケンスは画像形成速度(カール付け部より下流となる図6中のレジスト部から画像転写部までの速度)に対して記録材搬送速度(カール付け部より上流側の記録材スタート位置からレジスト部までの速度)を増加させることで、連続する記録材どうしの距離が通常のシーケンスよりも増加させることが可能となる。
【0049】
このシーケンス中に記録材の一時停止時シーケンスを取り入れることで、一時停止中の記録材の後端と次の記録材の先端との距離が増える。このため記録材どうしの干渉・衝突に対する余裕は第1の実施の形態に対して増加している。
【0050】
よって更に安定した一時停止シーケンスを行うことができるため、より効果的に記録材の先端部に対するカール付けを行うことが出来るようになり、よって転写ドラムに対する記録材の先端吸着性を上げることができるようになり、更に安定した画像形成・転写を行うことが出来るようになる。
【0051】
また、通常このような一時停止シーケンスを行うのは転写ドラムに対する吸着性能に余裕の無い厚紙などの特殊紙で良い。
【0052】
【発明の効果】
上記発明の実施の形態に説明されるように、記録材の先端部や後端部等の端部におけるカールをより大きく付けることが出来るので、画像形成装置におけるシート材担持体への付着性が向上し、高品位な画像を形成することができる。
【0053】
また、カール付けのための搬送速度の低下または停止は、後に続くシート材との干渉を発生しない範囲内の時間で行なわれるので、画像形成装置の生産性を下げることはない。
【0054】
また、従来より採用されているカール付け手段の物理的な構成を変えることなく、搬送されるシート材の搬送速度を変更制御することにより、効果的なカール付けを行なうことができるので、装置構成を複雑化させない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態における画像形成装置の断面構成説明図。
【図2】図2は第1の実施の形態におけるカール付け手段の図。
【図3】図3は第1の実施の形態におけるカール付け手段における記録材の一時停止状態を示す図。
【図4】図4はスポンジローラタイプのカール付け手段における記録材の一時停止状態を示す図。
【図5】図5は通常の紙送りシーケンスと第1の実施の形態の一時停止シーケンスとを比較した図。
【図6】図6は第2の実施の形態における増速給紙シーケンス内での一時停止シーケンスを説明した図。
【符号の説明】
50 カール付け部
50a 駆動ローラ(カール付け手段)
50b,50c カール付けローラ(カール付け手段)
51 センサー
Claims (8)
- シート材に画像を形成する画像形成手段にシート材を搬送するシート材搬送装置において、
シート材搬送経路と、
前記シート材搬送経路を搬送されるシート材を挟持しカール付けを行なうカール付け手段と、を備え、
前記カール付け手段の上流側の前記シート材搬送経路におけるシート材の搬送速度を、前記画像形成手段における画像形成速度よりも大きくするとともに、
搬送されるシート材の端部が前記カール付け手段により挟持されている状態では、シート材の搬送速度を低下させることを特徴とするシート材搬送装置。 - シート材に画像を形成する画像形成手段にシート材を搬送するシート材搬送装置において、
シート材搬送経路と、
前記シート材搬送経路を搬送されるシート材を挟持しカール付けを行なうカール付け手段と、を備え、
前記カール付け手段の上流側の前記シート材搬送経路におけるシート材の搬送速度を、前記画像形成手段における画像形成速度よりも大きくするとともに、
搬送されるシート材の端部が前記カール付け手段により挟持されている状態では、シート材の搬送を一旦停止させることを特徴とするシート材搬送装置。 - 前記搬送速度の低下または搬送の一旦停止は、カール付け性の低いシート材に対して行なわれることを特徴とする請求項1または2に記載のシート材搬送装置。
- 前記搬送速度の低下または搬送の一旦停止は、後に続くシート材との干渉を発生しない範囲内の時間で行なうことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート材搬送装置。
- 前記カール付け手段は、1本の駆動ローラに対して2本の従動ローラを当接させて備えるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート材搬送装置。
- 前記カール付け手段は、一方の搬送ローラの外周表面が他方の搬送ローラの外周表面の形状に倣って弾性変形し当接する一対の搬送ローラであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート材搬送装置。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート材搬送装置と、
このシート材搬送装置によって搬送されるシート材に画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記画像形成手段は、カール付け手段の下流側にシート材搬送経路から独立してシート材を担持するシート材担持手段を備え、このシート材担持手段においてシート材に画像を形成するものであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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JP36875697A JP3542483B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | シート材搬送装置及び画像形成装置 |
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