JP3542363B2 - ポリスチレン系樹脂多層シート及び該多層シートよりなる多層容器 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、剛性,印刷性,加工性(巻取り性,深絞り性など)等に優れ、しかも燃焼カロリーが低く、かつ、炭酸飲料用の容器として用いたときに、過度の泡立ちがなくて、飲料中の炭酸ガスの損失がなく、風味の損なわれるおそれのない容器を与え得るポリスチレン系樹脂多層シートと、この多層シートを熱成形してなる多層容器に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、種々の目的に応じて、フィラーを添加した樹脂組成物よりなるシートが開発されている。
しかしながら、従来のフィラー入り熱可塑性樹脂単層シートは、フィラーの添加量を多くすると、シート製造時(シート巻取時)に割れ等が発生するため、添加量を多くすることができず、燃焼性が充分でないなどの問題があった。
さらに、これらのフィラー入り熱可塑性樹脂単層シートを成形した容器に、炭酸飲料を入れると、表面粗度の関係より、泡立ちが非常に大きく、炭酸ガスが飛びやすく、風味が損なわれるという問題があった。
【0003】
そこで、このような従来のフィラー入り熱可塑性樹脂単層シートに代えて、フィラー入りの熱可塑性樹脂層を積層してなる多層シートが提案されている。
例えば、無機質充填材5〜30重量%が配合されたゴム変性ポリスチレンからなる基層と、ポリスチレンにスチレン−ブタジエンブロック共重合体を5〜20重量%配合した印刷面を有する透明な表面層とを備えた樹脂積層体シートが提案されている(特開平4−341842号公報)。
この発明によれば、深絞り性や焼却性に優れ、しかも平滑性に優れた表面外観を有する樹脂積層体シートが得られるものの、この樹脂積層体シートから容器等を成形する際に、その成形方法によっては、亀裂や破断等が生じ易いという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来のこのような問題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、特開平4−341842号公報に記載された発明では、フィルムを貼り合わせていると共に無機質充填材として実際上はタルクのみを用いているため、樹脂積層体シートを製造したり、或いはこの樹脂積層体シートから容器等を成形する際に、亀裂や破断等が生じ易いことが分かった。また、タルクの代わりに、例えば炭酸カルシウムを用いた場合には剛性が低下してしまうことも分かった。
ところが両者を併用した場合には、驚くべきことに、両者の持つそれぞれの欠点が解消することを本発明者は見出し、さらに研究を重ねた。
【0005】
その結果、ポリスチレン樹脂を主とする樹脂成分中に、タルクと炭酸カルシウムとの混合物を添加してなる樹脂組成物よりなる内層の両面に、ポリスチレン樹脂等の樹脂よりなる外層を積層してなる多層共押出シートであって、外層のそれぞれの厚みが全層厚みの3%以上であるものが、上記問題点を全て解消するものであることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0006】
すなわち本発明は、ポリスチレン樹脂又は該ポリスチレン樹脂50〜70重量%とポリオレフィン樹脂50〜30重量%との混合物からなる樹脂成分に、タルク及び炭酸カルシウム30〜70重量%を添加してなる樹脂組成物よりなる内層(A)の両面に、ポリスチレン樹脂及び/又はポリオレフィン樹脂よりなる外層(B)を積層してなる多層共押出シートであって、外層(B)のそれぞれの厚みが全層厚みの3%以上、20%以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂多層シートを提供するものである。
【0007】
さらに、本発明は、このようなポリスチレン系樹脂多層シートを熱成形してなる多層容器をも提供するものである。
【0008】
本発明において、内層(A)は前記したように、ポリスチレン樹脂又は該ポリスチレン樹脂50〜70重量%とポリオレフィン樹脂50〜30重量%との混合物からなる樹脂成分に、タルク及び炭酸カルシウム30〜70重量%を添加してなる樹脂組成物よりなるものである。
【0009】
ここでポリスチレン樹脂としては特に制限はなく、一般用(GP)ポリスチレンであると、耐衝撃性(HI)ポリスチレンであると問わず、種々のものを用いることができる。
また、ポリオレフィン樹脂は、前記ポリスチレン樹脂と共にのみ用いられるものである。このようなポリオレフィン樹脂としては、例えばポリエチレン,ポリプロピレン等を挙げることができる。なお、本発明の多層シート、或いは多層容器を食品関連分野などに用いる場合には、これら樹脂としては衛生面で支障のないものを選択して用いる必要があることは言うまでもない。
これら樹脂のメルトインデックス(MI)は、成形品等の用途に応じて選択すればよく特に限定はないが、通常、1〜10g/10分のものが用いられる。
【0010】
本発明において、ポリスチレン樹脂とポリオレフィン樹脂との両者の配合割合は、通常はポリスチレン樹脂50〜70重量%とポリオレフィン樹脂50〜30重量%する。
【0011】
本発明における内層(A)は、このような樹脂成分に、タルク及び炭酸カルシウムを添加してなる樹脂組成物より形成されるものである。
本発明においては、タルクと炭酸カルシウムとを併用することが不可欠であり、このうちのいずれか一つのみを用いたとしても、本発明の目的を達成することはできない。すなわち、タルクのみを用いた場合には、巻取り性など加工性が充分でなく、また炭酸カルシウムのみを用いた場合には、結晶構造の違いにより、剛性等が不充分となる。
なお、タルク,炭酸カルシウムとしては、平均粒径が10〜15μmのものが好ましい。
【0012】
本発明において、これらタルクと炭酸カルシウムは、内層を構成する成分中において、通常は30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%の割合と、比較的多量に用いられている。
また、これらタルクと炭酸カルシウムは、多層シート全体を構成する成分の15重量%以上、好ましくは30〜50重量%となるように比較的多量に配合されており、燃焼性に優れたものとなっている。これらの添加量が、15重量%未満であると、積層シートの剛性が低くなったり、燃焼性が不充分となったりするため好ましくない。なお、あまりに多量に配合すると、強度が低下したりするため、通常は上限を70重量%程度とする。
【0013】
本発明において、外層(B)は前記したように、ポリスチレン樹脂及び/又はポリオレフィン樹脂よりなるものである。
ここでポリスチレン樹脂,ポリオレフィン樹脂としては、前記内層の成分として示したものが挙げられ、内層で用いたと同じものを用いてもよいし、或いは異なったものを用いてもよい。通常は同じものを用いる。
【0014】
本発明における外層(B)を構成する成分中には、基本的にはタルクや炭酸カルシウムなどの無機質充填材を含まない。この外層(B)は、容器を成形した際には、通常、容器の内面と外面とを構成することになるため、過度の泡立ちを抑えたり、食品衛生上の点を考慮して、或いは印刷性の点から、タルクや炭酸カルシウムなどの無機質充填材を含まないものであることが必要となる。但し、必要に応じて、本発明の目的を害しない範囲において、外層(B)を構成する成分中に、着色剤として酸化チタンを少量添加してもよい。
【0015】
なお、各層には、使用目的等に応じて、界面活性剤,着色剤,酸化防止剤,分散剤,滑剤等の各種添加剤を添加することも可能である。これらの添加剤の添加量は、通常、樹脂成分とタルク及び炭酸カルシウムの合計量(基本的に樹脂成分のみを用いる外層にあっては、樹脂成分のみの量)100重量部に対して、4〜6重量部程度である。
【0016】
本発明の多層シートは、上記した如き内層(A)の両面に、上記した如き外層(B)を積層してなる多層共押出シートであって、外層(B)のそれぞれの厚みが全層厚みの3%以上であることを特徴とするものである。
【0017】
このような多層共押出シートを得るにあたっては、通常は各層の構成成分を予め公知のバンバリーミキサー、単軸・二軸混練機等を用いて溶融混練し、得られたペレットを、各層それぞれの押出機を用い、共通のダイを用いて共押出すればよい。このような共押出法は、熱圧着による貼り合わせ法に比べて、成形の際に亀裂が生じたり、シートが破断することが少なく、また、効率的で食品衛生上も極めて好ましい。
【0018】
各層の厚みは、用途により異なるが、通常、各外層を20〜150μmとし、内層を200〜2000μmとし、多層シート合計の厚みとして240〜2300μmとする。
但し、外層(B)のそれぞれの厚みが、全層厚みの3%以上、20%以下、好ましくは5〜15%となるようにすることが必要である。ここで外層(B)のそれぞれの厚みが全層厚みの3%未満であると、印刷性や深絞り性が低下するため好ましくない。なお、外層(B)のそれぞれの厚みがあまりに厚すぎると、剛性が低下したり、容器加工時に打抜き不良となるため、通常は上限を20%とする。
【0019】
上記した如き本発明の多層シートは、内層(A)の両面に外層(B)を積層した3層シートが基本であるが、必要に応じて、さらに内層や外層を積層した4層以上の多層シートであってもよい。この場合、最外層は外層(B)と同様に基本的にはタルクや炭酸カルシウムなどの無機質充填材を含まないものとする。
【0020】
このようにして、剛性,印刷性,加工性(巻取り性,深絞り性など)等に優れ、しかも燃焼カロリーが低く、かつ、炭酸飲料用の容器として用いたときに、泡立ちが少なくて、飲料中の炭酸ガスの損失がなく、風味の損なわれるおそれのない容器を与え得るポリスチレン系樹脂多層シートが得られる。
【0021】
本発明は、このようにして得られたポリスチレン系樹脂多層シートを、さらに熱成形してなる多層容器をも提供するものである。
【0022】
本発明の多層容器は、上記した如きポリスチレン系樹脂多層シートを熱成形してなるものである。ここで熱成形方法としては特に限定はなく、圧空成形,プラグアシスト真空成形,真空成形,プレス成形等が挙げられるが、特に圧空成形が好ましい。なお、成形条件としては特に制限はなく、通常の成形条件でよい。
このようにして得られる多層容器の形状は特に制限はないが、本発明によれば絞り比、すなわち高さ/平均径(容器がコップ状の場合)あるいは高さ/平均辺長(容器が箱状の場合)が0.5以上、好ましくは1.0以上の深絞り容器を得ることができる。
【0023】
【実施例】
次に本発明を、実施例により詳しく説明する。
【0024】
実施例1
ポリスチレン(出光石油化学製ポリスチレン、商品名:出光ET−60、MI=2.1g/10分)60重量部、無機質充填剤としてタルク(勝光山製、平均粒径=10μm)12重量部、炭酸カルシウム(日東粉化工業製、平均粒径=10μm)28重量部の合計100重量部に対して、着色剤として酸化チタン(石原産業製、アナターゼ型)4重量部、酸化防止剤(リン系PEP─8)0.5 重量部および界面活性剤( 東邦化学製、商品名:ソルボンT−60)0.5 重量部を配合したものを、高速混合ミキサー( 川田製作所製ヘンシェルミキサー) で混合した後、ベント式単軸混練機に投入し、ペレットを得た。このペレットを、内層の原料として用いた。
また、外層用の原料としては、ポリスチレン(出光石油化学製ポリスチレン、商品名:出光ET−60、MI=2.1g/10分)をベント式単軸混練機に投入して得られるペレットを用いた。なお、タルクと炭酸カルシウムの配合量は、多層シート全体を構成する成分の36重量%であった。
【0025】
上記各ペレットを、内層用の原料は直径65mmの押出機に、外層用の原料は直径50mmの押出機に投入し、Tダイを用い、押出機温度220℃にて共押出を行ない、次いでロールで冷却しながら巻き取って、シート厚み1500μm(内層の厚みが1400μmであり、外層の厚みがそれぞれ50μmであって、外層の厚みはそれぞれ全層厚みの3.3%である。)の3層積層シートを得た。この巻取り時の巻取り性についての結果を第1表に示す。
得られた3層積層シートを口径80mm、高さ120mmの金型で成形して、口径80mm、高さ120mmのコップ状容器を得た。
この容器について、印刷性,泡立ち防止性,深絞り性,剛性を測定した。結果を第1表に示す。なお、第1表に示すように、印刷性は良好であり、また炭酸飲料を注いでみたが、泡立ちはなく、泡立ち防止性にも優れたものであった。
【0026】
実施例2
実施例1において、内層の樹脂成分としてのポリスチレン60重量部の代わりに、これと同じポリスチレン(PS)30重量部,ポリプロピレン(PP)(出光石油化学製ポリプロピレン、商品名:出光E−105GM、MI=0.5g/10分)15重量部およびポリエチレン(PE)(出光石油化学製ポリエチレン、商品名:出光520MB、MI=0.5g/10分)15重量部の混合物を用い、かつ、シート厚み1500μm(内層の厚みが1300μmであり、外層の厚みがそれぞれ100μmであって、外層の厚みはそれぞれ全層厚みの6.6%である。)の3層積層シートとしたこと以外は、実施例1と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。なお、タルクと炭酸カルシウムの配合量は、多層シート全体を構成する成分の35重量%であった。
【0027】
比較例1
実施例1において、内層の原料中の無機質充填剤としてのタルクと炭酸カルシウムの代わりに、炭酸カルシウム40重量部のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。
【0028】
比較例2
実施例1において、内層の原料中の樹脂成分としてのポリスチレン60重量部の代わりに、これと同じポリスチレン(PS)30重量部,ポリプロピレン(PP)15重量部およびポリエチレン(PE)15重量部の混合物を用い、かつ、無機質充填剤としてのタルクと炭酸カルシウムの代わりに、炭酸カルシウム40重量部のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。
【0029】
比較例3
実施例1において、内層の原料中の無機質充填剤としてのタルクと炭酸カルシウムの代わりに、タルク40重量部のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。
【0030】
比較例4
実施例1において、両外層の厚みをそれぞれ全層厚みの2%とした(シート厚みを1500μmとし、内層の厚みを1440μmとし、外層の厚みをそれぞれ30μmとした)こと以外は、実施例1と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。
【0031】
比較例5
実施例1において内層の原料として用いたと同じ成分からなる単層フィルムについて実施例1と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。
【0032】
比較例6
実施例2において内層の原料として用いたと同じ成分からなる単層フィルムについて実施例2と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。
【0033】
実施例3
実施例1において、外層用の原料としてのポリスチレンの代わりに、前記と同じポリプロピレン(PP)およびポリエチレン(PE)を、前者40:後者60(重量比)の割合で混合した混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。なお、タルクと炭酸カルシウムの配合量は、多層シート全体を構成する成分の36重量%であった。
【0034】
実施例4
実施例2において、外層用の原料としてのポリスチレンの代わりに、前記と同じポリプロピレン(PP)およびポリエチレン(PE)を、前者40:後者60(重量比)の割合で混合した混合物を用いたこと以外は、実施例2と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。なお、タルクと炭酸カルシウムの配合量は、多層シート全体を構成する成分の35重量%であった。
【0035】
実施例5
実施例1において、外層用の原料としてのポリスチレンの代わりに、前記と同じポリスチレン(PS)とポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)とを、PS:PP:PE=50:20:30(重量比)の割合で混合した混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。なお、タルクと炭酸カルシウムの配合量は、多層シート全体を構成する成分の36重量%であった。
【0036】
実施例6
実施例2において、外層用の原料としてのポリスチレンの代わりに、前記と同じポリスチレン(PS)とポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)とを、PS:PP:PE=50:20:30(重量比)の割合で混合した混合物を用いたこと以外は、実施例2と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。なお、タルクと炭酸カルシウムの配合量は、多層シート全体を構成する成分の35重量%であった。
【0037】
【表1】
【0038】
〔第1表の脚注〕
*1: シートを巻取機にて巻取れるかどうかを調べた。結果は3段階(▲1▼巻取可能,亀裂なし、▲2▼巻取可能,亀裂あり,▲3▼巻取不能)にて示した。
*2: 局面印刷機を用いて、容器側壁中央部に60mm幅でベタ印刷し、連続印刷性で評価した。結果は3段階(▲1▼インキのにじみなし=○,▲2▼インキのにじみ若干あり=△,▲3▼インキがにじんで印刷不良=×)にて示した。
*3: 容器に炭酸ガス飲料を注入し、炭酸ガスの保持性で評価した。結果は3段階(▲1▼泡が容器より出ない=○,▲2▼泡が若干多い=△,▲3▼泡が容器よりこぼれ落ちる=×)にて示した。
*4: 同時打抜き成形機を使用し、容器首下部の亀裂( 伸び具合) で評価した。結果は3段階(▲1▼亀裂なし=○,▲2▼亀裂若干あり=△,▲3▼亀裂大、容器化不可=×)にて示した。
*5: 容器側壁中央部を圧縮した時の荷重を示した。
【0039】
【発明の効果】
本発明のポリスチレン系樹脂多層シートは、剛性,印刷性,加工性(深絞り性など)等に優れたものである。
しかも本発明のポリスチレン系樹脂多層シートは、燃焼カロリーが低く、かつ、炭酸飲料用の容器として用いたときに、泡立ちが少なくて、飲料中の炭酸ガスの損失がなく、風味が損なわれるおそれがない。
本発明の多層容器は、剛性,印刷性,加工性(巻取り性,深絞り性など)等に優れ、しかも燃焼カロリーが低く、かつ、炭酸飲料用の容器として用いたときに、泡立ちが少なくて、飲料中の炭酸ガスの損失がなく、風味が損なわれるおそれがない。
従って、本発明は、食品包装材料分野等で極めて有効に利用することができる。
【産業上の利用分野】
本発明は、剛性,印刷性,加工性(巻取り性,深絞り性など)等に優れ、しかも燃焼カロリーが低く、かつ、炭酸飲料用の容器として用いたときに、過度の泡立ちがなくて、飲料中の炭酸ガスの損失がなく、風味の損なわれるおそれのない容器を与え得るポリスチレン系樹脂多層シートと、この多層シートを熱成形してなる多層容器に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、種々の目的に応じて、フィラーを添加した樹脂組成物よりなるシートが開発されている。
しかしながら、従来のフィラー入り熱可塑性樹脂単層シートは、フィラーの添加量を多くすると、シート製造時(シート巻取時)に割れ等が発生するため、添加量を多くすることができず、燃焼性が充分でないなどの問題があった。
さらに、これらのフィラー入り熱可塑性樹脂単層シートを成形した容器に、炭酸飲料を入れると、表面粗度の関係より、泡立ちが非常に大きく、炭酸ガスが飛びやすく、風味が損なわれるという問題があった。
【0003】
そこで、このような従来のフィラー入り熱可塑性樹脂単層シートに代えて、フィラー入りの熱可塑性樹脂層を積層してなる多層シートが提案されている。
例えば、無機質充填材5〜30重量%が配合されたゴム変性ポリスチレンからなる基層と、ポリスチレンにスチレン−ブタジエンブロック共重合体を5〜20重量%配合した印刷面を有する透明な表面層とを備えた樹脂積層体シートが提案されている(特開平4−341842号公報)。
この発明によれば、深絞り性や焼却性に優れ、しかも平滑性に優れた表面外観を有する樹脂積層体シートが得られるものの、この樹脂積層体シートから容器等を成形する際に、その成形方法によっては、亀裂や破断等が生じ易いという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来のこのような問題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、特開平4−341842号公報に記載された発明では、フィルムを貼り合わせていると共に無機質充填材として実際上はタルクのみを用いているため、樹脂積層体シートを製造したり、或いはこの樹脂積層体シートから容器等を成形する際に、亀裂や破断等が生じ易いことが分かった。また、タルクの代わりに、例えば炭酸カルシウムを用いた場合には剛性が低下してしまうことも分かった。
ところが両者を併用した場合には、驚くべきことに、両者の持つそれぞれの欠点が解消することを本発明者は見出し、さらに研究を重ねた。
【0005】
その結果、ポリスチレン樹脂を主とする樹脂成分中に、タルクと炭酸カルシウムとの混合物を添加してなる樹脂組成物よりなる内層の両面に、ポリスチレン樹脂等の樹脂よりなる外層を積層してなる多層共押出シートであって、外層のそれぞれの厚みが全層厚みの3%以上であるものが、上記問題点を全て解消するものであることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0006】
すなわち本発明は、ポリスチレン樹脂又は該ポリスチレン樹脂50〜70重量%とポリオレフィン樹脂50〜30重量%との混合物からなる樹脂成分に、タルク及び炭酸カルシウム30〜70重量%を添加してなる樹脂組成物よりなる内層(A)の両面に、ポリスチレン樹脂及び/又はポリオレフィン樹脂よりなる外層(B)を積層してなる多層共押出シートであって、外層(B)のそれぞれの厚みが全層厚みの3%以上、20%以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂多層シートを提供するものである。
【0007】
さらに、本発明は、このようなポリスチレン系樹脂多層シートを熱成形してなる多層容器をも提供するものである。
【0008】
本発明において、内層(A)は前記したように、ポリスチレン樹脂又は該ポリスチレン樹脂50〜70重量%とポリオレフィン樹脂50〜30重量%との混合物からなる樹脂成分に、タルク及び炭酸カルシウム30〜70重量%を添加してなる樹脂組成物よりなるものである。
【0009】
ここでポリスチレン樹脂としては特に制限はなく、一般用(GP)ポリスチレンであると、耐衝撃性(HI)ポリスチレンであると問わず、種々のものを用いることができる。
また、ポリオレフィン樹脂は、前記ポリスチレン樹脂と共にのみ用いられるものである。このようなポリオレフィン樹脂としては、例えばポリエチレン,ポリプロピレン等を挙げることができる。なお、本発明の多層シート、或いは多層容器を食品関連分野などに用いる場合には、これら樹脂としては衛生面で支障のないものを選択して用いる必要があることは言うまでもない。
これら樹脂のメルトインデックス(MI)は、成形品等の用途に応じて選択すればよく特に限定はないが、通常、1〜10g/10分のものが用いられる。
【0010】
本発明において、ポリスチレン樹脂とポリオレフィン樹脂との両者の配合割合は、通常はポリスチレン樹脂50〜70重量%とポリオレフィン樹脂50〜30重量%する。
【0011】
本発明における内層(A)は、このような樹脂成分に、タルク及び炭酸カルシウムを添加してなる樹脂組成物より形成されるものである。
本発明においては、タルクと炭酸カルシウムとを併用することが不可欠であり、このうちのいずれか一つのみを用いたとしても、本発明の目的を達成することはできない。すなわち、タルクのみを用いた場合には、巻取り性など加工性が充分でなく、また炭酸カルシウムのみを用いた場合には、結晶構造の違いにより、剛性等が不充分となる。
なお、タルク,炭酸カルシウムとしては、平均粒径が10〜15μmのものが好ましい。
【0012】
本発明において、これらタルクと炭酸カルシウムは、内層を構成する成分中において、通常は30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%の割合と、比較的多量に用いられている。
また、これらタルクと炭酸カルシウムは、多層シート全体を構成する成分の15重量%以上、好ましくは30〜50重量%となるように比較的多量に配合されており、燃焼性に優れたものとなっている。これらの添加量が、15重量%未満であると、積層シートの剛性が低くなったり、燃焼性が不充分となったりするため好ましくない。なお、あまりに多量に配合すると、強度が低下したりするため、通常は上限を70重量%程度とする。
【0013】
本発明において、外層(B)は前記したように、ポリスチレン樹脂及び/又はポリオレフィン樹脂よりなるものである。
ここでポリスチレン樹脂,ポリオレフィン樹脂としては、前記内層の成分として示したものが挙げられ、内層で用いたと同じものを用いてもよいし、或いは異なったものを用いてもよい。通常は同じものを用いる。
【0014】
本発明における外層(B)を構成する成分中には、基本的にはタルクや炭酸カルシウムなどの無機質充填材を含まない。この外層(B)は、容器を成形した際には、通常、容器の内面と外面とを構成することになるため、過度の泡立ちを抑えたり、食品衛生上の点を考慮して、或いは印刷性の点から、タルクや炭酸カルシウムなどの無機質充填材を含まないものであることが必要となる。但し、必要に応じて、本発明の目的を害しない範囲において、外層(B)を構成する成分中に、着色剤として酸化チタンを少量添加してもよい。
【0015】
なお、各層には、使用目的等に応じて、界面活性剤,着色剤,酸化防止剤,分散剤,滑剤等の各種添加剤を添加することも可能である。これらの添加剤の添加量は、通常、樹脂成分とタルク及び炭酸カルシウムの合計量(基本的に樹脂成分のみを用いる外層にあっては、樹脂成分のみの量)100重量部に対して、4〜6重量部程度である。
【0016】
本発明の多層シートは、上記した如き内層(A)の両面に、上記した如き外層(B)を積層してなる多層共押出シートであって、外層(B)のそれぞれの厚みが全層厚みの3%以上であることを特徴とするものである。
【0017】
このような多層共押出シートを得るにあたっては、通常は各層の構成成分を予め公知のバンバリーミキサー、単軸・二軸混練機等を用いて溶融混練し、得られたペレットを、各層それぞれの押出機を用い、共通のダイを用いて共押出すればよい。このような共押出法は、熱圧着による貼り合わせ法に比べて、成形の際に亀裂が生じたり、シートが破断することが少なく、また、効率的で食品衛生上も極めて好ましい。
【0018】
各層の厚みは、用途により異なるが、通常、各外層を20〜150μmとし、内層を200〜2000μmとし、多層シート合計の厚みとして240〜2300μmとする。
但し、外層(B)のそれぞれの厚みが、全層厚みの3%以上、20%以下、好ましくは5〜15%となるようにすることが必要である。ここで外層(B)のそれぞれの厚みが全層厚みの3%未満であると、印刷性や深絞り性が低下するため好ましくない。なお、外層(B)のそれぞれの厚みがあまりに厚すぎると、剛性が低下したり、容器加工時に打抜き不良となるため、通常は上限を20%とする。
【0019】
上記した如き本発明の多層シートは、内層(A)の両面に外層(B)を積層した3層シートが基本であるが、必要に応じて、さらに内層や外層を積層した4層以上の多層シートであってもよい。この場合、最外層は外層(B)と同様に基本的にはタルクや炭酸カルシウムなどの無機質充填材を含まないものとする。
【0020】
このようにして、剛性,印刷性,加工性(巻取り性,深絞り性など)等に優れ、しかも燃焼カロリーが低く、かつ、炭酸飲料用の容器として用いたときに、泡立ちが少なくて、飲料中の炭酸ガスの損失がなく、風味の損なわれるおそれのない容器を与え得るポリスチレン系樹脂多層シートが得られる。
【0021】
本発明は、このようにして得られたポリスチレン系樹脂多層シートを、さらに熱成形してなる多層容器をも提供するものである。
【0022】
本発明の多層容器は、上記した如きポリスチレン系樹脂多層シートを熱成形してなるものである。ここで熱成形方法としては特に限定はなく、圧空成形,プラグアシスト真空成形,真空成形,プレス成形等が挙げられるが、特に圧空成形が好ましい。なお、成形条件としては特に制限はなく、通常の成形条件でよい。
このようにして得られる多層容器の形状は特に制限はないが、本発明によれば絞り比、すなわち高さ/平均径(容器がコップ状の場合)あるいは高さ/平均辺長(容器が箱状の場合)が0.5以上、好ましくは1.0以上の深絞り容器を得ることができる。
【0023】
【実施例】
次に本発明を、実施例により詳しく説明する。
【0024】
実施例1
ポリスチレン(出光石油化学製ポリスチレン、商品名:出光ET−60、MI=2.1g/10分)60重量部、無機質充填剤としてタルク(勝光山製、平均粒径=10μm)12重量部、炭酸カルシウム(日東粉化工業製、平均粒径=10μm)28重量部の合計100重量部に対して、着色剤として酸化チタン(石原産業製、アナターゼ型)4重量部、酸化防止剤(リン系PEP─8)0.5 重量部および界面活性剤( 東邦化学製、商品名:ソルボンT−60)0.5 重量部を配合したものを、高速混合ミキサー( 川田製作所製ヘンシェルミキサー) で混合した後、ベント式単軸混練機に投入し、ペレットを得た。このペレットを、内層の原料として用いた。
また、外層用の原料としては、ポリスチレン(出光石油化学製ポリスチレン、商品名:出光ET−60、MI=2.1g/10分)をベント式単軸混練機に投入して得られるペレットを用いた。なお、タルクと炭酸カルシウムの配合量は、多層シート全体を構成する成分の36重量%であった。
【0025】
上記各ペレットを、内層用の原料は直径65mmの押出機に、外層用の原料は直径50mmの押出機に投入し、Tダイを用い、押出機温度220℃にて共押出を行ない、次いでロールで冷却しながら巻き取って、シート厚み1500μm(内層の厚みが1400μmであり、外層の厚みがそれぞれ50μmであって、外層の厚みはそれぞれ全層厚みの3.3%である。)の3層積層シートを得た。この巻取り時の巻取り性についての結果を第1表に示す。
得られた3層積層シートを口径80mm、高さ120mmの金型で成形して、口径80mm、高さ120mmのコップ状容器を得た。
この容器について、印刷性,泡立ち防止性,深絞り性,剛性を測定した。結果を第1表に示す。なお、第1表に示すように、印刷性は良好であり、また炭酸飲料を注いでみたが、泡立ちはなく、泡立ち防止性にも優れたものであった。
【0026】
実施例2
実施例1において、内層の樹脂成分としてのポリスチレン60重量部の代わりに、これと同じポリスチレン(PS)30重量部,ポリプロピレン(PP)(出光石油化学製ポリプロピレン、商品名:出光E−105GM、MI=0.5g/10分)15重量部およびポリエチレン(PE)(出光石油化学製ポリエチレン、商品名:出光520MB、MI=0.5g/10分)15重量部の混合物を用い、かつ、シート厚み1500μm(内層の厚みが1300μmであり、外層の厚みがそれぞれ100μmであって、外層の厚みはそれぞれ全層厚みの6.6%である。)の3層積層シートとしたこと以外は、実施例1と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。なお、タルクと炭酸カルシウムの配合量は、多層シート全体を構成する成分の35重量%であった。
【0027】
比較例1
実施例1において、内層の原料中の無機質充填剤としてのタルクと炭酸カルシウムの代わりに、炭酸カルシウム40重量部のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。
【0028】
比較例2
実施例1において、内層の原料中の樹脂成分としてのポリスチレン60重量部の代わりに、これと同じポリスチレン(PS)30重量部,ポリプロピレン(PP)15重量部およびポリエチレン(PE)15重量部の混合物を用い、かつ、無機質充填剤としてのタルクと炭酸カルシウムの代わりに、炭酸カルシウム40重量部のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。
【0029】
比較例3
実施例1において、内層の原料中の無機質充填剤としてのタルクと炭酸カルシウムの代わりに、タルク40重量部のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。
【0030】
比較例4
実施例1において、両外層の厚みをそれぞれ全層厚みの2%とした(シート厚みを1500μmとし、内層の厚みを1440μmとし、外層の厚みをそれぞれ30μmとした)こと以外は、実施例1と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。
【0031】
比較例5
実施例1において内層の原料として用いたと同じ成分からなる単層フィルムについて実施例1と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。
【0032】
比較例6
実施例2において内層の原料として用いたと同じ成分からなる単層フィルムについて実施例2と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。
【0033】
実施例3
実施例1において、外層用の原料としてのポリスチレンの代わりに、前記と同じポリプロピレン(PP)およびポリエチレン(PE)を、前者40:後者60(重量比)の割合で混合した混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。なお、タルクと炭酸カルシウムの配合量は、多層シート全体を構成する成分の36重量%であった。
【0034】
実施例4
実施例2において、外層用の原料としてのポリスチレンの代わりに、前記と同じポリプロピレン(PP)およびポリエチレン(PE)を、前者40:後者60(重量比)の割合で混合した混合物を用いたこと以外は、実施例2と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。なお、タルクと炭酸カルシウムの配合量は、多層シート全体を構成する成分の35重量%であった。
【0035】
実施例5
実施例1において、外層用の原料としてのポリスチレンの代わりに、前記と同じポリスチレン(PS)とポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)とを、PS:PP:PE=50:20:30(重量比)の割合で混合した混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。なお、タルクと炭酸カルシウムの配合量は、多層シート全体を構成する成分の36重量%であった。
【0036】
実施例6
実施例2において、外層用の原料としてのポリスチレンの代わりに、前記と同じポリスチレン(PS)とポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)とを、PS:PP:PE=50:20:30(重量比)の割合で混合した混合物を用いたこと以外は、実施例2と同様にして3層積層シートを得、コップ状容器を得た。物性の測定結果を第1表に示す。なお、タルクと炭酸カルシウムの配合量は、多層シート全体を構成する成分の35重量%であった。
【0037】
【表1】
【0038】
〔第1表の脚注〕
*1: シートを巻取機にて巻取れるかどうかを調べた。結果は3段階(▲1▼巻取可能,亀裂なし、▲2▼巻取可能,亀裂あり,▲3▼巻取不能)にて示した。
*2: 局面印刷機を用いて、容器側壁中央部に60mm幅でベタ印刷し、連続印刷性で評価した。結果は3段階(▲1▼インキのにじみなし=○,▲2▼インキのにじみ若干あり=△,▲3▼インキがにじんで印刷不良=×)にて示した。
*3: 容器に炭酸ガス飲料を注入し、炭酸ガスの保持性で評価した。結果は3段階(▲1▼泡が容器より出ない=○,▲2▼泡が若干多い=△,▲3▼泡が容器よりこぼれ落ちる=×)にて示した。
*4: 同時打抜き成形機を使用し、容器首下部の亀裂( 伸び具合) で評価した。結果は3段階(▲1▼亀裂なし=○,▲2▼亀裂若干あり=△,▲3▼亀裂大、容器化不可=×)にて示した。
*5: 容器側壁中央部を圧縮した時の荷重を示した。
【0039】
【発明の効果】
本発明のポリスチレン系樹脂多層シートは、剛性,印刷性,加工性(深絞り性など)等に優れたものである。
しかも本発明のポリスチレン系樹脂多層シートは、燃焼カロリーが低く、かつ、炭酸飲料用の容器として用いたときに、泡立ちが少なくて、飲料中の炭酸ガスの損失がなく、風味が損なわれるおそれがない。
本発明の多層容器は、剛性,印刷性,加工性(巻取り性,深絞り性など)等に優れ、しかも燃焼カロリーが低く、かつ、炭酸飲料用の容器として用いたときに、泡立ちが少なくて、飲料中の炭酸ガスの損失がなく、風味が損なわれるおそれがない。
従って、本発明は、食品包装材料分野等で極めて有効に利用することができる。
Claims (2)
- ポリスチレン樹脂又は該ポリスチレン樹脂50〜70重量%とポリオレフィン樹脂50〜30重量%との混合物からなる樹脂成分に、タルク及び炭酸カルシウム30〜70重量%を添加してなる樹脂組成物よりなる内層(A)の両面に、ポリスチレン樹脂及び/又はポリオレフィン樹脂よりなる外層(B)を積層してなる多層共押出シートであって、外層(B)のそれぞれの厚みが全層厚みの3%以上、20%以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂多層シート。
- 請求項1記載のポリスチレン系樹脂多層シートを熱成形してなる多層容器。
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