JPH0655404B2 - 共押出多層材料 - Google Patents

共押出多層材料

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JPH0655404B2
JPH0655404B2 JP61041957A JP4195786A JPH0655404B2 JP H0655404 B2 JPH0655404 B2 JP H0655404B2 JP 61041957 A JP61041957 A JP 61041957A JP 4195786 A JP4195786 A JP 4195786A JP H0655404 B2 JPH0655404 B2 JP H0655404B2
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剛 篠原
豊和 山田
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は共押出多層材料に関し、詳しくは層間の接着性
に優れ、成形作業性も良好で、衛生性に優れ食品分野で
の包装資材として有用な共押出多層材料に関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする問題点〕 ガスバリヤー性樹脂、たとえばエチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化物などは、一般に耐水性に劣るため、他の
樹脂との多層材料として、シート,フィルム,容器など
に使用されている。この多層材料は、特に食品包装用資
材として使用する場合、適度な剛性や耐熱性等が要求さ
れる。この要求を満たすものとして、従来よりガスバリ
ヤー性樹脂とポリプロピレン系樹脂との多層材料が種々
提案されている。たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物(EVOH)を中間層とし、変性ポリオレ
フィンを接着層として両外層にポリプロピレン系樹脂層
を形成した多層シートは、優れた剛性,耐熱性,成形性
を有するため、ゼリー,水羊かん,各種缶詰食品等の包
装容器に成形され、従来のアルミニウム容器にとって代
わろうとしている。ところで、食品包装用等の容器に
は、一般的に内容物表示や商品価値を高めるための多色
印刷を施すことが行なわれているが、上記多層シートの
外層となるポリプロピレン系樹脂に直接多色印刷を施す
ことは困難であるため、多色印刷が施されたブランクに
易融着性のポリエチレン層を形成した多層シートを熱成
形することでブランクと多層シートを一体化することが
提案されている。
ところが、このポリエチレン層とポリプロピレン層との
熱融着性が低いため、ポリエチレン層とポリプロピレン
層との間に接着性樹脂として、変性ポリオレフィンを共
押出成形する方法や、接着剤を用いて二次的にラミネー
トする方法が採用されている。しかしながら、共押出法
では接着性樹脂が必要となるのみならず、層構成が変わ
るため、成形作業性が悪化するという問題がある。一
方、ラミネートする方法では接着剤の使用,作業性,衛
生性の点で問題があった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明らは上記問題点を解消すべく鋭意研究を重ねた結
果、ポリプロピレン系樹脂と特定の低結晶性α−オレフ
ィン共重合体を特定の比率で配合して得られる樹脂組成
物層を中間層としてポリエチレン系樹脂層およびエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物よりなるガスバリヤー
性樹脂層と組合せて用いることにより、中間層とポリエ
チレン系樹脂層との接着性が改良され、かつ共押出成形
法に適した多層材料が得られることを見出した。
すなわち本発明は、(A) ポリエチレン系樹脂層,(B) ポ
リプロピレン系樹脂95〜70重量%と、エチレン−プロピ
レン共重合体,エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
あるいはエチレン−ブテン−1共重合体のいずれかから
なる低結晶性α−オレフィン共重合体5 〜30重量%より
なる樹脂組成物層および(C) エチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物よりなるガスバリヤー性樹脂層からなる共
押出多層材料を提供するものである。
本発明の多層材料の(A) 層の成分として用いるポリエチ
レン系樹脂としては、既知の任意のものが使用でき、た
とえば高密度ポリエチレン,中密度ポリエチレン,低密
度ポリエチレンなどがあげられ、エチレンのホモポリマ
ーのほか、エチレン−エチルアクリレート共重合体,エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量10重量%
以下)などのランダムあるいはブロック共重合体あるい
はこれらの混合物がある。ここで高密度ポリエチレンと
しては、密度0.940〜0.970g/cm3のもの、
中・低密度ポリエチレンとしては高圧法ポリエチレンや
中・低圧法で得られるエチレンとプロピレン,ブテン−
1,4−メチルペンテン−1,オクテン−1など炭素数
3〜12のα−オレフィンとのコポリマー、いわゆる直
鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)がある。なお、
耐熱性が要求されるレトルト包装分野に使用される場合
には、高密度ポリエチレンを主体としたものの使用が好
ましい。また、このポリエチレン系樹脂のメルトインデ
ックスは、通常は0.02〜10.0g/10分、好まし
くは0.03〜5.0g/10分、より好ましくは0.0
4〜3.0g/10分である。このポリエチレン系樹脂の
メルトインデックスが上記範囲外であると、溶融混練
性、熱成形などの二次成形性の点で好ましくない。
また、(B) 層の成分として用いる樹脂組成物は、ポリプ
ロピレン系樹脂95〜70重量% および特定の低結晶性α−
オレフィン共重合体5 〜30重量%から構成されてい
る。
ここで(B) 層を構成するポリプロピレン系樹脂として
は、各種のものを使用できるが、通常プロピレンのホモ
ポリマーやプロピレンと30重量%以下のエチレン,ブテ
ン−1などとのランダムコポリマーなど、さらにはこれ
らの混合物などがある。ここでランダムコポリマーとし
ては、特願昭57−226549号明細書に開示されて
いる様な二段またはそれ以上の多段重合によって製造さ
れたものであっても良い。また、このポリプロピレン系
樹脂のメルトインデックスは、一般に0.1〜15g/10
分、好ましくは0.2〜10g/10分、より好ましくは
0.3〜5g/10分のものである。この場合において、
容器成形用シート材料の場合にあってはメルトインデッ
クスが15g/10分を越えるものでは、シートの溶融強度
が小さく、逆に0.1g/10分未満のものでは流動性が
悪く、共に熱成形などの二次成形性が困難となる。な
お、これらポリプロピレン樹脂はタルクや炭酸カルシウ
ム等の充填剤がポリプロピレン樹脂100重量部に対して3
00重量部以下混合されたものであっても良い。
また、上記ポリプロピレン樹脂と共に(B) 層を構成する
特定の低結晶性α−オレフイン共重合体とは、α−オレ
フィンを主成分とする弾性を有する共重合体であって、
通常結晶化度が40%以下,密度0.85〜0.90g/
cm3、メルトインデックス(MI)(230℃)0.1〜10
0g/10分,好ましくは結晶化度30%以下、密度0.8
5〜0.88g/cm3、MI(230℃)0.5〜50g/10
分のものである。
本発明においては、低結晶性α−オレフィン共重合体と
して具体的には、エチレン−プロピレン共重合体,エチ
レン−プロピレン−ジエン共重合体あるいはエチレン−
ブテン−1共重合体のいずれかを用いる。なおα−オレ
フィン成分の含有率は通常85モル%、好ましくは90モル
%以上である。
本発明に用いる(B) 層は上記ポリプロピレン系樹脂と特
定の低結晶性α−オレフィン共重合体とからなる樹脂組
成物の層であり、その配合比は前者95〜70重量%、後者
5 〜30重量%の割合にすべきである。後者の配合比が5
重量%未満であると、(A) 層と(B) 層との層間の接着性
が低くなり、30重量%を超えた場合、得られる成形品の
剛性や耐熱性が低下するので好ましくない。なお、好ま
しい配合比は後者が7〜20重量%、より好ましくは8〜
15重量%の割合である。
次に、(C) 層であるガスバリヤー性樹脂層の成分として
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を用いる。
本発明の多層材料は上記 (A)〜(C) の三層を必須成分層
とするものである。本発明の多層材料を用いて多層体を
製造する場合、通常(A) 層,(B) 層,(C) 層の如く(B)
層が中間層となるように積層するが、(B) 層と(C) 層は
通常、適当な接着性樹脂層を介して積層する。ここで用
いる接着性樹脂としては既知の任意のものが使用でき
る。たとえば不飽和カルボン酸またはその誘導体変性ポ
リオレフィン(商品名:ポリタック等),エチレン−ア
クリル酸共重合体の金属塩(アイオノマー等)などが挙
げられる。
本発明の多層材料にあっては、上記(A) 層,(B) 層およ
び(C) 層のほかに所望により他の層を積層することがで
きる。ここで、所望により積層する他の層としては特に
制限はないが、好ましいものとしてはポリプロピレンや
前記(B) 層と同成分の組成物等があげられる。これらの
層は(C) 層側に積層し、通常は上記の如き適当な接着性
樹脂層を介して積層する。たとえば、他の層として(B)
層を用いる場合、(A) 層,(B) 層,接着性樹脂層,(C)
層,接着性樹脂層,(B) 層の6層が多層体が得られる。
なお、(A) 層と(B) 層との層間な接着性が極めて良好で
あるため、特別な接着性樹脂等の接着性層を必要としな
い。また、(A) 層は通常使用されるブランク、たとえば
易融着性樹脂層を有する紙や無機充填剤配合の合成紙に
予め多色印刷したものに真空成形,圧空成形などの熱成
形時に簡単に融着することができる。
上記各層の厚さは、本発明の多層材料の使用目的等を考
慮して定めれば良いが、通常の食品包装用容器等を成形
するための多層シートや多層フィルム等を製造する場
合、多層体全体の厚さは20〜2000μ、好ましくは30〜12
00μが適当であり、特に(A) 層は2〜300μ、好ましく
は5〜150μ程度で充分である。
本発明の多層材料からなる多層体は、共押出成形法によ
り成形され、より具体的にはサーキュラーダイを用いる
インフレーション法,フラットダイを用いるTダイ共押
出成形法が適用される。
〔発明の効果〕
叙上の如き本発明の多層材料は、各層を構成する成分を
特定したことにより、(A) 層のポリエチレン系樹脂層
と、(B) 層のポリプロピレン系樹脂と特定の低結晶性α
−オレフィン共重合体からなる層との接着性が良好なた
め、両層間に特別な接着性樹脂が不要となり、接着性樹
脂の使用に伴う設備等も必要とせず比較的安価に製造す
ることができる。
また、本発明の多層材料は共押出成形法により成形する
ことができるため、ラミネートする方法等よりも少ない
工程で成形することができ、しかも特にラミネートのよ
うに接着剤を使用しないため安全性,衛生性に優れてい
る。
本発明の共押出多層材料により得られるフィルムや容器
などの成形品は、耐熱性,耐薬品性に優れており、適度
な剛性を有している。
したがって、本発明の共押出多層材料は各種多層体(多
層シート,多層フィルム等)やその成形品、特に多層容
器の製造材料に適しており、該シートを成形(真空成
形,圧空成形等)する際(A) 層を外側にして成形し、ブ
ランクを(A) 層と熱融着し一体化することができる。か
くして成形品、たとえば容器の表面に美麗な多色印刷を
行ない内容物の表示等をすることができ、商品価値を高
めることができる。
したがって、本発明の共押出多層材料は特に食品、飲料
等の包装用資材等として有用である。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
実施例1〜5および比較例1〜3 (a) 層の成分として低密度ポリエチレン(密度0.92
1g/cm3,MI0.4g/10分,昭和電工(株)製,商
品名:ショーレックス M 040),(b) 層および
(b′)層の成分としてポリプロピレン(密度0.91g
/cm3,MI0.6g/10分,出光石油化学(株)製、商
品名:出光ポリプロE100G)に第1表に示す低結晶性
α−オレフィン共重合体を所定量配合した樹脂組成物,
(d) 層および(d′)層の成分として無水マレイン酸変性
ポリプロレン(MI 4g/10分,出光石油化学(株)
製,商品名:出光ポリタックE100), (c)層の成分とし
てエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(MI1.3
g/10分,エチレン含有率32モル%,(株)クラレ製,
商品名:エバール EP−F101)を用い、これら原
料を4台の押出成形機を用いて溶融混練押出し、ダイか
ら共押出して(a) 層,(b) 層,(d) 層,(c) 層,(d′)
層,(b′)層の順に積層して6層4種成分からなる厚さ
0.8mmの多層シートを製造した。なお、各層の厚さは
(a),(b),(d),(c),(d′),(b′)の順に50μ,340μ,20
μ,30μ,20μ,340μであった。
得られたシートの(a) 層と(b) 層の層間の接着性を第1
表に示す。第1表より明らかなように、本発明の材料に
よるシートは(a) 層と(b) 層の層間の接着性にすぐれた
ものであった。
次に、表面に低密度ポリエチレン層を有する無機充填剤
配合系合成紙からなる印刷済のブランクに、上記多層シ
ートを熱成形したところ、本発明材料の(a) 層と低密度
ポリエチレン層が融着一体化した容器(径60mm,高さ25
mm)が得られた。
実施例6〜10および比較例5〜6 実施例1〜5および比較例1〜3において、(a)層の成
分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(密度0.92
7g/cm3,MI0.5g/10分,酢酸ビニル含量5重
量%,昭和電工(株)製,商品名:ショーレックス EV
A BF05-6)を用いたこと以外は、実施例1〜5およ
び比較例1〜3と同様に行なった。結果を第1表に示
す。
実施例11,12 (a) 層の成分として低密度ポリエチレンの代わりに高密
度ポリエチレン(密度0.95g/cm3,MI0.9g
/10分,出光石油化学(株)製、商品名:出光ポリエチレ
ン440M)を用いたこと以外は、実施例2,3と同様に
して行ない、共押出多層シートを得た。このシートの
(a) 層と(b) 層の層間はすぐれた接着性を有していた。
またこのシートを熱成形して得たシートは120 ℃,30分
間のレトルト処理においても十分耐えるものであった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) ポリエチレン系樹脂層,(B) ポリプロ
    ピレン系樹脂95〜70重量%と、エチレン−プロピレン共
    重合体,エチレン−プロピレン−ジエン共重合体あるい
    はエチレン−ブテン−1共重合体のいずれかからなる低
    結晶性α−オレフィン共重合体5 〜30重量%よりなる樹
    脂組成物層および(C) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
    ン化物よりなるガスバリヤー性樹脂層からなる共押出多
    層材料。
JP61041957A 1986-02-28 1986-02-28 共押出多層材料 Expired - Lifetime JPH0655404B2 (ja)

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JP3795205B2 (ja) * 1997-10-21 2006-07-12 三菱樹脂株式会社 易開封性複合フィルム
AR100143A1 (es) * 2014-05-20 2016-09-14 Dow Global Technologies Llc Estructuras de películas de polímero y artículos realizados a partir de ellas

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