JP3542230B2 - 電線被覆装置の色替制御装置 - Google Patents

電線被覆装置の色替制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信用絶縁電線等に使用される絶縁被覆電線を製造する電線被覆装置における色替制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁電線例えば通信用絶縁電線に関して、素線の外周に発泡樹脂等の樹脂が一層被覆されてなる通信用絶縁電線を製造するための一層電線被覆装置、また、素線の外周にフォーム(内層)およびスキン(外層)の二層樹脂が被覆されてなる通信用絶縁電線を製造するための二層電線被覆装置は公知であり、一層電線被覆装置は、発泡樹脂を押出す押出機と、前記樹脂を素線の外周に被覆するためのクロスヘッドと、押出機とクロスヘッドとの間に設けられるオーバーフロー弁と、素線をクロスヘッドに引通して引取るための引取機とによって構成される。
【0003】
一方、二層電線被覆装置は、フォームを押出す内層押出機と、スキンを押出す外層押出機と、フォームおよびスキンを素線の外周に被覆するためのクロスヘッドと、内層押出機の出口とクロスヘッドとの間に設けられるクロスヘッド用オーバーフロー弁と、外層押出機の出口とクロスヘッドとの間に設けられる外層押出機アダプタ用オーバーフロー弁と、素線をクロスヘッドに引通して引取るための引取機とによって構成されている。
【0004】
ところで一般に、押出機は、そのスタート時から所定の温度および圧力の樹脂が押出されるわけではなく、温度および圧力にバラツキがあり、樹脂圧力が一度定常状態になった後も、素線速度の増大等により温度および圧力の変動が生じるものであり、その結果として運転開始後のある時間内では、発泡度が不十分な状態での被覆が成されたり、また、樹脂圧力および温度が変動することにより、均一な被覆ができない問題があった。
【0005】
そこで、一層電線被覆装置を例に挙げると、従来は、押出機の押出速度とオーバーフロー弁の開度とを検出して、オーバーフロー弁の開度を制御することによって、線速度が設定値に到達するまでクロスヘッドの樹脂圧力を設定値に制御するとともに、線速度の増大に伴うクロスヘッドの樹脂圧力の圧力低下を補正するようにしていた。
【0006】
この場合、一層電線被覆装置はオーバーフロー弁が1個であるので、この開閉操作は左程面倒ではないにしても、二層電線被覆装置ではオーバーフロー弁が2個になるために、所定の順序で適当なタイミングを判断しながら開閉操作するには、非常に高度な熟練を要するところから、各オーバーフロー弁を開閉操作するアクチュエータと、素線の線速度を設定値と比較して各アクチュエータを作動させる開閉制御部とを設けて、所定のタイミングで自動的にオーバーフロー弁を開閉制御できるようにしたものが提供されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような先行技術の提供によって、特に起動時および停止時の過渡期における被覆運転上の前記問題点は一応解消されるに至っているが、最近、このような絶縁電線の製造において、多品種、小ロット生産の傾向が多くなってきて、そのために、電線被覆装置の連続運転の途中で絶縁被覆用樹脂の色替えを再三行わねばならなく、従って、色替えのために度々装置を停止、起動させる必要に迫られている。これに対して前記先行技術が実施されることによって、手動操作を行っていた時と比較すると作業面での大幅な改善が見られるが、これらの自動化のための手段は、元来、色替えを前提として成されたものではないので、色替えの度毎に停止、起動を行うことで生産性の低下を来し、不良品の発生に伴うスクラップ(銅線、樹脂)の増大を齎す問題に対しては万全な対策とはいえなく、この点の改善策が斯界において強く望まれているのが実状である。
【0008】
本発明は、このような問題点の解消を図るために成されたものであり、本発明の目的は、絶縁電線製造過程において、色替え作業を短時間でしかも連続運転下で行い得るとともに、前記スクラップの発生を極力減少し得ることによって、生産性の向上ならびに製品々質の高安定化を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため以下に述べる構成としたものである。即ち、本発明は、内層押出機で押出した樹脂と外層押出機で押出した樹脂とをクロスヘッドで素線の外周に二層に被覆するように構成されるとともに、内層押出機の出口にクロスヘッド用オーバーフロー弁、外層押出機の出口に外層押出機アダプタ用オーバーフロー弁がそれぞれ開閉自在に設けられる二層電線被覆装置において、外層押出機での色替作業の開始に応動して、内層押出機の押出速度を変えないで素線の線速度を低下させ、かつ、外層押出機の押出速度を上昇させるとともに、前記両オーバーフロー弁を開かせて、所定タイミング経過後、線速度を上昇させ、かつ、外層押出機の押出速度を下降させるとともに、両オーバーフロー弁を閉じさせる制御手段が設けられてなることを特徴とする電線被覆装置の色替制御装置である。
【0011】
本発明はまた、前記制御手段が、連続被覆運転中において作動され、また、クロスヘッド内の樹脂圧力を一定に保持した状態の下で一連の作動を行うよう構成され、また、元の樹脂と次の樹脂との供給切替えを色替作業の開始の前に行わせる樹脂切替え手段が、前記制御手段に付設されてなることを特徴とする。
【0013】
本発明はまた、前記二層電線被覆装置の色替制御装置において、前記制御手段における外層押出機アダプタ用オーバーフロー弁を開かせるタイミングが、クロスヘッドを出た被覆電線の外径を測定する外径測定器の外径信号、色替作業の開始からの経過時間を測定するタイマの時間信号、素線の速度低下後の線速度、クロスヘッド内の樹脂圧力のいずれかの値に対応して長短調節される構成であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に従えば、二層電線被覆装置の場合は、制御手段が作動して、色替えしない方の内層樹脂の押出速度を変えずに素線の線速度を低下させ、かつ、色替えする方の外層樹脂の押出速度を上昇させるとともに、クロスヘッド用、外層押出機アダプタ用の両オーバーフロー弁を外部にオーバーフローさせる側に開かせる。この間では、内層樹脂の押出速度は変わらないので、色替えした後の絶縁層の静電容量値を安定化させる上で極めて有効であり、一方、外層樹脂の押出速度を上昇させることによって、色替えが早く行われて、しかも両オーバーフロー弁を開くことにより、線速度を大幅に低下させても何等支障なく色替作業が行える。なお、所定タイミング経過後の制御手段の作動は、一層電線被覆装置の場合と大略的に同様である。
【0016】
本発明によれば、元の樹脂と次の樹脂との供給切替えを色替作業の開始の前に行わせることによって、色替えを一定の時間内で処理することが可能であり、また、色替えに際してオーバーフロー弁を開かせるタイミングを、クロスヘッドを出た被覆電線の外径を測定する外径測定器の外径信号、色替作業の開始からの経過時間を測定するタイマの時間信号、素線の低下後の線速度、クロスヘッド内の樹脂圧力のいずれかの値に対応して長短調節すれば、樹脂圧力の過昇による断線等の事故を無くし、かつ、スクラップ量を少量の一定値にすることができる。
【0017】
さらに本発明の具体的態様について本発明の実施例が示される添付図面を参照しながら以下に説明する。図1には、一層電線被覆装置の要部構成が概略示される。また、図2には、前記一層電線被覆装置によって製造される絶縁電線8が断面示され、図3には、図1におけるオーバーフロー弁3の要部構造が閉作動状態(A)および開作動状態(B)でそれぞれ断面示される。図1において、モータ1で回転駆動される押出スクリュを備える押出機2の吐出側には、オーバーフロー弁3を途中に介設して有する樹脂供給管路が接続され、この管路の他端にクロスヘッド4が接続して設けられる。
【0018】
クロスヘッド4には、絶縁電線の素線5が引通され、図示されない引取機で引取らせることによって、図2に示されるような、素線5の外周に樹脂6、例えば発泡樹脂が被覆された絶縁電線8が製造される。なお、図示されないが、素線5は、伸線機、軟化機、ダンサローラ等を介してクロスヘッド4に導入されるとともに、クロスヘッド4で発泡樹脂6被覆した後に、冷却槽を通過し、引取機を経た後に巻取機に巻取られるものであって、このようなライン構成は周知のことである。 また、押出機2のモータ1は、図示しない押出スクリュ速度設定器により所定の設定押出速度に設定されるとともに、押出圧力は図示しない圧力設定器により所定の設定押出圧力に設定され、さらに、引取機のモータは、図示しない線速設定器により所定の設定線速度に設定されている。
【0019】
オーバーフロー弁3は、図3を参照して通路22,23,24を有する本体25内に、通路26,27を有する弁体28が摺回動自在に収設されてなるロータリー型の切替弁であって、閉時には図3(A)に示されるように通路26を介して通路22,23が連通され、かつ、通路24が閉鎖された状態にあり、一方、開時には図3(B)に示されるように通路27を介して通路22,24が連通して発泡樹脂6を通路24から外部にオーバーフローさせ、かつ、通路23が閉鎖されるようになっている。なお、図1において、19はロータリーアクチュエータであって、その出力軸はオーバーフロー弁3を開閉操作し得るように、該弁3の弁体28軸に連結されている。
【0020】
さらに図1において、30は、一層電線被覆装置の運転制御を司る運転制御装置であって、この装置30には、本発明の色替制御を行わせるための制御手段31が組み込まれている。また、33はクロスヘッド4内の樹脂圧力を検出する圧力検出器、34はクロスヘッド4を出た直後の被覆電線の外径を測定する外径測定器、35は素線5の線速度を検出する線速度検出器であって、それらの各出力は前記運転制御装置30に対して運転情報として導入される。
【0021】
図4には、図1図示一層電線被覆装置における色替運転時の樹脂押出速度および素線線速度のタイムチャートが示される。図1乃至図4を参照して色替運転を含む電線被覆運転の態様を以下に説明する。運転制御装置30に起動指令が与えられることによって装置各部が起動動作に入る。この場合、線速度に関係なく押出機2の押出速度を速く設定速度に立上げるとともに、オーバーフロー弁3を開操作して、発泡度が安定するまで該弁3の開度を調整制御する。線速度が所定値になるとロータリーアクチュエータ19を作動させて発泡樹脂はクロスヘッド4に供給され、素線5に被覆される。このようにして安定した品質の被覆電線を立上がり速く能率的に製造することが可能である。このときの樹脂押出速度は、例えば押出スクリュの回転で70r/min 一定として、後の色替運転の際も変えないものとする。
【0022】
連続被覆運転中に色替えを行う場合には、初めに色替作業の開始に先行して、樹脂切替え手段32が作動する。これによって、押出機2の元の樹脂供給を停止し、ホッパ内を空にして、別の樹脂(次に色替えのために使用する樹脂)をホッパに供給する。この動作は、市販のカラーリング装置によって自動的に行うことも可能である。次いで、色替え開始指令により線速度は運転中の例えば1200m/min から例えば300m/min まで低下させる。なお、この低下までに要する時間は例えば49sec である。
【0023】
線速度が下がると、樹脂押出速度一定のため、被覆径が太くなり、クロスヘッド4内の樹脂圧力も上昇して、樹脂の逆流現象が生じ易くなる。そこで、被覆径がある程度、例えば製品径+0.1mmと大きくなると、外径測定器34によりオーバーフロー弁3を自動的に開とする。この場合、外径測定器34の代わりにタイマによって色替え開始から約20sec でオーバーフロー弁3を開としてもよく、また、一定線速度になると開としてもよい。この他にクロスヘッド4内の樹脂圧力によって開としてもよい。
【0024】
この状態で樹脂押出速度は70r/min 一定のため、元の樹脂は排出され、別の樹脂に切替わる。なお、線速度300m/min としている理由は、銅線のスクラップを少なくするために他ならない。
色替え開始指令が出たときから例えば約221sec を経過した時点では次の別の樹脂に完全に切替わっていると考えられるので、線速度を300m/min から元の1200m/min まで上昇させる。線速度上昇中の中間所定速度になった約250sec 経過時点で、検出される線速度または時間に応じてオーバーフロー弁3を押出側に閉じさせる。そして、線速度が1200m/min に戻った時、図示しないボビンの切替えを行い、製品取りを行う。ここまでの経過時間は約270sec である。
【0025】
以上のようにすることによって、連続運転中において色替作業は運転を停止することなく短時間の内に行うことが可能である。なお本実施例では、色替えは約270sec で完了しているが、勿論、これは一例を示したもので、線速度、時間などを変えることによって、さらに、色替時間の短縮を図ることも可能である。
【0026】
【実施例】
図5には、本発明の実施例に係る二層電線被覆装置の要部構成が概略示される。また、図6には、前記二層電線被覆装置によって製造される絶縁電線8が断面示される。図5において、12は内層押出機(主押出機)で、モータ11により駆動される。16は外層押出機(副押出機)で、モータ15により駆動される。14はクロスヘッドで、各押出機12,16から押出された樹脂で素線5の外周に被服するようになっている。各押出機12,16およびクロスヘッド14は、図1における押出機2およびクロスヘッド4と構造が同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0027】
13はクロスヘッド用オーバーフロー弁で、内層押出機12の出口側とクロスヘッド14とを接続する樹脂管路の途中に介設される。17は外層押出機アダプタ用オーバーフロー弁で、外層押出機16の出口側とクロスヘッド用オーバーフロー弁13・クロスヘッド14間の樹脂管路とを接続する樹脂管路の途中に介設される。それら両オーバーフロー弁13,17は、前記実施例におけるオーバーフロー弁3(図3参照)と同じ構造であるので、重複を避けてここでは詳細説明を省略する。18,19はロータリーアクチュエータであって、各出力軸は各オーバーフロー弁13,17を開閉操作し得るように、各弁体28の軸に連結されている。また、運転制御装置30、制御手段31、圧力検出器33、外径測定器34および線速度検出器35をそれぞれ運転制御系統に備えている構成は、図1図示の前記実施例と同様である。
【0028】
図7には、図5図示二層電線被覆装置における色替運転時の樹脂押出速度および素線線速度のタイムチャートが示される。図5乃至図7を参照して色替運転を含む電線被覆運転の態様を以下に説明する。運転制御装置30に起動指令が与えられることによって装置各部が起動動作に入る。この場合、線速度に関係なく各押出機12,16の押出速度を速く設定速度に立上げるとともに、オーバーフロー弁13,16を開操作して、各押出機12,16から押出された樹脂をそれぞれ外部にオーバーフローさせる。線速度が所定値、例えば1800m/min になるとロータリーアクチュエータ18が作動してオーバーフロー弁13を閉じる。また線速度が設定値、例えば1900m/min になるとロータリーアクチュエータ19が作動してオーバーフロー弁17を閉じる。従って、樹脂はクロスヘッド4に供給され、素線5に被覆されることによって、図6に示されるように素線(電線)5の外周を、内層押出機12から押出される発泡樹脂6および外層押出機16から押出される外層樹脂7の二層で被服した二層被覆の絶縁電線8が連続して製造される。このようにして安定した品質の被覆電線を立上がり速く能率的に製造することが可能である。このときの内層樹脂の押出速度は、例えば押出スクリュの回転で20r/min 一定として、後の色替運転の際も変えないものとする。
【0029】
連続被覆運転中に色替えを行う場合には、初めに色替作業の開始に先行して、樹脂切替え手段32が作動する。これによって、外層押出機16の元の樹脂供給を停止し、ホッパ内を空にして、別の樹脂(次に色替えのために使用する樹脂)をホッパに供給する。次いで、色替え開始指令により線速度は運転中の例えば1900m/min から例えば300m/min まで低下させる。なお、この低下までに要する時間は例えば83sec である。同時に外層樹脂7の押出速度を押出スクリュの回転で例えば39r/min から60r/min に上昇させ、かつ、クロスヘッド用オーバーフロー弁13を開ける。以上の色替え開始指令からの各動作状況はクロスヘッド14の樹脂圧力がある範囲(400〜650kg/cm2)で一定となるように配慮するのが好ましいことである。
【0030】
線速度が下がると、各樹脂押出速度一定のため、被覆径が太くなり、クロスヘッド14内の樹脂圧力も上昇して、樹脂の逆流現象(線走行と逆方向に樹脂が流れる状態)が生じ易くなる。そこで、被覆径がある程度、例えば製品径+0.1mmと大きくなると、外径測定器34により外層押出機アダプタ用オーバーフロー弁17を自動的に開とする。この場合、外径測定器34の代わりにタイマによって色替え開始から約65sec でオーバーフロー弁17を開としてもよく、また、一定線速度になると開としてもよい。この他にクロスヘッド14内の樹脂圧力によって開としてもよい。
【0031】
この状態で外層樹脂押出速度は60r/min 一定のため、元の樹脂は排出され、別の樹脂に切替わる。なお、線速度300m/min としている理由は、銅線のスクラップを少なくするために他ならない。
色替え開始指令が出たときから例えば約157sec を経過した時点では次の別の樹脂に完全に切替わっていると考えられるので、線速度を300m/min から元の1900m/min まで上昇させる。線速度上昇中の中間所定速度例えば650m/min になった約175sec 経過時点で、検出される線速度または時間に応じて外層押出機アダプタ用オーバーフロー弁17を押出側に閉じさせる。そして、線速度が1900m/min に戻った時又はその手前で1800m/min になった時、クロスヘッド用オーバーフロー弁13を閉とする。この状態で約20sec を経過した時点で絶縁層の静電容量(C)値、電線径も安定してくるので、図示しないボビンの切替えを行う。ここまでの経過時間は約270sec である。
【0032】
外層樹脂押出速度が60r/min 一定の状態で外層押出機16の樹脂圧力を見ながら当初の速度39r/min に下降させる。ここまでの経過時間は約420sec である。ここで製品取りを行うが、クロスヘッド用オーバーフロー弁13を閉とした約270sec 経過した時点での製品取りも、実験した結果では可能である。なお、図7において破線示する折線は、設定条件を変えた場合のタイムチャートに対応するものである。
【0033】
【発明の効果】
以上述べるように本発明によれば、電線被覆装置において絶縁層となる樹脂の押出速度を変えずに素線の線速度の下降、上昇とオーバーフロー弁の開閉とにより色替えを行わせるようにしたから、通常運転条件により極く短時間で色替えが可能である。しかも樹脂の押出速度を変えないため、製品の静電容量値、電線径が短時間に安定し生産性が向上するとともに、スクラップ量が少なくなって製品コストも低くなる。さらに、ラインを停止することなく連続運転下で色替えが行えるため、処理時間の短縮化がより図られる。
【0034】
また本発明によれば、クロスヘッド内樹脂圧力を一定に保持しながら前述の色替え運転を行わせることによって、製品の静電容量値、電線径を素早く安定させることができる。さらにまた、色替え開始の前に樹脂の供給替えを行わせるようにすることによって、色替え時間を一定化することができ、運転制御が確実、かつ容易となる。また、色替え時にオーバーフロー弁を開かせるタイミングを、クロスヘッドを出た被覆電線の外径を測定する外径測定器の外径信号、色替作業の開始からの経過時間を測定するタイマの時間信号、素線の速度低下後の線速度、クロスヘッド内の樹脂圧力のいずれかの値に対応して長短調節することによって、走行中の条件に応じた適切なタイミングがとれる結果、樹脂圧力オーバに起因する断線がなくなって、スクラップ量が少量一定化する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一層電線被覆装置の要部構成を示す概略図である。
【図2】図1図示一層電線被覆装置によって製造される絶縁電線の断面図である。
【図3】図1に示されるオーバーフロー弁3の要部構造を示す断面図であり、(A)は閉作動状態、(B)は開作動状態が示される。
【図4】図1図示一層電線被覆装置における色替運転時の樹脂押出速度および素線線速度のタイムチャートである。
【図5】本発明の実施例に係る二層電線被覆装置の要部構成を示す概略図である。
【図6】図5図示二層電線被覆装置によって製造される絶縁電線の断面図である。
【図7】図5図示一層電線被覆装置における色替運転時の樹脂押出速度および素線線速度のタイムチャートである。
【符号の説明】
1…モータ
2…押出機
3…オーバーフロー弁
4…クロスヘッド
5…素線
6…樹脂

Claims (3)

  1. 内層押出機で押出した樹脂と外層押出機で押出した樹脂とをクロスヘッドで素線の外周に二層に被覆するように構成されるとともに、内層押出機の出口にクロスヘッド用オーバーフロー弁、外層押出機の出口に外層押出機アダプタ用オーバーフロー弁がそれぞれ開閉自在に設けられる二層電線被覆装置において、外層押出機での色替作業の開始に応動して、内層押出機の押出速度を変えないで素線の線速度を低下させ、かつ、外層押出機の押出速度を上昇させるとともに、前記両オーバーフロー弁を開かせて、所定タイミング経過後、線速度を上昇させ、かつ、外層押出機の押出速度を下降させるとともに、両オーバーフロー弁を閉じさせる制御手段が設けられてなることを特徴とする電線被覆装置の色替制御装置。
  2. 元の樹脂と次の樹脂との供給切替えを色替作業の開始の前に行わせる樹脂切替え手段が、前記制御手段に付設されてなることを特徴とする請求項1に記載の電線被覆装置の色替制御装置。
  3. 前記制御手段における外層押出機アダプタ用オーバーフロー弁を開かせるタイミングが、クロスヘッドを出た被覆電線の外径を測定する外径測定器の外径信号、色替作業の開始からの経過時間を測定するタイマの時間信号、素線の速度低下後の線速度、クロスヘッド内の樹脂圧力のいずれかの値に対応して長短調節されることを特徴とする請求項1または2に記載の電線被覆装置の色替制御装置。
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